JP2004000523A

JP2004000523A - 血管形成カテーテル

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Publication number: JP2004000523A
Application number: JP2003084539A
Authority: JP
Inventors: G David Jang; ジャング，ジー．，デビッド
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-05-24
Filing date: 2003-03-26
Publication date: 2004-01-08
Also published as: US6821287B1; US20030100849A1; US6824554B1; EP0586571A1; WO1992020397A1; AU2158092A; AU662543B2; EP0586571A4; CA2103450A1; JP3469236B2; JPH06507805A

Abstract

【課題】ガイドワイヤーの迅速な交換及びカテーテルの迅速な交換の何れをも満足する血管カテーテルを提供する。
【解決手段】近位端および遠位端を有するカテーテルシャフト１２と、前記遠位端で前記カテーテルシャフトに取り付けられた血管形成バルーン２２と、前記血管形成バルーンの内部と連通したバルーン膨張ルーメン２４と、操作可能なガイドワイヤーを収容するためのガイドワイヤールーメン２０であって、ガイドワイヤーを前記ガイドワイヤールーメンに挿入するための近位側開口４４を前記カテーテルシャフトの近位端に有し、さらに前記カテーテルシャフトの側面を介して前記ガイドワイヤールーメンにガイドワイヤーを導入する通路の大きさを合わせたサイドポート４０を前記近位側開口の遠位側に有する前記ガイドワイヤールーメンと；前記カテーテルシャフトのほぼ全長に亘って延在するガイドワイヤーと；を備える血管形成カテーテル。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時のガイドワイヤーおよびカテーテルの迅速な交換に特に適した血管カテーテル（血管形成カテーテルなど）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
経皮経管冠動脈形成術（ＰＴＣＡ）は、狭窄・閉塞した冠状動脈の血管再生を目的としたバイパス手術に代わる主要な手段となってきている。経管血管形成術を末梢動脈疾患に応用することもあるが、むしろこの方法は冠動脈疾患の治療の方に広く用いられている。バイパス手術とは異なり、経皮血管形成術では普通の麻酔や胸壁切開、体外灌流、輸血などは必要ない。患者にとって、経皮冠動脈形成術は体内にさほど深く入り込まれずに傷も少なくてすむというだけでなく、血管形成術を受ける患者の入院期間や術後回復期間は短いので経済的にも安くすむ。
【０００３】
経皮経管血管形成術は、特別に設計された針で一方の鼠径部の皮膚を穿刺し、誘導カテーテル（一般に８〜９フレンチサイズ）を大動脈および冠動脈管口に挿管して行う。寸法と直径とが予め定められ、体内で膨らませたり脱気したりできるバルーンを有する小径カテーテルを目的の動脈の開口部分に位置した誘導カテーテル内に通す。拡張する必要のある閉塞点に向けて目的の動脈内にこのバルーンカテーテル（バルーンは陰圧によって完全に脱気状態にある）を挿管する。ガイドワイヤーは、バルーンカテーテルを目的の冠動脈まで外傷を作らずに安全に導入するのに重要な役割を果たす。カテーテルのバルーン部分を動脈の閉塞部位内に正確に位置決めし、Ｘ線透視装置による観察下、閉塞部位の動脈硬化血栓を除去し得る圧力で、生理食塩水と混合したコントラスト媒体を注入してバルーンを膨らませる。
【０００４】
１回に１０〜３０秒かけて１、２分のうちに複数回（膨張と次の膨張との間に血流が生じるようにしながら）狭窄部分でバルーンを膨らませれば動脈の閉塞部位を所望の程度に拡張することができる。バルーンを膨らませて所望の結果が認められた時点で、誘導カテーテル、（バルーンを陰圧で完全に脱気した）バルーンカテーテル、ガイドワイヤーを患者の動脈から抜去し、処置は成功に終わる。
【０００５】
経皮血管形成術で使用するバルーンの寸法および直径は、拡張させる動脈の閉塞部位の大きさおよび自然な状態での直径とほぼ一致させておくべきである。自然な状態での動脈よりもバルーンの寸法および直径の方が小さいとバルーン血管形成術を施術しても結果は最適以下となり、これより大きいバルーンを使用して二次拡張を行わなければならない。一方、自然な状態での動脈に比してバルーンの方が大きすぎる場合には動脈壁損傷による合併症を生む可能性もる。
【０００６】
血管形成術の施術にあたって、まずガイドワイヤーを所望の位置まで導入し、続いて血管形成カテーテルをガイドワイヤー上に挿管する。時には処置中にガイドワイヤーやバルーンカテーテルの入れ換え（すなわち交換）が必要になることもある。
【０００７】
例えば、バルーンが合わないような場合には疾患部位を適宜拡張するためにカテーテルを抜去し、これより大きいバルーンの付いたカテーテルと交換しなければならない。従来のワイヤーを用いたカテーテルを使用すると、カテーテルシャフト（筒）の全長に沿って端から端までルーメン（空隙）が延びてしまうので、カテーテルを抜去する前にまずガイドワイヤーの延長部分（例えば長さ１４５ｃｍ）を患者の体外で使用している規定ガイドワイヤー（例えば長さ１７５ｃｍ）に取り付けなければならない。このようにすることで、ガイドワイヤーの遠位端を正しい位置に保持しながらカテーテルを抜去し、新しいカテーテルと交換することができる。通常、このようなカテーテル交換には２、３人の術者を必要とする。
【０００８】
米国特許第４，７６２，１２９号に記載のカテーテルは、実質的にカテーテルの遠位端にのみ延在する短いガイドワイヤールーメンを備えることでガイドワイヤーや交換用ガイドワイヤー（例えば長さ３００ｃｍ）を延ばす必要性をなくしたものである。この種のカテーテルをここでは迅速交換カテーテルと呼ぶことにする。このように、ガイドワイヤーはカテーテルの長さに沿った端から端まで殆どの部分がカテーテルシャフトの外側にあり、遠位端部分でのみカテーテル内にある。１７５ｃｍの規定ガイドワイヤーを延ばさなくてもカテーテルを交換することができ、１、２人の術者がいれば交換を行える。しかしながらこのカテーテルにはガイドワイヤーの交換が難しいという大きな欠点がある。臨床現場ではガイドワイヤーの交換が必要になることの方が多いのである。
【０００９】
従来のワイヤーを用いた血管形成カテーテルでは、ガイドワイヤールーメン全体を延ばせばガイドワイヤーを簡単に交換することができる。血管形成処置時、ガイドワイヤー先端が破損したり、種類の異なるガイドワイヤーや患者の血管形成を完全なものとするための再成形などが必要になる場合もある。このような周知のワイヤを用いたカテーテルでガイドワイヤーを交換する手順は簡単である。しかしながら米国特許第４，７６２，１２９号の迅速交換型のカテーテルでガイドワイヤーを交換するためには、ガイドワイヤーと血管形成カテーテルの両方を全て抜去してから再挿入しなければならない。したがって、迅速交換カテーテルの優れた利点の本来の目的が意味のないものとなっている。
【００１０】
