JP2010010405A - 抵抗体ペースト、厚膜抵抗体及び厚膜基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、700℃以下の焼成条件であっても、低抵抗値、低TCRであり、かつ、各種信頼性試験における抵抗値変化率が小さい、厚膜抵抗体を与えうる抵抗体ペーストを提供することである。
【解決手段】(A)銅粉とニッケル粉の混合粉からなり、銅粉とニッケル粉の重量比が、Cu/Ni=69/31〜71/29である導電性粉末、(B)ガラス粉末、(C)銅酸化物粉末、(D)酸化スズ粉末、パラジウム粉末及び酸化亜鉛粉末からなる群より選択される1種以上の粉末、並びに(E)アクリル樹脂及び/又はセルロース樹脂と溶剤からなるビヒクルを含み、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が12〜25重量部、(C)成分が1〜10重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が10〜40重量部であることを特徴とする抵抗体ペーストである。
【選択図】なし
【解決手段】(A)銅粉とニッケル粉の混合粉からなり、銅粉とニッケル粉の重量比が、Cu/Ni=69/31〜71/29である導電性粉末、(B)ガラス粉末、(C)銅酸化物粉末、(D)酸化スズ粉末、パラジウム粉末及び酸化亜鉛粉末からなる群より選択される1種以上の粉末、並びに(E)アクリル樹脂及び/又はセルロース樹脂と溶剤からなるビヒクルを含み、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が12〜25重量部、(C)成分が1〜10重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が10〜40重量部であることを特徴とする抵抗体ペーストである。
【選択図】なし
Description
本発明は、抵抗体ペースト、これを用いた厚膜抵抗体及び厚膜基板の製造方法に関する。
従来から提案されている抵抗体ペーストには、例えば、銀/パラジウム合金粉末をガラス粉末等と混合したもので、焼成後に低抵抗特性が得られるものがある。また、低抵抗のチップ抵抗器や抵抗体向けの抵抗体ペーストとして、銅粉末とニッケル粉末の混合粉末、又は銅/ニッケル合金粉末にガラスフリット等を添加したものであって、アルミナ基板に印刷した後、窒素雰囲気中で加熱処理し、銅−ニッケル合金抵抗体を形成するためのものが提案されている(特許文献1、2)。
また、温度抵抗係数(TCR)の小さい厚膜抵抗体を得るために、銅粉末とニッケル粉末とガラス粉末と銅酸化物とビヒクルからなる抵抗体ペーストも開示されている(特許文献3)。
焼成後に低抵抗、低TCRの厚膜を得るために、銅粉末、ニッケル粉末、ガラス粉末及び銅酸化物に、更に、マンガン粉末を添加した抵抗体ペーストも開示されている(特許文献4)。
一方、焼成後の接着強度向上、TCRを改善するために、銅及びニッケル粉末、ガラス粉末、酸化バナジウムと酸化マンガン、酸化ビスマスもしくは酸化スズ、ビヒクルからなる抵抗体ペーストも提案されている(特許文献5)。
しかしながら、上記の抵抗体ペーストはいずれも、製造コストを下げる目的で、従来の焼成温度より低い700℃以下で抵抗体ペーストを焼成するとき、焼結が進まず、焼成後の厚膜の抵抗値の上昇、TCRの増加、信頼性試験における抵抗値変化率の増加が起こる。特に、抵抗体ペーストをCu系導体ペーストと同時焼成するときに、上記が問題となる。
本発明の目的は、700℃以下の焼成であっても、低抵抗値、低TCRであり、かつ、高温放置試験、高温高湿試験、温度サイクル試験後に抵抗値変化率が小さい、厚膜抵抗体を与えうる抵抗体ペーストを提供することである。
本発明は、(A)銅粉とニッケル粉の混合粉からなり、銅粉とニッケル粉の重量比が、Cu/Ni=69/31〜71/29である導電性粉末、(B)ガラス粉末、(C)銅酸化物粉末、(D)酸化スズ粉末、パラジウム粉末及び酸化亜鉛粉末からなる群より選択される1種以上の粉末、並びに(E)アクリル樹脂及び/又はセルロース樹脂と溶剤からなるビヒクルを含み、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が12〜25重量部、(C)成分が1〜10重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が10〜40重量部であることを特徴とする抵抗体ペーストに関する。
