JP2003504370A - 光学的に純粋なテトラヒドロプテリンおよびその誘導体、特に光学的に純粋なテトラヒドロ葉酸およびその誘導体を立体特異的水素化によって製造する方法 - Google Patents

光学的に純粋なテトラヒドロプテリンおよびその誘導体、特に光学的に純粋なテトラヒドロ葉酸およびその誘導体を立体特異的水素化によって製造する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プテリンおよびプテリン誘導体を水素化触媒の存在下に水素で水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびテトラヒドロプテリン誘導体を製造する方法に関する。本発明は、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反応媒体中に溶解する金属錯塩を水素化触媒として用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プテリンおよびプテリン誘導体、特に葉酸または葉酸塩、または葉
酸エステルまたは葉酸エステル塩を水素化触媒としての、極性反応媒体中で溶解
した金属錯塩を用いて水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびその
誘導体、特にテトラヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸塩、−エステルおよび−エス
テル塩を製造する方法に関する。本発明は更に葉酸エステルおよびテトラヒドロ
葉酸エステルの付加塩にも関する。
【0002】 プテリンは式
【0003】
【化6】
【0004】 で表され、このビ−ヘテロ環化合物の誘導体が天然に産しそして天然および合成
誘導体が生理学上の作用を示すことが知られている。その作用はしばしば5,6
,7,8−テトラヒドロプテリンによって発揮される。それ故に中間生成物また
は生理学的に有効な化合物としてテトラヒドロプテリンおよびその誘導体を入手
し易くすることに興味が持たれている。公知の生理学的に有効な一つのテトラヒ
ドロプテリン誘導体は、中でも白血球の成長要素として血液形成に作用するテト
ラヒドロ葉酸である。テトラヒドロ葉酸は葉酸から誘導される。
【0005】 葉酸は式I
【0006】
【化7】
【0007】 で表され、この場合グルタミン酸残基の不斉α−C原子がS−立体配置(αS)
で存在するかまたはR−立体配置(αR)で存在し得る。葉酸のエナンチオマー
は以下では(αS)−葉酸および(αR)−葉酸と称する。葉酸エステルおよび
それの誘導体についても同様なことが言える。これらは(αS)−葉酸エステル
および(αR)−葉酸エステルと呼ぶ。天然に産する葉酸は(αS)−葉酸に相
当する。
【0008】 テトラヒドロ葉酸は式II
【0009】
【化8】
【0010】 で表され、この場合グルタミン酸残基の不斉α−炭素原子がS−立体配置(αS
)で存在するかまたはR−立体配置(αR)で存在しそしてテトラヒドロプテリ
ン残基中の不斉炭素原子6がR−立体配置(6R)で存在するかまたはS−立体
配置(6S)で存在し得る。テトラヒドロ葉酸のジアステレオマーは以下では(
6S,αS)−、(6S,αR)−、(6R,αS)−および(6R,αR)−
テトラヒドロ葉酸と呼ぶ。テトラヒドロ葉酸エステルおよびそれの誘導体につい
ても同様なことが言える。これらは(6S,αS)−、(6S,αR)−、(6
R,αS)−および(6R,αR)−テトラヒドロ葉酸エステルと称する。天然
に産するテトラヒドロ葉酸は(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸に相当する。
【0011】 以下において葉酸、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩という言葉は他に表示
が無い限り、常に両方のエナンチオマー(αS)および(αR)を包含しそして
テトラヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル
塩も可能なあらゆるジアステレオマーを包含する。本発明において葉酸エステル
塩およびテトラヒドロ葉酸エステル塩は葉酸エステルテトラヒドロ葉酸エステル
と酸との付加塩を含む。
【0012】 テトラヒドロ葉酸は5−ホルミル−または5−メチル誘導体およびそれの生理
学上親和性のある塩の状態で広く治療に使用されてきた。還元された葉酸塩の天
然に産するおよび天然に産しないジアステレオマー、例えばテトラヒドロ葉酸の
天然の(6S,αS)−ジアステレオマーおよびテトラヒドロ葉酸の合成のテト
ラヒドロ葉酸の(6R,αS)−ジアステレオマーの生物活性が著しく相違する
ことが久しい以前から公知である。それ故に最も活性のある状態でのみ含まれて
いるかまたはこれが少なくとも高濃度である治療用調剤を提供することは合目的
的である。
【0013】 テトラヒドロ葉酸は工業的には一般に(αS)−葉酸のペテリン骨格の二つの
イミン基を不均一水素化することによって製造され、その際に通常2つのジアス
テレオマーの当モル混合物、即ち(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸および(6
R、αS)−テトラヒドロ葉酸の当モル混合物が得られる。当モル混合物は製薬
調剤に使用することができる。しかしながら以前にもテトラヒドロ葉酸の所望の
ジアステレオマーを分別結晶によって濃縮するかまたは純粋な状態で製造するこ
とが可能である。これのためには種々の方法が公知である。例えばヨーロッパ特
許第0,495,204号明細書参照。この方法は経済的観点から見て、不所望
のジアステレオマーを何処か他で使用しなければならないので、納得できるもの
ではない。
【0014】 この様な物質損失を減少させるかまたは完全に回避するために、葉酸のジアス
テレオマー選択的(不均一)水素化も既に提案されている。例えばヨーロッパ特
許第0,551,642号明細書には、光学活性のジホスフィンで担体上に固定
されたRh(I)−錯塩を葉酸を水性緩衝溶液中で水素化するために用いること
を説明している。光学的収率は約50%deまで達成され、その際にこの値は光
学的収率を測定する前に誘導体化することによってごまかすことができそして水
素化の後の実際の値に要求が合わせる必要がないことを考慮しなければならない
。確かに、発明者自身すらヨーロッパ特許第0,551,642号明細書に記載
の値に疑いをもっている(これについては、H.Brunner等、Chem.
Ber./Receuil,1997、No.130,第55〜61頁、特に第
56頁、右欄第1段落参照)。この不均一水素化の一つの欠点は、担体材料の影
響に起因してジアステレオマー選択性が顕著に変動することである。これは再現
性に著しい影響を及ぼす。更に、>40の基質/触媒−比の場合には化学的収率
並びに光学的収率が劇的に低下するので、基質と触媒との低い比(多い触媒量)
を使用しなければならない。触媒の分離、精製および再使用も同様に化学的およ
び光学的収率を悪化させる。特別な欠点は触媒活性が低く、高い触媒濃度にもか
かわらず比較的に長い反応時間が必要とされる点である。それ故にこの方法は工
業的規模には適していない。
【0015】 ヨーロッパ特許第0,256,982号明細書、同第0,564,406号明
細書および同第0,646,590号明細書からは、キラルなジホスフィン配位
子を有するイリジウム金属錯塩をプロキラルなイミンの立体選択的水素化に使用
できることが公知である。しかしながら芳香族環系の一部であるイミン基を水素
化することは開示されていない。
【0016】 P.H.Boyle等はTetraherdron 第44巻、No.16(
1988)、第5179〜5188頁に、非対称ロジウム/ジホスフィン錯塩を
用いてベンゼン性溶液中で水の存在下で葉酸シリルエステルを水素化する際に決
して水素を取り込まずそして基質が変化せずに回収されることが開示されている
【0017】 プテリンおよびプテリン誘導体、例えば葉酸を反応媒体中で該媒体中に溶解さ
れた金属錯塩の状態の水素化触媒を用いて水素で水素化することは、かゝる方法
が工業的に要求されているにもかかわらず未だ知られていない。
【0018】
【発明の構成】
本発明者は驚くべきことに、極性反応媒体、例えば水性またはアルコール性反
応媒体を使用した場合に、芳香族プテリン系、特に葉酸および葉酸エステル中の
イミン基を水素化触媒としての溶解された金属錯塩の存在下に水素で水素化でき
ることを見出した。この方法は高い転化率のもとで驚く程短い反応時間であるこ
とに特徴がある。このことは基質と触媒との比が高い場合でさえ認められる高い
触媒活性および−生産性を示している。この方法は経済的であり且つ再現性があ
り、工業的規模にも適している。
【0019】 更に驚くべきことに本発明者は、水素化触媒としてキラルな配位子を持つ金属
錯塩を使用した場合に、この反応条件のもとで不均一水素化すら実施することが
できそしてそれどころか50%eeまたはde以上であり得る高い光学的収率が
達成されることを見出した。不均一水素化反応によって例えば(αS)−葉酸ま
たは(αS)−葉酸エステルあるいは(αS)−葉酸エステル塩から配位子の光
学的誘導次第で、(6R,αS)−あるいは(6S、αS)−ジアステレオマー
が主であるジアステレオマー混合物を得ることができる。(αR)−葉酸または
(αR)−葉酸エステルあるいは(αR)−葉酸エステル塩から出発した場合に
は、(6R,αR)−あるいは(6S、αR)−ジアステレオマーが主である混
合物が得られる。
【0020】 本発明の第一の対象は、プテリンおよびプテリン誘導体を水素化触媒の存在下
に水素で水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびテトラヒドロプテ
リン誘導体を製造する方法において、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反
応媒体中に溶解する金属錯塩を水素化触媒として用いることを特徴とする、上記
方法である。
【0021】 この水素化はジヒドロプテリン中間体段階を経ることができる。本発明には、
かゝる中間体、あるいはジヒドロプテリンおよびジヒドロプテリン誘導体を出発
化合物として水素化に使用することも包含される。これらの出発化合物はあらゆ
る互変異性体、例えば5,6−、7,8−および5,8−ジヒドロプテリンおよ
びジヒドロプテリン誘導体、およびエナンチオマー(6−アミノエテニル−テト
ラヒドロプテリンおよび−誘導体)が適する。
【0022】 本発明の範囲において極性反応媒体は特に水性またはアルコール反応媒体を意
味する。
【0023】 本発明の特に有利な対象は、葉酸、葉酸塩、葉酸エステルまたは葉酸エステル
塩を水素化触媒の存在下に水素で水素化することによってテトラヒドロ葉酸、テ
トラヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸エステルまたはテトラヒドロ葉酸エステル
塩を製造する方法において、水素化を水素化触媒としての、反応媒体に溶解した
金属錯塩の存在下で高圧で水素化を実施し、ただし葉酸およびそのカルボン酸塩
を用いる場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステルおよび葉酸エス
テル塩を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在することを前提とする、
上記方法である。
【0024】 別の有利な本発明の対象は、プロキラルなプテリン誘導体を水素化触媒の存在
下で水素で不均一水素化することによってキラルなテトラヒドロプテリン誘導体
を製造する方法において、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反応性媒体に
可溶性の金属錯塩を水素化触媒として使用し、その際に金属錯塩がキラルな配位
子を含有している、上記方法である。不均一水素化のためのプロキラルなプテリ
ン誘導体は主として6−位、7−位にまたは6−および7−位で置換されたプテ
リンである。
【0025】 他の特に有利な本発明の対象は、葉酸、葉酸塩、葉酸エステルまたは葉酸エス
テル塩を水素化触媒の存在下で水素で不均一水素化することによってキラルなテ
トラヒドロ葉酸、キラル並びにテトラヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸エステル
またはテトラヒドロ葉酸エステル塩を製造する方法において、水素化を水素化触
媒としての、反応媒体に溶解した金属錯塩の存在下で高圧で実施し、その際に金
属錯塩がキラルな配位子を含有しており、ただし葉酸およびそのカルボン酸塩を
用いる場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステルおよび葉酸エステ
ル塩を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在することを前提とする、上
記方法である。
【0026】 (αS)−または(αR)−葉酸またはそれのカルボン酸塩、葉酸エステルま
たは葉酸エステル塩を水素化のための出発物質として用いる場合には、金属錯塩
中の配位子による光学的誘導次第で反応生成物は(6S,αS)−または(6S
、αR)−ジアステレオマー、あるいは(6S,αR)−または(6R,αR)
−ジアステレオマーを過剰に含む。(αS)−葉酸と(αR)−葉酸またはそれ
のカルボン酸塩、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩との等モル混合物を使用す
る場合には、金属錯塩中の配位子による光学的誘導次第で反応生成物は(6R,
αS)−、(6R、αR)−ジアステレオマーまたは(6S,αS)−、(6S
,αR)−ジアステレオマーを過剰に含む。
【0027】 本発明の範囲において、不均一水素化の際の光学的過剰はジアステレオマーの
混合物中に1種類のジアステレオマーまたは1つのジアステレオマー対が専ら存
在していることを意味する。1つのジアステレオマーと他のジアステレオマーま
たはジアステレオマー対との比が少なくとも55:45、特に好ましくは少なく
とも60:40、特に好ましくは少なくとも75:25であるのが特に有利であ
る。
【0028】 プテリンおよびプロキラルなプテリンは公知であるかまたは公知のまたは類似
の方法で製造できる。プロキラルなプテリンは6−または7−位であるいは6−
および7−位で置換されている。プロキラルなプテリンは式A