迅速交換カテーテルの他の欠点は逆流である。目的の血管を選択したり疾患部位を横断したりするためにガイドワイヤーを操作する時には、Ｔｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタを緩めなければならない。アダプタを緩めるということは、裏を返せば逆流が発生しやすくなるということである。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
従って、モノレールシステムのようにカテーテルを迅速に交換でき、周知のワイヤ上システムのように簡単にガイドワイヤーを交換できる血管形成カテーテルへの需要がある。また、利用者が迅速交換とワイヤ上システムとの間で使用モードを選択できるカテーテルも必要とされている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、近位端および遠位端を有するカテーテルシャフトと、遠位端でシャフトに取り付けられた血管形成バルーンと、シャフトを介して延在し、バルーンの内部と連通したバルーン膨張ルーメンと、シャフトおよびバルーンを介して延在し、操作可能なガイドワイヤーを収容するガイドワイヤールーメンと、を備え、ガイドワイヤールーメンは、シャフトの近位端にガイドワイヤーをルーメンに挿入するための近位側開口を有し、さらにカテーテルシャフトの側面を介したルーメンへのガイドワイヤーの通路と寸法の合うサイドポートを有し、サイドポートは近位側開口より遠位側に位置していることを特徴とする血管形成カテーテルが得られる。サイドポートは、任意に、ガイドワイヤーがサイドポートを介してガイドワイヤールーメンまで遠位側に延在し、バルーンカテーテルの先端で遠位側開口から外に出ることができるようにする一方で、サイドポートを介してガイドワイヤールーメンからガイドワイヤールーメンまでのガイドワイヤーの近位側への延在を防止するガイドワイヤー案内手段を備えてもよい。一実施態様において、サイドポートはバルーンと隣接してバルーンより近位側に位置している。また、サイドポートはバルーンの近位側約３５ｃｍ以内に位置してもよい。本願カテーテルの他の形として、サイドポートは近位端および遠位端を有し、サイドポートの遠位端は、カテーテルシャフトの長さ方向に対して略垂直に延在するガイドワイヤールーメンへの切り込みによって規定される。好ましくは、サイドポートの近位端をサイドポートの遠位端から外側に向けて近位側に次第に細く切り込んでおく。上述したカテーテルの他の形態として、サイドポートの近位端を、サイドポートの遠位端から近位側に延在するガイドワイヤールーメンを介して延在する切り込みとする。好ましい実施態様において、ガイドワイヤールーメンは外壁を有し、ガイドワイヤー案内手段は近位端および遠位端を有するガイドフラップ（弁）を備え、ガイドフラップの遠位端を次第に先細にしてガイドワイヤールーメン内に導入した状態でガイドフラップを近位端で外壁に取り付け、ガイドフラップの遠位端を外壁には取り付けずにおく。従って、サイドポートを介して遠位側に延在するガイドワイヤーは、ガイドフラップの遠位端を越えてガイドワイヤールーメンに挿入される。好ましくは、ガイドフラップはサイドポートより遠位側のガイドワイヤールーメンの外壁よりも相対的に見て可撓性のものとする。
【００１３】
上述したカテーテルのさらに他の形態において、シャフトの近位３５ｃｍ以内、好ましくは３０ｃｍ以内、さらに好ましくは２０ｃｍ以内に第１のサイドポートを備える。
【００１４】
本発明の一実施態様はさらにガイドワイヤールーメンの内部と連通した灌流開口を備え、灌流開口はサイドポートとバルーンとの間に位置している。
【００１５】
本発明の他の態様によれば、カテーテルシャフトと、近位端と、遠位端と、遠位端で膨張可能なバルーンと、近位端から遠位端まで延在するガイドワイヤールーメンと、を有する血管形成カテーテルを備え、ガイドワイヤールーメンは近位側開口および遠位側開口を有し、ガイドワイヤールーメンの全長に沿って延在するガイドワイヤーを収容でき、カテーテルシャフト内のサイドポートはガイドワイヤールーメンへの開口となり、サイドポートは近位側開口と遠位側開口との間でバルーンより近位側に位置し、ガイドワイヤーはカテーテルシャフトの外側からサイドポートを介して遠位側に延在し、遠位側開口から外に出る。好ましくは、サイドポートはバルーンから４０ｃｍ以内に位置し、より好ましくはバルーンから３０乃至２５ｃｍ以内に位置するとよい。一実施態様において、サイドポートは血管形成術を施術する患者の体内に位置する。
【００１６】
本発明は血管形成術の施術時に血管形成カテーテルを交換する方法も含む。この方法は、以下のようなステップを含む。ガイドワイヤーとバルーンカテーテルとを誘導カテーテル内に導入する前に、ガイドワイヤーの遠位端を外からサイドポートを介してガイドワイヤールーメンに挿入し、さらにバルーンを介して遠位側に前進させてバルーンカテーテルの遠位側開口から外に出すことでガイドワイヤーに予負荷をかけておくことも可能である。また、冠動脈内で誘導カテーテルを適宜係合した状態で、本願方法では（必要ならばガイドワイヤーの先端を血管系内において）ガイドワイヤーをＴｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタを介して誘導カテーテル内に導入し、上述したようなバルーン付き血管形成カテーテルをガイドワイヤーの近位端上で膨らませ、ガイドワイヤーの近位端を逆行的な形でバルーンを介して遠位側ガイドワイヤールーメン内に延在させる。ガイドワイヤーの近位端はサイドポートを介して外に出るのでガイドワイヤールーメンから外れる。一方、ガイドワイヤーの遠位端の位置は患者内の定位置に維持される。上述したようなバルーンカテーテルを膨らます２つの方法において、バルーンカテーテルのシャフトとガイドワイヤーとはいずれも誘導カテーテルルーメン内にあるが、サイドポートの位置に近いガイドワイヤー部分はバルーンカテーテルのルーメン外でバルーンカテーテルシャフトと接している。ガイドワイヤーはサイドポートより遠位側のバルーンカテーテルルーメン内にある。バルーンカテーテルを交換するステップは、ガイドワイヤーの先端を術者が意図した（必要ならば血管系内の）位置に維持したまま第１のバルーンカテーテルをガイドワイヤーの近位端から抜去し、ガイドワイヤールーメンとバルーン部分とガイドワイヤの近位端とを介して本発明による第２のバルーンカテーテルをガイドワイヤの近位端上で近位側に延在させ、バルーンカテーテルのサイドポートを介して外に出し、予め位置決めしたガイドワイヤー上で第２のバルーンカテーテルを血管系に挿管する。
【００１７】
また、本発明は、本発明によるカテーテルを使用した血管形成術時にガイドワイヤーを交換する方法であって、患者の血管系内でガイドワイヤーを位置決めするステップと、近位側のガイドワイヤーがカテーテルの遠位端からサイドポートを介して延在するようにガイドワイヤー上にカテーテルをあてがうステップと、ガイドワイヤーに沿って血管系内にカテーテルを挿管するステップと、カテーテルを血管系内に維持したままガイドワイヤーを抜去するステップと、近位側開口からサイドポートの側を通ってガイドワイヤールーメンとバルーンとを介して遠位側にカテーテルに第２のガイドワイヤーを挿入し、カテーテルの遠位端の外に出すステップと、を含む方法も包含するものである。
【００１８】
