JP2003532026A - 通風機、特に電子機器を換気するための通風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、通風機、特にパーソナルコンピュータのための通風機に関し、騒音低減のために以下の構成要件の組み合わせが提案される：ａ）流路（２４）を外側で案内面（２２）によって境界付ける通風機ケーシング（１０）が設けられていること、ｂ）通風機ケーシング（１０）内で回転軸線（１２）を中心に回転可能に備えられていて且つハブ（１４）を用いて流路（２４）を内側で境界付ける回転ホイール（１８）が設けられていること、ｃ）回転ホイール（１８）のためにハブ（１４）内に配設される回転駆動部（２０）が設けられていること、ｄ）ハブ（１４）の周囲に渡って非対称に配分されている回転ホイール（１８）の羽根（１６）がラジアルブレードとして形成されていること、ｅ）案内面（２２）とハブ（１４）が、羽根入口エッジ（３４）と羽根出口エッジ（３６）との間の羽根領域において、通流方向で見て、円錐形又は僅かに湾曲されて拡がりながら形成されていて、その際に流路（２４）の内法通流面が一定である又は減少すること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、通風機（ファン）、特にパーソナルコンピュータのような電子機器
を換気並びに冷却するための通風機に関する。

【０００２】 この目的のためには、通常、平たく構成されている軸流通風機が使用され、こ
れらの軸流通風機は、流路としての円筒状のリング空間と、斜めに設定されてい
る羽根とを有する。従って、気流は回転ホイールを通じて軸方向に流れる。それ
により、圧力差が小さい場合、大きな体積流量が達成され得るが、より大きな圧
力差への以降領域では非連続性が発生し、この非連続性は、激しい乱流と、それ
と共に発生する不利な騒音特性とを導くことになる。

【０００３】 その他には、例えばヘアドライヤーに使用される半径流通風機が知られていて
、これらの半径流通風機は、比較的大きな圧力差を構成しながら、比較的大きな
気流抵抗を克服することができる。しかし、このような通風機は、その小さな搬
送体積は別として、空気案内が半径方向或いは接線方向であるために、ＰＣケー
シングへの組み込みには適していない。更に、特に所謂セミアキシアル通風機と
しての混合方式が知られていて、これらのセミアキシアル通風機は、領域ごとに
互いに覆われ且つ斜めに設定されている羽根により、対角線状の気流構成要素を
有する。このような通風機も、コンピュータ使用では騒音による短所を有する。

【０００４】 これらの点より、本発明の基礎を成す課題は、前述の短所を回避し、騒音発生
が僅かで効果的な換気と冷却に関して高い効率を達成する通風機を提供すること
である。更に、その構造形式は、コンピュータケーシングへの組み込みに良好に
適しているべきであり、典型的なシステム特性曲線に適応されるべきである。

【０００５】 この課題を解決するためには、特許請求項１に記載された構成要件の組み合わ
せが提案される。本発明の有利な構成及び他の構成は、従属請求項に記載されて
いる。

【０００６】 本発明は、幅広の有利な作動領域を達成するために、対角線状に通流されるラ
ジアルホイールを有する通風機を使用するという思想から出発する。それに対応
し、本発明に従い、以下の構成要件を有する通風機が提案される： − 流路を外側で案内面によって境界付ける通風機ケーシングが設けられている
こと、 − 通風機ケーシング内で回転軸線を中心に回転可能に備えられていて且つ案内
面に対して同軸に配設されているハブを用いて流路を内側で境界付ける回転ホイ
ールが設けられていること、 − 回転ホイールのためにハブ内に配設される回転駆動部が設けられていること
、 − ハブの周囲に渡って好ましくは不均等に配分されている回転ホイールの羽根
が、回転軸線に対して平行に延びていて且つ回転方向に反して後方に湾曲されて
いる円筒面内に位置すること、 − 案内面とハブが、羽根入口エッジと羽根出口エッジとの間の羽根領域におい
て、通流方向で見て、円錐形又は僅かに湾曲されて拡がりながら形成されていて
、その際に流路の内法通流面が一定である又は減少すること。