【0029】
【化9】
【0030】 [式中、R101 は水素原子であるかまたは無関係にR100 の意味を有し、そして R100 はC−、O−またはN−原子を介して結合した炭素原子数1〜50の有 機残基であり、この有機残基は中断されていないかまたは−O−、−NH−、 −N(C1 〜C4 −アルキル)−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC( O)−、−OC(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC (O)O−、−OC(O)NH−、−NHC(O)NH−、−C(O)N(C 1 〜C4 −アルキル)−、−N(C1 〜C4 −アルキル)C(O)−、−N( C1 〜C4 −アルキル)C(O)O−、−OC(O)N(C1 〜C4 −アルキ ル)−、−N(C1 〜C4 −アルキル)C(O)N(C1 〜C4 −アルキル) −よりなる群から選択される1つまたは複数の基で中断されており、且つ非置 換であるかまたはF、Cl、Br、−CN、−OCN、−NCO、−OH、− NH2 、−NHC1 〜C4 −アルキル、−N(C1 〜C4 −アルキル)2 、C 1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −ハロゲン化アルキル、C1 〜C4 −ヒドロ キシアルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、C1 〜C4 −ハロゲン化アルコキシ 、−C(O)OH、−C(O)OM100 、−C(O)OC1 〜C4 −アルキル 、−C(O)NH2 、−C(O)NHC1 〜C4 −アルキル、−C(O)N( C1 〜C4 −アルキル)2 、R102 −C(O)O−、R102 −OC(O)O− 、R102 −C(O)NH−、R102 −C(O)N(C1 〜C4 −アルキル)、 R102 −NHC(O)NH−、R103 C(O)−または−CH(O)で置換さ れており、 M100 はLi、K、Na、NH4 + または炭素原子数1〜16のアンモニウム であり、 R102 はC1 〜C8 −アルキル、C5 またはC6 −シクロアルキル、フェニル またはベンジルでありそして R103 はC1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルを意味する。] で表される。
【0031】 R100 は炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜12
で場合によってはO、NおよびPの群から選択される少なくとも1つのヘテロ原
子を持つ有機残基として含まれている。有機残基の例にはアルキル、シクロアル
キル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェニルアルキルおよび
ナフチルアルキル、並びにOおよびNの群から選択されるヘテロ原子を持つ相応
するヘテロ残基がある。
【0032】 C1 〜C4 −アルキル基はメチルまたはエチル基が有利である。炭素原子数1
〜16のアンモニウムとしてのM100 は例えばH3 N(C1 〜C4 −アルキル) + 、H2 N(C1 〜C4 −アルキル)2 + 、HN(C1 〜C4 −アルキル)3 + またはN(C1 〜C4 −アルキル)4 + があり、ただしアルキルはメチル、エチ
ルまたはn−ブチルである。R102 はアルキル基としては好ましくは1〜4個の
炭素原子を有し、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルがある。R103 はメチル、エチルまたはフェニルを意味するのが有利である。
【0033】 式Aの化合物の有利なサブグループには、R101 がHでありそしてR100 が−
CH3 、フェニル、−CH=O、場合によってはアセチル、トリフルオロアセチ
ルまたは=Oで置換されたC2 〜C6 −モノ−またはポリヒドロキシアルキル、
−C(O)−C1 〜C4 −アルキル、−C(O)OH、−C(O)OC1 〜C4 −アルキル、−C(O)NH2 、−C(O)NHC1 〜C4 −アルキル、−C(
O)N(C1 〜C4 −アルキル)2 、−CH2 (CH2 0.1 −OH、−CH2 (CH2 0.1 −NH2 、−CH2 (CH2 0.1 −NH−、C1 〜C4 −アル
キルまたは−CH(R104 )−(R105 )−p−C6 4 −C(O)−R106
意味し、 R104 はH、メチルまたはエチルであり、 R105 は直接結合、−CH2 −、−O−、−NH−、−NCH3 −、−N[HC
(O)]−、−N[CH3 C(O)]−、−N[CF3 C(O)]−、−NHC
(O)−または−OC(O)−を意味し、そして R106 は−OH、−NH2 、−NHCH3 、−N(CH3 2 または−NHR10 7 であり、ただしR107 はα−炭素原子に結合した天然または合成のアミノ酸の
、または2〜12のアミノ酸単位を有する天然または合成のアミノ酸よりなるペ
プチドのα−炭素原子に結合した残基である。
【0034】 モノまたはポリヒドロキシアルキルは好ましくは2〜4個の炭素原子、および
特に好ましくは種々の炭素原子に結合した1〜4個のOH基を有している。
【0035】 式A中のR100 の若干の例には−CHO−、−C(O)−CH3 、−CH2
NH2 、−CH2 CH2 NH2 、−CH2 −OH、−CH2 CH2 −OH、−C
(O)−OH、−CH2 −C(O)−OH、−C(O)−NH2 、−CH2 −C
(O)−NH2 、−CH2 −NH−p−C6 4 −C(O)OH(R101 がHで
ある場合にはプテロイン酸)、−CH2 CH2 −NH−p−C6 4 −C(O)
OH、−CH2 CH2 −NH−p−C6 4 −C(O)−NH−CH(CO2
)−CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合にはホモ葉酸)、−C
(O)−CH(OH)−CH3 、R101 がHでそしてR100 が−CH(OH)−
CH(OH)−CH3 の場合にはバイオプテリン、およびR101 がHでそしてR 100 が−CH(OH)−CH(OH)−CH2 −OHの場合にはネオプテリン、
−CH2 −N(CHO)−p−C6 4 −C(O)−NH−CH(CO2 H)−
CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合には10−ホルミル葉酸)
、並びに−CH2 −NH−p−C6 4 −C(O)−NH−CH(CO2 H)−
CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合には葉酸)がある。バイオ
プテリンおよびネオプテリンのキラルな炭素原子はラセミ体または光学異性体と
して存在し得る。例えば
【0036】
【化10】
【0037】 可溶性水素化触媒としての金属錯塩は実質的にd−8金属を含有している。特
に好ましいd−8金属はロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)およびルテニウ
ム(Ru)より成る群から選択される。
【0038】 可溶性水素化触媒としての金属のための配位子はしばしば第三アミンおよび/
またはホスフィン基を錯塩形成性基として含有しており、配位子と金属原子とが
5〜10、好ましくは5〜7の環員数の環を形成している。特に第三アミン基と
第三ホスフィン基または2つの第三ホスフィン基を含有する配位子が有利である
【0039】 アキラルなまたはキラルな有機系ジ第三ジホスフィン配位子が特に有利である
。本発明においてキラルなジ第三ジホスフィン配位子は、ホスフィンが少なくと
も1つのキラルな元素を有しておりそして少なくとも2つの光学異性体を包含す
ることを意味している。光学異性体は例えばステレオジエン中心(不斉炭素原子
)、アトロプ異性体または平面キラリティーによって決定され得る。ステレオジ
エン中心はホスフィン置換基におよび/または骨格におよび/またはジホスフィ
ンの骨格の側鎖基に存在し得る。配位子のエナンチオマーまたはジアステレオマ
ーの選択によって光学誘導を制御しあるいは逆にすることができる。これが予測
できない場合には、光学誘導を簡単な予備実験によって決めることができる。触
媒Rh/(R)−BINAPでの葉酸エステル塩の水素化は、例えばテトラヒド
ロ葉酸ジメチルエステル塩の(6S,αS)−ジアステレオマーの濃縮をもたら
す。触媒Rh/(S)−BINAPを用いて同じ水素化を実施した場合には、テ
トラヒドロ葉酸ジメチルエステル塩の(6R,αS)−ジアステレオマーの同じ
高度な濃縮が達成される。
【0040】 葉酸は純粋な(αS)−または(αR)−葉酸としてまたは両方のエナンチオ
マーのあらゆる任意の混合比で使用できる。相応する葉酸エステルは通例のエス
テル化法によって得ることができる。各葉酸エステルは、式III の化合物につい
て以下に説明する様に、優位なものを含めて、エステル基に同じ炭化水素残基ま
たはヘテロ炭化水素残基を含有していてもよい。(αS)−葉酸および(αS)
−葉酸エステルが特に有利である。
【0041】 葉酸はそのカルボン酸塩の状態で存在し得る。例えばアルカリ金属−およびア
ルカリ土類金属−並びにアンモニウム塩が適している。アルカリ金属−およびア
ルカリ土類金属塩にはナトリウム−、カリウム−、マグネシウム−およびカルシ
ウム塩が特に有利である。アンモニウム塩ではNH4 + および第一、第二および
第三アミンのカチオン並びに第四アンモニウムが適している。これらアミンは例
えば1〜30、好ましくは1〜24の炭素原子を有し、そして第四アンモニウム
は例えば4〜40、好ましくは4〜32の炭素原子を有し得る。アンモニウムの
幾つかの例にはメチル−、エチル−、n−プロピル−,n−ブチル−、n−ヘキ
シル−、n−オクチル−、フェニル−、ベンジル−、ジメチル−、ジエチル−、
ジ−n−プロピル−,ジ−n−ブチル−、ジ−n−ヘキシル−、ジ−n−オクチ
ル−、メチル−エチル−、メチル−n−ブチル−、メチル−n−オクチル−、テ
トラ−またはペンタメチレン−、トリメチル−、トリエチル−、トリ−n−ブチ
ル−、トリ−n−オクチル−、テトラメチル−、テトラ−n−ブチル−、テトラ
−n−オクチル−およびトリメチル−n−オクチル−アンモニウムがある。葉酸
塩のアミン基は追加的に1〜3塩基性の無機酸または有機酸と塩を形成し、そし
て基xHAを含有していてもよく、その際xおよびHAは式III の葉酸エステル
塩について以下に規定する意味を特に有利なものを含めて有する。
【0042】 エナンチオマーまたはそれらの混合物の状態の葉酸エステル塩は式III
【0043】
【化11】
【0044】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、− S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結 合するヘテロ炭化水素残基であり、 HAは1〜3塩基性の無機または有機酸であり、 そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。] で表すことができる。
【0045】 R1 またはR2 は互いに無関係に選択することができ、特に互いに同じである
のが有利である。R1 またはR2 が炭化水素残基であるのが有利である。炭化水
素残基としてのR1 またはR2 は炭素原子数1〜20、好ましくは1〜12、特
に好ましくは1〜8の、中でも炭素原子数1〜4の脂肪族残基、環中炭素原子数
3〜8個および脂肪族残基中炭素原子数1〜6の脂環式または脂環−脂肪族残基
、炭素原子数6〜14の、好ましくは6〜10の芳香族炭化水素残基、または炭
素原子数7〜15、好ましくは7〜10の芳香族脂肪族残基が適する。
【0046】 ヘテロ炭化水素残基は炭素原子数2〜16、好ましくは2〜10、特に好まし
くは2〜6のヘテロアルキル基、環員数3〜8、好ましくは5または6個のヘテ
ロ脂環式残基、環員数3〜8、好ましくは5または6でそして脂肪族残基中炭素
原子数1〜6、好ましくは1〜4のヘテロ脂環式−脂肪族残基、炭素原子数4〜
13、好ましくは4〜9でそして少なくとも1つのヘテロ原子を持つヘテロ芳香
族残基、炭素原子数4〜13、好ましくは4〜9でそして少なくとも1つのヘテ
ロ原子および脂肪族残基中炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4のヘテロ芳香族
−脂肪族残基が適している。ただしヘテロ残基は−O−、−S−および−N−の
群、好ましくは−O−および−N−の群から選択される少なくとも1つのヘテロ
原子を含有している。
【0047】 炭化水素残基は例えば直鎖状のまたは分岐したC1 〜C20−アルキル、C3
8 −、好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル基、C3 〜C8 −シクロアルキ
ル−C1 〜C6 −アルキルおよび好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキル、C6 〜C10−アリールまたはC7 〜C12−アルアルキルより
成る群から選択することができる。
【0048】 ヘテロ炭化水素残基は例えばC2 〜C16−ヘテロアルキル、C2 〜C7 −、好
ましくはC4 〜C5 −ヘテロシクロアルキル、C4 〜C7 −、好ましくはC4
5 −ヘテロシクロアルキル−C1 〜C6 −アルキル、C4 〜C9 −、好ましく
はC4 〜C5 −ヘテロアリール、およびC5 〜C12−、好ましくはC5 〜C10
ヘテロアルアルキルより成る群から選択することができる。ただしヘテロ残基は
−O−および−N−の群から選択される1〜3、好ましくは1または2つのヘテ
ロ原子を含有している。
【0049】 R1 またはR2 は好ましくは炭素原子数1〜12、殊に好ましくは1〜8、特
に好ましくは1〜4の直鎖状のまたは分岐したアルキル基である。例えばメチル
、エチル、およびプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル
、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびエイコ
シルの各異性体がある。アルキルが直鎖状であるのが好ましく、アルキルがメチ
ル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルであるのが有利である。
【0050】 R1 またはR2 はシクロアルキルとしては4〜7、好ましくは5または6の環
