JP2003521632A - 圧送ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内部に配置された燃料ポンプを備えた従来の圧送ユニットでは、燃料ポンプの流入部にフィルタが前置されている。一般的に、このような形式のフィルタはチューブ状の濾布から成っている。この濾布内には、形状を維持する支持体が挿入されている。フィルタの形状付与に基づき、このフィルタはスプラッシュポットの１つの部分領域にしか載置していない。これによって、特に燃料レベルが低い場合に燃料ポンプへの燃料供給が損なわれる。新規の圧送ユニット、特に底部領域はフィルタケーシングの一部を形成している。濾布はこの領域でスプラッシュポットに固定され、燃料ポンプはフィルタに接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、特に自動車に用いられる燃料タンクのための圧送ユニットであって
、スプラッシュポットと、燃料ポンプと、この燃料ポンプに前置されたフィルタ
とが設けられている形式のものに関する。

【０００２】 燃料タンク内で使用したい、燃料を燃料タンクから自動車の内燃機関に圧送す
る圧送ユニットは一般的に既知であり、公知先行技術が存在している。バッフル
チャンバとして形成されたスプラッシュポット内に配置された燃料ポンプは燃料
をフィルタを介してスプラッシュポットから吸い込む。フィルタによって、燃料
内の不純物が燃料ポンプ内にかつそこから内燃機関にまで到達することが防止さ
れることが望ましい。

【０００３】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第３６０９９０６号明細書に基づき、このよう
な形式のフィルタが公知である。このフィルタはチューブ状の濾布から成ってい
る。この濾布は接続管片に接続されており、この接続管片を介してフィルタは燃
料ポンプの流入管片に固定されている。フィルタは燃料タンクの底部にまで案内
されているので、液体レベル高さが低い場合でも濾布の一部を介して燃料を燃料
ポンプによって吸い込むことができる。濾過作用に損害を与える、燃料ポンプの
吸込み作用に基づくフィルタの収縮を回避するために、濾布内に、フィルタの収
縮を阻止する支持体が挿入されている。

【０００４】 フィルタの手間のかかる製造は特に不都合である。つまり、支持体の挿入と、
濾布の端部形状の形状付与と、濾布の縁部の溶着とには多数の作業ステップが必
要となる。さらに、燃料タンク内での組付け時におけるフィルタの位置決めが必
要となる。

【０００５】 本発明の問題は、冒頭で述べた形式の、燃料ポンプのためのフィルタを改良し
て、フィルタが、より良好な濾過性能を有していて、簡単に製造され得ると同時
に問題なしに組み付けられ得るようにすることである。

【０００６】 この問題は、本発明によれば、フィルタが圧送ユニットのスプラッシュポット
内に組み込まれることによって解決される。いま、スプラッシュポットの一部分
はフィルタの構成部分である。スプラッシュポット内では前記部分が濾布によっ
てカバーされている。したがって、スプラッシュポットの前記部分はフィルタケ
ーシングを形成している。決定的な利点は、使用可能な濾過面が拡大されている
点にある。これによって、濾過性能が改善されている。さらに、いま、燃料は重
力に基づいてもフィルタ内に到達しかつ専ら燃料ポンプの吸込み能力に基づきも
はやフィルタ内に到達しない。濾布の、閉鎖されたチューブ状の構成を回避する
ことに基づき、濾布の製造は著しく簡単となりひいては廉価となる。

【０００７】 有利な構成では、濾布がスプラッシュポットの底部の部分領域をカバーしてい
る。特に確実な燃料供給は、この部分領域がスプラッシュポットの最深領域であ
る場合に保証されている。この場合、部分領域は段状に形成することができるか
または外方に湾曲させて形成することができる。底部に開口が設けられていない
スプラッシュポットでは、底部全体が濾布によってカバーされていると有利であ
る。こうして、特に大きな濾過面が得られる。

【０００８】 フィルタの収縮を阻止するために、支持エレメントがスプラッシュポットと濾
布との間に配置されていると有利である。有利な構成は、この支持エレメントも
しくはリブがスプラッシュポットに結合されている場合に得られる。支持エレメ
ントはクリップ止めされていてもよいし、射出成形によってスプラッシュポット
に一体に形成されていてもよい。別の有利な構成では、支持エレメントが濾布に
配置されていて、この濾布をスプラッシュポットに対して支持している。

【０００９】 スプラッシュポットの内部での濾布の固定は、濾布がフレームによって取り囲
まれている場合に特に簡単となる。フレームに配置された係止エレメントは、こ
の係止エレメントが、スプラッシュポットに設けられた係止箇所にクリップ止め
される場合に特に簡単な組付けを可能にしている。スプラッシュポットに対する
濾布の有効なシールに関する一層簡単な構成は、フレームが、スプラッシュポッ
ト内に配置された、全周にわたって延びる溝内にクリップ止めされている場合に
得られる。

【００１０】 別の有利な構成では、フレームがプラスチックから成っていて、スプラッシュ
ポットの収容部内に挿入されている。プラスチックの膨潤に基づき、フレームは
吸収によってプレスされるので、シール作用が得られる。

【００１１】 濾布がスプラッシュポット内に挿入されていて、保持リングによってスプラッ
シュポットに固定されていても有利である。改良形では、濾布がスプラッシュポ
ットに溶着されている。濾布の支持と同時の位置固定は、濾布に配置された係止
エレメントが係合する係止箇所を支持エレメントが有していることによって達成
される。