本発明に含まれるさらに他の方法は、バルーン血管形成を施術するための方法であって、近位端および遠位端を有するカテーテルシャフトと、シャフトを通るガイドワイヤールーメンと、カテーテルの遠位端でカテーテルシャフトに備えられた膨張可能なバルーンと、ガイドワイヤールーメンの内部に連通したバルーンとカテーテルの近位端との間に位置したサイドポートとを備えたバルーン血管形成カテーテルをあてがうステップと、疾患部位を選択してバルーンカテーテルの遠位端からガイドワイヤーが外に延在するようにガイドワイヤールーメン内のガイドワイヤーに沿って患者の血管にカテーテルを挿管するステップと、ガイドワイヤーでサイドポートを塞いでしまわないようにガイドワイヤーを部分的に近位側に引っ張りながらバルーンを膨らませるステップと、ガイドワイヤーを部分的に引っ張ったまま狭窄部位でバルーンを膨らませるステップと、を含み、バルーンが膨らんでいる間、血液をサイドポート内に流入させ、ガイドワイヤールーメンを介して遠位側に流してカテーテルの遠位端から外に出す方法である。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明によるカテーテルは、周知のワイヤーを用いたカテーテルとしても迅速交換カテーテルとしても使用することができ、術者によって一方の使用モードから他方の使用モードに切り替えることができる。
【００２０】
図１は、本発明によるカテーテル１０を概略的に示した図である。同図は、カテーテル１０の長手方向の断面をシャフト方向に短くして示したものである。カテーテル１０は、カテーテルの近位端２６から遠位端１６まで延在するカテーテルシャフト１２を含む。カテーテル１０はカテーテルシャフト１２の全長に沿って延在するガイドワイヤールーメン２０を備える。カテーテルシャフト１２の遠位端１６では、カテーテルシャフト１６に血管形成バルーン２２が取り付けられている。ガイドワイヤールーメン２０は、血管形成バルーン２２を介してカテーテルシャフト１２の遠位端１６でバルーン２２より遠位側まで延在している。
【００２１】
バルーン膨張ルーメン２４は、近位端３０からバルーン２２の内部までカテーテルシャフト１２の全長に沿って端から端まで延在している。膨張ルーメン２４は血管形成バルーン２２内までで終わっており、バルーン２２の膨張および脱気を可能にしている。
【００２２】
ガイドワイヤールーメン２０および膨張ルーメン２４の各近位端には、周知の方法で周知のルーメンコネクター２６および３０が備えられている。カテーテル１０の近位端１４には、ルーメンコネクター２６および３０よりいくらか遠位側で別々のルーメン２０および２４が一か所に集まる位置に「Ｙ」コネクター３２も備えられている。
【００２３】
カテーテル１０は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどの周知のポリマー材料や、その他の適当な材料で作製すればよい。さらに、本発明のバルーンカテーテルシャフトは、特にサイドポートを含むおよび／またはサイドポートの位置に近いシャフト部分をステンレス鋼すなわち二重チャネルハイポチューブで構成することができる。また、バルーンチャネルの外側を共軸ポリマーシースの形として近位側のシャフトを単一ルーメンステンレス鋼ハイポチューブで作製してもよい。
【００２４】
バルーン２２は非エラストマー性材料で作製し、膨張時に圧力を高めても実質的に伸びずに予め定められた最大膨張径となるようにすると好ましい。冠動脈血管形成用バルーンカテーテルの製造には、ＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）などのポリマーやポリエチレンの各種誘導体が適しているとされている。ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）を含む新たなポリマー誘導体および各種マイラー材料は、高い引っ張り強度が高く極めて肉薄の拡張バルーンを形成し得るという理由から次第に広く用いられるようになっている。（マイラーは、ＤｅｌａｗａｒｅのＷｉｌｍｉｎｇｔｏｎにあるデュポン社のポリエステル材料の商標である。）破れたり有意に伸張することなく１００ｐｓｉ、好ましくは１５０ｐｓｉ乃至２００ｐｓｉの圧力に耐え得るその他の適した膜材料を使用して血管形成バルーンを作製してもよい。
【００２５】
本発明のカテーテル１０は、ガイドワイヤールーメン２０の外壁４２を介してガイドワイヤールーメン２０内に延在する特別に設計したサイドポート４０を含むという点で周知のワイヤーを用いたカテーテルとは異なる。サイドポート４０は、カテーテルシャフトの近位端１４および（ガイドワイヤールーメン２０内への近位側開口４４を規定する）ガイドワイヤールーメンコネクター２６より遠位側に位置している。サイドポート４０はバルーン２２より近位側に位置していると好ましいが、バルーン２２より遠位側に位置してもよいし、バルーンを使用しない血管カテーテル内に備えてもよい。
【００２６】
好ましい実施例において、サイドポート４０は（バルーン２２の近位側で）バルーン２２から４０ｃｍ以内、好ましくは３０乃至２５ｃｍ以内に位置している。このサイドポート４０をバルーン２２から２０ｃｍ、１５ｃｍ以内、５乃至１０ｃｍ以内に位置させるとより好ましい。
【００２７】
サイドポート４０は、ガイドワイヤーをポート４０を介して遠位に延在させ、バルーン２２を介してカテーテルシャフト１２の遠位端１６から外に出すようにガイドワイヤーをポート４０を介して案内する手段を備えると好ましい。このように、ガイドワイヤーは、カテーテルシャフト１２の外側から、サイドポート４０を介し、遠位側にバルーン２２内のガイドワイヤールーメン２０を介し、最後にカテーテルシャフト１２の遠位端１６から外に出る。実際には、カテーテル交換時に、カテーテル１０をガイドワイヤーの近位端から引き出してガイドワイヤーから抜去する。バルーンを介してサイドポート４０までガイドワイヤーを近位側に延在させながらガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６にガイドワイヤーの近位端を挿入し、サイドポート４０から外に出すことで新しいカテーテル１０をガイドワイヤー上に位置決めする。
【００２８】
カテーテル１０を周知のワイヤーを用いたカテーテルとして使用する場合、ガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４を介してガイドワイヤーを挿入し、ガイドワイヤールーメン２０を介して遠位側に前進させてサイドポート４０の側を通り、バルーン２２を介してガイドルーメン２０の近位端から遠位側開口の外に出す。もう１つの使用モードについては後で詳細に説明する。
【００２９】
上述したような方法でのカテーテル１０の使用を簡単にするために、サイドポート４０を介してガイドワイヤールーメン２０までガイドワイヤーを遠位側に延在させる一方で、ガイドワイヤーがサイドポート４０を介してカテーテルシャフト１２の外側に延在してガイドワイヤールーメン２０に入ることのないようにする手段をサイドポート４０に備えておく。このように、サイドポート４０は、ガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４を介してガイドワイヤーを挿入する際にガイドワイヤが遠位側に前進してもサイドポート４０から外に出ないような形状にしておく。
【００３０】
サイドポート４０においてガイドワイヤーを案内するための手段は、様々な形態のうちいずれかを取ればよい。その一例を図２に示す。図２において、カテーテルシャフト１２をサイドポート４０の部分で切り込み、ガイドワイヤールーメン２０への開口としている。図２に示す実施例では、ポート４０の遠位端の遠位側切り込み５０と、遠位側切り込み５０から近位側に延在している近位側切り込み５２とによってサイドポート４０を規定する。図２に示す実施例において、遠位側切り込み５０は、カテーテルシャフト１２の長さ方向に略垂直な方向にガイドワイヤールーメン２０の外壁４２を介してガイドワイヤールーメン２０内に半径方向下側に延在している。換言すれば、遠位側切り込み５０は、ガイドワイヤールーメン２０の外壁４２の少なくとも一部を介してカテーテルシャフトの外側から半径方向内側に向かって延在している。また、この切り込みは斜めに形成することも可能である。