員炭素原子を有しているのが有利である。シクロアルキルの例にはシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシ
クロオクチルがある。シクロヘキシルが特に有利である。
【0051】 R1 またはR2 はシクロアルキル−アルキルとしては4〜7、好ましくは5ま
たは6の環員炭素原子および1〜4、好ましくは1または2の脂肪族残基中炭素
原子を有しているのが有利である。シクロアルキル−アルキルの例にはシクロプ
ロピルメチルまたは−エチル、シクロブチルメチルまたは−プロピル、シクロペ
ンチルメチルまたは−エチル、シクロヘキシルメチルまたは−エチル、シクロヘ
プチルメチルおよびシクロオクチルメチルがある。シクロヘキシルメチルまたは
−エチルが特に有利である。
【0052】 R1 またはR2 はアリールとしてはナフチル、特にフェニルがあり得る。R1 およびR2 はアルアルキルとしてはフェニルアルキル、特にアルキル基中炭素原
子数1〜4のものが好ましい。例えばベンジルおよびβ−フェニルエチルがある
【0053】 R1 またはR2 はヘテロアルキルとして例えばC1 〜C4 −アルキル−X1
2 〜C4 −アルキルがあり、その際にX1 はOまたはNC1 〜C4 −アルキル
である。例にはメトキシエチルおよびエトキシエチルがある。
【0054】 R1 またはR2 はヘテロシクロアルキルとしては例えばピロリジニル、ピペリ
ジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニルまたはピペラジニルがある。
【0055】 R1 またはR2 はヘテロシクロアルキル−アルキルとしては例えばピロリジニ
ルメチルまたは−エチル、ピペリジニルメチルまたは−エチル、モルホリニルメ
チルまたは−エチル、テトラヒドロピラニルメチルまたは−エチルまたはピペラ
ジニルメチルまたは−エチルがある。
【0056】 R1 またはR2 はヘテロアリールとしては例えばチオフェニル、フラニル、ピ
ラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イ
ンドリル、キノリニル、オクサゾリルまたはイソオクサゾリルがある。
【0057】 R1 またはR2 はヘテロアルアルキルとしては例えばフラニルメチルまたは−
エチル、ピラニルメチルまたは−エチル、ピロリイルメチルまたは−エチル、イ
ミダゾリルメチルまたは−エチル、ピリジニルメチルまたは−エチル、ピリミヂ
ニルメチルまたは−エチル、ピラジニルメチルまたは−エチル、インドリルメチ
ルまたは−エチル、キノリニルメチルまたは−エチルがある。
【0058】 式III の化合物の有利な群には、R1 またはR2 が互いに無関係にC1 〜C4 −アルキル、C5 −またはC6 −シクロアルキル、フェニル、C1 〜C4 −アル
キルフェニル、ベンジルまたはC1 〜C4 −アルキルベンジルであるもがある。
1 およびR2 が同じ残基であるのが特に有利である。中でもR1 およびR2
1 〜C4 −アルキルであり、例えばメチルまたはエチルであるのが特に有利で
ある。
【0059】 式III 中、xは1〜4の整数または0.2〜4の分数、特に1〜3の整数また
は0.5〜3の分数、中でも1または2または0.5〜2の分数であるのが有利
である。
【0060】 式III 中の酸HAを無機酸から誘導する場合には、該酸は例えばHCl、HB
r、HI、H2 SO3 、H2 SO4 、H2 CO3 、HNO3 、H3 PO3 、H3 PO4 、HBF4 またはH2 PF6 が適している。
【0061】 式III 中のHAが有機酸であるのが有利である。この有機酸は炭素原子数1〜
18、好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のカルボン酸、スルホン酸お
よびホスホン酸から誘導するのが有利である。
【0062】 有機酸は好ましくは式IV R3 −X2 −OH (IV) [式中、X2 は−C(O)−、−S(O)2 −または−P(O)OH−でありそ してR3 は非置換のまたはハロゲンで、特に弗素または塩素、水酸基、カルボ キシル基、ニトリル基、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシまた はC1 〜C4 −ハロゲン化アルキルで置換された直鎖状または分岐したC1 〜 C18−アルキル、好ましくはC3 〜C8 −アルキル、C3 〜C8 −シクロアル キル、好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル、C3 〜C8 −および好ましく はC4 〜C7 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキル、C6 〜C10−アリー ルまたはC7 〜C12−アルアルキル基を意味する。] R3 は直鎖状または分岐したアルキルでもよく、このアルキルは好ましくは1
〜4個の炭素原子を含有している。例えばメチル、エチルおよび、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびエイコシルの各異性体である。アルキ
ルは好ましくは直鎖状であり、特にアルキルはメチル、エチル、n−プロピルお
よびn−ブチルであるのが有利である。
【0063】 R3 はシクロアルキルとしては好ましくは4〜7、特に好ましくは5または6
の環員炭素原子を持つ。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル
、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがあ
る。シクロヘキシルが特に有利である。
【0064】 R3 はシクロアルキル−アルキルとしては好ましくは4〜7、特に好ましくは
5または6の環員炭素原子および好ましくは1〜4、特に好ましくは1または2
の脂肪族残基中炭素原子を持つ。シクロアルキル−アルキルの例にはシクロプロ
ピルメチルまたは−エチル、シクロブチルメチルまたは−プロピル、シクロペン
チルメチルまたは−エチル、シクロヘキシルメチルまたは−エチル、シクロヘプ
チルメチルおよびシクロオクチルメチルがある。シクロヘキシルメチルまたは−
エチルが特に有利である。
【0065】 R3 はアリールとしてはナフチル、特にフェニルがあり得る。R2 はアルアル
キルとしてはフェニルアルキル、特にアルキル基中炭素原子数1〜4のものが好
ましい。例えばベンジルおよびβ−フェニルエチルがある。
【0066】 式IV中のX2 は−S(O)2 −が特に好ましい。 有機酸の幾つかの有利な例には醋酸、プロピオン酸、酪酸、モノ−、ジ−およ
びトリクロロ醋酸、モノ−、ジ−およびトリフルオロ醋酸、ヒドロキシ醋酸、蓚
酸、マロン酸、シクロヘキサンモノ−および−ジカルボン酸、安息香酸、フタル
−およびテレフタル酸、トリフルオロメチル安息香酸、フェニル醋酸、フェニル
ホスホン酸、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、シクロヘキシル−、
フェニル−、メチルフェニル−、トリフルオロメチルフェニル−、モノ−、ジ−
およびトリクロロメチル−、モノ−、ジ−およびトリフルオロメチルスルホン酸
がある。非置換のおよび置換されたフェニルスルホン酸が特に有利である。
【0067】 葉酸エステルの(αS)−あるいは(αR)−エナンチオマーは式III a
【0068】
【化12】
【0069】 [式中、R1 およびR2 は特に有利な意味も含めて、式III の化合物に付いて規 定した意味を有する。] 葉酸またはそのカルボン酸塩、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩およびそれ
らのエナンチオマーは反応媒体に部分的にまたは完全に溶解し得る。部分的に溶
解した溶液の場合には懸濁液またはエマルジョンで存在する。葉酸またはそれの
カルボン酸、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩は反応媒体の溶剤1Lに少なく
とも0.5g、好ましくは1L当り少なくとも1g、特に好ましくは1L当り少
なくとも5g、中でも1L当り少なくとも10g溶解するのが有利であることが
わかっている。
【0070】 この方法は1〜500bar、好ましくは1〜150bar、特に好ましくは
1〜120bar、中でも5〜100barの水素圧で実施することができる。
【0071】 反応温度は例えば0〜150℃、好ましくは10〜120℃、特に好ましくは
10〜100℃であり得る。
【0072】 触媒量は一般に所望の反応時間におよび経済性を考慮して左右される。基質と
触媒とのモル比は例えば10〜100000、好ましくは20〜20000、特
に好ましくは50〜10000、中でも100〜5000である。
【0073】 本発明において水性反応媒体は、水だけ、または有機溶剤との混合物の状態の
水である。水の割合は少なくとも30容量%、好ましくは少なくとも50容量%
、特に好ましくは少なくとも70容量%である。中でも特に好ましい場合は、反
応媒体が水だけを含有する。適する溶剤は例えばアルコール、例えばメタノール
、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、およびエチレ
ングリコールモノメチルエーテル;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソ
ブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン;スルホキシドおよびス
ルホン、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン;およびN−置換カルボン酸およびラクタム、例えばN−メチルピロリドン
およびジメチルホルムアミドがある。溶剤が水と混合できない場合には、二段階
水素化を行なう。
【0074】 水性反応媒体に緩衝剤、塩基および/または酸を添加してもよい。反応は例え
ば1〜10、好ましくは3〜9、特に好ましくは5〜8のpH値で実施すること
ができる。
【0075】 適する緩衝剤は特にリン酸塩緩衝液である。しかしながらカルボン酸、炭酸、
リン酸および硼酸も使用することができる。適する塩基は例えばアルカリ金属−
およびアルカリ土類金属水酸化物、アミン、およびカルボン酸、炭酸、リン酸お
よび硼酸のアルカリ金属塩である。適する酸は例えばHCl、HBr、HI、H
BF4 、HClO4 、カルボン酸(場合によっては弗素化−または塩素化醋酸、
安息香酸、クエン酸)、硼酸、リン酸、メタンスルホン酸、硫酸および炭酸があ
る。塩基および酸は可溶性または非可溶性ポリマー、例えばイオン交換体も適し
得る。塩基、酸および/または緩衝剤の量は1Lの水に対して0〜2、好ましく
は0〜1、特に好ましくは0〜0.5モルである。
【0076】 本発明においてアルコール性反応媒体はアルコールが単独でまたは他の有機溶
剤との混合物として存在していることを意味する。適するアルコールは脂肪族、
脂環式、脂環式−脂肪族および芳香脂肪族アルコールである。幾つかの有利な例
にはメタノール、エタノール、n−またはイソプロパノール、n−、イソ−また
は第三ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロ
ヘキサンジオール、ヒドロキシメチル−またはジヒドロキシメチルシクロヘキサ
ン、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパ
ンジオール、ブタンジオール、エチレングリコールモノメチル−または−モノエ
チルエーテル、およびジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエ
ーテルがある。特にメタノール、エタノール、エチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオールおよびイソプロパノールが有利である。アルコールの割合は好ま
しくは少なくとも30容量%、特に好ましくは少なくとも50容量%、中でも少
なくとも70容量%である。アルコールだけを用いるのが特に有利である。水素
化の立体選択率は使用する反応媒体に左右される。溶剤がアルコールに混和でき
ない場合には、二段回で水素化を行なう。
【0077】 適する有機溶剤は例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソブチルエ
ーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン;スルホキシドおよびスルホン、
例えばジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン;N
−置換カルボン酸アミドおよびラクタム、例えばN−メチルピロリドンおよびジ
メチルホルムアミド;ケトン、例えばアセトンまたはメチルイソブチルケトン;
およびカルボン酸エステル、例えば醋酸メチルエステル、醋酸エチルエステル、
プロピオン酸メチルエステルである。
【0078】 有利な触媒金属はロジウム、イリジウムおよびルテニウムである。触媒は水素
化の前または水素化の際に水素と接触することによって触媒活性スペシーズに変
換される触媒前駆体も意味する。
【0079】 使用されるジホスフィン触媒の触媒特性が金属ハロゲン化物およびアンモニウ
ムハロゲン化物の添加によって影響され得ることは公知である。それ故に、反応
混合物にアルカリ金属−またはアンモニウム塩化物、−臭化物または−沃化物、
例えばLiCl、LiBr、LiI、NaI、NaBrまたはテトラブチルアン
モニウム沃化物を添加するのが有利であり得る。その量は例えば1Lの溶剤当り
0.001〜5モルでよい。更に他の変性剤および助触媒、例えばフタルイミド
、ヒダントインまたはパラボン酸を添加してもよい。
【0080】
【化13】
【0081】 金属錯塩のための適する配位子には、第三ホスフィン、特にトリアリールホス
フィン、例えばトリフェニル−、トリトルイル−およびトリキシリルホスフィン
およびトリシクロアルキルホスフィン、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、
並びに第三ホスファン、例えばテトラメチレン−またはペンタメチレン−フェニ
ルホスフィンがある。特に適するものには二座配位子、例えばアキラルなまたは
キラルなジ第三ジホスフィン、または第三ホスフィノイミンがある。第三ホスフ
ィノイミンの例はA.Lightfoot等、Angew.Chem.Int.
