JP2018525243A - 極薄バリア積層体及びデバイス - Google Patents

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Abstract

極薄バリア積層体を含むバリアアセンブリ、及びそのバリアアセンブリの作製方法が提供される。バリアアセンブリは、第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と、その熱可塑性ポリマースキン層の第1主表面上にコーティングされているバリアスタックとを含み、それらは、約0.5mil(約12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する一体型保護層を形成する。取り外し可能なキャリアフィルムは、熱可塑性ポリマースキン層の第2主表面に剥離可能に取り付けられた、主表面を有する。一部の場合には、キャリアフィルムを取り外すことにより、極薄バリア積層体が得られる。

Description

本開示は、極薄バリア積層体、並びにその作製方法及び使用方法に関する。
有機発光ダイオード(organic light emitting diode;OLED)、有機及び無機光電池(photovoltaics;PV)、量子ドット(quantum dot;QD)デバイスなどの、多くの電子デバイスは、酸素及び/又は水の浸入からの保護を必要とする。例えば、フレキシブルエレクトロニクスの分野では、電子デバイスを保護するための、バリアコーティング又はバリアフィルムが開発されてきた。利用可能なバリアコーティング又はバリアフィルムは、一般に、基材とその基材の上に重ね合わされているバリアフィルムとを含む、連続層のスタックであり、それら基材及びバリアフィルムが全体として、電子デバイスに対する保護を提供し得る。
バリアコーティング又はバリアフィルムの厚さを低減することが必要とされている。しかしながら、基材の厚さが減少するにつれて、ウェブ処理、及び薄い連続フィルムの変換は、より困難なものとなり得る。例えば、ウェブ張力の維持すること、並びにウェブの熱負荷及び熱膨張の管理することで、ロールツーロールコーティングプロセスにおける、薄い基材のシワ発生及び拘束をもたらす恐れがある。本開示は、上記の課題を克服することが可能な、極薄バリア積層体を含むバリアアセンブリ、及びその作製方法を提供する。
簡潔に言えば、一態様において、本開示は、第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と、そのスキン層の第1主表面上にコーティングされているバリアスタックとを含む、物品について述べる。これら熱可塑性ポリマースキン層及びバリアスタックは、一体型保護層を形成し、この一体型保護層は、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する。取り外し可能なキャリアフィルムは、熱可塑性ポリマースキン層の第2主表面に剥離可能に取り付けられた、主表面を有する。この取り外し可能なキャリアフィルムは、一体型保護層を支持するように構成されている。
別の態様では、本開示は、主表面を有する光電子デバイスについて述べる。熱可塑性ポリマースキン層は、第1主表面と、反対側に第2主表面を有し、その熱可塑性ポリマースキン層の第1主表面上に、バリアスタックがコーティングされている。これら熱可塑性ポリマースキン層及びバリアスタックは、一体型保護層を形成する。この一体型保護層は、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する。光電子デバイスの主表面に、この一体型保護層のバリアスタックが取り付けられる。
別の態様では、本開示は、主表面を有する取り外し可能なキャリアフィルムを準備することと、その取り外し可能なキャリアフィルムの主表面上に配置される、熱可塑性ポリマースキン層を準備することとを含む、方法について述べる。熱可塑性ポリマースキン層は、第1主表面と、反対側に第2主表面を有し、その熱可塑性ポリマースキン層の第2主表面は、取り外し可能なキャリアフィルムの主表面に、剥離可能に取り付けられている。バリアスタックが、スキン層の第1主表面上にコーティングされている。これら熱可塑性ポリマースキン層及びバリアスタックは、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する一体型保護層を形成している。
本開示の例示的な実施形態では、様々な予期せぬ結果及び利点が得られる。本開示の例示的な実施形態のそのような1つの利点は、バリアアセンブリが、剥離可能又は取り外し可能な1つ以上の層を有し、最終使用時に、それらの層を取り外して極薄の積層バリア構造体をもたらすことが可能であると同時に、より厚い、そのバリアアセンブリの多層構造体により、ロールツーロールプロセスにおけるウェブ処理及びコーティングが可能となり得る点である。
本開示の例示的な実施形態の様々な態様及び利点を要約してきた。上記の「発明の概要」は、それらの本開示の特定の例示的な実施形態の、図示される各実施形態又は全ての実装を説明することを意図するものではない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、本明細書に開示される原理を使用する特定の好ましい実施形態を、より詳細に例示するものである。
以下の本開示の様々な実施形態の詳細な説明を、添付図面と併せて考慮することで、より完全に本開示を理解することができる。
一実施形態による、多層フィルムの概略側面図である。 一実施形態による、多層フィルムの概略側面図である。 一実施形態による、バリアアセンブリの概略側面図である。 図3Aのバリアアセンブリの拡大部分である。 一実施形態による、図3Aのバリアアセンブリを電子デバイスに適用することによる、電子デバイスの概略側面図である。 キャリアフィルムの取り外しにより、電子デバイス上に一体型保護層が得られた状態の、図4Aの電子デバイスの概略側面図である。 一体型保護層に第2の一体型保護層を適用することによる、図4Bの電子デバイスの概略側面図である。 一実施形態による、図3Aのバリアアセンブリを電子デバイスに直接適用することによる、光電子デバイスの概略側面図である。 これらの図面中、同様の参照符号は、同様の要素を示す。必ずしも正確な縮尺で描かれていない上記に特定した図面は、本開示の様々な実施形態を明示するものであるが、「発明を実施するための形態」で言及されるように、他の実施形態もまた想到される。いかなる場合にも、本開示は、ここに開示される開示を、限定を表現することによってではなく、例示的な実施形態を提示することによって説明する。本開示の範囲及び趣旨に含まれる、数多くの他の修正形態及び実施形態を、当業者によって考案することができる点を理解されたい。
以下の定義語の「用語集」に関しては、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が提示されない限り、本出願全体に関して、これらの定義が適用されるものとする。
用語集
本説明及び特許請求の範囲の全体を通して特定の用語が使用されており、その大部分は周知のものであるが、何らかの説明が必要とされる場合もある。以下の点を理解されたい。
用語「均質」とは、巨視的スケールで観察される場合、物質の単一相のみを呈することを意味する。
用語「(コ)ポリマー」又は「(コ)ポリマー類」とは、ホモポリマー及びコポリマー、並びに、例えば共押出成形によって、又は、例えばエステル交換反応を含む反応によって、混和性ブレンドに形成することが可能な、ホモポリマー又はコポリマーを含む。用語「コポリマー」は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、及び星形(例えば、樹枝状)コポリマーを含む。
特定の層に関する用語「隣接する」とは、2つの層が隣り合って(すなわち、隣接して)互いに直接接触しているか、又は、互いに接在しているが直接接触していない(すなわち、それらの層の間に、1つ以上の追加層が介在している)位置で、別の層に接合又は付着していることを意味する。
開示されるコーティングされている物品内の様々な要素の位置に関して、「〜の上部」、「〜上」、「〜の上」、「覆う」、「最上の」、「下に存在する」などの方向の用語を使用している場合、水平に配置されている上向きの基材に対する、ある要素の相対位置に言及するものである。しかしながら、別段の指示がない限り、その基材又は物品が、製造時又は製造後において、何らかの特定の空間的方向を有するべきであることを意図するものではない。
本開示の物品の基材又は他の要素に対する、層の位置を説明するために、用語「オーバーコーティングされている」を使用している場合、その層が、それらの基材又は他の要素の上部に存在しているが、それらの基材又は他の構成要素のいずれかに必ずしも接在するものではないことに言及するものである。
他の層に対する、層の位置を説明するために、用語「〜によって分離されている」を使用している場合、その層が、他の2つの層の間に位置決めされているが、いずれかの層に必ずしも接在又は隣接するものではないことに言及するものである。
数値又は形状に関する用語「約」又は「おおよそ」とは、その数値又は特性若しくは特徴の、+/−5パーセントを意味するものであるが、明示的に、その厳密な数値を含むものである。例えば、「約」1Pa秒の粘度とは、0.95〜1.05Pa秒の粘度を指すものであるが、また明示的に、厳密に1Pa秒の粘度も含むものである。同様に、「実質的に正方形」の外周とは、4つの外側縁を有し、各外側縁が、他のいずれかの外側縁の長さの95%〜105%の長さを有する、幾何学形状を説明することを意図するものであるが、また、各外側縁が厳密に同じ長さを有する幾何学形状も含むものでもある。
