JP2003533433A

JP2003533433A - 被膜形成ポリマーを含む良好な保持特性を有する毛髪用化粧品組成物

Info

Publication number: JP2003533433A
Application number: JP2001537704A
Authority: JP
Inventors: アンリ・サマン; クリスティーヌ・デュピュイ
Original assignee: LOreal SA
Current assignee: LOreal SA
Priority date: 1999-11-19
Filing date: 2000-11-10
Publication date: 2003-11-11
Also published as: FR2801200A1; WO2001035910A1; FR2801200B1; AU1710601A; MXPA02004994A; EP1233739A1; BR0015691A

Abstract

(57)【要約】化粧的に許容できる媒体に、少なくとも一つの被膜形成ポリマー（Ａ）を含む化粧品組成物であって、当該ポリマー（Ａ）は、水性またはアルコール性媒体中の当該ポリマーを周囲温度および相対湿度５０％で乾燥させて得られた物質が、少なくとも、（ａ）破断時の伸び率（ε_b）が１６０％以上；（ｂ）瞬間回復率（Ｒ_i）が１０から６８％の間；（ｃ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が３０から１００％の間；（ｄ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が４５から６０％の間である場合、破断時の伸び率（ε_b）が１３００％未満；（ｅ）０．５ｍｍの厚みで２０ｍｍ／分の引張り速度で測定して、ヤング率が１０ＭＰａより大きい；によって定義される機械的プロフィールを示すように選択されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明の主題は、化粧的に許容できる媒体に、特定の特徴を有する少なくとも
一つのポリマー（Ａ）を含む化粧品組成物である。また、この組成物を用いて毛
髪の形状を整える、あるいは維持するための方法、並びにヘアスタイルの形状を
維持または整えるための、ラッカー、スプレーまたはムースのようなスタイリン
グ製品の製造における使用にも関する。

【０００２】

【従来の技術】

化粧品マーケットで最も広く利用されている毛髪を固定するための毛髪用製品
の中では、種々の化粧用アジュバントとの混合物として、必須に、溶液、一般的
にはアルコール性または水性／アルコール性溶液と、水またはアルコールに可溶
性の被膜形成ポリマーとからなる、エアゾールまたはポンプ作動式スプレーとし
てスプレーされる組成物、例えばラッカー、スプレー、またはムースを挙げるこ
とができる。

【０００３】しかしながら、ヘアスタイルの形状を維持するための、ムース、ゲル、特にエ
アゾールスプレーおよびラッカーのような上記毛髪用製剤は、依然として、ヘア
スタイルを、歩行、頭の移動または風のような日常生活の種々の自然な動きに対
して満足に耐えうるものとはしていない。

【０００４】これらの毛髪用製品の製造に用いられるポリマーは、多かれ少なかれ堅いが脆
い性質を有する被膜の形成をもたらすアニオン性、両性、または非イオン性の被
膜形成ポリマーである。

【０００５】ポリマーがあまりに脆いと、その被膜について測定した破断時の伸び率のパー
セントが低く、すなわち一般的に２％未満となり、経時的なヘアスタイルの保持
が確実でない。

【０００６】上記の問題を解決すべく、これらのポリマーを可塑剤と混合して、より柔軟か
つ脆くないコーティングが既に得られている。しかしながら、これらの被膜は、
変形可能かつ可塑性であり、すなわち変形後に、非常に僅かな程度だけその当初
の形状を回復するに過ぎない。ヘアスタイルの保持性が改善されているとはいえ
、ヘアスタイルの形状が経時的に変化するので満足できるものではない。

【０００７】保持性に関してより満足できる結果は、被膜形成ポリマーの組合せ、例えばポ
リビニルカプロラクタムポリマーとアクリルポリマーを含む組成物を用いて得ら
れている。しかしながら、これらの組成物は、毛髪がその自然な化粧特性の一部
を失うという限りにおいて、依然として完全に満足できるものではない。さらに
、固定力をさらに増大させることが望ましい。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】

