JP2003501360A - 化学蒸着のための原料試薬としてのテトラヒドロフラン付加II族β−ジケトネート錯体 - Google Patents

化学蒸着のための原料試薬としてのテトラヒドロフラン付加II族β−ジケトネート錯体

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Abstract

(57)【要約】 相当するII族金属含有被膜のMOCVDのために有用であるII族金属MOCVD前駆組成物が記載される。その錯体は、式M(β−ジケトネート)(L)のII族金属β−ジケトネート付加物であり、式中、MがII族金属であり、Lがテトラヒドロフランである。バリウム及びストロンチウムのこのような原料試薬錯体は、集積回路、強誘電メモリー、スイッチ、放射線検出器、薄膜コンデンサー、ミクロ電気機械構造体(MEMS)及びホログラフィック記憶媒体など、ミクロ電子装置の用途のための基材上にタンタル酸ストロンチウムビスマス及び他のII族の薄膜を形成して有用に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 技術分野 本発明は概して、金属被膜を基材上に形成するための、化学蒸着(CVD)プ
ロセスに有用である熱分解性有機金属原料試薬に関する。より詳しくは、本発明
は、II族金属含有被膜の液体供給化学蒸着に有用なII族β−ジケトネートテトラ
ヒドロフラン錯体原料試薬に関する。
【0002】 背景技術 化学蒸着は、金属被膜及び/または金属含有被膜をいろいろな基材上に形成す
るために広く用いられている。CVDは、生産操業に容易に拡大されるので、及
び電子産業はCVDプロセスに適用され得るCVD技術を使用する幅広い経験及
び確立された設備基盤を有するので、金属被膜を形成するための特に魅力的な方
法である。
【0003】 CVDは、分解反応装置内にそれらの気相を移動させるのに十分に揮発性であ
る原料試薬を必要とする。前記の原料試薬は、CVD反応装置内で分解し、基材
上に所望の生長温度で所望の元素だけを堆積しなければならない。早期の気相の
反応は回避されるのが望ましく、CVD反応装置内に原料試薬を制御可能に供給
し、被膜の化学量論の相応に精密な制御を達成するのが概して望ましい。
【0004】 多くの可能性として有用な金属は、CVDに好適な化合物を形成しない。いく
つかの原料試薬はCVD反応装置内に気相を移動させるために昇華しやすい固体
であるが、昇華温度が分解温度に非常に近いことがある。従って、前記の試薬は
、CVD反応装置につながるライン中で分解し始めることがあり、次いで、堆積
した被膜の化学量論を制御するのが難しくなる。
【0005】 従って、拡散隔壁、伝導体、誘電体、保護塗膜、燐光物質、エレクトロルミネ
センス構造体、強誘電体、強力磁気抵抗被膜、耐腐蝕性被膜、及び混合金属被膜
などの用途のために、より気化しやすくCVDプロセスのための原料成分の蒸気
を形成する改善された原料試薬組成物が以前から本技術分野において求められて
いる。
【0006】 多成分材料系の化学蒸着において、多原料試薬がCVD反応装置に供給される
。多原料試薬を供給する特に有利な方法は、純液体原料試薬または原料試薬の溶
液を正確に混合し、次いで前記の混合物をフラッシュ気化させ、得られた蒸気を
反応装置に供給し、適当な温度に加熱された基材上に金属成分を堆積させること
である(液体供給金属有機化学蒸着)。気化前の液相においてかまたは気化後の
気相において、前記の試薬が反応をすることがこの状態において可能である。こ
れらの反応が原料試薬を不溶性または不揮発性生成物に、あるいは異なった化学
的または物理的特性の物質に変換する場合、その生成物に含有される元素は基材
に達せず、堆積された被膜の化学量論は不正確である。
【0007】 この問題の例(そこにおいて、Etがエチルであり、tBuがtert−ブチ
ルであり、iPrがイソプロピルであり、thdがテトラメチルヘプタンジオネ
ート)は以下を含む。
【0008】 (i)(Et)Pb、Zr(OtBu)、及びTi(OiPr)原料試
薬を用いて、PbZrTi−xOの堆積する間、Zr及びTi試薬の間の
配位子の交換がZr(OiPr)(及びおそらくZr (OiPr)がモノ
マーである他の生成物)の形成を結果したが、それは、揮発性が非常に低く、ガ
スマニホルドまたは気化器内で濃縮した。 (ii)Ba(thd)及びTi(OiPr)の溶液が気化前に混合され
るとき、不溶性の沈殿物が形成され、おそらく、Ba(OiPr)、またはT
iの混合アルコキシドβ−ジケトネート、Ti(OiPr)(thd)、が
見いだされた。 (iii)Pb(thd)及びTi(OiPr)の溶液が酢酸ブチル中で混
合されるとき、前記の試薬が反応して、Pb(OiPr)及びTi(OiPr
(thd)など、異なる物理的特性の化合物を形成する。
