JP2017043062A - ガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】全領域で良好なガスバリア性能を発揮する大面積のガスバリアフィルムを、低コストで容易に安定して作製できるガスバリアフィルムの製造方法、波長変換フィルムおよび有機EL積層体を提供する。【解決手段】基板12上に、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層30と、基板12とガスバリア層30との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板12と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルム10を準備する転写フィルム準備工程と、被転写基材上102に、2以上の転写型ガスバリアフィルム10を面方向に配置して、ガスバリア層30側を被転写基材102に向けて貼り合わせる第1の貼合工程と、転写型ガスバリアフィルム10の基板12を剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程とを有するガスバリアフィルムの製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、転写可能な転写型ガスバリアフィルムを用いたガスバリアフィルムの製造方法、ならびに、この製造方法で作製したガスバリアフィルムを用いた波長変換フィルムおよび有機EL積層体に関する。
近年、有機ELデバイス(有機エレクトロルミネッセンスデバイス)、太陽電池、量子ドットフィルムなどのデバイスやディスプレイ材料、水分や酸素によって変質する薬剤を収容する輸液バックなどの包装材料において、高いガスバリア性が要求される。
そのため、これら部材には、ガスバリアフィルムを貼着することや、ガスバリアフィルムで封止することで、必要なガスバリア性を付与している。
このようなガスバリアフィルムにおいて、高いガスバリア性が求められる分野に用いるために、特許文献1には、ガスバリア性を向上させる方法として、ガスバリア層として無機層を用いる構成や、ガスバリア層を多層化する構成、ガラス転移温度Tgの高い樹脂フィルムにガスバリア層を形成することが記載されている。
このように高いガスバリア性を有するバリアフィルムは様々な電子デバイスや機能性フィルムに展開され、従来、封止することが困難だった材料を封止することを可能にしている。
例えば、特許文献2には、LCD等のバックライトユニットに用いられる量子ドットフィルムとして、量子ドット層(QD蛍光体材料フィルム層)を2枚のガスバリアフィルムで挟持することにより量子ドットを保護する、積層型の量子ドットフィルムが記載されている。
また、特許文献3には、ガスバリアフィルムを用いて有機EL素子を封止することが記載されている。
このようにガスバリア性の高いガスバリアフィルムを用いることで、ディスプレイ等の種々の電子デバイスの薄型化、軽量化やフレキシブル化を行うことができる。したがって、ガスバリアフィルムをさらに薄型化できれば、電子デバイスのさらなる薄型化、軽量化等を行うことができる。
特許文献1等に記載されるように、このようなガスバリアフィルムは、樹脂フィルムを基板として、この基板上にガスバリア層を形成された構成を有する。そのため、ガスバリアフィルムを薄型化するには、基板を薄型化することが考えられる。
ここで、高いガスバリア性を有するガスバリア層は、薄い無機層であり、微小な座屈や接触で割れてしまい、性能が低下してしまう。そのため、薄型の基板にガスバリア層を積層する際には、基板が座屈するのを防止できるように搬送を安定化させる必要がある。
そこで、特許文献4では、基板の裏面側に保護材料を貼着することにより、基板の自己支持性を確保することができ、薄い基板を用いた場合でも、基板の座屈を生じることなく、適正にガスバリア層を形成できることが記載されている。
このような方法を用いれば、10数μm程度の薄い基板にもガスバリア層を形成することが可能となる。しかしながら、これよりも薄くなると、薄い基板を搬送しつつ、補強用の保護材料を貼り合わせること自体が困難になってしまう。
このようなガスバリアフィルムの薄型化に伴う問題を解決する方法として、ガスバリア層のみを封止対象物(被転写体)に転写する転写方式が提案されている。
例えば、特許文献5には、基板とガスバリア層との間に離型層を形成し、ガスバリア層を基板から剥離させて被転写体に転写することが記載されている。
米国特許5654084号 特表2013−544018号公報 特開2014−197537号公報 特開2015−66812号公報 特開2007−118564号公報
ところで、ディスプレイ等の電子デバイスや機能性フィルムは、さらに大型化されており、これに対応する大面積のガスバリアフィルムが要求されている。
しかしながら、ガスバリアフィルムを大面積化すると、全領域で良好なガスバリア性能を発揮する必要が生じ、全幅全長にわたっての品質保証がより困難になる。
また、全領域で良好なガスバリア性能を発揮するガスバリアフィルムを生産するには、生産プロセスの安定化も困難になり、製造するのが難しくなる。また、ガスバリアフィルムの性能を上げるために積層数を増やすほど、掛け算で上記問題が発生し、より得率が低下するので、高品位な大面積のガスバリアフィルムを作ることは非常に難しいといえる。また、生産設備上も、バリア層を形成するための真空成膜装置のチャンバーが大きくなり、排気やベントといった1サイクルの時間も長くなることからコストが高くなる傾向にある。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、全領域で良好なガスバリア性能を発揮する大面積のガスバリアフィルムを、低コストで容易に安定して作製できるガスバリアフィルムの製造方法、ならびに、波長変換フィルムおよび有機EL積層体を提供する。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、基板上に、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、基板とガスバリア層との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルムを準備する転写フィルム準備工程と、被転写基材上に、2以上の転写型ガスバリアフィルムを面方向に配置して、ガスバリア層側を被転写基材に向けて貼り合わせる第1の貼合工程と、転写型ガスバリアフィルムの基板を剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程とを有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成のガスバリアフィルムの製造方法、ならびに、波長変換フィルムおよび有機EL積層体を提供する。
(1) 基板と、基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、基板とガスバリア層との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルムを準備する転写フィルム準備工程、
被転写基材上に、2以上の転写型ガスバリアフィルムを面方向に配置して、ガスバリア層側を被転写基材に向けて貼り合わせる第1の貼合工程、および、
転写型ガスバリアフィルムの基板を剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程を有するガスバリアフィルムの製造方法。
(2) 第1の貼合工程の前に、転写型ガスバリアフィルムのガスバリア層側、または、被転写基材側に粘着層を形成する粘着層形成工程を有する(1)に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(3) 剥離工程の後に、被転写基材に貼り合わせられ基板を剥離された、ガスバリア層および剥離樹脂層を備える転写層上に、さらに、転写型ガスバリアフィルムを貼り合わせる第2の貼合工程を有する(1)または(2)に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(4) 第2の貼合工程で貼り合わせる転写型ガスバリアフィルムの貼り合わせ位置が、被転写基板の面方向において、第1の貼合工程の貼り合わせ位置とは異なる位置である(3)に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(5) 被転写基材上に隣接して貼り合わせられ基板を剥離された、ガスバリア層および剥離樹脂層を備える転写層の端面同士の間の距離が1mm以下である、または、3mm以下の幅で重なっている(1)〜(4)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(6) 被転写基材の、転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、転写型ガスバリアフィルムの剥離樹脂層上の少なくとも一方に屈折率調整層を形成する屈折率調整層形成工程を有する(1)〜(5)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(7) 屈折率調整層が、チタン、アルミニウム、ジルコニア、ならびに、これらの酸化物の少なくとも1つからなる微粒子と、アクリルまたはウレタンとを含有する混合物からなる(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(8) 被転写基材の、転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、転写型ガスバリアフィルムの剥離樹脂層上の少なくとも一方に光拡散層を形成する光拡散層形成工程を有する(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(9) 光拡散層が、拡散材となる粒子とバインダーとなる樹脂からなる(1)〜(8)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(10) 被転写基材の水蒸気透過率が0.5g/(m2・day)未満である(1)〜(9)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(11) 被転写基材が位相差フィルムである(1)〜(10)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(12) 剥離樹脂層の形成材料が、ガラス転移温度Tgが100℃以上の環状オレフィン樹脂である(1)〜(11)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(13) 剥離樹脂層の形成材料が、シクロオレフィンコポリマーである(12)に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
(14) (1)〜(13)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法で作製したガスバリアフィルムを有する有機EL積層体。
(15) 被転写基材が位相差フィルムである(14)に記載の有機EL積層体。
(16) 波長変換層と、
波長変換層上に積層された、(1)〜(13)のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法で作製したガスバリアフィルムとを有する波長変換フィルム。