【００３１】
近位側切り込み５２は、遠位側切り込み５０の最深部から延在し、カテーテルシャフト１２に沿って近位側に延びるにつれて、切り込み５２はガイドワイヤールーメンの外壁４２を介して半径方向外側に次第に細くなっている。このように、図２に示すポート４０は、遠位側に延びるにつれてガイドワイヤールーメン２０内に先細になっている近位側切り込み５２と、ガイドワイヤールーメン２０内に半径方向に延在する遠位側切り込み５０とによって規定されており、サイドポート４０は切り欠きの形となっている。
【００３２】
好ましい一実施例において、近位側切り込み５２の近位端からガイドワイヤールーメン２０の外壁４２を介して近位方向長手方向（シャフト方向）に延在するスリット５４を形成する。
【００３３】
サイドポート４０の形状を図２に示すようにすることで、ガイドワイヤーをサイドポート４０を介して簡単に挿入することができるようになる。さらに、ガイドワイヤーをガイドワイヤールーメン２０の遠位端開口４６に挿入し、サイドポート４０でガイドワイヤールーメン２０から外に案内するなどの動作を簡単に行うことができるようになる。スリット５４は、ガイドワイヤーがサイドポート４０を通過する際のガイドワイヤーの余計な屈曲を防止する。
【００３４】
本発明のサイドポート４０は、従来のカテーテルに備えられている灌流穴とは大きさの点で区別することができる。サイドポート４０は（従来のカテーテルの灌流穴とは異なり）、このサイドポート４０を介してガイドワイヤーを簡単に挿入できるようにするためのガイドワイヤーゲートとして作用できるだけの大きさがある。これは、ガイドワイヤーが通れない大きさで通常は小さな穴を複数個カテーテルシャフト１２に備えてなる従来の灌流穴とははっきりと区別できるものである。サイドポート４０のガイドワイヤー案内要素は好ましいものではあるが、本発明の主要な要素ではないことは理解できよう。
【００３５】
また、カテーテルシャフト１２は一種類の材料で作っても接着または結合した二種類以上の材料で作ってもよいことも理解できよう。カテーテル１０の遠位部分は近位部分とは別の材料で作ることができる。また、カテーテルの１つのルーメンを他のルーメンとは異なる材料で作ることも可能である。例えばバルーンルーメンを比較的硬質な材料で作製して押圧性を向上させ、ガイドワイヤールーメンの方は相対的に見て可撓性の材料で作ったり、その逆にしたりすることができる。
【００３６】
サイドポート４０の他の実施例を図３に示す。本実施例におけるポート４０は、その遠位端でガイドワイヤールーメン２０内に向けて略半径方向内側に延在する遠位側切り込み５０によって規定されている。サイドポート４０の近位端ではガイドワイヤールーメン２０の外壁４２に可撓性エプロンが取り付けられている。このエプロンは、その近位端においてフラップ弁のような形でカテーテルシャフト１２に取り付けられており、遠位側でポート４０の開口内に延在している。エプロン５６はその遠位端では取り付けられていない。エプロン５６は少なくともガイドワイヤールーメン２０の外壁４２と同程度に可撓性の材料で作ると好ましい。しかしながら、カテーテルシャフト１２やガイドワイヤールーメン２０の外壁４２よりも可撓性のある材料で作製するとより好ましい。
【００３７】
図３に示すサイドポート４０は、図２において上述したものと同様に機能し、ガイドワイヤーをカテーテルシャフト１２の外側からサイドポート４０まで遠位側に延在させると共に、ガイドワイヤーがガイドワイヤールーメン２０を介して遠位側に進む際にサイドポート４０から出てガイドワイヤールーメン２０の長さ方向に沿って端から端まで延在するのを防止する。また、サイドポート４０を図３に示すような形状とすることで、ガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６にガイドワイヤーを導入し、ガイドワイヤーをバルーン２２内を移動させながらガイドワイヤールーメンを介して近位側に前進させ、ガイドワイヤールーメン２０のバルーン２２内の部分を通過後にサイドポート４０から外に出すことができる。
【００３８】
他の実施例では、開口を切り込まずにサイドポート４０の形状および特徴を変えることができる。基本的な開口を備えておき、サイドポート４０を改良したものをポリマーの成型技術によって作製・トリミングしてもよい。
【００３９】
本発明によるカテーテル１０を周知のワイヤーを用いたカテーテルとして使用することについてさらに図４を参照して説明する。
【００４０】
図４は、近位側開口４４からバルーン２２を介してガイドワイヤールーメン２０の端から端まで延在し、遠位側開口４６から外に出ているガイドワイヤー６０と共に図１のカテーテルを示したものである。ガイドワイヤー６０はサイドポート４０の側を通って延在しているが、ガイドワイヤールーメン２０を介して遠位側に前進してもポート４０から外に出ることはない。これは主にサイドポート４０の形状によるものであるが、透視装置下でガイドワイヤーを操作していることも一因となっている。このような場合にサイドポート４０からガイドワイヤーが何かの拍子に出てしまうことのないように、サイドポート４０付近にガイドワイヤーの先端を通す時には透視装置で観察するなど医師側も配慮して注意を払う必要がある。
【００４１】
図５は、カテーテル１０の外からサイドポート４０を介して遠位側に延在し、ガイドワイヤールーメン２０のバルーン２２を介してガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６から外に出ているガイドワイヤー６０と共に図１のカテーテルを示したものである。
【００４２】
図６は、カテーテル１０のサイドポート４０近辺を詳細に示した図である。図６において、ガイドワイヤー６０はカテーテル１０の近位端１４からガイドワイヤールーメン２０を介し、（ガイドワイヤールーメン２０から外に出ずに）サイドポート４０の側を通ってバルーン２２を介して延在している。
【００４３】
図６ａは、サイドポート４０よりも近位側の点でガイドワイヤールーメン２０内にあるガイドワイヤー６０を示している。
【００４４】
図６ｂはサイドポート４０の部分にあるガイドワイヤー６０を示す図である。同図にはガイドワイヤールーメン２０の外壁４２に形成された開口と、ルーメン２０内にあるガイドワイヤーとが示されている。図６ｃは、バルーン２２の端から端まで移動するガイドワイヤールーメン２０内のガイドワイヤー６０を示す図である。
【００４５】
図７には、適所にあるガイドワイヤー６０と共に図５のカテーテル１０のサイドポート４０近辺が示されている。サイドポート４０の近位側においてガイドワイヤー６０はカテーテルシャフト１２から外れており、連結サイドポート４０に近い空のガイドワイヤールーメンと平行の状態にある。ガイドワイヤーは、遠位側に延在するにつれてサイドポート４０でカテーテルシャフト１２、ガイドワイヤールーメン２０へと入っていく。サイドポート４０から遠位側に、ガイドワイヤーはバルーン２２を介して延在するガイドワイヤールーメン内のカテーテルシャフト１２に遠位側部分を移動する。
【００４６】