Ed.1998、37、No.20、第2897〜2899頁およびP.Sch
nider等、Chem.Eur.J.,1997、第3巻、No.6に説明さ
れている。
【0082】 アルコール反応媒体中での不均一水素化触媒のためのアキラルなジ第三ジホス
フィンおよびキラルなジ第三ジホスフィンは沢山の文献に説明されている。例え
ばBrunnerおよびW.Zettlmeier、“Handbook of
Enanbtioselective Catalyst”、第II巻:Lig
and References,VCH Verlagsgesellscha
ft mbH、ワインハイム(1993)参照。
【0083】 アキラルなおよびキラルなジ第三ジホスフィンは、ホスフィン基が(a)炭素
原子数2〜4の炭素鎖の色々な炭素原子にまたは(b)シクロペンタジエニル環
のオルト位に直接的にまたはブリッジ基−CRa b −を介してまたはフェロセ
ニルの各シクロペンタジエニルに結合しているものであり、その際にRa および
b は互いに同じか異なり、H、C1 〜C8 −アルキル、C1 〜C4 −フルオロ
アルキル、C5 〜C6 −シクロアルキル、フェニル、ベンジルまたは1〜3個の
1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたフェニルまた
はベンジルである。Ra は水素であるのが好ましく、Rb はC1 〜C4 −アルキ
ルであるのが好ましい。
【0084】 ホスフィン基は2つの同じまたは異なる、好ましくは同じ、炭素原子数1〜2
0、特に1〜12の非置換のまたは置換された炭化水素残基を含有している。ジ
第三ジホスフィンは、2つのホスフィン基が以下の群から選択される2つの同じ
または異なる残基を有しているものが特に有利である:炭素原子数1〜12の直
鎖状または分岐したアルキル;C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコ
キシで置換されたC5 〜C12−シクロアルキル、C5 〜C12−シクロアルキル−
CH2 −,フェニルまたはベンジル;ハロゲン(例えばF、ClおよびBr)、
1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −ハロゲン化アルキル(例えばトリフルオロ
メチル)、C1 〜C6 −アルコキシ、C1 〜C6 −ハロゲン化アルコキシ(例え
ばトリフルオロメトキシ)、(C6 5 3 Si、(C1 〜C12−アルキル)3 Si、−NH2 、−NH(C1 〜C12−アルキル)、−NH(フェニル)、−N
H(ベンジル)、−N(C1 〜C12−アルキル)2 、−N(フェニル)2 、−N
(ベンジル)2 、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、
−アンモニウム−X3 −、−SO3 1 、−CO2 1 、−PO3 1 または−
CO2 −C1 〜C6 −アルキル(例えば−CO2 CH3 )で置換されたフェニル
またはベンジルが含まれる。ただしM1 はアルカリ金属または水素であり、そし
てX3 は一塩基酸のアニオンである。M1 はH、Li、NaおよびKであるのが
好ましい。X3 - の一塩基性酸のアニオンとしては好ましくはCl- 、Br-
たはモノカルボン酸のアニオン、例えば蟻酸塩、醋酸塩、トリクロロアセテート
またはトリフルオロアセテートである。
【0085】 ホスフィン基の2つの残基はそれぞれ一緒に、非置換のまたはハロゲン、C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換されたテトラメチレン、
ペンタメチレンまたは3−オキサ−ペンタン−1,5−ジイルを意味し得る。置
換基はP原子に対してオルト位に結合しているのが好ましい。
【0086】 ホスフィン基は式
【0087】
【化14】
【0088】 [mおよびnは互いに無関係に2〜10の整数であり、m+nの合計は4〜12 、好ましくは5〜8である] で表されるものでもよい。例には式
【0089】
【化15】
【0090】 で表される[3.3.1]−および[4.2.1]−ホビルがある。
【0091】 好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキルの例には、メチル、エチル
、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第三ブチルおよびペ
ンチルおよびヘキシルの異性体がある。アルキルで場合によっては置換されたシ
クロアルキルの例にはシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−およびエチル
シクロヘキシル、およびジメチルシクロヘキシルがある。アルキル、アルコキシ
、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルコキシで置換されたフェニルおよび
ベンジルの例にはメチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エ
チルフェニル、メチルベンジル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、トリ
フルオロメチルフェニル、ビス−トリフルオロメチルフェニル、トリス−トリフ
ルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニルおよびビス−トリフルオ
ロメトキシフェニルがある。
【0092】 特に有利なホスフィン基は、C1 〜C6 −アルキル、非置換のまたは1〜3個
のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたシクロペン
チルまたはシクロヘキシル、ベンジルおよび特に、非置換のまたは1〜3個のC 1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、F、Cl、C1 〜C4 −フルオ
ロアルキルまたはC1 〜C4 −フルオロアルコキシで置換されたフェニルを有す
るものである。
【0093】 好ましいジホスフィンは式IV R4 5 P−R6 −PR7 8 (IV) [式中、R4 、R5 、R7 およびR8 は互いに無関係に炭素原子数1〜20の炭 化水素残基であり、該炭化水素残基は非置換であるかまたはハロゲン原子、C 1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −ハロゲンアルキル、C1 〜C6 −アルコキ シ、C1 〜C6 −ハロゲンアルコキシ、(C6 5 3 Si、(C1 −C12− アルキル)3 Si、−NH2 、−NH(C1 −C12−アルキル)、−NH(フ ェニル)、−NH(ベンジル)、−N(C1 −C12−アルキル)2 、−N(フ ェニル)2 、−N(ベンジル)2 、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニ ル、ピペラジニル、−アンモニウム−X3 - 、−SO3 1 、−CO2 1 、 −PO3 1 、または−CO2 −C1 〜C6 −アルキルであり、ただしM1 は アルカリ金属または水素であり、そしてX3 - は一塩基性酸のアニオンであり ; またはR4 およびR5 並びにR7 およびR8 はそれぞれ一緒に、非置換のまた はハロゲン原子、C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換 されたテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサ−ペンタン−1,5 −ジイルを意味し;そして R6 は非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −アルコキシ、C5 またはC6 −シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはベンジルで置換され たC2 〜C4 −アルキレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニル またはベンジルで置換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シ クロアルキレン、1,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−また は1,3−ビシクロアルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケ ニレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置 換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シクロアルキレン、1 ,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−または1,3−ビシクロ アルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケニレン、ただしそれ らの1−および/または2−位にまたはそれらの3−位にメチレンまたはC2 〜C4 −アルキリデンが結合している;2,3−位においてR9 10C(O− )2 で置換され、かつ1−および/または4−位では置換されていないかまた はC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されている1,4− ブチレン(ただしR9 およびR10は互いに無関係に水素原子、C1 〜C6 −ア ルキル、フェニルまたはベンジルである);窒素原子が水素原子、C1 〜C12 −アルキル、フェニル、ベンジル、C1 〜C12−アルコキシカルボニル、C1 〜C8 −アシル、C1 〜C12−アルキルアミノカルボニルで置換されている3 ,4−または2,4−ピロリジニレンまたはメチレン−4−ピロリジン−4− イル;または非置換のまたはハロゲン原子、−OH、C1 〜C6 −アルキル、 C1 〜C6 −アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシまたはベンジ ルオキシで置換された1,2−フェニレン、2−ベンジレン、1,2−キシリ レン、1,8−ナフチレン、2,2’−ジナフチレンまたは2,2’−ジフェ ニレンを意味するか; またはR6 は式
【0094】
【化16】
【0095】 (式中、R9 は水素原子、C1 〜C8 −アルキル、C1 〜C4 −フルオロアル キル、非置換のまたは1〜3個のF、Cl、Br、C1 〜C4 - アルキル、C 1 〜C4 −アルコキシまたはフルオロメチルで置換されたフェニルを意味する 。) で表される残基である。] で表される。
【0096】 R4 、R5 、R7 およびR8 は以下の群から選択される互いに同じでか異なる
、特に同じ基である:C1 〜C6 −アルキル、非置換のまたは1〜3個のC1
4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたシクロペンチルまた
はシクロヘキシル、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたベンジル、特に非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、−NH2 、OH、F、Cl、C1 〜C4 −フルオロアルキルまたはC1 〜C4 −フルオロアルコキシで置換された
フェニルである。
【0097】 アキラルなおよびキラルなジホスフィンの特に有利な群は下記式V〜XXVIIIで
表されるものである:
【0098】
【化17】
【0099】
【化18】
【0100】 ただしR4 、R5 、R7 およびR8 は特に有利なものを含めて上述の意味を有す
る。
【0101】 R10およびR11は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキルまたは非置
換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置
換されたベンジルまたはフェニルを意味し、 R12およびR13は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、フェニル
またはベンジルを意味し、 R14およびR15は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C 4 −アルコキシまたは非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC 1 〜C4 −アルコキシで置換されたベンジルまたはフェニルを意味し、 R16は水素原子、C1 〜C4 −アルキル、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C 4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたベンジルまたはフェニ
ル、C1 〜C12−アルコキシ−C(O)−、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C 4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたフェニル−C(O)−
またはベンジル−C(O)−、C1 〜C12−アルキル−NH−CO−、または非
置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで
置換されたフェニル−NH−C(O)−またはベンジル−NH−C(O)−であ
り、 nは0、1または3であり、 R17およびR18はC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシである
かまたは一緒にオキサジメチレンを意味し、 R19、R20、R21、R22、R23およびR24は互いに無関係に水素原子、C1
4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、C5 −またはC6 −シクロアルキル
または−アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ
ゲン、OH、−(CH2 3 −C(O)−O−C1 〜C4 −アルキル、−(CH 2 3 −C(O)−N(C1 〜C4 −アルキル)2 または−N(C1 〜C4 −ア
ルキル)2 であるかまたはR19およびR21、および/またはR17およびR21、お
よび/またはR20およびR22、またはR18およびR22、および/またはR21およ
びR23、および/またはR22およびR24はそれぞれ融合して5−または6−員環
、モノ−または二環式炭化水素環でもよく、そして R25はC1 〜C4 −アルキルである。
【0102】 キラルなジ第三ジホスフィンの幾つかの有利な例には下記式V〜XLで表される
ものがある:
【0103】
【化19】
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】 これらの式中、Rはシクロヘキシルまたは非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、トリフルオロメチル、または−NH2
1 〜C4 −アルキル)NH−、(C1 〜C4 −アルキル)2 N−で置換された
フェニルであり、 R26およびR27は互いに無関係にC1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベン
ジルであり、特に好ましくはメチルを意味し、 R28はC1 〜C8 −アルキル、C1 〜C8 −アシルまたはC1 〜C8 −アルコ
キシカルボニルであり、 R29は水素原子であるかまたは無関係にR30の意味を有しそしてR30はC1
4 −アルキル、フェニルまたはベンジルであり、 R31はメチル、メトキシまたは両方のR31が一緒になってオキサジメチレンを
意味し、 R32およびR33は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C 4 −アルコキシまたは(C1 〜C4 −アルキル)2 N−であり、 R34およびR35は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C 4 −アルコキシ、−(CH2 3 −C(O)−O−C1 〜C4 −アルキル、また
は−(CH2 3 −C(O)−N(C1 〜C4 −アルキル)2 −であるかまたは
34およびR35の一緒になた一つの対は式XLI の一つの残基でありそしてR34
よびR35の一緒になたもう一つの対は式XLIIの一つの残基であり;
【0107】
【化22】
【0108】 R36はC1 〜C4 −アルキルおよび好ましくはメチルである。
【0109】 ヘテロ環骨格を持つ適するジ第三ジホスフィンはヨーロッパ特許第0,770
,085、T.Benincori等,J.of Organomet.Che
m.529(1997)、第445〜453頁およびJ.Org.Chem.、
61、第6244頁(1996)、F.Bonifacio等、Chirate
ch 1997、1997年11月11日〜13日、フィラデルヒア、ペンシル
バニア州、米国およびL.F.Tietze等、Chem.Commun、第1
811〜1812頁(1999)に記載されている。
【0110】 幾つかの例には以下のものがある:
【0111】
【化23】
【0112】 水溶性触媒のためのアキラルなおよびキラルなジ第三ジホスフィンも同様に公
知であり、文献に開示されている。かゝるジホスフィンは、直接的にまたはブリ
ッジ基を介してホスフィン基の置換基に結合しているかおよび/またはジホスフ
ィンの骨格に結合している1または2つの水溶性の極性置換基を有している。ジ
ホスフィンは追加的に水溶性の極性置換基を有する、有利なものを含めた、前に
規定した様な同じアキラルなまたはキラルなジ第三ジホスフィンでもよい。かゝ
る配位子は例えばG.Papadogianakis等、James J.Sp
ivey(著者)、Catalysis 第13巻、The Poyal So
ciety of Chenuistry Information Serv
ice(1997)、第115〜193頁に記載されている。
【0113】 極性置換基は水酸基および酸またはアンモニウム基でもよい。酸基の例にはカ
ルボン酸、スルホン酸、硫酸およびホスホン酸の各基がある。アンモニウムの例
には−NH3 + 並びに炭素原子数1〜12、好ましくは1〜6の第二アンモニウ
ム;炭素原子数2〜24、好ましくは2〜12の第三アンモニウム;および炭素
原子数3〜36、好ましくは3〜18の第四アンモニウムがあり、その際アンモ
ニウム基は無機または有機酸のアニオンを含有している。
【0114】 極性置換基の非常に有利な基は−OH、−CO2 1 、−SO3 1 、−O−
SO3 1 、−PO(OM1 2 および−NR373839 + 4 - よりなる群か
ら選択され、その際にM1 はH、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチ
オンであり、R37、R38およびR39は互いに無関係にH、C1 〜C4 −アルキル
、フェニルまたはベンジルであるか、またはR37およびR38は一緒になってテト
ラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサペンチレンであり、そしてX4
無機または有機酸のアニオンである。アニオンを誘導することができる酸の例に
はHCl、HBr、HI、H2 SO4 、C1 〜C8 −カルボン酸、C1 〜C8
スルホン酸、C1 〜C8 −ホスホン酸、HClO4 、HBF4 、HSbF6 およ
びHPF6 がある。アンモニウムカチオンとしてのM1 は式 + NR37383940 [式中、R37、R38、R39およびR40は互いに無関係にH、C1 〜C4 −アルキ
ル、フェニルまたはベンジルであるか、R37およびR38は一緒になってテトラメ
チレン、ペンタメチレンまたは3−オキサペンチレンである] で表される。ホスフィン基は1〜4個の極性置換基を有しており、ホスフィン基
の少なくとも1つの残基が少なくとも1つの極性置換基を有している。
【0115】 本発明によれば、水溶性ポリマーまたはオリゴマーの骨格、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸へのジホスフィンの
一つの(直接的にまたはブリッジ基を介する)共役結合によって水溶性が達成さ
れるジ第三ジホスフィンも包含される。
【0116】 骨格基は式 −X5 −R41− [式中、X5 は直接結合、O、NH、Si(CH3 2 、N(C1 〜C4 −アル
キル)、NH−CO、N(C1 〜C4 −アルキル)CO、CO−NH、CON(
1 〜C4 −アルキル)、NH−CO−O、N(C1 〜C4 −アルキル)CO−
O、O−CO−NH、O−CON(C1 〜C4 −アルキル)、NH−CO−NH
、N(C1 〜C4 −アルキル)CO−NHまたはN(C1 〜C4 −アルキル)C
O−NHまたはN(C1 〜C4 −アルキル)CO−N(C1 〜C4 −アルキル)
であり、そしてR41はX5 に対して上記で規定した様なヘテロ原子またはヘテロ
基で一カ所以上中断されていてもよい炭素原子数1〜40、好ましくは1〜30
、特に好ましくは1〜20の1〜4価炭化水素残基である。炭化水素残基の例に
は直鎖状のまたは分岐したC1 〜C18−アルキレン、C5 −またはC6 −シクロ
アルキレン、C5 −またはC6 −シクロアルキレン−C1 〜C6 −アルキレン、
5 −またはC1 〜C6 −アルキレン−C6 −シクロアルキレン−C1 〜C6
アルキレン、フェニレン、フェントリイル(phentriyl) 、C1 〜C6 −アルキレ
ン−C6 4 −、C1 〜C6 −アルキレン−C6 4 −C1 〜C6 −アルキレン
、(C1 〜C6 −アルキレン)3 −C6 3 −である。
【0117】 アキラルなおよびキラルなジホスフィンの有利な基は式V〜XXIII で表される
ものであり、式XXIV〜XLの有利なジホスフィンが有利である。ただしR10〜R36 は上述の意味を有し、R4 、R5 、R7 およびR8 は互いに同じであり、二つの
Rが式
【0118】
【化24】
【0119】 [式中、X6 は−SO3 1 、−CO2 1 、−C1 〜C4 −アルキレン−SO 3 1 、−C1 〜C4 −アルキレン−CO2 1 、−N(C1 〜C4 −アルキレ
ン)2 または+ N(C1 〜C4 −アルキル)2 4 -2であり、M1 はH、Naま
たはKを意味しそしてX4 はCl、BrまたはIである。
【0120】 ポリマーの水溶性ジホスフィンの幾つかの例がヨーロッパ特許第0,329,
043号明細書並びに国際特許WO98/01457号明細書並びにW.D.M
ueller等、Chem.Commun、(1996)第1135〜1136
頁に記載されている。
【0121】 別の特に有利なジホスフィンの群は式XLIII (M1O2C-CH2CH2-O-CH2)3C-NR42-CO-R41 (XLIII) [式中、M1 は水素原子、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンで あり、R42はC1 〜C4 −アルキルまたは好ましくは水素原子を意味し、そし てR41はキラルなジ第三ジホスフィンの一価の残基であり、その際にCO−基 はジホスフィン骨格のC−またはN−原子に直接的に結合しているかまたはO −原子またはN−原子に、またはジホスフィン骨格のブリッジ基のC−原子に 結合している。] で表されるものである。適するブリッジ基は例えば−O−、−NH−、C1 〜C 6 −アルキレン−、−N(C1 〜C4 −アルキル)−、−O−C1 〜C6 −アル
キレン−、−NH−C1 〜C6 −アルキレン−および−N(C1 〜C4 −アルキ
ル)−C1 〜C6 −アルキレン−である。M1 については上述の実施態様および
有利な態様を用いる。
【0122】 式XLIII のジホスフィンの特に有利なサブグループには式XLIIIa (M1O2C-CH2CH2-O-CH2)3C-NR-CO-R43 (XLIIIa) [式中、M1 は上述の意味を有しそしてR43は下記式で表される残基を意味する
:]
【0123】
【化25】
【0124】 水溶性のフェロセニルジホスフィンの他の例には国際特許98/01457号
明細書に記載の式で表される化合物がある:
【0125】
【化26】
【0126】 同様に以下の式の化合物も含まれる:
【0127】
【化27】
【0128】 [式中、R44およびR45は互いに同じでも異なっていてもよく、フェニル、o− トルイル、p−トルイル、m−トルイル、ブチル、プロピル、キシリル、シク ロヘキシルまたはプロバン
【0129】
【化28】
【0130】 または式
【0131】
【化29】
【0132】 で表される化合物がある。] 相応する化合物はU.Englert等、Organometallics(
提出された)およびA.Salzer等、Organometallics(提
出された)に記載されている。
【0133】 式XLIII およびXLIIIaのホスフィンは新規であり、以下の様にして得られる。
公知のアミン(HO2 C−CH2 CH2 −O−CH2 3 C−NH2 あるいはそ
のアルキルエステルは相応するジ第三ジホスフィンのカルボキシル基と反応させ
てアミドとすることができる。アミンは誘導されて、イソシアネートまたは(例
えばカルボニルジイミダゾールで)ブロックされたイソシアネートを得、これを
相応するジ第三ジホスフィンのOH−またはNH基と反応させてウレタン−また
は尿素ブリッジを生成し得る。
【0134】 本発明で使用される触媒あるいは触媒前駆体は式XLIV、XLIVa およびXLIVb [X7Me2YZ] (XLIV) 、[X7Me2Y]+ A2 - (XLIVa)、[X7Ru(II)X8X9] (XLIVb)
[式中、Yは2つのモノオレフィン配位子またはジエン配位子であり; X7 は金属原子Me2 またはRuと5〜7員環を形成するアキラルなまたはキ ラルなジ第三ジホスフィンであり; Me2 はIr(I) またはRh(I) を意味し; Zは−Cl、−Brまたは−Iであり;そして A2 は酸素酸または錯塩酸のアニオンであり、 X8 およびX9 は互いに同じでも異なっていてもよくそしてZおよびA2 の意 味を有するかまたはX8 およびX9 はアリルまたは2−メチルアリルであり、 またはX8 はZまたはAの意味を有しそしてX9 はヒドリドである。] で表される金属錯塩が適する。
【0135】 特にYが1,5−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンまたはノルボル
ネンである金属錯塩が有利である。本発明の金属錯塩においてZは−Cl、−B
rまたは−Iである。特に有利な金属錯塩においてA2 はClO4 - 、CF3
3 - 、CH3 SO3 - 、HSO4 - 、BF4 - 、B(フェニル)4 - 、PF6 - 、SbCl6 - 、AsF6 - またはSbF6 - である。
