JP2022059380A - 容器用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル性が高く、且つ容器としての機能が高度に維持される可撓性容器を形成可能な容器用シート等を提供する。【解決手段】複数のフィルムが積層された可撓性容器に用いる容器用シートであって、第1塗工型ガスバリア層がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる第1基材層を含む第1フィルムと、第2塗工型ガスバリア層がコーティングされた、第1基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層を含む第2フィルムとを備え、第1フィルムと第2フィルムとが、第1基材層と第2基材層とがヒートシールされることにより接合され、さらに、第1フィルムと第2フィルムとの間に、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部が形成されている容器用シートにより、前記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、容器用シート、ならびに、この容器用シートを使用して形成された可撓性容器および可撓性容器詰め品に関する。
近年、複数のフィルムが積層され、そのフィルム層の層間に空気などの充填材が封入された構造であるシート材容器の開発が進んでいる。
例えば特許文献1には、収容物を収容する内容器と、複数のフィルム層を積層した被覆体構成シート材で構成されていて内容器を覆っている被覆体と、を備えるシート材容器であって、被覆体構成シート材は、複数のフィルム層どうしが接合しているフィルム領域(接合領域)と、複数のフィルム層の層間に空気などの充填材が存在していてフィルム領域よりも被覆体構成シート材の厚み方向に膨らんでいる充填材封入部とを備え、さらに、内容器と被覆体との間に外気を導入させる外気導入部を備えるシート材容器について記載されている。
そして、このようなシート材容器は、充填材封入部に充填材が封入されることによりその構造が維持されるため、シート材の薄肉化が可能であり、また、その収容物を使い切った後は、充填材封入部から充填材を除去してその剛性を失わせ、容器を小さく押しつぶすことができるため、廃棄物の削減が可能である。
特許第6193535号公報
しかしながら、環境負荷をより軽減するため、各種シート材容器については、環境特性などにおいてさらなる改善が求められている。本発明者の検討によれば、特許文献1に記載されたシート材容器は、廃棄物を削減できる点において優れているが、特にリサイクルの観点からさらなる改善の余地がある。
また、特許文献1に記載されたシート材容器は、充填材封入部に充填材が封入されて充填材封入部が膨らむことにより容器本体に剛性が付与され、その構造が維持されるが、この充填材に空気などのガスを用いる場合、過酷な環境下における充填材封入部付近の剥離(デラミネーション)発生、クラック発生、変形、破損などによるガス漏洩を抑制するという点においてもさらなる改善の余地がある。つまり、そのリサイクル性を高めつつ、ガスが封入された充填材封入部からのガス漏洩を高度に抑制するという点について、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リサイクル性が高く、且つ容器としての機能が高度に維持される可撓性容器を形成可能な容器用シート、ならびに、この容器用シートを使用して形成された可撓性容器および可撓性容器詰め品に関する。
本発明は、複数のフィルムが積層された可撓性容器に用いる容器用シートであって、第1塗工型ガスバリア層がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる第1基材層を含む第1フィルムと、第2塗工型ガスバリア層がコーティングされた、第1基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層を含む第2フィルムとを備え、第1フィルムと第2フィルムとが、第1基材層と第2基材層とがヒートシールされることにより接合され、さらに、第1フィルムと第2フィルムとの間に、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部が形成されている容器用シートに関する。
本発明によれば、リサイクル性が高く、且つ、ガス封入部からのガス漏洩が起こりにくく容器としての機能が高度に維持される可撓性容器を形成可能な容器用シート、ならびに、この容器用シートを使用して形成された可撓性容器および可撓性容器詰め品を提供することができる。
本発明の実施形態に係る容器用シートの正面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートを使用して形成された可撓性容器(シート材容器)の斜視図である。 図2のIII-III線に沿ったフィルム層の切断端面図である。 図3に示す切断端面図を、各フィルムを離した状態として表した図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのフィルム層の変形例を示す切断端面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのフィルム層の他の変形例を示す切断端面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのフィルム層のさらなる変形例を示す切断端面図である。 第3フィルムを備える本発明の実施形態に係る容器用シートのフィルム層を示す切断端面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのさらなる変形例の第1フィルム部分を示す切断端面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのスカート部付近の正面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートの容器底部付近の展開平面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートの変形例における容器底部付近の展開平面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートの他の変形例における容器底部付近の展開平面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートのさらなる変形例における容器底部付近の展開平面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートの前後シール部付近の上下方向に沿った切断端面図である。 本発明の実施形態に係る容器用シートの変形例の前後シール部付近の上下方向に沿った切断端面図である。 切欠形状部が形成された本発明の実施形態に係る各種容器用シートの容器底部付近の展開正面図である。 非コーティング領域が形成された本発明の実施形態に係る各種容器用シートの容器底部付近の展開正面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。
〔全体構成〕
まず、図1から図4を用いて本発明に係る容器用シート、可撓性容器および可撓性容器詰め品の実施形態の全体構成について説明する。
本発明に係る容器用シートは、複数のフィルムが積層された可撓性容器に用いる容器用シートであって、以下の実施形態を包含するものである。
本実施形態に係る容器用シート100は、例えば図3および図4に示されるような、第1塗工型ガスバリア層13がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層11aが含まれる第1基材層11を含む第1フィルム1と、第2塗工型ガスバリア層23がコーティングされた、第1基材層11と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層21を含む第2フィルム2とを備え、第1フィルム1と第2フィルム2とが、第1基材層11と第2基材層21とが対面してヒートシールされることにより接合(フィルム接合)されている。そして、第1フィルム1と第2フィルム2との間には、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部5が形成されている。なお、第1フィルム1と第2フィルム2との間には、フィルム接合されたフィルム接合領域およびガス封入部5の他に、さらに非接合領域を備えていても良い。
ここで、図4においては、本発明に係る容器用シートの実施形態の構成をわかりやすく示すために、便宜上、第1フィルム1と第2フィルム2とを離した状態として図示しているが、これらがフィルム接合された状態において、ガス封入前のガス封入部5および非接合領域では、各フィルム層が非接合で当接していても良い。後述する図5から図8についても同様である。
そして、本実施形態に係る容器用シート100は、前述した第1フィルム1と第2フィルム2を相互に積層して、上記したようにヒートシールによって部分的にフィルム接合する方法によりこの間にガス封入部5が形成されたシート材を作製し、このシート材を例えば第2フィルム2が容器内部側となるように折り畳み、容器用シート100を構成する部分の周縁部どうしの少なくとも一部をヒートシール等により接合することによって製袋して、さらに不要な部分を切断等により除去することによって作製することができる。
また、ガス封入部5は、例えば図1および図2に示されるように、本実施形態に係る容器用シート100を使用して可撓性容器を形成したときに、その容器本体の周縁に沿って一繋がりとなるように形成される。そして、収容物の収容前あるいは収容後において、ガス封入部5に、例えば、フィルム層と一体として設けられガス封入部5と連通している非接合領域がその外縁まで達しているガス導入部105などからガスが充填され、ガス封入部5がシート材の厚み方向に膨らむことにより、容器本体に剛性が付与される。つまり、容器本体に高い自立性、圧縮強度、スクイズバック性などが付与される。なお、ガス導入部105は、ガス充填後に適宜の方法により封止され、必要に応じて切除される。
なお、このガス封入部5は、上記したような一繋がりではなく、互いに独立して複数形成されていても良く、また、容器本体の周縁以外にも形成可能であり、その数や形成領域は特段限定されない。そして、可撓性容器に収容された収容物を使い切った後には、このガス封入部5からガスを除去することによって容器本体は剛性を失うため、この容器本体を容易に小さく押しつぶすことができる。この結果として、廃棄物の削減、ひいては環境負荷の低減が期待できる。
このガス封入部5に封入するガスの種類としては、空気、窒素、酸素、不活性ガス(アルゴン、ヘリウムなど)などが例示され、特段限定はされないが、コストなどの観点から空気を用いるのが好ましい。そして、ガスが封入されたガス封入部5の内圧についても限定されるものではないが、可撓性容器を形成したときに十分な剛性を付与するという観点から、例えば、ゲージ圧力換算で10kPa以上であるのが好ましく、20kPa以上であるのがより好ましい。そして、500kPa以下であるのが好ましく、100kPa以下であるのがより好ましい。
このようにして、本実施形態に係る容器用シート100を使用して、第1フィルム1の内側(容器内部側)に第2フィルム2が配置され、この第2フィルム2の内側に収容物を収容する収容領域を有する容器本体を備え、ガス封入部5にガスが封入された、例えば特許第6193535号公報に開示された形状などの可撓性容器(シート材容器)を形成することができる。つまり、収容領域を囲むように第2フィルム2が配置され、収容領域よりも外側(容器外部側)であって、第1フィルム1と第2フィルム2との間にガス封入部5が配置された実施形態である可撓性容器を形成することができる。なお、本実施形態に係る容器用シート100には、図1に示すような、可撓性容器を形成したときに自立可能な形態となるように、容器底部となる底マチ部101が設けられていても良く、さらにこの底マチ部101とは反対側の端部に容器天面部となる天マチ部102が設けられていても良い。また、形成される可撓性容器の自立性などをより高めるために、容器底部側(自立させたときに容器底部となる側)に後述するようなスカート部205が設けられていても良い。あるいは、本実施形態に係る容器用シート100は、容器本体の前面側あるいは後面側で寝かせて配置することを想定した実施形態であっても良い。
