JP2003347102A - 抵抗体ペースト、抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

抵抗体ペースト、抵抗器およびその製造方法

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JP2003347102A
JP2003347102A JP2003004189A JP2003004189A JP2003347102A JP 2003347102 A JP2003347102 A JP 2003347102A JP 2003004189 A JP2003004189 A JP 2003004189A JP 2003004189 A JP2003004189 A JP 2003004189A JP 2003347102 A JP2003347102 A JP 2003347102A
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resistor
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幸一 浦野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低抵抗、かつ低TCRの抵抗体ペースト、抵
抗器およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 銅粉体とニッケル粉体とからなる第1の
混合粉体と、銅とニッケルの合金粉体と、上記第1の混
合粉体と合金粉体とからなる第2の混合粉体の少なくと
もいずれかの粉体からなる導電性金属粉体と、導電性金
属粉体100重量部に対して1〜10重量部のガラス粉
体と、1〜10重量部の銅酸化物粉体と、1〜12重量
部のアルミニウム酸化物粉体と、樹脂と溶剤を含むビヒ
クルとから抵抗体ペーストを作り、この抵抗体ペースト
を抵抗体として絶縁性基体上に形成し、抵抗器とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電流検出
回路等に使用する抵抗体ペースト、抵抗器およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器等の小型化とともに、機
器に使用する電子部品、特にチップ部品の小型化が要請
されてきている。また、チップ部品の用途として、例え
ば、電子回路や電源回路における電流検出等に用いるた
め、低抵抗値で、かつ、低TCR(抵抗値の温度係数)
特性を有するものも要求されている。
【0003】抵抗器として、例えば、銀(Ag)−パラ
ジウム(Pd)合金をガラス混合物等と混ぜて、低抵抗
特性を得るものが、従来、提案されている(例えば、特
許文献1の記載を参照)。また、特許文献2において、
低抵抗のチップ抵抗器や抵抗体を実現する方法として、
抵抗体ペーストに銅/ニッケル合金粉を用い、これにガ
ラスフリットを添加した混合粉体を無機組成物とするチ
ップ抵抗器の製造技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平3−270104号公報
【特許文献2】特開平10−144501号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た銀−パラジウム合金による抵抗器では、その抵抗値を
100mΩ以下にできても、TCRが±500ppm/
℃〜±800ppm/℃となり、低抵抗器として所望の
特性が得られない。また、パラジウムそのものが、組成
材料として高価であるという問題がある。
【0006】また、銅/ニッケル合金を用いた従来の抵
抗器では、銅/ニッケルの合金比率や焼成温度を変える
ことで、低TCR特性を得ているため、製造工程が複雑
になるという問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡
単な工程によって、低抵抗かつ低TCR(例えば、10
0mΩ以下の抵抗値で、TCRが±100ppm/℃)
の抵抗体ペースト、抵抗器およびその製造方法を提供す
ることである。
【0008】かかる目的を達成し、上述した課題を解決
する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すな
わち、本発明に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケ
ル粉体とからなる第1の混合粉体と、銅とニッケルの合
金粉体と、上記第1の混合粉体と上記合金粉体とからな
る第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる
導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、ア
ルミニウム酸化物粉体と、樹脂と溶剤を含むビヒクルと
からなることを特徴とする。
【0009】例えば、上記銅酸化物はCu2OまたはC
uOであり、上記アルミニウム酸化物はAl23である