【0136】 他の適するルテニウム錯塩は文献から公知であり、例えば米国特許第4,69
1,037号明細書、同第4,739,085号明細書、同第4,739,08
4号明細書、ヨーロッパ特許第0,269,395号明細書、同第0,271,
310号明細書、同第0,271,311号明細書、同第0,307,168号
明細書、同第0,366,390号明細書、同第0,470,756号明細書、
特開平8−081,484号公報、特開平8−081,485号公報、特開平9
−294,932号公報、ヨーロッパ特許第0,831,099号明細書、同第
0,826,694号明細書、同第0,841,343号明細書、J.P.Ge
net,Arcos Organics Acta,1(1995)4、N.C
.Zanetti等,Organometallics 15(1996)86
0に記載されている。
【0137】 式XLIV、XLIVa およびXLIVb の金属錯塩は文献から公知の方法で製造される。
その製法は例えばヨーロッパ特許出願公開(A1)第564,406号明細書に
開示されている。触媒あるいは触媒前駆体は単離された化合物として反応混合物
に添加することができる。触媒あるいは触媒前駆体を反応の前に溶剤を用いてま
たは用いずにその場で製造して、次に反応混合物と一緒にして反応させるのが有
利であることがわかっている。
【0138】 詳細にはこの方法は、最初に触媒を製造し、次いでその触媒を水素化すべきプ
テリン、例えば葉酸またはそれのカルボン酸エステル、葉酸エステルまたは葉酸
エステル塩の溶液または懸濁液に添加するかまたはこの逆に行なう様に実施する
ことができる。オートクレーブ中に水素を圧入しそしてその様にして、使用する
のが有利である保護ガスを除く。場合によっては加熱しそして反応混合物を水素
化する。反応終了後に場合によっては冷却しそしてオートクレーブを放圧する。
反応混合物を例えば窒素を用いて反応器から押し出し、水素化反応生成物を公知
の様に、例えば抽出、沈殿および結晶化によって単離するかまたはその場で後続
反応させる。(6S,αS)−および(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステ
ルおよび(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステル塩が水素化反応の間に沈殿
し得ることがわかった。このことは、反応混合物からの単離を著しく容易とする
【0139】 これは葉酸を使用する場合に特に有利でありそしてエステル化および水素化を
相前後して一つの反応容器で実施するのに特に有利である。酸HAの存在下での
エステル化のためには水素化の際と同じ溶剤、特にアルコール、例えばメタノー
ルまたはエタノールを使用するのが有利である。即ち葉酸もこれらアルコールで
エステル化される。
【0140】 他の有利な変法では葉酸のエステル化および水素化を同時に行なう。この場合
にはテトラヒドロ葉酸エステルおよびその塩をその場で生成しそして同時に水素
化する。この目的のためには、あらゆる成分(葉酸、アルコール、溶剤、酸HA
および触媒)を反応容器に導入し、水素を圧入しそして水素化を実施する。溶剤
がエステル化に使用されるアルコール、例えばメタノールまたはエタノールと同
じであるのが有利である。
【0141】 水素化は色々な種類の反応器で連続的にまたは不連続的に実施することができ
る。有利な良好な混合および良好な熱排除を許容する反応器、例えば循環式反応
器が有利である。この種の反応器は僅かな量の触媒を使用する場合に特に有利で
あることがわかって実証されている。
【0142】 テトラヒドロ葉酸誘導体からの所望のジアステレオマー、例えば(6S,αS
)−テトラヒドロ葉酸またはその塩、(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸エステ
ルおよび(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステル塩を単離するためには、公
知の方法、例えばクロマトグラフィー法または分別結晶を使用することができる
。この場合には予めに公知の方法で誘導を行なっても良い。テトラヒドロ葉酸エ
ステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩はこの場合には、ジアステレオマーの
分離を一度に有機溶剤でも行なうことができ、驚くべきことに結晶中での(6S
,αS)−または(6S,αR)−ジアステレオマーのおよび母液での(6R,
αS)−または(6R,αR)−ジアステレオマーの高度の濃縮が観察される。
テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩からはテトラヒド
ロ葉酸を公知の様に加水分解によって製造できる。
【0143】 テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩の単離はアルコ
ール性反応媒体から有利には結晶化によって行なう。驚くべきことに(6S,α
S)−または(6S,αR)−ジアステレオマーは良好に結晶化しそしてその結
晶体はこれらのジアステレオマーを非常に高い濃縮度で含有していることを見出
した。例えばテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−スルホン酸付加物の場合には
、殆どの結晶体において(6S,αS):(6R,αS)ジアステレオマー比は
99:1であることを発見した。逆に(6R,αS)−または(6R,αR)−
ジアステレオマーは母液中に濃縮されている。結晶が実質的に触媒を含有してお
らず、(6S,αS):(6R,αS)ジアステレオマーが高純度で含まれてい
ることは驚くべきことである。
【0144】 純粋な(αS)−および(αR)−エナンチオマーまたは任意の混合比の混合
物の状態の式III の有機酸HA含有化合物は新規であり、本発明の別の対象であ
る。R1 、R2 、HAおよびxは式III の化合物について前述した実施態様に該
当する。式III においてR1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルであるの
が好ましく、HAがベンゼン−またはトルエンスルホン酸であるのが好ましくそ
してxは1の数または0.5〜1.5の分数であるのが好ましい。
【0145】 本発明の別の対象は、その純粋なジアステレオマーおよび任意の混合比のそれ
の混合物の状態の式IIIaのテトラヒドロ葉酸エステル塩である:
【0146】
【化30】
【0147】 式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたはR 1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、−S−
および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結合する
ヘテロ炭化水素残基であり、 HAは1〜3塩基性の無機酸または有機酸であり、 そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。R1 、R2
HAおよびxは式III の化合物についての上述の実施態様に該当する。式III 中
のR1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルを意味し、HAがベンゼン−ま
たはトルエンスルホン酸でありそしてxが1または2の数または0.5〜2の分
数であるのが特に有利である。
【0148】 本発明の更に別の対象は、式III b
【0149】
【化31】
【0150】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、− S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結 合するヘテロ炭化水素残基である。] で表される化合物である。R1 およびR2 は式III の化合物について上述した実
施態様に該当する。R1 およびR2 はそれぞれC1 〜C12−アルキル、好ましく
はC1 〜C4 −アルキル、例えばメチルまたはエチルである。式III bの化合物
は式IIIaの化合物を塩基で処理することによって得られる。
【0151】 光学的濃縮度は上記の方法の場合には存在する添加物、使用される溶剤、温度
および濃度に左右される。簡単な実験によってそれぞれの目的に適合する最適な
方法条件を決めることができる。
【0152】 以下の実施例は、一般的にまたは特別に説明する反応成分および/または本発
明の反応条件を以下の実施例に記載するものに交換することによって実施するこ
とができる。同様に以下の特別な実施態様は全くの例示であり、本発明の開示す
る内容をいかようにも制限するものではない。
【0153】 本願明細書で引用されている全ての特許出願、特許および公開明細書の全部の
開示内容はここに全部記載されたものとする。
【0154】 上記説明に基づいてこの分野の当業者は本発明の重要な構成要件を容易に誘導
し、そして本発明の基礎をなす思想および範囲から逸脱することなく変更および
補充しそしてそれによって本発明を種々の要求および条件に適合させることが可
能である。
【0155】 光学的収率または(6S,αS)−と(6R,αS)−ジアステレオマーとの
比あるいは(6S,αR)−と(6R,αR)−ジアステレオマーとの比は,以
下の様に高圧液体クロマトグラフィーを(HPLC)用いて反応混合物において
直接的に測定する: 15mgの反応溶液を、6.8gのβ−シクロデキストリンおよび270mL
の37%濃度ホルムアルデヒドから1000mLの水中で製造される1mLの溶
剤に溶解する。分離はMacherey−Nagel社の5mm、240×4m
mのカラムNucleosil C−8および以下の様に製造された移動溶媒に
よって行なった:6.8gのβ−シクロデキストリンを8.5mLのトリエチル
アミン、850mLの水および150mLのアセトニトリルよりなる混合物に溶
解する。この溶液のpH値を醋酸の添加によって7.5のpHに調整し、更に2
70mLの37%濃度ホルムアルデヒドを添加する。両方のジアステレオマーの
検出は300mLの波長で行なった。
【0156】 使用したジ第三ジホスフィンについては以下の略字を使用する: a アルコール性反応媒体での水素化
【0157】
【化32】
【0158】
【化33】
【0159】 b 水性反応媒体中での水素化
【0160】
【化34】
【0161】
【化35】
【0162】 触媒および水素化溶液の製造、溶液および懸濁液の運搬並びに水素化の実施は
酸素を排除して行なう。この場合、当業者が熟知するぶら下げ(Schlenk)技術を
使用することができる。脱気しそして保護ガス、例えば窒素ガスまたは希ガス(
ヘリウム、ネオン、アルゴンまたはクリプトン)を導入した溶剤およびオートク
レーブを使用する。水素化反応はマグネットスタラーまたはガス吹き込み式攪拌
器を備えたスチール製オートクレーブ中で実施する。
【0163】
【実施例】
A テトラヒドロ葉酸エステルの製造 実施例A1:(αS)葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの製造 800gの(αS)−葉酸二水和物(1.68mol)を、530gのベンゼ
ンスルホン酸(3.35mmol)および20Lの水不含メタノールよりなる溶
液に40℃で窒素ガス雰囲気で最初に導入する。この混合物を30分間還流下に
過熱し、冷却しそして5Lの容量に濃縮する。析出する生成物を吸引濾過によっ
て濾別し、1Lのメタノールで洗浄しそして乾燥室で40℃、20mbarで乾
燥する。966gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(
1.45mmol、理論収量の86%)が得られる。この生成物は26.2%の
ベンゼンスルホン酸、1.67%の水および2.26%のメタノールを含有して
いる。
【0164】 この物質は150℃以上で分解する。
【0165】 1 H−NMR(DMSO−d6 ):8.78(1H,s)、8.46(2H,b
s)、8.32(1H,d)、7.64−7.68(m)、7.35−7.40
(m)、6.66(2H,d)、0.8(2H,s)、4.39(1H,m)、
3.62(3H,s)、3.57(3H、s),2.42(2H,m)、1.9
8−2.11(2H,m)。
【0166】 実施例A2:(αS)葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスルホナートの製造 8gの(αS)−葉酸二水和物(16.76mmol)を、3.18gのベン
ゼンスルホン酸(20.11mmol)および1.5Lの水不含メタノールより
なる溶液に最初に導入する。この混合物を5時間還流下に過熱し、室温に冷却し
そして沈殿する生成物を12時間後に吸引濾過する。40℃、20mbarで乾
燥した後に10.09gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナ
ート(15.29mmol、理論収量の92%、この生成物は21.8%のベン
ゼンスルホン酸を含有している)が得られる。
【0167】 この物質は150℃以上で分解する。
【0168】 1 H−NMR(DMSO−d6 ):8.77(1H,s)、8.27(3H,d
、bs)、7.66(m)、7.35(m)、6.66(2H,d)、4.59
(2H、s)、4.37(1H、m)、3.98−4.13(4H、m)、2.
