JPWO2020066496A1 - 電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体 - Google Patents

電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体 Download PDF

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Abstract

有機ELデバイス等の電子デバイスをガスバリアフィルムで封止する際に、接着剤層の厚みを薄くして、素子の劣化を防止でき、かつ、可撓性の高い電子デバイス積層体を作製することができる電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体を提供する。熱融着層と無機層と有機層とをこの順に有する封止層、および、封止層の有機層側に、封止層から剥離可能に積層される基板を有するガスバリアフィルムを準備する工程と、ガスバリアフィルムを、電子デバイスの凹凸を有する素子形成面上に、熱融着層側を素子形成面側に向けて加熱および加圧して圧着する熱圧着工程と、基板を封止層から剥離する剥離工程と、を有し、無機層の厚みが100nm以下であり、熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃である。

Description

本発明は、電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)材料は非常に水分に弱い。そのため、有機EL材料を用いた有機ELデバイスでは、ガスバリア性を有するパッシベーション膜で有機EL素子を封止することが一般的に知られている。また、パッシベーション膜の形成材料としては、ガスバリア性を発現する窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素等の無機材料が例示されている。
しかしながら、有機EL材料は熱に弱いため、パッシベーション膜を形成する際に有機EL材料にダメージを与えないように、パッシベーション膜は低いエネルギーで形成せざるを得ない。そのため、パッシベーション膜で十分なガスバリア性を得るためには厚いパッシベーション膜としたり、複数層のパッシベーション膜を形成する必要がある。しかしながら、パッシベーション膜を厚くしたり、複数層のパッシベーション膜を形成するとフレキシブル性に劣るものとなってしまう。
これに対して、ガスバリア性能の高い接着剤を用いた封止方法が提案されている。ガスバリア性能の高い接着剤を用いる方法は、パッシベーション膜による封止よりもフレキシブル性に優れている。
しかしながら、接着剤層自体にガスバリア性を持たせる構成では、ガスバリア層として無機層を有する構成に比べてガスバリア性が低いため、狭額縁化が求められるディスプレイ等に用いられる有機ELデバイスでは有機EL素子を十分に保護することができず有機EL素子が劣化してしまう。
また、接着剤に含まれる水分および残留溶剤等の影響によって有機EL素子が劣化してしまうおそれがある。
また、フレキシブル性の高い有機ELデバイスの構成として、ガスバリアフィルムを接着剤(粘着剤)を介して貼合する封止方法を用いることが提案されている。ガスバリアフィルムを用いる方法は、ガスバリア性を発現する窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素等の無機層を有機EL素子とは別の基板上に形成するので、無機層を高いエネルギーで形成することができるため、薄く、かつ、高いガスバリア性を有する無機層を形成することができる。そのため、ガスバリアフィルムを用いて有機EL素子を封止する方法で作製された有機ELデバイスは、パッシベーション膜によって有機EL素子を封止する方法で作製された有機ELデバイスよりもフレキシブル性に優れた有機ELデバイスとすることができる。従って、素子基板として樹脂フィルムを用いる構成と組み合わせることでフレキシブル性を有する有機ELディスプレイ、および、三次元曲面に形成された有機ELデバイスとすることができる。
また、ガスバリアフィルムを用いる方法は、パッシベーション膜による封止よりも生産性も優れている。
例えば、特許文献1には、有機EL材料を用いる発光素子、および、この発光素子を覆うパッシベーション膜を有する有機ELデバイスと、透明な封止基板とを、接着剤によって接着してなる有機EL積層体であって、有機ELデバイスが、封止基板側に向けて発光するトップエミッション型であり、封止基板が、支持体の上に、無機膜と、この無機膜の下地となる有機膜との組み合わせを1以上有する、表層が無機膜であるガスバリアフィルムであり、パッシベーション膜と表層の無機膜とが対面して、接着剤によって有機ELデバイスとガスバリアフィルムとが接着されており、接着剤が、パッシベーション膜と表層の無機膜との間の全域に充填されており、さらに、有機ELデバイスの端部における、パッシベーション膜と表層の無機膜との間の間隙が、発光素子の位置における、パッシベーション膜と表層の無機膜との間の間隙よりも狭い有機EL積層体が記載されている。
また、特許文献2には、基板と、基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを1組以上有するガスバリア層と、基板とガスバリア層との間に設けられ、有機層と密着し、かつ、基板と剥離するための剥離有機層と、を有するガスバリアフィルムが記載されている。特許文献2には、このガスバリアフィルムからガスバリア層を接着層を介して有機EL素子上に転写して封止することが記載されている。
特開2014−186850号公報 特開2017−043062号公報
しかしながら、ガスバリアフィルムを接着剤を介して貼合する封止方法においては、接着剤層の端面からの水分の浸入が問題となる。
これに対して、特許文献1では、端部における接着剤層の厚み(パッシベーション膜と無機膜との間隙)を発光素子(有機EL素子)の位置における厚み(パッシベーション膜と無機膜との間の間隙)よりも狭くすることで接着剤層の端面からの水分の浸入を抑制することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の貼合方法では接着剤層の厚みは薄くても1μm程度にしかできないため、接着剤層の端面から浸入する水分によって有機EL素子が劣化するのを抑制するためガスバリア性の高いパッシベーション膜を設ける必要がある。そのため、パッシベーション膜のみを有する構成と比べるとパッシベーション膜の厚みを薄くできるものの、ある程度の厚みが必要となり、より高い可撓性を得ることは難しい。
また、接着剤層が厚いと接着剤に含まれる水分および残留溶剤等の影響によって有機EL素子が劣化してしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載されるような転写型のガスバリアフィルムを用いる場合においても、特許文献1と同様の問題がある。
上記のように、接着剤層の端面からの水分の浸入を抑制するには、端面における接着剤層の厚みを薄くする必要がある。また、接着剤に含まれる水分および残留溶剤等の影響を抑制するためにも接着剤層の厚みをより薄くする必要がある。
しかしながら、有機ELデバイスにおいて、有機EL素子は素子基板上に多数配列されて形成されており、有機ELデバイスの表面は凹凸を有している。有機ELデバイスをガスバリアフィルムで封止する際には、ガスバリアフィルムで多数の有機EL素子を覆って封止する。そのため、凹凸のある表面に対して、有機ELデバイスとガスバリアフィルムとの間の間隙(接着剤層の厚み)がより薄くなるように制御してガスバリアフィルムを貼合する必要があるが、貼り合わせの際の接着剤層の厚みを薄く制御するのは困難である。特許文献1および2には、このような凹凸のある表面に対して、ガスバリアフィルムを貼合する際に接着剤層の厚みを薄くできる貼合方法については記載されていない。
本発明の課題は、このような問題点を解決することにあり、有機ELデバイス等の電子デバイスをガスバリアフィルムで封止する際に、接着剤層の厚みを薄くして素子の劣化を防止でき、かつ、可撓性の高い電子デバイス積層体を作製することができる電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体を提供することにある。
