JP3791554B2 - イミダゾピロロキノリンの製造法 - Google Patents

イミダゾピロロキノリンの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イミダゾピロロキノリンの製造方法に関し、さらに詳細には、ピロロキノリンキノンからイミダゾピロロキノリンの製造法に係わる。
イミダゾピロロキノリン(以下IPQと略す)は、別名7,10−ジヒドロ−7−オキソ−イミダゾ[4,5,1−ij]ピロロ[2,3−f]キノリン−1,3,9−トリカルボン酸であり、化学構造式は、化1のごとくである。
【0002】
【化1】
Figure 0003791554
IPQは、ピロロキノリンキノン(以下PQQと記す)の誘導体であり、今後、医薬品として、開発しうる重要な物質である。なお、PQQは、1979年にメタノ−ル資化性細菌のメタノ−ル脱水素酵素の補酵素として見い出された。
【0003】
【従来の技術】
PQQは、細菌に限らず、真核生物のカビ、酵母、さらには、哺乳動物にも存在し、補酵素として重要な働きをになっている。また、さらに、近年までに細胞の増殖促進作用(特開昭61−58584号公報,同63−233783号公報)、抗白内障作用(特開昭63−41421号公報,同63−48215号公報,同64−29313号公報)、肝臓疾患予防治療作用(特開昭63−192717号公報)、創傷治癒作用(特開昭63−152309号公報)、抗アレルギ−作用(特開昭63−17493号公報)、逆転写酵素阻害作用(特開昭63−156724号公報,特開平1−29313号公報)およびグリオキサラ−ゼI阻害作用−制癌作用(特開昭63−215628号公報,特開平1−29313号公報)など多くの生理活性が明らかにされている。しかしながら、PQQは、腎毒性を有することが近年明らかにされ(渡辺ら、Hiroshima J.Med.Sci.,第38巻,1号,頁49〜51( 1989年) )、毒性および腎毒性が低く安全なPQQ誘導体の開発が望まれている。
【0004】
本発明者らは、種々のPQQ誘導体について、腎毒性および急性毒性試験を行なったところ、イミダゾピロロキノリン(IPQ)がこれらの毒性を大幅に軽減していることを見出した。しかして、IPQは、PQQとグリシンを反応させて得られる方法が知られているが、反応の収率を向上させるためには、PQQに対して過剰となる量のグリシンを添加する必要があり、より安価な原料による製造法が期待されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、IPQのより安価な製造法について種々検討した結果、PQQを含有する溶液中に、アンモニアおよびホルムアルデヒドを添加し酸素存在下で反応させることにより、効率よくIPQに転換されることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ピロロキノリンキノンを含有する溶液に、アンモニアおよびホルムアルデヒドを添加し、該溶液中のピロロキノリンキノンよりイミダゾピロロキノリンを生成するイミダゾピロロキノリンの製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるPQQを含有する溶液としては、
1.メタノ−ルの資化性を有し、かつ、PQQを菌体外に生産する能力を有する細菌をメタノ−ルを炭素源とする培地中に培養して得られるPQQを含有する培養液、
2.メタノ−ルの資化性を有し、かつ、PQQを菌体外に生産する能力を有する細菌をメタノ−ルを炭素源とする培地中に培養して得られるPQQを含有する培養液から酸性処理、塩析処理などの方法により回収して得られた、PQQを含有する粉体を、水または緩衝液に溶解して得られる溶液、
3.高純度のPQQを、水または、緩衝液に溶解して得られる溶液などがある。
【0007】
このようにして得られたPQQを含有する溶液に、アンモニアおよびホルムアルデヒドを添加し、該溶液中に含まれるPQQと好気的条件下で反応させる。但し、該溶液がPQQを含有する培養液で、十分量のアンモニアをすでに含有している場合は、ホルムアルデヒドのみの添加でも良い。このとき添加されるアンモニアとしては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩類、アンモニア水、アンモニアガスなどがあげられるが、実用上は、アンモニア水、アンモニウム塩類が用いられる。ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド水溶液、ホルムアルデヒドガスなどがあげられるが、実用上は、ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)が用いられる。
【0008】
これらの化合物の添加量は、化学理論量以上であればよく、特に制限はないが、実用上は、アンモニアとしては該溶液中に含有されているPQQに対して1〜1000モル倍が好ましく、特に5〜100モル倍が好ましい。ホルムアルデヒドとしては、該溶液中に含有されているPQQに対して1〜3000モル倍が好ましく、特に30〜1000モル倍が好ましい。反応液のpHは、3〜10の範囲が好ましく、pH4〜8が特に好ましい。また、反応の進行とともに、pHが低下するので、該反応液のpHを保つため、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ等を添加して、該反応液のpHを調節する必要がある。温度は、15℃から80℃が好ましく、実用上特に25〜50℃が好ましい。また、該反応液中の溶存酸素濃度には特に制限はないが、反応を短時間で終了させるためには、0.5〜1ppm以上が好ましい。そのために空気あるいは酸素またはその混合ガスなどを通気し、撹拌したり、さらに、反応槽の圧力を高めるなどの手段が使用される。このような条件で反応させることによりPQQからIPQが生成する。
