JP3731614B2 - イミダゾピロロキノリン類の製造法 - Google Patents

イミダゾピロロキノリン類の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イミダゾピロロキノリン類の製造方法に関し、さらに詳細には、細菌を使用して得られたピロロキノリンキノンからイミダゾピロロキノリン類を製造する方法に係わる。本発明のイミダゾピロロキノリン類は、 7,10 −ジヒドロ−7 −オキソ−イミダゾ[4,5,1-ij]ピロロ[2,3-f ]キノリン−1,3,9 −トリカルボン酸(以下総称してIPQ類と記す)であり、化学構造式は化1のごとくである。
【0002】
【化1】
Figure 0003731614
[Rは水素原子、メチル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、カルバモイル基または水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、メチルメルカプト基、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、メルカプト基、イミダゾリル基、アミノ基、グアニジノ基、メトキシ基もしくはリン酸基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基を示す〕
IPQ類は、ピロロキノリンキノン(以下PQQと記す)の誘導体であり、今後、医薬品として開発しうる重要な物質である。なお、PQQは、1979年にメタノ−ル資化性細菌のメタノール脱水素酵素の補酵素として見い出された。
【0003】
【従来の技術】
PQQは、細菌に限らず、真核生物のカビ、酵母、さらには、哺乳動物にも存在し、補酵素として重要な働きを担っている。また、さらに、近年までに細胞の増殖促進作用(特開昭61−58584号公報、同63−233783号公報)、抗白内障作用(特開昭63−41421号公報、同63−48215号公報、同64−29313号公報)、肝臓疾患予防治療作用(特開昭63−192717号公報)、創傷治癒作用(特開昭63−152309号公報)、抗アレルギ−作用(特開昭63−17493号公報)、逆転写酵素阻害作用(特開昭63−156724号公報、特開平1−29313号公報)およびグリオキサラ−ゼI阻害作用−制癌作用(特開昭63−215628号公報、特開平1−29313号公報)など多くの生理活性が明らかにされている。しかしながら、PQQは、腎毒性を有することが近年明らかにされ(渡辺ら、Hiroshima J.Med.Sci.,第38巻,1号,第49〜51頁 (1989年) )、毒性および腎毒性が低く安全なPQQ誘導体の開発が望まれている。
【0004】
本発明者らは、種々のPQQ誘導体について、腎毒性および急性毒性試験を行なったところ、イミダゾピロロキノリン類(IPQ類)がこれらの毒性を大幅に軽減していることを見い出した。しかして、IPQ(前記の化1においてR =H の場合に相当)は、PQQとグリシンを反応させて得られることが知られている。しかしながら、この方法においては、不純物を含まない高純度のPQQが使用されている。PQQは、通常細菌を使用して生産されるが、このときに得られる培養液にはPQQの他に細菌菌体、蛋白質および糖類などの細菌内物質、培地成分ならびに副生成物などの夾雑物が多種多量に含まれており、これらの夾雑物が反応に悪影響を及ぼすことが危惧され、かつ、PQQの醗酵生産が終了した後には、PQQは蛋白質などと急速に反応して、損耗されるので、このPQQの損耗を防ぐために、この培養液から速やかにPQQを分離・回収し、さらに必要に応じて精製されたPQQがIPQの生産に使用されていた。しかしながら、培養液からのPQQの分離・回収および精製には煩雑な工程が必要であり、また、培養液中のPQQの蓄積量が極めて低いことから、これを効率よく分離・精製するには、さらに複雑な工程が必要である。このように、手数をかけて得られる高純度のPQQを使用することは、IPQの工業的生産に際して、重大な隘路となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、細菌を用いるIPQ類の培養生産方法を種々検討した結果、PQQを生産する能力を有する細菌を、メタノ−ルを炭素源とする培地中に培養し、培養液中にPQQを蓄積させ、引き続いてこの培養液に、各種アミノ酸およびモノメチルアミンのうち少なくとも一種を添加し、酸素の存在下でPQQとこれらの化合物とを反応させることにより、培養液中に蓄積されたPQQが効率よくIPQ類に転換されることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、メタノ−ルを炭素源とする培地中でピロロキノリンキノンを生産する能力を有する細菌を培養してピロロキノリンキノンを含有する培養液を得、該培養液に各種アミノ酸およびモノメチルアミンから選ばれた少なくとも一種を添加し、ピロロキノリンキノンと各種アミノ酸およびモノメチルアミンから選ばれた少なくとも1種とを酸素の存在下で反応させイミダゾピロロキノリン類を生成させることを特徴とするイミダゾピロロキノリン類の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される細菌としては、メタノ−ルの資化性を有し、かつ、PQQを菌体外に生産する能力を有する細菌であれば、いずれでもよいが、これらの菌の代表的な菌株としては、
1.メチロバチルス属に属する
メチロバチルス グリコゲネス ATCC 29475(=JCM 2850 =NCIB 11375) 、同 ATCC 21275 (=JCM 2841) 、同 ATCC 21452(=JCM 2842)、同 ATCC 21961(=JCM 2843)、同 ATCC 21852 (=JCM 2840 =NCIB 11376) 、同 ATCC 21369(=JCM 2844)、同 ATCC 21958(=JCM 2847)、同 ATCC 21963(=JCM 2848)、同 ATCC 21370(=JCM 2849)、同 ATCC 21372(=JCM 2852)、同 ATCC 21959 、同 ATCC 21371(=JCM 2853)、同 ATCC 21957 、同 ATCC 21276(=JCM 2854)、同 ATCC 21453(=JCM 2855)、同 ATCC 21962 (=JCM 2856) 、同ATCC 21704(=JCM 2857) 、同 ATCC 21960(=JCM 2858)、同 ATCC 21439 、同 NCIB 10508(=JCM 2859)、同 NCIB 10509 、同 NCIB 10510(=JCM 2860)、同 NCIB 10511 、同 NCIB 10512 (=JCM 2861) 、同 NCIB 10513 、同 NCIB 10514 、同 NCIB 10592(=JCM 2862)、同 NCIB 10593 、同 NCIB 10594(=JCM 2863)、同 NCIB 10595 、同 NCIB 10596(=JCM 2864)、同 JCM 2851(=NRRL B-5458) 、同 JCM 2866 、同 FERM P-1692、同 FERM P-1693、同 FERM P-1694、同 FERM P-2182、同 FERM P-2184、同 FERM P-2247、同 FERM P-2661、同 FERM P-2662、同 FERM P-2663、同 FERM P-4036、同 FERM P-4037、同 FERM P-4038、同 FERM P-4039、同 FERM P-4040、同 FERM P-4041、同 FERM P-4042および同 FERM P-4043