また、本実施形態に係る容器用シート100は、第1フィルム1の第1基材層11および第2フィルム2の第2基材層21と同一種である単一種樹脂素材により構成される第3基材層31を含む第3フィルム3を備える実施形態であっても良い。このような実施形態の容器用シート100を使用して、第3フィルム3の周縁部の少なくとも一部どうしがヒートシールにより接合されることによって製袋されて、この第3フィルム3は、容器本体の収容領域を形成する内容器となり、さらにこの第3フィルム3の外側(容器外部側)に配置されたガス封入部5にガスが封入された、内容器を備える可撓性容器を得ることができる。
ここで、本実施形態に係る容器用シート100には、収容物を収容あるいは排出するための開口部が設けられるが、この開口部にはさらにポンプ付きキャップなどにより封止されるスパウト103が設けられていても良い。なお、このスパウト103は、リサイクル性をより高めるという観点から、第1基材層11と同一種である単一種樹脂素材により構成されたものであるか、または各フィルム(例えば第1フィルム1および第2フィルム2)との分離が容易な構成であるのが好ましい。また、スパウト103には、上記した開口部の封止を行うネジ山が設けられていても良い。あるいは、本実施形態に係る容器用シート100は、その開口部が収容領域におけるフィルムの非接合部分であり、この非接合部分から収容物を収容し、収容後にヒートシールによってこの非接合部分が密封される構成あっても良く、容器本体の形態などに応じて適宜選択可能である。
そして、本実施形態に係る容器用シート100を使用して形成された可撓性容器を使用して、収容領域に収容物が収容された可撓性容器詰め品を得ることができる。この可撓性容器詰め品に収容された収容物を使用する場合には、開口部からこの収容物をスクイズやポンピング等によって排出して使用する。可撓性容器に収容する収容物の種類は、特に限定されないが、例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗顔料、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品、エンジンオイルなどが挙げられる。
また、この収容物は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、あるいは粉状のものなど)であっても良い。
収容物が液体である場合には、その粘度は、例えば30℃において1mPa・s以上であることが好ましく、そして、12万mPa・s以下であることが好ましく、6万mPa・s以下であることがより好ましい(いずれもB型粘度計(例えば東機産業社製ビスコメーターTV-10またはビスコメーターTVB-10など)により測定)。
〔フィルム層構成〕
次に、本発明に係る容器用シートのフィルム層構成に関する好ましい実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る容器用シート100では、その最外フィルム(容器用シートにおいて最も外表面側に配置され、容器用シート全体を覆っているフィルム)として第1フィルム1(外側本体フィルム)を備える。そして、この第1フィルム1は、第1塗工型ガスバリア層13がコーティングされた、ヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層11aが含まれる第1基材層11を含む。
ここで、本実施形態に係る容器用シート100において、第1フィルム1は、第1基材層11および第1塗工型ガスバリア層13の他に、最も薄い第1基材層11の単層よりも厚さが50%未満、好ましくは20%未満である層(例えば後述する脱離プライマー層51など)をさらに含んでも良い。そして、第1塗工型ガスバリア層13は、最も薄い第1基材層11の単層よりも厚さが20%未満であることがより好ましい。これは、後述する第2フィルム2や第3フィルム3においても同様である。
そして、まず第1塗工型ガスバリア層13とは、第1基材層11のいずれかの面(後述する脱離プライマー層51などを介していても良い)にガスバリア性を有する素材を塗工することによって形成されたコーティング層であり、金属やシリカなどを蒸着させて形成された蒸着層は、この第1塗工型ガスバリア層13には包含されない。つまり、第1塗工型ガスバリア層13は、ガスバリア性を有する素材を塗工して形成されたコーティング層に限定される。そして、ガスバリア性を有する素材としては、塗工によりコーティング層形成が可能な素材であれば特段限定はされないが、例えば、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、有機(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)系)/無機(板状フィラー)ナノコンポジット型材料、有機(酢酸ビニル(VA)系)/無機(シロキサンポリマー)ハイブリッド型材料、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)とアクリル酸およびメタクリル酸メチルとの共重合体、ヒドロキシポリウレタンなどが好適なものとして示される。特に、基材層への塗工性(塗工した際の密着性)が高いものを使用するのがより好ましい。
また、この第1塗工型ガスバリア層13は、第1基材層11に少なくとも1層コーティングされることが必要である。そして、そのガスバリア性は23℃65%RHにおいて100mL/m2・day・atm以下(MOCON社製 OX-TRAN2/21MLにより、JIS K7126に準拠した方法によって測定)であることが好ましく、10mL/m2・day・atm以下であることがより好ましい。なお、ガスバリア性をより高めるために、第1塗工型ガスバリア層13は、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる2以上を第1基材層11の一方の面に複数の層となるように重ねてコーティングした構成や、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる1以上を第1基材層11の両面にそれぞれ1層以上コーティングした構成などの、複数の層がコーティングされた構成としても良い。
次に、第1基材層11とは、ヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成されるフィルムの主体となる層である。この「ヒートシール性」とは、フィルムどうしを熱融着させることができる性質である。そして、この第1基材層11には、ガス封入部5の耐久性(高温耐久性、衝撃耐久性等)などを高めるために、少なくとも延伸フィルム層11aが含まれる。したがって、この第1基材層11は、ヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成される1以上の延伸フィルム層11aだけを含む構成であっても良く、あるいは、ヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成される1以上の延伸フィルム層11aと1以上の無延伸フィルム層11bとを含む構成であっても良い。このようなヒートシール性を有し且つ延伸フィルム層とすることができる樹脂素材としては、ポリエチレン(PE)系樹脂素材、ポリプロピレン(PP)系樹脂素材などが例示される。
ここで、本実施形態において「単一種樹脂素材」とは、単一種の樹脂素材、つまり分子の化学構造として主鎖および側鎖の分子骨格が共通している樹脂素材を意味する。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、これらのいずれかを延伸した一軸延伸ポリエチレン(OPE)、二軸延伸ポリエチレン(BOPE)などは全てメチレン基(-CH2-)の繰り返し骨格を有するポリマー、つまりポリエチレン系樹脂素材として単一種樹脂素材に包含される。また、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)などは全てプロピレン基(-CH2-CH(CH3)-)の繰り返し骨格を有するポリマー、つまりポリプロピレン系樹脂素材として単一種樹脂素材に包含される。したがって、「単一種樹脂素材により構成される」とは、例えば、単一種樹脂素材としてポリエチレン系樹脂素材を使用した場合においては、HDPE、LDPE、LLDPE、ULDPE、OPE、BOPEなどのポリエチレン系樹脂素材から選ばれる1以上(延伸フィルムを含む1以上)により構成されていることを意味する。特に、印刷特性や製袋加工性、ヒートシール性などの観点から、この単一種樹脂素材がポリエチレン系樹脂素材であるのが好ましく、この第1基材層11がLLDPE(無延伸フィルム層)とBOPE(二軸延伸フィルム層、特にLLDPEのBOPE)とにより構成されるのがさらに好ましい。
また、本実施形態において「延伸フィルム」とは、樹脂素材のフィルムを一定の方向に機械的に引き伸ばして作られたフィルムを意味する。この延伸フィルムとしては、一方向(例えばMD方向(machine dirrection、フィルムの流れ方向))に引き伸ばされた一軸延伸フィルム、二方向(例えばMD方向およびTD方向(transverse dirrection、フィルムの流れ方向に対して垂直な方向))に引き伸ばされた二軸延伸フィルムなどを使用することができる。なお、フィルムを薄膜化しても容器の剛性を保ち易く、且つガスバリア層の塗工や印刷がよりし易いことから、この第1基材層11の延伸フィルム層11aは、二軸延伸フィルム層であるのがより好ましい。また、延伸フィルム層11aの延伸倍率は200%以上800%以下であるのが好ましく、300%以上600%以下であるのがより好ましい。この範囲の延伸倍率にすることで、フィルムの厚みムラが起こりにくく、また、製膜中の破断をより防ぎやすいからである。なお、本実施形態に係る容器用シート100の第1フィルム1における延伸フィルム層11aの延伸方向の配置については、特段限定はされないが、可撓性容器としたときの上下方向(容器底部側を下とした場合の上下方向)および/またはこの上下方向と垂直な方向に延伸フィルム層11aの延伸方向が配置される構成であると、ガス封入部5の耐久性などをより高め易いため好ましい。また、例えば二軸延伸ポリエチレンフィルム(BOPE)の場合、原料となる無延伸フィルムはHDPE、MDPE、LDPE、LLDPEのいずれであっても良く、さらには、二軸延伸の方法も、MD方向とTD方向とを同時に延伸する同時二軸延伸や、MD方向を延伸した後にTD方向を延伸する逐次二軸延伸であって良い。また、適宜ロール加熱、赤外加熱などで加熱した後、所望とする延伸方向(MD方向、TD方向)に延伸することもできる。
そして、この第1基材層11は、単一の層(単層)であっても良く、あるいは複数のフィルム層が積層された構成であっても良い。しかし、複数のフィルム層が積層された構成である場合においても、この積層された各フィルム層は全て単一種樹脂素材により構成される必要があり、且つ、延伸フィルム層11aを少なくとも1層含む必要がある。例えば、図3および図4に示されるような、ガス封入部5に直接接触しているフィルム層が無延伸フィルム層11b(例えばLLDPE)であり、ガス封入部5と直接接触していない層に延伸フィルム層11a(例えばLLDPEのBOPE)を含む積層構成であると、第1フィルム1と第2フィルム2とのヒートシールによる接合がよりし易く、且つ外部からの衝撃などによるガス封入部5からのガス漏洩がより起こりにくいため好適である。
また、この第1基材層11における複数のフィルム層の積層は、ヒートシールによる接合により積層された構成であっても良く、ドライラミネート、押出ラミネート、共押出ラミネートなどによる接合により積層された構成であっても良いが、製造のし易さおよびリサイクル性向上という観点から、押出ラミネートにより接合されて積層された構成であるのが好ましい。後述する第2基材層21および第3基材層31も同様である。つまり、本実施形態に係る容器用シート100は、押出ラミネートにより接合されて積層された基材層を含むフィルムを備えるのが好ましい。特に、単一種樹脂素材としてポリエチレン系樹脂素材を使用した場合には、この押出ラミネートにより容易に基材層の積層(接合)が可能であり、接合にドライラミネートで用いるような接着剤(例えばウレタン系接着剤など)が必要なく、異種素材の押出ラミネートで用いるようなアンカーコート剤(例えばウレタン系のAC剤)も必要ないため、本実施形態に係る容器用シート100から得られるリサイクル材の品質がより向上する。例えば、無延伸フィルム層11bとしてLLDPEを、延伸フィルム層11aとしてBOPEを用いた場合には、無延伸フィルム層11bと延伸フィルム層11aとの間にポリエチレン樹脂(例えばLDPE)を溶融押出しして接合し成形することが好ましい。なお、この第1基材層11の積層は、図5に示すように、第1塗工型ガスバリア層13を挟んで積層されていても良い。さらには、このような第1塗工型ガスバリア層13が第1基材層11の複数のフィルム層の積層間に形成された構成である場合において、第1塗工型ガスバリア層13を挟んでいる一方の層が無延伸フィルム層11b(例えばLLDPE)であり、他方の層が延伸フィルム層11a(例えばLLDPEのBOPE)である構成であっても良い。