本発明は、以下の構成によって課題を解決する。
[1] 熱融着層と無機層と有機層とをこの順に有する封止層、および、封止層の有機層側に、封止層から剥離可能に積層される基板を有するガスバリアフィルムを準備する工程と、
ガスバリアフィルムを、電子デバイスの凹凸を有する素子形成面上に、熱融着層側を素子形成面側に向けて加熱および加圧して圧着する熱圧着工程と、
基板を封止層から剥離する剥離工程と、を有し、
無機層の厚みが100nm以下であり、
熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃である電子デバイス積層体の製造方法。
[2] 熱圧着工程において、熱圧着後の、端部における無機層と電子デバイスとの間の距離が100nm未満となるように加熱温度と加圧する圧力とを調整する[1]に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[3] 電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンスデバイスである[1]または[2]に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[4] 熱圧着工程において、ガスバリアフィルムへの加熱および加圧をローラーで行う[1]〜[3]のいずれかに記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[5] 熱圧着工程において、基板側から加熱を行う[1]〜[4]のいずれかに記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[6] 熱圧着工程において、電子デバイス側から加熱を行う[5]に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[7] 基板側の加熱温度が電子デバイス側の加熱温度よりも高い[6]に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[8] 基板が、トリアセチルセルロースフィルムである[1]〜[7]のいずれかに記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[9] 基板の厚みが0.1μm〜100μmである[1]〜[8]のいずれかに記載の電子デバイス積層体の製造方法。
[10] 素子形成面が凹凸を有する電子デバイスと、
素子形成面上に積層される熱融着層、無機層および有機層をこの順に有する転写層と、を有し、
無機層の厚みが100nm以下であり、
熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃であり、
端部における無機層と電子デバイスとの間の距離が100nm以下である電子デバイス積層体。
[11] 電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンスデバイスである[10]に記載の電子デバイス積層体。
本発明によれば、有機ELデバイス等の電子デバイスをガスバリアフィルムで封止する際に、接着剤層の厚みを薄くして素子の劣化を防止でき、かつ、可撓性の高い電子デバイス積層体を作製することができる電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体を提供することができる。
本発明の電子デバイス積層体の製造方法で用いられる転写型ガスバリアフィルムの一例を模式的に表す断面図である。 本発明の電子デバイス積層体の製造方法の一例を説明するための図である。 本発明の電子デバイス積層体の製造方法の一例を説明するための図である。 本発明の電子デバイス積層体の製造方法の一例を説明するための図である。 本発明の電子デバイス積層体の製造方法で作製される、本発明の電子デバイス積層体の一例を模式的に表す断面図である。
以下、本発明の電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体の実施形態について、図面に基づいて説明する。
[電子デバイス積層体の製造方法]
本発明の電子デバイス積層体の製造方法は、
熱融着層と無機層と有機層とをこの順に有する封止層、および、封止層の有機層側に、封止層から剥離可能に積層される基板を有するガスバリアフィルムを準備する工程と、
ガスバリアフィルムを、電子デバイスの凹凸を有する素子形成面上に、熱融着層側を素子形成面側に向けて加熱および加圧して圧着する熱圧着工程と、
基板を封止層から剥離する剥離工程と、を有し、
無機層の厚みが100nm以下であり、
熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃である電子デバイス積層体の製造方法である。
以下、図1〜図5を参照して、本発明の電子デバイス積層体の製造方法の一例を説明する。
本発明の電子デバイス積層体の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう)は、熱融着層と無機層と有機層とをこの順に有する封止層、および、封止層の有機層側に、封止層から剥離可能に積層される基板を有するガスバリアフィルムを準備する工程(図1)と、ガスバリアフィルムを、電子デバイスの凹凸を有する素子形成面上に、熱融着層側を素子形成面側に向けて加熱および加圧して圧着する熱圧着工程(図2〜図4)と、基板を封止層から剥離する剥離工程(図4および図5)とを有する。
<ガスバリアフィルム>
図1に、本発明の電子デバイス積層体の製造方法で用いられるガスバリアフィルムを模式的に表す断面図を示す。
図1に示すガスバリアフィルム40は、熱融着層30と、無機層16と、有機層14と、基板32とをこの順に有する。熱融着層30、無機層16および有機層14は、基板32から剥離可能な封止層12である。すなわち、ガスバリアフィルム40は、基板32と有機層14との界面で剥離可能に形成されている。ガスバリアフィルム40は、封止層12を電子デバイスに転写することができる転写型のガスバリアフィルムである。
ガスバリアフィルム40において、無機層16は主にガスバリア性を発現する層であり、有機層14は無機層16の下地層となる層である。また、熱融着層30は、ガスバリアフィルム40を電子デバイスに貼合する際に加熱によって流動して接着性を発現する層である。
ここで、本発明において、無機層16の厚みは100nm以下である。
また、熱融着層30のガラス転移温度Tgは、20℃〜180℃である。
ガスバリアフィルム40の各層については後に詳述する。
<熱圧着工程>
熱圧着工程は、上記のようなガスバリアフィルム40を電子デバイス50の素子形成面上に圧着する工程である。
熱圧着工程において、まず、図2に示すように、素子基板52上に複数の有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子54が形成された電子デバイス(有機ELデバイス)50をテーブル100の上に載置する。また、電子デバイス50の有機EL素子54側の面(以下、素子形成面ともいう)に、ガスバリアフィルム40の熱融着層30を対面させる。
次に、図3に示すように、ローラー102を用いて、ガスバリアフィルム40を電子デバイス50に圧着する。その際、ローラー102は加熱手段を有しており、ガスバリアフィルム40はローラー102によって加熱されつつ加圧される。
また、好ましい態様として、電子デバイス50を載置するテーブルも加熱手段を有しており、電子デバイス50側も加熱される。
加圧の際にガスバリアフィルム40が加熱されることで、熱融着層30が流動して接着性を発現する。これにより、電子デバイス50の素子形成面にガスバリアフィルム40が貼合される(図4)。
ここで、ガスバリアフィルムと電子デバイスとを接着する材料として、従来の粘着層を用いた場合には、貼合の際に加圧あるいは加熱を行っても粘着層の厚みを大きく変化させることはできないため、粘着層の厚みをより薄くするのは難しい。
一方、接着剤層の厚みをより薄くする方法として、液状の接着剤を電子デバイスの素子形成面に塗布した後、ガスバリアフィルムを貼合する方法も考えられるが、ガスバリアフィルムの無機層が表出した状態で貼合を行うと無機層が割れてしまいガスバリア性が低下してしまうおそれがある。無機層の割れを防止するために樹脂からなる保護層を設けた場合には、無機層の割れは防止できるものの、保護層の分厚くなるため、電子デバイスの素子形成面の凹凸に追従しにくくなり、また、保護層に含まれる水分および残留溶剤等の影響によって有機EL素子が劣化してしまうおそれがある。
