JP2003520652A - 止血バルブ - Google Patents
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Abstract
Description
、止血バルブは、互いに同じ形状の2つの分かれたバルブガスケットから構成さ
れ、これらのガスケットは逆向きの位置で、止血カニューレのバルブハウジング
の内部で連結されている。
前より知られてきた。人体の血管系にこのようなカテーテルを導入するのにいく
つかの方法が利用可能である。このような方法の1つは血管切開法であり、別の
方法はセルディンガー法である。セルディンガー法は、静脈または動脈を針で外
科的に開口し、針の内腔を通してガイドワイヤーを血管内に挿入し、針を引き抜
き、止血バルブを収容した付属シースの中を通過させた拡張器をガイドワイヤー
の外周に沿って挿入し、拡張器を取り出し、止血バルブとシースを通してカテー
テルを血管内に挿入することを含む。
は、ガイドワイヤーを止血バルブの中に挿入する時、大部分のガイドワイヤーが
、やはり使用されうるカテーテルに比べて非常に小さい (細い) ため、ずっと大
径のカテーテルの血管系への容易な挿入を可能にするのと同時に、バルブが血管
の背圧に十分に抗してシールを達成することが困難であることが多い。この問題
は、血管の背圧が高い動脈導入を含むカテーテル法では特に深刻となる。このよ
うな動脈処置では、止血バルブを通してガイドワイヤーを導入する時に血液が噴
出することがある。過大な血液漏出は患者にとって極めて危険であり、手術室や
医療スタッフへの汚染ともなりうる。従って、従来の止血バルブの大部分は1サ
イズのカテーテルとだけ使用するように設計されている。単一型の止血バルブを
直径が大きく異なるカテーテルに対して使用することは、これらの止血バルブで
はカテーテル壁の周囲で十分なシールを達成することができないため、困難であ
ることが多かった。
端部) に取付けられたバルブハウジングまたはハブ内に装着された止血バルブを
含んでいることが多い。このような導入器は、アクセス部位で患者を傷つけるの
を最小にし、かつ心臓カテーテル処置中の患者の快適さを改善すると同時に、患
者の血管系へのカテーテルとガイドワイヤーの挿入を容易にするために従来より
使用されている。血管造影法や血管形成法の際にしばしば起こるように、径の異
なる1または2以上の処置用カテーテルを患者の血管に繰り返し出し入れする場
合に、導入器は特に必要である。カテーテル導入器を単に存在させ、その導入器
を通してサイズの異なるカテーテルを挿入すると、心臓カテーテル法の処置中に
出血をしばしば引き起こす。
に入れる時に、それからの、またはその周囲での血液の漏出が起こらないように
シールするための高性能の止血バルブが求められている。止血バルブは、1また
は2以上の細長いカテーテルまたはガイドワイヤーを導入器から引き抜く時に患
者の動脈または血管内への空気の導入を防止することも必要である。また、バル
ブはバルブ内に医療装置が何も通っていない時にもシールされたままでなければ
ならない。
細長い円筒形医療装置が内部に導入されていない時もバルブが常にシールされて
いる;(b) 大径のカテーテル (約9F (3 mm)より大径のもののような) をバルブ
に導入する時でも挿入および引抜きの力が小さくなければならない;(3) 一方、
小径のガイドワイヤー (0.014 in (0.35 mm)までの小径のもののような) をその
通路内を通過させる時でもバルブは良好なシール性を保持しなければならない;
そして(4) 空気の血液流への伝搬を防止するため、バルブの変形は軸方向ではな
く、可能な限り最大程度に半径方向となるべきである。
きる。I型は、例えば、米国特許第5,041,095 および5,176,652 号に開示されて
いるように、ほぼ等しい厚みの一対のディスク様ガスケットを備える。各ガスケ
ットは、その中心から半径方向に向かってガスケット内に切り込まれたY形の開
口を有し、この開口はそれぞれ他のスリットから約120 度の角度となる3個のス
リットを形成する。各スリットはガスケットの一方の端面から反対側の端面まで
貫通している。自己シール性止血バルブを形成するため、それぞれのガスケット
の2つのY形スリットはバルブハウジング内で互いに反対位置に装着される。
、例えば、米国特許第2,023,267; 4,000,739; 4,430,081; 4,655,752; 4,673,39
3; 4,895,346; 5,000,745;および5,643,227 号に開示されている。これらの各特
許は、止血バルブを形成するのに用いるバルブディスクの異なる組合わせを開示
する。一部の態様では、ディスクの1つがY型スリットを備え、他方のディスク
はディスクの中心に円形の開口を備える。
5,149,327および5,167,637 号に開示されるように、単一のシール用ディスクを
利用する。このディスクは一般に、一方の端面だけに開口している第1のスリッ
トと、反対側の端面だけに開口している第2のスリットとを有する。十字形を形
成している2つのスリットはディスク内部で互いに交差している。ディスクを通
る開口の形状が異なる他の種類の単一ディスク止血バルブは、例えば、米国特許
第4,705,511(図4を参照); 4,798,594および4,895,565 号に開示されている。
655 号に開示されているように、II型止血バルブに似ているが、1個のスリット
だけ (Y形または×形) がガスケットの一方の端面から反対側の端面まで貫通し
ている点で異なる。スリットはバルブ本体に垂直でもよく、または米国特許第5,
520,655; 4,789,594および4,895,565 号に開示されるように、下向きラセンカッ