【0009】
このようにして得られた反応生成液は、PQQを含有する溶液としてPQQを含有する培養液などを用いた場合、菌体、ホルムアルデヒドにより変性されたタンパク質などの固形物が含まれているので、濾過もしくは遠心分離などの通常の固液分離手段によって、固形分を除去し、上澄液を得る。pH3〜5などの低pHでIPQを生成させた場合、生成したIPQが反応液中で沈澱物として存在している場合もあるので、反応液のpHを中性以上にし、生成したIPQを一旦溶解した後、上澄液を得る必要がある。得られた上澄液からIPQが分離・回収される。上澄液からのIPQの分離、精製には種々の方法が用いられる。例えば沈澱法、洗浄法、限外濾過法、抽出法およびIPQを吸着する樹脂担体を用いる方法等が挙げられる。これらの方法を単独あるいは組み合わせてIPQを分離、精製することができる。
【0010】
IPQを分離精製する方法についてさらに具体的に説明する。沈澱法としては、たとえば、塩酸、硫酸および硝酸などの無機酸ならびにトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸などにより反応生成液を酸性としてIPQを沈澱させる酸性沈澱法、反応生成液に塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩を添加してIPQを沈澱させる塩析法または反応生成液と、たとえば、アセトンなどのIPQの溶解度の低い溶媒とを混合し沈澱させる溶媒沈澱法などがある。これらの沈澱法においては、液温を低くする程、IPQの回収率は向上する。前記の沈澱法によって得られたIPQの粉体、または、IPQを含む沈澱物を、たとえば、アセトン、ジエチルエーテルおよび酸性の水のようなIPQを溶かしにくい溶剤で洗浄する洗浄法を適用することにより、IPQの純度をさらに向上させることができる。
【0011】
PQQを含有する溶液として発酵法により得られた培養液を用いる場合には、培養液中の高分子の夾雑物を除くため限外濾過法を利用することができる。限外濾過法として、セファデックスG−10(商品名、ファルマシア株式会社製)およびトヨパールHWシリーズ(商品名、東ソー株式会社製)などのゲル濾過用樹脂担体を用いる方法あるいは各種限外濾過膜や限外濾過中空糸を用いる方法などを適用することができる。抽出法に用いる抽出剤として、水および有機溶媒等が使用される。有機溶剤としては、水との相溶性が小さい有機溶剤が好ましく、たとえば、n−ブタノールのような炭素数4個以上の脂肪族アルコールが好適に使用される。
【0012】
IPQを吸着する樹脂担体を用いた方法では、IPQを吸着・脱離することのできる樹脂担体であれば特に制限なく利用できる。この樹脂担体の代表例として、陰イオン交換樹脂担体では、多糖系担体のDEAE−セファデックスA−25(商品名、ファルマシア株式会社製)、親水性ポリマー系樹脂のDEAE−トヨパール650(商品名、東ソー株式会社製)およびアンバーリストA−21(商品名、ローム・アンド・ハース株式会社製)などがある。また、吸着・分離型樹脂担体では、疎水性ポリマー系樹脂のダイヤイオンHPシリーズ(商品名、三菱化学株式会社製)およびアンバーライトXADシリーズ(商品名、ローム・アンド・ハース株式会社製)などの他にシリカ、オクタデシルシリカおよびアルミナなどがある。疎水性クロマトグラフィ用樹脂担体では、ブチル−トヨパール650およびフェニル−トヨパール650(東ソー株式会社製)などがある。IPQの同定には、元素分析、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルおよび質量分析などの手段が用いられる。また、IPQの定量には、高速液体クロマトグラフィーにより行うことが出来る。
【0013】
[PQQおよびIPQの急性毒性および腎毒性試験]
(1)マウスに対する急性毒性試験
1)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、PQQ・Na2 およびIPQをマウス1kg当り20、40、80、160および200mgのそれぞれを腹腔投与し、14日間、25℃で飼育した。なお、一群は8匹とした。その結果、PQQ・Na2 20mg/kg投与および40mg/kg投与ではマウスは死亡しなかったが、80mg投与で5匹、160mg投与および200mg投与で8匹全部死亡した。PQQ・Na2 のLD50は約70mg/kgマウスであった。一方、IPQ投与の場合は全てのマウスが死亡しなかった。
2)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、IPQをマウス1kg当り0.1g、0.2g、0.4g、0.8gあるいは1.2gのそれぞれを腹腔投与し、14日間、25℃で飼育した。なお、一群は8匹とした。IPQ0.1〜0.4g投与ではすべてのマウスが死亡せず、0.8gでは2匹、1.2gでは6匹が死亡した。LD50は約1.0g/kgマウスであった。
