JPH11180948A - S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの製造法 - Google Patents

S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの製造法

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JPH11180948A
JPH11180948A JP9347932A JP34793297A JPH11180948A JP H11180948 A JPH11180948 A JP H11180948A JP 9347932 A JP9347932 A JP 9347932A JP 34793297 A JP34793297 A JP 34793297A JP H11180948 A JPH11180948 A JP H11180948A
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salt
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earth metal
dicarboxyethyl
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Yusuke Sakai
祐輔 境
Hironori Fujii
博教 藤井
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に効率の良いS-(1,2- ジカルボキシエチ
ル)グルタチオンの製造法を提供する。 【解決手段】グルタチオン(またはその塩)と不飽和二
価有機酸であるフマル酸(またはその塩)もしくはマレ
イン酸(またはその塩)とを縮合させて、次の式 【化1】 で表されるS-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオン
またはその塩を製造する方法において、溶媒中におい
て、アルカリ土類金属イオンの存在下、グルタチオン
(またはその塩)と不飽和二価有機酸であるフマル酸
(またはその塩)もしくはマレイン酸(またはその塩)
とを縮合させて、S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタ
チオンのアルカリ土類金属塩を生成させた後に、該アル
カリ土類金属塩の状態で、未反応原料およびアルカリ土
類金属イオンを除去することを特徴とするS-(1,2- ジカ
ルボキシエチル)グルタチオンまたはその塩の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、S-(1,2- ジカルボキシ
エチル)グルタチオンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチ
オン(略称:DCE-GS)は、D.H.CalamおよびS.G.Waley
らにより、牛水晶体から発見された酸性トリペプチドで
ある(Biochem.J.86,226(1963))。また、S-(1,2- ジ
カルボキシエチル)グルタチオンは、血小板凝集抑制剤
(特開平2-255624号)、抗アレルギー・抗炎症剤(特開
平3-48626 号)、抗腫瘍剤(特開平3-112933号)、肝障
害抑制剤(特開平3-118334号)、白内障治療剤(特開平
5-112463号)、脂質代謝改善剤(特開平6-80582号)お
よび眼内潅流液(特開平7-103677号)などとして有用で
あることが知られている。
【0003】一方、S-(1,2- ジカルボキシエチル)グル
タチオンの製造法としては、たとえば、以下の方法が知
られている。
【0004】すなわち、上記のように、S-(1,2- ジカル
ボキシエチル)グルタチオンは酵母や牛の水晶体等に存
在するので、それらから公知の方法で抽出、単離精製に
よって得ることができる(Biochem.J.86,226(196
3))。
【0005】一方、合成手段としては、次の方法が知ら
れている。すなわち、原料化合物であるグルタチオンと
マレイン酸各々等モルを水溶液またはアルコール性水溶
液中加温もしくは室温下で1〜2日間放置し、反応の完
了を確かめた後、反応液に酢酸銅を加えて溶かし、エタ
ノールから固体化する銅塩を濾取する。さらに、この固
化操作を何度か繰り返した後、この水溶液に硫化水素を
通じて硫化銅を沈殿させ、沈殿濾別後、濾液を濃縮し、
エタノールを加えて析出する白色固体を濾取してエタノ
ールで洗い、水- エタノールから再結晶させることによ
りS-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンが得られ
る(特開平5-112463号, 特開平3-118334号, 特開平3-11
2933号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまでの合成手法に
よれば、反応液からS-(1,2- ジカルボキシエチル)グル
タチオンの銅塩を経由して精製を行いS-(1,2- ジカルボ