また、本発明は、上記抵抗体ペーストを600〜700℃の窒素雰囲気下で焼成する厚膜抵抗体の製造方法、及び厚膜基板の製造方法に関する。
本発明の抵抗体ペーストによれば、700℃以下の低温で焼成した後に、低抵抗値、低TCRであり、かつ、高温放置試験、高温高湿試験、温度サイクル試験後に抵抗値変化率が少ない抵抗体が得られる。
また、本発明の抵抗体ペーストにより、低温での焼成が可能となり、低消費電力で、厚膜抵抗体、厚膜基板を製造することができる。
本発明の抵抗体ペーストは、(A)銅粉とニッケル粉の混合粉からなり、銅粉とニッケル粉の重量比が、Cu/Ni=69/31〜71/29である導電性粉末、(B)ガラス粉末、(C)銅酸化物粉末、(D)酸化スズ粉末、パラジウム粉末及び酸化亜鉛粉末からなる群より選択される1種以上の粉末、並びに(E)アクリル樹脂及び/又はセルロース樹脂と溶剤からなるビヒクルを含み、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が12〜25重量部、(C)成分が1〜10重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が10〜40重量部であることを特徴とする。好ましくは、(B)成分が12〜19重量部、(C)成分が1〜5重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が17〜33重量部である。
(A)成分により、硬化後の抵抗体ペーストに所望の抵抗値を付与することができる。ここで、銅粉とニッケル粉の混合比率により、抵抗値及びTCRを変化させることができる。Cu/Ni重量比が69/31〜71/29であると、−55℃〜25℃及び25〜150℃の範囲でTCRを200ppm/℃以下とすることができる。
スクリーン印刷等の印刷を良好に行う観点から、銅粉の平均粒径は、0.1〜2μm、ニッケル粉の平均粒径は、0.1〜2μmであると好ましい。ここで、銅粉の平均粒径は、レーザー回折散乱法による平均粒径を、ニッケル粉の平均粒径は、BET値から換算した平均粒径をいう。銅粉は硫酸銅、塩化銅の還元による還元銅粉、アトマイズ銅粉を分級したもの等が使用できる。ニッケル粉は硫酸ニッケル、塩化ニッケルの還元による還元ニッケル粉、アトマイズニッケル粉を分級したもの等が使用できる。これらの形状は、特に限定されず、球状、リン片状等が挙げられ、好ましくは球状である。
(B)成分により、焼成後の抵抗体ペーストのセラミック基板への接着性が付与され、抵抗体焼成時のクラック発生を防止することができる。更に、抵抗値変化率が1%未満に保たれる。また、(B)成分は、得られた抵抗体が、環境に対して悪影響を与えない観点から、実質的にPbを含まないことが好ましく、実質的にPb、Cdを含まないことが、特に好ましい。また、BaOが20〜70重量%、及びSiO2が1〜30重量%であり、BaOが30〜50重量%、及びSiO2が2〜15重量%であることが特に好ましい。
(B)成分としては、他にB2O3、ZnO等が挙げられる。(B)成分の軟化点は、450〜550℃、熱膨張率は115〜125×10−7/℃であることが好ましい。(B)成分の平均粒径は、0.1〜10μmであると好ましい。(B)成分の形状は、特に限定されず、球状、リン片状、不定形等が挙げられ、好ましくは不定形である。また、「実質的に含まない」とは、Pb等を成分として添加せず、不可避不純物以外には含まれていないことをいう。(B)成分は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
(C)成分により、TCRの減少が図られる。(C)成分は、Cu2O及び/又はCuOであると好ましく、Cu2Oであると特に好ましい。また、スクリーン印刷を良好に行う観点から、平均粒径は1〜10μmであると好ましい。これらの形状は、特に限定されず、球状、リン片状等が挙げられ、好ましくは球状である。(C)成分は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
(D)成分により、高温放置試験、高温高湿試験、温度サイクル試験後の抵抗値変化率の抑制が図られる。(D)成分の酸化スズ粉末としては、SnO及び/又はSnO2であると好ましく、SnO2であると特に好ましい。スクリーン印刷を良好に行う観点から、平均粒径が0.05〜2μmの酸化スズ粉末、平均粒径が0.1〜1μmのパラジウム粉末又は平均粒径が0.05〜2μmの酸化亜鉛粉末であると好ましい。これらの形状は、特に限定されず、球状、リン片状等が挙げられ、好ましくは球状である。(D)成分は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