それゆえ、永続的固定に加えて、良好な化粧特性、例えば良好なもつれ解き性
、柔軟性、および快い外観を毛髪に付与する、ヘアスタイルの形状を維持および
／または整えるための化粧品組成物が求められている。

【０００９】驚くべきことに、そして、予期せぬことに、本願出願人は、特定のポリマーを
用いることにより、上記技術的課題を克服できることを見出した。

【００１０】

【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】

本発明の主題は、化粧的に許容できる媒体に、少なくとも一つの被膜形成ポリ
マー（Ａ）を含む化粧品組成物であって、当該ポリマー（Ａ）は、水性またはア
ルコール性媒体中の当該ポリマーを周囲温度および相対湿度５０％で乾燥させて
得られた物質が、少なくとも：（ａ）破断時の伸び率（ε_b）が１６０％以上；（ｂ）瞬間回復率（Ｒ_i）が１０から６８％の間；（ｃ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が３０から１００％の間；（ｄ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が４５から６０％の間である場合、破
断時の伸び率（ε_b）が１３００％未満；（ｅ）０．５ｍｍの厚みで２０ｍｍ／分の引張り速度で測定して、ヤング率が１
０ＭＰａより大きい；によって定義される機械的プロフィールを示すように選択される、化粧品組成物
である。

【００１１】本発明の別の主題は、この組成物の使用を含む、整髪またはヘアスタイルの形
状維持の方法に関する。

【００１２】本発明のさらに別の主題は、ヘアスタイルの形状を維持および／または整える
ための毛髪用化粧品組成物を製造するための、前記組成物の使用に関する。

【００１３】本発明に特に用いられる前記ポリマー（Ａ）は、AIR PRODUCT社からYAY IEG 9
73の商品名で、およびSANYO社からPA Marin UA 310の商品名で市販されているも
のである。

【００１４】本発明の意味する範囲では、用語“周囲温度（２２±２℃）および相対湿度５
０％±５％で乾燥させて得られた被膜”とは、６％の活性物質（a.m.）のポリマ
ーＡを含むエタノールまたは水との混合物から出発して上記条件下で得られた被
膜を意味すると解し、混合物の量は、５００±５０μｍの厚みを有する被膜を、
テフロン（登録商標）マトリックスで得るように調節される。乾燥は、被膜の重
量が変化しなくなるまで続けられ、これは約１２日間に相当する。エタノールに
可溶性または部分的可溶性のポリマーＡは、エタノール中で試験される。他のポ
リマーは、可溶性または分散形態で、水中で試験される。

【００１５】本発明の意味する範囲において、破断時の伸び率の程度および回復率の程度は
、以下に記載した試験により評価される。

【００１６】伸張性テストを実施するために、この被膜を、長さ８０ｍｍ、幅１５ｍｍの長
方形の試験片に切断する。

【００１７】この試験は、LloydまたはZwickの商品名で市販されている装置で、乾燥と同じ
温度および湿度条件下、すなわち２２±２℃の温度および５０±５％の相対湿度
で行う。

【００１８】この試験片を２０ｍｍ／分の速度で引き伸ばし、締め付け顎の間の距離は５０
±１ｍｍとする。

【００１９】瞬間回復率（Ｒ_i）を調べる方法は以下の通りである： −試験片を１５０％（ε_max）、すなわちその当初の長さ（Ｉ₀）の１．５倍ま
で引き伸ばす、 −引っ張り速度と同じ戻り速度、すなわち２０ｍｍ／分でストレスを解放し、
負荷をゼロまで戻した後の試験片の伸び率（ε_i）を、パーセントとして測定す
る。

【００２０】％で示される瞬間回復率（Ｒ_i）は、以下の式により与えられる：Ｒ_i＝（（ε_max−ε_i）／ε_max）ｘ１００

【００２１】３００秒における回復率を調べるために、先の操作を実施した試験片をさらに
３００秒間ストレスをゼロのまま維持し、その伸びの程度をパーセントとして測
定する（ε₃₀₀）。