【0009】 この問題を示す他の具体例は、持久強誘電体ランダムアクセス記憶装置に使用
するためにCVDによってタンタル酸ストロンチウムビスマス及びニオブ酸スト
ロンチウムビスマス(SrBiTa及びSrBiNb)の被膜
を作製することである。最も普通に用いられるストロンチウムの原料試薬は、S
r(thd)などのβ−ジケトネート錯体である。SrBiTaの堆
積のために以下の原料試薬: Sr(thd)Ta(OEt)、及びBi(Ph)、(Phはフェニル
である)、 を含有する溶液が加熱されるとき、前記のタンタル試薬のエトキシド配位子が
前記のストロンチウム試薬のthd配位子と交換し、低減された揮発性を有する
共に気化領域で分解することがある望ましくないストロンチウムアルコキシド種
の形成につながる。あるいは、これらの試薬が噴水器内で別々に提供されるとき
、似た配位子交換反応が気相において生じ、得られた固体がガスラインを阻み、
被膜の化学量論を変え、及び/または被膜中の粒子の形成につながる。
【0010】 特定の例において、このような問題は、前記の金属上の同一の配位子を用いて
配位子の交換を縮退反応にすることによって回避され得る(すなわち、そこにお
いて、交換配位子が元の配位子と同一である)。この方法の例は、ボロホスホシ
リケートガラスの堆積のためにテトラエチルオルトシリケート、トリエチルボラ
ート及びトリエチルホスフィットの使用を含む(J.Electrochem.
Soc.、1987年、134(2)、430)。しかしながら、多くの場合、
前記の問題を回避するためのこの方法は、適当な化合物が存在せず、非常に不安
定で不揮発性であるのでCVDに使用することができず、または用いた場合、不
都合な物理化学的材料特性を有するので、可能ではない。例えば、PbZr
1−xの堆積について、同一の配位子を有する試薬系は、Pb(thd) 及びZr(thd)が安定且つ揮発性であるが、Ti(thd)は存在せ
ず、Ti(thd)は非常に空気に敏感性であるので、問題点が多い。同様に
、Ti(OtBu)及びZr(OtBu)は安定且つ揮発性であるが、Pb
(OtBu)はオリゴマーであり、揮発のために必要とされる温度で熱不安定
である。
【0011】 前記の問題はまた、金属原料試薬が溶液中で提供され、その溶剤が、原料試薬
化合物の配位子と反応して、異なった物理特性を示すと共に不揮発性または有機
溶剤に不溶性である望ましくない配位子交換反応の副生物を生じる環境において
直面する。
【0012】 誘電薄膜材料としてのチタン酸ストロンチウムバリウム(BST)、及び強誘
電薄膜材料としてのタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)など、望まし
い電気特性を有するバリウム及び/またはストロンチウムベースの酸化物の薄膜
への関心の結果として、バリウム及び/またはストロンチウムのための液体供給
MOCVD前駆原料試薬に相応の関心が集中した。
【0013】 バリウム及び/またはストロンチウムの薄膜堆積のための新規な且つ改善され
たBa及びSr金属有機前駆物質を開発するこの取り組みにおいて、これらの金
属の既存の前駆物質は粒子の形成をもたらし、気化器または供給チューブの詰ま
り及び堆積された被膜中の粒子を結果すると考えられているので、最近の研究の
取り組みの主たる焦点は、Ba及びSrの液体錯体の形成に合わされている。結
果として、このような既存のBa及び/またはSr前駆物質は、CVDプロセス
の必要条件を十分に満たさない。しかしながら、液体供給MOCVDプロセスの
性質のため、Ba及びSrの両方の前駆物質の化学的性質を変化させることが必
要とされる。
【0014】 溶剤を用いて前駆組成物を形成する液体供給プロセスの用途において、溶剤は
しばしば、決定的な化学成分として見過ごされている。しかしながら、溶剤は、
前記の供給及び気化の現象に対して非常に重要であり、例えば、原料試薬化合物
または錯体が純液として利用されるのではなく、好適且つ化学的に相溶性の溶剤
媒体(単一または多成分)中に溶解または懸濁されるような場合、原料試薬組成
物を形成する化学溶液の主成分である。
【0015】 II族の液体または低融点の固体CVD前駆物質の設計は、重要な課題となる。
例えば、適したバリウム原料試薬錯体を得る困難さは、その大きなイオン半径を
有する、バリウムの高度に正電気の特性に由来する。それは、だいたい中性の配
位子によって満たされなければならない大きな配位数を必要とする。これらの配
位子は、正電気のBa中心に強く配位することができない。結果として、バリウ
ムCVD前駆物質はしばしば、不十分な熱安定度を特徴とする。
【0016】 金属中心の大きい寸法と結びついたバリウムベースの金属有機組成物の金属−
配位子の結合の不安定度は、凝集して多核種を形成する傾向を結果する。これは
、合成または移動中に生じ、前駆物質の揮発性に影響を及ぼすか、またはCVD