トを形成するようにラセンに切り込まれていてもよい。その近位面から遠位面に
達する角度つきカットを有する止血バルブを開示する米国特許第4,705,511 号に
特に留意されたい。
号のような様々な特許に開示されている。しかし、これらの止血バルブは一般に
特定のサイズの医療装置と一緒に使用するために設計されている。
円筒形医療装置の周囲に十分なシールを確保することができないため、単一の止
血バルブを径が大きく異なる医療装置と一緒に利用することはこれまで可能では
なかった。また、従来の止血バルブの多くは、各種の構造上の特徴のため各種の
性能上の欠陥を示す。例えば、プレガイド (予備案内) 用センタリング・チャネ
ルを設けていないため、自動的に閉じたスリットにより形成される通路を通して
細長い円筒形医療装置を操縦することが困難となることがある。また、I型止血
バルブについては、バルブ内への細長い円筒形医療装置の挿入により生ずる変形
が、一般に開口から半径方向に離れる方向ではなく、軸方向になる。このような
止血バルブでは、医療装置の導入により2つのガスケット間に軸方向の隙間がで
き、その結果、血圧が高い状況下では血液が漏れることがある。II型止血バルブ
の場合、このような軸方向の隙間は、2つのガスケットのシール機能を単一ガス
ケットに統合 (一体化) することにより場合により軽減される。この一体化によ
り、シール性はI形止血バルブに比べて改善されるように見える。しかし、バル
ブの通路を通して医療装置を挿入するのに必要な挿入力が飛躍的に増大する。こ
れは、止血バルブの2つのスリットに加わる変形力が互いに反対向きであり、バ
ルブ内部の2つのスリットの交差位置での摩擦が増大するためである。
バルブは、小径のガイドワイヤーがそのスリット通路を通過する時に血液の漏れ
に対してシールしないことが多い。さらに、大径カテーテルの引抜きにより発生
する回復力によって血液流中への空気の導入を生ずることがある。
認められてきた。例えば、米国特許第5,520,655 号は、バルブを挿入力の向きと
は反対の軸方向の向きに予め変形させた医療装置を開示する。細長い医療装置の
挿入により生じた軸方向の変形は、この予備変形によって相殺される。その結果
、挿入時に実際の変形はバルブに対して半径方向となるように見える。しかし、
この予備変形のために挿入力が増すことがあり、細長い円筒形部材の引抜きによ
る回復力により、この場合も空気が血液流中にしみ出ることが起こりうる。
料の自然の弾力性を増強する1または2以上のバネ要素を備える、バネ負荷した
弾性ガスケットバルブ部材の使用を提示している。しかし、金属バネの組み込み
により挿入力が増大する。
て、米国特許第5,125,903 号は、凹面と凸面の尖点 (カスプ) 形表面を使用して
バルブの薄肉中心領域を形成し、この領域を貫通する短い交差スリットが交差の
90度線に対して45度の角度に向かうようにしたものを開示している。
するためにこれを貫通する径を小さくした孔、スリットおよび交差スリットを備
える平板ディスク形ガスケットからの離脱を意図して、その欠点を克服すること
を試みている。しかし、従来技術のバルブの問題点を克服するための止血バルブ
の改善はなお必要である。
能を示し、血管への空気の逆流を制限し、径の異なる細長い円筒形医療装置の挿
入と引抜きが容易な万能止血バルブを提供することである。この止血バルブは約
9F (3 mm) までの大径カテーテルと、細い方は約0.014 in (0.35 mm)までの小径
ガイドワイヤーの両方の多様なものと一緒に、高い信頼性で使用することができ
る。
成する、2つの分かれたバルブガスケットからなる止血バルブを開示することで
ある。
成され、それぞれのバルブガスケットが少なくとも1つの位置決め突起部と少な
くとも1つの位置決めスロットとを備え、これらが互いに相互作用して2つのバ
ルブガスケットを互いに対して特定の位置に向ける、止血バルブを開示すること
である。
ガスケットの中心部がバルブガスケットの全体の厚みに対して非常に薄い、止血
バルブを開示することである。
ケットから構成され、各スリットが各バルブガスケットの表面の位置に対して約
85度から約30度までの角度に傾斜させた止血バルブを開示することである。
が円錐形受容領域と止血バルブを通る医療装置を案内する案内孔を有する止血バ
ルブを開示することである。
ぞれが、医療装置を止血バルブを通して挿入する時にバルブハウジングの方に向
かう方向の斜面縁部を含む止血バルブを開示することである。
て実質的な接触を保持する一対のバルブガスケットから構成される止血バルブを
開示することである。
ら構成され、近位バルブガスケットの入口面と遠位バルブガスケットの出口面が
軸方向に圧縮性の複数の同心リングを含む止血バルブを開示することである。
備えた止血カニューレユニットであって、止血バルブが一対の同一バルブガスケ
ットから構成され、そのそれぞれが少なくとも1つの位置決め突起部と少なくと
も1つの位置決めスロットとを備え、これらが互いと相互作用して2つのバルブ
ガスケットを互いに対して特定の位置に向けるものを開示することである。
ットにより達成することができる。
長手方向に向かうハウジング内への拡張器またはカテーテルの挿入を可能にする
開口を含む、ハウジングの第1端部を封鎖するキャップ、ならびに前記バルブハ
ウジングにより一緒に圧縮される一対の同一バルブガスケットからなる止血バル
ブを備える、止血カニューレユニットを包含する。
ブガスケットに存在する少なくとも1つの共働する位置決め用の突起部とスロッ
トとを用いて、近位バルブガスケットが遠位バルブガスケットに対して決まった
位置に保持される止血バルブを包含する。
各バルブガスケットの中心がバルブガスケットの全体厚みに比べて非常に薄い、
止血バルブを包含する。
それぞれスリットを含み、スリットのそれぞれがバルブガスケットの面の表面か
