JP2002145836A - 新規なiv族金属前駆体及びこれを使用した化学蒸着法 - Google Patents

新規なiv族金属前駆体及びこれを使用した化学蒸着法

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JP2002145836A JP2001252429A JP2001252429A JP2002145836A JP 2002145836 A JP2002145836 A JP 2002145836A JP 2001252429 A JP2001252429 A JP 2001252429A JP 2001252429 A JP2001252429 A JP 2001252429A JP 2002145836 A JP2002145836 A JP 2002145836A
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ヨ セプ 閔
永 眞 ▲そう▼
Young Jin Cho
Dae Sik Kim
大 植 金
Ik Mo Lee
▲えき▼ 模 李
Sun Kwin Lim
善 權 林
Kanin Ri
完 寅 李
Bo Hyun Choi
普 賢 崔
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優秀な揮発性と熱的特性を示し、加水分解に
対する化学的安定性が卓越して特にチタニウムのような
IV族金属を含む多成分系金属酸化物薄膜の蒸着に適す
るIV族金属前駆体を提供する。 【解決手段】 一般式の三座配位子(L)と+4価のI
V族金属(M)とからなる錯体M(L)2をIV族金属
前駆体として金属酸化物薄膜を形成する。 (R1とR2はそれぞれC1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖
状アルキル基であり、R3はC1〜8の直鎖状もしくは
分枝鎖状アルキレン基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なIV族金属前
駆体及びこれを使用した化学蒸着法に関するものであ
り、より詳細には−2価のN−アルコキシ−β−ケトイ
ミネートである三座配位が結合したIV族金属前駆体を
使用して、金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする
化学蒸着法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報通信産業の発展によって新しい電子
材料の開発に対する需要が増大しており、電子素子の小
型化、薄膜化のため金属酸化物の加工技術、特に薄膜の
製造技術の確保は重要な問題になっている。揮発性有機
金属化合物を前駆体として使用するMOCVD法は高誘
電体薄膜、強誘電体薄膜、超電導薄膜、電極等に使われ
る金属酸化物薄膜の蒸着に広く使われている。一般的に
MOCVD法は原料物質の気化方式によって大きく2種
類に分類されるが、固体または液体状の前駆体物質を移
送気体でバブリングして昇華させるバブラ方式と、前駆
体物質を適当な溶媒に溶かした溶液を高温で加熱された
熱板上に積荷して溶媒と共に気化されるようにして前駆
体の揮発効率を高めた気化器方式とがある。気化器方式
は前駆体を液体状態で移送するために液体移送方式とも
呼ばれている。化学蒸着法によって薄膜を製造するため
にはまず優秀な特性を有する前駆体が提供されなければ
ならないだけでなく、その前駆体を使用して製造された
薄膜の表面形状、組成、ステップカバレージなどが優秀
である場合に実質的に素子に応用することができる。
【0003】この際、前駆体が揃えなければならない条
件としては、高い気化特性、気化温度と分解温度の大き
い格差、低い毒性、化学的安定性、熱的安定性及び前駆
体合成と熱分解の容易さを挙げることができる。また気
化する過程及び気体で移送する過程で分解したり他の前
駆体と反応することがなく、特に多成分系薄膜の製造時
には、薄膜内に導入されるそれぞれの成分金属の組成が
容易に調節されることが好ましく、蒸着温度でそれぞれ
の金属前駆体等の分解挙動が近似する場合に良質の薄膜
を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、金属アルキル、
金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属β−ジ
ケトネート等の種々の有機金属化合物が前駆体として研
究されてきたが、揮発性、化学的−熱的安定性、毒性な
どの特性を十分に満足させることができなかった。ま
た、M(OR)n等の金属アルコキシドをβ−ジケトネ
ートのような二座配位子で一部を置換したM(OR)x
(β−ジケトネート)y形態の前駆体が報告されたこと
があるが、金属に残っているアルコキシド配位子が水分
に敏感であるとい問題点がある。
【0005】一般的に、前駆体の水素原子を電気陰性度
が大きいフッ素原子で置換させたフッ素化アルキルなど
を使用して分子間の反発力を大きくすると、揮発性が向
上する。特に、バリウム、ストロンチウムのように小さ
い電荷対半径比を持っている金属イオンの揮発性を高め
るには嵩高いアルキル基が含まれる配位子を導入したり
多座のルイス塩基を導入して不飽和の配位領域を飽和さ
せてオリゴマー化及び水化物形成を抑制して分子間相互
作用を減らす方法が行なわれている。しかし、このよう
な方法は成長した薄膜にフッ素原子が含まれる可能性が
あり、また、前駆体を気化又は移送する途中でルイス塩
基が解離される等の新しい問題点を発生させる場合があ
る。
【0006】また、エアー プロダクト アンド ケミ
カル社によって開発された金属β−ケトイミネート化合
物Mn+(β−ケトイミネート)nを用いると、β−ケト
イミネートを二座配位子に用いることでキレート効果に
よって空いた配位座を満たして前駆体の熱及び化学的安
定性が向上されると米国特許第4,950,790号に
記載されているが、加水分解に対する安定性が少ないこ
とが問題になっている。
【0007】N−アルコキシ−β−ケトイミネートのよ
うな2価の三座配位子を用いたTa(N−アルコキシ−
β−ケトイミネート)(OEt)3やNb(N−アルコ
キシ−β−ケトイミネート)(OEt)3等の前駆体も
研究されているが、これらの前駆体は反応性が大きいア
ルコキシドとN−アルコキシ−β−ケトイミネートとを
共に使用しているためにN−アルコキシ−β−ケトイミ
ネートのみを配位子で使用した場合の長所を生すことが
できない。
【0008】また、一般的にバリウム、ストロンチウ
ム、チタニウム(以下、「BST」とも称する。)のよ
うな多成分系金属酸化物薄膜をMOCVD法によって蒸
着する場合、各前駆体の揮発特性の差が大きいためにバ
リウムとストロンチウムに比べてチタニウムを過量に使
用して薄膜の金属組成を合せる必要がある。しかし、過
量に使われたチタニウムは薄膜表面にチタニウムが主成
分である突起を形成して薄膜表面に凹凸を生ずる原因と
なる。さらにBST薄膜をDRAMのような半導体素子
に適用するには蒸着された薄膜内に炭素などの不純物が
含まれないようにしなければならず、かつ素子の構造を
形成するためにステップカバレージが良くなければなら
ないが、現在まで開発された前駆体から製造された多成
分系金属酸化物薄膜は、チタニウム前駆体の過量使用に
よって表面形状が荒く、炭素などの不純物によって薄膜
の漏洩電流が大きくなりステップカバレージに劣り素子
製作時の問題点として指摘されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような従
来技術の問題点を解決するためのものであり、優れた揮
発性と熱的特性とを示し、加水分解に対する化学的安定
性に優れ、特にチタニウムのようなIV族金属を含む多
成分系金属酸化物薄膜の形成に適合したIV族金属前駆
体、及びこれを使用した化学蒸着法を提供するものであ
る。
【0010】具体的には、下記化学式で示される三座配
位子(L)を提供するものである。
【0011】
【化3】
【0012】前記式において、R1とR2はそれぞれ炭素
数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、
3は炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキレ
ン基である。
【0013】また、前記化学式で示される三座配位子
(L)と+4価のIV族金属(M)からなる化学式M
(L)2で示されることを特徴とする金属酸化物薄膜製
造用の有機金属前駆体を提供するものである。
【0014】更に、チタニウムのようなIV族金属
