JP2004119561A - 抵抗体ペーストおよび抵抗器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低TCRかつ低抵抗の抵抗体ペーストおよび抵抗器を提供する。
【解決手段】銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記第1の混合粉体と合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体に対して、ガラス粉体、銅酸化物粉体、マンガン粉体、および、樹脂と溶剤からなるビヒクルを添加し、これらを混錬して抵抗体ペーストを作製する。その際、マンガンの添加量を任意に選択することで、抵抗体のシート抵抗値を所望の値にする。
【選択図】 図1
【解決手段】銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記第1の混合粉体と合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体に対して、ガラス粉体、銅酸化物粉体、マンガン粉体、および、樹脂と溶剤からなるビヒクルを添加し、これらを混錬して抵抗体ペーストを作製する。その際、マンガンの添加量を任意に選択することで、抵抗体のシート抵抗値を所望の値にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電流検出用抵抗器に使用する抵抗体ペーストおよび抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器等の小型化とともに、機器に使用する電子部品、特にチップ部品の小型化が要請されてきている。また、チップ部品の用途として、例えば、電子回路や電源回路における電流検出等に用いるため、低抵抗値、かつ低TCR(Temperature Coefficient of Resistance:抵抗値の温度係数)特性を有するものも要求されている。
【0003】
従来より提案されている抵抗器には、例えば、銀(Ag)/パラジウム(Pd)合金をガラス混合物等と混ぜて、低抵抗特性を得るものがある。また、低抵抗のチップ抵抗器や抵抗体を実現する方法として、抵抗体ペーストに銅/ニッケル合金粉を用い、これにガラスフリットを添加した混合粉体からなる抵抗体ペーストをアルミナ基板に印刷した後、窒素雰囲気中で加熱処理して、銅−ニッケル合金抵抗体を形成する製造技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
さらに、抵抗体ペースト、厚膜抵抗体の形成方法および厚膜基板の製造方法として、銅粉末とニッケル粉末とガラスフリットと銅酸化物とビヒクルからなる抵抗体ペーストをアルミナ基板に印刷した後、窒素雰囲気中で焼成して、銅−ニッケル合金抵抗体を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
一方、銅粉末とニッケル粉末と銅酸化物(酸化第一銅)とガラスフリットと二酸化マンガンとビヒクルとからなる銅電極ペーストと、そのペーストをフェライト基板に印刷した後、窒素雰囲気中で焼成して、銅電極を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−270104号公報
【特許文献2】
特開平10−144501号公報
【特許文献3】
特開平11−288801号公報
【特許文献4】
特開昭64−13790号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した銀−パラジウム合金による抵抗器では、その抵抗値を100mΩ以下にできても、TCRが±500ppm/℃〜±800ppm/℃となり、低抵抗器として所望の特性が得られない。また、パラジウムそのものが、組成材料として高価であるという問題がある。
【0008】
また、銅/ニッケル合金を用いた従来の抵抗器では、銅/ニッケルの合金比率や焼成温度を変えることで、低TCR特性を得ているため、製造工程が複雑になるという問題もある。例えば、銅/ニッケル=60/40(重量%)とした場合、3.2mm×1.6mmサイズのチップ抵抗器の抵抗値は、約45mΩ、TCRは70〜120ppm/℃となり、目標値である100ppm/℃を上回る。
【0009】
一方、上述した特開昭64−13790号公報に開示された方法のように、銅電極ペーストの製造に二酸化マンガンを使用すると、シート抵抗値が大きくなってしまい、好ましくない結果となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、抵抗温度係数(TCR)が小さく、シート抵抗値が約100mΩ/□以下、より好ましくは、約50mΩ/□以下の抵抗体ペーストを提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、得られた抵抗体ペーストを使用して、低TCR、かつ低抵抗の高精度な抵抗器を提供することである。
【0012】