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第36巻,第502−511頁(1986)に準拠した);
【0007】
2.メチロフィルス属に属する
メチロフィルス メチロトロファス NCIB 10515 および 同 ATCC 31226 (=NCIB 11809)
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第37巻,第446−448頁(1987)に準拠した);
【0008】
3.メチロバクテリウム属に属する
メチロバクテリウム エクストロクェンス DSM 1337(=JCM 2802=NCIB 9399) 、同 JCM 2803(=NCIB 10409)、同 ATCC 8457(=DSM 1340=IAM 1081=JCM 2804=NCIB 2879) 、同 ATCC 14718(=DSM 1338=JCM 2805=NCIB 9133) および同 DSM 1339(=JCM 2806=NCIB 9686)、
メチロバクテリウム ロディナム ATCC 14821(=JCM 2811=NCIB 9421) および同 NCIB 9145、
メチロバクテリウム ロデシアナム NCIB 12249 、同 ATCC 21611(=JCM 2807)、同 ATCC 21612(=JCM 2808)、同 ATCC 21613(=JCM 2809)、同 ATCC 21614(=JCM 2810)、同 NCIB 10597 、同 NCIB 10598(=JCM 2812)、同 NCIB 10599(=JCM 2813)、同 NCIB 10600(=JCM 2814)、同 NCIB 10601(=JCM 2817)、同 NCIB 10602(=JCM 2815)、同 NCIB 10611(=JCM 2816)、同 ATCC 21438(=JCM 2821)および同 NCIB 9141、
メチロバクテリウム ザットマニ− NCIB 12243、同 NCIB 10603(=JCM 2818)、同 NCIB 10604(=JCM 2825)、同 NCIB 10606(=JCM 2819)、同 NCIB 10607(=JCM 2820)、同 NCIB 10608(=JCM 2821)、同 NCIB 10609(=JCM 2822)、同 NCIB 10610(=JCM 2823)および同 NCIB 10612(=JCM 2824)、
メチロバクテリウム オルガノフィラム ATCC 27886(=JCM 2833) およびNRRL B-3449(=JCM 2834)
メチロバクテリウム メソフィリカス ATCC 29983(=JCM 2829=NCIB 11561) 、メチロバクテリウム フジサワエンシス NCIB 12417および同 NCIB 11272 、
メチロバクテリウム ラジオトレランス IAM 12099(=ATCC 27329=JCM 2830=NCIB 10815) 、同 IAM 12098(=JCM 2831) 、同 NCIB 9142および同 NCIB 9143、
メチロバクテリウム アミノボランス JCM 8240 ならびに
メチロバクテリウム エスピ− ATCC 35064 、同 FERM P-4893、同 FERM P-4894、同 FERM P- 4895 、同 FERM P-4896、同 FERM P-4897および同 FERM P-9466
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第33巻,第875−877頁(1983),第38巻,第124−127頁(1988)および第43巻,第504−513頁(1993)に準拠した);
【0009】
4.アンシロバクタ−属に属する
アンシロバクタ− アキュアティクス ATCC 25396(=CCM 1786=DSM 101=NCIB 9271) 、同 ATCC 27068(=DSM 334) 、同 ATCC 27069 、同 ATCC 21373 (=DSM 1106) 、同 NCIB 10516(=DSM 2457)、同 DSM 2666(=FERM P-4416) 、同 DSM 2667(=FERM P-4417) 、同 DSM 2668(=FERM P-4418) および同 DSM 2669(=FERM P-4419) ならびに
アンシロバクタ− エスピ− DSM 1107、同 DSM 1108、同 DSM 1277 、同 DSM 2455 および同 DSM 2456
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第36巻,第415−421頁(1986)に準拠した);
【0010】
5.ハイホミクロビウム属に属する
ハイホミクロビウム ブルガレ ATCC 27500、
ハイホミクロビウム アエステュアリー NCIB 11052(=ATCC 27483) 、同 NCIB 9698(=JCM 6889) および同 DSM 1564(=ATCC 27488)
ハイホミクロビウム ホーランディカム ATCC 27498および同 ATCC 27497 、
ハイホミクロビウム ファシリス NCIB 10342(=ATCC 27485=DSM 1565)、同 NCIB 9699、同 NCIB 11053 、同 ATCC 27484 、同 NCIB 9697(=ATCC 27491) および同 ATCC 27492 、
ハイホミクロビウム ザバルジニィー DSM 1566および同 NCIB 9696、
ハイホミクロビウム メチロボラム IFO 14180(=JCM 6890)および同 NCIB 10517 ならびに
ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869(=NCIB 11706)