(M)と前記化学式で示される三座配位子(L)からな
る化学式M(L)2で示す錯体を使用して金属酸化物薄
膜を形成することを特徴とする化学蒸着法に関するもの
である。以下本発明をより詳細に説明すれば次の通りで
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、上記化学式M(L)2
で示す有機金属前駆体を使用する化学蒸着法であり、該
有機金属前駆体の中でも、IV族金属(M)がチタニウ
ムであることが好ましく、具体的には、チタニウム(N
−アルコキシ−β−ケトイミネート) 2を薄膜製造用前
駆体として使用する化学蒸着法である。前記チタニウム
前駆体は優れたキレート効果を有する三座配位子を用い
て中心金属の空いた配位座を飽和させるため、化学的な
安定性に優れ熱的特性も優秀で気化後に残留物が残らな
い。また、後に詳述するが、該三座配位子の非対称要素
を調節することによって前駆体の気化温度、気化後の残
留物等の熱的特性を調節することができるためにチタニ
ウムを含む多成分系金属酸化物の薄膜蒸着時に要求され
る前駆体間の気化及び分解挙動を類似させることができ
る。
【0016】すなわち本発明では、中心金属をMで示
し、上記三座配位子をLで示した場合に化学式M(L)2
で示される錯体を有機金属前駆体として使用するもので
ある。この際、中心金属Mとしては、Si、Ti、Z
r、Hf、Ge、Sn、PbなどのようなIV族金属が
好ましい。また、配位子Lは下記化学式に示すように2
価のN−アルコキシ−β−ケトイミネートであり、+4
価のIV族金属に対して、−2価の三座配位子によって
3箇所で配位するからである。
【0017】
【化4】
【0018】前記式において、R1とR2はそれぞれメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチ
ル基、オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状もしくは分
枝鎖状のアルキル基であり、R1とR2は非対称性を与え
るためにお互い異なっていてもよく、同じアルキル基で
あってもよい。また、R3はメチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、メチルエ
チレン、ジメチルエチレン、エチルエチレン、ヘキサメ
チレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン等の炭素数1
〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキレン基であり、特
にメチルエチレン、ジメチルエチレン、エチルエチレン
等のアルキルエチレンであることが好ましい。
【0019】このような化合物の製造方法やその種類と
しては、オルガノメタリクス(1999年,18,1018)におい
て、触媒としての使用が報告されているが、それらの化
合物のうち上記化学式で特定される種々のチタニウム
(N−アルコキシ−β−ケトイミネート)2を広く使用
することができる。
【0020】本発明では配位子のキレート作用をより増
加させるためにβ−ケトイミネートの窒素原子に分岐を
有していてもよいアルキルアルコールを付加させ、溶液
中で−1価の電荷を有するβ−ケトイミネートを−2価
の三座配位子とし、金属イオンと強い結合を形成させな
がら空いた配位座を飽和させ、優れた化学的、熱的安定
性を確保した。なお、上記化学式で示す三座配位子L
は、溶液中でイオンとなった場合に−2価の電荷を有す
るのであり、イオン解離前の物質としては上記化学式の
イオン解離している酸素原子に例えば水素原子が結合し
た化合物が例示できる。より具体的には、本願明細書の
実施例1〜10で製造した化合物である。また、該三座
配位子Lが、+4価のIV族金属に配位座数3で配位し
た化合物としては、例えば、本願明細書の実施例11〜
20で製造した化合物がある。
【0021】一般的に、金属をMで示し、アルキル基を
Rで示した場合にM(OR)nやM(OR)x(β−ジケ
トネート)yで示される前駆体は、空気中に放置すると
加水分解によって金属ヒドロキシ錯体に変化するが、本
発明による三座配位子を有する前駆体は加水分解反応に
対して優れた安定性を有する。後記する実施例12で用
いた前駆体Ti(2meip)2は、空気中で3ケ月以
上放置しても前駆体の構造が変わらない化学的安定性を
有していた。
【0022】本発明によるチタニウム前駆体は、一般的
な有機溶媒であるベンゼン、トルエン、クロロホルム、
アルコール、テトラヒドロフラン、n−ブチルアセテー
ト等に溶解するために液体移送有機金属化学蒸着法(Liq
uid Delivery MOCVD)を使用して薄膜を形成することが
できる。特にLSCVD(Liquid Source Chemical Vapo
r Deposition)法に汎用的に使われるn−ブチルアセテ
ート等の溶媒に対する溶解度は、該三座配位子に導入さ
れる置換基R1、R2、R3の種類およびR1、R 2のの対
称性を調節することによって増加させることができる。
【0023】本発明による前駆体は熱安定性、耐湿性及
び化学的な安定性が非常に向上された特性を有するが、
このような特性も配位子に導入された置換基の種類及び
対称性によって変化する。R3にメチル基を有しない前
駆体、例えば、チタニウムビス[4−(エトキシ)イミ
ノ−2−ペンタノネート](Ti(eip)2と略称す
る。)の場合、気化後に8質量%程度の残留物が残る
が、メチル基を有している前駆体チタニウムビス[4−
(2−メチルエトキシ)イミノ−2−ペンタノネート]
(Ti(2meip)2と略称する。)とチタニウムビ
ス[2,2−ジメチル−5−(2−メチルエトキシ)イ
ミノ−3−ヘプタノネート](Ti(22dm2mei
h)2と略称する。)は各々大気圧で198℃または2
18℃で溶けた後、290℃、287℃で急激に気化
し、熱分解が生じず気化後に残留物が残らない優れた熱
的特性を有している。
【0024】一般的に、化学蒸着法で多成分系薄膜を蒸
着する場合、各金属前駆体等の気化温度がお互い違って
分解挙動が異なるために相対的に高い揮発性を有する金
属の前駆体を過量に供給して薄膜の組成を調節してい
る。したがって多成分系物質の蒸着で良質の薄膜を製造
するためには各前駆体の揮発及び分解挙動が類似する組
合を選択することが非常に重要である。特に、Ba、S
rなどのように小さい電価対半径比を持っている金属は
配位座が配位子らによって十分に配位できないためにチ
タニウム前駆体に比べて約100℃以上の気化温度差が
生じる。しかし、本発明による前駆体は、既存のチタニ
ウム前駆体に比べて相対的に高い温度で気化するが揮発
後に残留量がなく、酸素雰囲気で熱分解され、特定温度
以上でほぼ完全に分解されるために揮発性が少ない金属
を用いて多成分系薄膜を形成しようとする場合にも特に
有効であり、表面形状が滑らかで、ステップカバレージ
に優れ、薄膜内に炭素または窒素等の不純物がほとんど
ない良質の薄膜を得ることができる。
【0025】一方、BSTのような多成分系金属酸化物
薄膜を蒸着する際の基板表面の温度は実質的に均一に維
持されず、また段差が大きい構造の素子を製作する時も
段差の上下部の温度が同一でないため、既存の方法では
大きな面積の基板や段差が大きい薄膜の上下部でチタニ
ウム組成を同一に維持することが難しかった。しかし、
本発明による前駆体の場合には、市販のチタニウム前駆
体に比べて薄膜内チタニウム組成の温度依存性が少な
く、大面積の薄膜製作や段差が大きい薄膜の組成調節が
容易である。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明す
る。ただし、下記実施例は本発明を例示するものであ
り、本発明の内容が実施例によって限定されるものでは
ない。
【0027】実施例1.CH3C(O)CHC(HNCH2CH2OH)CH3
製造 オルガノメタリクス(1999年、18、1018)に記載された方
法に従い、エタノールアミン(NH2CH2CH2OH)
(6.71g、109.8mmol)及び2,4−ペン
タンジオン(CH3C(O)CH2C(O)CH3)(1
0g、99.88mmol)を原料化合物として、これ
をCH2Cl2120mlに混合して常温で一日撹拌し
た。次に、H2O/CH2Cl2(15ml/150m
l)混合溶液を用いて生成物質を有機層に抽出し、水層
をCH2Cl2溶液100mlで三回さらに抽出した。C
2Cl2層を合わせMgSO4で乾燥した後に、CH2
2を除去し、次いでCH2Cl2/n−ヘキサン(10
ml/140ml)を添加して−20℃で再結晶し、C
3C(O)CHC(HNCH2CH2OH)CH312.