かかる目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、上記第1の混合粉体と上記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、マンガン粉体と、樹脂と溶剤からなるビヒクルとからなることを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、上記第1の混合粉体と上記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体を100重量部としたときに、上記導電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1乃至10重量部、銅酸化物粉体を1乃至10重量部、マンガン粉体を1乃至4重量部それぞれ配合し、上記導電性金属粉体と上記ガラス粉体と上記銅酸化物粉体と上記マンガン粉体の混合物を100重量部としたときに、上記混合物100重量部に対して、樹脂と溶剤を含むビヒクルを10乃至15重量部配合したことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分と、ガラス成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る抵抗器は、銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、上記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、およびマンガンを1乃至4重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る抵抗器は、銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、上記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、マンガンを1乃至4重量部、およびガラス成分を1乃至10重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする。
【0018】
また、例えば、上記の銅酸化物はCuOとCu2Oのいずれかよりなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面および表を参照して、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。本実施の形態例においては、例えば、銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記の第1の混合粉体と上記の合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、マンガン粉体と、樹脂と溶剤からなるビヒクルとから抵抗体ペーストを作製し、この抵抗ペーストを用いて抵抗器を製造する。
【0020】
上記抵抗ペーストの第1の混合粉体における銅粉体とニッケル粉体の混合比は、シート抵抗値の関係から、銅を20〜80重量パーセント、ニッケルを80〜20重量パーセントとするのが好ましく、さらには、抵抗体の抵抗温度係数(TCR)の関係から、銅を40〜60重量パーセント、ニッケルを60〜40重量パーセントとするのがより好ましい。
【0021】
銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体に代えて、銅とニッケルの合金粉体を使用した場合においても、銅とニッケルの比率は、シート抵抗値の関係から、銅を20〜80重量パーセント、ニッケルを80〜20重量パーセントとするのが好ましく、さらには、抵抗体の抵抗温度係数(TCR)の関係から、銅を40〜60重量パーセント、ニッケルを60〜40重量パーセントとするのがより好ましい。また、JIS C 2521やJIS C 2532等で規定された銅−ニッケル合金を使用してもよい。
【0022】
抵抗体ペーストの導電性金属材料としての銅粉体、およびニッケル粉体は、後述する基板上へのスクリーン印刷が可能な粒径を有することが好ましく、例えば、粒径0.1μm〜5μmの範囲にあり、さらには、平均粒径2μm以下のものが特に好ましい。
【0023】
また、抵抗体ペーストにおける銅とニッケルの合金粉体についても、スクリーン印刷が可能な粒径を有することが好ましく、例えば、粒径0.1μm〜5μmの範囲にあり、さらには、平均粒径2μm以下のものが特に好ましい。
【0024】
本実施の形態例の抵抗体ペーストにおいて、ガラス粉体として適した材料は、抵抗体ペーストで抵抗体層を形成する絶縁性基体との密着性、および抵抗体としての必要な種々の安定性を有するものが好ましく、従って、例えば、硼珪酸鉛ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス等を用いることができる。
【0025】
このガラス粉体の粒径としては、スクリーン印刷で使用できる範囲内にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、平均粒径2μm以下のものがより好ましい。