〔菌種名は、Bergey's manual of systematic bacteriology, Vol. 3, p1895-1904, (1989)(The William & Wilkins Co., Baltimore)およびInternational Journal of Systematic Bacteriology,第45巻,第528−532頁(1995)に準拠した〕;
【0011】
6.キサントバクタ−属に属する
キサントバクタ− オ−トトロフィカス DSM 432、同 DSM 431、同 DSM 685、同 DSM 1393 、同 DSM 1618 、同 DSM 2009 および同 DSM 2267 ならびに
キサントバクタ− フラバス DSM 338(=NCIB 10071)
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第28巻,第573−581頁(1978)および同,第29巻,第283−287頁(1979)に準拠した);
【0012】
7.アシドモナス属に属する
アシドモナス メタノリカ JCM 6891(=IMET 10945)および同 JCM 3712(=FERM P-2664)
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第39巻,第50−55頁(1989)に準拠した);
【0013】
8.パラコッカス属に属する
パラコッカス デニトリフィカンス ATCC 17441(=DSM 65=IAM 12479=NCIB 11627) 、同 ATCC 13543(=CCM 982=NRRL B-3784) 、同 ATCC 19367 (=DSM 413=IFO 13301=NCIB 8944=NRRL B-3785)、同 CCM 1396(=DSM 415=NCIB 9722) および同 IFO 12442、ならびに
パラコッカス アルカリフィルス JCM 7364(=FERM P-9282)、同 FERM P-9280および同 FERM P-9281
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第39巻,第116−121頁(1989)に準拠した);
【0014】
9.チオバチルス属に属する
チオバチルス ノベルス ATCC 8093(=CCM 1077 =DSM 506=IFO 12443=NCIB 9113) および同 NCIB10456
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第30巻,第225−420頁(1980)に準拠した);
【0015】
10.メチロファ−ガ属に属する
メチロファ−ガ マリ−ナ ATCC 35842(=NCMB 2244)、
メチロファ−ガ サラシカ ATCC 33146(=IAM 12458=NCMB 2163)、同 NCMB 2162(=FERM P-3622)および同 ATCC 33145 ならびに
メチロファ−ガ エスピ− FERM P-3619 、同 FERM P-3620、同 FERM P-3623および同 FERM P-3624
(菌種名は、International Journal of Systematic Bacteriology,第37巻,第402−406頁(1982)に準拠した);
【0016】
11.ミコバクテリウム属に属する
ミコバクテリウム メタノリカ FERM P-8823、同 FERM P-8824、同 FERM P-8825、同 FERM P-8826、同 FERM P-8827、同 FERM P-9464、同 FERM P-9465および同 FERM P-9497
(ミコバクテリウム属に属するこれらの菌株の菌学的性質は、特開昭63−28385号公報、同64−51077号公報および同64−60371号公報に記載されている)などがある。
【0017】
なお、前記のこれらの菌株はすべて公知である。また、これらの菌株より得られた変異株も使用することが出来る。これらのPQQ生産菌を培養するにあたって用いられる栄養培地は、主炭素源として、メタノ−ルを含有することが必要である。さらに培地成分として、通常の窒素源、無機物の適量が使用される。窒素源としては、通常は、たとえば、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等が用いられ、無機塩類としては、通常は、たとえばリン酸塩、マグネシウム塩、鉄塩、その他必要に応じて微量金属塩が用いられる。また、使用菌株が栄養要求性を示す場合には、その要求性物質を培地に添加する必要がある。また、メチロファ−ガ属細菌は、生育にNaClが必要なので、培地中に、NaClを2〜4重量%となるように添加するか、あるいは、培地作成に用いる水として海水を使用する必要がある。培養温度は、通常25〜45℃の範囲で各菌株にとって生育、増殖に適した温度を選択すればよい。培養pHは、通常6〜8の範囲で各菌株にとって生育、増殖に適したpHを選択する。しかし、アシドモナス属細菌の生育pHは、2.0〜5.5であり、パラコッカス アルカリフィルスの菌株の生育pHは、7.0〜10.0であるので、これらの菌株を用いる場合は、これらの範囲内のpHを選択する必要がある。窒素源として、アンモニウム塩を使用した場合は、菌体が増殖するに伴って培養液中のpHが低下するので、培養期間中の培溶液のpHを所定のpHを保つために、アンモニア、苛性カリもしくは苛性ソ−ダ等を添加して、培養液のpHを調節する必要がある。これらの中でアンモニアが特に好ましい。このような条件下で通気攪拌などの方法で好気培養を行うことにより、培養液中にPQQが生成される。
【0018】
次に、この培養液にα−アミノ酸およびモノメチルアミンの少なくとも一種を添加してこれらと培養液中に含有されているPQQとを酸素の存在下で反応させて、使用されたα−アミノ酸またはモノメチルアミンに対応するIPQ類を得る。ここで用いられるα−アミノ酸の代表例としてはグリシン、スレオニン、プロリン、トリプトファン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン酸、フェニルアラニン、チロシン、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、リジン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン、システインなどがある。これらの化合物のうち、光学活性体のあるものは、D体、L体、あるいはラセミ体のいずれでもよい。また、モノメチルアミンとしては、塩酸塩などのモノメチルアミン塩類を用いることも可能である。
【0019】