これに対して、本発明の製造方法では、ガスバリアフィルム40と電子デバイス50とを接着する材料として、ガラス転移温度が20℃〜180℃であり、加熱により溶解する熱融着層30を用いる。これにより、ガスバリアフィルム40を電子デバイス50の素子形成面に貼合する際に、熱融着層が流動して素子形成面の凹部に流れ込む等して、熱融着層30の厚みを非常に薄くすることができ、あるいはさらに、熱融着層30が無機層16と電子デバイス50との間に点在するような状態にすることで、電子デバイス50の有機EL素子54とガスバリアフィルム40の無機層16との間の距離、および、端部における電子デバイス50(素子基板52)とガスバリアフィルム40の無機層16との距離を小さくすることができる。
このように、本発明の製造方法は、熱圧着後の端面における無機層16と電子デバイス50との間の距離(熱融着層30の厚み)を非常に小さくすることができるので、本発明の製造方法で作製された電子デバイス積層体10は、熱融着層30の端面からの水分の浸入を防止して有機EL素子54の劣化を防止できる。
また、熱融着層30は、加熱するまでは固体であるため、ガスバリアフィルム40の無機層16を保護することができ、搬送時、貼合時等に無機層16が割れることを防止することができる。
また、熱融着層30は熱融着する固体であるため、残留溶剤および水分を含まない(少ない)ものとすることができる。従って、残留溶剤および水分による有機EL素子54の劣化を防止することができる。
また、ガスバリアフィルム40を電子デバイス50の素子形成面に貼合する際に、熱融着層が流動して素子形成面の凹部に流れ込むため、貼合時にガスバリアフィルム40と電子デバイスと50の間に存在する気体(空気)を効率的に除去することができる。従って、作製された電子デバイス積層体10の素子形成面の凹部等に気体(空気)が残留することを防止できる。
また、本発明において、ガスバリアフィルム40の無機層16の厚みが100nm以下であり、可撓性を有するため、熱圧着工程においてガスバリアフィルム40を電子デバイス50の凹凸を有する素子形成面に圧着した場合でも、図4に示すように、無機層16が割れずに素子形成面の凹凸に応じて湾曲することができるため、端部で無機層16と電子デバイス50との距離が小さくなるように湾曲することができる。
また、本発明において、ガスバリアフィルム40として封止層12と基板32とが剥離可能な転写型のガスバリアフィルム40を用いている。そのため、熱圧着工程においてガスバリアフィルム40を電子デバイス50の素子形成面に圧着する際に、基板32が部分的に封止層12から剥がれることができ、無機層16を含む封止層12が素子形成面の凹凸に追従しやすくなる。これにより、圧着後の無機層16と電子デバイス50との距離をより小さくすることができる。
また、熱融着層30は、加熱した部分のみ流動性を発現して接着性が得られるため、任意の部位に貼合することができる。従って、例えば、電子デバイス50が立体的な形状で封止層12を全面的に貼合するのが難しい場合に端部のみ貼り合わせて、封止層12が電子デバイス50の素子形成面を覆うようにして封止したり、素子の形状、物性等の状況からバリア性を特に高める必要のある部位に追加的に転写して封止することができる。
ここで、熱圧着工程において、熱圧着後の、端部における無機層16と電子デバイス50(素子形成面)との間の距離が100nm以下となるように、加熱温度および加圧する圧力とを調整することが好ましい。
熱圧着後の、端部における無機層16と電子デバイス50(素子形成面)との間の距離を100nm以下とすることにより、熱融着層30の端部からの水分の浸入を好適に防止することができる。
加熱温度、および、加圧する圧力は、熱融着層30の材料、厚み、基板32の厚み、硬さ、電子デバイス50の凹凸の状態、および、必要な熱融着層の厚み等に応じて適宜設定すればよい。
熱圧着工程において、ガスバリアフィルム40への加熱温度は、熱融着層30のガラス転移温度Tg以上であるのが好ましく、Tg+50℃〜Tg+5℃であるのがより好ましく、Tg+30℃〜Tg+20℃であるのがさらに好ましい。ガスバリアフィルム40への加熱温度を上記範囲とすることで圧着の際に熱融着層30を確実に流動させることができる。
また、前述のとおり、熱圧着工程において、電子デバイス50を加熱してもよい。ここで、電子デバイス50側の加熱温度を高くしすぎると、有機EL素子54が破損してしまうおそれがある。また、素子基板52として樹脂フィルムを用いる場合には、素子基板52が熱収縮等によって変形してしまい、ガスバリアフィルム40と均一に貼合できなくなるおそれがある。そこで、電子デバイス50側から加熱する場合には、電子デバイス50側の加熱温度は、ガスバリアフィルム40側の加熱温度よりも低くするのが好ましい。具体的には、Tg+10℃〜Tg+5℃であるのが好ましく、Tg+5℃〜Tg℃であるのがより好ましい。
また、熱圧着工程において、ガスバリアフィルム40と電子デバイス50とに加える圧力は、0.001MPa〜5MPaが好ましく、0.01MPa〜1MPaがより好ましく、0.1MPa〜0.5MPaがさらに好ましい。
ガスバリアフィルム40と電子デバイス50とに加える圧力を0.01MPa以上とすることにより、加熱によって流動している熱融着層30を移動させて、ガスバリアフィルム40の無機層16と電子デバイス50の素子形成面との距離を近づけて熱融着層30の厚みを薄くすることができる。一方、圧力が高すぎると無機層16が割れたり、有機EL素子54が破損してしまうおそれがある。そのため、圧力は5MPa以下とするのが好ましい。
また、図3に示す例では、熱圧着工程においてガスバリアフィルム40を電子デバイス50に圧着する装置としてローラーを用いる構成としたが、これに限定はされず、ピストンによる加圧装置、バルーン型の加圧装置等の公知の加圧装置を用いることができる。
また、加圧をローラーで行う場合には、ローラー表面は柔軟性のあるゴム材料からなることが好ましい。表面がゴム材料からなるローラーを用いることでガスバリアフィルム40の無機層16が電子デバイス50の素子形成面の凹凸によって損傷するのを抑制でき、ガスバリアフィルム40と電子デバイス50とを均一に貼合することができる。
また、電子デバイス50の裏面側を支持する部材としては、平滑で剛性の高いものであればよく、図2に示すように、載置面が平坦な板状のテーブルであってもよいし、あるいは、ローラーであってもよい。テーブルを用いる場合には電子デバイス50とテーブルとの間に残存する空気によって、ガスバリアフィルム40と電子デバイス50とを均一に貼合することができないおそれがある。この点ではローラーを用いるのが好ましい。
また、ローラーおよび/またはテーブルが有する加熱手段としては特に限定はなく公知の加熱手段を用いればよい。
また、図3に示す例ではローラーによって加熱および加圧を同時に行う構成としたがこれに限定はされず、ガスバリアフィルムに対して加熱を行った後に圧着を行ってもよい。
また、熱圧着工程は大気圧以下に減圧して行うのが好ましい。熱圧着工程を減圧下で行うことでガスバリアフィルム40と電子デバイス50とを貼合した際に、ガスバリアフィルム40と電子デバイス50との間に空気が残存することを抑制できる。
<剥離工程>
剥離工程は、図5に示すように、熱圧着工程の後にガスバリアフィルム40の基板32を封止層12から剥離する。基板32を剥離することで作製される電子デバイス積層体10の全体の厚みを薄くして可撓性を高くすることができる。
本発明の製造方法は、以上の各工程を実施することで図5に示すような電子デバイス積層体10を作製することができる。
[電子デバイス積層体]
本発明の製造方法で作製される、本発明の電子デバイス積層体は、
素子形成面が凹凸を有する電子デバイスと、
素子形成面上に積層される熱融着層、無機層および有機層をこの順に有する転写層と、を有し、
無機層の厚みが100nm以下であり、
熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃であり、
端部における無機層と電子デバイスとの間の距離が100nm以下である電子デバイス積層体である。