特性又は特徴に関する用語「実質的に」とは、その特性又は特徴が、その特性又は特徴とは反対のものが呈されるよりも、大きい程度で呈されることを意味する。例えば、「実質的に」透明な基材とは、透過させることができない(例えば、吸収及び反射する)放射線よりも、多くの放射線(例えば、可視光)を透過させる基材を指す。それゆえ、その表面に入射する可視光の50%超を透過させる基材は、実質的に透明であるが、その表面に入射する可視光の50%以下を透過させる基材は、実質的に透明ではない。
本明細書及び添付の実施形態で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容による別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。それゆえ、例えば、「化合物(a compound)」を含有する微細繊維への言及は、2種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の実施形態で使用するとき、用語「又は」は、その内容による別段の明確な指示がない限り、一般に、「及び/又は」を含めた意味で用いられる。
本明細書で使用するとき、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
別段の指示がない限り、本明細書及び実施形態で使用される、量又は成分、特性の測定値などを表す全ての数字は、全ての事例で、用語「約」によって修飾されているものとして理解されたい。したがって、特に反対の指示がない限り、上述の明細書及び添付の実施形態の列挙に記載されている数値パラメータは、本開示の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて、変動し得る。最低限でも、また特許請求される実施形態の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてでもなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数を踏まえて、通常の四捨五入法を適用することによって、解釈されるべきである。
図1は、一実施形態による、多層フィルム100の概略断面図を示す。多層フィルム100は、取り外し可能なキャリアフィルム110と、この取り外し可能なキャリアフィルム110上に配置されている熱可塑性ポリマースキン層120とを含む。取り外し可能なキャリアフィルム110は、熱可塑性ポリマースキン層120の主表面122から分離可能な、主表面112を有することにより、熱可塑性ポリマースキン層120及び取り外し可能なキャリアフィルム110は、連続シート形態で、互いから剥離することができる。この場合、剥離は、接触表面122及び接触表面112である、剥離表面(図1の破線を参照)に沿って優先的に生じ得る。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマースキン層120は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びポリスチレンからなる群から選択される、1種以上の熱可塑性ポリマーであってよく、あるいは、それら1種以上の熱可塑性ポリマーを含んでいてもよい。一部の実施形態では、この熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、スチレンアクリロニトリル、シリコーン−ポリオキサミドポリマー、フルオロポリマー、環状オレフィンコポリマーなどのうちの1つ以上を含み得る。
図2は、例示的な熱可塑性ポリマースキン層120が上に配置されている、例示的な取り外し可能なキャリアフィルム110を含む、例示的な多層フィルム200を示す。取り外し可能なキャリアフィルム110は、取り外し可能なキャリアフィルム110の全て又は一部を形成し得るスタック220を形成するように、一体に積み重ねられた、個別のポリマー層を含む。図示の実施形態では、スタック220は、ポリマー層A及びポリマー層Bの、2つのタイプのポリマー層を含み、これらのポリマー層は、それぞれ、異なるポリマー組成物A及びポリマー組成物Bで構成されるものと想定される。取り外し可能なキャリアフィルム110及び熱可塑性ポリマースキン層120は、他の好適な構造体及び/又は組成物を有し得ることを理解されたい。
図2の実施形態では、熱可塑性ポリマースキン層120もまた、組成物Aを含むポリマー層Aであり、熱可塑性ポリマースキン層120に隣接する、スタック220の最前面層は、組成物Bを含むポリマー層Bである。熱可塑性ポリマースキン層120及びスタック220を含む、多層フィルム200は、A/B/A/B/Aの対称5層構造体を形成する。多層フィルム200は、他の数の層、例えば、A/B/Aの3層構造体、あるいは、より多くの交互のA層及びB層を含み得ることを理解されたい。また、ポリマー組成物A及びポリマー組成物Bは、取り外し可能なキャリアフィルム110及び熱可塑性ポリマースキン層120を互いから剥離することが可能である限り、他の順序で配列することができる点も理解されたい。
一部の実施形態では、ポリマー組成物A又はポリマー組成物Bは、ポリエステル系材料を含み得る。一部の実施形態では、スタック220内で、ポリエステル系材料と非ポリエステル系材料との組み合わせを、それぞれ、層B又は層A内に適切に組み込むことができる。一部の実施形態では、ポリマー組成物Aは、例えば、半結晶性ポリエステルであってよい。一部の実施形態では、ポリマー組成物Bは、例えば、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンド、又はプロピレンコポリマーとエチレンαオレフィンコポリマーとのブレンド、又はプロピレンコポリマーとオレフィンブロックコポリマーとのブレンドであってよい。
一部の実施形態では、隣接するA層とB層との付着性は、実質的に同じものであってよい。すなわち、実質的に同じ量の剥離力を適用することにより、隣接するA層とB層とを剥離することができる。隣接するA層とB層との各境界面に相当する、任意の所望の剥離表面に沿って、スタック220の一部分又は全体を剥離することができる。取り外し可能なキャリアフィルム110は、熱可塑性ポリマースキン層120から、1層ずつ取り外すことができる。
一部の実施形態では、スタック220は、隣接する層120(例えば、ポリマー層A)とスタック220の最前面層Bとの間の剥離境界面(図2の破線を参照)に沿って、優先的に剥離することができる。この剥離境界面に沿って、キャリアフィルム110全体を、熱可塑性ポリマースキン層120から取り外すことができる。
一部の実施形態では、スタック220は、隣接するポリマー層A及びポリマー層Bによって挟まれた、1つ以上のポリマー層Cを含むことにより、例えば、B/C/A/C/B/C/Aの構造体を形成することができ、最前面層Bが、熱可塑性ポリマースキン層120に取り外し可能なに取り付けられている。ポリマー層Cは、隣接する層Aと層Bとの間の中間層であり、層Aと層Bとの付着性を強化することが可能な組成物Cを有する。ポリマー組成物Bは、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンドであってもよく、又はそのブレンドを含んでいてもよい。ポリマー組成物Cは、コポリエステルとオレフィンとの非混和性ブレンドであってもよく、又はその非混和性ブレンドを含んでいてもよい。ポリマー組成物Bは、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンドであってもよく、又はそのブレンドを含んでいてもよい。ポリマー組成物Cは、非晶質コポリエステルであってもよく、又は非晶質コポリエステルを含んでいてもよい。ポリマー組成物Aは、半結晶性ポリエステルであってもよく、又は半結晶性ポリエステルを含んでいてもよい。ポリマー組成物Bは、ポリマー組成物Cと(少なくとも部分的に)混和性であってよく、その一方で、ポリマー組成物Cは、ポリマー組成物Aと(少なくとも部分的に)混和性であり、ポリマー組成物Bは、ポリマー組成物Aと混和性ではない。
一部の実施形態では、キャリアフィルム110の最前面層(例えば、ポリマー層B)は、その最前面層の下に存在する内部層に対する付着性よりも実質的に弱い、熱可塑性ポリマースキン層120に対する付着性を有していてよい。スタック220の最前面ポリマー層に対する、熱可塑性ポリマースキン層120の付着性は、例えば、2〜100グラム/インチの範囲の剥離力によって、特徴付けることができる。スタック220の最前面ポリマー層に対する、熱可塑性ポリマースキン層120の付着性は、第1の剥離力によって特徴付けることができる。最前面ポリマー層の下に存在する内部ポリマー層に対する、スタック220の最前面ポリマー層の付着性は、第2の剥離力によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、上述のB/C/A構成を有するスタック220に関しては、第2の剥離力は、第1の剥離力の少なくとも2倍、又は少なくとも3倍であってよい。
一部の実施形態では、ポリマー組成物Bは、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとの混和性ブレンド、又はプロピレンコポリマーとエチレンαオレフィンコポリマーとの混和性ブレンド、又はプロピレンコポリマーとオレフィンブロックコポリマーとの混和性ブレンドであってよい。ポリマー組成物Bが、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとの混和性ブレンドである場合には、ポリマー組成物Cは、コポリエステルとオレフィンとの非混和性ブレンドであってよく、又はポリマー組成物Cは、非晶質コポリエステルであってよく、ポリマー組成物Aは、半結晶性ポリエステルであってよい。