さらに、本実施形態に係る容器用シート100では、上記した第1フィルム1の内側(シート内部側)に配置され、この第1フィルム1と部分的に接合された第2フィルム2(内側本体フィルム)を備える。つまり、第1フィルム1の内側に第2フィルム2が配置され、この第2フィルム2の内側に収容物を収容する収容領域が存在する可撓性容器を形成可能な構成である。そして、この第2フィルム2は、第2塗工型ガスバリア層23がコーティングされた、第1基材層11と同一種であるヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成される第2基材層21を含む。
まず、第2塗工型ガスバリア層23とは、第2基材層21のいずれかの面(これも後述する脱離プライマー層51などを介していても良い)にガスバリア性を有する素材を塗工することによって形成されたコーティング層であり、この第2塗工型ガスバリア層23についても、第1塗工型ガスバリア層13と同様に、金属やシリカなどを蒸着することにより形成された蒸着層は包含されず、ガスバリア性を有する素材を塗工して形成したコーティング層に限定される。そして、ガスバリア性を有する素材としては、第1塗工型ガスバリア層13と同様の素材を使用することができる。なお、この第2塗工型ガスバリア層23に使用する素材は、第1塗工型ガスバリア層13に使用する素材と同じものに限定されず、第1塗工型ガスバリア層13に使用する素材とこの第2塗工型ガスバリア層23に使用する素材が異なる素材であっても良い。
さらに、この第2塗工型ガスバリア層23も、第1塗工型ガスバリア層13と同様に、第2基材層21に少なくとも1層コーティングされることが必要である。そして、第1塗工型ガスバリア層13と同様のガスバリア性を有するのが好ましく、また、そのガスバリア性をより高めるために、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる2以上を第2基材層21の一方の面に複数の層となるように重ねてコーティングした構成や、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる1以上を第2基材層21の両面にそれぞれ1層以上コーティングした構成などの、複数の層がコーティングされた構成としても良い。
本実施形態に係る容器用シート100では、第1フィルム1および第2フィルム2のいずれにもガスバリアコーティング層として上記した塗工型のガスバリア層(第1塗工型ガスバリア層13および第2塗工型ガスバリア層23)を備えることにより、第1フィルム1と第2フィルム2との間に形成されたガス封入部5にガスが封入された可撓性容器を形成したときに、ガスバリアコーティング層として蒸着層を備える可撓性容器とは異なり、ガス封入部5付近におけるフィルム屈曲などによるクラック発生がより起こりにくい(ガス封入部5からのガス漏洩がより起こりにくい)ことが特徴である。
次に、第2基材層21とは、第1基材層11と同一種であるヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成されるフィルムの主体となる層である。このように、本実施形態に係る容器用シート100では、第1フィルム1の第1基材層11を構成する単一種樹脂素材と第2フィルム2の第2基材層21を構成する単一種樹脂素材が同一種であることが必要である。ここで、本実施形態において「同一種」とは、基材層を構成する樹脂素材が同じ単一種樹脂素材に包含されることを意味する。つまり、本実施形態に係る容器用シート100における第2基材層21は、第1基材層11を構成している樹脂素材と同じ単一種樹脂素材に包含される樹脂素材により構成される。このような構成により、容器用シート全体が単一種樹脂素材の基材層を含むフィルムにより構成されることとなり、そのリサイクル性がより高まるからである。また、この第2基材層21も、前述した第1基材層11と同様に、単一の層であっても良く、あるいは複数のフィルム層が接合されて積層された構成であっても良く、さらに、第2塗工型ガスバリア層23が第2基材層21の積層間に形成された構成であっても良い。
なお、この第2基材層21は、第1基材層11と同一種であるヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成される1以上の無延伸フィルム層21bだけで構成されていても良いが、第1基材層11と同様に、上記単一種樹脂素材により構成される延伸フィルム層21aが1以上含まれる構成であると、ガス封入部5付近のフィルム耐久性などがより向上するため好ましい。この延伸フィルム層21aには、前述した第1基材層11の延伸フィルム層11aと同様の延伸フィルムを使用することができ、その配置等も前述した第1基材層11の延伸フィルム層11aと同様であって良い。
一方、前述したような実施形態とは別の変形例として、この第2フィルム2を最外フィルムとした実施形態とすることも可能であるが、このような変形例においても、この第2フィルム2の第2基材層21は、上記単一種樹脂素材により構成される1以上の無延伸フィルム層21bだけで構成されていても良く、あるいは、少なくとも上記単一種樹脂素材により構成される延伸フィルム層21aが含まれる構成であっても良い。
そして、この第2フィルム2は、上記した第1フィルム1と、第2基材層21と第1基材層11とが対面してヒートシールされることにより接合されている。さらに、第1フィルム1と第2フィルム2との間には、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部5が形成される。このように、本実施形態に係る容器用シート100では、単一種樹脂素材により構成される複数のフィルムがヒートシールにより接合され、各フィルム間において伸び率などの特性の違いも少ないため、特にガス封入部5付近におけるフィルムの剥離(デラミネーション)が起こりにくい。また、本実施形態に係る容器用シート100では、容器としての機能(剛性など)を維持しつつシートを薄肉化することが可能となり、これによりガス封入部5付近やフィルム層端部のシワ発生を軽減することができる。このシワ発生が軽減されると、フィルム層のクラック(ピンホールなど)発生が抑制され、このシートを使用して形成された可撓性容器の耐久性がより向上する。そして、少なくとも第1フィルム1に延伸フィルム層11aが含まれるため、特にガス封入部5付近の経時変形が抑制され(ガス封入部5の内圧などに対する経時的なフィルム耐久性が向上し)、高温耐久性も向上し、輸送時の衝撃や擦れなどによるガス封入部5の破損も抑制される。つまり、ガス封入部5からのガス漏洩がより起こりにくくなり、容器としての機能(剛性など)が高度に維持されたものとなる。さらに、厚肉な容器用シートはフィルム端部などが硬くなるため、このような厚肉の容器用シートを使用して形成された可撓性容器は手に当たると痛い(容器把持感が悪い)ことがあるが、本実施形態に係る容器用シート100では、シートを薄肉化することが可能となるため、このシートを使用して形成された可撓性容器の把持感もより向上する。
ここで、本実施形態に係る容器用シート100における第1フィルム1と第2フィルム2とのヒートシール条件は、使用する単一種樹脂素材の特性などにより適宜設定を行えば良いが、例えば110℃以上230℃以下のシール温度、0.3MPa以上1.0MPa以下のシール圧力、0.1秒以上10秒以下のシール時間において行うことなどが例示される。
本実施形態に係る容器用シート100では、第1フィルム1および第2フィルム2により容器用シートが構成される実施形態の場合においては、第2フィルム2の周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋され、収容物を収容する収容領域が形成される。この接合には、ヒートシール、超音波シール、接着層などを用いることができるが、リサイクル性の観点から、ヒートシールによる接合によって製袋されるのが好ましい。また、本実施形態に係る容器用シート100は、前述したように、第2フィルム2の内側に、その周縁部が第1フィルム1および第2フィルム2よりもわずかに内側に配置され、その周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋され、収容領域を形成する内容器となる第3フィルム3(内容器フィルム)を備える実施形態であっても良い。この第3フィルム3は、第1フィルム1の第1基材層11および第2フィルム2の第2基材層21と同一種であるヒートシール性を有する単一種樹脂素材により構成される第3基材層31を含み、上記した収容物を収容する収容領域が内側に形成され、第1フィルム1および第2フィルム2とは少なくとも部分的に非接合である。さらに、この第3フィルム3には、収容物を収容および排出が可能な開口部が備わる。なお、第3フィルム3の第3基材層31も、前述した第1基材層11や第2基材層21と同様に、単一の層であっても良く、あるいは複数の層が積層された構成であっても良い。また、第3フィルム3の製袋も、ヒートシール、超音波シール、接着層などを用いて接合して行うことができるが、リサイクル性の観点から、ヒートシールによる接合により製袋されるのが好ましい。
なお、上記した第3基材層31には、収容領域から収容物の香気成分や水分(水蒸気)などが漏洩することを抑制するために、いずれかの面(これも後述する脱離プライマー層51などを介していても良い)に第3塗工型ガスバリア層33がコーティングされていても良い。この第3塗工型ガスバリア層33も、前述した第1塗工型ガスバリア層13や第2塗工型ガスバリア層23と同様のガスバリア性を有する素材を塗工して形成することができ、さらに、収容物との直接の接触を避けるという観点から、第3基材層31の外側(容器外部側)の面に塗工されているのがより好ましい。そして、そのガスバリア性をより高めるために、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる2以上を第3基材層31の一方の面に複数の層となるように重ねて塗工した構成や、上記したガスバリア性を有する素材から選ばれる1以上を第3基材層31の両面にそれぞれ塗工した構成であっても良い。あるいは、第3塗工型ガスバリア層33が第3基材層31の積層間に形成された構成であっても良い。また、内容器の耐久性をより高めるなどのために、上記した第3基材層31には、第1基材層11や第2基材層21と同様に、延伸フィルム層31aが1以上含まれる構成であっても良く、その配置等も前述した第1基材層11の延伸フィルム層11aや第2基材層21の延伸フィルム層21aと同様であって良い。
そして、この第3フィルム3を備える本実施形態に係る容器用シート100では、上記したように、第3フィルム3の周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて内容器となり、この内容器内に、収容物を収容する収容領域が形成される。なお、この第3フィルム3には、開口部としてスパウト103などが設けられていても良い。また、第3フィルム3と第2フィルム2とは、全体にわたって非接合であるか、あるいは第3フィルム3と第2フィルム2の周縁部の少なくとも一部とが互いに接合された状態であることにより、収容物を使用する際にこの内容器が容易に縮小して、収容物が最後まで排出されやすくなるとともに、容器本体の剛性は第1フィルム1と第2フィルム2との間に形成されたガス封入部5によって保たれる。但し、第3フィルム3と第2フィルム2とが全体にわたって非接合である場合でも、内容器となる第3フィルム3が第2フィルム2の内側に保持される構成であることが好ましい。そして、この第3フィルム3と第2フィルム2との間には、上記した縮小をし易くするために、内容器と、この内容器を被覆するフィルム層との間に外気を導入させる外気導入部を設けても良い。
本実施形態に係る容器用シート100は、このように最外層から順に第1フィルム1、第2フィルム2、そして必要であれば第3フィルム3を備えるが、ガス封入前における積層フィルム全体の厚さは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上であり、また、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。さらに、各フィルムの厚さは、好ましくはそれぞれ5μm以上、より好ましくはそれぞれ10μm以上、さらに好ましくはそれぞれ20μm以上であり、また、好ましくはそれぞれ150μm以下、より好ましくはそれぞれ100μm以下である。このような本実施形態に係る容器用シート100を使用して可撓性容器を形成することにより、容器本体の剛性を高度に維持でき、且つ非常に薄肉である可撓性容器を得ることができる。