図5に示す電子デバイス積層体10は、素子基板52および有機EL素子54を有する電子デバイス(有機ELデバイス)50と、熱融着層30、無機層16および有機層14を有する封止層12とを有する。
封止層12は、熱融着層30が、電子デバイス50の有機EL素子54が形成された面(素子形成面)に接して、電子デバイス50上に積層されている。
ここで、電子デバイス積層体10において、無機層16の厚みは100nm以下である。無機層16の厚みを100nm以下とすることで、無機層16の可撓性を高くして、電子デバイス50の素子形成面の凹凸に追従して湾曲させることができる。そのため、端部における無機層16と電子デバイス50との距離が小さくすることができ、熱融着層30の端部からの水分の浸入を防止することができる。
また、電子デバイス積層体10において、熱融着層30のガラス転移温度が20℃〜180℃である。ガラス転移温度が上記範囲の熱融着層30は加熱により溶解するため、上述した製造方法のように熱融着層30を加熱して流動させることで、無機層16と電子デバイス50との間の距離が小さいものとすることができる。
また、電子デバイス積層体10において、端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離、すなわち、熱融着層30の厚みを100nm以下とすることで、熱融着層30の端面からの水分の浸入を抑制できる。
なお、端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離は、電子デバイス積層体10を厚み方向に切断して断面を顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、マイクロスコープ等で観察して測定することができる。
以下、電子デバイス積層体を構成する部位、および、基板について詳細に説明する。
<基板>
基板32は、各種のガスバリアフィルムおよび各種の積層型の機能性フィルムなどにおいて基板(支持体)として利用される、公知のシート状物(フィルム、板状物)を用いることができる。
また、基板32は、各種の光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))においてセパレータ(軽剥離セパレータおよび重剥離セパレータ)として用いられている各種のシート状物も利用可能である。
基板32の材料には、制限はなく、有機層14、無機層16、および、熱融着層30を形成可能で、さらに、有機層14を形成するための組成物に含まれる溶剤で溶解しないものであれば、各種の材料が利用可能である。基板32の材料としては、好ましくは、各種の樹脂材料が例示される。
基板32の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、シクロオレフィン共重合体(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、トリアセチルセルロース(TAC)、および、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。
なかでも、有機層14との界面で剥離可能に形成することが容易である点で、トリアセチルセルロース(TAC)を基板32の材料として用いることが好ましい。
基板32の厚さは、用途および材料等に応じて、適宜、設定できる。
基板32の厚さには、制限はないが、転写型ガスバリアフィルムの機械的強度を十分に確保できる、可撓性(フレキシブル性)の良好な転写型ガスバリアフィルムが得られる、転写型ガスバリアフィルムの軽量化および薄手化を図れる、転写の際に封止層12から容易に剥離できる転写型ガスバリアフィルムが得られる、熱圧着工程において電子デバイス50の素子形成面の凹凸に追従しやすい、等の点で、120μm〜5μmが好ましく、100μm〜15μmがより好ましい。
<有機層>
有機層14は、封止層12を構成する層であり、無機層16を適正に形成するための下地層となる層である。また、有機層14は、基板32が剥離可能に貼着される有機層である。すなわち、有機層14は、基板32から剥離可能な有機層である。従って、有機層14と無機層16との密着力が、基板32と有機層14との密着力よりも強い。
後述するが、有機層14の表面に形成される無機層16は、好ましくは、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成される。そのため、無機層16を形成する際に、有機層14がプラズマによってエッチングされて、有機層14と無機層16との間には、有機層14の成分と無機層16の成分とを有する、混合層のような層が形成される。その結果、有機層14と無機層16とは、非常に強い密着力で密着される。
従って、有機層14と無機層16との密着力は、基板32と有機層14との密着力よりも、遥かに強く、有機層14から基板32を剥離しても、有機層14と無機層16とが剥離することは無い。
なお、有機層14の厚さとは、上述の混合層を含まない、有機層14の形成成分のみからなる層の厚さである。
また、有機層14は、無機層16を適正に形成するための下地層であるので、基板32の表面に形成される有機層14は、基板32の表面の凹凸および表面に付着する異物等を包埋する。その結果、無機層16の形成面を適正にして、適正に無機層16を形成することを可能にする。
基板32を剥離可能にする有機層14に無機層16を形成することにより、基板32が剥離可能な転写型のガスバリアフィルムを実現している。
さらに、有機層14は、基板32を剥離した後は、無機層16を保護する保護層として作用する。
無機層16の形成の際に有機層14には高い温度がかかるため、有機層14は、耐熱性が高いのが好ましい。具体的には、有機層14は、ガラス転移点(Tg)が175℃以上であるのが好ましく、200℃以上であるのがより好ましく、250℃以上であるのがさらに好ましい。
上述のように、有機層14の表面に形成される無機層16は、好ましくは、プラズマCVDによって形成される。有機層14のTgを180℃以上とすることにより、無機層16を形成する際における、プラズマによる有機層14のエッチングおよび揮発を好適に抑制して、適正な有機層14および無機層16を好適に形成できる等の点で好ましい。
有機層14のTgの上限には、制限はないが、500℃以下であるのが好ましい。
また、Tgと同様の理由で、有機層14を形成する樹脂は、ある程度、分子量が大きいのが好ましい。
具体的には、有機層14を形成する樹脂は、分子量(重量平均分子量(Mw))が500以上であるのが好ましく、1000以上であるのがより好ましく、1500以上であるのがさらに好ましい。
なお、有機層14のTgは、示差走査熱量計(DSC)等を用いる公知の方法で特定すればよい。また、分子量も、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)等を用いる公知の方法で測定すればよい。また、市販品を用いる場合には、有機層14のTgおよび分子量は、カタログ値を用いればよい。
以上の点に関しては、後述する熱融着層30も同様である。
有機層14の形成材料としては、公知のガスバリアフィルムで無機層の下地層として用いられている、有機層(有機層)が各種利用可能である。有機層14は、例えば、モノマー、ダイマーおよびオリゴマー等を重合(架橋、硬化)した有機化合物からなる層である。有機層14を形成するための組成物は、有機化合物を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
有機層14は、例えば、熱可塑性樹脂および有機ケイ素化合物等を含有する。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、および、アクリル化合物等が挙げられる。有機ケイ素化合物は、例えば、ポリシロキサンが挙げられる。
有機層14は、強度が優れる観点と、ガラス転移点の観点とから、好ましくは、ラジカル硬化性化合物および/またはエーテル基を有するカチオン硬化性化合物の重合物を含む。
有機層14は、有機層14の屈折率を低くする観点から、好ましくは、(メタ)アクリレートのモノマー、オリゴマー等の重合体を主成分とする(メタ)アクリル樹脂を含む。有機層14は、屈折率を低くすることにより、透明性が高くなり、光透過性が向上する。