3)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、IPQをマウス1kg当り1.0g、1.5gあるいは2.0gをそれぞれ経口投与し、14日間、25℃で飼育した。一群は8匹とした。すべてのマウスは死亡しなかった。
1)〜3)の結果より、IPQはPQQに比べて毒性が著しく低下していた。
【0014】
(2)マウスに対する腎毒性
1)尿検査による腎毒性
急性毒性試験と同様にして、PQQ・Na2 およびIPQを腹腔投与し、マウスを飼育した。毎日、マウスの尿を採取し、臨床検査試薬(商品名:ウリステックスII、マイルス・三共株式会社製)を用いてグルコ−ス濃度を調べた。表1に示すように、PQQ・Na2 を投与したマウスの尿からは糖が検出されたが、IPQを投与したマウスの尿からは糖が検出されなかった。すなわち、PQQは腎毒性が認められたが、IPQでは腎毒性が認められなかった。
【0015】
【表1】
表1
Figure 0003791554
【0016】
2)血液検査による腎毒性
イ.急性毒性試験と同様にして、PQQ・Na2 およびIPQを腹腔投与し、マウスを飼育した。投与1日後に絶食(水は与える)し、さらに18時間後に採血して血清を得た。血清中のグルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬(商品名:富士ドライケムスライド、富士写真フィルム株式会社製)を用いて調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で示した。結果を表2に示す。
【0017】
PQQ・Na2 投与では、グルコ−スの大幅な減少、尿素態窒素およびクレアチニンの大幅な増加がみられ、腎毒性が認められた。これに対してIPQの投与では、グルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニンのそれぞれの含有量は「無投与」の場合と大差なかった。
【0018】
【表2】
表2
Figure 0003791554
【0019】
ロ.急性毒性試験と同様にして、IPQを150mg、300mg、400mgあるいは600mg/kg腹腔投与し、マウスを1日飼育した。その後、絶食(水は与える)し、さらに18時間後に採血して血清を得た。血清中のグルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬(商品名:富士ドライケムスライド、富士写真フィルム株式会社製)を用いて調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で示した。
結果を表3に示す。IPQのいずれの投与量でも、グルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニンのそれぞれの蓄積量は「無投与」の場合と大差はなかった。
【0020】
【表3】
表3
Figure 0003791554
1)〜2)の結果より、PQQは腎毒性が認められたが、IPQは腎毒性が認められなかった。
【0021】
(3)ラットに対する腎毒性
Wistarラット 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、PQQ・Na2 およびIPQをラット1kg当り40mgそれぞれ腹腔投与し、7日間、25℃で飼育した。なお、一群は5匹とした。その結果PQQ・Na2 では3日目に1匹、5日目に2匹死亡したが、IPQ投与では死亡ラットはみられなかった。PQQ・Na2 のラットに対する急性毒性は約40mg/kgラットであった。投与前(0日目)、投与後1日目、3日目、5日目および7日目に血液(血清)および尿を採取した。血清中の尿素対窒素、クレアチニン、グルタミン酸オキサル酢酸トランスアミナーゼ(GOT)およびグルタミン酸ピリビン酸トランスアミナーゼ(GPT)を、富士ドライケムスライトを用いて測定した。また、尿中のグルコース濃度をウリステックスIIを用いて測定した。
結果を表4に示す。PQQ投与により、血清中の尿素態窒素、クレアチニン、およびGOTまた尿中のグルコース濃度が増加した。その量は、特に投与1〜3日目が高く、その後低下する傾向が見られた。一方、IPQ投与では全期間を通じて、何ら変化はみられなかった。つまり、ラットに対してPQQは腎毒性を示したがIPQは毒性を示さなかった。
【0022】
【表4】
表4
Figure 0003791554
【0023】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
200ml容のビーカーにPQQ100mgおよび蒸留水80mlを入れ、溶液のpHを水酸化ナトリウムを加えpH7.0とし、PQQを溶解した。このビーカーに、37%ホルムアルデヒド水溶液10mlおよび塩化アンモニウム500mgを加え溶解し、溶液のpHを水酸化ナトリウムを加えpH7.0とし、さらに蒸留水を加え全量を100mlとした。この溶液を撹拌子を用いて撹拌しながら、室温で24時間反応させたところ、溶液中にIPQが30.9mg生成した。この溶液のpHを1.0としIPQを沈殿させ、沈殿したIPQを濾別し、更にこの濾別したIPQをpH1.0の塩酸酸性の水で2回洗浄した後、乾燥重量で27.5mgのIPQを得た。
次にこのIPQの元素分析値、IRスペクトル、 1H−NMRスペクトルおよび可視・紫外部スペクトルを示す。
【0024】
1)元素分析値:C157 3 7