ことを特徴とする。
【0010】また、上述した課題を解決する他の手段と
して、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明
に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケル粉体とから
なる第1の混合粉体と、銅とニッケルの合金粉体と、上
記第1の混合粉体と上記合金粉体とからなる第2の混合
粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉
体を100重量部としたときに、上記導電性金属粉体1
00重量部に対してガラス粉体を1乃至10重量部、銅
酸化物粉体を1乃至10重量部、アルミニウム酸化物粉
体を1乃至12重量部それぞれ配合し、上記導電性金属
粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とアルミニウム酸化物
粉体の混合物100重量部に対して、樹脂と溶剤を含む
ビヒクルを10乃至15重量部配合したことを特徴とす
る。
【0011】さらに、上述した課題を解決する他の手段
として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発
明に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上の
形成された銅とニッケルとからなる金属成分と、銅酸化
物とアルミニウム酸化物とからなる金属酸化物成分とを
有する抵抗体とからなることを特徴とする。
【0012】例えば、上記抵抗体は、上記金属成分10
0重量部に対して、上記銅酸化物を1乃至10重量部
と、アルミニウム酸化物を1乃至12重量部含むことを
特徴とする。
【0013】また、上述した課題を解決する他の手段と
して、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明
に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上の形
成された銅とニッケルとからなる金属成分と、銅酸化物
とアルミニウム酸化物とからなる金属酸化物成分と、ガ
ラス成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とす
る。
【0014】例えば、上記抵抗体は、上記金属成分10
0重量部に対して、上記銅酸化物を1乃至10重量部
と、アルミニウム酸化物を1乃至12重量部と、上記ガ
ラス成分を1乃至10重量部含むことを特徴とする。
【0015】また、例えば、上記銅酸化物はCu2Oま
たはCuOであり、上記アルミニウム酸化物はAl23
であることを特徴とする。
【0016】上述した課題を解決する他の手段として、
例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る
抵抗器は、絶縁基材上に裏面電極と表面電極を設け、上
記表面電極間に抵抗層を配するとともに、上記絶縁基材
の両端部に上記裏面電極と表面電極とを連絡する電極を
形成してなる抵抗器であって、上記抵抗層を構成する抵
抗体は、銅粉体およびニッケル粉体の混合粉体に、上記
混合粉体全体の1乃至12%のアルミニウム酸化物粉末
と、上記混合粉体全体の5%の銅酸化物と、上記混合粉
体全体の5%のガラス粉末と、上記混合粉体と上記アル
ミニウム酸化物粉末と上記銅酸化物と上記ガラス粉末の
全体量に対して略12%のビヒクルとを添加してなるこ
とを特徴とする。
【0017】さらに、上述した課題を解決する他の手段
として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発
明に係る抵抗器の製造方法は、絶縁基材上に裏面電極と
表面電極を設けるステップと、上記表面電極間に抵抗体
により抵抗層を配するステップと、上記絶縁基材の両端
部に上記裏面電極と表面電極とを連絡する端部電極を形
成するステップとを備え、上記抵抗体は、銅とニッケル
とからなる金属成分と、銅酸化物とアルミニウム酸化物
とからなる金属酸化物成分と、ガラス成分とからなるこ
とを特徴とする。
【0018】例えば、上記抵抗体は、上記金属成分10
0重量部に対して、上記銅酸化物を1乃至10重量部
と、上記アルミニウム酸化物を1乃至12重量部と、上
記ガラス成分を1乃至10重量部とを添加してなること
を特徴とする。
【0019】さらには、上述した課題を解決する他の手
段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本
発明に係る抵抗器の製造方法は、絶縁基材上に裏面電極
と表面電極を設けるステップと、上記表面電極間に抵抗
体により抵抗層を配するステップと、上記絶縁基材の両
端部に上記裏面電極と表面電極とを連絡する端部電極を
形成するステップとを備え、上記抵抗体は、銅粉体およ
びニッケル粉体の混合粉体に、上記混合粉体全体の1乃
至12%のアルミニウム酸化物粉末と、上記混合粉体全