88g(収率90%)を製造した。
【0028】実施例2.CH3C(O)CHC(HNCH2CH(CH3)OH)CH
3の製造 1−アミノ−2−プロパノール(NH2CH2CH(CH
3)OH)(22.51g、299.7mmol)及び
2,4−ペンタンジオン(20g、199.8mmo
l)を原料化合物とすること以外は実施例1と同じ方法
で実施し、CH3C(O)CHC(HNCH2CH(CH
3)OH)CH329.83g(収率95%)を製造し
た。
【0029】実施例3.CH3C(O)CHC(HNCH(CH3)CH2OH)CH
3の製造 DL−2−アミノ−1−プロパノール(NH2CH(C
3)CHOH)(10.0g、13.31mmo
l)、2,4−ペンタンジオン(11.11g、11.
10mmol)をCH3OH溶液100mlに混合して
HCOOH0.51gを添加し、85℃で撹拌しながら
一日還流した。溶媒を除去した後、H2O/CH2Cl2
(20ml/150ml)混合溶液を利用して生成物質
を有機層に抽出し、H2O層を三回さらにCH2Cl2
液100mlで抽出した。CH2Cl2層を合わせ、次い
でMgSO4で乾燥した後にCH2Cl2を除去してエチ
ルアセテートを展開溶液としてシリカで充填されたカラ
ムを通し分離してCH3C(O)CHC(HNCH(C
3)CH2OH)CH315.52g(収率89%)を
製造した。
【0030】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0031】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):10.8(brs、1H、C(O)CH=
C(NH))、4.93(s、1H、C(O)CH=C
(NH))、3.72(m、1H、HNCH(Me)C
2OH)、3.62(dd、1H、NCHMeCHa
bOH)、3.52(dd、1H、NCHMeCHab
OH)、3.35(brs、1H、NCH(Me)CH
2OH)、1.98(s、3H、CH=C(NH)C
3)、1.97(s、3H、CH3C(O)CH)、
1.18(d、3H、HNCH(CH3)CH2OH);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
92.45(s、CH3C(O)CH)、160.69
(s、CH=C(NH)CH3)、93.19(s、C
(O)CH=C(NH))、64.57(s、HNCH
(Me)CH2OH)、48.45(s、HNCH(M
e)CH2OH)、26.19(s、CH3C(O)C
H)、16.69(s、CH=C(NH)CH3)、1
5.7(s、NHCH(CH3)CH2OH)。
【0032】実施例4.CH3C(O)CHC(HNC(CH3)2CH2OH)CH
3の製造 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(NH2
(CH32CHOH)(13.35g、149.8mm
ol)及び2,4−ペンタンジオン(10.0g、9
9.88mmol)をCH3OH溶液100mlに混合
してHCOOH0.51gを添加し、85℃で撹拌しな
がら一日還流した。溶媒を除去した後、エチルエテル2
00mlを用いて常温で再結晶してCH3C(O)CH
C(HNC(CH32CH2OH) CH310.95g
(収率64%)を製造した。
【0033】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0034】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):11.32(brs、1H、C(O)CH
=C(NH))、4.88(s、1H、C(O)CH=
C(NH))、4.35(brs、1H、HNC(M
e)2CH2OH)、3.53(s、2H、NC(Me)
2CH2OH)、2.04(s、3H、CH=C(N)C
3)、1.94(s、3H、CH3C(O))、1.3
3(s、6H、HNC(CH32CH2OH);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
94.24(s、CH3C(O)CH)、163.88
(s、CH=C(NH)CH3)、97.07(s、C
(O)CH=(NH))、70.93(s、NHC(M
e)2CH2OH)、56.44(s、HNC(Me)2
CH2OH)、28.67(s、CH=C(NH)C
3)、25.72(s、HNC(CH32CH2
H)、20.96(s、CH3C(O)CH);EA
(calC:63.13、H:10.01、N:8.1
8、foundC:63.38、H:10.57、N:
8.23)。
【0035】実施例5.CH3C(O)CHC(HNCH(CH2CH3)CH2O
H)CH3の製造 2−アミノ−1−ブタノール(13.35g、149.
8mmol)及び2,4−ペンタンジオン(10g、9
9.88mmol)を使用してエタノール下で実施例3
と同じ方法で合成し、真空蒸留して黄色い液体であるC
3C(O)CHC(HNCH(CH2CH3)CH2
H)CH314.54g(収率85%)を製造した。
【0036】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0037】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):10.74(brs、1H、C(O)CH
=C(NH)、4.94(s、1H、C(O)CH=C
(NH))、4.06(d、2H、NCH(CH23
CH22OH)、3.60(m、1H、NCH(CH2
3)CH2OH)、3.25(brs、1H、HNCH
(CH2CH3)CH2OH)、1.99(s、3H、C
H=C(N)CH3)、1.93(s、3H、CH3
(O))、1.59(m、2H、HNCH(CH2
3)CH2OH)、0.95(t、3H、HNCH(C
2CH3)CH2OH);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
92.15(s、CH3C(O)CH)、163.86
(s、CH=C(NH)CH3)、95.87(s、C
(O)CH=C(NH))、65.91(s、HNCH
(CH2CH3)CH2OH)、57.23(s、HNC
H(CH2CH3)CH2OH)、28.90(s、CH3
C(O)CH)、25.54(s、HNCH(CH2
CH3)CH2OH)、19.66(s、CH=C(N
H)CH3)、10.56(s、NCH(CH2CH3
CH2OH)。
【0038】実施例6.CH3C(O)CHC(HNCH2CH2CH2OH)CH3
の製造 3−アミノ−1−プロパノール(9.0g、119.8
mmol)及び2,4−ペンタンジオン(10g、9
9.88mmol)を使用して実施例1と同じ方法で合
成し、エチルアセテート/ヘキサン80%を展開溶液と
してシリカで充填されたカラムを通し分離してCH3
(O)CHC(HNCH2CH2CH2OH)CH314.