ポリマー組成物A、ポリマー組成物B、及びポリマー組成物Cのうちのいずれも、感圧性接着剤(pressure sensitive adhesive;PSA)、又は他のタイプの接着剤でないことが好ましい。更には、多層フィルム200のポリマー組成物A、ポリマー組成物B、及び/又はポリマー組成物Cは、互いに共押出成形可能であることが好ましく、このことにより、層スタック220全体、及びその上の熱可塑性ポリマースキン層120は、異なる操作で作製した後に、接着剤で一体に積層されるのではなく、単一の操作で共押出成形することができる。そのような共押出成形ポリマーフィルム構成は、米国特許出願公開第2014/0065397号(Johnsonら)で説明されており、これは、上述の開示に矛盾しない限りにおいて、参照により組み込まれる。取り外し可能なキャリアフィルム110は、1つずつ剥離して取り外すことが可能な、2つ以上のスタック220を含み得る点を理解されたい。
一部の実施形態では、取り外し可能なキャリアフィルム110と熱可塑性ポリマースキン層120とが簡単にばらばらにならないようにするために、キャリアフィルム110の最前面層(例えば、図2のスタック220の上部層B)に対する、熱可塑性ポリマースキン層120の付着性は、ゼロよりも大きい剥離力によって特徴付けられ、例えば、その剥離力は、好ましくは少なくとも1グラム/インチ、又は少なくとも2グラム/インチである。グラム/インチ(又は、グラム/インチ幅)、略してg/inの剥離力の単位は、グラム毎リニアインチ、略してgliと称される場合がある。1g/inは、0.3860886N/mに等しい。
一部の実施形態では、キャリアフィルム110に、任意のプレマスクを取り付けて、例えばジャンボロールの巻取り及び形成などの、ロールツーロールプロセスでのフィルムの取扱いをしやすくするために使用することができる。このプレマスクは任意選択的なものであり、キャリアフィルム110は、それ自体が単独で、熱可塑性ポリマースキン層120を支持することができる点を理解されたい。
図3A及び図3Bは、図1の多層フィルム100の熱可塑性ポリマースキン層120上に配置されているバリアスタック130を含む、バリアアセンブリ300を示す。バリアスタック130及び熱可塑性ポリマースキン層120は、一体型保護層320を形成する。一体層として、熱可塑性ポリマースキン層120に対するバリアスタック130の付着性は、この層120に対する取り外し可能なキャリアフィルム110の付着性よりも、実質的に強固であることにより、図3A、図3Bのバリアアセンブリ300内の層のスタックは、取り外し可能なキャリアフィルム110と熱可塑性ポリマースキン層120との境界面に相当する剥離表面(図3A、図3Bの破線を参照)に沿って、剥離する傾向がある点を理解されたい。
1つ以上のバリアスタック130及び1つ以上の熱可塑性ポリマースキン層120を含む、一体型保護層320などの一体型保護層は、典型的には、用途に必要とされる規定レベルの酸素透過率及び水蒸気透過率を有し、酸素及び/又は水の浸入からの保護を提供するように形成することができる。一部の実施形態では、一体型保護層320は、38℃及び相対湿度100%で、約0.005g/m/日未満の、一部の実施形態では、38℃及び相対湿度100%で、約0.0005g/m/日未満の、また一部の実施形態では、38℃及び相対湿度100%で、約0.00005g/m/日未満の水蒸気透過率(water vapor transmission rate;WVTR)を有し得る。一部の実施形態では、一体型保護層320は、50℃及び相対湿度100%で、約0.05、0.005、0.0005、若しくは0.00005g/m/日未満の、又は更に、85℃及び相対湿度100%で、約0.005、0.0005、0.00005g/m/日未満のWVTRを有し得る。一部の実施形態では、一体型保護層320は、23℃及び相対湿度90%で、約0.005cm/m/日未満の、一部の実施形態では、23℃及び相対湿度90%で、約0.0005cm/m/日未満の、また一部の実施形態では、23℃及び相対湿度90%で、約0.00005cm/m/日未満の酸素透過率を有し得る。
一部の実施形態では、一体型保護層320は、例えば、約2mil(50.8マイクロメートル)以下、約1mil(25.4マイクロメートル)以下、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下、約0.4mil(10.2マイクロメートル)以下、又は約0.3mil(7.6マイクロメートル)以下の、一部の実施形態では、約0.005mil(0.127マイクロメートル)以上、約0.01mil(0.254マイクロメートル)以上、約0.05mil(1.27マイクロメートル)以上、又は約0.1mil(2.54マイクロメートル)以上の厚さを有し得る。一体型保護層320の厚さは、例えば、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)、約0.05mil(1.27マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)、又は約0.1mil(2.54マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲であってよい。
一体型保護層320は、バリアスタック130及び熱可塑性ポリマースキン層120を含む。一部の実施形態では、バリアスタック130の厚さは、例えば、約50マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、5マイクロメートル以下、又は3マイクロメートル以下でありうる。一部の実施形態では、バリアスタック130の厚さは、5nm以上、10nm以上、50nm以上、100nm以上、又は200nm以上でありうる。バリアスタック130の厚さは、例えば、約100nm〜約5マイクロメートルであってよい。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマースキン層120の厚さは、例えば、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下、約0.4mil(10.2マイクロメートル)以下、約0.3mil(7.6マイクロメートル)以下、約0.2mil(5.1マイクロメートル)以下、又は0.1mil(2.54マイクロメートル)以下でありうる。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマースキン層120の厚さは、約50nm以上、約100nm以上、約200nm以上、約400nm以上、又は600nm以上でありうる。熱可塑性ポリマースキン層120の厚さは、例えば、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.4mil(10.2マイクロメートル)の範囲であってよい。
一部の実施形態では、取り外し可能なキャリアフィルム110は、一体型保護層320よりも、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、又は少なくとも100倍厚くすることができる。一部の実施形態では、取り外し可能なキャリアフィルム110は、約10mil(254マイクロメートル)以下、約6mil(152マイクロメートル)以下、約4mil(102マイクロメートル)以下、又は約2mil(51マイクロメートル)以下の厚さを有し得る。一部の実施形態では、取り外し可能なキャリアフィルム110は、約100nm以上、約0.01mil(254nm)以上、約0.05mil(1.27マイクロメートル)以上、又は約0.1mil(2.54マイクロメートル)以上の厚さを有し得る。取り外し可能なキャリアフィルム110の厚さは、例えば、約0.1mil(2.54マイクロメートル)〜約4mil(102マイクロメートル)の範囲であってよい。
図3Bに示される実施形態では、バリアスタック130は、ポリマー層132及び無機バリア層134を含む。ポリマー層132は、取り外し可能なキャリアフィルム110とは反対の側で、熱可塑性ポリマースキン層120と直接接触している。ポリマー層132は、熱可塑性ポリマースキン層120の主表面124(図1もまた参照されたい)に、ポリマー材料を適用することによって、形成することができる。一部の実施形態では、ポリマー層132は、モノマー又はオリゴマーの層を適用して、その層を架橋することにより、その場でポリマーを形成することによって、例えば、放射線架橋性モノマーを蒸発及び蒸着させ、例えば、電子ビーム装置、UV光源、放電装置、又は他の好適なデバイスを使用して硬化させることによって、形成することができる。
一部の実施形態では、バリアスタック130は、様々な順序で配置構成されている、1つ以上のポリマー層132及び1つ以上の無機バリア層134を含み得る。バリアスタック130を、熱可塑性ポリマースキン層120上に配置することにより、例えば、一部の実施形態では、スキン層120/ポリマー層/無機バリア層の構造体を形成することができ、一部の実施形態では、この構造体は、スキン層120/無機バリア層/ポリマー層であってもよく、一部の実施形態では、好ましい構造体は、スキン層120/第1のポリマー層/無機バリア層/第2のポリマー層/であり、ここで第1のポリマー層と第2のポリマー層とは、同じ組成物であっても又は異なる組成物であってもよい。
例示的な有用なバリアスタックは、例えば、原子層堆積(atomic layer deposition;ALD)、熱蒸発、スパッタリング、化学蒸着(chemical vapor deposition;CVD)、プラズマ増強CVDなどによって調製された、無機フィルムを含み得る。有用なバリアスタックは、典型的には、フレキシブルかつ透明であり得る。一部の実施形態では、有用なバリアスタックは、無機/有機多層を含み得る。無機/有機多層を含むフレキシブルな超バリアフィルムは、例えば、米国特許出願公開第2012/0003451号(Weigelら)、米国特許第5,440,446号(Shawら)、同第6,231,939号(Shawら)、同第7,980,910号(Padiyathら)、及びPCT国際公開特許第2014/028678号(Nachtigalら)で説明されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