【００２２】％で示される３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）は、以下の式によって与えら
れる：Ｒ₃₀₀＝（（ε_max−ε₃₀₀）／ε_max）ｘ１００

【００２３】上記の寸法を有する試験片を用いて、ヤング率または弾性率を測定する。好ま
しくは、ヤング率は１５Ｍｐａより大きい。

【００２４】本発明にかかる組成物では、被膜形成ポリマー（Ａ）は、組成物の全重量に対
して、０．０５から２０重量％、さらに好ましくは０．１から１５重量％、さら
に好ましくは０．２５から１０重量％の濃度で存在する。

【００２５】被膜形成ポリマー（Ａ）は、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、および少
なくとも一つのアクリルユニットを含むポリマーからなる群から有利に選択され
る。

【００２６】好ましくは、被膜形成ポリマー（Ａ）は、水性または水性アルコール性媒体に
可溶性である。

【００２７】化粧的に許容できる媒体は、好ましくは、水、または、例えばアルコールのよ
うな一以上の化粧的に許容できる媒体、あるいは、水と溶媒の混合物からなり、
前記溶媒は好ましくはＣ₁−Ｃ₄アルコールである。

【００２８】これらのアルコールの中では、エタノールまたはイソプロパノールを挙げるこ
とができる。エタノールが特に好ましい。

【００２９】本発明の組成物は、増粘剤、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性
界面活性剤、香料、防腐剤、サンスクリーン剤、タンパク質、ビタミン、プロビ
タミン、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性の非固定(nonfixing)
ポリマー、鉱物性、植物性または合成の油、セラミド、シュードセラミド、揮発
性または不揮発性の、直鎖状または環状の、変性または未変性シリコーン、およ
び毛髪に適用される化粧品組成物に通常用いられる他のあらゆる添加剤から選択
される少なくとも一つの添加剤も含むことができる。

【００３０】当然に、本発明にかかる組成物に本質的に付与された有利な特性が、企図する
添加により不利な影響を受けない、あるいは実質的に受けないように、当業者で
あれば、本発明にかかる組成物に加えるべき任意の化合物を選択するのに注意を
払うであろう。

【００３１】これらの組成物は、組成物を気化形態またはムース形態で適用すべく、特にポ
ンプ作動式スプレーまたはエアゾール容器のような種々の形態で収容することが
できる。かかる収容形態は、例えば、毛髪を固定または処理するためのスプレー
、ラッカーまたはムースを得ることが望まれる場合に、必要とされる。本発明に
かかる組成物は、クリーム、ゲル、エマルション、ローションまたはワックスの
形態で提供することもできる。

【００３２】本発明にかかる組成物が、ラッカーまたはムースを得るためのエアゾールの形
態で収容される場合、揮発性炭化水素、例えばｎ−ブタン、プロパン、イソブタ
ンまたはペンタン、塩化および／またはフッ化炭化水素、およびこれらの混合物
から選択される、少なくとも一つのプロペラントを含む。また、プロペラントと
して、二酸化炭素ガス、窒素酸化物、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）、窒素、また
は圧縮空気を使用することもできる。プロペラントの混合物を使用することもで
きる。ジメチルエーテルを使用することが好ましい。

【００３３】プロペラントは、有利には、エアゾール装置中の組成物の全重量に対して、５
から９０重量％、さらに好ましくは１０から６０重量％の濃度で存在する。

【００３４】本発明にかかる組成物は、乾燥または湿った髪に適用することができる。

【００３５】本発明を、以下の非限定的な実施例により、さらに詳しく説明する。

【００３６】パーセントは、組成物の全重量に対して相対的な重量パーセントであり、a.m.
は活性物質を意味する。

【００３７】

【実施例】

本発明にかかる以下の組成物を調製した。組成物１： AMPで１００％に中和した、AIR PRODUCT社から市販されているYAY IEG 973 ６％ a.m. 水全体を１００ｇとする量