00g(収率93%)を製造した。
【0039】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0040】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):10.86(brs、1H、C(O)CH
=C(NH))、4.96(s、1H、C(O)CH=
C(NH))、3.74(t、2H、NCH2CH2CH
2OH)、3.38(dt、2H、NCH2CH2CH2
H)、2.67(brs、1H、NCH2CH2CH2
H)、1.98(s、3H、CH=C(NH)C
3)、1.94(s、3H、CH3C(O)CH)1.
83(m、2H、NCH2CH2CH2OH);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
94.94(s、CH3C(O)CH)、163.80
(s、CH=C(NH)CH3)、95.46(s、C
(O)CH=C(NH))、59.62(s、HNCH
2CH2CH2OH)、39.92(s、HNCH2CH2
CH2OH)、32.85(s、HNCH2CH2CH2
H)、28.85(s、CH3C(O)CH)、18.
99(s、CH=C(NH)CH3)。
【0041】実施例7.(CH3)2CHC(O)CHC(HNCH2CH(CH3)
OH)(CH(CH3)2)の製造 1−アミノ−2−プロパノール(NH2CH2CH(CH
3)OH)(5.77g、76.8mmol)、2,6
−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン((CH 32CH
C(O)CH2C(O)(CH(CH32))(10.
0g、64.0mmol)をベンゼン180mlに混合
してH2SO40.63gまたはHCOOHを添加し、撹
拌しながら110℃で6時間還流させdean and
stark装置によりH2Oを収集した。H2O/ベン
ゼン(20ml/200ml)混合溶液を用いて生成物
質を有機層に抽出し、H2O層を三回さらにベンゼン溶
液100mlで抽出した。ベンゼン層を合わせMgSO
4で乾燥した後を除去しこれにn−ヘキサン100ml
を添加して−20℃で再結晶して(CH32CHC
(O)CHC(HNCH2CH(CH3)OH)(CH
(CH32)11.61g(収率85%)を製造した。
【0042】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0043】1H−NMR(CDCl3):11.21
(brs、1H、C(OH)=CNH)、5.01
(s、1H、C(O)CH=CNH)、3.95(q、
1H、HNCH2CHMeOH)、3.42(brs、
1H、NCH2CH2OH)、3.22(m、2H、HN
CH2CHMeOH)、2.70(h、1H、HNCC
HMe2)、2.42(h、1H、Me2CHC(O)C
H)、1.23(d、3H、NCH2CH(CH3)O
H)、1.10(d、6H、HNCCH(CH32)、
1.05(d、6H、(CH32CHC(O)CH);13 C−NMR(CDCl3):200.82(s、Me2
CHC(O)CH)、171.90(s、HNCCHM
2)、86.42(s、C(O)CH=CN)、6
5.13(s、NCH2CHMeOH)、47.92
(s、HNCH2CHMeOH)、38.12(s、M
2CHC(O)CH)、26.85(s、HNCCH
Me2)、19.56(s、HNCC(HCa3)(Cb
3))、19.47(s、HNCC(Ca3)(Cb
3))、19.20(s、NCH2CH(CH3)O
H)、18.27(s、(CH32CHC(O)C
H);EA(calC:67.57、H:10.87、
N:6.56、foundC:67.44、H:11.
33、N:6.48)。
【0044】実施例8.(CH3)2CHC(O)CHC(HNCH(CH3)CH2
OH)(CH(CH3)2)の製造 DL−2−アミノ−1−プロパノール(7.21g、9
5.99mmol)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプ
タンジオン(10.0g、64.0mmol)を用いて
実施例7と同じ方法で(CH32CHC(O)CHC
(HNCH (CH3) CH2OH)(CH(C
32)11.65g(収率81%)を製造した。
【0045】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0046】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):11.21(brd、1H、C(O)CH
=C(NHCH(Me)))、5.03(s、1H、C
(O)CH=C(NH))、3.79(m、1H、HN
CH(Me)CH2OH)、3.59(brm、2H、
NCHMeCH2OH)、2.89(brs、1H、N
CH(Me)CH2OH)、2.78(m、1H、CH
=C(NH)CH(CH32)、2.45(m、1H、
(CH32CHC(O)CH)、1.22(d、3H、
NCH(CH3)CH2OH)、1.15(d、6H、C
H=C(N)CH(CH32)、1.07(dd、6
H、(CH32CHC(O));13 C−NMR(CDCl3):202.57(s、Me2
CHC(O)CH)、173.73(s、HNCCHM
2)、88.24(s、C(O)CH=CN)、6
7.28(s、NCH(Me)CH2OH)、50.0
0(s、HNCH(Me)CH2OH)、39.93
(s、Me2CHC(O)CH)、28.75(s、H
NCCHMe2)、22.03(s、HNCCH(Ca
3)(Cb3))、21.72(s、HNCCH(Ca
3)(Cb3))、20.16(s、(CH32CHC
(O)CH)、18.90(s、NCH(CH3)CH2
OH);EA(calC:67.57、H:10.8
7、N:6.57、foundC:67.44、H:1
1.70、N:6.52)。
【0047】実施例9.(CH3)3CC(O)CHC(HNCH2CH2OH)CH
3の製造 エタノールアミン(9.73g、68.44mmo
l)、2,2−ジメチル−3,5−へキサンジオン
(8.11g、57.03mmol)を用いて実施例7
と同じ方法で(CH33CC(O)CHC(HNCH2
CH2OH)CH39.40g(収率89%)を製造し
た。
【0048】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0049】1H−NMR(CDCl3):11.04
(brs、1H、C(O)CH=CNH)、5.14
(s、1H、C(O)CH=CNH)、3.76(t、
2H、HNCH2CH2OH)、3.39(dt、1H、
HNCH2CH2OH)、3.11(brs、1H、HN
CH2CH2OH)、1.97(s、3H、HNCC
3)、1.11(s、9H、(CH33CC(O)C
H);13 C−NMR(CDCl3):202.39(s、Me3
CC(O)CH)、162.54(s、HNCC
3)、89.32(s、C(O)CH=CNH)、6
0.02(s、NCH2CH2OH)、43.63(s、
HNCH2CH2OH)、39.58(s、(CH33
C(O)CH)、26.25(s、(CH33CC
(O)CH)、17.82(s、HNCCH3);EA
(calC:64.83、H:10.34、N:7.5
6、foundC:64.76、H:10.82、N:
7.60)。
【0050】実施例10.(CH3)3CC(O)CHC(HNCH2CH(C
H3)OH)CH3の製造 1−アミノ−2−プロパノール(6.34g、84.3
8mmol)、2,6−ジメチル−3,5−へキサンジ
オン(10.0g、70.32mmol)を用いてエタ
ノールで実施例3と同じ方法を実施し、n−ヘキサン8
0mlを使用して−20℃で再結晶して(CH33CC
(O)CHC(HNCH2CH(CH3)OH)CH3
0.93g(収率78%)を製造した。
【0051】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0052】1H−NMR(CDCl3):11.04
(brs、1H、C(O)CH=CNH)、5.13
(s、1H、C(O)CH=CNH)、3.96(m、
1H、HNCH2CHMeOH)、3.26(dd、1
H、HNCHabCH(Me)O)、3.20(dd、
1H、HNCHabCH(Me)OH)、3.19(b
rs、1H、HNCH2CH(Me)OH)、1.96
(s、3H、HNCCH3)、1.23(d、3H、H
NCH2CH(CH3)OH)、1.11(s、9H、
(CH33CC(O)CH);13 C−NMR(CDCl3):204.16(s、Me3
CC(O)CH)、164.20(s、HNCC
3)、91.18(s、C(O)CH=CNH)、6
7.11(s、NCH2CH(Me)OH)、50.7