【0026】
本実施の形態例における銅酸化物粉体の銅酸化物として適した材料は、抵抗体ペーストで抵抗体層を形成する絶縁性基体との密着性、および抵抗体としての必要な種々の安定性を有するものが好ましく、例えば、CuO(酸化第二銅)、またはCu2O(酸化第一銅)を用いることができる。また、銅酸化物粉体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、特に平均粒径2μm以下のものが好ましい。
【0027】
本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの金属成分としてのマンガン粉体のマンガンは、所望のシート抵抗値とTCRを得るためのものであり、マンガン粉体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、平均粒径2μm以下のものがより好ましい。
【0028】
本実施の形態例の抵抗体ペーストにおける樹脂と溶剤からなるビヒクルに使用される樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂等を使用することができる。より具体的には、例えば、エチルセルロース、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート等を挙げることができる。
【0029】
また、抵抗体ペーストにおける樹脂と溶剤からなるビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、テルペン系溶剤、エステルアルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤等を使用することができる。より具体的には、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、テキサノール、キシレン、イソプロピルベンゼン、トルエン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
【0030】
なお、ビヒクルの構成は、上記の樹脂と溶剤に限らず、抵抗体ペーストの特性を向上させるために、種々の添加剤を加えてもよい。
【0031】
本実施の形態例に係る抵抗ペーストは、銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記の第1の混合粉体と上記の合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体を100重量部としたときに、例えば、上記導電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1重量部〜10重量部、銅酸化物粉体を1重量部〜10重量部、マンガン粉体を1重量部〜4重量部それぞれ配合し、さらに、それぞれ配合した導電性金属粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とマンガン粉体の混合物を100重量部としたとき、上記混合物100重量部に対して樹脂と溶剤からなるビヒクルを10重量部〜15重量部配合したペーストを使用するのが特に好ましい。
【0032】
ガラス粉体が1重量部未満の場合には、抵抗体と絶縁性基体との密着性が低下し、10重量部を超えると抵抗値が所望とする抵抗値より大きくなり、また、TCRがマイナス方向に大きくなってしまうので、好ましくない。
【0033】
銅酸化物粉体については、銅酸化物粉体が1重量部未満の場合、抵抗体と絶縁性基体との密着性が低下するので好ましくない。一方、銅酸化物粉体が10重量部を超えると、TCRがプラス方向に大きくなってしまうばかりでなく、抵抗膜が多孔質状になったり、焼結性が悪化したり、抵抗膜の平滑性が損なわれるので好ましくない。
【0034】
マンガン粉体が1重量部未満の場合には、TCRがプラス方向に大きくなってしまうので、好ましくない。また、マンガン粉体が4重量部を超えると、TCRがマイナス方向に大きくなってしまうばかりでなく、抵抗膜の平滑性が損なわれるので、この場合も好ましくない。
【0035】
他方、樹脂と溶剤からなるビヒクル(例えば、エチルセルロースとテキサノールからなる)の配合割合としては、ビヒクルが10重量部未満の場合には、抵抗体ペーストの粘度が高く印刷性が悪くなり、ビヒクルが15重量部を超えると、抵抗体ペーストの粘度が低く印刷性が悪くなり、好ましくない。
【0036】
図1は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの製造工程を具体的に示すフローチャートである。同図のステップS1では、抵抗体ペーストの導電性金属材料として、銅粉体を20〜80重量パーセント、ニッケル粉体を80〜20重量パーセント混合する。
【0037】
続くステップS2において、上記のステップS1で混合された導電性金属粉体に対し、マンガン粉体を1〜4重量パーセント混合する。また、ステップS3では、ステップS1で混合された導電性金属粉体に対して、ガラス粉体を1〜10重量パーセント、および、銅酸化物粉体を1〜10重量パーセント混合する。