無機バリア層134は、熱可塑性ポリマースキン層120とは反対の側で、ポリマー層132と密着している。無機バリア層134は、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸ホウ化物、及びこれらの組み合わせを含めた、様々な材料から形成することができる。例示的な金属酸化物としては、シリカなどの酸化ケイ素、アルミナなどの酸化アルミニウム、チタニアなどの酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の例示的な材料としては、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、酸窒化ホウ素、酸ホウ化ジルコニウム、酸ホウ化チタン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、無機バリア層は、ITO、酸化ケイ素、又は酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含み得る。一部の実施形態では、各元素成分の相対比率を適切に選択することにより、ITOを導電性にすることができる。この無機バリア層は、例えば、スパッタリング(例えば、カソード若しくは平板マグネトロンスパッタリング、二重AC平板マグネトロンスパッタリング又は二重AC回転マグネトロンスパッタリング)、蒸発(例えば、抵抗又は電子ビーム蒸発、並びに、イオンビーム及びプラズマアシスト蒸着を含めた、エネルギー増強型の抵抗又は電子ビーム蒸発の類)、化学蒸着、プラズマ増強化学蒸着、原子層堆積、及びめっきなどの、薄膜形成技術で用いられる技術を使用して、形成することができる。一部の実施形態では、この無機バリア層は、スパッタリング、例えば反応性スパッタリングを使用して、形成することができる。従来の蒸着プロセスなどの低エネルギー技術と比較して、スパッタリングなどの高エネルギー堆積技術によって無機層が形成される場合、バリア特性の向上が見られる。理論に束縛されるものではないが、この特性の向上は、基材に到達する種を、より大きい運動エネルギーで凝縮することにより、圧縮の結果として、より低い空隙率がもたらされるためであると考えられる。
一部の実施形態では、この無機バリア層は、原子層堆積(ALD)を使用して形成することができる。この堆積法に関連付けられた、低い欠陥発生率によって、バリア特性の向上が見られる。
ポリマー層132及び無機バリア層134は、ダイアド(対)と呼ばれる場合がある。バリアスタック130に関しては、1つのみのダイアド(すなわち、図3Bのポリマー層132及び無機バリア層134)が示されているが、バリアスタック130は、ポリマー及び無機材料の交互の層を追加的に含み得る点を理解されたい。バリアスタックに関する例示的な材料及び構築方法は、米国特許第5,440,446号、同第5,877,895号、同第6,010,751号、米国特許出願公開第2003/0029493号、同第69821US002号、及び同第66737US002号(これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる)、並びに本開示の実施例で特定される。
図4Aに示されるように、バリアアセンブリ300は、電子デバイス150の主表面に適用されている。電子デバイス150は、1つ以上の感湿性構成要素又は酸素感受性構成要素を含み得る。電子デバイス150は、例えば、酸素及び/又は水の浸入からの保護を必要とする、有機発光ダイオード(OLED)あるいは有機及び無機光電池(PV)であってよい。バリアスタック130は、接着剤層140によって、電子デバイス150に積層されている。接着剤層140の厚さは、例えば、約0.1mil〜約1mil(0.003mm〜0.03mm)で変動し得る。
一部の実施形態では、接着剤層140は、例えば、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive;OCA)、又はバリア接着剤とすることができる。一部の実施形態では、OCAは、その場では光学的に透明な、比較的柔軟性のある、任意の感圧性接着剤材料を含み得る。すなわち、この感圧性接着剤材料は、それ自体、独立した状態では光学的に透明ではないかもしれないが、積層体内に組み込まれると、光学的に透明な状態を有し得るものであり、かつ、多種多様な気候条件のうちのいずれに対しても、その積層体の層の形態を変化させずに維持するために十分な粘着力を有し得るものである。この感圧性接着剤組成物は、アクリレート若しくはアクリル系のコポリマー及びターポリマーに基づくものであり得る。一部の実施形態では、この光学的に透明な接着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、(メタ)アクリルブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、ポリオレフィン、及びポリ(メタ)アクリレートに基づくものを挙げることができる。(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルという用語は、アクリレート類及びメタクリレート類の双方を包含し得る。例示的なOCAは、国際公開第2013/025330号(Rottoら)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、バリア接着剤は、約300,000g/mol超の重量平均分子量を有する第1のポリイソブチレン樹脂と、多官能性(メタ)アクリレートモノマーとを含む、組成物を有していてもよい。このバリア接着剤組成物は、粘着付与剤を実質的に含まない場合がある。例示的なバリア接着剤は、米国特許出願公開第2011/0105637号(Fujitaら)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、このバリア接着剤は、a)50重量%超の非官能性イソブチレン(コ)ポリマー、b)0.25〜20重量%のアミン官能性ポリ(イソブチレン)ポリマー、c)0〜10重量%の酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、d)0〜40重量%の粘着付与剤、及びe)0〜40重量%の可塑剤を含む、組成物を有し得る。例示的なバリア接着剤は、米国特許第8,663,407号(Jolyら)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
任意選択的に、接着剤層140は、任意の従来のシート材料を含む、剥離ライナを有し得る。この剥離ライナは、接着剤層140の露出表面に対する保護を提供することができる。この剥離ライナは、その剥離ライナが適用されている接着剤層140の表面に対して、一時的な弱い粘着力を有し得るものであるため、その表面から綺麗に剥離して、バリアアセンブリ300の表面に付着させるための接着剤の層を、変化させずに残すことができる。
電子デバイス150にバリアアセンブリ300を取り付けた後、剥離表面(例えば、図4Bに示されるような112及び122)に沿って、取り外し可能なキャリアフィルム110を剥離することによって、取り外し可能なキャリアフィルム110を、バリアアセンブリ300の残部から取り外すことができる。熱可塑性ポリマースキン層120及びバリアスタック130を含む、一体型保護層320は、電子デバイス150の主表面上に留まることにより、保護を提供する。同様に、第2の一体型保護層320’を、第1の一体型保護層320の主表面122に、接着剤140’によって取り付けることができる。第2の一体型保護層32’は、熱可塑性ポリマースキン層120’及びバリアスタック130’を含み、それらは、第1の一体型保護層320と比較して、同じ組成物又は異なる組成物を有し得る。一部の実施形態では、3つ以上の保護層を、電子デバイス150の主表面の上に重ね合わせることができる。
図5は、接着剤を使用することなく、光電子デバイス250の主表面252に、バリアアセンブリ300を直接適用することを示す。バリアスタック130は、光電子デバイス250の主表面252に直接取り付けられており、それらの間には、接着剤が全く存在していない。主表面252に対するバリアスタック130の付着性は、熱可塑性ポリマースキン層120に対する取り外し可能なキャリアフィルム110の付着性よりも、実質的に強固であり得ることにより、キャリアフィルム110は、キャリアフィルム110と熱可塑性ポリマースキン層120との境界面に相当する剥離表面(図5の破線を参照)に沿って、電子デバイス250から不可逆的に剥離しやすい。一部の実施形態では、光電子デバイス250は、主表面252が、例えば、内部に量子ドットが分散されたポリマーマトリックス層である、光変換デバイスであってよい。このポリマーマトリックス層は、例えば、約0.1mil(2.54マイクロメートル)〜約10mil(254マイクロメートル)の範囲の厚さを有し得る。このポリマーマトリックス層は、例えば、メタクリレートポリマー、エポキシポリマー、及び光開始剤を含み得る。一部の実施形態では、このポリマーマトリックス層は、バリアアセンブリ300などの第1のバリアアセンブリの主表面に適用することができ、第2のバリアアセンブリを、第1のバリアアセンブリとは反対の側で、そのポリマーマトリックス層に直接取り付けることができる。第1のバリアアセンブリ及び第2のバリアアセンブリの取り外し可能なキャリアフィルム110を、適切な段階で取り外して、光電子デバイス250上に、それらの一体型保護層320を残すことができる。バリアフィルム及び量子ドット層を含む、例示的な量子ドットフィルムは、国際公開第2014/113562号(Nelsonら)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の様々な例示的な実施形態を、ここで、具体的に図面を参照して説明するものとする。本開示の例示的な実施形態は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正形態及び代替形態を呈し得る。したがって、本開示の実施形態は、以下に説明される例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその任意の均等物において記載される制限によって規制されるものであることを理解されたい。