体の5%の銅酸化物と、上記混合粉体全体の5%のガラ
ス粉末と、上記混合粉体と上記アルミニウム酸化物粉末
と上記銅酸化物と上記ガラス粉末の全体量に対して略1
2%のビヒクルとを添加してなることを特徴とする。
【0020】例えば、上記アルミニウム酸化物はAl2
3であり、上記抵抗体の抵抗温度係数の調整剤として
機能することを特徴とする。また、例えば、上記銅粉体
およびニッケル粉体の混合粉体は、上記抵抗体の焼成時
に合金化されることを特徴とする。また、例えば、上記
銅酸化物はCu2OまたはCuOであることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面および表を参照し
て、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。本実
施の形態例においては、例えば、銅粉体およびニッケル
粉体の混合粉体と、この混合粉体に混合するアルミニウ
ム酸化物粉末と、銅酸化物と、ガラス粉体と、ビヒクル
とから抵抗組成物である抵抗体ペーストを作製し、この
抵抗体ペーストを用いて抵抗器を製造することが好まし
い。
【0022】上記の抵抗体ペーストとしては、銅粉体と
ニッケル粉体とからなる第1の混合粉体と、銅とニッケ
ルの合金粉体と、第1の混合粉体と合金粉体とからなる
第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導
電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1〜
10重量部、銅酸化物粉体を1〜10重量部、アルミニ
ウム酸化物粉体を1〜12重量部それぞれ配合し、上記
の導電性金属粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とアルミ
ニウム酸化物粉体の混合物100重量部に対して、樹脂
と溶剤を含むビヒクルを10〜15重量部配合したもの
が好ましい。
【0023】上記のガラス粉体の混合割合としては、ガ
ラス粉体が1重量部未満の場合には抵抗体と絶縁性基体
との密着性が低下し、10重量部を超えると抵抗値が所
望とする抵抗値より大きくなり、また、TCRがマイナ
ス方向に大きくなってしまうので、好ましくない。
【0024】銅酸化物粉体の混合割合については、銅酸
化物粉体が1重量部未満の場合には抵抗体と絶縁性基体
との密着性が低下するので好ましくない。一方、銅酸化
物粉体が10重量部を超えると、TCRがプラス方向に
大きくなってしまうばかりでなく、抵抗膜が多孔質状に
なったり、焼結性が悪化したり、抵抗膜の平滑性が損な
われるので好ましくない。
【0025】アルミニウム酸化物粉体の混合割合として
は、アルミニウム酸化物粉体が1重量部未満の場合に
は、抵抗値が所望とする抵抗値より小さくなり、また、
TCRがプラス方向に大きくなってしまうので、好まし
くない。一方、アルミニウム酸化物粉体が12重量部を
超えると、抵抗値が所望とする抵抗値より大きくなり、
TCRがマイナス方向に大きくなるばかりでなく、抵抗
膜の表面に空隙(ボイド)が発生するので、好ましくな
い。
【0026】また、樹脂と溶剤からなるビヒクルの上記
配合割合としては、ビヒクルが10重量部未満の場合に
は抵抗体ペーストの粘度が高く、印刷性が悪くなる。一
方、ビヒクルが15重量部を超えると、抵抗体ペースト
の粘度が低く、印刷性が悪くなり、好ましくない。
【0027】また、抵抗体ペーストの導電性金属混合材
料である金属粉体(銅、ニッケルの各粉体)は、基板上
へのスクリーン印刷法で使用可能な範囲の粒径を有する
ことが好ましく、例えば、粒径0.1μm〜20μmの
範囲にあり、より好ましくは0.1μm〜5μmの範囲
である。
【0028】図1は、本実施の形態例に係る角型チップ
抵抗器(以下、単にチップ抵抗器ともいう)の断面構成
を示している。同図において、基板1は、所定サイズの
形状(チップ形状)を有する、例えば、電気絶縁性のセ
ラミックス基板(絶縁性基体)であり、その基板1の上
には、後述する成分からなる抵抗体を印刷(例えば、ス
クリーン印刷)後、焼成した抵抗層2が形成されてい
る。
【0029】抵抗層2は、プリガラス7で覆われ、さら
にその上には、絶縁膜として機能する保護膜3が配され
ている。基板1の上面端部であって、抵抗層2の両端に
は、それと電気的に接触する上部電極(表面電極)4
a,4bが形成されている。また、基板下部の端部に
は、下部電極(裏面電極)5a,5bが形成されてい
る。そして、基板1の各端部側面には、上部電極4a,
4bと下部電極5a,5bとを電気的に接続するための
端部電極6a,6bが配されている。
【0030】さらに、下部電極5aと端部電極6aを覆
うように外部電極(メッキ)8aが施され、同様に、下
部電極5bと端部電極6bを覆うように外部電極(メッ
キ)8bが形成されている。
【0031】本実施の形態例に係るチップ抵抗器におい
て、抵抗層2には、その主導電成分として、後述する比
率で配合した銅/ニッケル(Cu/Ni)を使用する。
