JP4010399B2 - 医療器具用易剥離多層シートと成形容器及びそれらの製造方法 - Google Patents

医療器具用易剥離多層シートと成形容器及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療器具を収納又は持ち運びするのに用いるプラスチック製のトレー等の容器であって、特に手術や検査に用いる器具を収納するための、表面が無菌状態のプラスチック製容器に関する。尚、本発明において樹脂組成物の配合組成を表す単位は、特に断らない限り質量基準の値である。
【0002】
【従来の技術】
従来、手術器具、検査器具及び処置器具等の医療器具は、病院の手術室や検査室で行われる各種手術、検査及び処置等に際して、患者への二次感染を防ぐため、予め消毒あるいは滅菌処理された清潔なものを準備した上で使用されている。近年、医療現場においては、医療の際に用いる各種の医療器具、特に注射器、ガーゼ、綿球、ピンセット及び止血テープ等の滅菌処理を要する医療器具や、これらの器具を整理して収納したり、使用中の器具を洗浄したり、摘出した患部等を収納するためのトレー、ボウル及びバット等の容器等を、プラスチック製袋に詰めて封止しこれを医療キットパックとして滅菌処理して用いることが普及してきている。この医療キットパックは、必要な作業別毎に予めまとめてセットされていることから、作業に入る前に必要な医療器具を取り揃えて準備しておく手間が軽減され、開封後すぐに使用することができ、しかも使用後はそのまま廃棄すればよく、滅菌作業の合理化、滅菌装置の簡素化及び院内感染の予防等の面から有効に活用されている。
【0003】
しかしながら、キットパックとして滅菌処理する方法は、前記のように医療作業の効率化に有効である反面、種々の器具を同じキットパックで処理することから、これら器具の内トレー等の容器は、一旦滅菌作業は行われているものの、キットパックから取り出して使用している際に、作業環境中のほこりや、手術現場や処置室で発生した血液等で汚染される危険性があった。従って滅菌処理したキットパックから取り出して、使用直前まで表面を確実かつ簡便に無菌状態に保つ手段が望まれていた。一方で検査室で用いられるトレー等の容器についても、一旦滅菌したトレー等の容器の表面に、その使用前にほこりが付いたり、空気中の細菌が付着する可能性があり、前記と同様に使用直前までその表面を保護する簡便な手段が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、医療器具や患部に直接触れる可能性のある部材等を収納しておく容器において、その容器を使用する直前まで表面を無菌状態に保つことのできる容器、及びその容器を成形する為の多層シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、特定組成の樹脂多層シート及びそれからなる成形品において、基材層と表層がその界面において剥離可能とし、その使用直前に表層を剥離することにより、界面が実質的に無菌である容器が得られることを見出し本発明に至った。即ち、少なくとも(A)基材層、(B)表層の2層の熱可塑性プラスチックからなる積層シートであって、基材層と表層間の180度剥離強度がJIS−K6854−2法による測定で0.10〜2.0N/25mmである医療器具用易剥離多層シート、及びそれを熱成形してなり、基材層と表層間の180度剥離強度が0.15〜3.0N/25mmである容器である。また、少なくとも(A)基材層及び(B)表層を有し、(A)基材層が下記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有し、(B)表層がポリオレフィン系樹脂からなり、(A)基材層が150〜1500μmで、(B)表層が10〜100μmの厚さで、(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度が0.10〜2.0N/25mmである医療器具用易剥離多層シート、及びそれを熱成形してなり、基材層と表層間の180度剥離強度が0.15〜3.0N/25mmである容器である。
(a): ポリスチレン 0〜80%
(b): スチレン−ブタジエングラフト共重合体 20〜98%
(c): スチレン系ブロック共重合体 2〜7%
(B)表層としては前記剥離強度が適切な範囲であれば特に限定されないが、ポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。更にこれ等の多層シートは、無菌界面を容易に得ることから、共押出法により製膜することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の医療器具用多層シートと成形品及びそれらの製造方法について詳細に説明する。
【0007】
一般に医療器具に使用されている、トレー、ボウル及びバット等のプラスチック製器具は、プラスチック原料からシート状に成形された後、真空成形等の熱成形されるか、原料ペレットから直接射出成形により製造され、使用目的毎にキットパックとよばれるセットにまとめられ、キット単位で滅菌処理され使用するまで保管される。そのトレーの代表的な形状を図3に示した。しかしながら、前記のようにキットの中には様々な器具が同時に保管されており、開封後使用する迄に再度汚染される危険性があった。