例示的な実施形態の列挙
実施形態1は、
第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と、
そのスキン層の第1主表面上にコーティングされているバリアスタックであって、これらスキン層及びバリアスタックが、一体型保護層を形成し、この一体型保護層が、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する、バリアスタックと、
スキン層の第2主表面に剥離可能に取り付けられている主表面を有する、取り外し可能なキャリアフィルムであって、一体型保護層を支持するように構成されている、取り外し可能なキャリアフィルムと、を備える、物品である。
実施形態2は、バリアスタックが、無機バリア層及び第1の架橋ポリマー層を備える、実施形態1の物品である。
実施形態3は、取り外し可能なキャリアフィルムが、一体型保護層よりも少なくとも2倍厚い、実施形態1又は実施形態2の物品である。
実施形態4は、一体型保護層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、実施形態1〜実施形態3のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態5は、熱可塑性ポリマースキン層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、実施形態1〜実施形態4のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態6は、バリアスタックの厚さが、約5nm〜約10マイクロメートルの範囲である、実施形態1〜実施形態5のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態7は、熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びポリスチレンからなる群から選択される、1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、実施形態1〜実施形態6のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態8は、熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含む、実施形態7の物品である。
実施形態9は、取り外し可能なキャリアフィルムが、スキン層の第2主表面に取り付けられた最前面層と、最前面層に、スキン層とは反対側に取り付けられた内部層とを含む、ポリマー層のスタックを備える、実施形態1〜実施形態8のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態10は、最前面層が、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンド、プロピレンコポリマーとエチレンαオレフィンコポリマーとのブレンド、又はプロピレンコポリマーとオレフィンブロックコポリマーとのブレンドを含む、ポリマー組成物Bを有する、実施形態9の物品である。
実施形態11は、内部層が、半結晶性ポリエステルを含むポリマー組成物Aを有する、実施形態9又は実施形態10の物品である。
実施形態12は、最前面層が、最前面層と内部層との間の、組成物Cを有する中間層を介して、内部層に取り付けられており、最前面層が、内部層に対する付着性よりも弱い付着性を、スキン層の第2主表面に対して有することにより、取り外し可能なキャリアフィルムが、最前面層とスキン層との境界面に相当する剥離表面に沿って、一体型保護層から不可逆的に剥離する傾向がある、実施形態9〜実施形態11のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態13は、スキン層の第2主表面に対する最前面ポリマー層の付着性が、第1の剥離力によって特徴付けられ、下に存在する層に対する最前面ポリマー層の付着性が、第2の剥離力によって特徴付けられ、第2の剥離力が、第1の剥離力の少なくとも2倍である、実施形態12の物品である。
実施形態14は、一体型保護層が、38℃及び相対湿度100%で、約0.005g/m/日未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する、実施形態1〜実施形態13のうちのいずれか1つの物品である。
実施形態15は、光電子デバイスであって、主表面と、実施形態1〜実施形態14のうちのいずれか1つの物品とを備え、その物品のバリアスタックが、この光電子デバイスの主表面に取り付けられている、光電子デバイスである。
実施形態16は、光電子デバイスであって、
主表面と、
第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と、
そのスキン層の第1主表面上にコーティングされているバリアスタックであって、これらスキン層及びバリアスタックが、一体型保護層を形成し、この一体型保護層が、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する、バリアスタックとを備え、
このバリアスタックが、その光電子デバイスの主表面に取り付けられている、光電子デバイスである。
実施形態17は、光電子デバイスの主表面が、ガラス表面ではない、実施形態15又は実施形態16の光電子デバイスである。
実施形態18は、接着剤層を更に備え、バリアスタックが、その接着剤層によって、光電子デバイスの主表面に取り付けられている、実施形態15〜実施形態17のうちのいずれか1つの光電子デバイスである。
実施形態19は、接着剤層が、光学的に透明な接着剤、又はバリア接着剤を含む、実施形態18の光電子デバイスである。
実施形態20は、主表面を備える有機発光ダイオード(OLED)デバイスであり、バリアスタックが、接着剤層を介して、そのOLEDの主表面に取り付けられている、実施形態15〜実施形態19のうちのいずれか1つの光電子デバイスである。
実施形態21は、量子ドット粒子が内部に埋め込まれたポリマーマトリックス層を備える、光変換デバイスであり、その主表面が、ポリマーマトリックス層の表面であり、バリアスタックが、そのポリマーマトリックス層の表面に直接取り付けられており、バリアスタックと表面との間には、接着剤が全く存在していない、実施形態15〜実施形態20のうちのいずれか1つの光電子デバイスである。
実施形態22は、実施形態1〜14のうちのいずれか1つの物品の使用方法であって、
基材を準備することと、
その基材に、実施形態1の物品の一体型保護層を取り付けることと、
その一体型保護層から、取り外し可能なキャリアフィルムを取り外すこととを含む、方法である。
実施形態23は、
主表面を有する取り外し可能なキャリアフィルムを準備することと、
その取り外し可能なキャリアフィルムの主表面上に配置されている、熱可塑性ポリマースキン層を準備することであって、この熱可塑性ポリマースキン層が、第1主表面と、反対側に第2主表面を有し、その熱可塑性ポリマースキン層の第2主表面が、取り外し可能なキャリアフィルムの主表面に、剥離可能に取り付けられている、熱可塑性ポリマースキン層を準備することと、
スキン層の第1主表面上に、バリアスタックをコーティングすることであって、これら熱可塑性ポリマースキン層及びバリアスタックが、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する一体型保護層を形成する、バリアスタックをコーティングすることと、を含む、方法である。
実施形態24は、取り外し可能なキャリアフィルムを、その取り外し可能なキャリアフィルムと一体型保護層との境界面に沿って剥離することによって、一体型保護層から取り外すことを更に含む、実施形態23の方法である。
実施形態25は、バリアスタックが、無機バリア層及び架橋ポリマー層を備え、この架橋ポリマー層が、熱可塑性ポリマースキン層の第1主表面上に配置されている、実施形態23又は実施形態24の方法である。