有機層14は、より好ましくは、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上の(メタ)アクリレートのモノマー、ダイマーおよびオリゴマー等の重合体を主成分とする(メタ)アクリル樹脂を含み、さらに好ましくは、3官能以上の(メタ)アクリレートのモノマー、ダイマーおよびオリゴマー等の重合体を主成分とする(メタ)アクリル樹脂を含む。また、これらの(メタ)アクリル樹脂を、複数用いてもよい。主成分とは、含有する成分のうち、最も含有質量比が大きい成分をいう。
また、有機層14は、芳香族環を有する樹脂によって形成することで、基板32を剥離可能にすることができる。
有機層14は、好ましくは、ビスフェノール構造を含む樹脂を主成分とする。有機層14は、より好ましくは、ポリアリレート(ポリアリレート樹脂(PAR))を主成分とする。周知のように、ポリアリレートとは、ビスフェノールAに代表されるビスフェノールなどの2価フェノールと、フタル酸(テレフタル酸、イソフタル酸)などの2塩基酸との重縮合体からなる芳香族ポリエステルである。
有機層14をビスフェノール構造を含む樹脂を主成分とすることにより、特に、有機層14をポリアリレートを主成分とすることにより、基板32と有機層14との密着力が適正で、かつ、容易に基板32を剥離可能とすることができる。また、適度な柔軟性を有するので基板32を剥離する際の無機層16の損傷(割れおよびヒビ等)を防止できる、耐熱性が高いため適正な無機層16を安定して形成できる、転写後の性能劣化を防止できる、有機薄膜トランジスタとしての屈曲性を高くすることができる等の点で好ましい。
なお、主成分とは、含有する成分のうち、最も含有質量比が大きい成分をいう。
有機層14を芳香族環を有する各種の樹脂で形成する場合には、有機層14は、芳香族環を有する樹脂であれば、市販品を用いて形成してもよい。
有機層14の形成に利用可能な市販品の樹脂としては、ユニチカ株式会社製のユニファイナー(unifiner)(登録商標)およびUポリマー(登録商標)、ならびに、三菱ガス化学株式会社製のネオプリム(登録商標)等が例示される。
有機層14の厚さには、制限はないが、0.2〜6μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。
有機層14の厚さを0.2μm以上とすることにより、適正な無機層16を安定して形成できる、剥離時に引き裂かれない機械強度を維持でき、良好に剥離できる、セパレータ等の異物の影響を受けない等の点で好ましい。また、有機層14の厚さを6μm以下とすることにより、ガスバリアフィルム40の軽量化および薄手化を図れる、透明性の高いガスバリアフィルムが得られる、良好な基板32の剥離性が得られる、熱硬化時に均一に硬化できる、残留溶剤の含有量を抑制できる、高い可撓性が得られる等の点で好ましい。
なお、有機層14の厚さとは、上述の混合層を含まない、有機層14の形成成分のみからなる層の厚さである。
有機層14は、材料に応じた公知の方法で形成できる。
例えば、有機層14は、有機層14となる樹脂(有機化合物)等を溶剤に溶解した組成物(樹脂組成物)を調製して、基板32に塗布し、組成物を乾燥させる、塗布法で形成できる。塗布法による有機層14の形成では、必要に応じて、さらに、乾燥した組成物に、紫外線を照射することにより、成物中の樹脂(有機化合物)を重合(架橋)させてもよい。
有機層14を形成するための組成物は、有機化合物に加え、好ましくは、有機溶剤、界面活性剤、および、シランカップリング剤などを含む。
有機層14は、ロール・トゥ・ロールによって形成するのが好ましい。以下の説明では、『ロール・トゥ・ロール』を『RtoR』とも言う。
周知のように、RtoRとは、長尺なシート状物を巻回してなるロールから、シート状物を送り出し、長尺なシートを長手方向に搬送しつつ成膜を行い、成膜済のシート状物をロール状に巻回する製造方法である。RtoRを利用することで、高い生産性と生産効率が得られる。
なお、有機層14は基板32と剥離可能に形成される必要がある。そのため、上述のように有機層14の材料として剥離性を有する材料を用いてもよいし、有機層14と基板32との間に剥離層を設けてもよい。剥離層としては、従来公知の剥離層が適宜利用可能である。
基板32と有機層14との剥離力は0.01〜2N/25mmが好ましく、0.05〜1N/25mmがより好ましく、0.1〜0.8N/25mmがさらに好ましい。
<無機層>
無機層16は、無機化合物を含む薄膜であり、少なくとも有機層14の表面に形成される。封止層12おいて、無機層16が、主にガスバリア性能を発現する。
基板32の表面には、凹凸および異物のような、無機化合物が着膜し難い領域がある。上述のように、基板32の表面に有機層14を設け、その上に無機層16を形成することにより、無機化合物が着膜し難い領域が覆われる。そのため、無機層16の形成面に、無機層16を隙間無く形成することが可能になる。
無機層16の材料には、制限はなく、ガスバリア性能を発現する無機化合物からなる、公知のガスバリア層に用いられる無機化合物が、各種、利用可能である。
無機層16の材料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等、の無機化合物が挙げられる。また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
中でも、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、および、これらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性能を発現できる点で、好適に利用される。その中でも、ケイ素を含有する化合物は、好適に利用され、その中でも特に、優れたガスバリア性能を発現できる点で、窒化ケイ素は、好適に利用される。
無機層16の厚さは、前述のとおり、100nm以下である。
可撓性およびガスバリア性の観点から、無機層16の厚さは、50nm以下が好ましく、5〜50nmがより好ましく、10〜30nmがさらに好ましい。
無機層16の厚さを2nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層16が形成できる点で好ましい。また、無機層16は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れ、ヒビ、および、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層16の厚さを50nm以下とすることにより、割れが発生することをより好適に防止できる。また、可撓性を高くすることができる。
無機層16は、材料に応じた公知の方法で形成できる。
例えば、CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVDおよびICP(Inductively Coupled Plasma)−CVD等のプラズマCVD、原子層堆積法(ALD(Atomic Layer Deposition))、マグネトロンスパッタリングおよび反応性スパッタリング等のスパッタリング、ならびに、真空蒸着などの各種の気相成膜法が好適に挙げられる。
中でも、上述したように、有機層14と無機層16との密着力を向上できる点で、CCP−CVDおよびICP−CVD等のプラズマCVDは、好適に利用される。
なお、無機層16も、RtoRで形成するのが好ましい。
<熱融着層>
熱融着層30は、ガスバリアフィルム40を、電子デバイス50の素子形成面に貼り合わせるためのものである。
また、熱融着層30は、ガスバリア性能を発現する無機層16を保護する保護層としても作用する。
本発明において、熱融着層30は、ホットメルト接着剤(HMA(Hot Melting Adhesive))を用いる。具体的には、ホットメルト接着剤からなる熱融着層30は、常温では固体で、加熱することで流動して、接着性を発現する熱融着層である。なお、本発明において、常温とは23℃である。
熱融着層30として、ホットメルト接着剤を用いることにより、従来の転写型のガスバリアフィルムに比して、ガスバリア性能をより高くすることができる。
熱融着層30は、30〜200℃で流動して接着性を発現するのが好ましく、熱融着層30は、40〜180℃で流動して接着性を発現するのがより好ましく、50〜150℃で流動して接着性を発現するのがさらに好ましい。
熱融着層30が常温で流動して接着性を発現する場合には、ガスバリアフィルムの切断時および転写時に、箔引きが生じやすく、ガスバリア性能の低下等を生じる。