【0008】
本発明の多層シートは、図1に示すように、基材層(1)と表層(2)から構成される。また、このシートから熱成形により成形された図2に示す成形品は、表層(2)と基材層(1)間の剥離強度が、0.15〜3.0N/25mmに調整されているので、表層(2)を基材層(1)から容易に剥離することができ、残された基材層(1)からなる成形体を容器として用いることで、容易にその表面が無菌状態の容器を得ることが出来る。また表層(2)は、必要に応じ、基材層(1)の両側に設けることも可能である。
【0009】
本発明でいう剥離強度は、JIS−K6854−2法により測定した(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度であり、本発明の多層シートでは、0.10〜2.0N/25mmであり、好ましくは0.10〜1.5N/25mmである。0.10N/25mm未満では、多層シートを製膜する段階の、冷却、巻き取り時又はロール状に巻かれたシートを搬送する際に基材層と表層が剥離する。又、2.0N/25mmを越えると、この多層シートを熱成形により容器に成形したときに、容器での剥離強度が高くなりすぎる。
【0010】
一方で、この多層シートを熱成形した容器における(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度は、実用性からみて、0.15〜3.0N/25mmであり、好ましくは0.15〜2.0N/25mmである。0.15N/25mm未満では、使用前のハンドリング中に意図せずに剥離する可能性が有る。一方で、剥離強度が3.0N/25mmを越えると、容器の使用直前に、基材層から表層を手で剥離する際に、多大な力を要して迅速な作業が困難となるか、更に剥離強度が強い場合は、手による剥離ができない。
【0011】
本発明で(A)基材層に用いる樹脂は、医療用に使用でき、且つ前記のような表層との剥離強度に調整できるものであれば良いが、そのような特性を有するものとして、(a)ポリスチレン、(b)スチレン−ブタジエングラフト共重合体、及び(c)スチレン系ブロック共重合体を含有する組成物が好ましい。ここで(a)ポリスチレンとは、一般の透明ポリスチレンであり、塊状ラジカル重合法、縣濁重合法又はアニオン重合法等の既知の重合法により得られたものである。このポリスチレンは、基材層に0〜80%の範囲で含有されるのが好ましい。本発明の多層シートの(A)基材層と(B)表層の剥離強度は、(A)基材層の(a)ポリスチレン及び(b)スチレン−ブタジエングラフト共重合体と、(c)スチレン系ブロック共重合体の組成比によって制御される。従って剥離強度のみの観点からは、(a)ポリスチレンを含有しなくても(b)スチレン−ブタジエングラフト共重合体の含有量を調整することで、前記の本発明の剥離強度の範囲を得ることができるが、容器の剛性が必要な場合に80%を越えない範囲で用いることが好ましい。80%を超えると、基材層が脆くなり、容器の衝撃強度が低下するため、使用中に容器の割れを生じる恐れがある。
【0012】
次に(A)基材層に用いる(b)スチレン−ブタジエングラフト共重合体は、ゴム成分を2〜15%含有するいわゆる耐衝撃性ポリスチレンである。基材層の含有量は、20〜98%が好ましい。含有量が20%未満では基材層の衝撃強度の補強効果が小さく、使用中に容器の割れを生じる恐れがあり好ましくない。また、98%を超えると表層との接着性が弱く、多層シートを作る段階で基材層と表層が剥離することがあり好ましくない。
【0013】
前記の(a)ポリスチレン及び(b)スチレン−ブタジエングラフト共重合体のメルトインデックスは、溶融押出性と熱成形性などの点からいずれも0.5〜10g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは1〜6g/10分の範囲である。
【0014】
又、(A)基材層に用いる(c)スチレン系ブロック共重合体とは、スチレン系単量体及び共役ジエン単量体の連鎖を有した共重合体又はそれらの水素添加物であり、一般的には、その重合体中のスチレン系単量体の比率は10〜90%で、重量平均分子量は6万〜25万の範囲のものである。尚、本発明においてスチレン系単量体とは、スチレン又は、α−メチルスチレン等であり、共役ジエン系単量体とは、ブタジエン又はイソプレン等である。
【0015】
前記の(c)スチレン系ブロック共重合体の、スチレン系単量体及び共役ジエン系単量体の連鎖の形態は特に限定されるものではなく、それぞれの単量体の連鎖が連結した共重合体のみならず、例えば前記の連鎖を複数回繰り返したいわゆる「マルチブロック共重合体」であっても良く、一方で、スチレン系単量体及びジエン系単量体からなる連鎖を3〜5個、多官能性化合物により結合させたいわゆる「星型ブロック共重合体」であっても良い。又、その分子構造としては、それぞれの連鎖が完全連鎖もしくは、特開昭48−48456に見られる如く、スチレン系連鎖とジエン系連鎖の間に、それらの連鎖の比率が連続的に変化した遷移部を有するいわゆる「テーパードブロック構造」を持つもののいずれでもよい。 具体例としては、電気化学工業社製のデンカSTR−TR、デンカ−クリアレン、JSR社製JSR−TR、旭化成社製タフプレン、ソルプレン、アサフレックス、タフテック、フィルップス社製ソルプレン、Kレジン、シェル化学社製カリフレックスTR、クレイトンG、クラレ社製セプトン等があげられる。