【０００７】 従って、軸方向の構造形式がコンパクトで半径流の作動原理が達成される。軸
流通風機に対し、吹き出し方向は僅かに変更されるだけであり、それに対し、比
較可能な体積流量において、明らかな圧力上昇が達成される。回転ホイールによ
り対角線状に流路をガイドするという特有のガイドは、連続的な絞りカーブを導
き、それにより広い領域に渡って作動点の最適化を可能にする。特に、小さな周
囲速度差に基づき、騒音を生成する気流の障害或いは気流の失速は、大きな圧力
時に絞りカーブの上側領域において初めて発生する。ＰＣのシステム特性曲線は
、通常、この領域には位置しない。この意味では、より長い気流経路も肯定的に
作用する。

【０００８】 気流横断面をほぼ一定に維持するために、案内面は、羽根領域内において、軸
方向でハブよりも急勾配で延びている。更にこの場合、案内面が、羽根領域内に
おいて、２０°と６０°の間の円錐角、好ましくは４０°の円錐角を有する円錐
台の形状を実質的に有し、ハブが、羽根領域内において、８０°と１１０°の間
の円錐角、好ましくは９５°の円錐角を有する円錐台の形状を実質的に有すると
有利である。

【０００９】 騒音発生を更に減少させるためには、ハブが少なくともその頂点領域において
放物線状に形成されていると有利である。また、案内面の入口部分が流入半径を
介して外側に向かって丸められていると有利である。

【００１０】 流路の入口開口部と出口開口部は、好ましくは互いに半径方向のオーバーラッ
プ部を有する。

【００１１】 本発明の特に有利な他の構成に従い、羽根出口エッジは、羽根端部に向かい、
流路の出口開口部の面に対し、通流方向に反して鋭い設定角度で設定されている
。この際、この設定角度は、１０°と２０°の間、好ましくは１５°であること
が保証されるべきである。それにより、流出側の渦動及びそれに対応して騒音発
生も減少されることが達成される。

【００１２】 更なる改善は、自由な羽根端部エッジが、許容隙間を空けながら、案内面に沿
って延びていることにより達成される。

【００１３】 羽根間の流入横断面を増加させるために、羽根入口エッジが軸方向においてハ
ブを越えて入口開口部に向かって延びていると有利である。

【００１４】 空気力学的に有利な他の構成では、羽根入口エッジが、自由な羽根端部エッジ
の長さの１％から４％の丸み半径並びに２％〜８％の側面厚を有することが考慮
されている。

【００１５】 回転ホイールの回転駆動のためには、有利には、外ロータ式で形成されていて
且つハブの穴内に配設される電動機が使用される。

【００１６】 次に、図面に図示されている実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する
。

【００１７】 図面に描かれている通風機（ファン）は、主として、ケーシング１０と、ケー
シング１０内に回転軸線１２を中心に回転可能に備えられていて且つハブ１４並
びにハブ１４に成形されている羽根１６を有する回転ホイール１８と、回転ホイ
ール１８のための回転駆動部２０とから構成されている。

【００１８】 ケーシング１０は、案内面２２としての内殻部を用い、流路２４をその外側で
包囲し、それに対し、案内面２２に対して同軸に配設されているハブ１４は、流
路２４を内側で境界付けている。

【００１９】 図２から見て取れるように、案内面２２は、その入口部分２６を除き、通流方
向（図２では下に向かう方向）で拡がってゆく円錐台の形状を有し、ここで円錐
角はほぼ４０°である。入口部分２６は、流路２４の入口開口部２８を境界付け
ながら、流入半径を介して外側に向かって丸められている。この半径は、入口側
の乱流の発生を回避するために、出来るだけ大きく保持されるべきである。基本
的には、案内面が切頭回転放物面として僅かに湾曲されていることも可能である
。