1(s、HNCH2CH(Me)OH)、41.46
(s、(CH33CC(O)CH)、28.16(s、
(CH33CC(O)CH)、21.00(s、HNC
CH3)、19.77(s、HNCH2(CH3)O
H)、;EA(calC:66.29、H:10.6
2、N:7.03、foundC:65.72、H:1
1.08、N:7.12)。
【0053】実施例11.Ti(CH3C(O)CHC(NCH2CH2O)C
H3)2:Ti(eip)2の製造 実施例1で製造された三座配位子CH3C(O)CHC
(HNCH2CH2OH)CH33.67g(25.61
mmol)を20mlのメチレンジクロライドに溶かし
た。チタニウム(イソ−プロポキシド)4(Ti(O−
iPr)4と略称する。)3.31g(11.64mm
ol)をメチレンジクロライド25ml溶解し、該溶液
を常温でよく撹拌させながら前記溶液をカニュラを用い
て投入した。黄色の混合溶液を4時間以上撹拌し、減圧
下で溶媒を除去し、メチレンジクロライドとn−ヘキサ
ンの混合溶液で−20℃で再結晶して純粋な黄色の固状
Ti(CH3C(O)CHC(NCH2CH2O)CH3
2を95%(3.72g)の収得率で得た。
【0054】実施例12.Ti(CH3C(O)CHC(NCH2CHCH3O)C
H3)2:Ti(2meip)2の製造 実施例2で製造されたCH3C(O)CHC(HNCH2
CH(CH3)OH)CH311.06g(70.36m
mol)とTi(O−iPr)410.0g(35.1
8mmol)を使用して実施例11と同じ方法で実施し
てTi(CH3C(O)CHC(NCH2CHCH3O)
CH3212.18g(収率96%)を製造した。
【0055】実施例13.Ti(CH3C(O)CHC(NCHCH3CH2O)C
H3)2:Ti(1meip)2の製造 実施例3で製造されたCH3C(O)CHC(NCH
(CH3)CH2OH)CH38.0g(50.89mm
ol)とTi(O−iPr)47.23g(25.44
mmol)を使用して実施例11と同じ方法で実施して
Ti(CH3C(O)CHC(NCHCH3CH2O)C
328.38g(収率92%)を製造した。
【0056】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0057】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.27、5.24、5.08、5.08
(s、2H、C(O)CHC(N))、4.79(d
d、1H、NCH(Me)CHabcdO)、4.58
(dd、1H、NCH(Me)CH abcdO)、4.3
5(m、2H、NCH(Me)CH2O)、4.00
(dd、1H、NCH(Me)CHabcdO)、3.8
3(dd、1H、NCH(Me)CHabcdO)、2.
14、2.12、2.11、2.07(s、6H、C
(N)CH3)、1.94、1.92、1.88、1.
80(s、6H、CH3C(O))、1.51、1.3
7、1.32、1.24、1.17(d、6H、NCH
(CH3)CH2O);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
76.72、175.83、175.40(s、CH3
C(O))、167.89、167.27、166.7
6(s、C(N)CH3)、103.30、103.2
0、102.01(s、C(O)CHC(N))、7
8.07、78.00、77.14(s、NCH(M
e)CH2O)、66.14、65.73、65.2
4、64.96(s、NCH(Me)CH2O)、2
4.92、24.58、24.40、24.25(CH
3C(O))、21.82、21.59、21.43、
20.74(C(N)CH3)、20.35、20.0
8、19.30、18.35(NCH(CH3)CH
2O);EA(calC:53.64、H:7.32、
N:7.82、foundC:53.32、H:7.6
6、N:7.79)。
【0058】実施例14.Ti(CH3C(O)CHC(NC(CH3)2CH
2O)CH3)2:Ti(1deip)2の製造 実施例4で製造されたCH3C(O)CHC(HNC
(CH32CH2OH)CH33.01g(17.58m
mol)とTi(O−iPr)42.50g(8.79
mmol)を用いて実施例11と同じ方法で実施してT
i(CH3C(O)CHC(NC(CH32CH2O)C
323.19g(収率94%)を製造した。
【0059】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0060】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.13(s、2H、C(O)CHC
(N))、4.32(d、2H、NC(Me)2CHa
bO)、4.01(d、2H、NC(Me)2CHa
bO)、2.21(s、6H、C(N)CH3)、1.9
2(s、6H、CH3C(O))、1.56(s、6
H、NC(CH3a(CH3bCH2O)、1.38
(s、6H、NC(CH3a(CH3bCH2O);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
74.70(s、CH3C(O))、169.31
(s、C(N)CH3)、104.71(s、C(O)
CHC(N))、84.79(s、NC(Me)2CH2
O)、71.41(s、NC(Me)2CH2O)、2
5.69(s、CH3C(C))、25.1(s、C
(N)CH3))、24.5(s、NCCa3b3
2O)、24.4(s、NCCa3b3CH2O);
EA(calC:55.96、H:7.83、N:7.
25、foundC:55.59、H:8.22、N:
6.87)。
【0061】実施例15.Ti(CH3C(O)CHC(NCH(CH2CH3)C
H2O)CH3)2:Ti(1eeip)2の製造 実施例5で製造されたCH3C(O)CHC(HNCH
(CH2CH3)CH2O)CH32.30g(13.44
mmol)とTi(O−iPr)41.91g(6.7
2mmol)を使用して実施例11と同じ方法で実施し
てTi(CH3C(O)CHC(NCH(CH2CH3
CH2O)CH322.41g(収率93%)を製造し
た。
【0062】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0063】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.28、5.25、5.09(s、2
H、C(O)CHC(N))、4.70(dd、1H、
NCH(CH2CH3)CHabcdO)、4.65(d
d、1H、NCH(CH2CH3)CHabcdO)、4.
18(dd、1H、NCH(CH2CH3)CHab
cdO)、4.17(dd、1H、NCH(CH2CH3
CHabcdO)、4.03(m、2H、NCH(CH2
CH3)CH2O)、2.29−2.14(m、2H、N
CH(CH2CH3)CH2O)、2.11、2.06
(s、6H、C(N)CH3)、1.92、1.89、
1.80(s、6H、CH3C(O))、1.72−
1.55(m、2H、NCH(CH2CH3)CH
2O)、0.97(t、6H、NCH(CH2CH3)C
2O);13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
75.89(s、CH3C(O))、167.13
(s、C(N)CH3)、102.04(s、C(O)
CHC(N))、74.46(s、NCH(CH2
3)CH2O)、72.78(s、NCH(CH2
3)CH2O)、24.48(s、NCH(CH2
3)CH2O)、24.67(CH3C(O))、2
1.99(C(N)CH3)、11.77(NCH(C
2CH3)CH2O);EA(calC:55.96、
H:7.83、N:7.25、foundC:55.8
5、H:8.30、N:7.34)。
【0064】実施例16.Ti(CH3C(O)CHC(NCH2CH2CH2O)C
H3)2:Ti(pip)2の製造 実施例6で製造されたCH3C(O)CHC(HNCH2
CH2CH2O)CH31.11g(7.04mmol)
とTi(O−iPr)41.0g(3.52mmol)
を使用してTHF溶媒下で実施例11と同じ方法で実施
してTi(CH 3C(O)CHC(NCH2CH2CH
2O)CH321.20g(収率95.24%)を製造
した。
【0065】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0066】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.14(s、2H、C(O)CHC
(N))、4.36(t、4H、NCH2CH2CH
2O)、3.64(t、4H、NCH2CH2O)、2.