図７に示すエプロン５６を備えることで、ワイヤーが外からバルーンを介してサイドポート４０内に遠位方向に延在している時に、サイドポート４０を介してガイドワイヤー６０を簡単に挿入することができる。同様に、エプロン５６を備えることで、ガイドワイヤー６０をガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６に挿入してバルーン２２を介してガイドワイヤールーメン２０内で近位側に前進させる際に、ガイドワイヤー６０を簡単にサイドポート４０から外に出すことができる。
【００４７】
本発明の他の実施例を図８に示す。図８は、サイドポート４０近辺でカテーテルシャフト１２を拡大して詳細に示した図である。ガイドワイヤー６０ａはガイドワイヤールーメン２０の全長に沿って端から端まで延在した状態で示されており、サイドポート４０を介してガイドワイヤー６０を挿入する時の状態も仮線（６０ｂ）で示してある。
【００４８】
図８に示す実施例において、ポート４０の近位側のカテーテルシャフト１２はカテーテルシャフト１２の残りの遠位側部分とは違う材料で作られている。具体的には、カテーテルシャフト１２の近位側部分６２は比較的硬い材料で作られている。カテーテルシャフト１２の近位側部分６２は、例えば、ハイポチューブを備えてもよい。ハイポチューブは好ましくはステンレス鋼製で肉薄の金属管である。また、カテーテルシャフト１２の近位側部分６２はプラスチックコーティングを施した螺旋状巻線や金属リボンからなるものであってもよい。このような後者の構造は、（ハイポチューブと比較して）押圧性を維持しながらの可撓性にすぐれている。
【００４９】
以上、サイドポート４０の位置をバルーン２２より近位側にした場合を取り上げて説明してきたが、サイドポート４０をバルーン２２の遠位側に位置させることもできる。図９はサイドポート４０をバルーン２２より遠位側でカテーテル１０の遠位端１６よりは近位側に備えた状態を示している。図示の実施例において、ガイドワイヤー６０は近位側開口４４から遠位側開口４６まで延在しているガイドワイヤールーメン２０内にあり、バルーン２２を通過してサイドポート４０の脇を通っている（サイドポート４０から外には出ていない）。このような遠位側にあるサイドポート４０は、上述したようなバルーン２２の近位側にあるサイドポート４０の代わりに備えてもよく、近位側のサイドポート４０の他に追加して備えてもよい。サイドポート４０のこのような設計形状は、レーザ治療に用いられるカテーテルやアテレクトミーカテーテル、ステント展開カテーテル、静脈血管造影カテーテルなどのバルーンカテーテル以外のカテーテルにおいて特に有用である。
【００５０】
図１０は、ガイドワイヤー６０がカテーテル１０の外からガイドワイヤールーメン２０に入り、カテーテル１０の遠位側開口４６から外に出る逆行的な形でサイドポート４０を介して延在している点を除き、図９に示す実施例と同様の実施例を示す図である。ガイドワイヤー６０の近位側部分は、カテーテル１０および脱気したバルーン２２に隣接してこれらの外側にある。同図は図９に示すカテーテルの展開時の迅速交換モードを示したものである。バルーンはガイドワイヤー６０がバルーン２２の外に位置していても膨張して狭窄部位を拡張できることに注意されたい。必要があれば、バルーン膨張時にガイドワイヤーを引っ張って、膨張中はワイヤーとバルーン膜とが接触しないようにしてもよい。
【００５１】
また、好ましい実施例において、サイドポート４０をカテーテル１０の遠位端から４０ｃｍ以内、好ましくは遠位端から３０乃至２０ｃｍ以内、最適な状態としてはカテーテルシャフトの遠位端から１０乃至５ｃｍ以内の位置に備えることにも注意されたい。さらに、本発明によるカテーテルにはサイドポート４０を２個以上備えてもよいと思われる。
【００５２】
図１１は、カテーテル１０のサイドポート４０近辺で異なる材料を使用した構造例を示したものである。カテーテル１２の近位側部分６２は、ステンレス鋼のハイポチューブなどの非生体活性材料で作られている。ハイポチューブは二重ルーメンを有する。すなわち、ガイドワイヤールーメン２０とバルーン膨張ルーメン２４とを隔てる隔壁６３が備えられている。二重ルーメンの金属製ハイポチューブは、サイドポート４０に隣接した近位側までのびている。サイドポート４０自体、（ここでは金属製の）シャフト６２の近位側部分の遠位端に直接接着されたカテーテルシャフト１２を形成するポリマーチューブからなる。カテーテルシャフト１２の近位側部分６２とカテーテルシャフト１２の遠位側部分６２とがぶつかる点において、金属プラスチック結合を形成しなければならない。図１１に示す実施例において、ガイドワイヤールーメン２０の外壁４２は、バルーン膨張ルーメン２４の外壁である外管６６と共軸にこの外管内に位置する連続管である。このように、サイドポート４０の部分とサイドポートよりも遠位側の点において、ガイドワイヤールーメン２０はバルーン膨張ルーメン２４と共軸かつ同心でバルーン膨張ルーメン内に位置している。サイドポート４０が位置しているカテーテルシャフト１２の側面では、バルーン膨張ルーメン２４の外壁６６とガイドワイヤールーメン２０のサイドポート部分周辺の外壁４２とを接着する。しかしながら、サイドポート４０よりも遠位側では、壁６６と４２は接着されておらず、ガイドワイヤールーメンの外壁４２はバルーン膨張ルーメンの外壁６６から離れて外壁の内側に位置している。ガイドワイヤールーメン２４の外壁６６を膨らますと、バルーン２２を形成することができる。
【００５３】
図１２は、カテーテルシャフト１２のサイドポート４０部分のさらに他の実施例を示す図である。カテーテルシャフトは２本の共軸の管からなり、このうち一方はガイドワイヤールーメンの外壁４２を備え、他方はバルーン膨張ルーメン２４の外壁６６を備えている。本実施例におて、バルーン膨張ルーメン２４の壁６６は、サイドポート４０から近位側および遠位側の両方に延在するポリマー材料からなる。図１２に示す実施例において、ガイドワイヤールーメン２０の壁４２は金属製ハイポチューブなどの硬質材料からなり、サイドポート４０まで延在してサイドポート４０より若干出ている。膨張ルーメン２４はガイドワイヤールーメン２０の壁４２を包囲している。このように、バルーンルーメン２４およびガイドワイヤールーメン２０は同心管と考えることができるのである。
【００５４】
サイドポート４０の近辺では、カテーテルシャフト１２のサイドポート４０が形成されている側面上でバルーン膨張ルーメン２４の外壁６６とガイドルーメンの外壁２４の側面とを接合する。このようにしてバルーン膨張ルーメン２４の漏出を防止する。図１２に示す実施例ではサイドポート４０を金属などの比較的硬い材料で作っているため、（バルーン膨張ルーメン２４の外壁６６を作った材料のような）軟らかいポリマー材料をサイドポート４０の開口部に敷いてもよい。この軟らかいポリマー材料で図３および図７に示すようなエプロンを形成してもよい。
【００５５】
図１２に示す実施例において、サイドポート４０から遠い点でガイドワイヤールーメンの壁４２は金属材料からポリマー材料に切り替わっている。これは周知の方法でポリマーチューブをガイドワイヤールーメン２４を規定する金属管の遠位側部分６２の端部または端部の上に封着して行えばよい。
【００５６】
バルーン膨張ルーメン２４の外壁６６を規定するものと同一の管からバルーン２２を膨らませてもよい。
【００５７】