実施形態26は、取り外し可能なキャリアフィルムが、一体型保護層よりも少なくとも2倍厚い、実施形態23〜実施形態25のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態27は、一体型保護層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、実施形態23〜実施形態26のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態28は、熱可塑性ポリマースキン層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、実施形態23〜実施形態27のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態29は、バリアスタックの厚さが、約5nm〜約10マイクロメートルの範囲である、実施形態23〜実施形態28のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態30は、熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びポリスチレンからなる群から選択される、1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、実施形態23〜実施形態29のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態31は、熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含む、実施形態30の方法である。
実施形態32は、取り外し可能なキャリアフィルムが、スキン層の第2主表面に取り付けられた最前面層と、最前面層に、そのスキン層とは反対側に取り付けられた内部層とを含む、ポリマー層のスタックを備える、実施形態30又は実施形態31の方法である。
実施形態33は、最前面層が、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンド、プロピレンコポリマーとエチレンαオレフィンコポリマーとのブレンド、又はプロピレンコポリマーとオレフィンブロックコポリマーとのブレンドを含む、ポリマー組成物Bを有する、実施形態32の方法である。
実施形態34は、内部層が、半結晶性ポリエステルを含むポリマー組成物Aを有する、実施形態32又は実施形態33の方法である。
実施形態35は、最前面層が、最前面層と内部層との間の、組成物Cを有する中間層を介して、内部層に取り付けられており、最前面層が、内部層に対する付着性よりも弱い付着性を、スキン層の第2主表面に対して有することにより、取り外し可能なキャリアフィルムが、最前面層とスキン層との境界面に相当する剥離表面に沿って、一体型保護層から不可逆的に剥離する傾向がある、実施形態32〜実施形態34のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態36は、スキン層の第2主表面に対する最前面ポリマー層の付着性が、第1の剥離力によって特徴付けられ、下に存在する層に対する最前面ポリマー層の付着性が、第2の剥離力によって特徴付けられ、第2の剥離力が、第1の剥離力の少なくとも2倍である、実施形態35の方法である。
実施形態37は、一体型保護層が、38℃及び相対湿度100%で、約0.005g/m/日未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する、実施形態23〜実施形態36のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態38は、熱可塑性ポリマースキン層の第1主表面上に、第1の架橋ポリマー層が配置され、その第1の架橋ポリマー層上に、無機バリア層が配置されている、実施形態2の物品である。
実施形態39は、バリアスタックが、第2の架橋ポリマー層を更に備え、無機バリア層が、第1の架橋ポリマー層及び第2の架橋ポリマー層によって挟まれている、実施形態38の物品である。
実施形態40は、熱可塑性ポリマースキン層の第1主表面上に、無機バリア層が配置され、その無機バリア層上に、第1の架橋ポリマー層が配置されている、実施形態2の物品である。
本開示の施行を、以下の詳細な実施例に関連して、更に説明するものとする。これらの実施例は、様々な具体的かつ好ましい実施形態及び技術を、更に例示するために提供される。しかしながら、本開示の範囲内に留まりつつ、多くの変更及び修正を加えることができる点を理解されたい。
これらの実施例は、単に例示を目的とするものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を過度に限定することを意味するものではない。本開示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは、近似値ではあるが、特定の実施例で記載される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、それらの各試験測定値内に見出される標準偏差から必然的に生じる、一定の誤差を本質的に含む。最低限でも、また特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてでもなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数を踏まえて、通常の四捨五入法を適用することによって、解釈されるべきである。
材料の概要
別途注記がない限り、実施例及び本明細書の残りの箇所における全ての部、百分率、比率などは、重量基準である。加えて、表1は、以下の実施例で使用された全ての材料に関する、略称及び供給元を提示するものである。
Figure 2018525243
試験方法
以下の試験方法を使用して、本開示の実施例のうちの一部を評価した。
以下で説明されるような、カルシウム腐食試験を使用して、防湿バリア性能を測定するものとした。最初に、早期の腐食を防ぐための不活性環境内で、金属カルシウムの薄い不透明な反射層(厚さ約100nm)を、スライドガラス上に熱蒸着させた。同時に、バリア接着剤のシートを、実施例に積層した。次いで、この接着剤を有する試料を、Caコーティングされたスライドガラスに積層した。次いで、このスライドを、60C/90%RHに曝し、エージングの間の異なる時点で、高解像度の光学式スキャナを使用して、そのスライドを検査した。水分が保護層に浸透すると、金属カルシウムが腐食し、金属カルシウムが、不透明材料から透明酸化物に変換される。光学式スキャナは、この反応を、スライドの光学濃度の損失として判断し、この特性は、水蒸気透過率(WVTR)と相関している。
一部の試料のWVTRはまた、MOCON PERMATRAN−W(登録商標)700 WVTR試験システム(MOCON Inc.(Minneapolis,MN)より市販)も使用して、測定した。直径4インチの試料を、コーティングされたフィルムのシートから切り出して、計器内に装填し、この計器を、WVTRの定常状態測定値が得られるまで、50℃の100%RHで、フィルムの一方の面を検証するように設定した。この計器の検出下限値は、約0.005g/m/日である。
実施例1:
実施例1においては、図2に示されるものと同様の構造体を有する多層ポリマーフィルムを形成することによって、薄い熱可塑性ポリマースキン層を有する、キャリアフィルム基材を作製した。層A(0.2mil又は5マイクロメートル)/層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.2mil又は5マイクロメートル)の対称構造体を有する、5層スタックを形成した。最上層A(0.2mil又は5マイクロメートル)は、上述のように、下に存在する層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)から取り外し可能な、薄い熱可塑性ポリマースキン層とした。層A及び層Bは、それぞれ、ポリマー組成物A及びポリマー組成物Bを有し、これらは、互いに共押出成形可能であり、全て204℃(400°F)以上の温度で溶融加工可能なものとした。押出成形機、ダイ、及びフィードブロックは、これらの実施例で説明される試料の押出成形の間、500〜530°F(260〜277℃)の温度まで加熱した。以下のポリマー組成物及び押出成形機の流速を、使用するものとした。
・ポリマー組成物A:固有粘度0.60のPET樹脂、約82kg/時の流速;及び
・ポリマー組成物B:約90重量%(約57kg/時の流速)のポリプロピレン/ポリエチレンコポリマー(Total Petrochemicals,Inc.(Houston,TX,USA)による製品コードPP8650)と、約10重量%(6.3kg/時の流速)のスチレン(エチレン/ブチレン)スチレン(SEBS)ブロックコポリマー樹脂(Kraton Performance Polymers Inc.(Houston,TX,USA)による製品コードKRATON G1657)とのブレンド。
Figure 2018525243
上記の表2は、層A(0.2mil又は5マイクロメートル)/層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.2mil又は5マイクロメートル)の対称構造体を有する5層スタックに関する、ポリマー組成物及び押出成形機の流速を列挙している。
バリアフィルム又はバリアコーティングは、米国特許第5,440,446号(Shawら)及び同第7,018,713号(Padiyathら)(双方とも参照により本明細書に組み込まれる)で説明されるコーターと同様の真空コーター内で、上述の構成の基材を、ポリマー基層(層1)、無機ケイ素アルミニウム酸化物(SiAlOx)バリア層(層2)、及び保護ポリマー層(層3)のスタックで覆って、調製した。個々の層は、以下のように形成した。
層1(ポリマー基層):幅366mmの不定長のフィルムを、ロールツーロール真空処理チャンバ内に装填した。このチャンバを、2×10−5Torrの圧力まで脱気した。フィルムの裏面と−10℃に冷却されたコーティングドラムとの接触を維持しながら、4.9メートル/分のウェブ速度を保持した。裏面をドラムと接触させた状態で、そのフィルムの表側表面を、0.02kWのプラズマ出力の窒素プラズマで処理した。次いで、そのフィルムの表側表面を、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートモノマー(Sartomer USA(Exton,PA)より商品名「SR−833S」で入手)でコーティングした。このモノマーは、コーティングの前に、20mTorrの圧力まで真空脱気して、シリンジポンプ内に充填し、260℃に維持されている加熱気化チャンバ内に、60kHzの周波数で動作する超音波噴霧器を介して、1.33mL/分の流速でポンプ圧送した。得られたモノマー蒸気流を、フィルム表面上に凝縮させ、7.0kV及び4mAで動作するマルチフィラメント電子ビーム硬化銃を使用して電子ビーム架橋することにより、厚さ750nmのポリマー基層を形成した。