ら約30度〜約85度の角度をつけて傾斜している止血バルブを包含する。
そのそれぞれが円錐形受容領域を含み、かつそのそれぞれがセンタリングまたは
案内孔を含む止血バルブを包含する。
近位バルブガスケットの入口面と遠位バルブガスケットの出口面のそれぞれが、
2つのバルブガスケットのそれぞれの表面から突き出た複数の同心リングを含み
、これらの同心リングが、止血バルブを止血バルブハウジング内に配置した時に
圧縮される止血バルブを包含する。
止血バルブガスケットのそれぞれの側面が、医療装置を止血バルブを通して挿入
する時にバルブハウジングの内壁の方に向かう方向の斜面縁部を含む止血バルブ
を包含する。
医療装置を止血バルブを通して挿入する時に、近位ガスケットの遠位面と遠位ガ
スケットの近位面が互いに接触する止血バルブを包含する。
が角度つきスリットを含み、近位ガスケットの角度つきスリットが遠位ガスケッ
トの近位表面と共働し、かつ遠位ガスケットの角度つきスリットが近位ガスケッ
トの遠位表面と共働して、医療器具をバルブから取り出した後、バルブのシール
を行う止血バルブを包含する。
血カニューレアセンブリ(70)に組み込まれる。止血カニューレアセンブリ(70)は
、例えば、拡張カテーテルまたは処置用カテーテルを小径のガイドワイヤーの外
周に沿って血管内に前進させる各種の心臓カテーテル法の処置に使用される。
材から形成される。これらの部材の第1はキャップ(80)であり、これは第2の部
材である長手方向に向かうバルブハウジングまたはハブ(90)の近位端部に取付け
られる。バルブハウジング(90)は近位側と遠位側に対向する開口を有し、これら
の開口を通って細長い円筒形医療装置がバルブハウジングまたはハブ(90)の内部
に挿入され、そこから取出される。カニューレアセンブリ(70)のキャップ(80)お
よびバルブハウジング(90)は、高密度ポリエチレンまたはアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレンコポリマー等の比較的硬質の熱可塑性材料から好ましくは作
製される。キャップ(80)は、ねじ、スナップ嵌め等を用いた機械的手段により、
または接着剤によりバルブハウジング(90)の本体(96)に固定してもよいが、好ま
しくは超音波溶接または熱接合により固定する。
バルブ(10)を形成し、図1、2および3に示すように、これらは近位バルブガス
ケット(20)および遠位バルブガスケット(40)からなる。図1に示すように、近位
バルブガスケット(20)の入口面(21)は、止血カニューレアセンブリ(70)のキャッ
プ(80)の内面と接触し、近位バルブガスケット(20)の出口面(23)は遠位バルブガ
スケット(40)の入口面(41)と接触する。遠位バルブガスケットの出口面(43)は、
図1に示すように、バルブハウジング(90)の内面の表面と接触して、バルブガス
ケット(10)をバルブハウジング(90)内にしっかり保持している。これらのバルブ
ガスケット(20, 40)は、シリコーンゴム、または熱可塑性エラストマー (オレフ
ィン系、スチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系、またはポリブタジエン、
ポリイソプレンもしくは天然ゴム等の炭化水素ゴム) といった、柔軟で高弾性の
高分子材料から作製され、径の異なる細長い円筒形医療装置(120) が止血バルブ
(10)を容易かつ繰り返し通過するのを可能にする。
示すような管状導入器シース(100) であり、これは好ましくは、高密度ポリエチ
レン(HDPE)、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)
、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC) 、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、または上記高分子材料のブレンドといった、生体適合性の熱可塑性材料から
作製される。上記高分子材料の異なる組合わせを用いて導入器シース(100) を共
押出した多層管状構造物も使用できる。シース(100) は、バルブハウジングまた
はハブ(90)の遠位端部(94)の中に挿入され、好ましくは熱接合または超音波溶接
により所定位置に固定され、バルブハウジング(90)の内部からの出口となる。
すように、サイドポート(110) が好ましくは止血バルブ(10)より遠位のバルブハ
ウジング(90)に固定されるか、またはその中に形成される。
した経皮開口部、即ち、血管系へのアクセス部位を維持し、拡張器もしくは閉塞
具やカテーテルおよびガイドワイヤーの導入地点となる。血管への導入器シース
(100) の導入は、ガイドワイヤーを内部に通して前進させる拡張器により行われ
、これらはいずれも導入器シース(100) およびバルブ(10)の中を通過させるのが
有利である。導入器シース(100) を選択した血管内で十分な距離だけ前進させた
ら、例えば、図10に示すように、治療用カテーテルシステムの挿入のためにガイ
ドワイヤーと拡張器を取り出す。
に示すように、止血バルブ(10)を形成する。近位バルブガスケット(20)と遠位バ
ルブガスケット(40)は、図3に示すように、バルブガスケット(20, 40)のそれぞ
れに配置された1または2以上、好ましくは2つの位置決め突起部(32, 52)を、
バルブガスケット(20, 40)のそれぞれに配置された1または2以上、好ましくは
2つの位置決めスロット(34, 54)と整列させて、その内部に挿入することにより
組立てられる。組立てた止血バルブ(10)を、図1に示すように、バルブハウジン
グ(90)の近位端部(92)の位置に挿入する。その後、キャップ(80)をバルブハウジ