【００２０】 ハブ１４は羽根１６のフット領域３０において円錐台形状に形成されていて、
この際、図示されている実施形態において円錐角は９５°である。ハブ１４は、
その入口開口部２８側の頂点領域３２において、乱流を回避するために放物線状
に成形されている。ハブ１４全体が、場合によっては丸められた流出エッジを有
する放物線の形状を有することも考慮可能である。各々の場合、案内面２２が、
羽根領域、即ち羽根入口エッジ３４と羽根出口エッジ３６との間において、回転
軸線１２の方向でハブ１４よりも大きな勾配を有することが保証されているべき
であり、それにより、そこでは環形状である流路２４の中間直径は、内法通流面
が一定又は僅かに減少する際、連続的に拡がることになる。この際、流路２４の
入口開口部２８と出口開口部３８との間には半径方向のオーバーラップ部が構成
されていて、それによりリング領域４０が軸方向で通過可能に開放されている。

【００２１】 羽根１６は、共鳴を回避するためにハブ１４の周囲に渡って非対称に配分され
ていて、純粋なラジアルブレード（放射状羽根）として、回転軸線１２に対して
平行に延びていて回転方向に反して（図１では反時計方向で）後方に湾曲されて
いる円筒面内に位置している。

【００２２】 羽根入口エッジ３４は、軸方向においてハブ１４の頂点領域３２を超えて入口
開口部２８へと延びていて、自由な羽根端部エッジ４２の長さの１％から４％の
丸み半径並びに２％から８％の側面厚を有し、羽根端部エッジ４２は、許容隙間
を空けながら、案内面２２に沿って延びている。騒音減少のために、羽根出口エ
ッジ３６は、羽根端部に向かい、出口開口部３８の面に対し、通流方向に反して
鋭い設定角度で設定されていて、この場合、図示されている実施形態において、
この設定角度はほぼ１５°である。

【００２３】 全通風機ホイール１８は、好ましくはプラスチックから成る一部材式の射出成
形部材として製造されている。この場合、離型に関し、羽根１６が回転方向で重
なり合っていないと有利である。

【００２４】 回転駆動部２０は、外ロータ式で形成されている電動機により形成されていて
、この電動機は、ハブ１４の円筒形の穴４４内に配設されている。この際、ロー
タ４６はハブ１４に固定されていて、それに対し、転がり軸受４８を介してロー
タ軸５０上に着座するステータ５２は、リングフランジ５４及びこのリングフラ
ンジ５４から半径方向に突出するフレームウェブ５６を用いて出口側でケーシン
グ不動に固定されている。

【００２５】 まとめると以下のようになる：本発明は、通風機、特にパーソナルコンピュー
タのための通風機に関し、そこでは、騒音低減のために以下の構成要件の組み合
わせが提案される： − 流路（２４）を外側で案内面（２２）によって境界付ける通風機ケーシング
（１０）が設けられていること、 − 通風機ケーシング（１０）内で回転軸線（１２）を中心に回転可能に備えら
れていて且つハブ（１４）を用いて流路（２４）を内側で境界付ける回転ホイー
ル（１８）が設けられていること、 − 回転ホイール（１８）のためにハブ（１４）内に配設される回転駆動部（２
０）が設けられていること、 − ハブ（１４）の周囲に渡って非対称に配分されている回転ホイール（１８）
の羽根（１６）がラジアルブレードとして形成されていること、 − 案内面（２２）とハブ（１４）が、羽根入口エッジ（３４）と羽根出口エッ
ジ（３６）との間の羽根領域において、通流方向で見て、円錐形又は僅かに湾曲
されて拡がりながら形成されていて、この際に流路（２４）の内法通流面が一定
である又は減少すること。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ＰＣ機器のための通風機を流入側の俯瞰図として示す図である。

【図２】 羽根を有する図１による通風機を軸方向断面図として示す図であり、羽根は簡
素化されて輪郭が描かれている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フオンカー クリストフ ドイツ連邦共和国 デー・78050 フィリ ンゲン・シュヴェニンゲン カルクオーフ ェンシュトラーセ 18 (72)発明者 キーンツラー アンドレアス ドイツ連邦共和国 デー・78050 フィリ ンゲン・シュヴェニンゲン ボーゲンガッ セ ４ Ｆターム(参考） 3H033 AA02 AA14 BB07 CC06 DD12 EE06 3H034 AA02 AA14 BB07 CC03 DD05 EE06