キシエチル)グルタチオンを得ているが、この際の精製
では、3度にわたり溶解、固化、濾取、乾燥作業を繰り
返し、収量のロスとともに時間と手間を伴う方法であっ
た。
【0007】また、人体に有害な銅塩のままでは最終的
な製剤として使用できず、必ず銅イオンを外して取り除
き、別の塩にする必要があった。
【0008】さらにこの方法では、人体に有害な硫化水
素ガスを用いて、硫化銅の状態で銅イオンを除いてお
り、大量の合成スケールになると危険が伴い、環境へも
配慮しなければならないという欠点があった。
【0009】銅イオンを除去した後のS-(1,2- ジカルボ
キシエチル)グルタチオンについても、この方法で得ら
れるものは完全にフリーなカルボン酸ではなく、反応の
際に使用した水酸化ナトリウム由来のナトリウムイオン
の存在が示唆された。
【0010】また、以上の合成及び精製法では、最終収
率は原料のグルタチオンから約65%となり、1段階の合
成反応としては満足のいくものではなかった。また、ス
ケールが大きくなると化合物の精製がうまくいかず、最
終生成物の純度が上がらないなど、問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
これらの問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、合成
中間体(または最終物)としてS-(1,2- ジカルボキシエ
チル)グルタチオンのカルシウム塩などのアルカリ土類
無機塩を経由することによって、反応の際、反応液にお
ける生成物の純度を上げることができた。さらにこのア
ルカリ土類無機塩の段階で、未反応原料であるマレイン
酸と、それに由来するフマル酸のアルカリ土類無機塩効
果的に除くことができることを見出した。さらにアルカ
リ土類金属イオンも効果的に除くことに成功した。
【0012】この新知見に基づき、さらに研究を進めた
結果、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、(1) グルタチオン(ま
たはその塩)と不飽和二価有機酸であるフマル酸(また
はその塩)もしくはマレイン酸(またはその塩)とを縮
合させて、次の式
【0014】
【化2】
【0015】で表されるS-(1,2- ジカルボキシエチル)
グルタチオンまたはその塩を製造する方法において、溶
媒中において、アルカリ土類金属イオンの存在下、グル
タチオン(またはその塩)と不飽和二価有機酸であるフ
マル酸(またはその塩)もしくはマレイン酸(またはそ
の塩)とを縮合させて、S-(1,2- ジカルボキシエチル)
グルタチオンのアルカリ土類金属塩を生成させた後に、
該アルカリ土類金属塩の状態で、未反応原料およびアル
カリ土類金属イオンを除去することを特徴とするS-(1,2
- ジカルボキシエチル)グルタチオンまたはその塩の製
造法、(2) アルカリ土類金属イオンがアルカリ土類金属
水酸化物によって供給される上記(1) 記載の製造法、
(3) アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムまた
は水酸化バリウムである上記(2) 記載の製造法、および
(4) 反応液のpHが3乃至7の範囲である上記(1) 記載
の製造法に関する。
【0016】本発明の製造法においては、アルカリ土類
金属イオンの存在が必須であるが、アルカリ土類金属イ
オンを供給する化合物としては、アルカリ土類金属水酸
化物が挙げられる。具体的には、例えば水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウムなどが挙げられ、特に水酸化カルシ
ウムが好ましい。
【0017】本発明の製造法に用いられる不飽和二価有
機酸としては、フマル酸(以下、文脈に反しない限り、
その塩を含む)またはマレイン酸(以下、文脈に反しな
い限り、その塩を含む)が用いられるが、そのカルシウ
ム塩が溶媒である水によく溶けるという点でマレイン酸
がより好ましい。
【0018】本発明の製造方法においては、溶媒として
アルコール性水溶液などを用いることもできるが、操作
性や生成物の安定性の点から、水が特に好ましい。
【0019】本発明の製造法においては、まず、原料の
不飽和二価有機酸とアルカリ土類金属水酸化物の水溶液
(または懸濁液)を調製する。ここにおける原料の不飽
和二価有機酸の濃度は、約0.5 〜約3.0 モル濃度、特に
好ましくは約1.5 〜2.0 モル濃度である。アルカリ土類
金属水酸化物の使用量は反応の温度、時間により変動す
るが、不飽和二価有機酸の約0.5 〜2.0 倍モルである。
【0020】不飽和二価有機酸とアルカリ土類金属水酸
化物の混合水溶液(または懸濁液)の調製は、たとえば
(1) アルカリ土類金属水酸化物の水溶液(または懸濁
液)を不飽和二価有機酸の水溶液に加える、(2) 不飽和
二価有機酸の水溶液をアルカリ土類金属水酸化物の水溶
液(または懸濁液)に加える、(3) アルカリ土類金属水
酸化物を不飽和二価有機酸の水溶液に加える、(4) 不飽
和二価有機酸をアルカリ土類金属水酸化物の水溶液(ま