【0016】
また、前記のようにこれらのブロック共重合体を水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)などの飽和型スチレン系ブロック共重合体が使用できる。
【0017】
この(c)スチレン系ブロック共重合体の基材層への含有量は2〜7%が好ましい。含有量が2%未満では基材層と表層との接着性が極端に弱くなり、シートを製膜する段階の冷却、巻き取り時、又はロール状に巻かれたシートを搬送する際に剥離する危険がある。更に容器にした後も使用前の保管中に意図せずに剥離してしまう可能性が有る。一方、7%を超えると、この多層シートを熱成形により容器成形したときに、表層の剥離強度が高くなりすぎて容易に剥離できず迅速な剥離作業が困難となるか、表層を剥離する際に途中で切れたりする不具合が発生しうまく剥離できない。
【0018】
本発明の(B)表層に用いる樹脂は、医療用に使用でき、前記のように(A)基材層と適切な剥離強度を有するものであれば良く、そのような樹脂としてポリオレフィン系樹脂が使用できる。更に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂又はエチレン酢酸ビニル共重合体等が使用できるが、基材との密着性からポリプロピレン系樹脂又は高圧法低密度ポリエチレンが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンを単独重合することによって得られるプロピレン単独重合体、または20%以下のコモノマー、例えばエチレン、アクリル酸エステル、マレイン酸等の不飽和有機酸およびその無水物、炭素数は4〜12個のα−オレフィン等の単量体単位をプロピレンと共重合して得られる共重合体が挙げられる。該重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもグラフト共重合体でも良い。また、これらを単独で使用しても2種以上を使用しても良い。
【0019】
本発明の多層シートの各層には、必要に応じて、公知の添加剤、たとえば、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤などの安定剤、滑剤、界面活性剤タイプ又は高分子タイプなどの帯電防止剤、充填剤もしくは可塑剤などを配合することができる。
【0020】
本発明の基材層の厚みは、熱成形が可能で、形状維持できる厚さが必要であるが、厚すぎると成形性や経済性の面で好ましくなく、150〜1500μmの範囲が好ましい。特に好ましくは、200〜1000μmの範囲である。また、表層の厚みは、薄すぎると破断し、厚すぎても剥離調整が困難となり、経済的にも好ましくなく、10〜100μmの範囲が好ましい。更に好ましくは、20〜80μmの範囲である。
【0021】
本発明の医療用易剥離多層シートの製造には、共押出、押出ラミネート又はドライラミネートなどの各種の積層化手法が使用可能である。共押出法としては、通常の複数台の押出機で、フィードブロック法またはマルチマニホールド法などの既知の多層積層法を採用し、Tダイ法による共押出製膜で製造することが一般であり、界面の無菌状態の確保と製造コスト面から好ましい。
【0022】
本発明の医療用易剥離多層シートは、ストレート法、ドレープ法又はプラグアシスト法などの通常真空成形や圧空成形、熱盤成形などの熱成形で成形することで所望の容器を得ることができる。また、剥離のきっかけを作るため、容器をシートから打ち抜く際に、容器のコーナー部の基材をハーフカットまたは全体にミシン目を設けることもできる。
【0023】
本発明のトレー、ボウル及びバット等の容器の使用方法は、使用直前に基材層から表層を剥離して、無菌状態にある基材層の表面を有する容器として、その表面に必要に応じて、医療器具や患部に直接触れる可能性のある部材等を収納しておくのに用いる。又、これらの容器を予め滅菌する方法は、特に限定されるものではないが、通常各種の医療器具等と一緒にプラスチック製の医療用キットパックとして滅菌処理される。
【0024】
【実施例】
以下本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
(実施例1) 基材層として、ポリスチレン(東洋スチレン社製、GPPS、商品名;トーヨースチロールHRM23)50%、スチレン−ブタジエングラフト共重合体(東洋スチレン社製、HIPS、商品名;トーヨースチロールE640N)46%、及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR社製、商品名;TR2000、スチレン40%、ブタジエン60%)4%を予めブレンドし、単軸押出機(シリンダ径65mm、L/D=32)にて、押出温度170〜210℃で溶融混練押出し、一方、表層としてポリプロピレン(サンアロマー社製、ランダムコポリマー、商品名;PF621S)単独で、単軸押出機(シリンダ径40mm、L/D=24)にて、押出温度210〜220℃で溶融押出し、フィードブロック法にて積層し、幅800mmのTダイにて基材層220μm、表層30μmの厚さの2層シートを作製した。得られた2層シートを真空成形機(浅野研究社製)により、縦17cm、横12cm、高さ0.8cmの図2に示す形状の容器に表層が内側になるように成形した。