40(2H,m)、1.97−2.06(2H,m)、1.06−1.21(6
H,m)。
【0169】 B 水溶性ジ第三ジホスフィンの製造 実施例B1: 2S,4S−W−BPPMの製造 トリエステルの製造 2.5mLのトルエンに377mg(0.83mmol)の2−ジフェニルホ
スフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノ−ピロリジン(PPM)を溶解した
溶液を実施例A1の溶液(1.1mmolのイソシアネート−トリエステル)に
添加し、その混合物を夜通し攪拌する。回転蒸発器で濃縮しそして減圧下にトル
エンを部分的に除いた後に、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する(シリカ
ゲル:Merck60;移動剤 醋酸エチルエステル)。605mgの生成物が
得られる(収率:81%)。
【0170】 トリ酸の製造 5mLのエタノールに実施例B1aの590mgのトリエステルを溶解した溶
液に、1mLの水および0.6gのKOHを添加しそしてこの混合物を3時間の
間攪拌する。次いで減圧下にエタノールを留去し、混合物を25mLの水に溶解
する。この溶液を次いで2NのHClで酸性に調整し、醋酸エチルエステルで数
度抽出処理する。有機相を集め、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥しそして最
後に減圧下に乾燥するまで蒸発処理する。生成物が白色の固体として88%の収
率で得られる。
【0171】 実施例B2: W−PYRPHOSの製造 トリエステルの製造 実施例B1aと同様に実施するが、3,4−ジフェニルホスフィノ−ピロリジ
ン(Pyrphos)を出発化合物として使用する。反応生成物は63%の収率
で得られる。
【0172】 トリ酸の製造 実施例B1bと同様に実施する。生成物は95%の収率で白色の固体として得
られる。
【0173】 実施例B3: R−W−BIPHEMPの製造 トリエステルの製造 実施例B1aと同様に実施するが、2,2’−ジフェニルホスフィノ−5−メ
チル−5’−ヒドロキシメチル(HO−Biphemp)を出発化合物として使
用する。反応生成物は82%の収率で得られる。
【0174】 トリ酸の製造 実施例B1bと同様に実施する。生成物は92%の収率で白色の固体として得
られる。
【0175】 実施例B4: W−XYLIPHOSの製造 トリエステルの製造
【0176】
【化36】
【0177】 (アミン配位子A、国際特許第98/01457参照) 8mLのメチレンクロライドに1g(1.5mmol)のアミン配位子Aを溶
解した溶液を、6mLのメチレンクロライド中の等モル量のカルボニルジイミダ
ゾールに0℃で添加し、その反応混合物を最後に室温で2時間攪拌する。次いで
1.6当量のH2 N−C(CH2 −O−CH2 CH2 C(O)−OCH2 CH3 および5mgのジブチル錫ジラウレートを添加し、その混合物を50℃で48時
間攪拌する。クロマトグラフィーで精製(シリカゲル:Merck60;移動剤
ヘキサン/醋酸エチルエステル=1:1)した後に、生成物がほぼ固体のオレ
ンジ色の油として65%の収率で得られる。
【0178】 トリ酸の製造 10mLのエタノールに1gのジホスフィン−トリエステルを溶解し、1mL
の20%濃度KOH水溶液と混合する。2時間攪拌した後にエタノールを減圧下
に留去し、生成物を20mLの水に溶解する。2NのHClを添加することによ
って生成物を沈殿させ、濾別し、水で数回洗浄し、最後に50℃で高圧で乾燥す
る。生成物は橙黄色の固体として92%の収率で得られる。
【0179】 実施例B5: PA−JOSIPHOSの製造 配位子を国際特許第98/01457の実施例B25に従って製造する。平均
分子量:1480。
【0180】 C アルコール性反応媒体での水素化 実施例C1〜C29: 方法A: 6.72mgの[Ir(COD)Cl]2 (10μmol)およびジホスフィ
ン配位子(25μmol)を秤量し、脱気しそしてジクロロメタンに溶解する。
ジクロロメタンを高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる
。実施例A1aに従う(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート
1.25g(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させそして触媒に添加
する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートクレーブに添加しそし
て、水素の吸収がもはやなくなるまでの間水素化する。CODはシクロオクタジ
エンである。
【0181】 方法B: 8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)およびジホスフ
ィン配位子(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタ
ノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mL
のメタノールにとる。実施例A1に従う(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベン
ゼンスルホナート1.25g(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させ
そして触媒に添加する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートクレ
ーブに添加しそして、水素の吸収がもはやなくなるまでの間、水素化する。
【0182】 水素化は70℃の温度(実施例C9では25℃)および80barの圧力(実
施例C9およびC10では20bar)で実施する。結果を表1に示す。
【0183】 実施例C25: 28.79gの(αS)葉酸二水和物(60mmol)を1Lのオートクレー
ブで秤量しそして脱気する。121.82mgの[Rh(COD)2 ]BF4
300μmol)および233.5mgのR−BINAP(375μmol)を
秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。
溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。9.49
gの無水ベンゼンスルホン酸(60mmol)を200mLのメタノールに溶解
しそして向流窒素流中でオートクレーブに添加する。550mLのメタノールを
更に添加し、そして触媒溶液も添加する。70℃、20barの水素圧のもとで
15時間にわたって水素化する。テトラヒドロ葉酸ジメチル−ベンゼンスルホナ
ートへの転化率は80%である。ジアステレオマー比(6S,αS):(6R,
αS)は71:28である。
【0184】 実施例C26: 16.68mgのRu(BINAP)(2−メチルアリル)2 (20μmol
)(J.P.Genet等、Tetrahedron Asymmety,第5
巻、No.4、第665〜674頁、1994に従って製造)を脱気済みメタノ
ール5mLに懸濁させ、実施例A1に従う1.25gの(αS)−葉酸ジメチル
エステル−ベンゼンスルホナート(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁
させた懸濁液と混合する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートク
レーブに移しそして17時間の間70℃、80barの水素圧で水素化する。テ
トラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートへの転化率は30%で
ある。ジアステレオマー(6S,αS):(6R、αS)の比は62:37であ
る。
【0185】 実施例C27: 8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.5
7mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフラ
ンとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残り
を5mLのメタノールにとる。0.39gの6−ヒドロメチルプテリン(2mm
ol)(P.H.Boyle等、Chem.Ber.;第113巻、第1514
頁、1980に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmo
l)を25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合
物を向流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80bar
の水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−ヒドロキシメチル−5,
6,7,8−テトラヒドロプテリンへの転化率は85%であり、HPLCを用い
て反応溶液から直接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸
の定量測定に使用されるものと同じである。
【0186】 実施例C28: 8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.5
7mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフラ
ンとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残り
を5mLのメタノールにとる。0.48gの6−フェニルプテリン(2mmol
)(H.Yamamoto等、Chem.Ber.;第106巻、第3175頁
、1973に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmol
)を25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合物
を向流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80barの
水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−フェニル−5,6,7,8
−テトラヒドロプテリンへの転化率は64%であり、HPLCを用いて反応溶液
から直接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸の定量測定
に使用されるものと同じである。
【0187】 実施例C29: 8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.5
7mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフラ
ンとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残り
を5mLのメタノールにとる。0.35gの6−メチルプテリン(2mmol)
(P.Waring等、Aust.J.Chem.;第38巻、第629頁、1
985に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmol)を
25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合物を向
流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80barの水素
圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−メチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロプテリンへの転化率は63%であり、HPLCを用いて反応溶液から直
接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸の定量測定に使用
されるものと同じである。
【0188】
【表1】
【0189】 脚注: Buはブチルであり、MeOHはメタノールであり、EtOHはエタノールで
あり、i−PrOHはイソプロパノールでありそしてTHFはテトラヒドロフラ
ンであり、Paはパラバン酸(Parabanic acid)である。 1)この実験では73.9mgのテトラブチルアンモニウム沃化物(0.2mm ol)を触媒に添加する。 2)この実験では8.48mgの塩化リチウム(0.2mmol)を触媒に添加 する。 3)この実験では29.98mgの沃化ナトリウム(0.2mmol)を触媒に 添加する。 4)この実験では3.55gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスル ホナート(5.66mmol)を方法Bに従って記載した溶剤容量中で反応 させ、基質濃度を15%とする。 5)この実験では1.31gの(αS)−葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスル ホナート(2mmol)を方法Bに従ってエタノール中で反応させ、テトラ ヒドロ葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスルホナートとする。 6)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30 mLのi−プロパノール中で実施する。 7)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30 mLの1,2−プロパンジオール中で実施する。 8)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30 mLのエチレングリコール中で実施する。 9)この実験では4.06mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (10μmol) および7.78mgのR−BINAP(25μmol)より成る触媒を製造 する。 10)この実験では15mLのTHFと15mLのMeOHとの混合物中で水素化 を実施する。 11)この実験では1.16mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (2.86μmo l)および2.22mgのR−BINAP(3.57μmol)より成る触 媒を製造する。 12)この実験では4.56mgのパラバン酸(40mmol)を触媒に添加する 水素化はMeOH/THF(1:1)中で実施する。
【0190】 D 水性反応媒体中での水素化 実施例D1〜D8: 0.0025mmolの配位子を5mLの水および0.5mLの緩衝液pH7
(1Lの水に0.041molのNa2 HPO4 および0.028mmolのK
2 PO4 )に溶解する。次いで配位子のカルボン酸基を、透明な溶液が生じる
まで0.1NのNaOHと反応させる。得られる溶液を7.4mg(0.02m
mol)の[Rh(NBD)2 ]BF4 に添加し、溶液が生じるまで攪拌する(
NBDはノルボルナジエンである)。この溶液を、11mLの水および1.5m
Lの緩衝液pH7に2mmolの(αS)−葉酸二ナトリウムを溶解した溶液に
添加し、その混合物をカニューレによって向流アルゴン中で、ガス吹き込み式攪
拌器を備えた水素化用オートクレーブに移す。オートクレーブを密封し、アルゴ
ンを水素に交換し、最後に水素を所望の圧力まで圧入する。その水素圧は貯蔵用
容器からの減圧弁を通して維持する。以下の表2に反応が停止するまでの水素化
時間(水素の吸収がもはやなくなるまで)を示す。他に表示が無い場合には、こ
れは(αS)−葉酸の完全転化に相当する。圧力は80barであり、反応温度
は70℃(実施例D6では30℃)である。基質と触媒とのモル比(S/C)は
実施例D1〜D7においては100であり、実施例D8では1000である。結
果を表2に総括掲載する:
【0191】
【表2】
【0192】 脚注: 1)緩衝液pH6:1Lの水に0.01molのNa2 HPO4 および0.07 1molのKH2 PO4 ;反応が終わった時に再度4mLの1NのKH2 P O4 を添加する。 2)5mmolの(αS)−葉酸二ナトリウム塩、0.005mmolの[Rh (NBD)2 ]BF4 および0.00675mmolの配位子を全部で16 mLの水および2mLの緩衝液pH7を使用する。
【0193】 E テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートおよびテトラ ヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートの単離 実施例E1:反応C1から テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの単離 反応C1からの反応溶液を酸素の排除下に1/6の容積に濃縮する。こうして
得られた懸濁液を窒素ガス雰囲気で4℃で2時間保存し、沈殿する生成物を吸引
濾過し、僅かに冷たいメタノールで洗浄しそして40℃、20mbarで乾燥す
る。0.55gのテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(
0.87mmol、理論収量の44%)が得られる。テトラヒドロ葉酸ジメチル
エステル−ベンゼンスルホナートのジアステレオマー比(6S,αS):(6R
,αS)は99:1である(HPLCによって測定)。[a]589 =−69.8
℃(c=1、ジメチルスルホキシド中)。
【0194】 この物質は150℃以上で分解する。
【0195】 1 H−NMR(DMSO−d6 ):10.61(1H,s)、8.35(1H,
d)、7.6−7.74(m)、7.51(1H,bs)、7.30−7.37
(m)、6.70(2H,d,2H,bs)、4.42(2H、m)、3.63
(3H、s)、3.58(3H,s)、3.50(1H,m)、3.38(1H
,m)、3.38(1H,m)、3.28(1H,m)、2.44(2H,m)
、2.01−2.13(2H,m)。