たは懸濁液)に加えるか、または(5) 不飽和二価有機酸
とアルカリ土類金属水酸化物の混合物に水を加えるかの
いずれでもよいが、これらのうち、不飽和二価有機酸を
アルカリ土類金属水酸化物の水溶液(または懸濁液)に
加えるのが特に好ましい。
【0021】つぎに、原料のグルタチオン(以下、文脈
に反しない限り、その塩を含む)と不飽和二価有機酸と
アルカリ土類金属水酸化物の水溶液(または懸濁液)を
調製する。ここにおける原料のグルタチオンの濃度は約
0.1 〜約3.0 モル濃度、特に好ましくは0.5 〜 2.0モル
濃度である。
【0022】原料のグルタチオンと不飽和二価有機酸と
アルカリ土類金属水酸化物の水溶液(または懸濁液)の
調製は、たとえば(1) グルタチオンを不飽和二価有機酸
とアルカリ土類金属水酸化物の混合水溶液(または懸濁
液)に加える、(2) 不飽和二価有機酸とアルカリ土類金
属水酸化物の混合水溶液(または懸濁液)をグルタチオ
ン水溶液に加える、あるいは(3) グルタチオン水溶液を
不飽和二価有機酸とアルカリ土類金属水酸化物の混合水
溶液(または懸濁液)に加えるかのいずれでも良いが、
これらのうち、グルタチオンを不飽和二価有機酸とアル
カリ土類金属水酸化物の混合水溶液(または懸濁液)に
加えるのが特に好ましい。
【0023】調製されたグルタチオンと不飽和二価有機
酸とアルカリ土類金属水酸化物の水溶液(または懸濁
液)は、pH3.0 乃至7.0の範囲が好ましい。そのため、
塩基性物質を加えてpHを調整しても良い。pH調整のため
に用いられる塩基性物質としては、アルカリ土類金属水
酸化物(例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウムな
ど)などが用いられるが、特に水酸化カルシウムが好ま
しい。
【0024】原料化合物の溶解時および反応時には発熱
するが、反応混合液の温度は0℃〜80℃程度が好まし
く、特に30℃〜50℃程度が好ましい。グルタチオン
と不飽和二価有機酸との付加(縮合)反応は反応液調製
後約5時間で終了するが、反応をさらに熟成させるため
に、終夜もしくは約1週間同一温度でかき混ぜても良
い。
【0025】この反応終了液から、通常の単離精製法、
例えば活性炭吸着、クロマトグラフィーやアルコール添
加による固化などによって、S-(1,2- ジカルボキシエチ
ル)グルタチオンアルカリ土類金属塩を精製することが
できる。特に好ましくは、S-(1,2- ジカルボキシエチ
ル)グルタチオンカルシウム塩である。最終製品である
S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンのアルカリ
土類金属塩の粉末化にあたっては、濃縮固化、噴霧乾
燥、凍結乾燥およびアルコール添加による固化などによ
って粉末化することができるが、用いる製品分野の必要
性に応じた精製、粉末化方法を用いても良い。
【0026】また、S-(1,2- ジカルボキシエチル)グル
タチオンアルカリ土類金属塩から、アルカリ土類金属イ
オンを除き、S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオ
ンを最終製品としても良い。アルカリ土類金属イオン
は、通常のイオン除去法、例えばイオン交換樹脂、ゲル
ろ過、脱塩装置、イオン性不溶物の沈殿析出などが用い
られる。イオン性不溶物を生成させる試薬としては、炭
酸、硫酸、シュウ酸などを用いることができる。特に好
ましくは、シュウ酸を用いて析出するシュウ酸アルカリ
土類金属塩を除去する方法である。
【0027】さらに、このアルカリ土類金属イオン除去
終了液から、通常の単離精製法、例えば活性炭吸着、ク
ロマトグラフィーによって、S-(1,2- ジカルボキシエチ
ル)グルタチオンを精製することができる。とくに好ま
しくは活性炭吸着である。最終製品であるS-(1,2- ジカ
ルボキシエチル)グルタチオンの粉末化にあたっては、
濃縮固化、噴霧乾燥および凍結乾燥などによって粉末化
することができるが、用いる製品分野の必要性に応じた
精製、粉末化方法を用いても良い。このようにして得ら
れたS-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンは、通
常の方法によってナトリウム塩などのアルカリ金属塩と
することができる。
【0028】以上のようにして得られたS-(1,2- ジカル
ボキシエチル)グルタチオンおよびその塩(アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩)は、医薬品、化成品、化粧
品において幅広い用途を有する。
【0029】以下に、実施例及び参考例を挙げて本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定され
るものではない。
【0030】
【実施例】実施例1 S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンカルシウム
塩の製造
【0031】5Lの3径フラスコに蒸留水1L を入れて、
攪拌しながらマレイン酸374.9gと水酸化カルシウム239.