【００１２】 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

【００１３】 図１には、射出成形法で製造されたスプラッシュポット（Ｓｃｈｗａｌｌｔｏ
ｐｆ）１が示してある。部分領域２は底部の最深領域を形成している。この部分
領域２内では、支持エレメントとして形成された直立するリブ３が射出成形によ
ってスプラッシュポット１に一体成形されている。このリブ３は、部分領域４の
レベルに相当する高さにまで延びている。スプラッシュポット１に同様に一体成
形されたエレメント５は、フィルタを収容しかつ支持するために役立つ。エレメ
ント５が中断されて配置されていることに基づき、燃料は邪魔されることなしに
吸込み管片の領域にまで流れることができる。スプラッシュポット１の底部に設
けられた開口６を介して燃料は燃料タンク（図示せず）からスプラッシュポット
１内に到達する。

【００１４】 図２に示した濾布７は、図１に示した部分領域２に適合された形状を有してい
る。濾布７の外周はプラスチックの射出成形によりプラスチックで取り囲まれて
おり、これによって、フレーム８が形成されている。このフレーム８に射出成形
によって一体に形成された接続管片９は、フィルタと燃料ポンプとを接続するた
めに役立つ。

【００１５】 図３には、フィルタが、組み付けられた状態で示してある。燃料ポンプ１０に
よって燃料は内燃機関に圧送される。フレーム８は、フィルタをシールするため
に、部分領域２を取り囲む部分領域４の縁部で閉鎖されている。

【００１６】 図４に示したフィルタのフレーム８は、濾布７が部分領域２をカバーするよう
に部分領域４内に挿入されている。プラスチックの液体吸収による膨潤によって
、密な座が保証される。接続管片９はエレメント５に支持されているのに対して
、支持エレメント３は濾布７の沈下を阻止している。

【００１７】 フィルタの固定部は図５および図６に示してある。この場合、図５に示したフ
レーム８は、全周にわたって延びる係止エレメント１１、たとえばフック、隆起
部を有している。この係止エレメント１１は、部分領域４の縁部で同様に全周に
わたって延びる係止箇所１２、たとえば溝内に押し込まれているかまたはクリッ
プ止めされている。図６には、別の形式の固定部が示してある。濾布７またはフ
レーム８は、全周にわたって延びる載置面１３上に載置される。次いで、保持リ
ング１４が組み付けられる。この保持リング１４は濾布７もしくはフレーム８を
位置固定していて、シール効果を達成している。保持リング１４の固定は、図５
と同様に保持リング１４の全周にわたって行うことができるかまたは個々の固定
エレメントによって行うことができる。射出成形によって濾布７に付加的に一体
成形された係止エレメント１５は係止エレメント１６と協働して濾布７を部分領
域２に対して位置固定しかつ支持している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 スプラッシュポットの平面図である。

【図２】 濾布を示す図である。

【図３】 濾布を組付け状態で示す図である。

【図４】 本発明によるフィルタの側面図である。

【図５】 スプラッシュポットへの濾布の固定部を示す図である。

【図６】 スプラッシュポットへの濾布の固定部を示す図である。

【符号の説明】

１ スプラッシュポット、 ２ 部分領域、 ３ リブ、 ４ 部分領域、
５ エレメント、 ６ 開口、 ７ 濾布、 ８ フレーム、 ９ 接続管片、
１０ 燃料ポンプ、 １１ 係止エレメント、 １２ 係止箇所、 １３ 載
置面、 １４ 保持リング、 １５ 係止エレメント、 １６ 係止エレメント

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料のための圧送ユニットであって、燃料ポンプと、濾布を
   有するフィルタとが設けられており、燃料ポンプが、少なくとも１つの流入部と
   、少なくとも１つの流出部とを有しており、スプラッシュポット内に配置された
   フィルタが、燃料ポンプの流入部に接続されている形式のものにおいて、スプラ
   ッシュポット（１）の部分領域（２）が、フィルタの構成部分であり、前記部分
   領域（２）が、濾布（７）によってカバーされていることを特徴とする、圧送ユ
   ニット。
2. 【請求項２】 底部領域（１）全体またはスプラッシュポット（１）の底部
   の部分領域（２）が、フィルタの構成部分である、請求項１記載の圧送ユニット
   。
3. 【請求項３】 スプラッシュポット（１）の、濾布（７）によってカバーさ
   れた部分領域（２）内に、濾布（７）のための支持エレメント（３，１６）が配
   置されている、請求項１または２記載の圧送ユニット。
4. 【請求項４】 濾布（７）が、フレーム（８）によって取り囲まれている、
   請求項１から３までのいずれか１項記載の圧送ユニット。
5. 【請求項５】 フレーム（８）が、スプラッシュポット（１）に溶着されて
   いる、請求項４記載の圧送ユニット。
6. 【請求項６】 フレーム（８）と、スプラッシュポット（１）の、濾布（７
   ）によってカバーされた部分領域（２）とが、係止エレメント（１１，１５）を
   有しており、該係止エレメント（１１，１５）によって濾布（７）が、スプラッ
   シュポット（１）内でクリップ止めされている、請求項４記載の圧送ユニット。
7. 【請求項７】 フレーム（８）が、スプラッシュポット（１）内に挿入され
   ていて、単数または複数の固定エレメント（１４）によってスプラッシュポット
   （１）内で固定されている、請求項４記載の圧送ユニット。