図１３は図１２と同様の図であるが、図１３の実施例ではガイドワイヤールーメン２４の外壁４２の近位側６２を形成している金属製ハイポチューブをサイドポート４０近辺で長手方向に沿って切り込んでいる点で図１２とは異なっている。このように、サイドポート４０を完全にポリマー材料で作るか、またはサイドポート４０の近位側部分のみを金属製ハイポチューブ（または比較的硬い材料）で作る。ガイドワイヤールーメン２０のサイドポート４０に対向した壁４２をサイドポート４０の端から端までかまたはサイドポートを若干通過して延在する金属とする以外は、カテーテルシャフトのサイドポート４０から遠い部分をポリマー材料で作る。サイドポート４０を通過して遠位側に延在する金属を備えることで、カテーテルをガイドワイヤー６０に沿って押し込む時のサイドポート４０近辺で屈曲しにくくすることができる。図１３に示す実施例において、バルーン膨張ルーメン２４の外壁６６とガイドワイヤールーメンの外壁４２とをサイドポート４０周辺で接着する。しかしながら、ガイドワイヤールーメン２０はバルーン膨張ルーメン２４の内部で同心的に位置してもよい。
【００５８】
他の実施例において、金属製ハイポチューブの内部にプラスチックチューブを配置し、カテーテルの一方のルーメン（バルーン膨張ルーメンであってもガイドワイヤールーメンであってもよい）を形成する。同様に、サイドポート近辺で横方向に並んだルーメンを共軸ルーメンに変え、共軸ルーメンをサイドポート４０より近位側または遠位側で使用して、横方向に並んだルーメンをサイドポート４０から残りの方向に使用してもよい。
【００５９】
さらに、カテーテルを迅速交換カテーテルとして使用するのであれば、本発明のいずれの実施例でもカテーテルシャフトの近位側部分６２にスタイレットを挿入することも可能である。好ましくは、スタイレットはガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４からサイドポート付近まで延在しカテーテルの押圧性を向上させる。このようなスタイレットは剛化ポリマーや金属などの比較的剛い材料からなる。
【００６０】
他の方法において、カテーテルシャフト１２の金属部分６２をサイドポート４０部分の側を通って遠位側に延在させることができる。カテーテルシャフト１２の金属部分は、サイドポート４０を越えて遠位側に延在しているガイドワイヤールーメン２０の壁４２からシャフト１２の対向する側にしか延在できない。本実施例ではシャフト１２のサイドポート４０側の半分を可撓性ポリマー材料で作り、シャフト１２の反対の半分を金属部分とする。このようにして、サイドポート４０部分でのカテーテルシャフト１２の屈曲や脆化を防止する。他の実施例では、シャフト１２の金属製ハイポチューブ６２をサイドポート４０の円周全体に沿った形でサイドポートより遠位側に延在させることができ、図１に示す壁４２に相当する金属製の壁に直接サイドポート４０を切り込んでいる。（例えば図１２参照のこと。）
さらに他の実施例において、カテーテルシャフト１２の近位側部分６２をより剛化ポリマーで作製するか、ワイヤーや金属リボンなどの補剛部材を埋設して剛性を増すこともできる。
【００６１】
剛化材料を利用してカテーテルシャフト１２の近位側部分６２を形成するのは、ガイドワイヤー６０をサイドポート４０から遠位側に挿入するように使用する際にカテーテル１０を押しやすくするためである。
【００６２】
図１４は、本発明によるカテーテルの一実施例を示す図である。同図において、サイドポート４０より近位側にあるカテーテルシャフト１２は、ガイドワイヤールーメン２０の外壁を形成する潰すことのできる壁７０を含む。ガイドワイヤー６０は、サイドポート４０の横を通ってガイドワイヤールーメン２０を介して延在している（図１４に示す実施例）が、サイドポート４０を介して延在してはいない。サイドポートを介さずに、ガイドワイヤー６０はサイドポート４０の側を通ってガイドワイヤールーメン２０内にあり、バルーン２２を介して延在している。このようなワイヤーを用いた使用モードでは、潰すことのできる壁７２はガイドワイヤールーメン２０内でガイドワイヤー６０によって外側に向けて受動的に膨張する。潰すことのできる壁７０は、ルーメンが空の時に内側に潰れるが、潰れた状態の形状に金型成型または押出成型してもよい。しかしながら、使用時に伸張することのない引っ張り強度の大きなポリマー材料からなるものであると好ましい。
【００６３】
カテーテルシャフト１２の潰すことのできる壁７０に対向する部分は、所望の押し易さ特性を得るためには比較的硬い（例えば高密度の）ポリマーからなると好ましい。
【００６４】
図１４に示すカテーテルの構成は、図１４Ａ、１４Ｂ、１４Ｃに示す断面図を参照するとより一層分かりやすい。これらの図において、バルーン膨張ルーメンの外壁６６は潰すことのできる壁７０よりも硬質または肉厚のポリマー材料（または他の適当な材料）からなる。断面図において示されるように、バルーン膨張ルーメン２４の内壁７２（ガイドワイヤールーメン２０と共通の壁であってもよい）も潰すことのできる壁７０より硬質または肉厚の材料からなる。潰すことのできる壁７０はサイドポート４０部分を取った図１４Ｂには示されておらず、ガイドワイヤールーメン２０の外壁４２はサイドポート４０から遠い部分の断面図１４Ｃにおいてより硬質の材料で形成されているため、サイドポート４０より遠位側には潰すことのできる壁７０はないことに注意されたい。
【００６５】
図１５は、図１４のカテーテルにガイドワイヤー６０を迅速交換モードで挿入した状態を示す図である。このように、サイドポート４０より近位側では、ガイドワイヤー６０はカテーテルシャフト１２およびガイドワイヤールーメン２０の外にある。ガイドワイヤー６０はサイドポート４０を介してサイドポート４０の遠位側のガイドワイヤールーメン２０に挿入されている。図１５において、潰すことのできる壁７０はバルーンルーメン２４の内壁７２に向けて内側方向に潰れている。これについては、ガイドワイヤー６０がサイドポート４０の近位側の潰すことのできる壁７０に隣接した状態が分かる図１５Ａで断面図でも示しておく。
【００６６】
潰すことのできる壁７０を備える主な目的は、カテーテル１０の迅速交換モードでの使用時に誘導カテーテルの限られた断面空間内でカテーテルシャフト１２の近位側部分６２をガイドワイヤー６０と並べて位置決めする際、カテーテルシャフト１２の断面形状を最小限にすることである。このような潰すことのできる壁の概念は脈管カテーテルや非脈管カテーテルの他の用途にも適用することができる。
【００６７】
１）　カテーテルを使用するための異なったモードのまとめ
上述のカテーテル自体についての詳細な説明から、このカテーテルは様々な方法で使用できることは明らかである。具体的には、以下のような異なったモードで使用することができる。
【００６８】
ａ）　迅速交換カテーテルとして
ｂ）　ワイヤーを用いたカテーテルとして
ｃ）　迅速交換モードからワイヤーを用いたモードに切り替えるために
ｄ）　ワイヤーを用いたモードから迅速交換モードに切り替えるために
ｅ）　迅速交換モードで迅速交換モードを入れ替えるために
ｆ）　ワイヤーを使用したモードでワイヤーを使用したモードを入れ替えるために
ｇ）　迅速交換モードとワイヤーを使用したモードの両方のモードでガイドワイヤー交換能を持たせるために
ｈ）　灌流カテーテルとしての利用可能性あり
【００６９】
２）　迅速交換カテーテルとして利用