07(m、4H、NCH2CH2CH2O)、2.00
(s、6H、C(N)CH3)、1.90(s、6H、
CH3C(O));13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
76.05(s、CH3C(O))、168.01
(s、C(N)CH3)、103.64(s、C(O)
CHC(N))、73.23(s、NCH2CH2CH2
O)、50.19(s、NCH2CH2CH2O)、3
2.34(s、NCH2CH2CH2O)、25.33
(s、CH3C(O))、22.41(s、C(N)C
3)。
【0067】実施例17.Ti((CH3)2CHC(O)CHC(CH(CH3)
2)(NCH2CH(CH3)O))2:Ti(26dm2meih) 2の製造 実施例7で製造された(CH32CHC(O)CHC
(HNCH2CH(CH3)OH)CH(CH321.5
g(7.03mmol)とTi(O−iPr)41.0
g(3.52mmol)を用いて実施例11と同じ方法
で実施してTi((CH32CHC(O)CHC(CH
(CH32)(NCH2CH(CH3)O))21.57
g(収率95%)を製造した。
【0068】製造された物質のNMR測定結果は次の通
りである。
【0069】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.23、5.22、5.20、5.15
(s、2H、C(O)CHC(N))、4.87(m、
2H、NCH2CHMeO)、4.22(dd、1H、
NCHabcdCH(Me)O)、4.13(dd、1
H、NCHabcdCH(Me)O)、3.88(dd、
1H、NCHabcdCH(Me)O)、3.76(d
d、1H、NCHabcdCH(Me)O)、2.92
(m、2H、C(N)CH(Me)2)、2.30
(m、2H、CH(Me)2C(O))、1.11−
1.23(d*4、12H、C(N)CH(C
32)、1.21(d*3、6H、NCH2CH(C
3)O)、0.88−0.98(d*4、12H、
(CH32CHC(O));13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
83.51、183.35、183.02(s、(CH
3)CHC(O))、177.05、176.49、1
75.91、175.70(s、C(N)(CH(CH
32))、93.46、93.30、93.19(s、
C(O)CHC(N))、76.99、76.52、7
6.40、76.12(s、NCH2CH(Me)
O)、65.96、65.60、64.79(s、NC
2CH(Me)O)、36.35、36.27、3
6.13(s、(CH32CHCO)、31.46、3
1.40、31.24(s、C(N)(CH(C
32)、21.66−20.18(d、(CH32
HC(O)CHC(NCH2CH(CH3)O)(CH
(CH32))。
【0070】実施例18.Ti((CH3)2CHC(O)CHC(NCH(Me)
CH2O)CH(CH3)2)2:Ti(26dm1meih)2の製造 実施例8で製造された(CH32CHC(O)CHC
(HNCH(CH3)CH2OH)CH(CH326.0
g(28.14mmol)とTi(O−iPr)44.
0g(14.07mmol)を用いて実施例11と同じ
方法で実施してTi((CH32CHC(O)CHC
(NCH(CH3)CH2O)CH(CH3226.2
2g(収率93.96%)を製造した。
【0071】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0072】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.34、5.17、5.13(s、2
H、C(O)CHC(N))、4.83(dd、1H、
NCH(Me)CHabcdO)、4.79(dd、1
H、NCH(Me)CHabcdO)、4.56(m、1
H、NCHa(Me)CH2O)、4.38(m、1H、
NCHb(Me)CH2O)4.38(dd、1H、NC
b(Me)CH2O)、3.95(dd、1H、NCH
(Me)CHabcdO)、3.03(m、2H、C
(N)(CH(CH32)、2.39(m、1H、(C
32CHaC(O))、2.30(m、1H、(C
32CHbC(O))、1.51、1.41、1.3
7(d、6H、NCH(CH3)CH2O)、1.24−
1.13(d*4、12H、C(N)(CH(C
32)、1.04−0.85(d*5、12H、(C
32CHC(O));13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
83.45、182.98、182.81(s、CH3
C(O))、175.95、175.70、175.3
2(s、C(N)CH3)、94.31、93.84、
93.59(s、C(O)CHC(N))、76.8
0、76.69、76.36(s、NCH(Me)CH
2O)、64.77、64.36、63.59(s、N
CH(Me)CH2O)、36.46、36.36、3
6.22(s、(CH32CHC(O))、31.2
0、31.00、30.90(s、C(N)CH(CH
32)、22.32、22.17、22.10、22.
05(s、NCH(CH3)CH2O)、21.87、2
1.66、21.60、21.50(s、C(N)CH
(CH32、20.89、20.78、20.63、2
0.52(s、(CH 32CHC(O));EA(ca
lC:61.27、H:9.00、N:5.95、fo
undC:61.33、H:9.48、N:5.7
2)。
【0073】実施例19.Ti((CH3)3CC(O)CHC(NCH2CH
2O)CH3)2:Ti(22dmeih)2の製造 実施例9で製造された(CH33CC(O)CHC(H
NCH2CH2OH)CH34.98g(26.88mm
ol)とTi(O−iPr)43.82g(13.44
mmol)を使用して実施例11と同じ方法で実施して
Ti((CH33CC(O)CHC(NCH2CH2O)
CH325.05g(収率90.66%)を製造した。
【0074】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0075】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.18(s、2H、C(O)CHC
(N))、4.44−4.26(ddt、4H、NCH
2CH2O)、4.03−3.82(ddt、4H、NC
2CH2O)、2.00(s、6H、C(N)C
3)、0.92(s、18H、(CH33CC
(O));13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3)18
4.48(s、(CH3)CC(O))、168.87
(s、C(N)CH3)、97.01(s、C(O)C
HC(N))、70.89(s、NCH2CH2O)、6
0.18(s、NCH2CH2O)、37.84(s、
(CH32CC(O))、28.04(s、(CH33
CC(O))、22.87(s、C(N)CH3);E
A(calC:57.97、H:8.27、N:6.7
6、foundC:57.87、H:8.63、N:
6.70)。
【0076】実施例20.Ti((CH3)3CC(O)CHC(NCH2CH(C
H3)O)CH3)2:Ti(22dm2meih)2の製造 実施例10で製造された(CH33CC(O)CHC
(HNCH2CH(CH3)OH)CH34.0g(2
0.06mmol)とTi(O−iPr)42.85g
(10.03mmol)を用いて実施例11と同じ方法
で実施してTi((CH33CC(O)CHC(NCH
2CH(CH3)O)CH323.91g(収率88.0
6%)を製造した。
【0077】製造された物質のNMR測定結果及び元素
分析結果は次の通りである。
【0078】1H−NMR(199.976MHz、C
DCl3):5.30、5.28、5.23、5.19
(s、2H、C(O)CHC(N))、4.91、4.
82(m、2H、NCH2CH(Me)O)、4.16
(dd、1H、NCHabcdCH(Me)O)、3.9
8(dd、1H、NCHabcdCH(Me)O)、3.