【0038】
そして、ステップS4において、ビヒクルの混合を行う。ここでは、上記の導電性金属粉体とマンガン粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とを混合した全体量に対して、有機樹脂と溶剤からなるビヒクルを、10〜15重量パーセントの割合で混合し、ペースト化する。
【0039】
以下の表1、および表2は、Cu/Niからなる導電性金属粉体、マンガン粉体、例えば、硼珪酸鉛ガラスよりなるガラス粉体、およびCu2Oよりなる銅酸化物粉体を、上記の割合(配合比)で混合したときの、抵抗体ペースト(試料No.1〜49)のシート抵抗値(膜厚40μm)と抵抗温度係数(TCR)を示している。
【0040】
なお、表中の完成抵抗値は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストを使用して、3.2mm×1.6mm寸法のチップサイズの抵抗器を作製したときの抵抗値である。また、表中のガラスとして、例えば、硼珪酸鉛ガラスを用いた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1、および表2から分かるように、Cu/Niからなる導電性金属粉体に対して、マンガン粉体を微量(1〜4重量パーセント)添加することで、抵抗体ペーストのシート抵抗値の変動を抑えて、TCRを小さくすることができる。また、マンガン粉体を、4重量パーセントを超えて添加することで、TCRをプラス方向へ大きくし、全体的に幅を持たせることができる。
【0044】
ただし、マンガンの添加量を10重量パーセントとした場合には、抵抗体の表面状態が悪化する(例えば、試料No.7,14,21等では、表面が“ボコボコ”になる)。また、マンガンの添加量が1重量パーセント未満では、TCRがマイナス方向の傾向とならない(例えば、試料No.1,8,15等)。
【0045】
このように、マンガンの添加によって抵抗体のTCRが低下するのは、Cu/Niペーストにマンガンを添加し、それを焼成することで、マンガンが抵抗体の表面に析出してくるからと考えられる。
【0046】
抵抗体ペーストの焼成には、通常、窒素(N2)炉を使用するが、いわゆるバーンアウトゾーンでは、ビヒクル成分を飛ばすために少量の酸素(O2)が必要となり、また、ペーストの密着性を向上させるためにも、少量の酸素が必要になる。よって、焼成炉内には、完全に窒素だけが存在するわけではなく、酸素もあるため、抵抗体の表面が少なからず酸化する。
【0047】
このような表面酸化は、その抵抗体の温度係数(TCR)を増加させる原因となるが、上述したマンガンの表面析出によるマンガン層によって、Cu/Ni表面が保護されるため、TCRが下がる。
【0048】
図2は、本実施の形態例に係る抵抗ペーストを使用した角型チップ抵抗器(以下、単にチップ抵抗器という)の一例についての断面構成を示している。同図において、基板1は、所定サイズのチップ形状を有する、例えば、電気絶縁性のセラミックス基板(絶縁性基体)である。基板1上には、上述した成分の粉体を配合してなる抵抗体ペーストを、例えば、スクリーン印刷等で塗布した後、焼成して、抵抗層2を形成する。
【0049】
抵抗層2の上部は、プリガラス7で覆われ保護されている。さらに、プリガラス7の上には、絶縁膜として機能する保護膜3が配されている。基板1の両端部であって抵抗層2の両端には、それと電気的に接触する上部電極(表面電極)4a,4bが形成されている。また、基板下部の端部には、下部電極(裏面電極)5a,5bが形成されている。そして、基板1の各端部側面には、上部電極4a,4bと下部電極5a,5bを電気的に接続するため、これらの電極間に端部電極6a,6bが配設されている。
【0050】
さらに、下部電極5aと端部電極6aを覆うように外部電極8aが、例えば、メッキ等によって形成されている。同様に、下部電極5bと端部電極6bを覆うように外部電極8bが、メッキ等によって形成されている。
【0051】
上述した抵抗器で用いる絶縁性基体としては、例えば、アルミナ系基板、フォルステライト系基板、ムライト系基板、窒化アルミニウム系基板、ガラスセラミック系基板等を用いることができる。
【0052】
また、抵抗層2には、その主導電性金属成分として、上述した比率で配合した銅粉体、ニッケル粉体、マンガン粉体、銅酸化物粉体の各粉体を混合した混合粉体、または、銅とニッケルの合金粉体を使用する。
【0053】
次に、上記の構成を備える本実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明する。図3は、本実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明するための工程図である。まず、図3のステップS11において、上述した基板1を製造する工程を実行する。なお、ここでは、基板としてアルミナ96wtパーセントのアルミナ基板を使用する。
【0054】
基板形状としては、例えば、製造単位の大きさの、矩形の基板を製造するが、製造する基板の大きさは任意であり、1つの抵抗器毎の大きさの基板であっても、あるいは多数個分の抵抗器の大きさの基板を同時に製造してもよい。