また、流動して接着性を発現する温度が高すぎると、貼着対象への貼着時に必要な加熱温度が高くなってしまい、基板32、有機層14および貼着対象に熱ダメージを与えてしまう。
熱融着層30のガラス転移温度Tgは、20℃〜180℃であり25℃〜150℃であるのが好ましく、40℃〜140℃であるのがより好ましく、60℃〜120℃であるのがさらに好ましい。
熱融着層30のTgを上記範囲とすることにより、熱流動性が得やすいため、加熱による接着性および転写性を向上することができる、低温で接着でき生産性を向上できる等の点で好ましい。
ホットメルト接着剤を用いる場合は、熱融着層30は、常温では固体で、加熱により流動して接着性を発現できれば、材料に制限はない。
ホットメルト接着剤を用いる場合は、熱融着層30は、非晶性樹脂を主成分とするのが好ましく、アクリル樹脂を主成分とするのがより好ましく、単一のアクリレートモノマーを重合してなる樹脂(アクリルホモポリマー(ホモアクリルポリマー))を主成分とするのがさらに好ましい。
熱融着層30の主成分を非晶性樹脂、特にアクリル樹脂とすることにより、透明性が高いガスバリアフィルムが得られる等の点で好ましい。
さらに、熱融着層30の主成分をアクリルホモポリマーとすることにより、上述した利点に加え、熱による転写性を良好にできる、硬化した後の巻き取り時にブロッキングしにくい等の点で好ましい。また、熱融着層30をアクリルホモポリマーで形成することにより、上述した利点に加え、熱融着層30を、比較的、低い温度で流動して接着性を発現する層にできる。従って、ガスバリアフィルムに高い耐熱性を要求されない場合には、アクリルホモポリマーからなる熱融着層30は、好適に利用される。
ホットメルト接着剤を用いる場合は、常温では固体で、加熱により流動して接着性を発現する熱融着層30を形成できれば、公知の各種の樹脂が利用可能であり、また、市販品も利用可能である。
具体的には、大成ファインケミカル株式会社製の0415BA(アクリルホモポリマー)および#7000シリーズ等が例示される。
熱融着層30には、必要に応じて、スチレンアクリル共重合体(スチレン変性アクリル樹脂)、ウレタンアクリル共重合体(ウレタン変性アクリル樹脂)、および、ガラス転移温度調節用のアクリル樹脂からなる群より選択される1以上を含んでもよい。
熱融着層30に、これらの成分を添加することで、熱融着層30のTgを向上できる。従って、用途等に応じて、有機薄膜トランジスタに耐熱性が要求される場合には、これらの成分を添加した熱融着層30は、好適に例示される。
また、熱融着層30にスチレンアクリル共重合体と添加することで、熱融着層30の硬さを調節できるので、貼着対象との硬さのバランスを調節できる。熱融着層30にウレタンアクリル共重合体を添加することにより、無機層16との密着性を向上できる。
なお、これらの成分の添加量には、制限はなく、添加する成分および目的とするTgに応じて、適宜、設定すればよい。しかしながら、これらの成分の添加量は、熱融着層30の主成分が、上述した非晶性樹脂およびアクリル樹脂等となる量とするのが好ましい。
スチレンアクリル共重合体、ウレタンアクリル共重合体、および、ガラス転移点調節用のアクリル樹脂には、制限はなく、樹脂等のTg調節に使用される、各種の樹脂が利用可能である。また、これらの成分は、市販品も利用可能である。
一例として、スチレンアクリル共重合体としては、大成ファインケミカル株式会社製の#7000シリーズ等が例示される。
ウレタンアクリル共重合体としては、アクリット8UA347Hなどの大成ファインケミカル株式会社製のアクリット(登録商標)8UAシリーズ等が例示される。
ガラス転移点調節用のアクリル樹脂としては、PMMA(例えば、三菱ケミカル株式会社製のダイヤナール(登録商標)など)等が例示される。
熱融着層30の厚さには、制限はなく、熱融着層30の材料等に応じて、熱圧着後の、端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を十分に薄くでき、十分な接着性および無機層16の保護性能が得られる厚さを、適宜、設定すればよい。熱融着層30の厚さは、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
熱融着層30の厚さを1μm以上とすることにより、転写時に十分な密着力が得られる、基板32を剥離する際(転写後)のガスバリア性能の低下を防止できる等の点で好ましい。熱融着層30の厚さを30μm以下とすることにより、熱圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を十分に薄くできる、透明性の高いガスバリアフィルム40が得られる、ガスバリアフィルム40を薄く、かつ、軽くできる、等の点で好ましい。
<電子デバイス>
電子デバイス50は、有機ELディスプレイおよび有機EL照明装置等の公知の有機ELデバイスである。
図5に示す例では、電子デバイス50の構成要素として素子基板52と素子基板52上に複数形成される有機EL素子54とを示したが、電子デバイス50は、他の層を有していてもよい。例えば、電子デバイスは、素子基板52上に、絶縁膜、透明電極層(TFT(Thin Film Transistor)、薄膜トランジスタ)、絶縁膜、有機EL素子54、および絶縁膜が順に積層された構成を有していてもよい。また、有機EL素子54を保護するパッシベーション膜を有していてもよい。
(素子基板)
素子基板52としては、樹脂フィルム、ガラス基板等の、従来の有機ELデバイスにおいて素子基板として用いられている各種の素子基板が利用可能である。
(有機EL素子)
有機EL素子54は、従来の有機ELデバイスが有する有機EL素子と同様の構成を有する。すなわち、有機EL素子54は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、および、陰極等を有する。
ここで、有機EL素子54の高さは0.1μm〜10μm程度である。また、有機EL素子54の面方向の大きさは0.1μm×0.1μm〜10μm×10μm程度である。
なお、上述した実施形態においては、電子デバイスとして有機ELデバイスを例示したがこれに限定はされず、電子デバイスとして、太陽電池等の各種の電子デバイスが利用可能である。
中でも、本発明の電子デバイス積層体の製造方法により作製される電子デバイスは、無機層16の損傷が少なく、長期に渡って高い耐久性で優れたガスバリア性能を発現するので、水分に弱い有機EL素子を有する有機ELデバイスに、好適に利用される。
以上、本発明の電子デバイス積層体の製造方法、および、電子デバイス積層体について詳細に説明したが、本発明は上記の態様に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々、改良や変更を行ってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明は、以下に示す具体例に限定されない。
[実施例1]
<ガスバリアフィルムの作製>
基板32としてTAC(トリアセチルセルロース)フィルム(富士フイルム株式会社製 厚み60μm、幅1000mm、長さ100m)を用い、基板32の上に以下の手順で封止層12(有機層、無機層および熱融着層)を形成した。
(有機層の形成)
ポリアリレート(ユニチカ株式会社製ユニファイナ―(登録商標)M−2000H)とシクロヘキサノンを用意し、重量比率として5:95となるように秤量し、常温で溶解させ、固形分濃度5%の塗布液とした。使用したポリアリレートのTgは275℃(カタログ値)である。
この塗布液を、ダイコーターを用いてRtoRにより上記基板に塗布し、130℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。最初の膜面タッチロール(基板32の封止層12側の面にタッチするロール)に触れる前に、PE(ポリエチレン)の保護フィルムを貼合し、後に巻き取った。基板32上に形成された有機層14の厚さは、2μmであった。
(無機層の形成)
ドラムに基板を巻きかけて成膜を行う、RtoRの一般的なCVD装置を用いて、有機層14の表面に無機層16として窒化珪素層を形成した。