プロセス中に生じ、移動速度及び被膜生長効率を低下させる。多核種の形成は、
液体供給CVDプロセスの性質及び効率に大きな影響を及ぼすことがあると共に
、薄膜の生長するときに粒子の形成につながる場合がある溶解度の低下を結果す
る。
【0017】 このような前駆物質の設計問題に対する実際の方法において、安定度、揮発性
及び溶解度の基本的な必要条件の間の最良の妥協条件を達成する試みがなされな
ければならない。Ba及びSrの非常に安定且つ同時に高度に揮発性の錯体を形
成することが難しいことを以前の研究が示しているが、しかしながら、所与の前
駆物質の安定度及び揮発性の適当な兼ね合いのバランスを利用して、改善された
CVDプロセスを提供することができる。
【0018】 以前の被膜生長の研究開発は、バリウム金属有機CVD前駆物質が望ましくは
、(a)単核金属有機錯体であり、(b)脂肪族炭化水素などの有機溶剤に溶解
性であり、(c)フッ素を含まないことを示した。前記の錯体の望ましい揮発性
を、適当な配位子種の使用及び核間相互作用の制限によって達成することができ
る。これは、バリウムなどの大きな正電気の金属中心には特に重要である。
【0019】 前述の内容の結果として、液体供給プロセス中の固体粒子の形成を低減させる
ための手段として、及び改善された気化特性を達成するための手段としてのII族
(Ba、Sr、Ca、Mg)前駆物質の液体原料への関心が増している。II族元
素の相対的に大きな半径のために、十分な気化及び気相移動特性を有する単核種
を形成するための付加物は、不可欠になる。
【0020】 従って、改善されたII族金属の原料試薬組成物を提供して相当するII族金属含
有被膜を液体供給CVDプロセスによって形成することが、本発明の目的である
【0021】 このような前駆物質を利用する液体供給金属有機化学蒸着の改善された方法を
提供することも、本発明の別の目的である。
【0022】 本発明の他の目的及び利点は、次の開示内容及び添付した請求の範囲からより
十分に明らかであろう。
【0023】 発明の概要 本発明は、一つの態様において、式M(β−ジケトネート)(L)によって
表され、式中、MがII族金属であり、LがテトラヒドロフランであるII族金属β
−ジケトネート付加物に関する。II族金属はMg、Ca、Sr、またはBaであ
ってもよく、β−ジケトネート配位子は、acac、thd、fod、tfac
ac、及びhfacac、及びそれらの相当する窒素及びチオ類似体から選択さ
れた少なくとも1つの配位子を含んでもよい。
【0024】 本発明は、別の態様において、融点が約25℃である、バリウムビス(2,2
,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラキス(テトラヒ
ドロフラン)付加物に関する。
【0025】 本発明の更に別の態様は、融点が約30℃である、ストロンチウムビス(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラキス(テトラ
ヒドロフラン)付加物に関する。
【0026】 本発明の別の組成の態様は、図3に示したORTEP図の構造を有するバリウ
ム(β−ジケトネート)テトラキス(テトラヒドロフラン)付加物に関する。
【0027】 本発明の更に別の組成の態様は、図4に示したORTEP図の構造を有するス
トロンチウム(β−ジケトネート)テトラキス(テトラヒドロフラン)付加物に
関する。
【0028】 更に別の態様において、本発明は、式M(β−ジケトネート)(L)によ
って表され、式中、MがII族金属であり、LがテトラヒドロフランであるII族金
属β−ジケトネート付加物のテトラヒドロフラン溶液を含むII族金属原料試薬溶
液に関する。
【0029】 本発明の他の組成の態様は、様々に、 融点が約25℃である、バリウムビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5
−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物のテトラヒドロフラン溶液を
含むII族金属原料試薬溶液、 融点が約30℃である、ストロンチウムビス(2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物のテトラヒドロフラン
溶液を含むII族金属原料試薬溶液、 明細書の図3に示したORTEP図の構造を有するバリウムビス(2,2,6,
6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物の
テトラヒドロフラン溶液を含むII族金属原料試薬溶液、 明細書の図4に示したORTEP図の構造を有するストロンチウムビス(2,2
,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付