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通風機であって、特にパーソナルコンピュータのような電子機
   器を換気するための通風機において、以下の構成要件を有すること： ａ）流路（２４）を外側で案内面（２２）によって境界付ける通風機ケーシング
   （１０）が設けられていること、 ｂ）通風機ケーシング（１０）内で回転軸線（１２）を中心に回転可能に備えら
   れていて且つ案内面（２２）に対して同軸に配設されているハブ（１４）を用い
   て流路（２４）を内側で境界付ける回転ホイール（１８）が設けられていること
   、 ｃ）回転ホイール（１８）のためにハブ（１４）内に配設される回転駆動部（２
   ０）が設けられていること、 ｄ）ハブ（１４）の周囲に渡って好ましくは不均等に配分されている回転ホイー
   ル（１８）の羽根（１６）が、回転軸線（１２）に対して平行に延びていて且つ
   回転方向に反して後方に湾曲されている円筒面内に位置すること、 ｅ）案内面（２２）とハブ（１４）が、羽根入口エッジ（３４）と羽根出口エッ
   ジ（３６）との間の羽根領域において、通流方向で見て、円錐形又は僅かに湾曲
   されて拡がりながら形成されていて、その際に流路（２４）の内法通流面が一定
   である又は減少すること。
2. 【請求項２】案内面（２２）が、羽根領域内において、軸方向でハブ（１４
   ）よりも急勾配で延びていることを特徴とする、請求項１に記載の通風機。
3. 【請求項３】案内面（２２）が、羽根領域内において、２０°と６０°の間
   の円錐角、好ましくは４０°の円錐角を有する円錐台の形状を実質的に有するこ
   とを特徴とする、請求項１又は２に記載の通風機。
4. 【請求項４】ハブ（１４）が、羽根領域内において、８０°と１１０°の間
   の円錐角、好ましくは９５°の円錐角を有する円錐台の形状を実質的に有するこ
   とを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の通風機。
5. 【請求項５】ハブ（１４）が、少なくともその頂点領域（３２）において放
   物線状に形成されていることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか一項に記載
   の通風機。
6. 【請求項６】案内面（２２）の入口部分（２６）が、流入半径を介して外側
   に向かって丸められていることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記
   載の通風機。
7. 【請求項７】流路（２４）の入口開口部（２８）と出口開口部（３８）が、
   互いに半径方向のオーバーラップ部（４０）を有することを特徴とする、請求項
   １〜６のいずれか一項に記載の通風機。
8. 【請求項８】羽根出口エッジ（３６）が、羽根端部に向かい、流路（２４）
   の出口開口部（３８）の面に対し、通流方向に反して鋭い設定角度で設定されて
   いることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の通風機。
9. 【請求項９】前記設定角度が、１０°と２０°の間、好ましくは１５°であ
   ることを特徴とする、請求項８に記載の通風機。
10. 【請求項１０】自由な羽根端部エッジ（４２）が、許容隙間を空けながら、
    案内面（２２）に沿って延びていることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか
    一項に記載の通風機。
11. 【請求項１１】羽根入口エッジ（３４）が、軸方向において、ハブ（１４）
    を越えて入口開口部（２８）に向かって延びていることを特徴とする、請求項１
    〜１０のいずれか一項に記載の通風機。
12. 【請求項１２】羽根入口エッジ（３４）が、自由な羽根端部エッジ（４２）
    の長さの１％から４％の丸み半径並びに２％〜８％の側面厚を有することを特徴
    とする、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の通風機。
13. 【請求項１３】回転駆動部（２０）が、外ロータ式で形成されていて且つハ
    ブ（１４）の穴（４４）内に配設される電動機により形成されていることを特徴
    とする、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の通風機。