そして、本実施形態に係る容器用シート100は、リサイクル性が高まったものとするために、上記したように全てのフィルムの基材層が単一種樹脂素材により構成されている必要があり、これらの基材層には使用されている単一種樹脂素材以外の素材を実質的に含まないことが必要である。なお、本発明において「実質的に含まない」とは、質量割合としてフィルムの1%未満であることを意味し、0.5%未満であることが好ましく、0%であることが最も好ましい。
ここで、図4から図9を用いて、本実施形態に係る容器用シート100における各フィルム層またはフィルム層間の構成の具体例についてさらに詳しく説明する。
本実施形態に係る容器用シート100における各フィルム層の構成は、可撓性容器を形成した場合に求められる特性や、収容物の種類などに応じて各種変形が可能である。例えば、図4や図5に示されるような、ガス封入部5が第1フィルム1の第1基材層11と第2フィルム2の第2基材層21とにより挟まれて形成されている構成が好ましい実施形態のひとつとして例示される。
このような構成であると、ガス封入部5と直接接触している領域を含む各面は全面ヒートシールすることが可能であるため、所望の形状である溝部を形成した金型の使用によってガス封入部5を任意に形成することができる。また、第1フィルム1と第2フィルム2との積層においてガス封入部5の形成などのための厳密な位置調整を行う必要がないため、第1フィルム1と第2フィルム2とのヒートシールによる接合がより容易となる。
なお、本発明においてガス封入部5が「挟まれて形成」とは、ガス封入部5が直接面している(直接接触している)2つの層により形作られて形成され、これらの層間に配置されていることを意味し、ガス封入部5と直接面している層以外の層との配置関係を意味するものではない。
例えば、図4の実施形態の場合、ガス封入部5が第1フィルム1の第1基材層11(無延伸フィルム層11b)と第2フィルム2の第2基材層21(無延伸フィルム層21b)とにより挟まれて形成されており、第1塗工型ガスバリア層13は、第1基材層11のガス封入部5を形成していない面側(延伸フィルム層11aの外面側)にコーティングされており、第2塗工型ガスバリア層23も、第2基材層21のガス封入部5を形成していない面側(延伸フィルム層21aの内面側)にコーティングされている。
このような構成であると、ガス封入部5の形成領域よりも広い範囲に塗工型ガスバリア層をコーティングすることが可能となり、また、塗工型ガスバリア層はいずれも延伸フィルム層に塗工されるため塗工がし易く、容器の剛性を維持しつつ、ガス封入部5からのガス漏洩のリスクをより一層低減することができる。
なお、この図4の実施形態の変形例として、ガス封入部5が延伸フィルム層11aと延伸フィルム層21aとにより挟まれて形成されており、第1塗工型ガスバリア層13は無延伸フィルム層11bの外面側にコーティングされており、第2塗工型ガスバリア層23は無延伸フィルム層21bの内面側にコーティングされている構成としても良い。この場合、第1フィルム1と第2フィルム2とが延伸フィルム層どうしでヒートシールされることとなるため、これらのヒートシール性がより高まる。
また、図5の実施形態の場合、これもガス封入部5が第1フィルム1の第1基材層11と第2フィルム2の第2基材層21とにより挟まれて形成されている。そして、第1基材層11は単一種樹脂素材により構成され且つ延伸フィルム層11aを含む複数のフィルム層(延伸フィルム層11aおよび無延伸フィルム層11b)が積層された構成であって、第1塗工型ガスバリア層13が第1基材層11の複数のフィルム層の積層間に形成されている。さらに、第2基材層21も第1基材層11と同一種である単一種樹脂素材により構成される複数のフィルム層(延伸フィルム層21aおよび無延伸フィルム層21b)が積層された構成であって、第2塗工型ガスバリア層23が第2基材層21の複数のフィルム層の積層間に形成されている。さらには、この変形例として、第1フィルム1または第2フィルム2のいずれか一方が、このように基材層の複数のフィルム層の積層間に塗工型ガスバリア層がコーティングされている実施形態も例示される。
第1フィルム1の第1塗工型ガスバリア層13が第1基材層11の複数のフィルム層の積層間にコーティングされている構成であると、容器輸送時の擦れなどによる第1塗工型ガスバリア層13の剥がれが極めて起こりにくいため好適である。また、第2フィルム2の第2塗工型ガスバリア層23が第2基材層21の複数のフィルム層の積層間にコーティングされている構成であると、第2フィルム2が製袋されて、第2フィルム2内に直接収容物を収容する収容領域を構成する実施形態においては、第2フィルム2の収容領域を構成する面に第2塗工型ガスバリア層23が形成されていないためヒートシールによる製袋がし易く、さらに収容物がこの第2塗工型ガスバリア層23に直接触れないことから、第2塗工型ガスバリア層23の材料選択性をより広げることができる。
さらに、図6の実施形態の場合、ガス封入部5が第1フィルム1の第1塗工型ガスバリア層13と第2フィルム2の第2塗工型ガスバリア層23とにより挟まれて形成されている。そして、ガス封入部5と直接面している第1塗工型ガスバリア層13および第2塗工型ガスバリア層23は、いずれも、第1基材層11および第2基材層21の対向している各面において、第1フィルム1と第2フィルム2とのヒートシールによるフィルム接合がなされるヒートシール部を除く部分に塗工されている。ここで、ガス封入部5と直接面している第1塗工型ガスバリア層13および第2塗工型ガスバリア層23は、ヒートシール部との境界において、フィルム接合されたときに第1塗工型ガスバリア層13と第2塗工型ガスバリア層23との表裏面が完全に重複するように塗工されているのが好ましい。また、この図6の実施形態のように、第1基材層11の容器外面側にも第1塗工型ガスバリア層13がコーティングされ、さらに第2基材層21の容器内面側にも第2塗工型ガスバリア層23がコーティングされている構成としても良い。あるいは、図6の実施形態のさらなる変形例として、第1基材層11または第2基材層21のいずれか一方が、ガス封入部5を形成していない面側にも塗工型ガスバリ層がコーティングされている実施形態としても良い。
このように、第1フィルム1の第1塗工型ガスバリア層13および第2フィルム2の第2塗工型ガスバリア層23が、第1基材層11と第2基材層21とが対向する各面においてヒートシール部を除く部分にコーティング(パターンコーティング)されている構成とすることによって、ガス封入部5を形成する領域にも塗工型ガスバリア層が塗工されていることとなるため、第1塗工型ガスバリア層13と第2塗工型ガスバリア層23とはヒートシールによって接合しないことから、これらの塗工型ガスバリア層が非接合剤(いわゆる糊殺し剤)の役割を果たし、全面平板である金型を使用してもガス封入部5の形成が可能である。
さらには、図7の実施形態の場合、ガス封入部5が第1フィルム1の第1基材層11(延伸フィルム層11a)と第2フィルム2の第2塗工型ガスバリア層23とにより挟まれて形成されている。そして、第1塗工型ガスバリア層13は、第1基材層11の外面側、つまりガス封入部5を形成していない面側にコーティングされており、第2塗工型ガスバリア層23は、上記したように第2基材層21の外面側、つまり第1フィルム1と対向している面側にコーティングされて、ガス封入部5を形成している。なお、この図7の実施形態のさらなる変形例として、第2基材層21の内面側(第1フィルム1と対向していない面側)にも第2塗工型ガスバリア層23がコーティングされている実施形態も例示される。あるいは、第1塗工型ガスバリア層13は第1基材層11の内面側、つまり第2フィルム2と対向している面側にコーティングされており、第2塗工型ガスバリア層23は第2基材層21の内面側、つまりガス封入部5を形成していない面側にコーティングされており、ガス封入部5が第1フィルム1の第1塗工型ガスバリア層13と第2フィルム2の第2基材層層21とにより挟まれて形成されている実施形態も例示される。
上記した図6の実施形態の場合においては、第1フィルム1と第2フィルム2との接合時における位置ずれの許容度がやや小さく、ガス封入部5の全周にわたって塗工型ガスバリア層を形成することがやや難しい傾向があるが、この図7のような構成であると、ガス封入部5を形成する片側の面のみに塗工型ガスバリア層が塗工されていることによって、上記位置ずれの許容度がより大きくなるとともに、ガス封入部5の一方を形成する塗工型ガスバリア層が糊殺し剤としての機能も有するため、第1フィルム1と第2フィルム2とのヒートシールやガス封入部5の形成がより容易となる。
ここで、上記した各実施形態においては、さらに、基材層などを保護する保護層や、表示などを印刷する印刷層などが形成されていても良い。この保護層は、例えば第1フィルム1の外面側に塗工などによってコーティングされ第1フィルム1と一体となるように形成されても良いが、他の層間などに塗工や接着剤等によって形成されても良く、容器の擦れなどを考慮して適宜形成すれば良い。
また、この保護層や印刷層は、例えば、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、無色印刷層であり保護層としての機能を有するメジウム印刷層などによって形成することができる。なお、本実施形態に係る容器用シート100では、このメジウム印刷層を形成する場合には、第1フィルム1の外面側にメジウム印刷層が形成されるのが好ましい。このような構成とすることにより、外環境による第1塗工型ガスバリア層13や第1基材層11などの劣化を防ぐ効果がより高まるからである。また、上記した延伸フィルム層は印刷適正が高いため、印刷層をこの延伸フィルム層の表面にコーティングするのも好適である。つまり、本実施形態に係る容器用シート100は、少なくとも第1フィルム1の第1基材層11に延伸フィルム層11aを含むため、印刷適正がより高い構成であるとも言える。
そして、リサイクル性をより高めるという観点から、本実施形態に係る容器用シート100においては、上記した塗工型ガスバリア層は、コーティングされている基材層から脱離可能な脱離処理が施されている構成であるのが好ましい。つまり、第1塗工型ガスバリア層13または第2塗工型ガスバリア層23、あるいは、第3塗工型ガスバリア層33を備える実施形態の場合には第1塗工型ガスバリア層13、第2塗工型ガスバリア層23、および第3塗工型ガスバリア層33から選ばれる少なくとも1つが上記脱離処理が施されている構成であるのが好ましい。特に、第1塗工型ガスバリア層13および第2塗工型ガスバリア層23のいずれもが上記脱離処理が施されている構成であるのがより好ましく、第3塗工型ガスバリア層33を備える実施形態の場合には全ての塗工型ガスバリア層がいずれも上記脱離処理が施されている構成であるのがさらに好ましい。
ここで、この「基材層から脱離」とは、塗工型ガスバリア層のうち少なくとも90%以上が基材層から脱離することを意味し、この割合は95%以上であることが好ましく、98%以上であることがさらに好ましい。基材層から脱離可能な脱離処理が施されている実施形態としては、塗工型ガスバリア層自体が水性溶媒(温水、アルカリ水、酸性水等)または有機溶媒による洗浄により脱離可能な材料により構成されている実施形態、基材層の表面に水性溶媒または有機溶媒による洗浄により脱離可能な脱離プライマー層51がコーティングされ、この脱離プライマー層51に塗工型ガスバリア層がコーティングされている実施形態などが例示される。水性溶媒による洗浄により脱離可能な材料により構成されている塗工型ガスバリア層の例としては、例えば、前述したガスバリア性を有する素材に加えて水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリイミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアリルアミン樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノキシ樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、およびポリビニルアルコール樹脂、ならびにこれらの樹脂の変性物などの水性溶媒に溶解可能な素材を50%以上含有する実施形態などが示される。有機溶媒による洗浄により脱離可能な材料により構成されている塗工型ガスバリア層の例としては、例えば、前述したガスバリア性を有する素材と、このガスバリア性を有する素材のSP値(Solibility Parameter:溶解度パラメータ)に近い洗浄用有機溶媒により溶解または膨潤可能な素材(例えばこのガスバリア性を有する素材とSP値の差の絶対値が10(cal/cm31/2以下、より好ましくは5(cal/cm31/2以下である素材)とにより構成されている実施形態などが示される。また、水性溶媒による洗浄により脱離可能な脱離プライマー層51の例としては、例えば、上記した水性溶媒に溶解可能な素材により構成されている(この素材を60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上含有する)実施形態などが示され、有機溶媒による洗浄により脱離可能な脱離プライマー層51の例としては、例えば洗浄用有機溶媒のSP値に近い(例えば洗浄用有機溶媒とSP値の差の絶対値が10(cal/cm31/2以下、より好ましくは5(cal/cm31/2以下である)素材により構成されている実施形態などが示される。さらに、前述した保護層や印刷層を含む実施形態の場合でも、これらの層も同様に脱離可能な脱離処理が施されている構成であるとより好ましい。ここで、上記した含有割合は、いずれも質量割合を意味する。