77(dd、1H、NCHabcdCH(Me)O)、
3.63(dd、1H、NCHabcdCH(Me)
O)、2.07、2.06、2.04(s、6H、C
(N)CH3)、1.22−1.14(d、6H、NC
2CH(CH3)O)、1.02、1.01、1.0
0、1.00(s、18H、(CH33CC(O));13 C−NMR(50.289MHz、CDCl3):1
85.12(s、(CH33CC(O))、168.7
9、168.46、168.17(s、C(N)C
3)、97.47、97.00、96.89(s、C
(O)CHC(N))、77.31、76.80、7
6.36(s、NCH2CH(Me)O)、67.5
3、66.95、66.57、66.36(s、NCH
2CH(Me)O)、38.29、38.22(s、
(CH33CC(O))、28.50(s、(CH33
CC(O))、23.13、23.04(s、C(N)
CH3)、22.02、21.18、20.73(s、
NCH2CH(CH3)O);EA(cal:59.7
3、H:8.66、N:6.33、foundC:5
9.44、H:8.78、N:6.84)。
【0079】下記表1および表2に本発明によるチタニ
ウム前駆体を、表3に従来の市販のチタニウム前駆体(A
sahi Denka Kogyo K.K社)の代表的な化合物例とその物
性を示した。なお、物性測定方法は、融点と気化温度
は、TG−DSC(Thermal Gravimetry-Differential S
canning Calorimetry)曲線の吸熱ピークから測定したが
表1および表2における*で示された値は、溶融と気化
による吸熱に重なって現れたため融点測定器で測定した
値である。また、残留量は、大気圧で(N2、20m/
min)測定されたTG曲線から550℃での残留量を
示した。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】実施例21:前駆体の耐湿性 実施例11と実施例12で製造した前駆体Ti(ei
p)2とTi(2meip)21.0gを各々試薬瓶に入
れ空気中で3ケ月以上放置後にNMR分析したところ、
配位されない配位子のピークが観察されず、製造時のピ
ーク形態をそのまま維持していた。これによって本発明
の前駆体は水分に敏感でなく、取扱と貯蔵性に優れるこ
とが分かる。
【0084】実施例22:前駆体の溶解特性 薄膜蒸着時に使用する該前駆体について、溶液状態で注
入される際に要求される溶解度特性を調べるため、実施
例11と実施例12で製造した前駆体Ti(eip)2
とTi(2meip)2をメタノールとn−ブチルアセ
テートに溶解させた。その結果、R1、R2が対称であり
ながらR3にメチル基を有しない前駆体Ti(eip)2
0.5gはメタノール5mlに溶解したが、同じ量のn
−ブチルアセテートには不溶であった。しかし、R3
メチル基を有している前駆体Ti(2meip)20.
5gはメタノールとn−ブチルアセテート5mlにすべ
て溶解した。また、実施例20で製造した前駆体Ti
(22dm2meih)2はR1、R2が対称でありなが
らt−ブチル基が導入されているためにTi(2mei
p)に比較して20%以上増加する溶解度特性を示し
た。したがって、前駆体の溶解度特性は前記化学式のR
1、R2、R3の選定によって影響を受け、特にR1、R2
が互いに異なる場合に、溶解度特性が増加することが分
かった。
【0085】実施例23:前駆体の熱特性の分析 実施例11及び12で製造した前駆体Ti(eip)2
とTi(2meip)のTG−DSC分析をNetzs
ch STA 449C装置を用いて大気圧下窒素又は
空気雰囲気と減圧(1.3×102Pa)条件下で測定した。温度
上昇速度10℃/min、窒素流量20ml/min又
は酸素流量30ml/minの状態で550℃まで測定
して、その結果を図1a、図1b、図2a、図2b、図
3に示した。実施例12で製造したTi(2meip)
2は窒素雰囲気で測定したTG−DSCの結果(図1
b)で表わされるように、190℃で融解し約290℃
で全部気化する様態を示し、図3で示すように、空気中
での熱分解の特性として、約315℃で非常に強い発熱
ピークを見せながら熱分解した。このような現象は既存
に知られているチタニウムビス(イソ−プロポキシド)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタ
ンジオネート(Ti(O−iPr)2(thd)2と略称
する。)やチタニウム(2−メチル−2,4−ジオキシ
−ペンタン)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−ヘプタンジオネート(Ti(mpd)(th
d)2と略称する。)などがとてもひろい領域で弱い発
熱のピークを見せながら分解される現象と区別でき、こ
れはTi(2meip)2がTi−Oの結合に比べて弱
いTi−N結合を持ち、同種の配位子だけからなる構造
(homoleptic structure)ではないためと考えられる。ま
た、前記Ti(2meip) 2と市販の前駆体Ti(m
pd)(thd)2、Ti(O−iPr)2(th
d)2、Ba(methd)2、Sr(methd)2
気化速度を図4に示す。図4に示したようにTi(2m
eip)2は各温度での蒸気圧が市販のチタニウム前駆
体に比べて小さいためにバリウム、ストロンチウムのよ
うな揮発性の小さい金属との多成分系薄膜形成の際に、
気化特性を類似させることができる。
【0086】実施例24:MOCVD法によるBST薄
膜の製造 実施例12で製造されたTi(2meip)2と市販の
Ti(mpd)(thd)2とをチタニウム前駆体と
し、Ba(methd)2とSr(methd)2を各々
バリウムまたはストロンチウム前駆体として用い、LS
−MOCVD法によって(Bax、Sr1-x)Tiy3-z
薄膜を製造した。BST薄膜蒸着に使われた基板はPt
(1000Å)/SiO2(1000Å)/Siの平板
型とアスペクト比が3(depth/width=0.