【0055】
続くステップS12において、基板1の下面(抵抗器実装時のはんだ面)に、スクリーン印刷により裏面電極の厚膜印刷をし、焼成することにより、下部電極(裏面電極)5a,5bを形成する。具体的には、アルミナ基板の裏面に銅ペースト(Cuペースト)を印刷し、その後、乾燥させて、窒素(N2)雰囲気中において、例えば、960℃で10分間焼成して裏面電極を形成する。
【0056】
次に、ステップS13において、基板1の上面(抵抗体を形成する側)に、スクリーン印刷により表面電極の厚膜印刷をし、焼成することにより、上部電極(表面電極)4a,4bを形成する。具体的には、アルミナ基板の表面に銅ペーストを印刷し、その後、それを乾燥させて、窒素雰囲気中で、例えば、960℃で10分間焼成して表面電極を形成する。
【0057】
なお、上部電極(表面電極)4a,4bと下部電極(裏面電極)5a,5bの焼成を同時に行ってもよい。
【0058】
本実施の形態例では、例えば、裏面および表面ともに厚膜印刷する電極材料として銅ペーストを使用することで、従来の抵抗器のように、銀のエレクトロニックマイグレーションによる信頼性低下の問題を回避している。また、不活性雰囲気である窒素(N2)雰囲気中で焼成するのは、電極である銅の酸化を防止するためである。なお、焼成温度は960℃でなく、例えば980℃で焼成してもよい。
【0059】
ステップS14では、例えば、表1,2に示す配合比率の、平均粒径2μmの銅粉体およびニッケル粉体と、平均粒径2μm、0〜10重量部のマンガン粉体と、平均粒径2μm、5重量部のガラス粉体(例えば、硼珪酸鉛ガラス、あるいは硼珪酸亜鉛ガラス)と、平均粒径2μm、5重量部のCu2O粉体と、エチルセルロースとテキサノールからなる、12重量部のビヒクルとを混練してなる抵抗体ペーストを用意する。
【0060】
この抵抗体ペーストを、上部電極(表面電極)4a,4b間に一部が上部電極(表面電極)4a,4bに重なるように塗布し、抵抗体ペースト厚膜を形成する。そして、この抵抗体ペースト厚膜の乾燥後、窒素(N2)雰囲気の下、例えば、960℃で10分間、焼成して、抵抗体を形成する。なお、ここでの焼成温度は、980℃でもよい。
【0061】
本実施の形態例において、抵抗体ペーストへの銅酸化物の添加により、基板と抵抗体との良好な接着が得られ、ガラス(例えば、ZnSiOx系ガラス)によって、無機バインダー膜の強度が得られる。さらに、ビヒクルは、有機バインダーによる印刷適正が得られるよう機能する。
【0062】
ステップS15では、このようにして形成された抵抗体層2の上にプリガラスコート厚膜を印刷等で形成し、乾燥させた後、焼成を行う。ここでは、抵抗体層上に例えば、硼珪酸亜鉛ガラスペーストを印刷し、その後、それを乾燥させて、窒素雰囲気中で、例えば、670℃で10分間焼成してプリガラスコートを形成する。
【0063】
なお、焼成温度は690℃であってもよい。また、ガラスペーストは、硼珪酸亜鉛ガラスペーストに限るものではなく、上述した硼珪酸バリウム系ガラス、硼珪酸カルシウム系ガラス、硼珪酸バリウムカルシウム系ガラス、硼酸鉛系ガラス、硼珪酸鉛亜鉛系ガラス等を用いることができる。
【0064】
次に、ステップS16において、必要に応じて抵抗体のトリミング(抵抗値調整)を行う。このトリミングは、例えば、レーザビームやサンドブラスト等によって、抵抗体のパターンに切れ込みを入れることによって抵抗値を調整する。
【0065】
そして、ステップS17において、例えば、プリガラスコートと上部電極4a,4bを覆うようにエポキシ系樹脂をスクリーン印刷等によって形成し、それを硬化させて、絶縁膜としての機能をも有する保護膜3であるオーバーコートを形成する。
【0066】
その後、必要に応じてオーバーコート(保護膜3)上にエポキシ系樹脂を印刷し、それを硬化させた後、抵抗値等を表示するための表示部を形成する。
【0067】
さらに、ステップS18において、Aブレイク(1次ブレーク)を行い、アルミナ基板を短冊状に分割する。続くステップS19で、短冊上のアルミナ基板の端面にスッパタリング法によりNiCr合金膜を形成し、端部電極6a,6bを形成する。なお、NiCr合金膜の形成は、スパッタリング法に限定されるものではなく、蒸着等により形成してもよい。
【0068】
次にステップS20で、Bブレイク(2次ブレーク)を行い、端部電極6a,6bを形成した短冊状のアルミナ基板をさらに分割し、個片(チップ)にする。得られた個片(チップ)の大きさは、例えば、3.2mm×1.6mmである。
【0069】
そして、ステップS21において、上部電極4a,4bのうち、保護膜3で覆われていない部分と、下部電極5a,5b、および端部電極6a,6b上に外部電極8a,8bを形成する。
【0070】
外部電極8a,8bは、例えば、順に、電解ニッケル(Ni)メッキ―電解銅(Cu)メッキ―電解ニッケル(Ni)メッキ―電解錫(Sn)メッキを施し、Ni膜―Cu膜―Ni膜―Sn膜が積層した状態とする。
【0071】