(E)成分により、抵抗体ペーストの印刷性、チキソ性、脱バインダー温度の低温化が付与される。セルロース樹脂としてはエチルセルロース、ニトロセルロースが挙げられる。アクリル樹脂としてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルメタアクリレートの重合体又はこれらの共重合体が挙げられる。(E)成分は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
ビヒクルに使用される溶剤としてはテルペン系、エステルアルコール、芳香族炭化水素、エステル系溶剤が用いられる。テルペン系溶剤としてはリモネン、パラメンタン、ピナン、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等が例示される。エステルアルコールとしては2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートが例示される。芳香族炭化水素としてはキシレン、イソプロピルベンゼン、トルエンが例示される。エステル系溶剤としては酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテルが例示される。これらの溶剤は、単独で用いてよく、複数を用いてもよい。
本発明は、本発明の効果を損なわない範囲で、粘度調整剤、消泡剤、難燃剤、酸化防止剤等を任意成分として含有することができる。
図1に、本発明の抵抗体ペーストで製造される厚膜基板の一例を示す。この例は車載用として使用される場合であり、厚膜抵抗体4の仕様の一例としては、抵抗温度係数(TCR)が−55〜25℃及び25〜150℃の範囲で200ppm/℃以下、面抵抗値が100mΩ/□以下、150℃×1000時間放置後の抵抗値変化率が1%未満、85℃ 湿度85%中で1000時間放置後の抵抗値変化率が1%未満、−55℃〜125℃×1000サイクル後の抵抗値変化率が1%未満が挙げられ、これらの仕様を満たすことが好ましい。
図1に示すようにセラミック基板1の上には電極材としてのCu系導体2が形成されるとともに、Cu系導体2とは離間した位置に電極材としてのCu系導体3が形成されている。また、セラミック基板1の上にはCuNi系厚膜抵抗体4が形成され、Cu系導体(電極)2とCu系導体(電極)3との間にCuNi系厚膜抵抗体4が配置された構造になっている。
次に、この厚膜基板の製造方法を説明する。まず、上記CuNi系厚膜抵抗体4を形成するための本発明の抵抗体ペーストを用意する。
この抵抗体ペーストは、成分(A)〜(E)及び場合により任意成分をロールミル等で、分散したものである。
そして、厚膜基板の製造の際には、Cu系導体ペーストをセラミック基板1上にスクリーン印刷で塗布する。乾燥後、抵抗体ペーストをセラミック基板1上にスクリーン印刷で塗布する。そして、窒素雰囲気下で焼成して電極材であるCu系導体2,3とCuNi系厚膜抵抗体4を得る。その結果、図1に示す厚膜基板が製造される。窒素雰囲気下での焼成温度は、600〜700℃であると、焼成時の消費電力が低く、好ましい。また、Cu系導体ペーストと抵抗体ペーストは、同時に600〜700℃の窒素雰囲気下で焼成すると、作業効率の面からもより好ましい。
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、重量部、重量%を示す。
表1、2示す配合で各成分を配合して、実施例及び比較例の抵抗体ペーストを調整した。
*1:Cu/Ni=70/30、Cu粉の平均粒径:0.40〜0.65μm、純度98%以上;Ni粉の平均粒径:0.15〜0.28μm、純度99%以上
*2:BaO:30〜50重量%、SiO2:2〜15重量%、平均粒径:1μm
*3:Cu2O:95重量%以上、平均粒径1〜10μm
*4:平均粒径:0.02〜0.03μm
*5:平均粒径:0.1〜1μm、純度:99%以上
*6:平均粒径:0.02〜0.03μm
*7:楠本化成製KCバインダー(型番:CET-636WL、不揮発分:30%):平均分子量:23〜25万
*8:藤倉化成製アクリベース(型番:NMS−008C、不揮発分:30%)
*9:ダウケミカル製エトセル(型番:スタンダード10)
*10:ハーキュレス製エチルセルロース(型番:N−10)