これらの化合物の添加時期は通常培養液中のPQQ濃度が10μg 〜10g /l 、好ましくは100μg 〜10g /l となった時である。添加量は、培養液中のPQQに対して1モル倍以上、好ましくは5モル倍以上、更に好ましくは大過剰とすることがよく、実際には0.1g /l 以上となるよう添加する事が好ましい。本発明では通常はこのような培養液をそのまま使用するが、必要に応じて濃縮により培養液の水分の一部を除去してから使用することも妨げない。添加の方法としては一度に全量を添加する方法、逐次添加する方法どちらでも可能であるが、上記濃度とすることが必要である。反応液のpHは、通常は、一般に2〜10の範囲が好ましく、その最適pHはIPQ類の種類により異なるが、更に詳しくは後で述べる。
【0020】
反応温度は、実用上、20〜100℃程度が好ましく、特に25〜80℃が好ましい。反応時間は48時間以内、好ましくは1〜30時間である。また、反応液中の溶存酸素濃度には特に制限はないが、反応を短時間で終了させるためには、0.5〜1ppm 以上が好ましい。そのために空気あるいは酸素またはその混合ガスなどを通気し、撹拌したり、さらに、反応槽の圧力を高めるなどの手段が使用される。
【0021】
このような条件で反応させることによりPQQ等を原料としてIPQ類が得られる。PQQの醗酵生産が終了した後、培養液に各種アミノ酸あるいはモノメチルアミンを添加するまでの時間は、短いほど好ましく、通常は、10時間以内、好ましくは、2時間以内とされる。
【0022】
IPQ(R=H )はグリシン、トリプトファン、プロリン、スレオニン、チロシン、セリンおよびモノメチルアミンのうち少なくとも一種を培養液に添加することにより得られ、反応pHとしてはpH6〜9が特に好ましい。また、1−メチルエチルIPQ(R=CH(CH3)2)はバリンを、1−メチルプロピルIPQ(R=CH(CH3)CH2CH3 )はイソロイシンを、2−メチルプロピルIPQ(R=CH2CH(CH3)2 )はロイシンを、メチルIPQ(R=CH3 )はアラニンを、2−カルボキシエチルIPQ(R=CH2CH2CO2H)はグルタミン酸を、2−カルボモイルエチルIPQ(R=CH2CH2CONH2 )はグルタミンを、2−メチルチオエチルIPQ(R=CH2CH2SCH3)はメチオニンを、ベンジルIPQ(R=CH2-C6H5)はフェニルアラニンを、カルボキシメチルIPQ(R=CH2CO2H )はアスパラギン酸を、カルバモイルメチルIPQ(R=CH2CONH2)はアスパラギンを、4−アミノブチルIPQ(R=(CH2)4NH2 )はリジンを、3−グアニジノプロピルIPQ(R=(CH2)3NHCNH2)はアルギニンを、メルカプトメチルIPQ(R=CH2SH )はシステインを、メトキシメチルIPQ(R=CH2OCH3 )はDL−O −メチルセリンを、ホスホリロキシメチルIPQ(R=CH2OPO3H2)はDL−O −ホスホリルセリンを、カルバモイルIPQ(R=CO2NH2)はDL−セリンアミドを、R が化2
【0023】
【化2】
Figure 0003731614
で表させる4−イミダゾリルメチルIPQはヒスチジンを、それぞれ培養液に添加することにより得られ、反応pHとしてはpH6〜9が特に好ましい。
【0024】
一方、ヒドロキシメチルIPQ(R=CH2OH )は、培養液にセリンを添加し、反応pHを2〜6とすることにより得られ、最適なpHは4〜6である。反応pHが6を越えることにより、IPQ(R=H )が得られる。4−ヒドロキシフェニルメチルIPQ(R=CH2-C6H4OH)は、培養液にチロシンを添加し、反応pHを4〜8とすることにより得られ、最適なpHは6〜8である。反応pHが8を越えることによりIPQ(R=H )が得られる。
【0025】
このようにして得られた反応生成液から、たとえば、濾過もしくは遠心分離などの通常の固液分離手段によって、菌体などの固形分を除去し、上澄液を得る。pH2〜5などの低pHでIPQ類を生成させた場合、生成されたIPQ類が反応生成液中で沈澱物として存在している場合もあるので、反応液および反応生成液のそれぞれのpHを中性乃至アルカリ性以上にし、生成されたIPQ類を一旦溶解させた後、上澄液を得る必要がある。得られた上澄液からIPQ類が分離・回収される。上澄液からのIPQ類の分離、精製には種々の方法が用いられる。例えば沈澱法、洗浄法、限外濾過法、抽出法およびIPQ類を吸着する樹脂担体を用いる方法等が挙げられる。これらの方法を単独あるいは組み合わせてIPQ類を分離、精製することができる。
【0026】
IPQ類を分離精製する方法についてさらに具体的に説明する。沈澱法としては、たとえば、塩酸、硫酸および硝酸などの無機酸ならびにトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸などにより反応生成液を酸性として、IPQ類を沈澱させる酸性沈澱法、反応生成液に、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩を添加してIPQ類を沈澱させる塩析法または反応生成液と、たとえばアセトンなどのIPQ類の溶解度の低い溶媒とを混合し沈澱させる溶媒沈澱法などがある。これらの沈澱法においては、液温を低くする程、IPQ類の回収率は向上する。前記の沈澱法によって得られたIPQ類の粉体、または、IPQ類を含む沈澱物を、たとえば、アセトン、ジエチルエーテルおよび酸性の水のようなIPQ類を溶かしにくい溶剤で洗浄する洗浄法を適用することにより、IPQ類の純度をさらに向上させることができる。発酵法によるIPQ類の生産において培養液中の高分子の夾雑物を除く必要がある場合には、限外濾過法を利用することができる。
【0027】
限外濾過法として、セファデックスG−10(商品名、ファルマシア株式会社製)およびトヨパールHWシリーズ(商品名、東ソー株式会社製)などのゲル濾過用樹脂担体を用いる方法あるいは各種限外濾過膜や限外濾過中空糸を用いる方法などを適用することができる。抽出法に用いる抽出剤として、水および有機溶媒等が使用される。有機溶剤としては、水との相溶性が小さい有機溶剤が好ましく、たとえば、n−ブタノールのような炭素数4個以上の脂肪族アルコールが好適に使用される。IPQ類を吸着する樹脂担体を用いた方法では、IPQ類を吸着・脱離することのできる樹脂担体であれば特に制限なく利用できる。この樹脂担体の代表例として、陰イオン交換樹脂担体では、多糖系担体のDEAE−セファデックスA−25(商品名、ファルマシア株式会社製)、親水性ポリマー系樹脂のDEAE−トヨパール650(商品名、東ソー株式会社製)およびアンバーリストA−21(商品名、ローム・アンド・ハース株式会社製)などがある。また、吸着・分離型樹脂担体では、疎水性ポリマー系樹脂のダイヤイオンHPシリーズ(商品名、三菱化成株式会社製)およびアンバーライトXADシリーズ(商品名、ローム・アンド・ハース株式会社製)などの他にシリカ、オクタデシルシリカおよびアルミナなどがある。疎水性クロマトグラフィ用樹脂担体では、ブチル−トヨパール650およびフェニル−トヨパール650(東ソー株式会社製)などがある。IPQ類の同定には、元素分析、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルおよび質量分析などの手段が用いられる。また、IPQ類の定量には、高速液体クロマトグラフィーにより行うことが出来る。