なお、この「溶媒による洗浄により脱離可能」とは、塗工型ガスバリア層や脱離プライマー層51が溶媒と接触することによって基材層から脱離することが可能な構成であることを意味し、溶媒中における浸漬のほか、撹拌、電解洗浄、スプレー洗浄、スクラブ洗浄、超音波洗浄などの、物理的な力をさらに加える方法により脱離可能な構成も包含される。さらに、溶媒中における浸漬等に限らず、例えば加熱した蒸気(水蒸気など)を用いた方法や、流水を表面に当てる方法などにより脱離可能な構成も包含される。
ここで、図8に示される実施形態は、第1フィルム1および第2フィルム2に加えて、さらに第2フィルム2の内側に配置される第3フィルム3を備えるフィルム構成を有する場合を示している。前述したように、本実施形態に係る容器用シート100においては、第1フィルム1の第1基材層11および第2フィルム2の第2基材層21と同一種である単一種樹脂素材により構成される第3基材層31を含み、収容物を収容する収容領域が内側に形成され、第1フィルム1および第2フィルム2と少なくとも部分的に非接合である第3フィルム3を備えていても良い。そして、この第3フィルム3の第3基材層31は、図8の実施形態のように、少なくともいずれかの面に第3塗工型ガスバリア層33がコーティングされていても良く、また無延伸フィルム層31bと延伸フィルム層31aとを含んでいても良い。そして、第2フィルム2と第3フィルム3との部分接合をヒートシールにより行う場合には、第3塗工型ガスバリア層33は、そのフィルム接合部であるヒートシール部を除く部分に塗工された構成とする。
例えば、図8の実施形態の場合、まず第1フィルム1は、外面側から順に、第1塗工型ガスバリア層13、脱離プライマー層51、第1基材層11(延伸フィルム層11a、無延伸フィルム層11b)となっている。この第1塗工型ガスバリア層13は、脱離プライマー層51を介して第1基材層11にコーティングされているため、溶媒による洗浄により第1基材層11から脱離プライマー層51とともに脱離可能となっている。また第2フィルム2は、第1フィルム1と対向する側から順に、第2基材層21(無延伸フィルム層21b、延伸フィルム層21a)、脱離プライマー層51、第2塗工型ガスバリア層23となっている。この第2塗工型ガスバリア層23も、脱離プライマー層51を介して第2基材層21にコーティングされているため、溶媒による洗浄により第2基材層21から脱離プライマー層51とともに脱離可能となっている。そして、ガス封入部5は、第1基材層11の無延伸フィルム層11bと第2基材層21の無延伸フィルム層21bとにより挟まれて形成されている。さらに、第2フィルム2の内側に第3フィルム3が配置され、この第3フィルム3は、第2フィルム2と対向する側から順に、第3塗工型ガスバリア層33、脱離プライマー層51、第3基材層31(延伸フィルム層31a、無延伸フィルム層31b)となっている。この第3塗工型ガスバリア層33も、脱離プライマー層51を介して第3基材層31にコーティングされているため、溶媒による洗浄により第3基材層31から脱離プライマー層51とともに脱離可能となっている。
また、塗工型ガスバリア層が基材層における複数のフィルム層の積層間に形成されている実施形態では、上記した脱離プライマー層51を形成する場合、図9の実施形態(この図9では便宜的に第1フィルム1のみを示している)のように、基材層と塗工型ガスバリア層との複数の接合面にいずれも脱離プライマー層51を形成するのが好適である。この場合には、塗工型ガスバリア層の脱離は、フィルムを適宜切断してから行えば良い(上記した図8の実施形態でも、必要に応じて、フィルムを適宜切断してから塗工型ガスバリア層の脱離(溶媒による洗浄)を行うこともできる)。
そして、図8の実施形態の変形例として、第1フィルム1、第2フィルム2、および第3フィルム3のいずれも、上記したような塗工型ガスバリア層が基材層における複数のフィルム層の積層間に脱離プライマー層51を介して形成されている構成であっても良い。このような実施形態としては、例えば、第1フィルム1は、外面側から順に、延伸フィルム層11a、脱離プライマー層51、第1塗工型ガスバリア層13、脱離プライマー層51、無延伸フィルム層11bとなっており、第2フィルム2は、第1フィルム1と対向する側から順に、無延伸フィルム層21b、脱離プライマー層51、第2塗工型ガスバリア層23、脱離プライマー層51、延伸フィルム層21aとなっており、ガス封入部5は、第1基材層11の無延伸フィルム層11bと第2基材層21の無延伸フィルム層21bとにより挟まれて形成され、さらに、第2フィルム2の内側に第3フィルム3が配置され、この第3フィルム3は、第2フィルム2と対向する側から順に、延伸フィルム層31a、脱離プライマー層51、第3塗工型ガスバリア層33、脱離プライマー層51、無延伸フィルム層31bとなっているような構成が示される。
〔スカート部の構成〕
次に、本発明に係る容器用シートのスカート部の構成に関する好ましい実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る容器用シート100において、可撓性容器を形成したときの容器底部側にスカート部205が設けられている実施形態であると、このスカート部205によって、形成された可撓性容器の自立性などがより向上する。以下に、このスカート部205の好ましい実施形態を説明する。
本実施形態に係る容器用シート100により形成された可撓性容器は、図1および図2に示されるような、この容器用シート100により構成された前面、後面、および底面を含む容器本体を備える。そして、この容器本体の側縁部には、容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材301と後面を構成する容器用シートのシート材302との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部201が上下(容器底部側を下とした場合の上下方向)に延在して形成されている。つまり、この前面を構成する容器用シートのシート材301と後面を構成する容器用シートのシート材302との側縁部どうしはヒートシールにより接合可能な構成(対面する領域において表面にヒートシール性を有する基材層が露出している構成)である。
さらに、この側部シール部201の下側の部位には、図1、図2、図10などに示されるように、容器用シート100の一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシート(容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材301が下側まで延在して形成されているスカートシート)と後側下部スカートシート(容器本体の後面を構成する容器用シートのシート材302が下側まで延在して形成されているスカートシート)とが配置されているとともに、この前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしが接合された前後シール部203が形成されている。そして、この前後シール部203を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになり、容器本体の底部の側端に配置されるスカート部205が形成される(図1、図2、図10等)。ここで、この「下側」とは、可撓性容器を形成したときの容器底部側であり、以下においても同様である。
そして、この前後シール部203は、前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしが直接ヒートシールにより接合されているか、あるいは、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303どうしが折り畳まれてヒートシールされた領域と前側下部スカートシートおよび後側下部スカートシートの側縁部とがヒートシールにより接合されている。
例えば、図11や図13に示されるように、本実施形態に係る容器用シート100において、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303の前後シール部203が形成される領域に、その外周側からシート材の一部が切り取られた部位である切欠形状部209が形成され、この切欠形状部209が、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303が折り畳まれたときに重なるような位置に対となって2以上(1対以上)備わると、図15のスカートシート側縁部付近の上下方向に沿った切断端面図に示されるように、シート材を折り畳んで容器用シート100を形成するときにこの切欠形状部209の領域において前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部の面どうしが直接接触するため、これらを直接ヒートシールにより接合して前後シール部203を形成することができる。この切欠形状部209の具体的な形状は、上記した条件を満たす限り特段限定されず、半円形状や扇形状、四角形状(例えば台形状)などとすることができる。なお、図15においては、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303が折り畳まれてその外面側どうしが対向しているがヒートシールされていない領域(接合していない領域)を離した状態で図示しているが、この領域は非接合で当接していても良い。
また、図12や図14に示されるように、本実施形態に係る容器用シート100において、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303に切欠形状部209が形成されてない場合でも、少なくとも、この容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303の前後シール部203が形成される領域の外面側(第1フィルム1の外面側表面)にヒートシール性を有する基材層が露出している領域である非コーティング領域207を有する構成であると、図16のスカートシート側縁部付近の上下方向に沿った切断端面図に示されるように、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303が折り畳まれてその外面側の非コーティング領域207どうしがヒートシールされ、さらにこのシート材303のヒートシールされた領域の内面側と前側下部スカートシートおよび後側下部スカートシートの側縁部の内面側とがヒートシールにより接合され、結果として、前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしを、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303を介して接合することができ、前後シール部203を形成することができる。なお、この容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303の前後シール部203が形成される領域の内面側ならびに前側下部スカートシートおよび後側下部スカートシートの側縁部の内面側も、ヒートシールにより接合可能な構成(ヒートシール性を有する基材層が露出している構成)である。ここで、図16においても、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303が折り畳まれてその外面側どうしが対向しているがヒートシールされていない領域(接合していない領域)を離した状態で図示しているが、この領域は非接合で当接していても良い。また、さらなる変形例として、この領域もヒートシールされている(前後シール部203において容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303が折り畳まれて対向している外面側どうし全体がヒートシールにより接合されている)実施形態としても良い。