*11:Cu/Ni=67/33;Cu粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:98%以上;Ni粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:99%以上
*12:Cu/Ni=73/27;Cu粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:98%以上;Ni粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:99%以上
*13:Cu/Ni=76/24、Cu粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:98%以上;Ni粉の平均粒径:0.1〜2μm、純度:99%以上
*14:平均粒径:0.02〜0.03μm
*15:平均粒径:0.02〜0.03μm
*16:平均分子量:23,000
*17:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
実施例及び比較例の各例について、下記の試験を行った。
(1)面抵抗値
長さ50mm、幅50mm、厚さ1mmのアルミナ基板上に、銅ペーストをスクリーン印刷し、2つの長さ3mm、幅3mm、厚さ35μmのパターンを1mm間隔で形成し、150℃で3分間乾燥した。次に、銅ペーストの2つのパターンと重なるように、本発明の抵抗体ペーストをスクリーン印刷し、長さ2mm、幅2mm、厚さ35μmのパターンを形成し、150℃で3分間乾燥した。次に、印刷後のアルミナ基板を、ベルト炉で、窒素雰囲気中、最高温度650℃、in-out40分の条件で焼成し、抵抗体を形成した。電流電圧測定機を用いて、抵抗体の抵抗値を測定し、抵抗体の面抵抗(単位:mΩ/□、膜厚20μm換算)を計算した。結果を表3、4に示す。
(2)TCR
(1)で作製した抵抗体の25〜150℃、及び−55〜25℃のTCR(単位:ppm/℃)を、電流電圧測定機を用いて測定した。結果を表3、4に示す。
(1)面抵抗値
長さ50mm、幅50mm、厚さ1mmのアルミナ基板上に、銅ペーストをスクリーン印刷し、2つの長さ3mm、幅3mm、厚さ35μmのパターンを1mm間隔で形成し、150℃で3分間乾燥した。次に、銅ペーストの2つのパターンと重なるように、本発明の抵抗体ペーストをスクリーン印刷し、長さ2mm、幅2mm、厚さ35μmのパターンを形成し、150℃で3分間乾燥した。次に、印刷後のアルミナ基板を、ベルト炉で、窒素雰囲気中、最高温度650℃、in-out40分の条件で焼成し、抵抗体を形成した。電流電圧測定機を用いて、抵抗体の抵抗値を測定し、抵抗体の面抵抗(単位:mΩ/□、膜厚20μm換算)を計算した。結果を表3、4に示す。
(2)TCR
(1)で作製した抵抗体の25〜150℃、及び−55〜25℃のTCR(単位:ppm/℃)を、電流電圧測定機を用いて測定した。結果を表3、4に示す。
(3)高温放置試験
(1)で作製した抵抗体を、恒温槽中、150℃で1000時間保持した。高温放置試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
(1)で作製した抵抗体を、恒温槽中、150℃で1000時間保持した。高温放置試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
(4)高温高湿試験
(1)で作製した抵抗体を、恒温恒湿槽中、85℃、湿度85%で1000時間保持した。高温高湿試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
(1)で作製した抵抗体を、恒温恒湿槽中、85℃、湿度85%で1000時間保持した。高温高湿試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
(5)温度サイクル試験
(1)で作製した抵抗体を、冷熱衝撃試験機中、125℃で30分、−55℃で30分を1サイクルとして、1000サイクルの試験を行った。温度サイクル試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
(1)で作製した抵抗体を、冷熱衝撃試験機中、125℃で30分、−55℃で30分を1サイクルとして、1000サイクルの試験を行った。温度サイクル試験前後の抵抗値の変化率(単位:%)を表3、4に示す。