(17) 被転写基材の、転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、転写型ガスバリアフィルムの剥離樹脂層上の少なくとも一方に光拡散層を有する(16)に記載の波長変換フィルム。
このような本発明によれば、全領域で良好なガスバリア性能を発揮する大面積のガスバリアフィルムを、低コストで容易に安定して作製できるガスバリアフィルムの製造方法、ならびに、波長変換フィルムおよび有機EL積層体を提供できる。
図1(A)は、本発明の製造方法で製造されるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す側面図であり、図1(B)は、図1(A)の上面図であり、図1(C)は、図1(A)の部分拡大断面図である。 図2(A)は、本発明の製造方法で製造されるガスバリアフィルムの他の一例を概念的に示す側面図であり、図2(B)は、図2(A)の上面図である。 図3(A)および図3(B)は、転写型ガスバリアフィルムの一例を概念的に示す図である。 図4(A)および図4(B)はそれぞれ、転写型ガスバリアフィルムの他の一例を概念的に示す図である。 図5(A)〜図5(D)は、本発明のガスバリアフィルムの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図6(A)および図6(B)はそれぞれ、図1(A)のガスバリアフィルムの一部を拡大して示す図である。 図7(A)〜図7(D)は、本発明のガスバリアフィルムの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図8(A)および図8(B)は、本発明のガスバリアフィルムの製造方法を説明するための概念図である。 図9(A)および図9(B)は、転写型ガスバリアフィルムを製造する成膜装置の一例を概念的に示す図である。 有機EL積層体の一例を概念的に示す断面図である。 波長変換フィルムの一例を概念的に示す断面図である。
以下、本発明のガスバリアフィルムの製造方法について、添付の図面に示される好適実施形態を基に、詳細に説明する。
本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、基板と、基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、基板とガスバリア層との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルムを準備する転写フィルム準備工程、被転写基材上に、2以上の転写型ガスバリアフィルムを面方向に配置して、ガスバリア層側を被転写基材に向けて貼り合わせる第1の貼合工程、および、転写型ガスバリアフィルムの基板を剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程を有するガスバリアフィルムの製造方法である。
本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、複数の転写型のガスバリアフィルムを被転写基材上に並べて転写することで、大面積のガスバリアフィルムを製造するものである。
まず、図1(A)〜図1(C)に、本発明のガスバリアフィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう)で製造されるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す。
図1(A)は、本発明の製造方法で製造されるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す側面図であり、図1(B)は、図1(A)の上面図であり、図1(C)は、図1(A)の部分拡大断面図である。
図1(A)および図1(B)に示すガスバリアフィルム100は、被転写基材102と、被転写基材102の一面に、面方向に配列されて貼着された複数の転写層30とを有する。転写層30は、後述する転写型ガスバリアフィルム10から転写された、ガスバリア性を有するガスバリア層18を含む層である。
図1(B)に示すように、ガスバリアフィルム100の被転写基材102は、主面が四角形状のフィルム状の部材であり、この被転写基材102の主面上に、3枚の転写層30が、図中左右方向に並べて積層されている。すなわち、転写層30の左右方向の長さは被転写基材102の左右方向の長さの約1/3である。また、図に示すように、図中上下方向において、転写層30の長さと被転写基材102の長さは略同一である。
このように、被転写基材102上に、面方向に配列されて貼着された複数の転写層30を有することで、大面積のガスバリアフィルムとすることができる。
ここで、後に詳述するが、転写層30は、転写型ガスバリアフィルム10を被転写基材102に貼着した後、基板12を剥離することで、被転写基材102に転写されるものである。
したがって、図1(C)に示すように、ガスバリアフィルム100は、被転写基材102上に、粘着層24を有し、粘着層24上に無機層16および有機層14を含むガスバリア層18を有し、有機層14上に剥離樹脂層20を有する構成である。なお、図1(C)に示す例は、転写型ガスバリアフィルム10の無機層16上に粘着層24を形成しておき、この転写型ガスバリアフィルム10の転写層30を粘着層24ごと転写したものである。したがって、ガスバリア層18および剥離樹脂層20に粘着層24を含めたものを転写層30ということもできる。
なお、図1(A)に示す例では、ガスバリアフィルム100は、被転写基材102上に3つの転写層30が面方向に配列される構成としたが、これに限定はされず、2つの転写層30が配列される構成としてもよく、あるいは、4以上の転写層30が配列される構成としてもよい。
また、図1(B)に示す例では、ガスバリアフィルム100は、被転写基材102の主面の一方向に複数の転写層30が配列される構成としたが、これに限定はされず、被転写基材102の主面上に二次元的に転写層30が配列される構成であってもよい。
また、図1(A)に示すガスバリアフィルム100は、被転写基材102上に複数の転写層30が面方向に配列された構成、すなわち、被転写基材102の厚さ方向に転写層30を一層有する構成としたが、これに限定はされず、さらに、転写層30上に新たな転写層30bを転写した構成、すなわち、厚さ方向に転写層を二層以上有する構成としてもよい。
図2(A)および図2(B)に本発明の製造方法で製造されるガスバリアフィルムの他の一例を概念的に示す。
図2(A)は、本発明の製造方法で製造されるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す側面図であり、図2(B)は、図2(A)の上面図である。
図2(A)および図2(B)に示すガスバリアフィルム110は、被転写基材102と、被転写基材102の一面に、面方向に配列されて貼着された複数の転写層30と、さらに、この転写層30上に面方向に配列されて貼着された複数の転写層30bとを有する。
なお、二層目の転写層は、配置位置が異なる以外は、転写層30と同様の構成を有するものであるが、説明のため、二層目の転写層を転写層30bとする。
図2(B)に示すように、ガスバリアフィルム110は、図1(A)および図1(B)に示すガスバリアフィルム100の転写層30上に、転写層30と同様の大きさの転写層30bの2つと、図中左右方向の長さが転写層30の半分の長さの転写層30bの2つを、図中左右方向に並べて積層した構成を有する。
このように、転写層を厚さ方向に二層以上積層することで、ガスバリア性をより向上できる。
なお、図2(A)および図2(B)に示す例では、好ましい態様として、被転写基材102上に積層される転写層30と、転写層30上に積層される転写層30bとの面方向の配置位置を異ならせて配置している。
すなわち、図2(B)に示すように、転写層30bは、転写層30同士の境界を覆うように配置されて、転写層30b同士の境界の位置が、転写層30同士の境界の位置と一致しないように配置される。
これにより、ガスバリア性をより向上できる。
また、図2(B)に示すガスバリアフィルム110では、転写層30の配列方向と、転写層30bの配列方向とを一致させて積層したが、これに限定はされず、転写層30の配列方向と、転写層30bの配列方向とが異なっていてもよい。例えば、転写層30bの配列方向を、転写層30の配列方向に直交する方向としてしてもよい。
次に、本発明の製造方法で用いられる転写型ガスバリアフィルムについて説明する。
図3(A)に、転写型ガスバリアフィルムの一例を概念的に示す。
図3(A)に示す転写型ガスバリアフィルム10aは、基本的に、基板12と、基板12の一方の面に積層される、有機層14および無機層16を有するガスバリア層18と、基板12とガスバリア層18との間に積層される剥離樹脂層20とを有して構成される。
また、図3(A)に示すように、ガスバリア層18は有機層14を剥離樹脂層20側に向けて積層されており、無機層16は有機層14上に積層されている。すなわち、剥離樹脂層20は、基板12と有機層14との間に積層されている。
ここで、図3(B)に示すように、転写型ガスバリアフィルム10aにおいて、剥離樹脂層20は、有機層14と密着し、かつ、基板12との界面で基板12と剥離可能に構成されている。すなわち、有機層14と剥離樹脂層20との剥離力(密着力)が、基板12と剥離樹脂層20との剥離力よりも大きい。
これにより、転写型ガスバリアフィルム10aは、基板12のみを剥離されて、ガスバリア層18および剥離樹脂層20を含む転写層30を、封止対象物である被転写基材102に転写することができる。
このような構成の転写型ガスバリアフィルムは、転写の際の基板12の剥離時に、剥離樹脂層20と基板12との界面で剥離することで、無機層16と剥離面との間に存在する剥離樹脂層20が応力緩和層となり、基板12を剥離する際にかかるせん断力によって、無機層16が割れてしまうことを防止できる。
ここで、剥離樹脂層20は、基板12との界面で剥離するように剥離力を調整する必要があり、また、応力緩和層としての機能も持たせる必要がある。そのため、無機層16の下地層として適切なものとすることが難しい。特に、高いガスバリア性を有する無機層16を得るためには、無機層16の下地となる層は、適度な硬さを有し、また、より高い耐熱性を有する必要がある。
そのため、剥離樹脂層20と無機層16との間に有機層14を有さない構成の場合、すなわち、剥離樹脂層20上に直接、無機層16を形成した場合には、無機層16を適正に形成することができず、高いガスバリア性を得ることができない。
これに対して上述の転写型ガスバリアフィルムは、無機層16の下地層として、剥離樹脂層20上に有機層14を有するので、好適な下地層を形成することができる。そのため、無機層16を適正に形成することができ、高いガスバリア性を得ることができる。
したがって、本発明の製造方法は、このような転写型ガスバリアフィルムを用いることで、高いガスバリア性を有する転写層30を好適に転写することができる。
ここで、転写型ガスバリアフィルムの構成は、図3(A)に示す例に限定はされず、さらに、他の層を有していてもよい。
例えば、図4(A)に示す転写型ガスバリアフィルム10bのように、ガスバリア層18(無機層16)上に、粘着層24を有する構成としてもよい。
粘着層24が粘着性を有することで、転写層30を被転写体へ転写する際に、粘着剤の塗布等を行うことなく、容易に転写を行うことができ、また、粘着層24を有することで、転写型ガスバリアフィルムの搬送の際や巻取りの際に、無機層16が割れることを防止できる。
なお、粘着層24を有する場合には、剥離樹脂層20、ガスバリア層18および粘着層24が転写層30となり、粘着層24は、剥離樹脂層20およびガスバリア層18と共に被転写体に転写される。