以上のようにして製造されたチップサイズ3.2mm×1.6mmの抵抗器は、例えば、基板厚さ470μm、上面電極厚さ20μm、下面電極厚さ20μm、抵抗体層厚さ30〜40μm、プリガラスコート厚さ10μm、保護膜厚さ30μm、端部電極厚さ0.05μm、外部電極厚さは、順にNi膜厚さ3〜7μm、Cu膜厚さ20〜30μm、Ni膜厚さ3〜12μm、Sn膜厚さ3〜12μmに形成されている。
【0072】
本実施の形態例の抵抗体ペーストを用いて抵抗器を製造する場合における、抵抗体ペーストの焼成方法と焼成後の抵抗体については、抵抗体ペーストを中性雰囲気中または不活性雰囲気中(例えば、窒素雰囲気中)において600℃〜1000℃で焼成するのが好ましい。なお、上記抵抗体ペーストの焼成時間は任意に設定することができる。これにより、銅−ニッケル系抵抗体、より好ましくは、銅ニッケル合金抵抗体を得ることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態例によれば、銅とニッケルからなる導電性金属粉体に対して、ガラス粉体、銅酸化物粉体、マンガン粉体、および、樹脂と溶剤からなるビヒクルを添加し、これらを混錬して抵抗体ペーストを作製する際、マンガンの添加量を任意に選択することで、抵抗体のシート抵抗値を所望の値にすることができる。
【0074】
具体的には、マンガンの添加量の選択により、シート抵抗値が約100mΩ/□以下、より好ましくは、約50mΩ/□以下で、かつ、低TCRの抵抗体ペーストを容易に得ることができる。
【0075】
また、銅粉体とニッケル粉体、その他の添加剤を配合してペースト化し、それを焼成して合金化することにより、安価で、抵抗値等を微調整できる抵抗体ペーストおよび抵抗器を作製することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、抵抗体ペーストのTCRに幅を持たせることができ、かかる抵抗体ペーストを使用して、低抵抗値および低TCR特性を有する高精度抵抗器を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る抵抗体ペーストの製造工程を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態例に係るチップ抵抗器の断面構成を示す図である。
【図3】実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 基板
2 抵抗層
3 保護膜
4a,4b 上部電極(表面電極)
5a,5b 下部電極(裏面電極)
6a,6b 端部電極
7 プリガラス
8a,8b 外部電極(メッキ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電流検出用抵抗器に使用する抵抗体ペーストおよび抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器等の小型化とともに、機器に使用する電子部品、特にチップ部品の小型化が要請されてきている。また、チップ部品の用途として、例えば、電子回路や電源回路における電流検出等に用いるため、低抵抗値、かつ低TCR(Temperature Coefficient of Resistance:抵抗値の温度係数)特性を有するものも要求されている。
【0003】
従来より提案されている抵抗器には、例えば、銀(Ag)/パラジウム(Pd)合金をガラス混合物等と混ぜて、低抵抗特性を得るものがある。また、低抵抗のチップ抵抗器や抵抗体を実現する方法として、抵抗体ペーストに銅/ニッケル合金粉を用い、これにガラスフリットを添加した混合粉体からなる抵抗体ペーストをアルミナ基板に印刷した後、窒素雰囲気中で加熱処理して、銅−ニッケル合金抵抗体を形成する製造技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
さらに、抵抗体ペースト、厚膜抵抗体の形成方法および厚膜基板の製造方法として、銅粉末とニッケル粉末とガラスフリットと銅酸化物とビヒクルからなる抵抗体ペーストをアルミナ基板に印刷した後、窒素雰囲気中で焼成して、銅−ニッケル合金抵抗体を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
一方、銅粉末とニッケル粉末と銅酸化物(酸化第一銅)とガラスフリットと二酸化マンガンとビヒクルとからなる銅電極ペーストと、そのペーストをフェライト基板に印刷した後、窒素雰囲気中で焼成して、銅電極を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−270104号公報
【特許文献2】
特開平10−144501号公報
【特許文献3】
特開平11−288801号公報
【特許文献4】
特開昭64−13790号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した銀−パラジウム合金による抵抗器では、その抵抗値を100mΩ以下にできても、TCRが±500ppm/℃〜±800ppm/℃となり、低抵抗器として所望の特性が得られない。また、パラジウムそのものが、組成材料として高価であるという問題がある。