ング(90)の近位端部(92)に固定する。組立てが終わると、近位バルブガスケット
(20)の案内コーン、即ち、円錐形受容領域(22)はキャップ(80)を通る開口(84)と
ほぼ整列する。止血カニューレアセンブリ(70)を組立てた後、キャップの内面か
ら外向きに突き出たキャップ(80)の内面環状部分(82)により、近位バルブガスケ
ット(20)に対し、遠位バルブガスケット(40)に当たるよう軸方向圧縮力がいくら
か負荷されることが好ましい。後でより詳しく説明するように、近位バルブガス
ケット(20)の入口面(21)および遠位バルブガスケットの出口面(43)のそれぞれは
、例えば、図1、3、4および6に示すように、隆起した複数の同心リング(30,
50)を含んでおり、止血バルブ(10)をバルブハウジング(90)の中に挿入し、キャ
ップ(80)をバルブハウジング(90)の近位端部に固定してバルブを所定位置に固定
する時、これらのリングが圧縮される。好ましくは、止血バルブ(10)に対する圧
力は、バルブハウジング(90)内でこれを少なくとも約2%、好ましくは約2〜5
%圧縮する。
一の形状および構造で形成する。同じ構造にすれば止血バルブ(10)の総製造コス
トが低減するのは明らかである。さらに、この構造には後でより詳しく説明する
ように多くの利点がある。ただし、この説明の目的にとって、近位バルブガスケ
ット(20)の構造および形状の説明は、遠位バルブガスケット(40)の構造にも等し
く当てはまる。
タリングまたは案内孔(24)に向かって先細になっている円錐形受容領域または案
内コーン(22)を含む。円錐形受容領域または案内コーン(22)のテーパー角度は、
バルブガスケット(20)の入口面(21)から約20〜約80度、好ましくは約20〜約60度
である。センタリング孔(24)は、大径のカテーテルが止血バルブ(10)を通過する
時にシール用ネック部として作用する。センタリング孔(24)は、それに挿入する
医療器具の外観形状と両立する任意の断面形状で形成することができる。例えば
、この孔(24)の断面は、矩形、三角形、楕円形または円形をとりうる。図4およ
び5Aに示すように、センタリング孔(24)に円形断面を利用する場合、その直径
は止血カニューレアセンブリ(70)に利用する最小の拡張器の直径とすることが好
ましい。図4および5Aに示すように、4フレンチ(1.33 mm) の拡張器を収容す
るような円形断面が好ましい。案内孔(24)の遠位側の終端は平面(25)である。
一緒になって、細長い医療装置を止血バルブ(10)の近位バルブガスケット(20)の
中心に案内して、臨床医にすばらしい「感触」を与えながら、直径の異なる多様
なカテーテルを止血バルブ(10)の中に容易に挿入し、それを通過させることがで
きる。
スケット(20)のスリット(26)であり、これはバルブガスケット(20)の残りの部分
を完全に貫通して、図1および5Aに示すようにその出口面(23)に達している。
このスリット(26)は、その近位側の終端が案内孔(24)の中心またはその付近に位
置する単一のスリットであることが好ましい。スリット(26)の幅は、約0.070 in
(1.8 mm) ないし約0.15 in (3.8 mm)、好ましくは約0.09 in (2.3 mm)ないし約
0.12 in (3.0 mm)である。
垂直な面から約5〜約70度の角度で切り込まれていることが好ましい。この切込
み角度は、最適には垂直面から44〜46度である。スリット(26)は、その近位縁部
と遠位縁部が止血カニューレアセンブリ(70)の長手中心軸から等距離となるよう
に、好ましくは軸方向にセンタリングされている。スリット(26)は半径方向にも
センタリングされている。これらの配置の原則は、図9に示すように、スリット
(26, 46)に言及しても示される。スリット(26) (および対応してスリット(46))
の幅が好ましくは案内孔(24)の内径より大きいため、スリットは円錐領域(22)よ
り部分的には上側、部分的には下側まで達しており、図4に示すようにスリット
(26)の2つの部分(31)が見えるようになる (図6に示すように、遠位バルブガス
ケット(40)の対応する切込み部分(51)を見よ) 。上述したような角度つきスリッ
ト(26, 46)は、スリット(26, 46)の前方部分および後方部分に薄いエラストマー
材料領域を形成するため、これらの領域は、ここに配置されうる医療装置(120)
の表面形状に対する応答性がより高くなる。この薄いエラストマー領域が前記表
面形状に順応するため、空気および他の血液汚染物の侵入もより良好に防止され
る。また、医療装置とバルブ(10)の内面領域との間での血液の流出も阻止される
。他の利点も後で明らかとなる。或いは、図5Bに示すように、スリット(26)は
出口面(23)の面および案内孔(24)の面(25)に垂直な角度に向けてもよい。
に、凹んだ傾斜縁部(28)を備え、これは近位バルブガスケット(20)の出口面(23)
から約20〜約90度、好ましくは約30〜約60度の角度で傾斜している。近位バルブ
ガスケット(20)の傾斜縁部(28)を図5、5Aおよび5Bに示すように角度をつけ
ることにより、細長い円筒形医療装置を止血バルブ(10)に通した時に、止血バル
ブ(10)に作用する血圧が一般に軸方向の圧力から半径方向の圧力に転換され、継
ぎ目なしバルブガスケット対(20, 40)を形成することによって、臨床医により良
好な「感触」を与える。また、近位バルブガスケット(20)のこの傾斜縁部(28)の
材料は、留置型の医療装置が止血バルブ(10)の中に挿入されている時に半径方向
に膨らむ。近位バルブガスケット(20)の傾斜縁部(28)とバルブハウジング(90)の
内面との間の空間は、近位バルブガスケット(20)の膨らんだ材料で少しずつ充満