また、図4(A)に示すように、粘着層24を有する場合には、粘着層24上に保護フィルム26を有するのが好ましい。保護フィルム26を有することで、転写型ガスバリアフィルムの搬送や巻取りを容易にすることができ、また、粘着層にゴミ等が付着したり、粘着性が低下するのを防止できる。
また、図3(A)に示す例では、ガスバリア層18は、1層の有機層14と1層の無機層16とを有する構成としたが、これに限定はされず、有機層および無機層をそれぞれ1層以上有していてもよく、無機層16および無機層16の下地層となる有機層14との組み合わせを2組以上有していてもよい。
例えば、図4(B)に示す転写型ガスバリアフィルム10cは、剥離樹脂層20上に、有機層14、無機層16、有機層14および無機層16がこの順に形成されたガスバリア層18を有する。すなわち、転写型ガスバリアフィルム10cのガスバリア層18は、有機層14と無機層16の組み合わせを2組有する構成である。
このように、有機層14と無機層16の組み合わせを2組以上有することで、ガスバリア性をより向上することができる。
ここで、上述のような構成の転写型ガスバリアフィルムにおいて、基板12を剥離した、ガスバリア層18および剥離樹脂層20を備える転写層30の水蒸気透過率は、0.01[g/(m2・day)]未満であるのが好ましく、0.005[g/(m2・day)]以下であるのがより好ましく、0.001[g/(m2・day)]以下であるのが特に好ましい。
上述した転写型ガスバリアフィルムは、このように水蒸気透過率が低い、すなわち、ガスバリア性が高い転写層30であっても、無機層16の割れ等を防止して、高いガスバリア性を維持したまま、適性に転写することができる。
次に、ガスバリアフィルムおよび転写型ガスバリアフィルムの各構成要素の材料および構成等について説明する。
転写型ガスバリアフィルム10において、基板12は、各種のガスバリアフィルムや各種の積層型のガスバリアフィルムにおいて基板(支持体)として利用されている、公知のシート状物が、各種、利用可能である。
基板12としては、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、シクロオレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)などの、各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
本発明においては、このようなフィルムの表面に、保護層、接着層、光反射層、反射防止層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層、離型層等の、必要な機能を発現する層(膜)が形成されているものを、基板12として用いてもよい。
中でも、破断伸び率が高く搬送時に破断しにくいためより薄くできる、融点が高く耐熱性がある、剥離樹脂層20との界面での剥離を容易にできる、安価である等の観点から、基板12としては、PETフィルムの、剥離樹脂層20が形成される面に、離型層が形成されたものが好ましい。
基板12の厚さは、転写型ガスバリアフィルム10の用途や形成材料等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、基板12の厚さは、5〜125μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
基板12の厚さを、上記範囲とすることにより、転写型ガスバリアフィルム10の機械的強度を十分に確保すると共に、転写の際に、剥離を容易に行うことができる等の点で好ましい。
有機層14は、有機化合物からなる層で、基本的に、有機層14となるモノマやオリゴマ等を重合(架橋)したものである。
有機層14は、転写型ガスバリアフィルム10において、主にガスバリア性を発現する無機層16を適正に形成するための、下地層として機能する。
このような有機層14を有することにより、剥離樹脂層20(あるいは下層の無機層16)の表面の凹凸や、剥離樹脂層20の表面に付着している異物等を包埋して、無機層16の成膜面を、無機層16の成膜に適した状態にできる。これにより、基板12の表面の凹凸や、異物の付着による凹凸のような、無機層16となる無機化合物が着膜し難い領域を無くし、基板の表面全面に、隙間無く、適正な無機層16を成膜することが可能になり、高いガスバリア性を有する無機層16を形成することができる。
また、有機層14のガラス転移温度Tgは、剥離樹脂層20のガラス転移温度Tgよりも高いのが好ましく、200℃以上であるのが好ましい。
ガラス転移温度Tgが200℃以上の高い耐熱性を有する有機層14とすることで、無機層16を適正に成膜することが可能となる。
また、有機層14は、無機層16の割れ等を防止するため適度な柔軟性を有するのが好ましい。
なお、本発明において、ガラス転移温度Tgは、JIS K 7121に準拠して測定すればよい。
転写型ガスバリアフィルム10において、有機層14の形成材料には、限定はなく、公知の有機化合物が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリル化合物、などの熱可塑性樹脂、ポリシロキサンや、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル硬化性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン硬化性化合物の重合物から構成された有機層14は、好適である。
中でも特に、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層14として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマなどの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
ここで、有機層14の形成材料は、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂であるのが好ましい。
有機層14の形成材料として、紫外線硬化樹脂あるいは電子線硬化樹脂を用いることで、紫外線あるいは電子線の照射量によって、剥離樹脂層20との剥離力を容易に調整することができ、強い剥離力を実現できる。したがって、剥離樹脂層20と基板12との界面で剥離する構成とすることができる。
また、有機層14の形成材料は、アダマンタン骨格を有する1官能以上のアクリレートを5%以上、50%未満含む樹脂材料、あるいは、フルオレン骨格を有する2官能以上のアクリレートを5%以上、50%未満含む樹脂材料であるのが好ましい。
有機層14の形成材料として、アダマンタン骨格を有する1官能以上のアクリレート、あるいは、フルオレン骨格を有する2官能以上のアクリレートを含む樹脂材料を用いることで、高いガラス転移温度Tgを維持したまま、硬化収縮時の収縮率を低くすることができ、有機層14上に形成された無機層16が割れることを防止できる。
このような有機層14の形成は、形成する有機層14に応じて、有機化合物からなる層を形成する公知の方法で形成(成膜)すればよい。一例として、塗布法が例示される。
すなわち、有機溶剤、有機層14となる有機化合物(モノマ、ダイマ、トリマ、オリゴマ、ポリマ等)、架橋剤等を含む塗布組成物を調製し、この塗布組成物を剥離樹脂層20上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥、硬化して有機層14を形成することができる。
有機層14を塗布法で形成することで薄く形成することができる。
なお、前述のように、複数の有機層14を有する場合は、各有機層14の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。また、各有機層14の形成材料は、同じでも異なってもよい。
無機層16は、無機化合物からなる層である。
転写型ガスバリアフィルム10において、目的とするガスバリア性は、主として無機層16により発現する。
無機層16の形成材料には、限定はなく、ガスバリア性を発現する無機化合物からなる層が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
特に、金属酸化物および窒化物、具体的には、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、これらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも特に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、これらの混合物は、優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、また、柔軟性も高いため好適に利用される。
このような無機層16の形成は、無機層16の形成材料等に応じて、CCP−CVD(容量結合型プラズマ化学気相蒸着法)、ICP−CVD(誘導結合型プラズマ化学気相蒸着法)、スパッタリング、真空蒸着等の、公知の気相成膜法で行えばよい。
無機層16の膜厚は、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。本発明者らの検討によれば、無機層16の厚さは、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、20〜75nmが特に好ましい。
無機層16の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層16が形成できる。また、無機層16は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層16の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
なお、前述のように、複数の無機層16を有する場合には、各無機層16の厚さは、同じでも異なってもよい。また、各無機層16の形成材料は、同じでも異なってもよい。
転写型ガスバリアフィルム10において、基板12と有機層14との間には、剥離樹脂層20を有する。
前述のとおり、剥離樹脂層20は、有機層14と密着し、かつ、基板12との界面で基板12と剥離可能な樹脂層であり、また、基板12の剥離の際に無機層16にせん断力がかかるのを抑制する応力緩和層としても機能する層である。また、基板12の剥離後は、剥離樹脂層20が、支持体としても機能する。
ここで、剥離樹脂層20は、含水性が低く、耐熱性が高いことが好ましい。
前述のとおり、高いガスバリア性を発現する無機層16は、プラズマCVD等の真空成膜により形成する必要がある。剥離樹脂層20の含水性が高いと、真空引きを行っても、水分を放出するため、真空度を高くできず、無機層16を形成できないおそれがある。また、無機層16を形成した場合であっても、水分の吸収、放出により剥離樹脂層20が伸縮すると、無機層16が割れてしまい、高いガスバリア性を得られないおそれがある。したがって、剥離樹脂層20は、含水性が低いのが好ましい。また、プラズマCVD等により無機層16を形成するために耐熱性が高いことが好ましい。
基板12および有機層14との密着性、含水性および耐熱性等の観点から、剥離樹脂層20の形成材料としては、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等のガラス転移温度Tgが100℃以上の環状オレフィン樹脂であるのが好ましい。