加物のテトラヒドロフラン溶液を含むII族金属原料試薬溶液、に関する。
【0030】 本明細書中に開示された組成物は、このような組成物の構成成分及び/または
部分に関して、いろいろに、選択的及び独立に、このような構成成分及び/また
は部分を「含む」、「からなる」、「本質的に〜からなる」ことができると理解
されるはずである。
【0031】 別の態様において、本発明は、II族金属含有被膜を基材上に形成する方法であ
って、 気化器及び化学蒸着領域を備える液体供給装置を提供する工程、 II族金属含有被膜のための液体前駆組成物を前記液体供給装置の前記気化器に
移動させて前記前駆組成物を気化させ、気相のII族金属前駆組成物を生じる工程
、及び 式M(β−ジケトネート)(L)によって表され、式中、MがII族金属で
あり、LがテトラヒドロフランであるII族金属β−ジケトネート付加物のテトラ
ヒドロフラン溶液を含む液体前駆物質を用いて、前記気相のII族金属前駆組成物
を該化学蒸着領域に流し、続いてその中の基材上にII族金属含有被膜を堆積させ
る工程、 を含む方法に関する。
【0032】 本発明の別の態様は、BST被膜を基材上に形成するための液体供給プロセス
であって、 BST被膜のバリウム、ストロンチウム及びチタン成分の各々のための液体前
駆物質を提供する工程、 前記液体前駆物質の各々を、別々にまたは全て同時に気化させ、相当する前駆
物質の蒸気を形成する工程、及び 前駆物質の蒸気を基材と接触させ、バリウム、ストロンチウム及びチタンをそ
の上に堆積させる工程、 を含む液体供給プロセスに関するものであり、 バリウム及びストロンチウムのための液体前駆物質がテトラヒドロフラン溶液中
のそれぞれのバリウム及びストロンチウム錯体を含み、 各々の錯体が、式M(β−ジケトネート)(L)のII族金属β−ジケトネー
ト付加物を含み、式中、MがII族金属であり、Lがテトラヒドロフランである。
【0033】 本発明の他の態様及び特徴は、次の開示内容及び添付したクレームからより十
分に明らかであろう。
【0034】 本発明の詳細な説明、及びそれらの好ましい実施態様 本発明は、テトラヒドロフラン(THF)溶液中のII族β−ジケトネート錯体
の非常に高い溶解度の発見及び4つのTHF配位子を含有する物質の新規な組成
の解明に基づいている。
【0035】 テトラヒドロフラン(THF)溶剤中のII族β−ジケトネート錯体の予想外に
高い溶解度は、テトラヒドロピラン(THP)などの密接に化学的に関連した溶
剤中の相当するII族β−ジケトネート錯体の溶解度を考えれば、特に驚くべきも
のがある。興味深いことに、テトラヒドロピラン(THP)において観察される
最大の溶解度は、テトラヒドロフラン(THF)に対して、これら2つの溶剤が
化学的に似ていても、非常に低い。
【0036】 本発明のTHF付加物は式M(β−ジケトネート)(L)を有し、式中、
MがII族金属(Mg、Ca、Sr、Ba)であり、LがTHFである。
【0037】 このようなTHF付加物中のβ−ジケトネート配位子は、何れの適した種類で
あってもよい。具体的な種及びそれらの省略表記には以下のものが挙げられる。
acac=アセチルアセトネート、より詳しくは2,4−ペンタンジオネート、
hfacac(またはhfac)=ヘキサフルオロアセチルアセトネート、より
詳しくは1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオネー
ト、tfacac(またはtfac)=トリフルオロアセチルアセトネート、よ
り詳しくは1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオネート、thd=
テトラメチルヘプタンジオネート、より詳しくは2,2,6,6−テトラメチル
−3,5−ヘプタンジオネート、fod=フルオロジメチルオクタンジオネート
、より詳しくは1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチ
ル−4,6−オクタンジオネート。相当するβ−ケトイミネート及びβ−チオケ
トネート配位子もまた用いてもよく、前述のβ−ジケトネート配位子の表記と一
致して、相当するβ−ジケトネート配位子の前に「n」及び「s」をつけること
によって、例えば、nhfac、nthd、shfac、及びsthd等によっ
て識別される。このように、本発明の金属原料錯体中で用いられるβ−ジケトネ
ート配位子には、有用に、acac、thd、fod、tfacac、及びhf
acac、及びそれらの相当する窒素及びチオ類似体などが挙げられる。本発明
の好ましいTHF付加物には、Baビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,