層2(無機層):ポリマー基層の堆積の直後、フィルムの裏面を依然としてドラムと接触させた状態で、そのポリマー基層の上部に、SiAlOx層をスパッタ堆積させた。2つの40kHz交流(AC)電源を使用して、2対のカソードを制御し、各カソードは、2つの90%Si/10%Alのスパッタリングターゲット(Soleras Advanced Coatings US(Biddeford,ME)より入手)を収容していた。スパッタ堆積の間、各電源からの電圧信号を、比例−積分−差動制御ループへの入力として使用して、各カソードに対する所定の酸素流を維持した。スパッタリング条件は、16kWのAC電力で、350立方センチメートル毎分(sccm)のアルゴン及び213sccmの酸素を含有する気体混合物を流し、3.5mTorrのスパッタ圧とした。これにより、ポリマー基層(層1)の上部に堆積している、厚さ24nmのSiAlOx層を得た。
層3(保護ポリマー層):SiAlOx層の堆積の直後、フィルムを依然としてドラムと接触させた状態で、層1に関するものと同じ一般条件を使用して、第2のアクリレートをコーティング及び架橋したが、ただし、(1)電子ビーム架橋は、7kV及び10mAで動作するマルチフィラメント電子ビーム硬化銃を使用して実施した。これにより、層3の上部に、750nmのアクリレート層を得た。(2)保護ポリマー層は、3重量%のN−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Evonik(Essen,DE)よりDYNASYLAN 1189として入手)と、残部のSARTOMER SR833Sとを含有するものとした。フィルム基材の全体構成上の、このバリアコーティングの構成は、Mocon Permatranの水蒸気検出限界を下回るWVTR(すなわち、<0.005g/m/日)を呈するものである。
このバリアスタックのコーティング、及びCaコーティングされているスライドガラスへの積層の後、不要な層、すなわち、層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層B(0.5mil又は12.7マイクロメートル)/層A(0.2mil又は5マイクロメートル)のキャリアフィルム基材を剥離取り外して、極薄保護層(すなわち、薄いスキン層A+バリアスタック)を、Caコーティングされているスライドガラスに付与して、PET(0.2mil又は5マイクロメートル)/バリアスタック(0.06mil又は15マイクロメートル)/接着剤/カルシウム/ガラスの構造体を得た。
カルシウム腐食試験の試料を、上述のように、実施例1から作製した。実施例1に関しては、キャリアフィルム基材を剥離して取り外す前後に、カルシウム腐食試験を実施した。この多層フィルム全体(例えば、キャリアフィルム、スキン層、バリアスタック、及び接着剤)を、0〜213時間にわたってエージングしたところ、カルシウムの損失は殆ど観察されなかった。次いで、スキン層及びバリアスタックに損傷を与えることなく、キャリアフィルムを取り外した。最終的に、更に65時間にわたって、再度その試料をエージングしたところ、更なるカルシウム損失は殆ど示されなかった。実施例1はまた、積層の直後にキャリアフィルム基材を剥離して、同様にしてエージングすることによっても試験した。観察されたカルシウム腐食は、同じ挙動を示している。
実施例2:
実施例2は、2mil(51マイクロメートル)のPET基材に適用されたバリアコーティングと、実施例1とを、それぞれ組み合わせることによって調製するものとした。実施例2を、カルシウムコーティングされているスライドガラスに、接着剤で積層して、2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/0.2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/カルシウム/ガラスの構造体を得た。
実施例3:
実施例3は、バリアコーティングされている0.2milのPETの2つの層を組み合わせて、調製した。実施例3を、カルシウムコーティングされているスライドガラスに、接着剤で積層して、0.2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/0.2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/カルシウム/ガラスの構造体を得た。
比較例A:
比較例Aは、単一のバリアスタック(ポリマー層/酸化物層/ポリマー層の3層構成)を、2milのPET基材上に配置して、次いで、カルシウムコーティングされているスライドガラスに、接着剤で積層することにより、2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/カルシウム/ガラスの構造体を得て、調製した。
比較例B:
比較例Bは、比較例Aに基づいて、第2の2milのPET基材上に、第2のバリアを配置して、次いで、カルシウムスライドに積層することにより、2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/2milのPET/0.06milのバリアスタック/接着剤/カルシウム/ガラスの構造体を得て、調製した。
実施例1’、実施例2’、及び実施例3’:
実施例1’、実施例2’、及び実施例3’は、対応する実施例1、実施例2、及び実施例3と同じ構造体並びに組成物を有するが、ただし、バリアフィルム又はバリアコーティングを、以下のように調製した。
バリアフィルム又はバリアコーティングは、米国特許第8,187,679号及び米国特許出願公開第2014/0242736号(参照により本明細書に組み込まれる)に記述されているコーターと同様の真空コーター内で、上述の構成の基材を、無機ケイ素アルミニウム酸化物(SiAlOx)バリア層(層1)及び保護ポリマー層(層2)のスタックで覆って、調製した。個々の層は、以下のように形成した。
層1(無機ケイ素アルミニウム酸化物(SiAlOx)バリア層):米国特許第8,187,679号及び米国特許出願公開第2014/0242736号に記述されているプロセスによって、11nmの非晶質SiAlOxのフィルムを、原子層堆積(ALD)によって堆積させた。ここで、幅100mmの不定長のフィルムを、真空処理チャンバ内に装填して、0.01Torrの圧力まで脱気し、100℃の温度まで加熱した。堆積の前に、このフィルムを、酸素プラズマに、200Wの出力で約3秒間にわたって曝した。堆積の間、30メートル/分のウェブ速度、及び1.4Torrのチャンバ圧を維持しつつ、このフィルムを、周期的に、分圧0.1Torrの、Air Liquide(Philadelphia,PA)より商品名SAM.24で市販の第1のALD前駆体(前駆体1)に曝した後に、窒素及び二酸化炭素の70/30重量パーセント混合物から生成された、450Wのプラズマに曝し、その後に、分圧0.1Torrの、STREM chemicals Inc.(Newburyport,MA)より市販の第2のALD前駆体(前駆体2、トリメチルアルミニウム又はTMA)に曝した後に、窒素及び二酸化炭素の70/30重量パーセント混合物から生成された、450Wのプラズマに曝した。このシステムの幾何学的配置は、前駆体ゾーン1及び前駆体ゾーン2への曝露が、約1.3秒となり、プラズマへの曝露が、約0.3秒となるようなものである。この処理サイクルを、27回にわたって繰り返すことにより、最終的に11nmのSiAlOx膜厚を得た。
層2(保護ポリマー層)は、「B.L.Danforth,E.R.Dickey/Surface&Coatings Technology 241(2014)142−147)」に記述されている方法によって堆積した。ここで、Van Technologies Inc.(Duluth,MN)より商品名KF4で市販のUV硬化性アクリレートの、1マイクロメートルの層を、層1の上部に、その表面に約5ミリリットルのKF4を供給した後、毎分4000回転で30秒間にわたってスピンコーティングすることによって、堆積した。得られた液体フィルムを、Dymax 5000−EC UV光硬化ステーションを使用して、400ワット毎インチの電力密度で、5分間にわたって硬化させた。フィルム基材の全体構成上の、このバリアコーティングの構成は、Mocon Inc.(Minneapolis,MN)製のPERMATRAN−W700 WVTR計器によって、50℃及び100%RHで測定した場合、0.01g/m/日のWVTRを呈するものであった。
実施例1、実施例1’、実施例2、及び実施例2’、並びに比較例A及び比較例Bに関する、カルシウム試験の結果は、積層されている極薄保護層(実施例1a〜b及び実施例2a〜b)が、バリアコーティングされている単一の2milのPET(比較例A)よりも、遥かに良好な耐カルシウム腐食性(すなわち、WVTR)をもたらし、二重の2milのPETの実施例(比較例B)と同様の性能をもたらすことを、明確に示すものである。実施例1、実施例1’、実施例2、及び実施例2’は、比較例Bと比べて、最終構成において遥かに少ないPETを有するものである。