また、前述のとおり、剥離樹脂層20上には、有機層14が塗布により形成される。そのため、有機層14となる塗布組成物の塗布性の観点や溶剤耐性、ならびに、リタデーション等の光学特性の観点から、剥離樹脂層20の形成材料としては、シクロオレフィンコポリマー(COC)を用いるのが好ましい。
このような剥離樹脂層20の形成は、有機層14と同様の、塗布法により形成することができる。
剥離樹脂層20を塗布法で形成することで薄く形成することができる。
剥離樹脂層20の厚さは、剥離樹脂層20の形成材料や有機層14、無機層16および基板12に応じて、適宜設定すればよい。本発明者らの検討によれば、剥離樹脂層20の厚さは、0.1〜25μmとするのが好ましく、0.5〜15μmとするのがより好ましく、1〜10μmとするのが特に好ましい。
剥離樹脂層20の厚さを0.1μm以上とすることにより、基板12および有機層14との密着性を適切に制御でき、基板12との界面での剥離を容易にすることができ、また、基板12の剥離の際に無機層16にかかるせん断力を低減して、無機層16が割れるのを防止できる。
また剥離樹脂層20の厚さを25μm以下とすることにより、剥離樹脂層20が厚すぎることに起因する、剥離樹脂層20のクラックや、転写型ガスバリアフィルム10のカール等の問題の発生を、好適に抑制することができ、また、転写型ガスバリアフィルム10をロール状に巻取りやすくすることができる。
また、基板12を剥離する際の応力緩和の観点から、剥離樹脂層20の硬さは、有機層14の硬さよりも低いのが好ましく、また、剥離樹脂層20のヤング率は、有機層14のヤング率よりも低いのが好ましい。すなわち、剥離樹脂層20は有機層14よりも柔らかいのが好ましい。
ここで、剥離樹脂層20の厚さは、有機層14の厚さよりも厚いのが好ましい。
前述のとおり、無機層16の下地層となる有機層14は、より高い耐熱性が必要となる。したがって、有機層14の形成材料としてはガラス転移温度Tgがより高い材料を用いる必要がある。ここで、一般に、ガラス転移温度Tgが高い材料は硬く、伸びにくいものとなるため、硬い有機層14の厚さを薄くして、柔らかい剥離樹脂層20の厚さを厚くすることで、剥離樹脂層20を応力緩和層として適正に機能させることができ、基板12を剥離する際の無機層16の割れを防止して高いガスバリア性を得ることができる。
また、剥離樹脂層20と基板12および有機層14との剥離力は、有機層14との剥離力が基板12との剥離力よりも高ければ、限定はない。
また、剥離樹脂層20と基板12との剥離力は、0.04N/25mm〜1N/25mmが好ましい。
剥離樹脂層20と基板12との剥離力を上記範囲とすることで、剥離力が弱過ぎて、搬送中等に剥離してしまうことを抑制でき、また、剥離力が強過ぎて、基板12を剥離する際に無機層16を損傷してしまう、転写型ガスバリアフィルム10が変形してしまう等の不都合を抑制できる。
なお、剥離力(密着力)は、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて測定すればよい。
粘着層24は、有機化合物からなる層で、ガスバリア層18(無機層16)の上に形成され、転写層30を被転写基材102に転写する際に転写層30と被転写基材102とを貼着するためのものである。
粘着層としての粘着層24の形成材料には限定はなく、種々の公知の粘着材料が利用可能である。
光学特性、特にリタデーションやヘイズ等の観点から、粘着材料としてアクリル系の粘着剤を用いるのが好ましい。
アクリル系粘着剤としては、SKダインシリーズ(綜研化学株式会社製)等が例示される。
粘着層24の厚さは、粘着層24の形成材料や無機層16に応じて、適宜設定すればよい。本発明者らの検討によれば、粘着層24の厚さは、0.1〜50μmとするのが好ましく、0.5〜25μmとするのがより好ましく、1〜10μmとするのが特に好ましい。
粘着層24の厚さを0.1μm以上とすることにより、無機層16を適正に保護することができる。また粘着層24の厚さを50μm以下とすることにより、転写型ガスバリアフィルム10を被転写体に貼着する際の作業性を向上できる。
保護フィルム26は、公知の保護フィルムとして利用されている公知のシート状物が、各種、利用可能である。
一例として、前述の基板12で例示した各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
ここで、保護フィルム26の形成材料は、ヤング率が6GPa以下であるのが好ましい。保護フィルム26は、転写型ガスバリアフィルム10が有するガスバリア層18の最上層となる無機層16上に貼着され、転写型ガスバリアフィルム10を転写する際には、無機層16から剥離されて利用される。保護フィルム26の形成材料のヤング率を6GPa以下とすることにより、保護フィルム26を剥離する際における無機層16の損傷を、より好適に防止でき、高いガスバリア性を得ることができる。
この点を考慮すると、保護フィルム26の形成材料としては、LDPE、HDPE、PP、PET、PEN、PVC、PI等が好適に例示される。
保護フィルム26の厚さは、転写型ガスバリアフィルム10に要求される厚さ、保護フィルム26の形成材料のヤング率等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、保護フィルム26の厚さは、10〜300μmが好ましく、30〜50μmがより好ましい。
保護フィルム26の厚さを10μm以上とすることにより、巻取り時等に外部から受ける衝撃等に起因する無機層16の損傷を好適に防止できる、搬送時のシワおよび変形を抑制できる等の点で好ましい。
保護フィルム26の厚さを300μm以下とすることにより、転写型ガスバリアフィルム10が不要に厚くなることを防止できる等の点で好ましい。
保護フィルム26において、無機層16側の面に、粘着層が形成されていてもよい。
被転写基材102は、転写型ガスバリアフィルム10から転写される転写層30を面方向に配列した状態で支持する基材である。
被転写基材102としては、公知の基材として利用されている公知のシート状物が、各種、利用可能である。
一例として、前述の基板12で例示した各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
なかでも、光学特性、特にリタデーションの観点からは、TAC、PC、COC、COPが好適に用いられ、搬送性や薄手化という観点からはPETが好ましい。
ここで、被転写基材102の水蒸気透過率が、0.5g/(m2・day)未満であるのが好ましい。
水蒸気透過率の低い基材を被転写基材102として用いることで、被転写基材102上に配列した転写層30の間に微小な隙間があっても、ガスバリア性を維持できる。
次に、本発明のガスバリアフィルムの製造方法について説明する。
本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、上記ガスバリアフィルムを製造する方法であり、基板と、基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、基板とガスバリア層との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルムを準備する転写フィルム準備工程、
被転写基材上に、2以上の転写型ガスバリアフィルムを面方向に配置して、ガスバリア層側を被転写基材に向けて貼り合わせる第1の貼合工程、および、
転写型ガスバリアフィルムの基板を剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程を有するガスバリアフィルムの製造方法である。
以下、本発明の製造方法について、図5(A)〜図5(D)を用いて説明する。
図5(A)〜図5(D)は、上記転写型ガスバリアフィルムを3枚を、被転写基材102に転写して、図1(A)に示すようなガスバリアフィルム100を作製する例を示したものである。
まず、転写フィルム準備工程において、例えば、図4(A)に示すような転写型ガスバリアフィルム10bを準備する。前述のとおり、図4(A)に示す転写型ガスバリアフィルム10aは、基板12と、基板12の一方の面に積層される、有機層14および無機層16を有するガスバリア層18と、基板12とガスバリア層18との間に積層される剥離樹脂層20と、ガスバリア層18(無機層16)上に、積層される粘着層24と、粘着層24を保護する保護フィルム26を有する積層物である。
このような転写型ガスバリアフィルムの製造方法については後に詳述する。
次に、第1の貼合工程において、図5(A)に示すように、準備した転写型ガスバリアフィルム10複数枚を、被転写基材102上に面方向に配列して貼り合わせる。
その際、図5(B)に示すように、転写型ガスバリアフィルム10の端面同士を密接させて配列する。
第1の貼合工程における貼り合わせの方法には限定はなく、種々の公知のフィルム状物の貼り合わせの方法が利用可能である。
ここで、転写型ガスバリアフィルムとして、上述のように粘着層24および保護フィルム26を有する転写型ガスバリアフィルム10bを用いる場合には、転写型ガスバリアフィルム10bを被転写基材102に貼り合わせる前に、保護フィルム26を剥離して粘着層24を表出させてから貼り合わせすればよい。
次に、剥離工程において、図5(C)に示すように、被転写基材102上に貼着された転写型ガスバリアフィルム10から、基板12を剥離する。
剥離工程における基板12の剥離の方法には限定はなく、種々の公知のフィルム状物の剥離方法が利用可能である。
前述のとおり、転写型ガスバリアフィルム10は、基板12とガスバリア層18との間に、剥離樹脂層20を有し、基板12と剥離樹脂層20との間で剥離するものであるので、基板12を剥離すると、ガスバリア層18と剥離樹脂層20を含む転写層30が被転写基材102上に残されて、図5(D)に示すようなガスバリアフィルム100が作製される。
前述のとおり、ディスプレイ等の電子デバイスや機能性フィルムは、さらに大型化されており、これに対応する大面積のガスバリアフィルムが要求されている。
しかしながら、ガスバリアフィルムを大面積化すると、全領域で良好なガスバリア性能を発揮する必要が生じ、全幅全長にわたっての品質保証がより困難になる。
また、全領域で良好なガスバリア性能を発揮するガスバリアフィルムを生産するには、生産プロセスの安定化も困難になり、製造するのが難しくなる。また、ガスバリアフィルムの性能を上げるために積層数を増やすほど、掛け算で上記問題が発生し、より得率が低下するので、高品位な大面積のガスバリアフィルムを作ることは非常に難しいといえる。また、生産設備上も、バリア層を形成するための真空成膜装置のチャンバーが大きくなり、排気やベントといった1サイクルの時間も長くなることからコストが高くなる傾向にある。
これに対して、本発明の製造方法は、2以上の転写型ガスバリアフィルム10を被転写基材102の面方向に並べて転写し、転写型ガスバリアフィルム1枚よりも大面積のガスバリアフィルムを作製する。
ここで、本発明で用いる転写型ガスバリアフィルム10は、前述のとおり、剥離樹脂層20がガスバリア層18の有機層14と密着し、かつ、基板12との界面で基板12と剥離可能に構成されている。これにより、転写の際の基板12の剥離時に、剥離樹脂層20と基板12との界面で剥離することで、無機層16と剥離面との間に存在する剥離樹脂層20が応力緩和層となり、基板12を剥離する際にかかるせん断力によって、無機層16が割れてしまうことを防止でき、転写後の転写層30も高いガスバリア性を発現できる。
したがって、高いガスバリア性を維持したまま、転写型ガスバリアフィルム10を転写することができ、高いガスバリア性を有し大面積のガスバリアフィルムを、低コストで容易に安定して作製することができる。