されるので、止血バルブ(10)に医療装置を導入する際の困難性が軽減される。
ルブガスケット(40)である。これは、近位バルブガスケット(20)を補完し、これ
と共働して、小径のガイドワイヤーに対して改善されたシールを与えるように設
計されている。これは、図3に示すように、近位バルブガスケット(20)とは、反
転しているだけで、同じ形状に設計され、図1に示すように、遠位バルブガスケ
ット(40)の入口面(41)が近位バルブガスケット(20)の出口面(23)と共働する。好
ましくは同一形状であるガスケット(20)および(40)の利点はすぐにわかるであろ
う。例えば、1つの金型でどちらのガスケットとしても使用できる部材を作製す
ることができる。また、在庫部材の保管および取扱いに同じ方法を使用すること
ができる。
ト(40)の傾斜縁部(48)は、近位バルブガスケット(20)の傾斜縁部(28)と共働する
。これは、近位バルブガスケット(20)の傾斜縁部(28)の角度に対して余角の角度
を有する。
うに、そのスリット(46)がある。これは、近位バルブガスケット(20)と遠位バル
ブガスケット(40)を図1および3に示すように一体に接合した時に、近位バルブ
ガスケット(20)のスリット(26)の位置に対して垂直な位置に配置することが好ま
しい。遠位バルブガスケット(40)のスリット(46)の幅は、好ましくは近位バルブ
ガスケット(20)のスリット(26)の幅と同じ幅である。遠位バルブガスケット(40)
のスリット(46)は、図6および6Bに示すように、案内、センタリングまたはガ
ード孔(44)の方に向かって遠位バルブガスケット(40)を貫通している。遠位バル
ブガスケット(40)の案内孔(44)は、止血バルブ(10)を通る留置型医療装置、特に
湾曲した医療装置の案内を助けることにより重要な機能を果たす。そのような湾
曲した医療装置が近位バルブガスケット(20)のセンタリング孔(24)およびスリッ
ト(26)を通過する時、湾曲した医療装置は止血バルブ(10)の中心から迷走する傾
向があるかもしれない。遠位バルブガスケット(40)に存在させた第2のセンタリ
ングまたは案内孔(44)があることで、止血バルブ(10)を通過中の湾曲した医療装
置は、止血バルブ(10)をまっすぐ通過することが促される。案内孔(44)の近位側
の起点はは平面(45)である。
め、医療装置が止血バルブ(10)を通過しなければならない距離を最小に保持する
ことが好ましい。これは、本発明の止血バルブ(10)を用いて、遠位バルブガスケ
ット(40)に対して近位バルブガスケット(20)を「背中合わせ」に配置することに
より達成される。この「背中合わせ」配置により、医療装置が止血バルブ(10)を
通過する部分の止血バルブ(10)の厚みが最小に保持される。1好適態様において
、止血バルブ(10)の全体の厚みに対する止血バルブ(10)のこの部分の厚みが最小
に保持される。例えば、図5Bおよび7Bでは、近位および遠位の両方のバルブ
ガスケット(20, 40)のスリット領域の厚み (それぞれ出口面(23)と平面(25)との
間、および入口面(41)と平面(45)との間) は、好ましくは約0.010 in (0.25 mm)
〜約0.03 in (0.8 mm)である。この厚みは、図6Bに参照番号60で示されている
。このスリット(46)の厚みは図7に番号60で示されている。センタリング孔(44)
の長手方向の厚みは、スリット(46)の厚みとほぼ同じ厚みである。従って、番号
(62)で示される、スリット部分の厚み(60)とセンタリング孔(44)の厚みを一緒に
した全体の長手方向厚みは、好ましくは約0.02 in (0.5 mm)〜0.06 in (1.6 mm)
である。
れらの各入口面(21, 41)からそれらの各出口面(23, 43)までの厚みは、番号64で
示されるが、それぞれのスリット(26, 46)の厚み、あるいはそれぞれのスリット
領域の厚み(60)とセンタリング孔(25, 44)の厚みを合わせた厚み(62)よりかなり
厚い。例えば、遠位バルブガスケット(40) (または近位バルブガスケット(20))
の厚みの決定では、厚みは遠位バルブガスケット(40)の近位側のその入口面(41)
から遠位バルブガスケット(40)の遠位側のその出口面(43)までを測る。番号(64)
で示されるこの遠位バルブガスケット(40)の厚みは、好ましくは約0.07 in (1.8
mm)〜約0.15 in (3.8 mm)である。従って、好ましくは、遠位バルブガスケット
(40)のスリット(46)の厚み(60)は、遠位バルブガスケットの全体厚み(64)の約25
%以下であり、より好ましくは厚み(64)の約10〜約40%である。
ット(46)とにより形成された、スプリット (分割) スリット(26, 46)は、主十字
形シール用バリアーとして作用し、止血バルブ(10)を通る血液および空気の流れ
を阻止する。近位バルブガスケット(20)およびそのスリット(26)と遠位バルブガ
スケット(40)のスリット(46)との適切な整列を確保するため、図3に示すように
、遠位バルブガスケット(40)の外縁部(49)に存在させた1または2以上、好まし
くは2つの位置決めスロット(54)と整列する、1または2以上、好ましくは2つ
の位置決め突起部(32)を近位バルブガスケット(20)の外縁部(29)に設ける。近位
バルブガスケット(20)のそれぞれの位置決め突起部(32)を遠位バルブガスケット
(40)の位置決めスロット(54)と整列させることにより、図1および3に示すよう
に、それぞれのスリット(26, 46)が互いに半径方向垂直に整列し、遠位バルブガ
スケット(40)と近位バルブガスケット(20)との適正な相対的な位置が確保され、