5−ヘプタンジオネート)及びSrビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,
5−ヘプタンジオネート)などがある。
【0038】 本発明のTHF付加物において、THF配位子は、前駆物質の単核の形を安定
させ、II族の中心の配位の必要条件を満たし、それによって、得られた錯体の溶
解度及び揮発性を増大させる。本発明の付加物が液体供給化学蒸着のためにTH
Fの溶液中で用いられるとき、THFは強く結合せず、加熱時または真空下で錯
体から容易に解離する間に、溶剤として用いた過剰なTHFが平衡を有効にシフ
トして本発明のTHFの付加された種を助ける。このような平衡のシフトは、錯
体からのTHFの減量または遊離をそれによって制限し、その結果、錯体は溶液
中で貯蔵安定性のままであるが、反応装置内の化学蒸着条件下で容易に揮発及び
分解される。
【0039】 本発明のTHF付加方法は、クラウンエーテルまたはラリアト(lariat
)ポリエーテルなど、多くのドナー原子を含有する配位子で金属β−ジケトネー
トをキレートして配位圏を実現する従来技術の熱安定化方法の欠陥を克服する。
このような従来技術の熱安定化方法は、金属β−ジケトネートそれ自体に対して
安定性のいくらかの改善を提供するが、熱安定性の問題を完全に解決しない。本
発明の前駆物質は、THF配位子が液体供給化学蒸着条件下で容易に遊離され得
る原料試薬錯体を提供することによって、この欠陥を克服する。
【0040】 本発明のTHF付加錯体は、相当する金属β−ジケトネートのTHF溶液を冷
却することによって容易に得られる。THF溶液から回収された得られた固体の
錯体は、非常に低融点であると共に室温(25℃)のTHFへの高い溶解度を有
する結晶質固体である。
【0041】 例えば、THF中の[Ba(thd)及び[Sr(thd)の溶
液から回収された結晶質固体の錯体は、非常に低融点で、それぞれ、25℃及び
30℃を示す。これらの値は、液体供給「フラッシュ」気化によって注目される
相対的に良好な気化挙動を説明する。室温のTHF中の[Ba(thd) 及び[Sr(thd)の高溶解度は、図3及び4に示したTHF配位錯体
の形成に起因する。前記の錯体のこれらの低融点並びに結晶質の外観は、本発明
の組成物が好ましい分子の配向の4つのTHF配位子を含む新しい単核種である
ことを明らかにする。
【0042】 本発明の錯体は、ゆるやかな撹拌下、周囲温度(室温)のTHF中に金属β−
ジケトネート化合物を溶解することによって、相当する金属ベータ−ジケトネー
ト化合物(M(β−ジケトネート))から容易に合成され得る。式M(β−ジ
ケトネート)(THF)の得られた錯体は、蒸発によって、及び必要ならば
再結晶化によって回収され、前記の錯体をその融点より低い温度で安定している
結晶質固体として生じることができる。前記の錯体は、使用する間際に液体また
は固体として供給されてもよく、そこにおいて、それはTHF中に溶解され、液
体供給化学蒸着の適用のための適した前駆物質溶液を提供することができる。T
HF付加錯体のこのようなTHF溶液は、液体供給CVDの使用のために、何れ
かの適した望ましい濃度、例えば、前記の溶液の重量に対して、THF付加物の
約10〜約50重量%の濃度で前記の錯体を含有することができる。モル濃度で
表された濃度は、0.10M〜>1.0Mの範囲であり得る。
【0043】 本発明のTHF付加物を用いる液体供給CVDプロセスは、形成される特定の
II族金属含有被膜に、及び適した液体供給MOCVD装置を利用する、このよう
な被膜材料の最終用途に適当な何れの適したプロセス条件で行われてもよい。液
体供給MOCVD装置は、ペーターS.カーリンらに対する1993年、4月2
0日発行の米国特許第5,204,314号及びペーターS.カーリンらに対す
る1996年、7月16日発行の米国特許第5、536,323号に完全に記載
されているようなタイプ、及びアドバンストテクノロジーマテリアルズインク(
コネチカット州、ダンバリー)製の商標SPARTAとして市販されているよう
なタイプを使用してもよい。エアゾール気化器、音響変換器気化器またはネビュ
ライザー(nebulizer)などの他の気化器の設計品を用いても良い結果
が得られる。
【0044】 前記の錯体中のII族金属は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、または
マグネシウムであってもよい。それぞれの錯体中のII族金属が互いに異なってい
る、異なったII族金属錯体の混合物を含む前駆組成物を、本発明の広範な実施に
おいて調合することができる。
【0045】 例えば、バリウム及びストロンチウム錯体の「カクテル」調合物を、基材上の
チタン酸ストロンチウムバリウム被膜のMOCVDのために使用してもよく、そ
こにおいて、Ba/Sr前駆物質調合物は、本発明の前駆物質及び前記被膜のチ