ここで、本発明の製造方法においては、第1の貼合工程において、基板12を有する状態の転写型ガスバリアフィルム10を被転写基材102に貼着した後に、基板12を剥離するので、貼り合わせの際に、基板12を有する厚い状態の転写型ガスバリアフィルム10の端面同士をつき合わせて貼り合わせることで、薄い転写層30の配置間隔を非常に小さくして配列することができる。
なお、上述の例では、全ての転写型ガスバリアフィルム10を被転写基材102上に貼り合わせた後に、転写型ガスバリアフィルム10の基板12を剥離する構成としたが、これに限定はされず、転写型ガスバリアフィルム10ごとに貼り合わせおよび基板12の剥離を行ってもよい。
また、被転写基材102に転写された転写層30は、隣接する転写層30と端面の間に間隙を有していてもよく、あるいは、重なっていてもよい。
本発明の製造方法においては、転写型ガスバリアフィルム10を用いて、薄い転写層30を転写するので、通常のガスバリアフィルムを複数枚配列して貼着する構成と比較して、転写層30間に隙間がある場合でも隙間との段差を非常に小さくでき、また、転写層30同士が重なった場合でも、重なりの段差を非常に小さくでき、転写層30の境界が筋状に視認されるのを抑制できる。
隣接する転写層30が重なっている構成は、ガスバリア性等の観点でより好適であり、また、隣接する転写層30が間隙を有する構成は、平坦性等の観点でより好適である。
図6(A)に示すように、隣接する転写層30の間に間隙t1を有する場合には、間隙t1は、1mm以下とするのが好ましく、0.3mm以下とするのがより好ましい。
また、図6(B)に示すように、隣接する転写層30同士が重なっている場合には、重なりt2は、3mm以下であるのが好ましく、1〜3mmであるのがより好ましい。
また、上述の例においては、転写型ガスバリアフィルム10が粘着層を有する構成としたが、これに限定はされず、被転写基材102への貼り合わせの前に、被転写基材102に粘着剤を塗布して、転写型ガスバリアフィルム10との貼り合わせを行ってもよい。
すなわち、上述の例は、転写型ガスバリアフィルムを作製する工程(準備工程)に、粘着層形成工程を含む構成であるが、第1の貼合工程の前に被転写基材102に粘着層を形成する粘着層形成工程を有する構成であってもよい。
また、上述した第1の貼合工程や剥離工程は、枚様式で行ってもよいし、RtoRによって行ってもよい。
また、本発明の製造方法は、さらに、被転写基材102に転写された転写層30上に、転写型ガスバリアフィルムを貼り合わせる第2の貼合工程を有し、転写層を厚さ方向に二層以上積層した、図2(A)に示すようなガスバリアフィルム110を作製してもよい。
すなわち、図7(A)に示すように、第2の貼合工程において、剥離工程の後に、被転写基板102に転写された転写層30上に、転写型ガスバリアフィルム10を貼り合わせる。
ここで、図7(B)に示すように、第2の貼合工程で貼り合わせられる転写型ガスバリアフィルム10の貼り合わせ位置は、第1の貼合工程で貼り合わせられた転写層30の貼り合わせ位置とは異なる位置とするのが好ましい。すなわち、前述のとおり、転写層30bを有する転写型ガスバリアフィルム10は、転写層30同士の境界を覆うように貼り合わせられて、第2の貼合工程で貼り合わせられる転写層30b同士の境界の位置が、転写層30同士の境界の位置と一致しないように貼り合わせられる。
第2の貼合工程における貼り合わせの方法にも限定はなく、種々の公知のフィルム状物の貼り合わせの方法が利用可能である。
次に、図7(C)に示すように、第2の剥離工程として、第2の貼合工程で貼り合わせた転写型ガスバリアフィルム10の基板12を剥離する。
第2の剥離工程における基板12の剥離の方法にも限定はなく、種々の公知のフィルム状物の剥離方法が利用可能である。
基板12を剥離すると、転写層30bが転写層30上に残されて、図7(D)に示すようなガスバリアフィルム110が作製される。
このように、転写層を厚さ方向に二層以上積層することで、ガスバリア性をより向上できる。特に、図6(A)に示すように、転写した転写層30の間に間隙を有する場合には、間隙を封止してガスバリア性をより向上でき、また、ガスバリアフィルムの平坦性も向上できる。
また、本発明の製造方法は、さらに、屈折率調整層や光拡散層等の光学機能層を形成する工程(屈折率調整層形成工程、光拡散層形成工程)を有していてもよい。
その際、屈折率調整層や光拡散層等の光学機能層104は、図8(A)に示すように、被転写基材12の、転写層30が転写された面とは反対側の面に形成されてもよく、あるいは、図8(B)に示すように、転写された転写層30上に形成されてもよい。
屈折率調整層は、ガスバリアフィルム100表面の屈折率を調整し、ガスバリアフィルム100と空気界面での光の反射を抑制することで、ガスバリアフィルム100の転写層30の境界が視認されるのをより好適に防止するためのものである。
屈折率調整層の形成材料としては限定はなく、屈折率調整層として利用されている公知の材料が各種利用可能である。
一例として、屈折率調整層の形成材料として、チタン、アルミニウム、ジルコニア、ならびに、これらの酸化物の少なくとも1つからなる微粒子と、アクリルまたはウレタン樹脂をバインダーとして含有する混合物からなる材料が好適に利用可能である。
光拡散層は、ガスバリアフィルム100を透過する光を拡散するためのものである。
光拡散層の形成材料としては限定はなく、光拡散層として利用されている公知の材料が各種利用可能である。
一例として、光拡散層の形成材料として、拡散材となる粒子とバインダーとなる樹脂からなる材料が好適に利用可能である。
拡散材としては、シリコーン粒子、PMMA粒子、PMMB粒子等が例示される。
また、バインダーとしては、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリル化合物、などの熱可塑性樹脂、ポリシロキサンや、その他の有機ケイ素化合物等の樹脂が例示される。
光拡散層を有することで、ガスバリアフィルム100の転写層30の境界が視認されるのをより好適に防止することができる。
また、屈折率調整層や光拡散層等の光学機能層を2層以上有していてもよい。例えば、ガスバリアフィルムが、2層の屈折率調整層を有する構成であってもよく、あるいは、屈折率調整層と光拡散層とを有する構成であってもよい。その際、2つの層は、同じ面側に積層されてもよく、互いに逆面側に積層されてもよい。
以下、図9(A)および図9(B)を参照して、転写型ガスバリアフィルムの製造方法を説明する。
なお、以下の例は、好ましい態様として、長尺な基板12や保護フィルム26等を用いて、RtoRによって転写型ガスバリアフィルムの製造を行うものである。周知のように、RtoRとは、長尺な被処理物を巻回してなるロールから被処理物を送り出して、長手方向に搬送しつつ成膜等の処理を行い、処理済の被処理物を、再度、ロール状に巻回する製造方法である。
まず、図9(A)に概念的に示す成膜装置を用いて、基板12上に剥離樹脂層20を形成する。
具体的には、有機溶剤、剥離樹脂層20となる有機化合物などを含む塗布組成物を調製する。
一方、長尺な基板12をロール状に巻回してなる基板ロールRaを、図9(A)に示す有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、基板ロールRaから基板12を送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した剥離樹脂層20となる塗布組成物を塗布部40の所定位置に充填する。なお、図中の符号48、49は、基板12を所定の経路で搬送するための搬送ローラ対である。
その上で、基板ロールRaから基板12を送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布部40において調製した塗布組成物を基板12に塗布し、次いで、乾燥部42において塗布組成物を乾燥して、さらに必要に応じて硬化部44において紫外線照射や加熱等を行って、剥離樹脂層20を形成する。さらに、基板12上に剥離樹脂層20が形成された長尺なフィルムをロール状に巻回して、基材ロールRbとする。
なお、図に示すように、好ましい態様として、剥離樹脂層20を形成した後、保護フィルムロール28Rから保護フィルム28を積層して、その後、巻取りを行って基材ロールRbとする。保護フィルム28は、前述の保護フィルム26と同様のものである。
次に、剥離樹脂層20を形成した基板12を被成膜基材Zaとして、被成膜基材Zaの剥離樹脂層20上に有機層14を形成する。有機層14の形成は、基本的に、図9(A)に示すような有機成膜装置を用いて剥離樹脂層20の形成と同様に行えばよい。
すなわち、有機溶剤、有機層14となる有機化合物、重合開始剤などを含む塗布組成物を調製する。
また、長尺な被成膜基材Zaをロール状に巻回してなる基材ロールRbを、図9(A)に示す有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、基材ロールRbから被成膜基材Zaを送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した有機層14となる塗布組成物を塗布部40の所定位置に充填する。
その上で、基材ロールRbから被成膜基材Zaを送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布部40において調製した塗布組成物を剥離樹脂層20上に塗布し、次いで、乾燥部42において塗布組成物を乾燥して、硬化部44において紫外線照射等によって有機化合物を重合(架橋)して有機層14を形成する。さらに、有機層14を形成した長尺な被成膜基材Zaをロール状に巻回して、基材ロールRcとする。
なお、剥離樹脂層20の場合と同様に、有機層14の形成後、有機層14に保護フィルム28を貼着してもよい。保護フィルム28の貼着は、有機層14がガイドローラ等の他の部材に接触する前に行うのが好ましい。
これにより、無機層16の下地層である有機層14が損傷するのを防止でき、平滑な有機層14上に適正に無機層16を形成できるので、高いガスバリア性を発現するガスバリアフィルムを得ることができる。
また、上記例では、剥離樹脂層20の成膜と、有機層14の成膜とをそれぞれ行う構成としたが、これに限定はされず、剥離樹脂層の成膜後、巻取りを行わず、続けて、有機層14の成膜を行ってもよい。すなわち、基板12の搬送経路中に、剥離樹脂層20を形成するための塗布部40、乾燥部42および硬化部44、ならびに、有機層14を形成するための塗布部40、乾燥部42および硬化部44を配置した成膜装置を用いて、剥離樹脂層20の成膜と、有機層14の成膜とを連続して行ってもよい。
次いで、図9(B)に概念的に示すような無機成膜装置において、剥離樹脂層20および有機層14を形成した基板12(被成膜基材Zb)に無機層16を形成し、さらに、無機層16に保護フィルム29を貼着する。
図9(B)に示す無機成膜装置は、一例として、CCP−CVD(容量結合型プラズマ化学気相蒸着法)によって無機層16を形成するものであり、供給室50と、成膜室52と、巻取り室54とを有する。
まず、供給室50の所定位置に基材ロールRcを装填する。次いで、基材ロールRcから被成膜基材Zbを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。基材ロールRcは、有機層14が成膜室52における成膜面となるように装填する。
また、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール29Rを装填する。次いで、保護フィルムロール29Rから保護フィルム29を送り出し、成膜室52から巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。