このカテーテルを迅速交換モードに使用する方法は、周知の迅速交換カテーテルにおける方法と同様である。誘導カテーテルの遠位端に接続されたＴｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタにガイドワイヤーを導入する。ガイドワイヤーを誘導カテーテル内で適所に配置したら、ガイドワイヤー６０の近位端をガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６を介して挿入することで本発明によるマルチモードバルーンカテーテル１０をガイドワイヤー６０の近位端に係合する。ガイドワイヤーの近位側の先端をバルーン２２を介して近位側に前進させ、サイドポート４０から外に出す。このようにしてマルチモードカテーテル１０をガイドワイヤー６０上で正確に係合したら、誘導カテーテルのＴｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタを介してバルーンカテーテルを挿管する。ガイドワイヤーの先端が常に遠位側ガイドワイヤールーメン内または血管内にあるように慎重に確認し、ガイドワイヤーの先端がサイドポート４０から外に出ないように維持しながら、ガイドワイヤーとバルーンカテーテルとを一単位として一緒に挿管することも互いに独立に前進させることもできる。
【００７０】
また、ガイドワイヤーがガイドワイヤールーメン２０に挿入されるようにガイドワイヤーの先端をサイドポート４０を介して前進させてバルーンカテーテル内でガイドワイヤーに予負荷をかけ、バルーンカテーテルの先端１６を通過させることも可能である。次にバルーンカテーテルシャフト１２内でガイドワイヤー６０に予負荷をかけ、バルーンカテーテル１０とガイドワイヤー６０とを一緒に誘導カテーテルに挿入する。
【００７１】
バルーンカテーテル１０を入れ換える必要が生じた場合には、上述した手順を正確に逆から行う。延長ワイヤーや交換ワイヤーを使用せずに、ガイドワイヤー６０の先端を定位置に維持したまま第１のマルチモードカテーテル１０をガイドワイヤー６０および誘導カテーテルから抜去する。第１のカテーテル１０の抜去後、上述したバルーンカテーテル係合手順を繰り返して第２のカテーテル１０を挿管する。
【００７２】
３）　周知のワイヤーを用いたカテーテルとして利用
このモードでは、ガイドワイヤー６０は常にカテーテルシャフト１２の長さ方向全体に沿って走っているガイドワイヤールーメンの内側と先端同士係合している。カテーテルシャフト１２の遠位部分上のサイドポート４０を完全に避け、ガイドワイヤーの遠位端がサイドポート４０から絶対に外に出ないようにする。次に、誘導カテーテルのＴｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタを介してバルーンカテーテル１０（マルチモードカテーテル）を誘導カテーテルに向けて遠位方向内側に挿管する。血管への挿入を安全に行うためにも、ガイドワイヤー６０の先端を動脈血管に挿入する前にバルーンカテーテル１０の遠位端１６から十分な長さだけ延在させておく。
【００７３】
血管形成術の施術時に第１のカテーテルを入れ換えるすなわち交換する必要が生じた場合、このワイヤーを用いたモードでは周知のワイヤーを用いたシステムと全く同様にガイドワイヤーを延長させなければならないが、第２のバルーンカテーテルを迅速交換カテーテルモードで展開できるので、カテーテル交換の展開時に延長ワイヤーを使わずにすむ。
【００７４】
ガイドワイヤーを交換する必要が生じた場合には、周知のワイヤーを用いたシステムと全く同様の方法で全く問題なく交換することができる。第１のワイヤーを抜去し、バルーンカテーテル１０の近位側ガイドワイヤー口４４を介して新しいワイヤーを挿入する。ガイドワイヤー６０の入れ換え時にはガイドワイヤーの先端がサイドポート４０から外に出ないようにしなければならない。これは透視装置で注意深く観察して「Ｊ」形のガイドワイヤー先端を適切に操作し、さらにバルーンカテーテルシャフト１２のサイドポート４０部分を誘導カテーテルの真っ直ぐな部分に維持することで簡単に達成できる。
【００７５】
４）　迅速交換モードからワイヤーを用いたモードへの切り換え
マルチモードカテーテル１０に迅速交換モードを使用する手順については上記２）項で既に述べた通りである。次にカテーテルを迅速交換モードからワイヤーを用いたモードに切り換える手順について述べる。
【００７６】
カテーテル１０を迅速交換カテーテルとして適所に配置した状態で、カテーテルの先端１６を動かさずにバルーンカテーテル１０を適所に維持したままサイドポート４０を介してガイドワイヤールーメン２０からガイドワイヤー６０を完全に抜去し、Ｔｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタを介して誘導カテーテルからも抜去する。次に、周知のワイヤーを用いたカテーテルモードに関して上述した方法と全く同一の方法で、カテーテル１０のガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４を介してガイドワイヤー６０を挿入する。ガイドワイヤー６０の（通常は方向案内用に「Ｊ」形をしている）先端がサイドポート４０部分に達したら、透視装置による監視下でガイドワイヤーの先端を慎重に操作し、先端がサイドポート４０を介して外に出ないようにしながらガイドワイヤーの先端をバルーンカテーテルの遠位側ガイドワイヤールーメン２０に向けてこのルーメンに挿入する。これで迅速交換モードからワイヤーを用いたモードへの転換は終了する。
【００７７】
５）　ワイヤーを用いたモードから迅速交換モードへの転換
マルチモードカテーテルを誘導カテーテルに挿管する前に、ガイドワイヤー６０をバルーンカテーテル１０の内部に配置する。これは、ガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４を介してガイドワイヤー６０を挿入し、ガイドワイヤーの先端がサイドポート４０から外に出ないように気をつけながらガイドワイヤーをバルーンカテーテルの遠位端に向けて前進させることで達成できる。次に、ガイドワイヤーの先端をバルーンカテーテルの先端１６から安全距離（例えば５〜１０ｃｍ）だけ後ろに引っ張り、バルーンカテーテルを誘導カテーテルのＴｕｅｈｙ−Ｂｏｒｓｔアダプタに挿管する時にガイドワイヤーの先端を破損することのないようにする。
【００７８】
誘導カテーテルの遠位端そのものに達する前に、ガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６を介してガイドワイヤー６０を前進させ、冠動脈内でバルーンカテーテル１０を安全に操作・案内するのに十分な長さだけガイドワイヤーの先端がカテーテル１０の遠位端１６から突出するようにする。
【００７９】
ワイヤーを用いたモードから迅速交換モードへの切り換えの用途として考えられるものは２つある。第１に、新しいかまたは大きさの異なるマルチモードバルーンカテーテルを使用して迅速交換モードに転換するという筋書き、第２には同じカテーテルを迅速交換モードに転換するという筋書きである。第１の筋書きの方は実用化の可能性が高く、第２の筋書きの方は実用上の需要は限られると思われる。
【００８０】
迅速交換モードに切り換えるために、延長ワイヤーを使用して２つの部分を結合してガイドワイヤー６０を延在させる。延在したガイドワイヤー上でバルーンカテーテル１０を誘導カテーテルから抜去した後、延長ワイヤーの結合を解除し、主たるガイドワイヤー６０から延長ワイヤーを外す。次に、ガイドワイヤーの近位端がガイドワイヤールーメン２０の遠位側開口４６に挿入されるように新しく準備したマルチモードバルーンカテーテル１０をガイドワイヤー６０に沿って挿管し、ガイドワイヤーをサイドポート４０から外に延在させる。これで迅速交換モードへの転換は終了する。
【００８１】
６）　連続した２本のマルチモードカテーテルのワイヤーを用いたモードでの使用