タン成分のための適したTi前駆物質を含有する。前記のチタン原料物質は、例
えばルイス塩基配位子、テトラヒドロフラン、または他の相溶性の溶剤種などの
溶剤を含有する溶液中にTi(O−iPr)(thd)原料試薬を含んでも
よい。
【0046】 前記のBST被膜の形成において、液体の形のそれぞれの原料試薬は、気化器
の装置内で気化され、前駆物質の蒸気を形成する。次に、蒸気を、加熱した基材
、例えば、加熱サセプター上のウェファーを備える、化学蒸着反応装置に移動さ
せ、蒸気と接触して互いに望ましい化学量論的関係でそれぞれのバリウム、スト
ロンチウム及びチタン成分を堆積させる。
【0047】 前記の蒸気をシャワーヘッドまたはノズルなどの分散機によって化学蒸着室内
に供給して、ウェファーの幅全体にわたり蒸気の均一な流れを提供し、ウェファ
ー上に堆積した金属含有被膜の相応に均一な厚さを生じることができる。前記の
プロセス条件(蒸気の温度、圧力、流量及び組成)を適切に制御して、前記のプ
ロセス装置内で行われるMOCVD作業の最適なプロセスの結果を確実にするこ
とができる。
【0048】 前記の堆積を適した酸化剤媒体の存在下で行い、酸化物の被膜を形成してもよ
く、または本技術分野の熟練の範囲内で、前記の金属被膜をそれぞれのBa、S
r及びTi成分の堆積後に酸化処理にかけ、酸化物の被膜を形成してもよい。
【0049】 本発明のII族金属原料試薬の錯体は、熱分析技術によって特性決定された。
【0050】 熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量分析(DSC)を含む標準熱分析(S
TA)の結果は、Ba(thd)(THF)について図1に、Sr(thd
(THF)について図2に示される。これらのプロットは、THF配位子
が比較的低温(<40℃)でも前記の錯体から容易に解離することを示す。前記
の分析はまた、金属原子1個当たり少なくとも2個の配位子が各々のケースに存
在し、このような配位子が150℃より低い温度で遊離されることを示す。
【0051】 [M(thd)種は、各々のケースで特有の融点吸熱信号の存在によっ
て認められるように、THFの減量時に形成される。THFの減量は、再循環さ
せられた窒素下、室温でも起こることも指摘される。このように、THFは金属
中心にゆるく結合されている。
【0052】 C中のSr錯体Sr(thd)(L)H NMRスペクトルは
、5.9及び1.28ppmの幾分広くなったthd共鳴及びTHF共鳴の1セ
ットだけを示す。過剰なTHFを付加した時に、thd共鳴は強くなり、新しい
THF共鳴は見られない。化学シフトの著しい変化(>0.1ppm)は観察さ
れない。これらの観察は、THF配位子が溶液中で遊離され、前記の系が動的で
あり、すなわち、THFの解離及び再−配位の速度がNMR時間スケールに対し
て速いことを示唆する。
【0053】 本発明の単結晶錯体のX線構造測定は、両方の錯体が単核であり、thd配位
子間の赤道面内に配置された4つのTHF配位子を含有することを明らかにする
(図3=Ba(thd)(THF)及び図4=Sr(thd)(THF) )。見たところでは、THF配位子は、これらの前駆物質の錯体中の単核構造
体を安定化することができる。Ba(thd)(THF)は25℃の融点を
示し、Sr(thd)(THF)は30℃近くで溶けるのが観察される。本
発明の低融点の、単結晶前駆種は、特にBa(thd)及びSr(thd) がオリゴマー化する傾向及び報告された化学文献を考えれば、新規且つ独自であ
る。本発明の前駆物質の液体供給及び「フラッシュ」気化の間に過剰なTHFが
存在することにより、これらの物質の非常に効率的な気化を行う。
【0054】 このように、本発明の液体供給CVDプロセスにおいて使用されるII族金属原
料試薬溶液は、II族金属原料試薬溶液を気化させてII族金属原料蒸気を生じる工
程、及びII族金属原料蒸気を基材と接触させてII族金属含有被膜をその上に堆積
させる工程によって、II族金属含有被膜を基材上に形成するために容易に使用さ
れ得る。
【0055】 本発明の実施において使用されたいろいろな原料試薬の金属錯体は、米国特許
第5,225,561号(その内容を本願明細書に引用したものとする)により
完全に記載された合成技術など、従来の合成技術によって容易に作製され得る。
【0056】 前記の金属原料試薬の錯体は、従来の溶解及び可溶化技術によって、THF溶
液の形に容易に調合され、続いて、良好な貯蔵安定性を有すると共にMOCVD
のための前駆物質として周囲条件(例えば、室温)で貯蔵において実質的に安定
性があるCVD原料試薬として使用することができる。
【0057】 本発明は特定の実施態様、特徴及び態様に対して本明細書中に記載されたが、
本発明はこのように限定されるものではなく、他の修正、変形、応用、及び実施