本明細書の全体を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「実施形態」への言及は、用語「実施形態」の前に、用語「例示的」が含まれているか否かに関わらず、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通して、様々な箇所での「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの、同じ実施形態に言及するものではない。更には、それら特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な方式で組み合わせることができる。
本明細書では、特定の例示的な実施形態が詳細に説明されてきたが、当業者には、上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び等価物を容易に想起することができる点が、理解されるであろう。したがって、本開示は、本明細書で以上に記載した例示的な実施形態に、過度に限定されるものではないことを理解されたい。具体的には、本明細書で使用するとき、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含むことが意図される(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。更には、本明細書で使用される全ての数は、用語「約」によって修飾されるものと想定される。
更には、本明細書で参照される全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれるように、詳細かつ個別に指示されている場合と同じ程度で、それらの全容が参照により組み込まれる。様々な例示的な実施形態が説明されてきた。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれるものである。

Claims (24)

  1. 第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と、
    前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第1主表面上にコーティングされているバリアスタックであって、前記熱可塑性ポリマースキン層及び前記バリアスタックが、一体型保護層を形成し、前記一体型保護層が、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する、バリアスタックと、
    前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第2主表面に剥離可能に取り付けられている主表面を有する、取り外し可能なキャリアフィルムであって、前記一体型保護層を支持するように構成されている、取り外し可能なキャリアフィルムと、を備える、物品。
  2. 前記バリアスタックが、無機バリア層及び第1の架橋ポリマー層を備える、請求項1に記載の物品。
  3. 前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第1主表面上に、前記第1の架橋ポリマー層が配置され、前記第1の架橋ポリマー層上に、前記無機バリア層が配置されている、請求項2に記載の物品。
  4. 前記バリアスタックが、第2の架橋ポリマー層を更に備え、前記無機バリア層が、前記第1の架橋ポリマー層及び前記第2の架橋ポリマー層によって挟まれている、請求項3に記載の物品。
  5. 前記取り外し可能なキャリアフィルムが、前記一体型保護層よりも少なくとも2倍厚い、請求項1に記載の物品。
  6. 前記一体型保護層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、請求項1に記載の物品。
  7. 前記熱可塑性ポリマースキン層の厚さが、約0.01mil(0.254マイクロメートル)〜約0.5mil(12.7マイクロメートル)の範囲である、請求項1に記載の物品。
  8. 前記バリアスタックの厚さが、約5nm〜約10マイクロメートルの範囲である、請求項1に記載の物品。
  9. 前記熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びポリスチレンからなる群から選択される、1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の物品。
  10. 前記熱可塑性ポリマースキン層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含む、請求項9に記載の物品。
  11. 前記取り外し可能なキャリアフィルムが、前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第2主表面に取り付けられた最前面層と、前記最前面層に、前記熱可塑性ポリマースキン層とは反対側に取り付けられた内部層とを含む、ポリマー層のスタックを備える、請求項1に記載の物品。
  12. 前記最前面層が、プロピレンコポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとのブレンド、プロピレンコポリマーとエチレンαオレフィンコポリマーとのブレンド、又はプロピレンコポリマーとオレフィンブロックコポリマーとのブレンドを含む、ポリマー組成物Bを有する、請求項11に記載の物品。
  13. 前記内部層が、半結晶性ポリエステルを含むポリマー組成物Aを有する、請求項11に記載の物品。
  14. 前記最前面層が、前記最前面層と前記内部層との間の、組成物Cを有する中間層を介して、前記内部層に取り付けられており、前記最前面層が、前記内部層に対する付着性よりも弱い付着性を、前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第2主表面に対して有することにより、前記取り外し可能なキャリアフィルムが、前記最前面層と前記熱可塑性ポリマースキン層との境界面に相当する剥離表面に沿って、前記一体型保護層から不可逆的に剥離する傾向がある、請求項11に記載の物品。
  15. 前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第2主表面に対する前記最前面ポリマー層の前記付着性が、第1の剥離力によって特徴付けられ、前記下に存在する層に対する前記最前面ポリマー層の前記付着性が、第2の剥離力によって特徴付けられ、前記第2の剥離力が、前記第1の剥離力の少なくとも2倍である、請求項14に記載の物品。
  16. 前記一体型保護層が、38℃及び相対湿度100%で、約0.005g/m/日未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する、請求項1に記載の物品。
  17. 光電子デバイスであって、主表面と、請求項1に記載の物品とを備え、前記物品の前記バリアスタックが、前記光電子デバイスの前記主表面に取り付けられている、光電子デバイス。
  18. 光電子デバイスであって、
    主表面と;
    第1主表面と、反対側に第2主表面を有する熱可塑性ポリマースキン層と;
    前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第1主表面上にコーティングされたバリアスタックであって、前記熱可塑性ポリマースキン層及び前記バリアスタックが、一体型保護層を形成し、前記一体型保護層が、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する、バリアスタックと、を備え、
    前記バリアスタックが、前記光電子デバイスの前記主表面に取り付けられている、光電子デバイス。
  19. 接着剤層を更に備え、前記バリアスタックが、前記接着剤層によって、前記光電子デバイスの前記主表面に取り付けられている、請求項17又は18に記載の光電子デバイス。
  20. 前記接着剤層が、光学的に透明な接着剤、又はバリア接着剤を含む、請求項19に記載の光電子デバイス。
  21. 主表面を備える有機発光ダイオード(OLED)デバイスであり、前記バリアスタックが、前記接着剤層を介して、前記主表面に取り付けられている、請求項18に記載の光電子デバイス。
  22. 量子ドット粒子が内部に埋め込まれたポリマーマトリックス層を備える、光波長変換デバイスであり、前記主表面が、前記ポリマーマトリックス層の表面であり、前記バリアスタックが、前記ポリマーマトリックス層の前記表面に直接取り付けられており、前記バリアスタックと前記表面との間には、接着剤が全く存在していない、請求項19に記載の光電子デバイス。
  23. 主表面を有する取り外し可能なキャリアフィルムを準備することと、
    前記取り外し可能なキャリアフィルムの前記主表面上に配置されている、熱可塑性ポリマースキン層を準備することであって、前記熱可塑性ポリマースキン層が、第1主表面と、反対側に第2主表面を有し、前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第2主表面が、前記取り外し可能なキャリアフィルムの前記主表面に、剥離可能に取り付けられている、熱可塑性ポリマースキン層を準備することと、
    前記熱可塑性ポリマースキン層の前記第1主表面上に、バリアスタックをコーティングすることであって、前記熱可塑性ポリマースキン層及び前記バリアスタックが、約0.5mil(12.7マイクロメートル)以下の厚さを有する一体型保護層を形成する、バリアスタックをコーティングすることと、を含む、方法。
  24. 前記取り外し可能なキャリアフィルムを、前記取り外し可能なキャリアフィルムと前記一体型保護層との境界面に沿って剥離することによって、前記一体型保護層から取り外すことを更に含む、請求項23に記載の方法。
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