【００３８】組成物２： AMPで１００％に中和した、AIR PRODUCT社から市販されているYAY IEG 973 ６％アルコール５０％水全体を１００ｇとする量

【００３９】組成物３： SANYO社から市販されているUA 310 ６％水全体を１００ｇとする量

【００４０】組成物４： SANYO社から市販されているUA 310 ６％アルコール全体を１００ｇとする量

【００４１】組成物５： SANYO社から市販されているUA 310 ６％アルコール５０％水全体を１００ｇとする量

【００４２】組成物の機械特性を決めるパラメーターを、以下の表１にまとめる。

【表１】

【００４３】本発明にかかる組成物１から５を、自然な栗毛色の欧州系毛髪の束に適用した
。

【００４４】上記組成物をポンプ作動式スプレーに収容し、予め洗浄および乾燥させた５グ
ラムの自然な髪の束に１０回ポンプして適用した後に、これらの組成物がヘアス
タイルを確かに固定し、髪に快適な被覆された感触を付与することが確認された
。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷＦターム(参考） 4C083 AA031 AA121 AC102 AC641 AD011 AD012 AD091 AD111 AD151 AD161 AD411 AD611 BB04 BB05 BB06 BB07 BB32 BB33 BB34 BB35 BB41 BB46 BB48 CC32 DD08 EE28

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】化粧的に許容できる媒体に、少なくとも一つの被膜形成ポリ
マー（Ａ）を含む化粧品組成物であって、当該ポリマー（Ａ）は、水性またはア
ルコール性媒体中の当該ポリマーを周囲温度および相対湿度５０％で乾燥させて
得られた物質が、少なくとも：（ａ）破断時の伸び率（ε_b）が１６０％以上；（ｂ）瞬間回復率（Ｒ_i）が１０から６８％の間；（ｃ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が３０から１００％の間；（ｄ）３００秒における回復率（Ｒ₃₀₀）が４５から６０％の間である場合、破
断時の伸び率（ε_b）が１３００％未満；（ｅ）０．５ｍｍの厚みで２０ｍｍ／分の引張り速度で測定して、ヤング率が１
０ＭＰａより大きい；によって定義される機械的プロフィールを示すように選択される、化粧品組成物
。
【請求項２】ヤング率が１５Ｍｐａよりも大きいことを特徴とする、請求
項１記載の組成物。
【請求項３】被膜形成ポリマー（Ａ）が、組成物の全重量に対して、好ま
しくは０．０５から２０重量％、さらに好ましくは０．１から１５重量％、さら
に好ましくは０．２５から１０重量％の濃度で存在することを特徴とする、請求
項１または２記載の組成物。
【請求項４】被膜形成ポリマー（Ａ）が、ポリウレタン、ポリビニルアル
コール、および少なくとも一つのアクリルユニットを含むポリマーからなる群か
ら選択されることを特徴とする、請求項１ないし３のいずれか一項に記載の組成
物。
【請求項５】増粘剤、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性界
面活性剤、香料、防腐剤、サンスクリーン剤、タンパク質、ビタミン、プロビタ
ミン、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性非固定ポリマー、鉱物、
植物または合成油、セラミド、シュードセラミド、揮発性または不揮発性の、直
鎖状または環状の、変性または未変性シリコーン、および毛髪に適用される化粧
品組成物に通常用いられる他のあらゆる添加剤から選択される、通常の化粧用添
加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項１ないし４のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項６】請求項１ないし５のいずれか一項に記載の組成物を含むエア
ゾール装置。
【請求項７】請求項１ないし５のいずれか一項に記載の組成物の使用を含
むことを特徴とする、ヘアスタイルの形状を維持または整える方法。
【請求項８】ヘアスタイルの形状を維持および／または整えるための毛髪
用化粧品を製造するための、請求項１ないし５のいずれか一項に記載の組成物の
使用。