【0028】
[PQQおよびIPQ類の急性毒性および腎毒性試験]
(1)マウスに対する急性毒性試験
1)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、PQQ・Na2 およびIPQ類をマウス1kg当り20、40、80、160および200mgのそれぞれを腹腔投与し、14日間、25℃で飼育した。IPQ類としては、IPQ、1−メチルプロピルIPQ、2−メチルチオエチルIPQおよびベンジルIPQを用いた。なお、一群は8匹とした。その結果、PQQ・Na2 20mg/kg 投与および40mg/kg 投与ではマウスは死亡しなかったが、80mg投与で5匹、160mg投与および200mg投与で8匹全部死亡した。PQQ・Na2 のLD50は約70mg/kg マウスであった。一方、IPQ類では全てのマウスが死亡しなかった。
【0029】
2)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、IPQをマウス1kg当り0.1g 、0.2g 、0.4g 、0.8g あるいは1.2g のそれぞれを腹腔投与し、14日間、25℃で飼育した。なお、一群は8匹とした。IPQ0.1〜0.4g 投与ではすべてのマウスが死亡せず、0.8g では2匹、1.2g では6匹が死亡した。LD50は約1.0g/kgマウスであった。3)SPF−ICRマウス 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、IPQをマウス1kg当り1.0g 、1.5g あるいは2.0g をそれぞれ経口投与し、14日間、25℃で飼育した。一群は8匹とした。その結果、すべてのマウスは死亡しなかった。
1)〜3)の結果より、IPQ類はPQQに比べて毒性が著しく低下していたことがわかる。
【0030】
(2)マウスに対する腎毒性
1)尿検査による腎毒性
急性毒性試験と同様にして、PQQ・Na2 およびIPQ類を腹腔投与し、マウスを飼育した。毎日、マウスの尿を採取し、臨床検査試薬(商品名:ウリステックスII、マイルス・三共株式会社製)を用いてグルコ−ス濃度を調べた。第1表に示すように、PQQ・Na2 を投与したマウスの尿からは糖が検出されたが、IPQ類を投与したマウスの尿からは糖が検出されなかった。すなわち、PQQは腎毒性が認められたが、IPQ類では腎毒性が認められなかった。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003731614
【0032】
2)血液検査による腎毒性
(イ)急性毒性試験と同様にして、PQQ・Na2 およびIPQ類を腹腔投与し、マウスを飼育した。投与1日後に絶食(水は与える)し、さらに18時間後に採血して血清を得た。血清中のグルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬(商品名:富士ドライケムスライド、富士写真フィルム株式会社製)を用いて調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で示した。結果を第2表に示す。
【0033】
PQQ・Na2 投与では、グルコ−スの大幅な減少、尿素態窒素およびクレアチニンの大幅な増加がみられ、腎毒性が認められた。これに対してIPQ類の投与では、グルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニンのそれぞれの含有量は「無投与」の場合と大差なかった。
【0034】
【表2】
Figure 0003731614
【0035】
(ロ)急性毒性試験と同様にして、IPQを150mg、300mg、400mgあるいは600mg/kg 腹腔投与し、マウスを1日飼育した。その後、絶食(水は与える)し、さらに18時間後に採血して血清を得た。血清中のグルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬(商品名:富士ドライケムスライド、富士写真フィルム株式会社製)を用いて調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で示した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
Figure 0003731614
IPQのいずれの投与量でも、グルコ−ス、尿素態窒素およびクレアチニンのそれぞれの蓄積量は「無投与」の場合と大差はなかった。1)および2)の結果より、PQQは腎毒性が認められたが、IPQ類は腎毒性が認められなかった。
【0037】
(3)ラットに対する腎毒性
Wistarラット 雄、5週齢(チャ−ルズリバ−株式会社製)に、PQQ・Na2 およびIPQ類をラット1kg当り40mgそれぞれ腹腔投与し、7日間、25℃で飼育した。なお、一群は5匹とした。その結果PQQ・Na2 では3日目に1匹、5日目に2匹死亡したが、IPQ投与では死亡ラットはみられなかった。PQQ・Na2 のラットに対する急性毒性は約40mg/kg ラットであった。
投与前(0日目)、投与後1日目、3日目、5日目および7日目に血液(血清)および尿を採取した。血清中の尿素対窒素、クレアチニン、グルタミン酸オキサル酢酸トランスアミナーゼ(GOT)およびグルタミン酸ピリビン酸トランスアミナーゼ(GPT)を、富士ドライケムスライトを用いて測定した。また、尿中のグルコース濃度をエームス尿検査試験紙−ウリステックスII(マイルス・三共株式会社製)を用いて測定した。結果を第4に示す。
【0038】
PQQ投与により、血清中の尿素態窒素、クレアチニン、およびGOTまた尿中のグルコース濃度が増加した。その量は、特に投与1〜3日目が高く、その後低下する傾向が見られた。一方、IPQ投与では全期間を通じて、何ら変化はみられなかった。つまり、ラットに対して、PQQは腎毒性を示したがIPQは毒性を示さなかった。
【0039】
【表4】
Figure 0003731614
【0040】
【実施例】