次いで、供給室50を真空排気手段50aで、成膜室52を真空排気手段52aで、巻取り室54を真空排気手段54aで、それぞれ排気して、各室を所定の圧力に減圧する。
各室の圧力が所定の圧力になったら、被成膜基材Zbおよび保護フィルム29の搬送を開始する。
被成膜基材Zbは、基材ロールRcから送り出されて、ガイドローラ58に案内されて、成膜室52に搬送される。
成膜室52に搬送された被成膜基材Zbは、ガイドローラ60に案内されて、円筒状のドラム62の周面に巻き掛けられる。ドラム62は、CCP−CVDにおける電極としても作用するものである。なお、ドラム62は、好ましい態様として温度調節機能を有する。被成膜基材Zbは、ドラム62によって所定の経路を搬送されつつ、ドラム62およびシャワー電極64からなる電極対、原料ガス供給部68および高周波電源70等を有する成膜手段によって、CCP−CVDによって無機層16を形成され、基板12に剥離樹脂層20と有機層14と無機層16との組み合わせを形成した積層フィルムとされる。
プラズマCVDによる無機層16の形成は、無機層の形成材料等に応じた公知の方法で行えばよい。また、無機層16の形成は、CCP−CVD以外にも、ICP−CVD(誘導結合型プラズマ化学気相蒸着法)、スパッタリング、真空蒸着等、公知の気相成膜法が、各種、利用可能である。
一方、この被成膜基材Zbの搬送に同期して、保護フィルムロール29Rから保護フィルム29が送り出されて、長手方向に搬送される。
無機層16を形成された被成膜基材Zbおよび保護フィルム29は、積層ローラ対72によって積層、圧着されて、転写型ガスバリアフィルム10が作製される。
なお、保護フィルム29の無機層16と対面する面には粘着層が形成されていてもよい。
RtoRによって転写型ガスバリアフィルム10を作製する際には、保護フィルム29の貼着は、無機層16を形成した後、無機層16がガイドローラ等の他の部材に接触する前に行うのが好ましい。
これにより、無機層16の損傷を防止して、目的とするガスバリア性を発現する転写型ガスバリアフィルム10を得られる。
成膜室52において、積層ローラ対72による積層フィルムと保護フィルム26との積層および貼着によって作製された転写型ガスバリアフィルム10は、成膜室52から巻取り室54に搬送されて、ガイドローラ76によって所定の経路に案内されて、巻き取られ、長尺な転写型ガスバリアフィルム10を巻回したバリアフィルムロールRdとされる。
なお、被成膜基材Zbが、有機層14上に保護フィルム28を有するものである場合には、無機層16の成膜前に、保護フィルムを剥離して無機層16の成膜を行えばよい。
保護フィルムの剥離は、無機層16の成膜手段に至る経路に、有機層14に接触するガイドローラ等の部材が無い位置で行うのが好ましい。
また、無機層16上にさらに、粘着層24を形成する場合には、剥離樹脂層20、有機層14および無機層16を形成した基板12を被成膜基材Zcとして、図9(A)に示すような有機成膜装置を用いて、剥離樹脂層20および有機層14と同様にして粘着層24を形成すればよい。
すなわち、長尺な被成膜基材Zcをロール状に巻回してなる基材ロールRdを、図9(A)に示す有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、基材ロールRdから被成膜基材Zcを送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した粘着層24となる塗布組成物を塗布部40の所定位置に充填する。
また、有機成膜装置の所定位置に保護フィルムロール26Rを装填する。次いで、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26を送り出し搬送ローラ対49に至る所定の経路に通紙する。
その上で、基材ロールRdから被成膜基材Zcを送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布部40において調製した塗布組成物を無機層16上に塗布する。なお、図示は省略するが、塗布組成物の塗布の前に保護フィルム29を剥離する。
次いで、乾燥部42において塗布組成物を乾燥して、必要に応じて硬化部44において紫外線照射等によって有機化合物を硬化して粘着層24を形成する。
一方、この被成膜基材Zaの搬送に同期して、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26が送り出されて、長手方向に搬送される。
粘着層24を形成された被成膜基材Zcおよび保護フィルム26は、搬送ローラ対49によって積層、圧着されて、転写型ガスバリアフィルム10bが作製される。
以下、本発明の製造方法で製造したガスバリアフィルムを利用する部材について説明する。
図10は、本発明の製造方法で作製したガスバリアフィルムを用いて有機EL素子を封止した、有機EL積層体の一例である。
図10に示す有機EL積層体120は、ガスバリアフィルム100と、ガスバリアフィルム100上に形成された有機EL素子124と、有機EL素子124覆って積層された粘着層126およびガスバリアフィルム100とを有する。
すなわち、図示例の有機EL積層体120は、有機EL素子124を形成するための素子基板として、ガスバリアフィルム100を用いると共に、有機EL素子124を封止する封止フィルムとしてもガスバリアフィルム100を用いたものである。
有機EL素子124は、例えば、有機電界発光層と、有機電界発光層を挾持する電極対である透明電極および反射電極とを有する公知の有機EL素子である。
図に示すように、有機EL素子124は、本発明の製造方法で製造されたガスバリアフィルム100により挟持された状態で封止されている。
このように、有機EL素子124を本発明の製造方法で製造されたガスバリアフィルムで封止することで、有機EL積層体を大面積化することができる。
なお、図示例においては、有機EL積層体は、素子基板および封止フィルムとして、本発明の製造方法で製造されたガスバリアフィルムを用いたが、これに限定はされず、素子基板または封止フィルムのいずれか一方に、本発明の製造方法で製造されたガスバリアフィルムを用いる構成としてもよい。
また、有機EL素子124上にパッシベーション膜を有していてもよい。
また、有機EL素子124に用いられるガスバリアフィルム100の被転写基材102は、位相差フィルムであるのが好ましい。
これにより、外光からの反射を防止し、移りこみが少なく、高いコントラストも実現できる等の点で好ましい。
図11は、本発明の製造方法で作製したガスバリアフィルムを用いて波長変換層を封止した、波長変換フィルムの一例である。
図11に示す波長変換フィルム130は、波長変換層132と、波長変換層132の一方の面に積層されたガスバリアフィルム100と、波長変換層132の他方の面に積層されたガスバリアフィルム100とを有する。
すなわち、波長変換フィルム130は、波長変換層132を、本発明の製造方法で製造した2枚のガスバリアフィルム100で挟持した構成を有する。
波長変換層132は、入射光の波長を変換して出射する機能を有するものであり、例えば、量子ドットを樹脂等のバインダー中に分散してなる量子ドット層である。
量子ドット層に含有される量子ドットの種類には特に限定はなく、求められる波長変換の性能等に応じて、種々の公知の量子ドットを適宜選択すればよい。
また、量子ドット層に含有されるバインダーの種類にも特に限定はなく、量子ドットの種類、求められる性能等に応じて、種々の公知のバインダーを適宜選択すればよい。
なお、図11に示す例では、波長変換層の両面を本発明の製造方法で製造したガスバリアフィルムで封止する構成としたが、これに限定はされず、波長変換層の一方の面を本発明の製造方法で作製したガスバリアフィルムで封止し、他方を従来のガスバリアフィルムで封止する構成としてもよい。
また、波長変換フィルム130に用いられるガスバリアフィルム100は、図8(A)または図8(B)に示すように、光拡散層を有するものであるのが好ましい。
光拡散層を有し、転写層30の境界が視認されにくいガスバリアフィルム100を用いることで、光学特性をより向上できる。
以上、本発明のガスバリアフィルムの製造方法、ならびに、有機EL積層体および波長変換フィルムについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1として、図1(A)に示すガスバリアフィルム100を作製した。
〔転写型ガスバリアフィルムの作製(準備工程)〕
まず、図3(A)に示すような転写型ガスバリアフィルム10aを作製した。
<剥離樹脂層20の形成>
基板12として、幅700mm、厚さ50μm、長さ100mの長尺なPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)を用いた。
この基板12の未下塗り面側に、以下の手順で剥離樹脂層20を形成した。
剥離樹脂層20となる塗布液A1として、COC樹脂(三井化学株式会社製 APEL 6015T)をシクロヘキサンで溶解し、固形分濃度が10%となるように調製した塗布液を用いた。
この塗布液A1を、図9(A)に示すようなRtoRによる成膜装置の塗布部40に充填し、また、基板12をロール状に巻回してなる基板ロールRaを所定の位置に装填して、基板12を所定の搬送経路に挿通した。塗布部40はダイコータを用いた。
その上で、基板12を長手方向に搬送しつつ、塗布部40によって塗布液A1を基板12に乾燥膜厚が2μmになるように塗布して、乾燥部42において、乾燥温度100℃で3分間乾燥させて、基板12上に剥離樹脂層20を形成した。この際においては、硬化部44は使用しなかった。
すなわち、剥離樹脂層20の形成材料は、シクロオレフィンコポリマーである。
<有機層14の形成>
次に、形成した剥離樹脂層20上に、以下の手順で有機層14を形成した。
有機層14となる塗布液B1として、A−DPH(新中村化学工業株式会社製)および光重合開始剤(BASFジャパン製 Irg819)を用意し、重量比率として97:3となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液を調製した。
この塗布液B1を、図9(A)に示すようなRtoRによる成膜装置の塗布部40に充填し、また、剥離樹脂層20を有する基板12(被成膜基材Za)をロール状に巻回してなる基材ロールRbを所定の位置に装填して、被成膜基材Zaを所定の搬送経路に挿通した。塗布部40はダイコータを用いた。
その上で、被成膜基材Zaを長手方向に搬送しつつ、塗布部40によって塗布液B1を被成膜基材Zaの剥離樹脂層20上に乾燥膜厚が1μmになるように塗布して、乾燥部42において、乾燥温度50℃で3分間乾燥させて、硬化部44において、紫外線を照射し(積算照射量約700mJ/cm2)、硬化させて剥離樹脂層20上に有機層14を形成した。
なお、有機層14を硬化させた後の、有機層14側の面に最初に接触するロールに接触する前に、有機層14上にポリエチレンの保護フィルム28を貼り付けた後に巻き取った。
<無機層16の形成>
次に、形成した有機層14上に、以下の手順で無機層16を形成した。
図9(B)に示されるような成膜装置の供給室50の所定位置に、剥離樹脂層20および有機層14が形成された基板12(被成膜基材Zb)をロール状に巻回してなる基材ロールRcを装填し、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール29Rを装填した。さらに、基材ロールRcから被成膜基材Zbを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。また、保護フィルムロール29Rから保護フィルム29を送り出して、成膜室52から巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。