CVD装置は、CCP−CVDによる成膜装置、基板を巻き掛けて搬送する対向電極となるドラム、有機層に積層された保護フィルムを剥離するガイドローラ、剥離した保護フィルムを巻き取る回収ロール、長尺な保護フィルムを巻回したロールの装填部、および、成膜済の無機層の表面に保護フィルムを積層するガイドローラ等を有する。なお、CVD装置は2つ以上の成膜ユニット(成膜装置)を有するものを用いた。
装填部に装填されたロールから有機層14が形成された基板32を送り出し、成膜前の最後の膜面タッチロールを通過後に保護フィルムを剥離し、暴露された有機層14の上に無機層16を形成した。無機層16の形成には、2つの電極(成膜ユニット)を使用し、原料ガスは、シランガス、アンモニアガスおよび水素ガスを用いた。原料ガスの供給量は、第1成膜ユニットは、シランガス150sccm、アンモニアガス300sccmおよび水素ガス500sccmとし、第2成膜ユニットは、シランガス150sccm、アンモニアガス350sccmおよび水素ガス500sccmとした。第1成膜ユニットおよび第2成膜ユニットにおいて、プラズマ励起電力は2.5kW、プラズマ励起電力の周波数は13.56MHzとした。ドラムには、周波数0.4MHz、0.5kWのバイアス電力を供給した。また、ドラムは、冷却手段によって30℃に温度制御した。成膜圧力は50Paとした。成膜直後の無機層16の膜面にPEの保護フィルムを貼合し、後に巻き取った。無機層16の膜厚は20nmであった。
(熱融着層の形成)
次いで、RtoRによって塗布法で成膜を行う一般的な有機成膜装置を用いて、無機層16の表面に熱融着層30を形成した。
まず、アクリルホモポリマー(大成ファインケミカル社製、0415BA)を用意し、酢酸エチルで希釈し、固形分濃度が20質量%の組成物とした。このアクリルホモポリマーは、非晶質であり、Tgは20℃で、100℃で流動して、接着性を発現する。
この組成物を、ダイコーターを用いて無機層16の表面に塗布し、次いで、80℃の乾燥ゾーンを通過させた。乾燥ゾーンの通過時間は3分間とした。これにより、組成物を乾燥、硬化して、無機層16の表面に熱融着層30を形成した。
なお、組成物の塗布に先立ち、無機層16の表面に積層した保護フィルムを剥離した。無機層16の表面に形成した熱融着層の厚さは、5μmであった。
以上により、ロール状に巻き取られた長尺な転写型のガスバリアフィルムを作製した。この長尺な転写型ガスバリアフィルムから、ガスバリアフィルム40を100mm×100mmの大きさで切り出した。
<有機ELデバイスの作製>
ガラス基板上に、素子基板52として、厚み100μm、大きさ100mm×100mmのポリイミド層を形成し、ポリイミド層の上に以下の手順で有機EL素子54を形成した。
(有機EL素子の形成)
この素子基板の周辺2mmを、セラミックによってマスキングした。さらに、マスキングを施した素子基板を一般的な真空蒸着装置に装填して、真空蒸着によって、厚さ100nmの金属アルミニウムからなる電極を形成し、さらに、厚さ1nmのフッ化リチウム層を形成した。次いで、電極およびフッ化リチウム層を形成した素子基板に、真空蒸着によって、以下の有機化合物層を、順次、形成した。
・(発光層兼電子輸送層)トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
・(第2正孔輸送層)N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
・(第1正孔輸送層)銅フタロシアニン: 膜厚10nm
さらに、これらの層を形成した素子基板を、一般的なスパッタリング装置に装填して、ITO(Indium Tin Oxide 酸化インジウム錫)をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成して、有機EL材料を用いる発光素子である有機EL素子54を形成した。
有機EL素子54の大きさは10μm×10μm、高さは5μmとした。
有機EL素子54は素子基板52上に50μmピッチで正方配列されるものとした。
以上により電子デバイス(有機ELデバイス)50を作製した。
<熱圧着工程>
熱圧着工程を行う貼合装置として、平板状のテーブル100と、テーブル100の上方に配置されたローラー102とを有する貼合装置を用いた。テーブル100およびローラー102はそれぞれ加熱手段を有している。また、ローラー102はシリコンゴム製であった。また、テーブル100およびローラー102は減圧チャンバー内に設置されており、ロータリーポンプで減圧チャンバー内を減圧して貼合を行うことができる。
テーブル100は25℃に調温し、ローラー102は90℃に設定した。減圧チャンバー内の圧力は0.1Paとした。
テーブル100の上に上記で作製した電子デバイス50を載置し、電子デバイス50の素子形成面上に上記で作製したガスバリアフィルム40を重ねた。その際、熱融着層30が素子形成面側を向くようにした。
ローラー102を用いてガスバリアフィルム40を基板32側から押圧しつつ、ローラー102を端部から平行移動させてガスバリアフィルム40と電子デバイス50とを熱圧着した。
ローラー102の移動速度は1m/minとし、ローラーによる圧力は0.3MPaとなるように調整した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、50nmであった。
なお、ガスバリアフィルム40の端部から有機EL素子54までの距離は0.5mmとした。
<剥離工程>
熱圧着工程の後、基板32を有機層14との界面で剥離した。
以上によって電子デバイス積層体を作製した。
[実施例2]
熱圧着工程において、テーブル100の温度を90℃に調温し、ローラー102の温度を30℃に設定した以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、70nmであった。
[実施例3]
ローラー温度を120℃にした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、25nmであった。
[実施例4]
熱融着層のガラス転移温度Tgが80℃となるようにスチレンアクリルポリマーを添加した以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、80nmであった。
[実施例5]
ローラーによる圧力を1MPaとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、20nmであった。
[実施例6]
無機層の厚みを5nmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、50nmであった。
[実施例7]
無機層の厚みを100nmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、50nmであった。
[実施例8]
熱圧着工程前の熱融着層の厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、70nmであった。
[実施例9]
熱圧着工程前の熱融着層の厚みを2μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、30nmであった。
[実施例10]
有機層の厚みを5μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、60nmであった。
[実施例11]
有機層の厚みを0.5μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、40nmであった。
[実施例12]
基板の厚みを80μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、90nmであった。
[実施例13]
基板の厚みを40μmとした以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
圧着後の端部における無機層16と電子デバイス50との間の距離を測定したところ、30nmであった。
[比較例1]
ガスバリアフィルムの作製において、熱融着層を形成せず、下記のように接着剤を用いてガスバリアフィルムを電子デバイスに貼合した以外は実施例1と同様にして電子デバイス積層体を作製した。
(接着剤を用いたガスバリアフィルムの貼合)
接着剤は、エポキシ樹脂(JER1001)を48%、エポキシ樹脂(JER152)を48%、シランカップリング剤(KBM502)を4%それぞれ加えたものをMEK(メチルエチルケトン)に溶解させて50%重量溶液としたものとした。