以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 3g 、KH2PO4 1.4g 、Na2HPO4 2.1g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・XH2O 30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mg、チアミン塩酸塩 4mg、パントテン酸カルシウム 4mg、ビオチン 20μgおよびメタノ−ル 12mlを溶解し、pHが 7.1に調整された液200mlを1l容三角フラスコに入れ、120℃で20分間滅菌し、これを培地とした。これに前記と同様な培地を用いて30℃で2日間前培養された各種菌株(表5に示す)の培養液をそれぞれ1容量%接種し、30℃で回転振盪培養を行なって、培養開始3日後に培養液を得た。
【0041】
これらの培養液をそれぞれ2等分し、一方にはグリシンを0.3g /lとなるよう添加し、pH8.5に調整し、24時間、30℃で回転振盪してIPQ生成液を得た。残り一方には、L−セリンを0.4g /lとなるよう添加し、pH4.0に調整し、30℃で24時間、回転振盪して反応を行い、ヒドロキシメチルIPQ生成液を得た。これらの反応生成液を遠心分離して上澄液を得、その中に含まれているIPQ類量を測定した。結果を表5に示す。
【0042】
なお、IPQ類量は、次に示す高速液体クロマトグラフで求めた(以下の実施例でも同様)。
機器:島津製作所製高速液体クロマトグラフ
カラム:YMC ODS A−302
(4.6mmφ×150mm)
展開液:0.1M KH2PO4 、0.1M HClO4/CH3CN:H2O
= 1:9 ( pH 2.5)
流速:1.5 /min
検出器:島津SPD−6AV
UV−VIS検出器(259nmおよび420nm)
【0043】
【表5】
Figure 0003731614
Figure 0003731614
Figure 0003731614
【0044】
実施例2
純水1lあたり、(NH4)2SO4 3g 、KH2PO4 4g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・ XH2O 30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mg、パントテン酸カルシウム 4mg、およびメタノ−ル12mlを溶解し、pHが4.5に調整された培地を使用した以外は実施例1と同様にして、アシドモナス メタノリカ JCM 6891を3日間培養し、培養液を得た。この培養液を二等分し、一方には、モノメチルアミン塩酸塩を0.3g /lとなるよう添加し、pH8.5に調整し、24時間30℃で撹拌してIPQ反応生成液を得た。残り一方には、L−セリンを0.4g/ となるよう添加し、pH4.0に調整し、30℃で24時間、回転振盪して反応を行い、ヒドロキシメチルIPQ生成液を得た。これらの反応生成液を遠心分離して上澄液を得、その中に含まれるIPQ類量を測定した。結果を表6に示す。
【0045】
実施例3
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 3g、KH2PO4 1.4g 、Na2HPO4 2.1g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・XH2O 30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mg、ビオチン20μg およびメタノ−ル12mlを溶解し、120℃で20分間殺菌し、その後に、Na2CO3 10重量%水溶液を無菌的に加え、pHが9.0に調整された培地を使用した以外は、実施例1と同様にしてパラコッカス アルカリフィルス JCM 7364 を3日間培養し、培養液を得た。この培養液を二等分し、一方には、L−セリンを0.4g/lとなるよう添加し、pH8.5に調整し、30℃で24時間撹拌して、IPQ反応生成液を得た。残り一方には、L−セリンを0.4g/lとなるよう添加し、pH4.0に調整し、30℃で24時間撹拌してヒドロキシメチルIPQ生成液を得た。これらの反応生成液を遠心分離して上澄液を得、その中に含まれるIPQ類を測定した。結果を表6に示す。
【0046】
実施例4
海水1lあたりに、(NH4)2SO4 3.0g 、KH2PO4 1.4g 、Na2HPO4 2.1g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・ XH2O 30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mg、メタノ−ル12mlを溶解し、pHが7.1に調整された培地を使用した以外は、実施例1と同様にして、メチロファ−ガ属細菌を3日間培養し、培養液を得た。この培養液を二等分し、一方には、L−スレオニンを 0.5g /lとなるよう添加し、pH8.5に調整し、30℃で24時間撹拌してIPQ反応生成液を得た。残り一方には、D−セリンを0.4g /lとなるよう添加し、pH4.0に調整し、30℃で24時間撹拌してヒドロキシメチルIPQ生成液を得た。これらの反応生成液を遠心分離して、上澄液を得、その中に含まれるIPQ類を測定した。結果を表6に示す。
【0047】
【表6】
Figure 0003731614
【0048】
実施例5
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 3.0g 、KH2PO4 1.4g 、Na2HPO4 2.1g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・XH2O 30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mgおよびメタノ−ル8mlを溶解し、pHが7.1に調整された液200mlを1l容三角フラスコに入れ、120℃で20分間滅菌し、これを培地とした。これにハイホミクロビウム ブルガレ NCIB 9775 を接種し、30℃でロ−タリ−シェ−カ−で回転数220回/分の回転振盪培養して得られた。この培養液を種母液とした。
【0049】
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 1.0g 、MgSO4 ・7H2O 1.0g 、KH2PO41.4g を溶解した培地15lを30l容培養槽に入れ、滅菌した。純水10mlあたりに、FeSO4 ・7H2O 75mg、ZnSO4 ・7H2O 150mg、CaCl2 ・2H2O 150mg、NaCl 150mg、MnSO4 ・4 〜5H2O 45mg、H3BO3 3mg、CuSO4 ・5H2O 1.5 mg 、CoCl2 ・2H2O 1.5mg、KI 1.5mg、(NH4)6Mo7O24・4H2O 1.5mgを溶解したミネラル溶液を殺菌した。30l容培養槽の温度が30℃に低下した後、槽内の培地に、このミネラル溶液10mlを無菌的に加え、さらにアンモニア水を無菌的に添加して培養液のpHを6.8に調整した。この培養槽内に、メタノ−ルを150mlおよび前記の種母液200mlを無菌的に加え、通気量10l/min 、回転数300回/分で撹拌しつつ温度30℃、培養液 pHを6.8になるようにアンモニア水を添加しながら培養した。細菌が増殖するに従って、培養液中のメタノ−ル濃度が低下したが、排気ガス中のメタノ−ルをガスクロマトグラフィ−で分析することにより検出し、培養液中のメタノ−ル濃度が0.1〜0.5重量%になるようにメタノ−ルを補充した。