この状態で、被成膜基材Zbと保護フィルム29とを同期して搬送しつつ、成膜直前の膜面タッチロールを通過後に被成膜基材Zbから保護フィルム28を剥離し、成膜室52内のドラム62に支持/案内される被成膜基材Zbの有機層14の表面にCCP−CVDによって無機層16として窒化ケイ素膜を形成した。次いで、積層ローラ対72によって、無機層16上に保護フィルム29を積層、貼着して、図3(A)に示すような転写型ガスバリアフィルム10aを作製して、巻き取った。
無機層16の形成には、原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)および水素ガス(流量2000sccm)を用いた。電源は、周波数13.56MHzの高周波電源を用い、プラズマ励起電力は8kWとした。成膜圧力は40Paとした。無機層16の膜厚は、30nmであった。
保護フィルム29の貼着は、無機層16を形成した後、無機層16が他の部材に接触する前に行った。また、保護フィルム29として、ポリエチレンフィルムを用いた。
作製した転写型ガスバリアフィルム10aの幅方向の両端20mmを切り落とし、幅方向全域にガスバリア層18が形成された状態とした。すなわち、作製された転写型ガスバリアフィルム10aの幅は660mmであった。
〔第1の貼合工程〕
次に、第1の貼合工程において、作製した転写型ガスバリアフィルム10aを被転写基材102に貼り合わせた。
被転写基材102としては、幅1400mm、厚さ80μm、長さ50mの長尺なフジタック(TD80 富士フイルム株式会社製)を用いた。
この被転写基材102を被成膜基材として、図9(A)に示すような有機成膜装置にセットし、RtoRにより、被転写基材102上に1380mm幅の粘着層となる塗布液C1を塗布し、乾燥温度100℃で3分間乾燥させて、粘着層を形成した後、保護フィルムに代えて、先の転写型ガスバリアフィルムを粘着層上に幅方向に並列に貼着し巻き取った。すなわち、転写型ガスバリアフィルムが1320mm幅で貼り合わされたものとなる。
粘着層の厚さは2μmとした。
粘着層となる塗布液C1として、SKダインNT21(綜研化学株式会社製)に硬化剤L−45(綜研化学株式会社製)を100:2の割合で添加したものを酢酸ブチルで希釈し、固形分濃度15%に調製した。
この粘着層は、アクリル系粘着剤である。
〔剥離工程〕
転写型ガスバリアフィルムを貼合して巻き取った被転写基材102は、粘着層の密着力を安定化するために、温度25℃、湿度50%RHで3日間保管し、エージングを経た後に、転写型バリアフィルムの基板12を剥離してガスバリアフィルム100を作製した。
[実施例2]
さらに、下記第2の貼着工程および第2の剥離工程を行って、転写層30上に転写層30bを転写して転写層を厚さ方向に二層有するガスバリアフィルムを作製する構成とした以外は、実施例1と同様にして図2(A)に示すようなガスバリアフィルム110を作製した。
〔第2の貼着工程〕
まず、実施例1で作製した転写型ガスバリアフィルム10aを1本と、転写型ガスバリアフィルム10aを幅330mmにスリットしたものを2本準備した。
実施例1で作製したガスバリアフィルム100を被成膜基材とし、図9(A)に示すような有機成膜装置にセットし、RtoRにより、転写層30上に1380mm幅の粘着層となる塗布液C1を塗布し、乾燥温度100℃で3分間乾燥させて、粘着層を形成した後、幅方向の中央に幅660mmの転写ガスバリアフィルム10aを、その両端に幅330mmの転写型ガスバリアフィルム10aを貼着し巻き取った。
〔第2の剥離工程〕
第1の剥離工程と同様に、粘着層の密着力を安定化するために、RTで3日間保管し、エージングを経た後に、転写型バリアフィルムの基板12を剥離してガスバリアフィルム110を作製した。
[実施例3]
転写型ガスバリアフィルムとして、図4(A)に示すような粘着層24を有する転写型ガスバリアフィルム10bを用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルム100を作製した。
〔転写型ガスバリアフィルムの作製〕
実施例1と同様にして、基板12上に、剥離樹脂層20、有機層14および無機層16を形成した後、図9(A)に示すような有機成膜装置にセットし、RtoRにより、無機層16上に粘着層24となる塗布液C1を塗布し、乾燥温度100℃で3分間乾燥させて、粘着層24を形成した後、保護フィルム26(藤森工業株式会社製 フィルムバイナBD)を貼着し、転写型ガスバリアフィルム10bを作製した。
〔第1の貼合工程〕
被転写基材102上への粘着層の塗布を行わずに、上記転写型ガスバリアフィルム10bから保護フィルム26を剥離して、被転写基材102に貼り合わせた以外は実施例1と同様に、転写型ガスバリアフィルム10bと被転写基材102との貼り合わせを行った。
[実施例4]
さらに、下記第2の貼着工程および第2の剥離工程を行って、転写層30上に転写層30bを転写して転写層を厚さ方向に二層有するガスバリアフィルムを作製する構成とした以外は、実施例3と同様にして図2(A)に示すようなガスバリアフィルム110を作製した。
〔第2の貼着工程〕
実施例3で作製した転写型ガスバリアフィルム10bを用い、被転写基材102への粘着層の塗布を行わない以外は実施例2の第2の貼着工程と同様にした。
〔第2の剥離工程〕
実施例2の第2の剥離工程と同様にした。
[実施例5]
剥離工程の後に、屈折率調整層形成工程を行った以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
〔屈折率調整層形成工程〕
実施例1で作製したガスバリアフィルム100の転写層30(剥離樹脂層20)上に、以下の塗布液を塗布、硬化し厚さ5μmの屈折率調整層を形成した。
屈折率調整層の塗布液は、A−DPH(新中村工業株式会社製)に酸化チタン分散液(テイカ株式会社製HTD1061)を添加して、MEK(メチルエチルケトン)で分散し、硬化後に屈折率が1.55となるように調製した。
[実施例6]
被転写基材102の、転写層30が転写されない面に屈折率調整層を形成した以外は実施例5と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例7]
剥離工程の後に、光拡散層形成工程を行った以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
〔光拡散層形成工程〕
実施例1で作製したガスバリアフィルム100の転写層30(剥離樹脂層20)上に、以下の塗布液を塗布、硬化し、厚さ20μmの光拡散層を形成した。
光拡散層の塗布液は、バインダーとしてウレタン骨格アクリルポリマー(大成ファインケミカル社製 アクリット8BR930)、光拡散剤としてシリコーン粒子(トスパール130/1100=1:1)、光重合開始剤としてIrg184(BASFジャパン製)を30:68:2で秤量し、MIBK(メチルイソブチルケトン)で希釈して調製した。
[実施例8]
被転写基材102の、転写層30が転写されない面に光拡散層を形成した以外は実施例7と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例9]
実施例5で作製した、転写層30(剥離樹脂層20)上に屈折率調整層を有するガスバリアフィルムの屈折率調整層とは反対側の面に実施例7と同様にして光拡散層を形成してガスバリアフィルムを作製した。
[実施例10]
実施例6で作製した、転写層30が転写されない面に屈折率調整層を有するガスバリアフィルムの屈折率調整層とは反対側の面に実施例7と同様にして光拡散層を形成してガスバリアフィルムを作製した。
[実施例11]
被転写基材102として、フジタックに代えて、バリアフィルム(三菱樹脂株式会社製テックバリアL)を用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例12]
被転写基材102として、フジタックに代えて、特殊ポリカーボネートW138(帝人株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。特殊ポリカーボネートW138は、位相差フィルム(1/λ板)である。
[比較例1]
剥離樹脂層を有さない以外は実施例1と同様にして転写型ガスバリアフィルムを作製し、この転写型ガスバリアフィルムを被転写基材に転写してガスバリアフィルムを作製した。
[比較例2]
転写型ガスバリアフィルムに代えて、厚さ12μmのテックバリアL(三菱樹脂株式会社製)を被成膜基材に並べて貼着した以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[比較例3]
比較例2で作製したガスバリアフィルムに、さらに、テックバリアLを貼着し、テックバリアLを二層有する構成のガスバリアフィルムを作製した。
[評価]
作製した実施例1〜12および比較例1〜3のガスバリアフィルムについて、ガスバリア性およびスジの視認性の評価を行った。
<ガスバリア性>
ガスバリアフィルムの水蒸気透過率を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。恒温恒湿処理の条件は、温度40℃、相対湿度90%RHとした。
測定した水蒸気透過率に基づいて、以下の基準で評価した。
A:水蒸気透過率が5×10-5[g/(m2・day)]未満
B:水蒸気透過率が5×10-5以上1×10-4[g/(m2・day)]未満
C:水蒸気透過率が1×10-4以上5×10-4[g/(m2・day)]未満
D:水蒸気透過率が5×10-4以上1×10-3[g/(m2・day)]未満
E:水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以上
また、被転写基材102単体の水蒸気透過率(WVTR)を同様にして測定したところ、フジタック単体の水蒸気透過率は400[g/(m2・day)]、バリアフィルム(三菱樹脂株式会社製テックバリアL)の水蒸気透過率は0.5[g/(m2・day)]、特殊ポリカーボネートW138(帝人株式会社製)の水蒸気透過率は140[g/(m2・day)]であった。
<スジの視認性>
作製したガスバリアフィルムの一方の面から光を当てて、反対側から目視で観察して、転写層30の境界がスジ状に視認されるか否かを評価した。
A:スジが視認されない
B:スジがうっすら断続的に見える
C:スジが線状に薄く見える
D:スジがはっきり見える
結果を下記の表に示す。
Figure 2017043062
上記表1に示されるように、本発明の製造方法で作製された実施例は、比較例に比較して、ガスバリア性に優れることがわかる。
また、実施例1と実施例2の対比、ならびに、実施例3と実施例4の対比から、転写層上に、さらに、転写型ガスバリアフィルムを貼り合わせる第2の貼合工程を有するのが好ましいことがわかる。
また、実施例5〜10から、屈折率調整層あるいは光拡散層を形成する工程を有することで、スジの視認性を低減でき好ましいことがわかる。
また、実施例1、11、12との対比から、被転写基板の水蒸気透過率は、0.5[g/(m2・day)]以下であるのが好ましいことがわかる。
[実施例13]
作製したガスバリアフィルムを用いて、有機EL積層体を作製した。
<有機EL素子の作製>
厚さが500μm、大きさ20×20mmのガラス板を素子基板として用意した。
この素子基板の周辺2mmを、セラミックによってマスキングした。さらに、マスキングを施した素子基板を一般的な真空蒸着装置に装填して、真空蒸着によって、厚さ100nmの金属アルミニウムからなる電極を形成し、さらに、厚さ1nmのフッ化リチウム層を形成した。次いで、電極およびフッ化リチウム層を形成した素子基板に、真空蒸着によって、以下の有機化合物層を、順次、形成した。