なお、第1フィルム1の外面側表面に第1塗工型ガスバリア層13を有する実施形態の場合には、前後シール203が形成される領域以外の第1フィルム1の外面側表面に第1塗工型ガスバリア層13を塗工する(パターンコーティングする)ことにより非コーティング領域207を形成することができる。そして、図12に示されるように、非コーティング領域207は、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303から容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材301または後面を構成する容器用シートのシート材302にまたがって形成されていても良い。このような構成であると、容器形状のシート材を折り畳んで接合し容器用シート100を製造する際における位置ずれの許容度がより大きくなる。さらに、前後シール部203のヒートシール面の形状の自由度がより高くなるため、このヒートシール面を大きくして容器の強度をより向上させることができる。
これらの実施形態に係る容器用シート100の製造方法としては、容器形状のシート材において、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303の前後シール部203が形成される領域に切欠形状部209、あるいは非コーティング領域207を形成する工程、ならびに、この切欠形状部209、あるいは非コーティング領域207が形成されたシート材を折り畳んでヒートシールにより接合し、この接合によって製袋され且つ前後シール部203が形成された容器用シート100を得る工程、を含む製造方法が例示される。そして、これ以外に上記効果に影響を与えない範囲において任意の工程を含むことができる。
さらに、この前後シール部203は、形成される可撓性容器の落下強度向上という観点から、側部シール部201と連続して形成されているのが好ましい(図1、図2、図10等)。つまり、側部シール部201のヒートシール面と、前後シール部203のヒートシール面とが繋がって形成されているのが好ましい。そして、この前後シール部203は、前後シール部203の下辺(前後シール部203の形状を形成している辺のうち下側の端を構成している一辺)が、スカート部205の下辺(前後シール部203の下側に配置されるスカート部205の、容器用シート100の外形下側端部を構成している一辺)に沿うように形成されている(図10~14等)。つまり、前後シール部203の下辺がスカート部205の下辺と略平行であるか、あるいは、前後シール部203の下辺をスカート部205の下辺と平行なベクトルを含む2方向のベクトルに分割したときに、この平行なベクトルの方が大きくなるように前後シール部203が形成されている。このような構成であると、形成される可撓性容器の容器底部側における落下強度が向上し、落下衝撃によるスカート部205の破損や可撓性容器の自立性低下を防ぐことができるため非常に好適である。
例えば、図17および図18は本実施形態に係る容器用シート100のいくつかの具体例を展開正面図として示しているが(これらの図では見やすくするために符号を省略している)、図17に示される切欠形状部209を備える各種容器用シート100を使用して形成された可撓性容器において、前後シール部203の下辺がスカート部205の下辺に沿うように前後シール部203が形成されていない容器用シート100(図17の(1):切欠形状部209の合計面積が38mm2、図17の(2):切欠形状部209の合計面積が53mm2)から形成された可撓性容器は、5℃において1mの高さから繰り返し落下させて破損状態(スカート部のシール剥がれなど)を確認したときに、図17の(1)および(2)の例では落下2回以内で破損する場合があるが、前後シール部203の下辺がスカート部205の下辺に沿うように前後シール部203が形成されている容器用シート100(図17の(3):切欠形状部209の合計面積が38mm2、図17の(4):切欠形状部209の合計面積が74mm2)から形成された可撓性容器では、5℃において1mの高さから繰り返し落下させて破損状態を確認したときに、図17の(3)の例は落下2回以内での破損は無く、図17の(4)の例は5回落下させても破損が無い。
また、切欠形状部209はないが上記した非コーティング領域207を有し、この非コーティング領域207を介して前後シール部203が形成された図18に示される各種容器用シート100を使用して形成された可撓性容器においては、前後シール部203の下辺がスカート部205の下辺に沿うように前後シール部203が形成されている図18の(5)および(6)の例の容器用シート100から形成された可撓性容器は、いずれも、5℃において1mの高さから繰り返し落下させて破損状態を確認したときに、5回落下させても破損が無い。
特に、このスカート部205は、前後シール部203の下辺とスカート部205の下辺との間に、前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしが接合されていない非接合部が備わると好ましい(図13、図17(4)、図18(6))。前後シール部203の位置ずれの許容度がより高まるだけでなく、本実施形態に係る容器用シート100により形成された可撓性容器が落下した場合などにおいて、この非接合部が可撓性容器の自立面に広がって接触し、衝撃吸収などがし易いからである。一方、前後シール部203の下辺とスカート部205の下辺とが重なる(前後シール部203の下側には上記した非接合部がなくスカート部205の下側の端まで前後シール部203が延在する)ように前後シール部203が形成されている構成も好ましい(図11、図12、図14、図17(3)、図18(5))。スカート部205が可撓性容器の下端まで高い強度を有するものとなるからである。
なお、本実施形態に係る容器用シート100では、ガス封入部5にガスを封入して膨らませ、得られる可撓性容器に剛性を付与することから、例えば図13、図14、図17、図18などに示されるように、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材303と前面を構成する容器用シートのシート材301および後面を構成する容器用シートのシート材302との境界を含む領域が、シート材の側縁部側から中央部側に向かって、前後シール部203の下辺の長さよりも長いくぼみ形状(特に上記した境界の線に対してテーパー状となるようなくぼみ形状)となるようにシート材が切り取られたくぼみ形状部211を有する容器形状に裁断されたシート材から形成された容器用シート100(例えば図1に示される容器用シート100)であるのが好ましい。
このような構成であると、得られる可撓性容器が、ガス封入部5にガスを封入して膨らませた状態においてそのスカート部205の下端(下辺)が載置面と平行に近い形状となって、自立性がより向上する。また、このくぼみ形状部211が備わるシート材では、切欠形状部209を形成する場合に、この切欠形状部209の位置ずれの許容度がより大きくなる。
以上のような実施形態を含む本発明に係る容器用シートは、フィルムの基材層が単一種樹脂素材(モノマテリアル)により構成されるためリサイクル性が高く、また、従来の容器用シートより薄肉化を達成することが可能である。そして、ガス封入部を備えているため、本発明に係る容器用シートを使用して形成した容器は、可撓性容器でありながら剛性を有しており、容器としての機能が維持されている。さらに、単一種樹脂素材により構成される基材層を含む複数のフィルムが、ヒートシールによりフィルム接合されているため、フィルムの剥離(デラミネーション)や、蒸着層において認められるようなガス封入部付近等におけるフィルム屈曲などによるクラックの発生が起こりにくい。また、少なくとも第1フィルムの第1基材層にヒートシール性を有する延伸フィルム層を含むため、基材層がヒートシール性を有する無延伸フィルム層だけで構成された容器用シートよりも強度が向上しており、ガス封入部付近の経時変形が抑制され、ガス封入部付近の高温耐久性も向上し、輸送時の衝撃や擦れなどによるガス封入部の破損もしにくい。したがって、ガス封入部からのガス漏洩が極めて起こりにくく、ガス封入部の内圧が維持されて容器としての機能(剛性など)が高度に維持される。
そして、本発明に係る容器用シートにより形成された可撓性容器のリサイクル処理は、前述したように、ガス封入部5からガスを除去してから容器本体を小さく押しつぶし、必要に応じて開口部(スパウトなど)やキャップなどを分離し、洗浄、細断することにより行うことができ、簡単にリサイクル材とすることができる。
ところで、上記したスカート部は、第1フィルム1と第2フィルム2との間にガス封入部5を備える本実施形態に係る容器用シート100だけでなく、例えば単一のフィルムにより構成されるシート材から形成された容器用シートなど、充填材が封入可能な充填材封入部が形成されていない容器用シートに設けられている場合でも、この容器用シートを使用して形成された可撓性容器の自立性や落下強度などをより高めることができる。そして、この容器用シートが単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムから形成されたものであると、リサイクル性が高く、且つ自立性などの容器としての機能が高度に維持された可撓性容器を形成可能なものとなる。
このような容器用シートを使用して形成される可撓性容器の製造は、例えば、次のような工程を含む実施形態により行うことができる。
具体的には、単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムを備える容器用シートのシート材を、容器本体の底面を構成する容器用シートとなる領域に、外周側からシート材の一部が切り取られた切欠形状部がこのシート材(容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材)が折り畳まれたときに重なるような位置に2以上形成されるような容器形状に裁断する裁断工程と、裁断工程において裁断された容器形状のシート材を折り畳み、このシート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して容器本体を形成する容器本体形成工程と、容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材と後面を構成する容器用シートのシート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部の下側の部位に、容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し、切欠形状部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしを直接ヒートシールにより接合して前後シール部を形成し、且つ、この前後シール部は、前後シール部の下辺がスカート部の下辺に沿うように形成し、前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになった、スカート部を形成するスカート部形成工程と、を含む方法により行うことができる。
上記の裁断工程で裁断される容器用シートのシート材は、単一種樹脂素材により構成された基材層を含む1以上のフィルムを備えるものであれば良く、上記したように複数のフィルム間に形成された充填材封入部を有するものでなくても良い。シート材が複数のフィルムを備える場合には、その複数のフィルムの基材層は全て単一種樹脂素材により構成される。つまり、この容器用シートのシート材は、全てのフィルムの基材層が同一種である単一種樹脂素材により構成される。なお、フィルムの基材層は単層であっても良く、あるいは複数の層が積層された構成であっても良い。そして、この基材層が複数の層が積層された構成である場合には、この積層は、前述した実施形態と同様に、押出ラミネートにより積層された構成であるのがリサイクル性という観点から好ましい。また、前述した実施形態と同様の塗工型ガスバリア層や、保護層、印刷層などを含んでいても良く、あるいは蒸着層を含んでいても良い。そして、このシート材を、容器本体の底面を構成する容器用シートとなる領域にその外周側からシート材の一部が切り取られた部位である切欠形状部が形成され、この切欠形状部が、シート材が折り畳まれたときに重なるような位置に対となって2以上(1対以上)形成されるような容器形状となるように裁断を行う。