本実施の形態例では、抵抗層2の形成に使用する抵抗体
ペーストには、銅粉体とニッケル粉体の混合粉体を使用
し、この粉体を焼成時に合金化する。
【0032】本実施の形態例に係る抵抗体ペーストに用
いる銅粉体としては、スクリーン印刷で使用できる範囲
の粒径であることが好ましく、例えば、粒径0.1〜5
μmが好ましく、これらの中でも、平均粒径2μm以下
のものが特に好ましい。また、ニッケル粉体について
も、スクリーン印刷で使用できる範囲の粒径であること
が好ましく、例えば、粒径0.1〜5μmが好ましく、
その中でも平均粒径2μm以下のものが特に好ましい。
【0033】なお、本実施の形態例に係る抵抗体ペース
トにおいては、上述した銅粉体とニッケル粉体の混合粉
体に代えて、銅/ニッケルの合金粉体を使用することが
できる。この場合における、銅およびニッケルの合金粉
体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲の粒径で
あることが好ましく、例えば、粒径0.1〜5μmが好
ましい。さらには、平均粒径2μm以下のものが特に好
ましい。
【0034】また、本実施の形態例に係る抵抗体ペース
トにおいては、銅粉体とニッケル粉体の混合粉体と、銅
/ニッケルの合金粉体とを混合したものを、導電性金属
粉体として用いてもよい。いずれの場合においても、最
終的に合算した銅とニッケルの混合比率が、後述する比
率であれば、同様の作用効果を得ることができる。
【0035】本実施の形態例に係る抵抗体ペーストによ
り抵抗器を製造する場合における抵抗体ペーストの焼成
方法等については、その抵抗体ペーストを中性雰囲気
中、または不活性雰囲気中、例えば、窒素雰囲気中にお
いて、600〜1000℃で焼成するのが好ましい。な
お、抵抗体ペーストの焼成時間は、任意に設定すること
ができる。かかる焼成により、銅−ニッケル系抵抗体、
より好ましくは、銅−ニッケル合金抵抗体を得ることが
できる。
【0036】図2は、本実施の形態例に係るチップ抵抗
器の製造工程(チップ化工程)を示している。同図のス
テップS11では、上述した基板1を製造する工程を実
行する。基板1の絶縁性基体として、例えば、アルミナ
系基板、フォルステライト系基板、ムライト系基板、窒
化アルミニウム系基板、ガラスセラミック系基板等を用
いることができる。
【0037】ここでは、基板1としてアルミナ96wt
%のアルミナ基板を使用する。また、製造単位の大きさ
の、矩形の基板1を製造するが、その単位は任意であ
り、1つのチップ抵抗器ごとであっても、あるいは数十
個を同時に製造してもよい。
【0038】続くステップS12において、基板1の下
面(当該チップ抵抗器の実装時のはんだ面)に、例え
ば、スクリーン印刷により裏面電極の厚膜印刷をし、焼
成する。そして、ステップS13で、基板1の上面(抵
抗体を形成する側)に、表面電極の厚膜印刷、および焼
成を行う。
【0039】ここでは、裏面および表面ともに厚膜印刷
する電極材料として銅ペーストを使用することで、従来
の抵抗器のように、銀のエレクトロニックマイグレーシ
ョンによる信頼性低下の問題を回避している。また、電
極である銅の酸化を防止するため、不活性雰囲気(例え
ば、窒素(N2)雰囲気)の中、例えば、960℃で1
0分間、焼成して電極を形成する。なお、焼成温度は、
980℃でもよい。
【0040】ステップS14では、抵抗体の厚膜を形成
する。ここでは、上述したように、抵抗体の主導電成分
として銅/ニッケル(Cu/Ni)を使用し、後述する
配合比で、金属酸化物として酸化アルミニウム(Al2
3)を添加するとともに、酸化第一銅(Cu2O)また
は酸化第二銅(CuO)、ガラス(ガラス粉体)、およ
びビヒクルを添加してペースト化したものを抵抗体ペー
ストとする。そして、この抵抗体を、窒素(N2)雰囲
気の中、例えば、960℃で焼成する。なお、焼成温度
は、980℃でもよい。
【0041】抵抗体をペースト化するための、樹脂と溶
剤を含むビヒクルは、抵抗体ペーストを印刷に適した粘
度とする配合量であることが好ましい。また、印刷性に
よっては、適宜、配合量を変えてもよい。
【0042】ここでは、金属酸化物(Al23)の添加
により、抵抗体のTCRがマイナス方向となる傾向をも
たせ、抵抗値を上げている。また、Cu2Oの添加によ
り、基板と抵抗体との良好な接着が得られ、ガラス(詳
細は後述する)によって、無機バインダー膜の強度が得
られる。さらに、ビヒクル(詳細は後述する)は、有機
バインダーによる印刷適正が得られるよう機能する。
【0043】本実施の形態例に係る抵抗体ペーストに使
用するガラス粉体は、その抵抗体ペーストで抵抗体層を
形成する絶縁性基体との密着性、および抵抗体としての
必要な種々の安定性を有するだけでなく、作業性の観点
から軟化点が500〜1000℃で、その組成として、
耐酸性、耐水性を有する硼珪酸系ガラスが好ましい。
【0044】よって、ガラス粉体として、例えば、硼珪
酸バリウム系ガラス、硼珪酸カルシウム系ガラス、硼珪
酸バリウムカルシウム系ガラス、硼珪酸亜鉛系ガラス、