表3に示すように、実施例1〜11は、面抵抗値が59.5〜79.5mΩ/□、25〜125℃のTCRが、89〜166ppm/℃、−55〜25℃のTCRが、116〜193ppm/℃、高温放置試験後の変化率が、0.36〜0.63%、高温高湿試験後の変化率が、0.22〜0.54%、温度サイクル試験後の変化率が、0.35〜0.68%であり、すべてにおいて優れていた。
表4に示すように、成分(A)のCu/Ni重量比が本発明の範囲外の比較例1は、面抵抗値が102.5mΩ/□と高く、かつ高温放置試験後の変化率が、0.82%と信頼性が低いものであった。比較例2、3は、25〜125℃のTCRが、222、253ppm/℃、−55〜25℃のTCRが、294〜302ppm/℃と初期のTCRが大きく、かつ高温放置試験後の変化率が、13.20、20.20%、高温高湿試験後の変化率が、15.30、16.30%、温度サイクル試験後の変化率が、27.20、31.00%と信頼性が低いものであった。
成分(D)が含まれていない比較例4、5は、高温放置試験後の変化率が、1.16、6.04%、高温高湿試験後の変化率が、0.90、3.52%、温度サイクル試験後の変化率が、1.25、3.32%と信頼性が低いものであった。成分(D)の含有量が多い比較例6〜8は、温度サイクル試験後の変化率が、1.21〜2.55%と信頼性が低いものであった。Bi2O3を用いた比較例9は、高温放置試験後の変化率が、4.96%、高温高湿試験後の変化率が、1.31%、温度サイクル試験後の変化率が、5.51%と信頼性が低いものであった。CeO2を用いた比較例10は、温度サイクル試験後の変化率が、1.44%と信頼性が低いものであった。
ブチラールを用いた比較例11は、面抵抗値が140.0mΩ/□、25〜125℃のTCRが、252ppm/℃、−55〜25℃のTCRが、284ppm/℃と初期特性が悪く、高温放置試験後の変化率が、6.00%、高温高湿試験後の変化率が、11.60%、温度サイクル試験後の変化率が、12.50%と信頼性も低いものであった。
このように、本発明の抵抗体ペーストにより、鉛などの環境に対して悪影響を与える物質を使用することなく、700℃以下の焼成であっても、低抵抗値、低TCRであり、かつ、高温放置試験、高温高湿試験、温度サイクル試験後に抵抗値変化率1%未満を達成する厚膜抵抗体が得られた。
1 セラミック基板
2 Cu系導体
3 Cu系導体
4 CuNi系厚膜抵抗体
2 Cu系導体
3 Cu系導体
4 CuNi系厚膜抵抗体
Claims (7)
- (A)銅粉とニッケル粉の混合粉からなり、銅粉とニッケル粉の重量比が、Cu/Ni=69/31〜71/29である導電性粉末、(B)ガラス粉末、(C)銅酸化物粉末、(D)酸化スズ粉末、パラジウム粉末及び酸化亜鉛粉末からなる群より選択される1種以上の粉末、並びに(E)アクリル樹脂及び/又はセルロース樹脂と溶剤からなるビヒクルを含み、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が12〜25重量部、(C)成分が1〜10重量部、(D)成分が0.1〜3重量部、(E)成分が10〜40重量部であることを特徴とする抵抗体ペースト。
- (B)成分は、BaOが20〜70重量%、及びSiO2が1〜30重量%であり、実質的にPbを含まない、請求項1記載の抵抗体ペースト。
- (A)成分が、平均粒径が0.1〜2μmの銅粉及び平均粒径が0.1〜2μmのニッケル粉、(C)成分が、平均粒径が1〜10μmの銅酸化物粉末、並びに(D)成分が、平均粒径が0.05〜2μmの酸化スズ粉末、平均粒径が0.1〜1μmのパラジウム粉末又は平均粒径が0.05〜2μmの酸化亜鉛粉末である、請求項1又は2記載の抵抗体ペースト。
- (C)成分が、Cu2O及び/又はCuOである、請求項1〜3のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
- (D)成分が、SnO及び/又はSnO2、パラジウム粉末或いは酸化亜鉛粉末である、請求項1〜4のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
- 請求項1〜5のいずれか記載の抵抗体ペーストを、600〜700℃の窒素雰囲気下で焼成する、厚膜抵抗体の製造方法。
- Cu系導体ペーストをスクリーン印刷した基板の上に、請求項1〜5のいずれか記載の抵抗体ペーストをスクリーン印刷する工程と、それらを同時に600〜700℃の窒素雰囲気下で焼成する工程を備える、厚膜基板の製造方法。
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