・(発光層兼電子輸送層)トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
・(第2正孔輸送層)N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
・(第1正孔輸送層)銅フタロシアニン: 膜厚10nm
さらに、これらの層を形成した素子基板を、一般的なスパッタリング装置に装填して、ITO(Indium Tin Oxide 酸化インジウム錫)をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成して、有機EL材料を用いる発光素子である有機EL素子124を形成した。
<ガスバリアフィルムによる封止>
次いで、有機EL素子124を形成した素子基板から、マスキングを除去した。マスキングを除去した素子基板にアクリル系の接着剤を塗布し、実施例1のガスバリアフィルム100を貼り合せた。
[実施例14]
実施例1のガスバリアフィルム100に代えて、実施例10で作製した位相差付ガスバリアフィルムを用いた以外は実施例13と同様にして有機EL積層体を作製した。
[評価]
作製した実施例13および14の有機EL積層体について、耐久性の評価を行った。
具体的には、作製した有機EL積層体を、温度60℃、湿度90%RHの環境下に、200時間、放置した。放置後、各有機EL積層体を、Keithlel社製のSMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡によって、ガスバリアフィルム側から観測して、ダークスポットの発生の有無を確認し、以下の基準で評価した。
A:ダークスポットの発生が全く見られなかった
B:ダークスポットの発生が、わずかに見られた
C:ダークスポットの発生が明らかに認められた
D:ダークスポットの面積の割合の方が大きい
評価の結果、実施例11および12の有機EL積層体はいずれもAであった。
[実施例15]
作製したガスバリアフィルムを用いて、図11に示すような波長変換フィルム130を作製した。波長変換フィルムは、波長変換層として量子ドット層を有する量子ドットフィルムとした。
<量子ドット層形成用組成物の調製>
下記の量子ドット含有重合性組成物Aを調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布組成物として用いた。以下のトルエン分散液中の量子ドット濃度は、1質量%であった。
(量子ドット含有重合性組成物A)
・量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:520nm) 10.0質量部
・量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 1.0質量部
・ラウリルメタクリレート 80.8質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 18.2質量部
・光重合開始剤 1.0質量部
(イルガキュア819(BASF社製))
<量子ドットフィルムの作製>
第一のフィルムとして実施例1のガスバリアフィルムを用い、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、上記で調製した塗布組成物を剥離樹脂層20上にダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。
次いで、塗膜の形成されたフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に第二のフィルム(第一のフィルムと同じ構成のもの)を剥離樹脂層20が塗膜に接する向きでラミネートし、第一のフィルムおよび第二のフィルムで塗膜を挟持した。
この状態で連続搬送しながら、60℃の加熱ゾーンを3分間通過させた後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス株式会社製)を用いて、紫外線を照射して硬化させ、量子ドットを含有する量子ドット層(波長変換層132)を形成し、量子ドットフィルム(波長変換フィルム130)を作製した。なお、紫外線の照射量は2000mJ/cm2であった。
[実施例16]
第一のフィルムとして実施例7の光拡散層付のガスバリアフィルムを用いた以外は実施例15と同様にして波長変換フィルム130を作製した。
[評価]
作製した実施例15および16の波長変換フィルムについて、耐久性の評価を行った。
具体的には、作製直後の波長変換フィルムの輝度と、温度60℃、湿度90%RHの環境下に1000時間放置した後の輝度を測定し、その変化量から耐久性を評価した。
輝度の測定は、以下のようにして行った。
まず、市販の液晶表示装置(Amazon社製 Kindle Fire HDX 7")を分解し、青色光源を備えるバックライトユニットを取り出した。次に、バックライトユニットの導光板上に矩形に切り出した波長変換フィルムを置き、その上に、上記液晶表示装置から取り出した2枚のプリズムシートを、表面の凹凸パターンの向きが直交するように重ねて配置した。
バックライトユニットを点灯し、バックライトユニットの前面から垂直方向740mmの位置に設置した輝度計(TOPCON社製 SR3)にて輝度を測定した。
測定の結果、実施例15および16共に、加湿前後での輝度の変化は1%以下であった。したがって、本発明の製造方法で作製したガスバリアフィルムを用いて封止した波長変換フィルムは、高い耐久性を有することがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 転写型ガスバリアフィルム
12 基板
14 有機層
16 無機層
18 ガスバリア層
20 剥離樹脂層
24 粘着層
26、28、29 保護フィルム
30 転写層
40 塗布部
42 乾燥部
44 硬化部
48、49 搬送ローラ対
50 供給室
50a、52a、54a 真空排気手段
52 成膜室
54 巻取り室
58、60、76 ガイドローラ
62 ドラム
64 シャワー電極
68 原料ガス供給部
70 高周波電源
72 積層ローラ対
100、110 ガスバリアフィルム
102 被転写基材
104 光学機能層
120 有機EL積層体
124 有機EL素子
126 粘着層
130 波長変換フィルム
132 波長変換層

Claims (17)

  1. 基板と、前記基板の一方の面に設けられる、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、前記基板と前記ガスバリア層との間に設けられ、前記有機層と密着し、かつ、前記基板と剥離するための剥離樹脂層と、を有する転写型ガスバリアフィルムを準備する転写フィルム準備工程、
    被転写基材上に、2以上の前記転写型ガスバリアフィルムを面方向に配置して、前記ガスバリア層側を前記被転写基材に向けて貼り合わせる第1の貼合工程、および、
    前記転写型ガスバリアフィルムの前記基板を前記剥離樹脂層との間で剥離する剥離工程を有することを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 前記第1の貼合工程の前に、前記転写型ガスバリアフィルムの前記ガスバリア層側、または、前記被転写基材側に粘着層を形成する粘着層形成工程を有する請求項1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  3. 前記剥離工程の後に、前記被転写基材に貼り合わせられ前記基板を剥離された、前記ガスバリア層および前記剥離樹脂層を備える転写層上に、さらに、前記転写型ガスバリアフィルムを貼り合わせる第2の貼合工程を有する請求項1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  4. 前記第2の貼合工程で貼り合わせる前記転写型ガスバリアフィルムの貼り合わせ位置が、前記被転写基板の面方向において、前記第1の貼合工程の貼り合わせ位置とは異なる位置である請求項3に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  5. 前記被転写基材上に隣接して貼り合わせられ前記基板を剥離された、前記ガスバリア層および前記剥離樹脂層を備える転写層の端面同士の間の距離が1mm以下である、または、3mm以下の幅で重なっている請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  6. 前記被転写基材の、前記転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、前記転写型ガスバリアフィルムの前記剥離樹脂層上の少なくとも一方に屈折率調整層を形成する屈折率調整層形成工程を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  7. 前記屈折率調整層が、チタン、アルミニウム、ジルコニア、ならびに、これらの酸化物の少なくとも1つからなる微粒子と、アクリルまたはウレタンとを含有する混合物からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  8. 前記被転写基材の、前記転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、前記転写型ガスバリアフィルムの前記剥離樹脂層上の少なくとも一方に光拡散層を形成する光拡散層形成工程を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  9. 前記光拡散層が、拡散材となる粒子とバインダーとなる樹脂からなる請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  10. 前記被転写基材の水蒸気透過率が0.5g/(m2・day)未満である請求項1〜9のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  11. 前記被転写基材が位相差フィルムである請求項1〜10のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  12. 前記剥離樹脂層の形成材料が、ガラス転移温度Tgが100℃以上の環状オレフィン樹脂である請求項1〜11のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  13. 前記剥離樹脂層の形成材料が、シクロオレフィンコポリマーである請求項12に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法で作製したガスバリアフィルムを有する有機EL積層体。
  15. 前記被転写基材が位相差フィルムである請求項14に記載の有機EL積層体。
  16. 波長変換層と、
    前記波長変換層上に積層された、請求項1〜13のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法で作製したガスバリアフィルムとを有する波長変換フィルム。
  17. 前記被転写基材の、前記転写型ガスバリアフィルムが貼り合わせられる面とは反対側の面、および、前記転写型ガスバリアフィルムの前記剥離樹脂層上の少なくとも一方に光拡散層を有する請求項16に記載の波長変換フィルム。
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