止血バルブ(10)内に好ましい十字形シールパターンが形成される。また、好適態
様では、遠位バルブガスケット(40)のスリット(46)は、図7に示すように、それ
ぞれの位置決め突起部(52)の間の位置に配置され、それぞれの位置決めスロット
(54)の間に形成された直線に対して垂直である。近位バルブガスケット(20)は、
図5に示すように、そのスリット(26)に対して同様の構造を含む。好ましくは、
図3に示すように、近位バルブガスケット(20)の外縁部(29)に存在させた1また
は2以上、好ましくは2つの位置決めスロット(34)と整列する、追加の一対の位
置決め突起部(52)が遠位バルブガスケット(40)の外縁部(49)に設けられる。(ガ
スケット(20, 40)は、それぞれのスリット(26, 46)が互いに垂直に整列するよう
に整列させることが好ましいが、スリット(26, 46)は、スリット(26, 46)間の角
度が所望により垂直から45度まで又はそれ以上となるよう整列させてもよい。) 近位および遠位バルブガスケット(20, 40)のそれぞれにおけるこの都合のよい
位置決め突起部(32, 52)および位置決めスロット(34, 54)の構造により、これら
2つのガスケットを一体に接合した時に、遠位バルブガスケット(40)に対して近
位バルブガスケット(20)が適正に整列するようになる。また、好適態様では、図
7に示すように、各対の位置決め突起部(52)の内面間の距離は、遠位バルブガス
ケット(40)に設けたスロット(54)の内径よりわずかに小さい。この構造では、近
位バルブガスケット(20)のそれぞれの突起部(32)を遠位バルブガスケット(40)の
スロット(54)の中に押し込んだ時、それぞれの位置決め突起部(32)に外向き圧力
が加わる。この外向き圧力により、バルブガスケット(20)のスリット(26)は、そ
れがそれぞれの突起部(32)の方に引っ張られるようにわずかに伸ばされる。これ
はバルブ(10)を血液流が通るのを防止するよう良好なシールを助長し、止血バル
ブ(10)内に留置型医療装置が存在しなくても、スリット(26)を強制的に密に閉鎖
する。
の前縁部または後縁部はバルブガスケットの出口面(23)から突き出る。スリット
(46)はスリット(26)に対して垂直であるから、これらは1点で交差する。ガスケ
ット(20)とガスケット(40)とが機能的に係合した状態では、スリット(26)の遠位
端部は入口面(41)により強制的に閉鎖される。こうして、スリット(26)のより薄
い遠位側のエラストマー領域は、留置型医療装置(120) の外径に順応するその能
力を保持しているが、より厚く、エラストマー性のより小さい入口面(41)によっ
て強制的に閉鎖されるという追加の利点を共有する。同様に、スリット(46)の前
方または近位の縁部(46)は出口面(23)でバルブガスケット(40)に入る。こうして
、出口面(23)はスリット(46)のより薄い近位側のエラストマー領域を支えるが、
やはりこの領域は留置型医療装置の外径に順応するその能力を保持している。ス
リット(46)の軸方向遠位側の縁部も薄い領域を有する。この領域は薄くて柔軟で
あり、医療装置の輪郭に従うが、正常な血圧の循環系との連通状態では流体 (血
液) 柱から加えられる圧力により強制的に閉じられる。
郭に対する応答性がより高いだけでなく、場合により何時間も常に、撓み状態か
らよりすばやく弛緩して、手術室環境から血液を完全に隔離する。換言すると、
これらの薄い領域は、長時間変形されていたより厚い領域よりすばやく閉鎖状態
に弛緩するため、バルブ(10)が完全かつ素早く閉鎖するのを可能にする。
(40)の出口面(43)と同じ構造および形状を有する。好適態様において、これらの
面(21, 43)のそれぞれは、その面(21, 43)の表面から隆起した1または2以上の
同心リング(30, 50)を含んでいる。例えば、図3、4および6では、バルブガス
ケット(20, 40)の出口面(23, 43)に2つの同心リング(30, 50)が見られる。これ
らの同心リング(30, 50)は出口面(43)の表面からわずかに盛り上がっている。こ
れらの同心リング(30, 50)のそれぞれに、図1に示すように、キャップ(80)をバ
ルブハウジング(90)に固定した時に圧力が加わる。同心リング(30, 50)が隆起し
ているため、圧力にさらされるエラストマー材料の量がずっと少なくなるので、
細長い医療装置が止血バルブ(10)の内部に存在しない時、止血バルブ(10)によっ
て、止血バルブ(10)の外部の周囲の血液流に対するより良好な円周シールがバル
ブハウジング(90)内部に形成される。
スリット(26, 46)の変形した形状を示す。この形状を形成するには、それぞれの
スリット(26, 46)の端部に2つの曲線三角形様の隙間(27, 47)を形成する。近位
バルブガスケット(20)の隙間(27)と遠位バルブガスケット(40)の隙間(47)は、図
8に示すように、円筒形部材(120) が遠位バルブガスケット(40)および近位バル
ブガスケット(20)を通過する時に交錯する。隙間(27, 47)のそれぞれの近位バル
ブガスケット(20)および遠位バルブガスケット(40)からの交錯は止血バルブ(10)
を通る血液の漏出に対する相互バリアーとなる。血液の漏出は、2つの隣接する
交錯した隙間(27, 47)がつながった時だけに起こる。細長い円筒形部材(120) の
直径が極めて小さい場合、止血バルブ(10)の半径方向の圧縮の程度に応じて、2
つの隣接する隙間(27, 40)がつながったままとなる可能性がある。そのような場
合、血液の漏出は最初の半径方向の圧縮によって防止される。細長い円筒形部材
(120) の直径が非常に大きい場合、従来の止血バルブの交錯する隙間だと、これ
らがつながってカテーテルの外周に血液の漏出の通路が形成される可能性がある