そして、容器本体形成工程において、この裁断されたシート材を折り畳み、容器本体の前面を構成する容器用シートとなるシート材と後面を構成する容器用シートとなるシート材との側縁部どうし(側部シール部)を含む、シート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して製袋し、容器本体を形成する。
さらに、スカート部形成工程において、前述した図15の実施形態と同様にして、上記の側部シール部の下側の部位に、容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し(前述した裁断工程においてこのような配置が可能となるような形状にシート材を裁断し)、上記した切欠形状部を介してこの前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部の面どうしを直接接触させ、ここでヒートシールにより直接接合して前後シール部を形成し、前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになったスカート部とする。
なお、この前後シール部は、容器の落下強度向上という点から、側部シール部とヒートシール面が連続するように形成するのが好ましい。そして、この前後シール部は、前述した実施形態と同様に、前後シール部の下辺がスカート部の下辺に沿うように形成する。
あるいは、上記の容器用シートを使用して形成される可撓性容器の製造は、次のような工程を含む実施形態により行うこともできる。
具体的には、単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムを備え、且つ容器本体の底面を構成する容器用シートとなる領域の側縁部の外表面側に基材層が露出された非コーティング領域が形成された容器用シートのシート材を準備する準備工程と、このシート材を容器形状に裁断する裁断工程と、裁断工程において裁断されたシート材を折り畳み、シート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して容器本体を形成する容器本体形成工程と、容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材と後面を構成する容器用シートのシート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部の下側の部位に、容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材を折り畳んで外表面側における基材層が露出している部位どうしをヒートシールし、且つこの底面を構成する容器用シートのシート材どうしがヒートシールされた領域の内表面側(容器用シートにおける最も内側(容器内部側)の表面)に前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部をヒートシールにより接合して前後シール部を形成し、且つ、この前後シール部は、前後シール部の下辺がスカート部の下辺に沿うように形成し、前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになった、スカート部を形成するスカート部形成工程と、を含む方法によっても行うことができる。
上記の準備工程で準備されるシート材は、単一種樹脂素材により構成された基材層を含む1以上のフィルムを備え、且つ、少なくとも、容器本体の底面を構成する容器用シートとなる領域の側縁部の外表面側に基材層が露出された非コーティング領域が形成された構成であれば良く、これも上記したように複数のフィルム間に形成された充填材封入部を有するものでなくても良い。この場合も、シート材が複数のフィルムを備える場合には、その複数のフィルムの基材層は全て単一種樹脂素材により構成される。そして、この基材層も同様に、単層であっても良く、あるいは複数の層が積層された構成であっても良い。そして、この基材層が複数の層が積層された構成である場合には、この積層は、これも前述した実施形態と同様に、押出ラミネートにより積層された構成であるのがリサイクル性という観点から好ましい。また、前述したような塗工型ガスバリア層や、保護層、印刷層などを含んでいても良く、あるいは蒸着層を含んでいても良い。なお、塗工型ガスバリア層などがシート材の最外フィルムの基材層の外面側表面に備わる場合には、前述した実施態様と同様にして、この塗工型ガスバリア層などを、前後シール部を形成する領域以外に形成することにより非コーティング領域を形成することができる。あるいは、最外フィルムの外面側表面にヒートシール性を有する基材層を全面露出させた構成としても良い。そして、このシート材を、裁断工程において容器形状となるように裁断を行う。
さらに、容器本体形成工程において、この裁断されたシート材を折り畳み、容器本体の前面を構成する容器用シートとなるシート材と後面を構成する容器用シートとなるシート材との側縁部どうし(側部シール部)を含む、シート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して製袋し、容器本体を形成する。
そして、スカート部形成工程において、前述した図16の実施形態と同様にして、上記の側部シール部の下側の部位に、容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し(前述した裁断工程においてこのような配置が可能となるような形状にシート材を裁断し)、容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材を折り畳んで外表面側における基材層が露出している部位(非コーティング領域)どうしをヒートシールし、且つこの底面を構成する容器用シートのシート材どうしがヒートシールされた領域の内表面側に前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部をヒートシールにより接合して、容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材と後面を構成する容器用シートのシート材が接合した前後シール部を形成し、この前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになったスカート部とする。
なお、この前後シール部も、この前後シール部は、容器の落下強度向上という点から、側部シール部とヒートシール面が連続するように形成するのが好ましい。そして、前述した実施形態と同様に、前後シール部は、前後シール部の下辺がスカート部の下辺に沿うように形成する。
当然、これらの製造方法において、容器用シートを前述したような実施形態、つまり、第1塗工型ガスバリア層13がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層11aが含まれる第1基材層11を含む第1フィルム1と、第2塗工型ガスバリア層23がコーティングされた、第1基材層11と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層21を含む第2フィルム2とを含む複数のフィルムが積層され、第1フィルム1と第2フィルム2とが、第1基材層11と第2基材層21とがヒートシールされることにより接合され、さらに、第1フィルム1と第2フィルム2との間に、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部5が形成された容器用シート100とすることもでき、さらに前述した好ましい各種実施形態も、これらの可撓性容器の製造方法の実施形態や、これらの製造方法により得られた可撓性容器の実施形態に採用することができる。
なお、これらの製造方法の実施形態においては、前述した効果に影響を与えない範囲において、上記の工程以外の任意の工程を含んでいても良い。また、これらの製造方法により得られた可撓性容器についても、前述した効果に影響を与えない範囲において、任意の構成を含んでいても良い。
つまり、これらの実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
<1>単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムを備える容器用シートを使用して形成された可撓性容器であって、
前記容器用シートの内側に収容物を収容する収容領域を有する容器本体を備え、
前記容器本体は、前記容器用シートにより構成された前面、後面、および底面を含み、
前記容器本体の側縁部には、前記前面を構成する前記容器用シートのシート材と前記後面を構成する前記容器用シートのシート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部が上下に延在して形成されており、
前記側部シール部の下側の部位には、前記容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが配置されているとともに、前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部どうしが直接ヒートシールにより接合、あるいは、前記底面を構成する前記容器用シートのシート材どうしが折り畳まれてヒートシールされた領域と前記前側下部スカートシートおよび前記後側下部スカートシートの側縁部とがヒートシールにより接合された前後シール部が形成され、且つ、前記前後シール部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとが一繋がりになった、前記容器本体の底部の側端に配置されるスカート部が形成されており、
前記前後シール部は、前記前後シール部の下辺が前記スカート部の下辺に沿うように形成されている、
可撓性容器。
<2>前記前後シール部の前記下辺と前記スカート部の前記下辺とが重なるように前記前後シール部が形成されている、<1>に記載の可撓性容器。
<3>前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材は、その側縁部側から切り取られた切欠形状部が折り畳まれたときに重なるように対となって2以上形成されており、前記前後シール部が、前記切欠形状部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部どうしが直接ヒートシールにより接合されて形成されている、<1>または<2>に記載の可撓性容器。
<4>前記前後シール部は、前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材の外表面側における前記基材層が露出している部位どうしが折り畳まれてヒートシールされた領域の内表面側に、前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部がヒートシールにより接合されて形成されている、<1>または<2>に記載の可撓性容器。
<5>前記シート材の前記基材層は、複数の層が押出ラミネートにより接合されて積層された構成である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の可撓性容器。
<6>前記容器用シートが、第1塗工型ガスバリア層がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる第1基材層を含む第1フィルムと、第2塗工型ガスバリア層がコーティングされた、前記第1基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層を含む第2フィルムとを含む複数のフィルムが積層されたものであり、
前記第1フィルムと前記第2フィルムとが、前記第1基材層と前記第2基材層とがヒートシールされることにより接合され、さらに、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に部分的に非接合なガス封入部が形成され、前記ガス封入部にガスが封入されている、<1>~<5>のいずれか1つに記載の可撓性容器。