【0050】
このような方法により、7基の30l容培養槽で10日間培養し、各々の培養槽内の培養液に(1)グリシン 90g 、(2)L−セリン 120g 、(3)D−セリン 120g 、(4)L−スレオニン 150g、(5)D−スレオニン 150g 、(6)L−プロリン 150g 、(7)D−プロリン 150g、(8)L−チロシン 210g 、(9)D−チロシン 210g 、(10)L−トリプトファン 240g 、(11)D−トリプトファン 240g および(12)モノメチルアミン塩酸塩75g をそれぞれ添加し、反応液のpHを8.5になるように調節しながらさらに24時間反応を行って反応生成液を得た。反応生成液中のIPQの蓄積量を表7に示す。
【0051】
【表7】
Figure 0003731614
【0052】
実施例6
菌株として、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869 を使用した以外は、実施例5と同様にして、7基の30l容培養槽で10日間培養した培養液に、グリシンを(1)4.5g 、(2)9.0g 、(3)15.0g 、(4)45g 、(5)75g 、(6)150g および(7)225g をそれぞれ添加し、反応液のpHを8.0になるように調節しながらさらに5時間培養を行って反応生成液を得た。反応生成液中IPQ蓄積量を表8に示す。
【0053】
【表8】
Figure 0003731614
【0054】
実施例7
実施例6と同様にして、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM
1869の培養を8基の30l容培養槽で10日間行なった。その後、各々の培養槽の培養液のpHを(1)pH 3.0、(2)pH4.0、(3)pH5.0、(4)pH6.0、(5)pH7.0、(6)pH 8.0、(7)pH9.0および(8)pH10.0とし、グリシン30g を各々の培養槽中の培養液に添加し、さらに3時間反応を行って反応生成液を得た。各培養槽の反応生成液をそのまま遠心分離して得られた上澄液中のIPQ量および前記(1)〜(5)について、反応生成液のpHを8.5に調整した後に遠心分離して得られた上澄液中のIPQ量をそれぞれ表9に示す。
【0055】
【表9】
Figure 0003731614
【0056】
実施例8
実施例6と同様にして、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM
1869の培養を8基の30l容培養槽で10日間行なった。その後、各々の培養槽の反応液のpHを(1)pH2.0、(2)pH3.0、(3)pH4.0、(4)pH5.0、(5)pH 6.0、(6)pH7.0、(7)pH8.0、(8)pH9.0、(9)pH10.0 とし、L−セリン 42g を各々の培養槽中の培養液に添加し、5時間反応を行って反応生成液を得た。各培養槽の反応生成液をそのまま遠心分離して得られた分離液中のIPQおよびヒドロキシメチルIPQ量ならびに反応生成液のpHを8.5 に調整した後、遠心分離した場合の分離液中のIPQおよびヒドロキシメチルIPQ量を表10および表11に示す。
【0057】
【表10】
Figure 0003731614
【0058】
【表11】
Figure 0003731614
【0059】
実施例9
実施例6と同様にして、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM1869の培養を4基の30l容培養槽で10日間行なった。その後、各々の培養槽内の培養液の温度を(1)20℃、(2)30℃、(3)40℃、(4)50℃、(5)70℃とし、L−スレオニン 48g を各々の培養槽内の培養液に添加し、培養液のpHを8.0に調整しながら5時間反応を行って反応生成液を得た。反応生成液のIPQ蓄積量を表12に示す。
【0060】
【表12】
Figure 0003731614
【0061】
実施例10
実施例6と同様にして、メチロバチルス グリコゲネス FERM P-2247 を培養した。培養開始4日目の培養液に、モノメチルアミン塩酸塩 27g を添加し、培養液のpHを8.0に調整しながらさらに6時間培養を続けて反応生成液を得た。反応生成液のIPQの蓄積量は、220mg /lであった。
【0062】
実施例11
実施例6と同様にして、パラコッカス デニトリフィカンス ATCC 19367を培養した。培養開始10日目の培養液に、D−セリン42g を添加し、培養液のpHを8.0に調整しながら反応を6時間行って反応生成液を得た。反応生成液のIPQの蓄積量は、140mg/lであった。
【0063】
実施例12
培地に使用する水として、海水を用いた他は、実施例6と同様にして、メチロファ−ガ サラシカ ATCC 33146を培養した。培養開始10日目の培養液に、D−スレオニン48g を添加し、培養液のpHを8.0に調整しながら反応を6時間行って反応生成液を得た。反応生成液のIPQの蓄積量は163mg/lであった。
【0064】
実施例13
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 3g 、KH2PO4 1.4g 、Na2HPO4 2.1g 、MgSO4 ・7H2O 0.2g 、CaCl2 ・2H2O 30mg、FeC6H5O7・XH2O30mg、MnCl2 ・4H2O 5mg、ZnSO4 ・7H2O 5mg、CuSO4 ・5H2O 0.5mgおよびメタノ−ル12mlを溶解し、pHが7.1に調整された液200mlを1l容三角フラスコに入れ、120℃で20分間殺菌し、これを培地とした。これにハイホミクロビウム ブルガレ NCIB 9775を接種し、30℃でロ−タリ−シェ−カ−で回転数220回/分の回転振盪培養によって得られた培養液を種母液とした。
【0065】