。これは、挿入した医療装置(120) を挿入中に臨床医が円周方向に回した場合に
は、より深刻な問題となる。しかし、近位バルブガスケット(20)と遠位バルブガ
スケット(40)のそれぞれの形状および構造のために、本発明の止血バルブ(10)で
は、使用する一部の大径カテーテルの直径より小直径の案内孔(24, 44)のうまい
シール能力により、血液の漏れを制限または防止することができる。
方向遠位縁部を平面(45)上に平面図で見ることができ、その近位および遠位領域
は、透視図として描かれている。スリット(46)の近位縁部は、透視図で描かれ、
参照番号46aで示される。同様に、スリット(26)の遠位縁部 (出口面(23)上、図
5B) も透視図で描かれ、参照番号26aで示される。スリット(26)の近位および
軸方向部分 (平面(25)上、図4および5A) は、透視図で描かれ、参照番号26b
で示される。
時、近位および遠位のバルブガスケット(20, 40)の軸方向の剛性のために、バル
ブ(10)の変形は軸方向から半径方向に構造的に自己調整される。また、それぞれ
近位バルブガスケット(20)および遠位バルブガスケット(40)のスリット(26, 46)
の全体的な厚みにより、バルブガスケット(10)内の医療装置(120) の通過に対す
る抵抗が低減する。さらに、挿入中、近位バルブガスケット(20)および遠位バル
ブガスケット(40)の傾斜縁部(28, 38)がバルブハウジング(90)の壁面の方向に広
がる。しかし、この半径方向の伸びはバルブガスケット(20)のスリット(26)に垂
直であるため、止血バルブ(10)のシール性には影響を与えない。
ぞれの位置決め突起部(32, 52)の構造によって伸びる。これも、以前にはスリッ
ト(26, 46)を通過する医療装置(120) の摩擦により生じていた、止血バルブ(10)
の全体的な挿入抵抗が低減することを意味する。
置が通過する部分が相対的に薄いことを含む、本発明の止血バルブ(10)の構造的
な特徴により、近位バルブガスケット(20)と遠位バルブガスケット(40)は細長い
医療装置の挿入中に実質的な接触状態に保持され、挿入抵抗の減少した継ぎ目な
しシーリング対を形成する。
軸方向に剛性という構造上の特徴は、バルブ(10)の変形を主に半径方向に自己調
整する。細長い円筒形医療装置(120) を後退させていく際には、背圧と、近位バ
ルブガスケット(20)を遠位バルブガスケット(40)に密着させて押し付けることに
より生じた後退抵抗力とが一緒になって、この装置の自己清浄化も起こる。
置での近位バルブガスケット(20)と遠位バルブガスケット(40)の厚みの差のため
、細長い円筒形医療装置の挿入と後退のどちらの際にも、近位バルブガスケット
(20)と遠位バルブガスケット(40)の変形は、軸方向ではなく主に半径方向に起こ
る。また、細長い円筒形医療装置の挿入および後退の前、間、および後に、止血
バルブ(10)がバルブハウジング(90)内でほぼ同じ量の空間を占めるため、血液流
への空気の侵入が防止される。止血カニューレアセンブリ(70)を所定位置に配置
すれば、広範囲の直径の医療装置を容易に挿入することができる。
止血バルブ(10)の中に挿入する。医療装置(120) は、やや中心をずれて挿入され
ても、円錐形受容領域または案内コーン(22)により近位バルブガスケット(20)の
案内孔(24)に案内されよう。医療装置(120) を次に近位バルブガスケット(20)の
スリット(26)内に進め、遠位バルブガスケット(40)のスリット(46)に入れ、その
案内孔(44)から出す。止血バルブ(10)から出た後、医療装置(120) を導入器シー
ス(100) を通して前進させ、血管内に入れる。シース(100) と医療装置(120) と
の間でバルブハウジング(90)の内部に流れ込む血液は、医療装置(120) の本体の
周囲に位置する止血バルブ(10)のスリット対(26, 46)および近位バルブガスケッ
ト(20)と遠位バルブガスケット(40)のシール作用により、外部へのに漏出が防止
される。本発明の止血バルブ(10)の独創的な構造上の特徴と、近位バルブガスケ
ット(20)と遠位バルブガスケット(40)との構造的な関係により、挿入への抵抗が
低減し、後退時に血液流への空気の侵入を伴わずに、医療装置から血液が除去さ
れる自己清浄性が付与される。
特徴および範囲から逸脱せずになすことができるので、本発明のこの態様は単に
本発明の例示であり、その範囲を制限するものでないことは当然である。全体的
な発明から逸脱せずに本発明の特定の態様の変更をなすことができる。
位バルブガスケットを含む、アセンブリの構成部材を示す。
らの斜視図。
視図。
の端面図。
トの入口面と出口面との間の厚み(64)を示す、図6の遠位バルブガスケットの側
面切断図。
バルブの部分切断、拡大遠位平面図。
図。
ット(26, 46)の変形した形状を示す。この形状を形成するには、それぞれのスリ
ット(26, 46)の端部に2つの曲線三角形様の隙間(27, 47)を形成する。近位バル
ブガスケットの隙間(27)と遠位バルブガスケット(40)の隙間(47)は、図8に示す
ように、円筒形部材(120) が遠位バルブガスケット(40)および近位バルブガスケ
ットを通過する時に交錯する。隙間(27, 47)のそれぞれの近位バルブガスケット および遠位バルブガスケット(40)からの交錯は止血バルブを通る血液の漏出に対
する相互バリアーとなる。血液の漏出は、2つの隣接する交錯した隙間(27, 47)
がつながった時だけに起こる。細長い円筒形部材(120) の直径が極めて小さい場
合、止血バルブの半径方向の圧縮の程度に応じて、2つの隣接する隙間(27, 40)
がつながったままとなる可能性がある。そのような場合、血液の漏出は最初の半