<7>前記容器用シートは、前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記前面を構成する前記容器用シートの前記シート材との境界を含む領域、および、前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記後面を構成する前記容器用シートの前記シート材との境界を含む領域が、前記容器用シートの側縁部側から中央部側に向かって、前記前後シール部の前記下辺の長さよりも長いくぼみ形状となるように前記シート材が切り取られたくぼみ形状部を有するものである、<6>に記載の可撓性容器。
<8>前記延伸フィルム層が、MD方向およびTD方向にいずれも2倍以上延伸された二軸延伸フィルム層である、<6>または<7>に記載の可撓性容器。
<9>前記第1塗工型ガスバリア層、前記第2塗工型ガスバリア層、および前記第3塗工型ガスバリア層から選ばれる少なくとも1つは、コーティングされている前記第1基材層、前記第2基材層または前記第3基材層から脱離することが可能な脱離処理が施されている、<6>~<8>のいずれか1つに記載の可撓性容器。
<10>前記単一種樹脂素材がポリエチレン系樹脂素材またはポリプロピレン系樹脂素材である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の可撓性容器。
<11>単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムを備える容器用シートを使用して、前記容器用シートの内側に収容物を収容する収容領域を有する容器本体を備える可撓性容器を製造する方法であって、
前記容器用シートのシート材を、前記容器本体の底面を構成する前記容器用シートとなる領域に、外周側から前記シート材の一部が切り取られた切欠形状部が、前記シート材が折り畳まれたときに重なるような位置に2以上形成されるような容器形状に裁断する裁断工程と、
前記裁断工程において裁断された前記シート材を折り畳み、前記シート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して前記容器本体を形成する容器本体形成工程と、
前記容器本体の前面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記容器本体の後面を構成する前記容器用シートの前記シート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部の下側の部位に、前記容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し、前記切欠形状部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部どうしを直接ヒートシールにより接合して前後シール部を形成し、且つ、前記前後シール部は、前記前後シール部の下辺が前記容器本体の底部の側端に配置されるスカート部の下辺に沿うように形成し、前記前後シール部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとが一繋がりになった、前記スカート部を形成するスカート部形成工程と、
を含む、可撓性容器の製造方法。
<12>単一種樹脂素材により構成された基材層を含むフィルムを備える容器用シートを使用して、前記容器用シートの内側に収容物を収容する収容領域を有する容器本体を備える可撓性容器を製造する方法であって、
前記容器本体の底面を構成する前記容器用シートとなる領域の側縁部の外表面側に前記基材層が露出された非コーティング領域が形成された前記容器用シートのシート材を準備する準備工程と、
前記シート材を裁断する裁断工程と、
前記裁断工程において裁断された前記シート材を折り畳み、前記シート材の少なくとも一部どうしをヒートシールにより接合して前記容器本体を形成する容器本体形成工程と、
前記容器本体の前面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記容器本体の後面を構成する前記容器用シートの前記シート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部の下側の部位に、前記容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し、前記底面を構成する前記容器用シートを折り畳んで外表面側における前記基材層が露出している部位どうしをヒートシールし、且つ前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材どうしがヒートシールされた領域の内表面側に前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部をヒートシールにより接合して前後シール部を形成し、且つ、前記前後シール部は、前記前後シール部の下辺が前記容器本体の底部の側端に配置されるスカート部の下辺に沿うように形成し、前記前後シール部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとが一繋がりになった、前記スカート部を形成するスカート部形成工程と、
を含む、可撓性容器の製造方法。
<13>前記裁断工程において、前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記前面を構成する前記容器用シートの前記シート材との境界を含む領域、および、前記底面を構成する前記容器用シートの前記シート材と前記後面を構成する前記容器用シートの前記シート材との境界を含む領域に、前記容器用シートの側縁部側から、前記前後シール部の前記下辺の長さよりも長いくぼみ形状となるように前記シート材が切り取られたくぼみ形状部が形成されるように裁断する、<11>または<12>に記載の可撓性容器の製造方法。
<14>前記容器用シートが、第1塗工型ガスバリア層がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる第1基材層を含む第1フィルムと、第2塗工型ガスバリア層がコーティングされた、前記第1基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層を含む第2フィルムとを含む複数のフィルムが積層され、前記第1フィルムと前記第2フィルムとが、前記第1基材層と前記第2基材層とがヒートシールされることにより接合され、さらに、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部が形成されたものであり、
前記ガス封入部にガスを封入する工程を含む、<11>~<13>のいずれか1つに記載の可撓性容器の製造方法。
1 第1フィルム
2 第2フィルム
3 第3フィルム
5 ガス封入部
11 第1基材層
11a 延伸フィルム層
11b 無延伸フィルム層
13 第1塗工型ガスバリア層
21 第2基材層
21a 延伸フィルム層
21b 無延伸フィルム層
23 第2塗工型ガスバリア層
31 第3基材層
31a 延伸フィルム層
31b 無延伸フィルム層
33 第3塗工型ガスバリア層
51 脱離プライマー層
100 容器用シート
101 底マチ部
102 天マチ部
103 スパウト
105 ガス導入部
201 側部シール部
203 前後シール部
205 スカート部
207 非コーティング領域
209 切欠形状部
211 くぼみ形状部
301 容器本体の前面を構成する容器用シートのシート材
302 容器本体の後面を構成する容器用シートのシート材
303 容器本体の底面を構成する容器用シートのシート材

Claims (10)

  1. 複数のフィルムが積層された可撓性容器に用いる容器用シートであって、
    第1塗工型ガスバリア層がコーティングされた、単一種樹脂素材により構成され且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる第1基材層を含む第1フィルムと、
    第2塗工型ガスバリア層がコーティングされた、前記第1基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第2基材層を含む第2フィルムとを備え、
    前記第1フィルムと前記第2フィルムとが、前記第1基材層と前記第2基材層とがヒートシールされることにより接合され、さらに、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、部分的に非接合でありガス封入が可能であるガス封入部が形成されている、
    容器用シート。
  2. 前記第2フィルムの前記第2基材層は、少なくとも延伸フィルム層が含まれる、請求項1に記載の容器用シート。
  3. 前記ガス封入部が、前記第1フィルムの前記第1基材層と前記第2フィルムの前記第2基材層とにより挟まれて形成されている、請求項1または2に記載の容器用シート。
  4. 前記第1基材層は少なくとも前記延伸フィルム層を含む複数のフィルム層が積層された構成であり、前記第1塗工型ガスバリア層が前記第1基材層の前記フィルム層の積層間にコーティングされており、および/または、前記第2基材層は複数のフィルム層が積層された構成であり、前記第2塗工型ガスバリア層が前記第2基材層の前記フィルム層の積層間にコーティングされている、請求項1~3のいずれか1項に記載の容器用シート。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の容器用シートを使用して形成された可撓性容器であって、
    前記第1フィルムの内側に前記第2フィルムが配置され、前記第2フィルムの内側に収容物を収容する収容領域を有する、前記容器用シートにより構成された容器本体を備え、
    前記ガス封入部にガスが封入された、
    可撓性容器。
  6. 前記容器用シートは、前記第1フィルムの前記第1基材層および前記第2フィルムの前記第2基材層と同一種である単一種樹脂素材により構成される第3基材層を含む第3フィルムを備え、
    前記第3フィルムの周縁部の少なくとも一部どうしがヒートシールにより接合されることによって製袋されて、前記第3フィルムは、前記容器本体の前記収容領域を形成する内容器となる、請求項5に記載の可撓性容器。
  7. 前記第3フィルムの前記第3基材層は、第3塗工型ガスバリア層がコーティングされ且つ少なくとも延伸フィルム層が含まれる、請求項6に記載の可撓性容器。
  8. 前記第1塗工型ガスバリア層、前記第2塗工型ガスバリア層、および前記第3塗工型ガスバリア層から選ばれる少なくとも1つは、コーティングされている基材層から脱離することが可能な脱離処理が施されている、請求項5~7のいずれか1項に記載の可撓性容器。
  9. 前記可撓性容器の前記容器本体は、前記容器用シートにより構成された前面、後面、および底面を含み、
    前記容器本体の側縁部には、前記前面を構成する前記容器用シートのシート材と前記後面を構成する前記容器用シートのシート材との側縁部どうしがヒートシールにより接合された側部シール部が上下に延在して形成されており、
    前記側部シール部の下側の部位には、前記容器用シートの一部分ずつにより構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが配置されているとともに、前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部どうしが直接ヒートシールにより接合、あるいは、前記底面を構成する前記容器用シートのシート材どうしが折り畳まれてヒートシールされた領域と前記前側下部スカートシートおよび前記後側下部スカートシートの側縁部とがヒートシールにより接合された前後シール部が形成され、且つ、前記前後シール部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとが一繋がりになった、前記容器本体の底部の側端に配置されるスカート部が形成されており、
    前記前後シール部は、前記前後シール部の下辺が前記スカート部の下辺に沿うように形成されている、請求項5~8のいずれか1項に記載の可撓性容器。
  10. 請求項5~9のいずれか1項に記載の可撓性容器と、前記可撓性容器の前記収容領域に収容された収容物とを備える、可撓性容器詰め品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024071412A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 大日本印刷株式会社 延伸基材、印刷基材、バリア性基材、積層体および包装容器

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