45μm/0.15μm)のパターン上にRuが蒸着さ
れた微細パターン構造基板であり、これらの基板のPt
とRuは各々スパッタリング法とMOCVD法で蒸着し
た。前駆体溶液はBa、SrとTi前駆体をn−ブチル
アセテートに共に溶解させた単一溶液を使用し、それぞ
れの前駆体のモル濃度はBa:Sr:Ti=0.009
3M:0.0093M:0.07999M(Ba:S
r:Ti=1:1:8.6)のセットIとBa:Sr:
Ti=0.0093M:0.0093M:0.04M
(Ba:Sr:Ti=1:1:4.3)のセットIIと
した。前駆体溶液の流入速度はLintec社のLiq
uid MFC(誤差±0.002g/min)を用い
て0.05g/minでBST薄膜蒸着の間一定に維持
し、特に基板温度によってBST薄膜内にチタニウムが
流入される傾向を観察するためセットIIの前駆体溶液
を用いて400〜500℃の温度区間で蒸着を行なっ
た。使用したMOCVD装置は気化器、蒸着チャンバ及
び気体移送管がすべてオーブンの中に装着されたもので
あった。その他の工程変数を表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】薄膜の組成を確認するために下部電極Pt
上に蒸着されたBST薄膜をフッ化水素酸(HF)系列
の腐食液を用いて溶かした後、ICP−AES(Inducti
velyCoupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy)で
定量分析し、薄膜内のバリウムとチタニウムの組成を分
析してこれを図5a及び図5bに示した。市販の前駆体
の使用時にはチタニウムの組成は温度に大きく依存する
が、本発明による前駆体は温度依存性が少ないことが分
かる。このため、既存の前駆体は大面積の素子製作時
に、素子間または素子内の上下段差でチタニウムの組成
調節が容易でないが、本発明による前駆体は薄膜内チタ
ニウム組成の温度依存性が少なく、組成調節が容易であ
ることが分かる。
【0089】前記のような方法で形成された薄膜の内、
430℃で蒸着された薄膜に対して種々の分析を行っ
た。図6に示すXRD(X-Ray Diffraction)測定におい
て、蒸着後別の熱処理をしないBST薄膜内にペロブス
カイト結晶状が形成された。図7aは430℃で平板型
基板に形成した薄膜を走査電子顕微鏡を用いて撮影した
少し傾けたイメージであり、薄膜の表面には突起やかす
んだ様子がなく、図7bで示す薄膜はAFM(Atomic Fo
rce Microscope)でみたイメージで二乗平均粗度(rms)が
17Åであり、表面が非常に滑らかだった。図8は43
0℃でアスペクト比が3である微細パターン基板上に形
成されたBST薄膜の断面イメージであり、ステップカ
バレージに優れることが分かる。また、図9に示すSI
MS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)分析によって
配位子による薄膜内の炭素または窒素原子の汚染が非常
に少ないことを分かる。
【0090】本発明による前駆体Ti(2meip)2
を使用して430℃で蒸着したBST薄膜を利用してP
t/BST/Pt構造の平板型MIMキャパシタを製作
して電気的誘電特性を測定し、図10と図11にその結
果を示した。図6のXRDパターンで確認されたように
ゼロバイアス(zero bias)で停電容量が最も大きく、バ
イアスが増加するほど減少する典型的なペロブスカイト
誘電体の誘電特性を示し、誘電損失係数が1%未満であ
る優秀な絶縁特性を示し、高集積DRAM素子の作動電
圧である±V下で優れた絶縁特性を発揮することが分か
る。
【0091】
【発明の効果】本発明のチタニウム前駆体は薄膜形成に
適した揮発性を有し、気化後に残留物が残らず、酸素雰
囲気で分解される優れた熱的特性を有する。また化学的
安定性が大きく、気化した気体の移送中に、または他の
前駆体と共に使用する際に使用目的に反する反応がな
く、水分に敏感でもないために貯蔵と取扱が容易であ
る。特にBSTなどのような多成分系薄膜製造時に、薄
膜内に炭素または窒素の残留物がほとんど残らず、大面
積の薄膜や段差が大きい薄膜の上下部での組成調節が容
易でステップカバレージが良くて、表面形状に優れる良
質の金属酸化物薄膜を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、本発明によるTi(eip)2前駆
体の窒素雰囲気での温度上昇によるTG−DSCグラフ
である。図1bは、本発明によるTi(2meip)2
前駆体の窒素雰囲気での温度上昇によるTG−DSCグ
ラフである。
【図2】図2aは、本発明によるTi(eip)2前駆
体の減圧(約1.3×102Pa)下で温度上昇による
TG−DSCグラフである。図2bは、本発明によるT
i(2meip)2前駆体の減圧(約1.3×102
a)下で温度上昇によるTG−DSCグラフである。
【図3】本発明による前駆体Ti(2meip)2の空
気雰囲気での温度上昇によるTG−DSCグラフであ
る。
【図4】本発明による前駆体Ti(2meip)2前駆
体と市販の前駆体Ti(mpd)(thd)2、Ti
(O−iPr)2(thd) 2、Ba(meth
d) 2、Sr(methd)2を用いた等温熱分析で誘
導された温度における前駆体の気化速度を示したグラフ
である。
【図5】図5aは、Ti(2meip)2を使用してB
ST薄膜の蒸着時に蒸着温度によるチタニウムとバリウ
ムの含有量の変化を示したグラフである。図5bは、T
i(mpd)(thd)2を使用してBST薄膜の蒸着
時に蒸着温度によるチタニウムとバリウムの含有量の変
化を示したグラフである。
【図6】実施例24で430℃で蒸着されたBST薄膜
のXRD記録図である。
【図7】図7aは、実施例24で430℃で平板型基板
に蒸着されたBST薄膜の走査電子顕微鏡による平面写
真である。図7bは、実施例24で430℃で平板型基
板に蒸着されたBST薄膜の原子間力顕微鏡による表面
イメージである。
【図8】実施例24で430℃で微細パターン構造の基
板に蒸着されたBST薄膜の走査電子顕微鏡断面イメー
ジである。
【図9】実施例24で430℃で蒸着されたBST薄膜
のSIMS記録図である。
【図10】実施例24で430℃で蒸着されたBST薄
膜を利用して製作されたPt/BST/Ptキャパシタ
の電気的誘電特性を表わした図面である。
【図11】実施例24で430℃で蒸着されたBST薄
膜を利用して製作されたPt/BST/Ptキャパシタ
の漏洩電流の密度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 大 植 大韓民国京畿道城南市盆唐區亭子洞 常▲ ろく▼ライトアパート205棟140号 (72)発明者 李 ▲えき▼ 模 大韓民国仁川市富平區富平洞 東亞アパー ト25棟902号 (72)発明者 林 善 權 大韓民国仁川市延壽區▲せい▼鶴洞 ▲せ い▼鶴アパート2棟1505号 (72)発明者 李 完 寅 大韓民国ソウル特別市陽川區牧洞 大林ア パート1012棟1702号 (72)発明者 崔 普 賢 大韓民国慶尚南道金海市上東面大甘里576 番地 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB78 AB91 4H048 AA03 AB78 AB91 VA60 4H049 VN05 VP01 VQ39 VR44 VR52 VU24 VW02 4K030 AA11 BA46 EA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式で示される三座配位子
    (L)。 【化1】 前記式において、R1とR2はそれぞれ炭素数1〜8の直
    鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、R3は炭素数
    1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキレン基である。
  2. 【請求項2】 前記化学式で示される三座配位子(L)
    と+4価のIV族金属(M)からなる化学式M(L)2
    で示されることを特徴とする金属酸化物薄膜製造用有機
    金属前駆体。
  3. 【請求項3】 前記+4価のIV族金属(M)がチタニ
    ウムであることを特徴とする請求項2に記載の金属酸化
    物薄膜製造用有機金属前駆体。
  4. 【請求項4】 +4価のIV族金属(M)と下記化学式
    で示される三座配位子(L)からなる化学式M(L)2
    の錯体を使用して金属酸化物薄膜を形成することを特徴
    とする化学蒸着法。 【化2】 前記式において、R1とR2はそれぞれ炭素数1〜8の直
    鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、R3は炭素数
    1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキレン基である。
  5. 【請求項5】 前記+4価のIV族金属がチタニウムで
    ある化学式Ti(L)2の錯体を使用して金属酸化物薄
    膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の化学蒸
    着法。
  6. 【請求項6】 前記前駆体の気化方法がバブラ方式また
    は気化器方式であることを特徴とする請求項4または5
    に記載の化学蒸着法。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物薄膜が+4価のIV族金
    属を含む多成分系であることを特徴とする請求項4〜6
    のいずれかに記載の化学蒸着法。
  8. 【請求項8】 前記金属酸化物薄膜がチタニウムを含む
    多成分系であることを特徴とする請求項5に記載の化学
    蒸着法。
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