硼酸亜鉛系ガラス等を用いることができる。また、ガラ
ス粉体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲内に
あり、例えば、粒径0.1μm〜20μmが好ましく
(より好ましくは0.1μm〜5μm)、特に平均粒径
2μm以下のものが好ましい。
【0045】本実施の形態例において、銅酸化物粉体の
銅酸化物は、抵抗体ペーストで抵抗体層を形成する絶縁
性基体との密着性、および抵抗体としての必要な種々の
安定性を有する材料が好ましく、上述したように、Cu
2Oを用いる。また、銅酸化物粉体の粒径は、スクリー
ン印刷で使用できる範囲にある粒径であって、例えば、
粒径0.1μm〜20μmが好ましく(より好ましくは
0.1μm〜5μm)、特に平均粒径2μm以下のもの
が好ましい。
【0046】一方、本実施の形態例に係る抵抗体ペース
トにおける、樹脂と溶剤からなるビヒクルに使用される
樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、アクリル系
樹脂、アルキッド系樹脂等を、単独で、あるいは組み合
わせて使用することができる。より具体的には、例え
ば、エチルセルロース、エチルアクリレート、ブチルア
クリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアク
リレート等を挙げることができる。
【0047】また、抵抗体ペーストにおける樹脂と溶剤
からなるビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、
テルペン系溶剤、エステルアルコール系溶剤、芳香族炭
化水素系溶剤、エステル系溶剤等を、単独で、あるいは
組み合わせて使用することができる。より具体的には、
例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、テ
キサノール、キシレン、イソプロピルベンゼン、トルエ
ン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢
酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることが
できる。
【0048】なお、ビヒクルの構成は、上記の樹脂と溶
剤に限らず、抵抗体ペーストの特性を向上させるため
に、種々の添加剤を加えてもよい。
【0049】ステップS15では、既に形成された抵抗
体の上にプリガラスコート厚膜を印刷し、それを乾燥さ
せた後、焼成を行う。ここでは、ガラスとして、例え
ば、ZnSiOx系ガラスを使用し、窒素(N2)雰囲
気の中、690℃で焼成して、プリガラスコートを形成
する。
【0050】なお、ガラスペーストは、ZnSiOx系
ガラスペーストに限るものではなく、上述した硼珪酸バ
リウム系ガラス、硼珪酸カルシウム系ガラス、硼珪酸バ
リウムカルシウム系ガラス、硼珪酸亜鉛系ガラス、硼酸
亜鉛系ガラス等を用いることができる。
【0051】ステップS16において、必要に応じて抵
抗値のトリミングを行う。このトリミングは、例えば、
レーザビームやサンドブラスト等によって、抵抗体のパ
ターンに切れ込みを入れることによって抵抗値を調整す
る。そして、ステップS17で、例えば、プリガラスコ
ートと上部電極4a,4bを覆うようにエポキシ系樹脂
をスクリーン印刷等によって形成し、それを硬化させ
て、絶縁膜としての機能をも有する保護膜3であるオー
バーコートを形成する。
【0052】その後、必要に応じてオーバーコート(保
護膜3)上にエポキシ系樹脂を印刷し、それを硬化させ
て、抵抗値等を表示するための表示部を形成する。
【0053】さらに、ステップS18において、Aブレ
イク(1次ブレイク)を行い、アルミナ基板を短冊状に
分割する。続くステップS19で、短冊上のアルミナ基
板の端面にスッパタリング法によりNiCr合金膜を形
成し、端部電極6a,6bを形成する。なお、NiCr
合金膜の形成は、スパッタリング法に限定されるもので
はなく、蒸着等により形成してもよい。
【0054】ステップS20で、Bブレイク(2次ブレ
イク)を行い、端部電極6a,6bを形成した短冊状の
アルミナ基板をさらに分割し、個片(チップ)にする。
得られた個片(チップ)の大きさは、例えば、3.2m
m×1.6mmである。そして、ステップS21におい
て、上部電極4a,4bのうち、保護膜3で覆われてい
ない部分と、下部電極5a,5b、および端部電極6
a,6b上に外部電極8a,8bを形成する。
【0055】外部電極8a,8bは、例えば、順に、電
解ニッケル(Ni)メッキ―電解銅(Cu)メッキ―電
解ニッケル(Ni)メッキ―電解錫(Sn)メッキを施
し、Ni膜―Cu膜―Ni膜―Sn膜が積層した状態と
する。
【0056】このようにして製造された、チップサイズ
3.2mm×1.6mmの抵抗器は、例えば、基板厚さ
470μm、上面電極厚さ20μm、下面電極厚さ20
μm、抵抗体層厚さ30〜40μm、プリガラスコート
厚さ10μm、保護膜厚さ30μm、端部電極厚さ0.