【0196】 b.テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゾスルホナートの水素化: 0.55gのテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゾスルホナート[(6
S,αS):(6R,αS)=99:1](0.87mmol)および0.32
gの炭酸ナトリウム(3.02mmol)を酸素の排除下に4mLの水に溶解す
る。85℃に加熱し、30分後にpH値を37%濃度塩酸でpH=7.5に調整
する。75℃で、0.6mLの水に0.2gのベンゼンスルホン酸を添加し、次
いでpH値を37%濃度塩酸でpH=8.0に調整する。この溶液を室温に冷し
、更に3時間攪拌する。生成物を吸引濾過しそして乾燥室で30℃、20mba
rで4日間にわたって乾燥する。8.4gのテトラヒドロ葉酸−ベンゼンスルホ
ナート(13.92mmol、理論値の88%)が得られる。
【0197】 テトラヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートのジアステレオマー比(6S,αS)
:(6R,αS)=99:1である。測定方法はヨーロッパ特許第0,495,
204号明細書に説明されている。
【0198】 テトラヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートの性質はヨーロッパ特許(B1)第0
,495,204号明細書に記載の生成物と一致している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 プギン・ベノイト スイス国、ミュンヘンシュタイン、ヴァッ サーハウスヴェーク、16 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC02B BC04B BC58B BC66B BC68B BC71B BC74B BE27B CB02 DA02 4H050 AA01 AB40 WB11 WB22 WB23

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プテリンおよびプテリン誘導体を水素化触媒の存在下に水素
    で水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびテトラヒドロプテリン誘
    導体を製造する方法において、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反応媒体
    中に溶解する金属錯塩を水素化触媒として用いることを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 極性反応媒体が水性またはアルコール性反応媒体である請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 プテリン誘導体として葉酸、葉酸塩、葉酸エステル、葉酸エ
    ステル塩またはそれらの二水和物を水素化触媒の存在下に水素で水素化するため
    に使用し、その水素化を水素化触媒としての、反応媒体に溶解した金属錯塩の存
    在下に高圧で実施し、ただし葉酸、そのカルボン酸塩またはそれらの二水和物を
    用いる場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステル、葉酸エステル塩
    またはそれらの二水和物を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在するこ
    とを前提とする、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 プロキラルなプテリン誘導体を水素化触媒の存在下で水素で
    不均一水素化する請求項1に記載の方法において、水素化を極性反応媒体中で実
    施しそして反応性媒体に可溶性の金属錯塩を水素化触媒として使用し、その際に
    金属錯塩がキラルな配位子を含有している、上記方法。
  5. 【請求項5】 プテリン誘導体として葉酸、葉酸塩、葉酸エステル、葉酸エ
    ステル塩またはそれらの二水和物を水素化触媒の存在下で水素で不均一水素化す
    る請求項4に記載の方法において、水素化を水素化触媒としての、反応媒体に溶
    解した金属錯塩の存在下で高圧で実施し、その際に金属錯塩がキラルな配位子を
    含有しており、ただし葉酸、そのカルボン酸塩またはそれらの二水和物を用いる
    場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステル、葉酸エステル塩または
    それらの二水和物を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在することを前
    提とする、上記方法。
  6. 【請求項6】 葉酸エステル塩が式III 【化1】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR2 またはR1 、またはR1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、−S− および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結合し たヘテロ炭化水素残基であり、 HAは1〜3塩基性の無機−または有機酸であり、 そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。] で表されそしてそれのエナンチオマーまたは混合物の状態で存在する請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 式III 中の酸HAが非置換のまたは置換されたフェニルスル
    ホン酸である請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 1〜500barの水素圧の下で実施する請求項1に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 反応温度が0〜150℃である請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 基質と触媒とのモル比が10〜100000である請求項
    1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 水性反応媒体が水、または有機溶剤との混合物の状態の水
    である請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 アルコール性反応媒体がアルコール、または有機溶剤との
    混合物の状態のアルコールである請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 金属錯塩がd−8金属、特にイリジウム、ロジウムまたは
    ルテニウムを含有する請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 金属錯塩が配位子としてアキラルなまたはキラルなジ第三
    ジホスフィンを含有する請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 アルコール性反応媒体のためのジ第三ジホスフィンが、ホ
    スフィン基が(a)炭素原子数2〜4の炭素鎖の色々な炭素原子にまたは(b)
    シクロペンタジエニル環のオルト位に直接的にまたはブリッジ基−CRa b
    を介してまたはフェロセニルの各シクロペンタジエニルに結合しているものであ
    り、その際にRa およびRb は互いに同じか異なり、H、C1 〜C8 −アルキル
    、C1 〜C4 −フルオロアルキル、C5 〜C6 −シクロアルキル、フェニル、ベ
    ンジル、または1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシ
    で置換されたフェニルまたはベンジルである請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 アルコール性反応媒体のためのジホスフィンが式IV R4 5 P−R6 −PR7 8 (IV) [式中、R4 、R5 、R7 およびR8 は互いに無関係に炭素原子数1〜20の炭 化水素残基であり、該炭化水素残基は非置換であるかまたはハロゲン原子、C 1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −ハロゲンアルキル、C1 〜C6 −アルコキ シ、C1 〜C6 −ハロゲンアルコキシ、(C6 5 3 Si、(C1 −C12− アルキル)3 Si、−NH2 、−NH(C1 −C12−アルキル)、−NH(フ ェニル)、−NH(ベンジル)、−N(C1 −C12−アルキル)2 、−N(フ ェニル)2 、−N(ベンジル)2 、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニ ル、ピペラジニル、−アンモニウム−X3 - 、−SO3 1 、−CO2 1 、 −PO3 1 、または−CO2 −C1 〜C6 −アルキルであり、ただしM1 は アルカリ金属または水素であり、そしてX3 - は一塩基性酸のアニオンであり ; またはR4 およびR5 並びにR7 およびR8 はそれぞれ一緒に、非置換のまた はハロゲン原子、C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換 されたテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサ−ペンタン−1,5 −ジイルを意味し;そして R6 は非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −アルコキシ、C5 またはC6 −シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはベンジルで置換され たC2 〜C4 −アルキレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニル またはベンジルで置換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シ クロアルキレン、1,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−また は1,3−ビシクロアルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケ ニレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置 換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シクロアルキレン、1 ,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−または1,3−ビシクロ アルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケニレン、ただしそれ らの1−および/または2−位にまたはそれらの3−位にメチレンまたはC2 〜C4 −アルキリデンが結合している;2,3−位においてR9 10C(O− )2 で置換され、かつ1−および/または4−位では置換されていないかまた はC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されている1,4− ブチレン(ただしR9 およびR10は互いに無関係に水素原子、C1 〜C6 −ア ルキル、フェニルまたはベンジルである);窒素原子が水素原子、C1 〜C12 −アルキル、フェニル、ベンジル、C1 〜C12−アルコキシカルボニル、C1 〜C8 −アシル、C1 〜C12−アルキルアミノカルボニルで置換されている3 ,4−または2,4−ピロリジニレンまたはメチレン−4−ピロリジン−4− イル;または非置換のまたはハロゲン原子、−OH、C1 〜C6 −アルキル、 C1 〜C6 −アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシまたはベンジ ルオキシで置換された1,2−フェニレン、2−ベンジレン、1,2−キシリ レン、1,8−ナフチレン、2,2’−ジナフチレンまたは2,2’−ジフェ ニレンを意味するか; またはR6 は式 【化2】 (式中、R9 は水素原子、C1 〜C8 −アルキル、C1 〜C4 −フルオロアル キル、非置換のまたは1〜3個のF、Cl、Br、C1 〜C4 - アルキル、C 1 〜C4 −アルコキシまたはフルオロメチルで置換されたフェニルを意味する 。) で表される残基である。] で表される請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 水性反応性媒体用のジホスフィンが、ホスフィン基の置換
    基および/またはジホスフィンの骨格に直接的にまたはブリッジ基を介して結合
    している1つまたは複数の水可溶性化性の極性置換基を有しているものである請
    求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 水性反応媒体用のジホスフィンが式XLIII (M1O2C-CH2CH2-O-CH2)3C-NR42-CO-R41 (XLIII) [式中、M1 は水素原子、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンで あり、R42はC1 〜C4 −アルキルまたは好ましくは水素原子を意味し、そし てR41はキラルなジ第三ジホスフィンの一価の残基であり、その際にCO−基 はジホスフィン骨格のC−またはN−原子に直接的に結合しているかまたはO −原子またはN−原子に、またはジホスフィン骨格のブリッジ基のC−原子に 結合している。] で表される請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 水素化触媒が式XLIV、XLIVa およびXLIVb [X7Me2YZ] (XLIV) 、[X7Me2Y]+ A2 - (XLIVa)、[X7Ru(II)X8X9] (XLIVb)
    [式中、Yは2つのモノオレフィン配位子またはジエン配位子であり; X7 は金属原子Me2 またはRuと5〜7員環を形成するアキラルなまたはキ ラルなジ第三ジホスフィンであり; Me2 はIr(I) またはRh(I) を意味し; Zは−Cl、−Brまたは−Iであり;そして A2 は酸素酸または錯塩酸のアニオンであり、 X8 およびX9 は互いに同じでも異なっていてもよくそしてZおよびA2 の意 味を有するかまたはX8 およびX9 はアリルまたは2−メチルアリルであり、 またはX8 はZまたはAの意味を有しそしてX9 はヒドリドである。] で表される請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 純粋な(αS)−および(αR)−エナンチオマーまたは
    それらの混合物の状態の式III 【化3】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、− S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結 合するヘテロ炭化水素残基であり、 HAは1〜3塩基性有機酸であり、 そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。] で表される化合物。
  21. 【請求項21】 式III 中のR1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチル
    を意味し、HAはベンゼン−またはトルエンスルホン酸でありそしてxが1また
    は2の数または0.5〜2の分数である請求項20に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 式III a 【化4】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、− S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結 合するヘテロ炭化水素残基であり、 HAは1〜3塩基性無機酸または有機酸であり、 そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。] で表される純粋なジアステレオマーおよびそれの混合物の状態の化合物。
  23. 【請求項23】 R1 およびR2 がそれぞれC1 〜C12−アルキルであり、
    HAが1〜3塩基性の無機または有機酸でありそしてxが1〜6の整数または0
    〜6の分数である請求項22に記載の化合物。
  24. 【請求項24】 R1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルを意味し、
    HAはベンゼン−またはトルエンスルホン酸でありそしてxが1または2の数ま
    たは0.5〜2の分数である請求項23に記載の化合物。
  25. 【請求項25】 式III b 【化5】 [式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、− S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結 合するヘテロ炭化水素残基である。] で表される純粋なジアステレオマーおよびそれの混合物の状態の化合物。
  26. 【請求項26】 R1 およびR2 がそれぞれC1 〜C12−アルキルである請
    求項25に記載の化合物。
  27. 【請求項27】 R1 およびR2 がそれぞれC1 〜C4 −アルキルである請
    求項26に記載の化合物。
  28. 【請求項28】 R1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルである請求
    項27に記載の化合物。
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