この接着剤をガスバリアフィルムの無機層上に所定の厚みとなるように塗布し、溶剤を十分に揮発させた後、電子デバイスに貼り合せ、100℃の環境に100時間放置して硬化させて電子デバイス積層体を作製した。
貼合後の端部における無機層と電子デバイスとの間の距離を測定したところ、1000nmであった。
[評価]
<輝度>
各実施例および比較例で作製した電子デバイス積層体の作製直後に、各電子デバイス積層体をKeithlel社製のSMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させて、全体の輝度を測定した。その後、温度60℃、湿度90%の環境下で、200時間放置した。200時間放置後、上記と同様にして、電子デバイス積層体を点灯させて、全体の輝度を再度測定して輝度低下の割合を測定した。
AAA:輝度低下が1%以下である。
AA:輝度低下が1%以上3%未満であった。
A:輝度低下が3%以上5%未満であった。
B:輝度低下が5%以上8%未満であった。
C:輝度低下が8%以上10%未満であった。
D:輝度低下が10%以上30%未満であった。
E:輝度低下が30%以上であり、目視でも発光が低くなっていることが容易に視認できる。
評価はCまで許容でき、D以下がNGである。
<ダークスポット>
また、200時間放置後、電子デバイス積層体を点灯させた状態で顕微鏡によって、封止層側から観測して、ダークスポットの発生の有無を確認し、以下の基準で評価した。
A:ダークスポットの発生が全く見られなかった
B:ダークスポットの発生が、わずかに見られた
C:ダークスポットの発生が明らかに認められた
D:ダークスポットの面積の割合の方が大きい
<可撓性>
各実施例および比較例の電子デバイス積層体を、φ8mmで10万回外曲げした後に、先と同様に、輝度を測定し、電子デバイス積層体の作製直後の輝度に対する輝度低下の割合を求め、上記と同様の基準で評価した。
結果を、下記の表1に示す。
Figure 2020066496

表1から本発明の製造方法で作製した電子デバイス積層体は、比較例に比べて、高温多湿の環境に放置しても、輝度低下が小さく、また、ダークスポットの発生が少なく、有機EL素子の劣化を抑制できることがわかる。また、本発明の製造方法で作製した電子デバイス積層体は、比較例に比べて、可撓性が高いことがわかる。
また、実施例1と実施例2との対比から、熱圧着工程において、電子デバイス側の温度よりも基板側の温度を高くした方が熱融着層を加熱しやすく流動しやすくできるため、加圧によって無機層と電子デバイスとの間の距離を狭くできることがわかる。
また、実施例1と実施例3との対比から、熱圧着工程において、基板側の温度をより高くした方が熱融着層を加熱して流動しやすくできるため、加圧によって無機層と電子デバイスとの間の距離を狭くできることがわかる。
また、実施例1と実施例4との対比から、熱融着層のガラス転移温度Tgが低い方が、加熱によって熱融着層を流動しやすくできるため、加圧によって無機層と電子デバイスとの間の距離を狭くできることがわかる。
また、実施例1と実施例5との対比から、熱圧着工程における加圧力が高いと、無機層と電子デバイスとの間の距離を狭くできることがわかる。
また、実施例1〜5の対比から、無機層と電子デバイスとの間の距離が狭いほど、高湿熱試験後の輝度低下が少なく、ダークスポットの発生も少なく、耐久性が高いことがわかる。また、曲げ試験後の輝度低下も少なく可撓性が高いことがわかる。
また、実施例1、実施例6および7の対比から、無機層の厚みが薄いとガスバリア性が低くなるため耐久性および可撓性も低くなり、無機層の厚みが厚いと可撓性が低くなるため、10nm〜30nmが好ましいことがわかる。
また、実施例1、実施例8および9の対比から、熱融着層の厚み(熱圧着工程前の厚み)が薄いほど、熱圧着後の無機層と電子デバイスとの間の距離を薄くできることがわかる。
また、実施例1、実施例10および11の対比から、有機層が薄いほど熱圧着後の無機層と電子デバイスとの間の距離を薄くできることがわかる。これは有機層が厚いと、熱圧着工程の際に熱融着層に熱が伝わりにくくなり、流動性が低下するためと考えられる。
また、実施例1、実施例12および13の対比から、基板が薄いほど熱圧着後の無機層と電子デバイスとの間の距離を薄くできることがわかる。これは基板が厚いと、熱圧着工程の際に熱融着層に熱が伝わりにくくなり、流動性が低下するためと考えられる。
実施例6〜13の対比からも、無機層と電子デバイスとの間の距離が狭いほど、高湿熱試験後の輝度低下が少なく、ダークスポットの発生も少なく、耐久性が高いことがわかる。また、曲げ試験後の輝度低下も少なく可撓性が高いことがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 電子デバイス積層体
12 封止層
14 有機層
16 無機層
30 熱融着層
32 基板
40 ガスバリアフィルム
50 電子デバイス
52 素子基板
54 有機EL素子
100 テーブル
102 ローラー

Claims (11)

  1. 熱融着層と無機層と有機層とをこの順に有する封止層、および、前記封止層の前記有機層側に、前記封止層から剥離可能に積層される基板を有するガスバリアフィルムを準備する工程と、
    前記ガスバリアフィルムを、電子デバイスの凹凸を有する素子形成面上に、前記熱融着層側を前記素子形成面側に向けて加熱および加圧して圧着する熱圧着工程と、
    前記基板を前記封止層から剥離する剥離工程と、を有し、
    前記無機層の厚みが100nm以下であり、
    前記熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃である電子デバイス積層体の製造方法。
  2. 前記熱圧着工程において、熱圧着後の、端部における前記無機層と前記電子デバイスとの間の距離が100nm未満となるように加熱温度と加圧する圧力とを調整する請求項1に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  3. 前記電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンスデバイスである請求項1または2に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  4. 前記熱圧着工程において、前記ガスバリアフィルムへの加熱および加圧をローラーで行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  5. 前記熱圧着工程において、前記基板側から加熱を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  6. 前記熱圧着工程において、前記電子デバイス側から加熱を行う請求項5に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  7. 前記基板側の加熱温度が前記電子デバイス側の加熱温度よりも高い請求項6に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  8. 前記基板が、トリアセチルセルロースフィルムである請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  9. 前記基板の厚みが0.1μm〜100μmである請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子デバイス積層体の製造方法。
  10. 素子形成面が凹凸を有する電子デバイスと、
    前記素子形成面上に積層される熱融着層、無機層および有機層をこの順に有する転写層と、を有し、
    前記無機層の厚みが100nm以下であり、
    前記熱融着層のガラス転移温度が20℃〜180℃であり、
    端部における前記無機層と前記電子デバイスとの間の距離が100nm以下である電子デバイス積層体。
  11. 前記電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンスデバイスである請求項10に記載の電子デバイス積層体。
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