純水1lあたりに、(NH4)2SO4 1g 、MgSO4 ・7H2O 1g 、KH2PO4 1.4g を添加した培地15lを30l容培養槽に入れ、滅菌した。純水10mlあたりに、FeSO4 ・7H2O 75mg、ZnSO4 ・7H2O 150mg、CaCl2 ・2H2O 150mg、NaCl 150mg、MnSO4 ・4 〜5H2O 45mg、H3BO3 3mg、CuSO4 ・5H2O 1.5mg、CoCl2 ・2H2O 1.5mg、KI 1.5mg、(NH4)6Mo7O24・4H2O 1.5mgを溶解したミネラル溶液を滅菌した。30l容培養槽の温度が30℃に低下した後、前記の槽内の培地にこのミネラル溶液10mlを無菌的に加え、さらにアンモニア水を無菌的に添加して、培養液のpHを6.8に調整した。
この培養槽内に、メタノ−ルを150mlおよび前記の種母液200mlを無菌的に加え、通気量10l/分、回転数300回/分で撹拌しつつ、温度30℃、アンモニア水を添加しながら培養液のpHを6.8に維持しながら培養した。細菌が増殖するに従って、培養液中のメタノ−ル濃度が低下したが、それを排気ガス中のメタノ−ルをガスクロマトグラフィ−で分析することにより検出し、この低下分に相当する量のメタノ−ルを補充して培養液中のメタノ−ル濃度を0.1〜0.5重量%に維持した。
【0066】
このような方法により、2台の30l 容培養槽で10日間培養し、各々の培養槽内の培養液のpHを塩酸で4.0に調整したのち、(1)L−セリン 120g /15lおよび(2)D−セリン120g /15lとなるよう、それぞれ添加し、空気で通気撹拌しつつ、培養液のpHを4.0になるように調節しながら、30℃で24時間反応を行なって反応生成液を得た。反応生成液のpHを7.0に調整した後、遠心分離し、上澄液を得た。上澄液中に含まれるヒドロキシメチルIPQの蓄積量を表13に示す。
【0067】
【表13】
Figure 0003731614
【0068】
実施例14
菌株として、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869を使用した以外は、実施例13と同様にして、30l容培養槽で10日間培養し、その後、培養液のpHを4.0に調整し、L−セリンを42g 添加し、反応を行なった。L−セリンを添加した後、各時間毎に反応生成液を採取し、pH7に調整した後遠心分離し、その反応生成液に含まれるヒドロキシメチルIPQ量を測定した。その結果を表14に示す。
【0069】
【表14】
Figure 0003731614
【0070】
実施例15
菌株を変更した以外は、実施例13と同様にして、メチロバチルス グリコゲネス FERM P-2247 の培養を30l容培養槽で4日間行なった。その後、培養槽中の培養液のpHを4.5に調整し、L−セリン42gを添加し、6時間反応を行ない、反応生成液を得た。反応生成液のpHを7.0に調整した後、遠心分離し、上澄液を得た。上澄液中に含まれるヒドロキシメチルIPQの蓄積量は、1lあたり200mgであった。
【0071】
実施例16
菌株を変更した以外は実施例13と同様にして、パラコッカス デニトリフィカンス ATCC 19367の培養を30l容培養槽で10日間培養した。その後、培養槽中の培養液のpHを6.0に調整し、D−セリン42g を添加し、6時間反応を行ない、反応生成液を得た。ヒドロキシメチルIPQの蓄積量は、反応生成液1lあたり110mgであった。
【0072】
実施例17
菌株を変更し、培地に使用する水として海水を用いた他は、実施例13と同様にして、メチロファ−ガ サラシカ ATCC 33146を30l容培養槽で10日間培養した。その後、培養槽中の反応液のpHを4.0に調整し、DL−セリン42g を添加して、空気で通気撹拌しながら30℃で6時間反応を行なって、反応生成液を得た。反応生成液のpHを7.0に調整した後、遠心分離し、上澄液を得た。その上澄液中に含まれるヒドロキシメチルIPQの蓄積量は1l当たり142mgであった。
【0073】
実施例18
実施例14と同様にして、ハイホミクロビウム デニトロフィカンス DSM 1869の培養を30l容培養槽を用いて行い、培養液15lを得た。この培養液を各々200mlづつを1l容三角フラスコに入れ、各種アミノ酸を0.6g づつ添加し、NaOHあるいはHClを用いてpH4、7あるいは9とし、30℃で振盪させながら24時間反応を行って反応生成液を得た。各フラスコの反応生成液のpHを7.0に調整した後に遠心分離して得られた上澄液中のIPQ類蓄積量をそれぞれ表15に示す。
【0074】
【表15】
Figure 0003731614
X-IPQ:それぞれの添加アミノ酸に対応するIPQ 類
を示し、具体的な対応は次の表16の通りである。
【0075】
【表16】
Figure 0003731614
【0076】
実施例19
実施例18で用いたPQQ含有培養液と同じ培養液を各々200mlづつ12個の1l容三角フラスコに入れた。各々のフラスコに、L−スレオニン、L−チロシン、L−セリンあるいはL-システインを各々0.6gづつ添加し、NaOHあるいはHClを用いてpHを4、7あるいは9とし、30℃で振盪させながら24時間反応を行って反応生成液を得た。各フラスコの反応生成液のpHを7.0に調整した後に、遠心分離して得られた上澄液中のIPQ類蓄積量をそれぞれ表17に示す。各々の反応液中には、各々のアミノ酸に対応するIPQ類の他に、IPQも存在した。
【0077】
【表17】
Figure 0003731614
【0078】
【表18】
Figure 0003731614
【0079】
実施例20
実施例9のうち培養槽内の培養液の温度を30℃として得たIPQ含有反応液を12,000×g で20分間遠心分離した上澄液を用いてIPQの回収実験を行った。各々50mlづつをHClを用いて、pH7.2、6.5、5.7、5.0、4.7、4.2、3.7、3.1、2.6、2.1、1.5および1.0に調整し、室温で4時間放置後、12,000×g で20分間遠心分離し、IPQを沈澱として回収した。上澄液中に残存するIPQを高速液体クロマトで分析した結果を第19表に示す。IPQはpH4以下で沈澱として回収できることがわかる。
【0080】
【表19】
Figure 0003731614
【0081】
【発明の効果】
本発明により、細菌を使用して得られたPQQを含有する培養液からPQQを分離・回収・精製することなくイミダゾピロロキノリン類を容易にかつ安定的に得ることが可能である。

Claims (1)

  1. メタノ−ルを炭素源とする培地中でピロロキノリンキノンを生産する能力を有する細菌を培養してピロロキノリンキノンを含有する培養液を得、該培養液に各種アミノ酸およびモノメチルアミンから選ばれた少なくとも1種を添加し、ピロロキノリンキノンと各種アミノ酸およびモノメチルアミンから選ばれた少なくとも1種とを酸素の存在下で反応させイミダゾピロロキノリン類を生成させることを特徴とするイミダゾピロロキノリン類の製造法。
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