態様に有用に拡大し、従って全てのこのような他の修正、変型、適用及び実施態
様は、本発明の精神及び範囲内にあるとみなされなければならないと理解されよ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ba(thd)(THF)についての熱重量分析(TGA)
及び示差走査熱量分析(DSC)の合成プロットである。
【図2】 Sr(thd)(THF)についての熱重量分析(TGA)
及び示差走査熱量分析(DSC)の合成プロットである。
【図3】 単結晶X線構造分析に基づいた、Sr(thd)(THF) のORTEP図である。
【図4】 単結晶X線構造分析に基づいた、Ba(thd)(THF) のORTEP図である。
【符号の説明】
HEAT FLOW:時間当たりの熱量 TEMPERATURE:温度(摂氏) HEIGT:量、高さ(%)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB80 4H048 AA01 AA03 AB80 VA20 VA60 VB10 4K030 AA11 BA18 BA42 BA54 FA10

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式M(β−ジケトネート)(L)によって表され、式中
    、MがII族金属であり、LがテトラヒドロフランであるII族金属β−ジケトネー
    ト付加物。
  2. 【請求項2】 前記II族金属が、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群か
    ら選択される、請求項1に記載のII族金属β−ジケトネート付加物。
  3. 【請求項3】 β−ジケトネートの配位子が、acac、thd、fod、
    tfacac、及びhfacac、及びそれらの相当するチオ類似体からなる群
    から選択された少なくとも1つの配位子を含む、請求項1に記載のII族金属β−
    ジケトネート付加物。
  4. 【請求項4】 β−ジケトネートの配位子が、acac、thd、fod、
    tfacac、及びhfacac、及びそれらの相当する窒素類似体からなる群
    から選択された少なくとも1つの配位子を含む、請求項1に記載のII族金属β−
    ジケトネート付加物。
  5. 【請求項5】 β−ジケトネートの配位子が少なくとも1つのthd配位子
    を含む、請求項1に記載のII族金属β−ジケトネート付加物。
  6. 【請求項6】 β−ジケトネートの配位子が少なくとも2つのthd配位子
    を含む、請求項1に記載のII族金属β−ジケトネート付加物。
  7. 【請求項7】 Mがバリウムである、請求項1に記載のII族金属β−ジケト
    ネート付加物。
  8. 【請求項8】 Mがストロンチウムである、請求項1に記載のII族金属β−
    ジケトネート付加物。
  9. 【請求項9】 融点が約25℃である、バリウムビス(2,2,6,6−テ
    トラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物。
  10. 【請求項10】 融点が約30℃である、ストロンチウムビス(2,2,6
    ,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物
  11. 【請求項11】 図3に示したORTEP図の構造を有するバリウム(β−
    ジケトネート)テトラヒドロフラン付加物。
  12. 【請求項12】 図4に示したORTEP図の構造を有するストロンチウム
    (β−ジケトネート)テトラヒドロフラン付加物。
  13. 【請求項13】 式M(β−ジケトネート)(L)によって表され、式
    中、MがII族金属であり、LがテトラヒドロフランであるII族金属β−ジケトネ
    ート付加物のテトラヒドロフラン溶液を含むII族金属原料試薬溶液。
  14. 【請求項14】 溶液中の前記付加物の濃度が、溶液の全重量に対して約1
    0重量%〜約50重量%である、請求項13に記載のII族金属原料試薬溶液。
  15. 【請求項15】 Mがバリウムである、請求項13に記載のII族金属原料試
    薬溶液。
  16. 【請求項16】 Mがストロンチウムである、請求項13に記載のII族金属
    原料試薬溶液。
  17. 【請求項17】 バリウム及びストロンチウム付加物を含有する、請求項1
    3に記載のII族金属原料試薬溶液。
  18. 【請求項18】 融点が約25℃である、バリウムビス(2,2,6,6−
    テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物のテト
    ラヒドロフラン溶液を含む、II族金属原料試薬溶液。