05μm、外部電極厚さは、順にNi膜厚さ3〜7μ
m、Cu膜厚さ20〜30μm、Ni膜厚さ3〜12μ
m、Sn膜厚さ3〜12μmに形成されている。
【0057】次に、本実施の形態例に係るチップ抵抗器
の抵抗体である抵抗体ペーストの具体的な成分配合につ
いて説明する。以下の表1〜表4は、抵抗体における各
ペーストの配合を示しており、金属酸化物としてのAl
23の添加量を変えたときの各抵抗体ペーストの特性で
ある。
【0058】また、以下の例では、銅粉体として平均粒
径2μmのものを、ニッケル粉体として平均粒径2μm
のものを使用し、ガラスとして硼珪酸鉛ガラスの粉体
(平均粒径2μm)を添加した。Cu2O粉体として
は、平均粒径2μmのものを使用している。
【0059】[抵抗体ペーストの成分配合−第1の例]
表1は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの成分配
合について、第1の例を示しており、その主導電成分と
しての銅/ニッケル(Cu/Ni)の配合比を60/4
0とした各抵抗体ペースト(試料番号1〜9)の特性で
ある。
【0060】表1中におけるガラス(硼珪酸鉛ガラ
ス)、Cu2O、およびビヒクルの配合量は、それぞれ
5重量部、5重量部、12重量部であり、金属酸化物
(Al23)の添加量は、上述したように試料ごとに異
なっている。なお、試料の焼成膜厚は40μmである。
【0061】
【表1】
【0062】第1の例のうち、試料番号1の抵抗体ペー
ストは、Al23の添加量を0(つまり、Cu/Niの
みの抵抗体ペースト)とした例である。この場合、電極
材料である銅(Cu)のTCRを背負ってしまい、最終
製品としてのTCRが、目標値(例えば、±100pp
m/℃)を越える可能性がある。また、試料番号8,9
の抵抗体ペーストについては、セロテープ(登録商標)
による試験で剥離が生じた。そこで、表1中の試料番号
2〜7に示す抵抗体ペーストを採用する。
【0063】このように、Cu/Niへ金属酸化物(A
23)を添加することにより、目標とする低抵抗値、
低TCRの角型チップ抵抗器を実現することができた。
なお、表1中の抵抗値は、抵抗体ペーストにより、サイ
ズ3.2mm×1.6mmのチップ抵抗器としたときの
値である。
【0064】[抵抗体ペーストの成分配合−第2の例]
表2は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの成分配
合についての第2の例であり、主導電成分としての銅/
ニッケル(Cu/Ni)の配合比を40/60とした各
抵抗体ペースト(試料番号1〜9)の特性である。表2
中におけるガラス(硼珪酸鉛ガラス)、Cu2O、およ
びビヒクルの配合量と、金属酸化物(Al23)の添加
量は、上記第1の例の場合と同じである。また、試料の
焼成膜厚は40μmである。
【0065】
【表2】
【0066】表2に示す試料番号1の抵抗体ペースト
は、金属酸化物としてのAl23を添加しない、従来に
おけるCu/Niのみの抵抗体ペーストである。この抵
抗体ペーストは、抵抗温度特性が126ppm/℃と大
きく、実際の使用には適していない。また、試料番号
8,9の抵抗体ペーストについては、抵抗体表面に多数
の空隙(ボイド)が散見された。
【0067】よって、ここでは、Cu/Niへの金属酸
化物(Al23)の添加量を1〜12重量部としたもの
を、目標とする低抵抗値、低TCRの角型チップ抵抗器
を実現できる抵抗体ペーストとして採用する。なお、こ
こでも、抵抗値は、抵抗体ペーストにより、サイズ3.
2mm×1.6mmのチップ抵抗器としたときの測定値
である。
【0068】[抵抗体ペーストの成分配合−第3の例]
表3は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの成分配
合についての第3の例に対応する配合表である。表3に
示す特性は、抵抗体ペーストの主導電成分としての銅/
ニッケル(Cu/Ni)の配合比を55/45としたと
きの電気的な特性である(試料番号1〜9)。
【0069】表3中におけるガラス(硼珪酸鉛ガラ
ス)、Cu2O、およびビヒクルの配合量は、それぞれ
5重量部、5重量部、12重量部であり、金属酸化物
(Al23)の添加量を、1〜20重量部の範囲で変え
て混錬して得た抵抗体ペーストについて、その特性を測
定した。なお、試料の焼成膜厚は40μmである。
【0070】
【表3】
【0071】第3の例のうち、試料番号1の抵抗体ペー
ストは、Al23を添加しない、Cu/Niのみの抵抗
体ペーストの例(従来例)である。従来例の場合、抵抗
温度特性が80ppm/℃であり、他の試料に比べて値
が高い。また、試料番号8,9の抵抗体ペーストについ
ては、セロテープ(登録商標)による試験で剥離が生じ
た。そこで、表3中の試料番号2〜7に示す抵抗体ペー
ストを採用する。
【0072】この例においても、Cu/Niへ金属酸化
物(Al23)を添加することにより、目標とする低抵
抗値、低TCRの角型チップ抵抗器を実現することがで
きた。なお、抵抗値は、抵抗体ペーストにより、サイズ
3.2mm×1.6mmのチップ抵抗器としたときの値
である。
【0073】[抵抗体ペーストの成分配合−第4の例]
表4は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの成分配
合についての第4の例を示しており、主導電成分として
の銅/ニッケル(Cu/Ni)の配合比は、上記の第3
の例と同様、55/45である。ここでは、表4中の試
料番号1〜6それぞれにおいて、ガラス(硼珪酸鉛ガラ
ス)、Cu2O、ビヒクルの配合量、および、金属酸化