(MW 341.24)
理論値(%):C52.80 H2.07 N12.31
実測値(%):C52.51 H2.32 N12.10
2)IRスペクトル(νmax 値, cm-1):(KBr)
2950br,s,2400br,s,1585s ,1200s
1170vs,875m ,735m
3) 1H−NMRスペクトル (δ値,ppm):
(DMSO−d6 内部標準:TMS)
7.22(d,1H,pyrrole ring C-H ,J=2.2Hz),
8.27(s,1H,pyridine ring C-H ),
9.21(s,1H,imidazole ring C-H
13.16(brs,1H,pyrrole ring N-H
4)可視・紫外部スペクトル(λmax 値,nm):
(10mM リン酸カリウム緩衝液 pH7.0)
251,276,423
【0025】
実施例2
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 3.0g、KH2PO4 1.4g、Na2HPO4 2.1g、MgSO4 ・7H2O 0.2g、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・XH2O30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mgおよびメタノ−ル8mlを溶解し、pHが7.1に調整された液200mlを1l容三角フラスコに入れ、120℃で20分間殺菌し、これを培地とした。これにハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869を接種し、30℃でロ−タリ−シェ−カ−で回転数220回/分の回転振盪培養を行った。この培養液を種母液とした。
【0026】
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 1.0g、MgSO4 ・7H2O 1.0g、KH2PO41.4gを添加した培地15lを30l容培養槽に入れ、殺菌した。純水10mlあたりに、FeSO4 ・7H2O 75mg、ZnSO4 ・7H2O 150mg、CaCl2 ・2H2O150mg、NaCl 150mg、MnSO4 ・4 〜5H2O 45mg、H3BO3 3mg、CuSO4 ・5H2O 1.5mg、CoCl2 ・2H2O 1.5mg、KI 1.5mg、(NH4)6Mo7O24・4H2O 1.5mgを含むミネラル溶液を殺菌した。30l容培養槽の温度が30℃に低下した後、槽内の培地に、このミネラル溶液10mlを無菌的に加え、さらにアンモニア水を無菌的に添加して、培養液のpHを6.8に調整した。この培養槽に、メタノ−ルを150mlおよび前記の種母液200mlを無菌的に加え、通気量10l/min 、攪拌数300rpm で温度30℃、培養pHを6.8になるようにアンモニア水を添加しながら培養した。細菌が増殖するに従って、培養液中のメタノ−ル濃度が低下したが、それを排気ガス中のメタノ−ルをガスクロマトグラフィ−で分析することにより検出し、培養液中のメタノ−ル濃度が0.1〜0.5重量%になるようにメタノ−ルを供給した。
【0027】
このような方法により、30l培養槽で10日間培養し、PQQを361mg/l含有する培養液15lを得た。このPQQを含有する培養液に、37%ホルムアルデヒド水溶液150mlを添加し、45mlの25%アンモニア水を添加し、pH7.0とし、撹拌数250rpm 、通気量5l/min で反応を行ったところ、反応液のpHが低下したので、25%アンモニア水を添加し、反応液中のpHを7.0にコントロールしながら2時間反応を行ったところ、反応液中のIPQ濃度は185mg/lとなった。なお、添加した25%アンモニア水量は合計で71mlであった。
【0028】
実施例3
実施例2と同様にして、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869の培養を30l容培養槽で10日間行なった。その後、培養液を遠心分離し、得られた培養上清液に760gの塩化ナトリウムを添加し、塩酸を用いて、pH3.0とし、5℃で一晩静置し、遠心分離によって沈澱物を集め、それを乾燥することにより、粉体16.2gを得た。この粉体1gにはPQQを0.27g含有していた。この粉体12gを300mlの蒸留水に溶解し、NaOHを用いてpH7とし、100mlずつ3本の200ml容三角フラスコに分注した。この溶液は、1070mg/lのPQQを含有していた。各々の三角フラスコに、(1)0.37%、(2)1%、(3)2%のホルムアルデヒド濃度となるように37%ホルムアルデヒド水溶液を添加し、各々の三角フラスコに、塩化アンモニウム0.5gずつを添加し、NaOHを用いてpH7とし、25℃で24時間反応させた。反応生成液中のIPQの含有量を表5に示す。
【0029】
【表5】
Figure 0003791554
【0030】
【発明の効果】
本発明によりPQQからのイミダゾピロロキノリンの製造をより安価な方法で行うことが可能である。

Claims (1)

  1. ピロロキノリンキノンを含有する溶液に、アンモニアおよびホルムアルデヒドを添加し、該溶液中のピロロキノリンキノンよりイミダゾピロロキノリンを生成するイミダゾピロロキノリンの製造法。
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