【0025】
(実施例2〜4) 基材層の樹脂組成比を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
(実施例5) 基材層の樹脂組成比を表1のように変更し、基材層を400μmとした以外は、実施例1と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
(実施例6) 基材層の樹脂組成比を表1のように変更し、基材層を400μm、表層を70μmとした以外は、実施例1と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
【0026】
(比較例1〜2) 基材層の樹脂組成比を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
(比較例3) 基材層の樹脂組成比を表1のように変更し、基材層400μm、表層150μmとした以外は、実施例1と同様に多層シートの作製及び容器成形及び特性評価を行った。
【0027】
(特性評価) 各実施例及び比較例で得られた多層シート及び該成形容器の特性を、以下の方法で評価した。
(1)剥離強度および剥離性
底面(平面部)の基材層と表層間の180度剥離強度(25mm幅)を、JIS−K6854−2に準じて引張速度300mm/分で測定した。又、容器の基材層と表層の剥離性を、手剥離によって以下の基準で評価した。
○ : スムーズに剥離が可能。
△ : やや剥離が重いが手で剥離可能。
× : 剥離時に破れが生じるかもしくは剥離できない。
− : 容器成形時に剥離発生。
(2)容器の落下試験
容器内に300gの重りを載せ、高さ50cmからフランジ部を下に向け垂直に床面に落下した際に容器に割れの発生の有無で評価した。(サンプル数:10)
○ : 割れの発生全く無し。
△ : 一部割れが発生割れが発生。
【0028】
以上の評価結果を表1に示した。実施例1、2及び4〜6の多層シート及び容器は、表1に示すように適度の剥離強度を有し、容器の剥離性も良好であった。実施例3の多層シート及び容器は、剥離強度が高めであったが、容器の剥離性は使用可能な程度であった。又、実施例4の容器は、前記のように剥離性は良好だが、容器の落下試験で割れの発生するものがあり、取り扱いに注意を要するものであった。
【0029】
比較例1及び比較例3の多層シートは、剥離強度が低いことにより、容器成形時に剥離が発生してしまい実用性がなかった。又、比較例2の多層シート及び容器は、剥離強度が高く、容器から表層を剥がすのが困難で、コーナー部等で表層の破れが発生した。
【0030】
【表1】
Figure 0004010399
【0031】
【発明の効果】
本発明により得られた多層シートおよび成形品は、必要な時に表層を剥離することで、容易に無菌表面を発生させることができ、医療現場で使用されるトレー、ボウル、バット等のプラスチック製器具又は、生化学関連のシャーレ等の器具などに有用であり、 使用時点まで再度汚染される危険がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な易剥離多層シートの断面図である。
【図2】 本発明の易剥離多層シートを熱成形した容器の一例の斜視図である。
【図3】 本発明の代表的なトレーの断面図である。
【符号の説明】
1 基材層
2 表層

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)基材層及び(B)表層の2層の熱可塑性樹脂層を有し、(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度が0.10〜2.0N/25mmである多層シートを熱成形してなり、(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度が0.15〜3.0N/25mmである医療器具用容器。
  2. 少なくとも(A)基材層及び(B)表層を有し、(A)基材層が下記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有し、(B)表層がポリオレフィン系樹脂からなり、(A)基材層が150〜1500μmで、(B)表層が10〜100μmの厚さで、(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度が0.10〜2.0N/25mmである多層シートを熱成形してなり、(A)基材層と(B)表層間の180度剥離強度が0.15〜3.0N/25mmである医療器具用容器。
    (a): ポリスチレン 0〜80%
    (b): スチレン−ブタジエングラフト共重合体 20〜98%
    (c): スチレン系ブロック共重合体 2〜7%
  3. B )表層としてポリプロピレン系樹脂を使用することを特徴とする請求項2に記載の医療器具用容器。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の多層シートを熱成形することを特徴とした医療器具用容器の製造方法。
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