  19. 【請求項19】 融点が約30℃である、ストロンチウムビス(2,2,6
    ,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフラン付加物
    のテトラヒドロフラン溶液を含む、II族金属原料試薬溶液。
  20. 【請求項20】 図3に示したORTEP図の構造を有するバリウムビス(
    2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒドロフ
    ラン付加物のテトラヒドロフラン溶液を含む、II族金属原料試薬溶液。
  21. 【請求項21】 図4に示したORTEP図の構造を有するストロンチウム
    ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)テトラヒ
    ドロフラン付加物のテトラヒドロフラン溶液を含む、II族金属原料試薬溶液。
  22. 【請求項22】 II族金属含有被膜を基材上に形成する方法であって、 気化器及び化学蒸着領域を備える液体供給装置を提供する工程、 II族金属含有被膜のための液体前駆組成物を該液体供給装置の該気化器に移動
    させて該前駆組成物を気化させ、気相のII族金属前駆組成物を生じる工程、及び 式M(β−ジケトネート)(L)によって表され、式中、MがII族金属で
    あり、LがテトラヒドロフランであるII族金属β−ジケトネート付加物のテトラ
    ヒドロフラン溶液を含む液体前駆物質を用いて、該気相のII族金属前駆組成物を
    該化学蒸着領域に流し、続いてその中の基材上にII族金属含有被膜を堆積させる
    工程、 を含む方法。
  23. 【請求項23】 前記溶液中の前記付加物の濃度が、前記溶液の全重量に対
    して約10重量%〜約50重量%である、請求項22に記載のII族金属含有被膜
    を基材上に形成する方法。
  24. 【請求項24】 Mがバリウムである、請求項22に記載のII族金属含有被
    膜を基材上に形成する方法。
  25. 【請求項25】 Mがストロンチウムである、請求項22に記載のII族金属
    含有被膜を基材上に形成する方法。
  26. 【請求項26】 バリウム及びストロンチウムを含有する、請求項22に記
    載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  27. 【請求項27】 Mがバリウムであり、前記付加物の融点が約25℃である
    、請求項22に記載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  28. 【請求項28】 Mがストロンチウムであり、前記付加物の融点が約30℃
    である、請求項22に記載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  29. 【請求項29】 前記付加物が、図3に示したORTEP図の構造を有する
    、請求項22に記載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  30. 【請求項30】 前記付加物が、図4に示したORTEP図の構造を有する
    、請求項22に記載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  31. 【請求項31】 前記II族金属含有被膜がBSTを含む、請求項22に記載
    のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  32. 【請求項32】 前記BST被膜のチタン成分のための液体前駆物質の使用
    を更に含み、該液体前駆物質がTi(O−iPr)(thd)を含む、請求
    項31に記載のII族金属含有被膜を基材上に形成する方法。
  33. 【請求項33】 BST被膜を基材上に形成するための液体供給プロセスで
    あって、 BST被膜のバリウム、ストロンチウム及びチタン成分の各々のための液体前
    駆物質を提供する工程、 該液体前駆物質の各々を、別々にまたは全て同時に気化させ、相当する前駆物
    質の蒸気を形成する工程、及び 前駆物質の蒸気を基材と接触させ、バリウム、ストロンチウム及びチタンをそ
    の上に堆積させる工程、 を含む液体供給プロセスにおいて、 バリウム及びストロンチウムのための液体前駆物質がテトラヒドロフラン溶液中
    のそれぞれのバリウム及びストロンチウム錯体を含み、 各々の錯体が、式M(β−ジケトネート)(L)のII族金属β−ジケトネー
    ト付加物を含み、式中、MがII族金属であり、Lがテトラヒドロフランである、
    液体供給プロセス。
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