この筋書きでは、２本のマルチモードバルーンカテーテルをワイヤーを用いたモードで周知の方法で簡単に使用する。カテーテル交換の手順は周知のワイヤーを用いたカテーテル交換の手順と全く同じである。しかしながら、ガイドワイヤー６０の遠位端がサイドポート４０から外に出ずにガイドワイヤールーメン２０内に止まり、遠位側開口４６を介して外にでるように注意すべきである。これは、透視装置による観察とガイドワイヤーの「Ｊ」先端の操作とによって簡単に達成することができる。この手順については（３）で上述した通りである。
【００８２】
７）　連続した２本のマルチモードカテーテルの迅速交換モードでの使用
上述の（６）の筋書きと同様に、迅速交換モードで連続的に２本のマルチモードバルーンカテーテルを使用する簡単な状況である。このカテーテルを迅速交換モードで使用する技術的な手順は（２）項で既に述べた通りである。
【００８３】
８）　迅速交換使用モードでのガイドワイヤー交換能
現存する迅速交換モードカテーテルシステムにおける大きな制約の１つにガイドワイヤーを自由に交換できないということが挙げられる。ガイドワイヤーが破損した場合には再成型の必要があり、医師が別のワイヤーを必要とした場合にはガイドワイヤーとバルーンカテーテルとを完全に患者から抜去し、最初からやり直す。これは、このような状態複雑な血管形成術の施術時にしばしば起こっており、迅速交換カテーテルシステムの本来の利点が完全に無視されている。
【００８４】
本発明によるカテーテルシステムを利用すれば、このような従来の迅速交換システムにはつきものであった大きな制約をなくすことができる。マルチモードカテーテルを迅速交換モード（周知の迅速交換カテーテル展開に相当）で展開している時にガイドワイヤーを交換する必要が生じた場合には、バルーンカテーテルを患者の体内の適所に維持したままガイドワイヤー６０だけを患者から抜去する。次に新しいガイドワイヤーを入れなおすが、この時ガイドワイヤーはガイドワイヤールーメン２０の近位側開口４４を介して挿入し、ガイドワイヤールーメン２０の端から端まで通して遠位側開口４６から動脈内に挿入する。このガイドワイヤー交換操作は（４）項で上述した方法と同様である。
【００８５】
９）　マルチモードカテーテルの灌流能
本発明によるマルチモードバルーンカテーテルシステムを利用して得られる可能性のある利点としてその灌流能が挙げられる。この能力は迅速交換モードでもワイヤーを用いたモードでもバルーン膨張時に得られる。
【００８６】
この能力は２種類の方法で達成できる。第１の方法は、サイドポート４０をバルーン部分の近く（例えば５、１０、１５ｃｍ以内など）に備えるというものである。第２の方法は、第２のサイドポートを第１のサイドポート４０とバルーンとの間に備えるというものである。しかしながら、臨床上の用途について見る限り、どちらの方法も適している。
【００８７】
バルーンの近位端近くにもう１つサイドポートを備えておけば、単にガイドワイヤーの先端を後ろすなわち第２のサイドポートの近位で第１のサイドポート４０の遠位側にあたる位置まで引っ張るだけでバルーン膨張時に所望の灌流を達成することができる。このようにして、遠位側ガイドワイヤールーメン内の閉塞物を全て除去する。血液は、第２のサイドポートを介し、さらに遠位側ガイドワイヤールーメンを介して流れ、遠位側カテーテル先端４６から冠動脈へと流れる。このような設計では、迅速交換モードでもワイヤーを用いたモードでも等しく簡単に灌流を達成することができる。
【００８８】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、図示した実際の構造を部分的に修正した物も本発明の範囲内に含まれる等価な物と見做すものとする。例えば、図２および図３を参照して説明したスリットおよびエプロンの特定の形状を同一の機能を達成できる他の構造に変えてもよい。
【００８９】
以上、本発明について説明し、本願出願人は請求の範囲を示しておくが、これらのクレームは詳細な説明において述べた具体的な実施例に限定されるものではない。
【００９０】
【発明の効果】
本発明により、ガイドワイヤーの迅速な交換及びカテーテルの迅速な交換の何れをも満足する血管カテーテルが提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるカテーテルをシャフト方向に短くして示した長手方向概略断面図である。
【図２】図１に示すカテーテルの一部を示す斜視図であって、サイドポートの一実施例を示す図である。
【図３】図２と同様にカテーテルの一部を示す斜視図であって、サイドポートの他の実施例を示す図である。
【図４】カテーテルを短くして示した長手方向概略断面図であって、ワイヤーを用いたカテーテルモードとなるよう挿入されたガイドワイヤーを示す図である。
【図５】カテーテルを短くして示した長手方向概略断面図であって、迅速交換カテーテルモードとなるよう挿入されたガイドワイヤーを示す図である。
【図６】図４に示すカテーテルのサイドポート部分を詳細に示した図である。Ａ：線６Ａ−６Ａで切った横断面図である。Ｂ：線６Ｂ−６Ｂで切った横断面図である。Ｃ：線６Ｃ−６Ｃで切った横断面図である。
【図７】図５に示すカテーテルのサイドポート部分を詳細に示した図である。
【図８】図４に示すカテーテルの他の実施例によるサイドポート部分を合成して詳細に示した図である。
【図９】本発明によるカテーテルの他の実施例のサイドポート部分を詳細に示した図であり、ガイドワイヤールーメンの長さ方向に沿って延在するガイドワイヤーが示されている。
【図１０】ガイドワイヤーがサイドポートを介して延在していることを除いて図９と同様の図である。
【図１１】本発明によるさらに他のカテーテルのガイドポート部分を示す長手方向の断面図である。
【図１２】本発明による別のカテーテルのサイドポート部分を示す長手方向の断面図である。
【図１３】本発明によるさらに他のカテーテルのガイドポート部分を示す長手方向の断面図である。
【図１４】潰すことのできるルーメンを有する本発明によるカテーテルのサイドポート部分の部分的長手方向断面図である。ａ：線１４ａ−１４ａで切った横断面図である。ｂ：線１４ｂ−１４ｂで切った横断面図である。ｃ：線１４ｃ−１４ｃで切った横断面図である。
【図１５】図１４に示すカテーテルの部分的長手方向断面図であり、サイドポートを通過するガイドワイヤーが示されている。ａ：線１５ａ−１５ａで切った横断面図である。

Claims

近位端および遠位端を有するカテーテルシャフトと；
前記遠位端で前記カテーテルシャフトに取り付けられた血管形成バルーンと；前記カテーテルシャフトを通って延在し、前記血管形成バルーンの内部と連通したバルーン膨張ルーメンと；
前記カテーテルシャフトおよび前記血管形成バルーンを通って延在し、操作可能なガイドワイヤーを収容するためのガイドワイヤールーメンであって、ガイドワイヤーを前記ガイドワイヤールーメンに挿入するための近位側開口を前記カテーテルシャフトの近位端に有し、さらに前記カテーテルシャフトの側面を介して前記ガイドワイヤールーメンにガイドワイヤーを導入する通路の大きさを合わせたサイドポートを前記近位側開口の遠位側に有する前記ガイドワイヤールーメンと；
前記カテーテルシャフトのほぼ全長に亘って延在するガイドワイヤーと；を備える血管形成カテーテルであって、
前記サイドポートは、前記サイドポートを通過する前記ガイドワイヤーを、前記サイドポートより近位側では前記カテーテルシャフトの外に位置させ、前記サイドポートより遠位側では前記ガイドワイヤールーメン内に位置させる第１の状態、及び前記サイドポートの側を通過する前記ガイドワイヤーを、前記近位端から遠位端まで前記ガイドワイヤールーメン内が塞がれていない前記ガイドワイヤールーメン内に位置させる第２の状態の何れの状態もとり得るよう形成されていることを特徴とする、血管形成カテーテル。