3gを加えた。蒸留水1L を加えた後、液温が50℃に下が
るのを待って、懸濁状態の反応液にグルタチオン982.4g
を加えた。洗い込んだ洗液も足して蒸留水は全部で3L
使用した。水浴上50℃で終夜攪拌した。
【0032】反応液を室温に戻した後、300ml の酢酸を
加え、30L のメタノール中にゆっくり滴下した。析出し
た白色沈殿を濾取し、残渣はすぐにメタノールを用いて
よく洗浄した。得られた残渣はシャーレに移し、真空乾
燥機(40 ℃以下) で終夜乾燥した。
【0033】さらに残渣を20%酢酸水溶液6L に溶解
し、27L のメタノール中にゆっくり滴下し、析出した白
色沈殿を濾取し、HPLCにてマレイン酸およびの消失を確
認した。
【0034】得られた残渣は真空乾燥機(40 ℃以下) で
終夜乾燥し、S-(1,2- ジカルボキシエチル)カルシウム
塩1350.0gを得た。収率92% 。
【0035】S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオ
ンの製造
【0036】上記のようにして得られたS-(1,2- ジカル
ボキシエチル)グルタチオンカルシウム塩20gを50mlの
精製水に溶解し、シュウ酸2水和物 5.46gを40mlの精製
水に溶解した水溶液に滴下した。析出した白色沈殿を濾
紙もしくはメンブランフィルターで濾去し、得られた濾
液を濃縮後、フリーズドライに付した。S-(1,2- ジカル
ボキシエチル)グルタチオン18.0gを得た。収率98% 。
HPLCにてシュウ酸の消失を確認した。
【0037】S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオ
ンナトリウム塩の製造
【0038】このようにして得られたS-(1,2- ジカルボ
キシエチル)グルタチオン 15,0gに10N 水酸化ナトリウ
ム水溶液を滴下し、pHを7.4 に調整した。エバポレータ
ーをもちいて濃縮し、得られる飴状のナトリウム塩に約
50mlの無水エタノールを加え攪拌し、徐々に結晶化させ
た。析出する白色固体を濾取し、シャーレに移し真空乾
燥機(40 ℃以下) で終夜乾燥し、S-(1,2- ジカルボキシ
エチル)グルタチオンナトリウム塩14.0gを得た。収率
81% 。
【0039】実施例2 S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンの製造 1L のビーカーにマレイン酸 38.9gと水酸化カルシウム
31.4g を加え、蒸留水150mL を入れて攪拌した。液温30
℃の懸濁反応液にグルタチオン100.0gを加え、蒸留水10
0mL を使用して洗い込んだ。水浴上30℃で攪拌。攪拌5
0時間後、HPLCにて反応をチェックした。S-(1,2- ジカ
ルボキシエチル)グルタチオン純度82.4% (面積百分
率)
【0040】反応液を室温に戻した後、反応液を激しく
攪拌しながらシュウ酸2水和物52.8g と活性炭20g を加
えた。灰色沈殿析出後、4℃にて終夜静置した。
【0041】不溶の活性炭とシュウ酸カルシウムを、遠
心分離器を用いて凝集させ、得られた上澄はメンブラン
フィルター(0.4 ミクロン)を用いてろ過した。ろ液を
HPLCにて純度チェックした。S-(1,2- ジカルボキシエチ
ル)グルタチオン純度95.5%(面積百分率)
【0042】ここで、再度、活性炭 15gを加え、室温に
て1 時間攪拌し、続いて、メンブランフィルター(0.4
ミクロン)を用いてろ過した。S-(1,2- ジカルボキシエ
チル)グルタチオン純度98.7% (面積百分率)
【0043】得られた最終濾液はそのまま凍結乾燥し
た。得られた白色個体を破砕して、89.4g のS-(1,2- ジ
カルボキシエチル)グルタチオンを白色粉末として得
た。S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオン純度9
8.6% (面積百分率)収率65% 。
【0044】実施例3 S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンの製造 1L のビーカーにマレイン酸 38.9gと水酸化バリウム13
3.4gを加え、蒸留水150mL を入れて攪拌した。液温50℃
の懸濁反応液にグルタチオン100.0gを加え、蒸留水100m
L を使用して洗い込んだ。水浴上50℃で攪拌。攪拌15時
間後、HPLCにて反応をチェックした。S-(1,2- ジカルボ
キシエチル)グルタチオン純度81.9% (面積百分率)
【0045】反応液を室温に戻した後、反応液を激しく
攪拌しながら硫酸41.5g をゆっくり滴下した。活性炭1
5g を加え、終夜攪拌した。
【0046】不溶の灰白色沈殿を、遠心分離器を用いて
凝集させ、得られた上澄はメンブランフィルター(0.4
ミクロン)を用いてろ過した。ろ液をHPLCにて純度チェ
ックした。S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオン
純度93.8% (面積百分率)
【0047】ここで、再度、活性炭 10gを加え、室温に
て1 時間攪拌し、続いて、メンブランフィルター(0.4
ミクロン)を用いてろ過した。S-(1,2- ジカルボキシエ
チル)グルタチオン純度96.6% (面積百分率)
【0048】得られた最終濾液はそのまま凍結乾燥し
た。得られた白色個体を破砕して、100.0gのS-(1,2- ジ
カルボキシエチル)グルタチオンを白色粉末として得
た。S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオン純度9
7.0% (面積百分率)収率73% 。
【0049】 HPLC条件 検 出 器: 紫外吸光光度計(220 nm) カ ラ ム: YMC-A312 ODS カラム温度: 40℃ 流 速: 1.0 mL/min(DCE-GSの保持時間約 9分) 移 動 相: NaH2PO4-NaClO4 Buffer (pH 2.6) サンプリング: 反応液25μlを10m Lの移動相に溶解 固体DCE-GS-1Ca約10mgを10m Lの移動相に溶解 インジェクト: 10μL 定量計算: 面積百分率において0.01%以上のピークを全て計算した。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造法によると、S-(1,2- ジカ
ルボキシエチル)グルタチオン製造の際、アルカリ土類
金属塩は潮解性がないため、操作性が良好である。さら
にアルカリ土類金属塩より容易に未反応原料を除去する
ことができ、工業的にも行程が短く、経済性に有利に純
度の高いS-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオンお
よびその塩を製造することができる。また、反応液、精
製溶液に有機溶媒を含まないため、有機溶媒を除去する
必要がない。さらに、有機溶媒を含まないことにより、
生成物の安定性に対しても有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 5/037 C07K 5/037

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルタチオン(またはその塩)と不飽和二
    価有機酸であるフマル酸(またはその塩)もしくはマレ
    イン酸(またはその塩)とを縮合させて、次の式 【化1】 で表されるS-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタチオン
    またはその塩を製造する方法において、溶媒中におい
    て、アルカリ土類金属イオンの存在下、グルタチオン
    (またはその塩)と不飽和二価有機酸であるフマル酸
    (またはその塩)もしくはマレイン酸(またはその塩)
    とを縮合させて、S-(1,2- ジカルボキシエチル)グルタ
    チオンのアルカリ土類金属塩を生成させた後に、該アル
    カリ土類金属塩の状態で、未反応原料およびアルカリ土
    類金属イオンを除去することを特徴とするS-(1,2- ジカ
    ルボキシエチル)グルタチオンまたはその塩の製造法。
  2. 【請求項2】アルカリ土類金属イオンがアルカリ土類金
    属水酸化物によって供給される請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシ
    ウムまたは水酸化バリウムである請求項2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】反応液のpHが3乃至7の範囲である請求
    項1記載の製造法。
JP9347932A 1997-12-17 1997-12-17 S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの製造法 Withdrawn JPH11180948A (ja)

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JP2010138126A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Sumitomo Chemical Co Ltd N,S−ジ−tert−ブトキシカルボニルグルタチオン蛍光誘導体及びそれを中間体として用いるグルタチオン蛍光誘導体の製造方法
WO2020194058A1 (en) * 2019-03-26 2020-10-01 Tonix Pharma Holdings Limited Salt forms of s-(n, n-diethylcarbamoyl)glutathione

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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