物(Al23)の添加量を変えた。また、試料の焼成膜
厚は40μmである。
【0074】
【表4】
【0075】表4に示す試料番号1〜6の抵抗体ペース
トの抵抗温度特性は、いずれも低い値を示している。試
料番号1,6の特性を比較すると、金属酸化物としての
Al 23の添加量だけを変え、他の成分の配合比を同一
とした場合でも、抵抗温度特性と抵抗値とに大きな差異
が生じることが分かる。なお、表4に示す抵抗体ペース
トによる抵抗体は、その外観に特に問題はなかった。
【0076】ここでは、Cu/Niへの金属酸化物(A
23)の添加量が1〜10重量部としたものを、目標
とする低抵抗値、低TCRの角型チップ抵抗器を実現で
きる抵抗体ペーストとした。抵抗値は、サイズ3.2m
m×1.6mmのチップ抵抗器としたときの測定値であ
る。
【0077】なお、本実施の形態例に係る抵抗体ペース
トの銅/ニッケル(Cu/Ni)の配合比は、上述した
第1〜第4の例に限定されず、例えば、Cu/Ni=
(40〜60)/(40〜60)で、その合計が100
となる範囲内にある混合比も含まれる。
【0078】以上説明したように、本実施の形態例によ
れば、主導電成分としての銅/ニッケル(Cu/Ni)
に金属酸化物(Al23)を添加してペースト化したも
のを抵抗器の抵抗体として使用することで、TCRをマ
イナス方向への傾向を持たせることができ、結果とし
て、低抵抗値で低TCR、かつ、高精度の抵抗器の製造
が可能となる。
【0079】また、低抵抗値で低TCRの抵抗体ペース
トによって、高信頼性、高性能のチップ抵抗器を製造で
き、その抵抗器は、電源回路やモーター回路等の電流検
出抵抗器(シャント抵抗器)としての用途に最適なもの
となる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Cu/Niへの金属酸化物の添加により、低抵抗かつ低
TCRの抵抗体ペーストおよび抵抗器を製造することが
できる。
【0081】すなわち、本発明によれば、金属酸化物の
添加量を変えることにより、100mΩ以下の抵抗値
で、TCRが±100ppm/℃の抵抗器を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係るチップ抵抗器の断
面構成を示す図である。
【図2】実施の形態例に係るチップ抵抗器の製造工程を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 基板 2 抵抗層 3 保護膜 4a,4b 上部電極(表面電極) 5a,5b 下部電極(裏面電極) 6a,6b 端部電極 7 プリガラス 8a,8b 外部電極(メッキ)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅粉体とニッケル粉体とからなる第1の
    混合粉体と、銅とニッケルの合金粉体と、前記第1の混
    合粉体と前記合金粉体とからなる第2の混合粉体の少な
    くともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体と、 ガラス粉体と、 銅酸化物粉体と、 アルミニウム酸化物粉体と、 樹脂と溶剤を含むビヒクルとからなることを特徴とする
    抵抗体ペースト。
  2. 【請求項2】 前記銅酸化物はCu2OまたはCuOで
    あり、前記アルミニウム酸化物はAl23であることを
    特徴とする請求項1記載の抵抗体ペースト。
  3. 【請求項3】 銅粉体とニッケル粉体とからなる第1の
    混合粉体と、銅とニッケルの合金粉体と、前記第1の混
    合粉体と前記合金粉体とからなる第2の混合粉体の少な
    くともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体を100
    重量部としたときに、 前記導電性金属粉体100重量部に対してガラス粉体を
    1乃至10重量部、銅酸化物粉体を1乃至10重量部、
    アルミニウム酸化物粉体を1乃至12重量部それぞれ配
    合し、 前記導電性金属粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とアル
    ミニウム酸化物粉体の混合物100重量部に対して、樹
    脂と溶剤を含むビヒクルを10乃至15重量部配合した
    ことを特徴とする抵抗体ペースト。
  4. 【請求項4】 絶縁性基体と、 前記絶縁性基体上の形成された銅とニッケルとからなる
    金属成分と、銅酸化物とアルミニウム酸化物とからなる
    金属酸化物成分とを有する抵抗体とからなることを特徴
    とする抵抗器。
  5. 【請求項5】 前記抵抗体は、前記金属成分100重量
    部に対して、前記銅酸化物を1乃至10重量部と、前記
    アルミニウム酸化物を1乃至12重量部含むことを特徴
    とする請求項4記載の抵抗器。
  6. 【請求項6】 絶縁性基体と、 前記絶縁性基体上の形成された銅とニッケルとからなる
    金属成分と、銅酸化物とアルミニウム酸化物とからなる
    金属酸化物成分と、ガラス成分とを有する抵抗体とから
    なることを特徴とする抵抗器。
  7. 【請求項7】 前記抵抗体は、前記金属成分100重量
    部に対して、前記銅酸化物を1乃至10重量部と、前記
    アルミニウム酸化物を1乃至12重量部と、前記ガラス
    成分を1乃至10重量部含むことを特徴とする請求項6
    記載の抵抗器。
  8. 【請求項8】 前記銅酸化物はCu2OまたはCuOで
    あり、前記アルミニウム酸化物はAl23であることを