径方向の圧縮によって防止される。細長い円筒形部材(120) の直径が非常に大き
い場合、従来の止血バルブの交錯する隙間だと、これらがつながってカテーテル
の外周に血液の漏出の通路が形成される可能性がある。これは、挿入した医療装
置(120) を挿入中に臨床医が円周方向に回した場合には、より深刻な問題となる
。しかし、近位バルブガスケットと遠位バルブガスケット(40)のそれぞれの形状
および構造のために、本発明の止血バルブでは、使用する一部の大径カテーテル
の直径より小直径の案内孔(24, 44)のうまいシール能力により、血液の漏れを制
限または防止することができる。
Claims (14)
- 【請求項1】 下記を備える止血バルブ(10): スリット(26)および位置決めスロット(34)を含んだ概ね平たいディスクから構
成される近位バルブガスケット(20)、および スリット(46)および位置決め突起部(52)を含んだ概ね平たいディスクから構成
される遠位バルブガスケット(40)、ここで遠位バルブガスケット(40)の位置決め
突起部(52)が近位バルブガスケット(20)の位置決めスロット(34)と相互作用し、
位置決め突起部(52)を位置決めスロット(34)の内部に位置させた時に、近位バル
ブガスケット(20)の遠位バルブガスケット(40)に対する軸方向の回転が制限され
る。 - 【請求項2】 遠位バルブガスケット(40)が、概ね平たいディスクの遠位面
(43)に隆起した円形リング(50)をさらに備える請求項1記載の止血バルブ(10)。 - 【請求項3】 近位バルブガスケット(20)と遠位バルブガスケット(40)とが
同じ形状に形成されている請求項1または2のいずれかに記載の止血バルブ。 - 【請求項4】 近位バルブガスケット(20)が第2の位置決めスロット(34)を
さらに備え、遠位バルブガスケット(40)が第2の位置決め突起部(52)をさらに備
え、各位置決め突起部(52)の内径が各位置決めスロット(34)の直径より小さい請
求項1〜3のいずれかに記載の止血バルブ(10)。 - 【請求項5】 2つの位置決め突起部(52)が遠位バルブガスケット(40)の外
縁部(49)上で互いから約180 度離れている請求項4記載の止血バルブ(10)。 - 【請求項6】 遠位バルブガスケット(40)のスリット(46)が2つの位置決め
突起部(52)の間を通る請求項5記載の止血バルブ(10)。 - 【請求項7】 近位バルブガスケット(20)がスリット(26)と連通した案内孔
(24)と円錐形受容領域(22)をさらに備え、遠位バルブガスケット(40)が遠位バル
ブガスケットのスリット(46)と連通した案内孔(44)と円錐形受容領域(42)をさら
に備える請求項1〜6のいずれかに記載の止血バルブ。 - 【請求項8】 近位バルブガスケット(20)のスリット(26)が、このバルブガ
スケット(20)の平たい表面から伸びる垂直線から約5〜約70度の角度で傾斜して
いる、請求項1〜7のいずれかに記載の止血バルブ(10)。 - 【請求項9】 近位バルブガスケット(20)のスリット(26)の厚み(60)が近位
バルブガスケット(20)の入口(21)と出口(23)面間の厚み(64)の約40%未満である
請求項1〜8のいずれかに記載の止血バルブ。 - 【請求項10】 下記を備える止血カニューレユニット(70): 第1の開口と、第2の開口に連通する中央長手方向チャンバとを有する長手方
向に延設されたバルブハウジング(90)、 バルブハウジング(90)の第1の開口を包囲してバルブハウジング(90)に装着さ
れたキャップであって、医療装置をハウジング(90)の第1の開口から中央チャン
バを通って第2の開口から出るように挿入するのを可能にする開口を与えるキャ
ップ(80)、ならびに スリット(26)および位置決めスロット(34)を含んだ概ね平たいディスクから構
成される近位バルブガスケット(20)と、スリット(46)および位置決め突起部(52)
を含んだ概ね平たいディスクから構成される遠位バルブガスケット(40)とを備え
た、バルブハウジング内に収容された止血バルブ(10)、ここで、遠位バルブガス
ケット(40)の位置決め突起部(52)が近位バルブガスケット(20)の位置決めスロッ
ト(34)と相互作用し、位置決め突起部(52)を位置決めスロット(34)の内部に位置
させた時に、近位バルブガスケット(20)の遠位バルブガスケット(40)に対する軸
方向回転が制限される。 - 【請求項11】 近位バルブガスケット(20)が斜面部分(28)をさらに備え、
斜面部分(28)が、止血バルブ(10)をバルブハウジング(90)の中に入れた時に止血
バルブ(10)とバルブハウジング(90)の内面との間に空間を形成する、請求項10記
載の止血カニューレユニット(70)。 - 【請求項12】 キャップ(80)が、バルブハウジング(90)に装着されると、
止血バルブ(10)の厚みが少なくとも約2%圧縮されるように止血バルブ(10)を圧
縮する請求項10または11のいずれかに記載の止血カニューレユニット(70)。 - 【請求項13】 医療装置を止血バルブ(10)を通して導入すると、医療装置
を止血バルブ(10)を通して挿入する時に近位バルブガスケット(20)の遠位面(23)
と遠位バルブガスケット(40)の近位面(41)とが接触状態に保たれる請求項10〜12
のいずれかに記載の止血カニューレユニット(70)。 - 【請求項14】 近位バルブガスケット(20)のスリット(26)の厚み(60)が近
位バルブガスケット(20)の入口(21)と出口(23)面間の厚み(64)の約40%未満であ
る請求項10〜13のいずれかに記載の止血カニューレユニット(70)。
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