    特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の抵抗器。
  9. 【請求項9】 絶縁基材上に裏面電極と表面電極を設
    け、前記表面電極間に抵抗層を配するとともに、前記絶
    縁基材の両端部に前記裏面電極と表面電極とを連絡する
    電極を形成してなる抵抗器であって、 前記抵抗層を構成する抵抗体は、銅粉体およびニッケル
    粉体の混合粉体に、前記混合粉体全体の1乃至12%の
    アルミニウム酸化物粉末と、前記混合粉体全体の5%の
    銅酸化物と、前記混合粉体全体の5%のガラス粉末と、
    前記混合粉体と前記アルミニウム酸化物粉末と前記銅酸
    化物と前記ガラス粉末の全体量に対して略12%のビヒ
    クルとを添加してなることを特徴とする抵抗器。
  10. 【請求項10】 前記アルミニウム酸化物はAl23
    あり、前記抵抗体の抵抗温度係数の調整剤として使用す
    ることを特徴とする請求項9記載の抵抗器。
  11. 【請求項11】 前記銅粉体およびニッケル粉体の混合
    粉体は、前記抵抗体の焼成時に合金化されることを特徴
    とする請求項9記載の抵抗器。
  12. 【請求項12】 前記銅酸化物はCu2OまたはCuO
    であることを特徴とする請求項9記載の抵抗器。
  13. 【請求項13】 抵抗器の製造方法であって、 絶縁基材上に裏面電極と表面電極を設けるステップと、 前記表面電極間に抵抗体により抵抗層を配するステップ
    と、 前記絶縁基材の両端部に前記裏面電極と表面電極とを連
    絡する端部電極を形成するステップとを備え、 前記抵抗体は、銅とニッケルとからなる金属成分と、銅
    酸化物とアルミニウム酸化物とからなる金属酸化物成分
    と、ガラス成分とからなることを特徴とする抵抗器の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記抵抗体は、前記金属成分100重
    量部に対して、前記銅酸化物を1乃至10重量部と、前
    記アルミニウム酸化物を1乃至12重量部と、前記ガラ
    ス成分を1乃至10重量部とを添加してなることを特徴
    とする請求項13記載の抵抗器の製造方法。
  15. 【請求項15】 抵抗器の製造方法であって、 絶縁基材上に裏面電極と表面電極を設けるステップと、 前記表面電極間に抵抗体により抵抗層を配するステップ
    と、 前記絶縁基材の両端部に前記裏面電極と表面電極とを連
    絡する端部電極を形成するステップとを備え、 前記抵抗体は、銅粉体およびニッケル粉体の混合粉体
    に、前記混合粉体全体の1乃至12%のアルミニウム酸
    化物粉末と、前記混合粉体全体の5%の銅酸化物と、前
    記混合粉体全体の5%のガラス粉末と、前記混合粉体と
    前記アルミニウム酸化物粉末と前記銅酸化物と前記ガラ
    ス粉末の全体量に対して略12%のビヒクルとを添加し
    てなることを特徴とする抵抗器の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記アルミニウム酸化物はAl23
    あり、前記抵抗体の抵抗温度係数の調整剤として機能す
    ることを特徴とする請求項15記載の抵抗器の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記銅粉体およびニッケル粉体の混合
    粉体は、前記抵抗体の焼成時に合金化されることを特徴
    とする請求項15記載の抵抗器の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記銅酸化物はCu2OまたはCuO
    であることを特徴とする請求項15記載の抵抗器の製造
    方法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103594212A (zh) * 2012-08-17 2014-02-19 三星电机株式会社 片式电阻器及其制造方法
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JP2015046567A (ja) * 2013-07-31 2015-03-12 三ツ星ベルト株式会社 抵抗体ペースト及びその製造方法並びに抵抗体及びその用途
CN104942284A (zh) * 2014-03-27 2015-09-30 比亚迪股份有限公司 一种改性铜粉及其制备方法和电子浆料
JP2015176914A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 Koa株式会社 導電性セラミックスおよびその製造方法
CN105499559A (zh) * 2014-09-24 2016-04-20 比亚迪股份有限公司 一种改性铜粉及其制备方法和电子浆料
CN106180746A (zh) * 2016-07-06 2016-12-07 江苏理工学院 一种电工合金用铜银粉末的制备方法
US10249549B2 (en) 2015-07-31 2019-04-02 Murata Manufacturing Co., Ltd. Ceramic circuit board, electronic circuit module, and method for manufacturing electronic circuit module

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