【0008】
また、銅/ニッケル合金を用いた従来の抵抗器では、銅/ニッケルの合金比率や焼成温度を変えることで、低TCR特性を得ているため、製造工程が複雑になるという問題もある。例えば、銅/ニッケル=60/40(重量%)とした場合、3.2mm×1.6mmサイズのチップ抵抗器の抵抗値は、約45mΩ、TCRは70〜120ppm/℃となり、目標値である100ppm/℃を上回る。
【0009】
一方、上述した特開昭64−13790号公報に開示された方法のように、銅電極ペーストの製造に二酸化マンガンを使用すると、シート抵抗値が大きくなってしまい、好ましくない結果となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、抵抗温度係数(TCR)が小さく、シート抵抗値が約100mΩ/□以下、より好ましくは、約50mΩ/□以下の抵抗体ペーストを提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、得られた抵抗体ペーストを使用して、低TCR、かつ低抵抗の高精度な抵抗器を提供することである。
【0012】
かかる目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、上記第1の混合粉体と上記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、マンガン粉体と、樹脂と溶剤からなるビヒクルとからなることを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗体ペーストは、銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、上記第1の混合粉体と上記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体を100重量部としたときに、上記導電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1乃至10重量部、銅酸化物粉体を1乃至10重量部、マンガン粉体を1乃至4重量部それぞれ配合し、上記導電性金属粉体と上記ガラス粉体と上記銅酸化物粉体と上記マンガン粉体の混合物を100重量部としたときに、上記混合物100重量部に対して、樹脂と溶剤を含むビヒクルを10乃至15重量部配合したことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る抵抗器は、絶縁性基体と、上記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分と、ガラス成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る抵抗器は、銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、上記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、およびマンガンを1乃至4重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る抵抗器は、銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、上記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、マンガンを1乃至4重量部、およびガラス成分を1乃至10重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする。
【0018】
また、例えば、上記の銅酸化物はCuOとCu2Oのいずれかよりなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面および表を参照して、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。本実施の形態例においては、例えば、銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記の第1の混合粉体と上記の合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、マンガン粉体と、樹脂と溶剤からなるビヒクルとから抵抗体ペーストを作製し、この抵抗ペーストを用いて抵抗器を製造する。
【0020】
上記抵抗ペーストの第1の混合粉体における銅粉体とニッケル粉体の混合比は、シート抵抗値の関係から、銅を20〜80重量パーセント、ニッケルを80〜20重量パーセントとするのが好ましく、さらには、抵抗体の抵抗温度係数(TCR)の関係から、銅を40〜60重量パーセント、ニッケルを60〜40重量パーセントとするのがより好ましい。
【0021】
銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体に代えて、銅とニッケルの合金粉体を使用した場合においても、銅とニッケルの比率は、シート抵抗値の関係から、銅を20〜80重量パーセント、ニッケルを80〜20重量パーセントとするのが好ましく、さらには、抵抗体の抵抗温度係数(TCR)の関係から、銅を40〜60重量パーセント、ニッケルを60〜40重量パーセントとするのがより好ましい。また、JIS C 2521やJIS C 2532等で規定された銅−ニッケル合金を使用してもよい。
【0022】
抵抗体ペーストの導電性金属材料としての銅粉体、およびニッケル粉体は、後述する基板上へのスクリーン印刷が可能な粒径を有することが好ましく、例えば、粒径0.1μm〜5μmの範囲にあり、さらには、平均粒径2μm以下のものが特に好ましい。
【0023】
また、抵抗体ペーストにおける銅とニッケルの合金粉体についても、スクリーン印刷が可能な粒径を有することが好ましく、例えば、粒径0.1μm〜5μmの範囲にあり、さらには、平均粒径2μm以下のものが特に好ましい。
【0024】
本実施の形態例の抵抗体ペーストにおいて、ガラス粉体として適した材料は、抵抗体ペーストで抵抗体層を形成する絶縁性基体との密着性、および抵抗体としての必要な種々の安定性を有するものが好ましく、従って、例えば、硼珪酸鉛ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス等を用いることができる。
【0025】
このガラス粉体の粒径としては、スクリーン印刷で使用できる範囲内にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、平均粒径2μm以下のものがより好ましい。
【0026】
本実施の形態例における銅酸化物粉体の銅酸化物として適した材料は、抵抗体ペーストで抵抗体層を形成する絶縁性基体との密着性、および抵抗体としての必要な種々の安定性を有するものが好ましく、例えば、CuO(酸化第二銅)、またはCu2O(酸化第一銅)を用いることができる。また、銅酸化物粉体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、特に平均粒径2μm以下のものが好ましい。
【0027】
本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの金属成分としてのマンガン粉体のマンガンは、所望のシート抵抗値とTCRを得るためのものであり、マンガン粉体の粒径は、スクリーン印刷で使用できる範囲にあり、例えば、粒径0.1μm〜5μmが好ましく、平均粒径2μm以下のものがより好ましい。
【0028】
本実施の形態例の抵抗体ペーストにおける樹脂と溶剤からなるビヒクルに使用される樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂等を使用することができる。より具体的には、例えば、エチルセルロース、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート等を挙げることができる。
【0029】
また、抵抗体ペーストにおける樹脂と溶剤からなるビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、テルペン系溶剤、エステルアルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤等を使用することができる。より具体的には、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、テキサノール、キシレン、イソプロピルベンゼン、トルエン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
【0030】
なお、ビヒクルの構成は、上記の樹脂と溶剤に限らず、抵抗体ペーストの特性を向上させるために、種々の添加剤を加えてもよい。
【0031】
本実施の形態例に係る抵抗ペーストは、銅粉体とニッケル粉体の第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、または、上記の第1の混合粉体と上記の合金粉体とからなる第2の混合粉体のいずれかからなる導電性金属粉体を100重量部としたときに、例えば、上記導電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1重量部〜10重量部、銅酸化物粉体を1重量部〜10重量部、マンガン粉体を1重量部〜4重量部それぞれ配合し、さらに、それぞれ配合した導電性金属粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とマンガン粉体の混合物を100重量部としたとき、上記混合物100重量部に対して樹脂と溶剤からなるビヒクルを10重量部〜15重量部配合したペーストを使用するのが特に好ましい。
【0032】
ガラス粉体が1重量部未満の場合には、抵抗体と絶縁性基体との密着性が低下し、10重量部を超えると抵抗値が所望とする抵抗値より大きくなり、また、TCRがマイナス方向に大きくなってしまうので、好ましくない。
【0033】
銅酸化物粉体については、銅酸化物粉体が1重量部未満の場合、抵抗体と絶縁性基体との密着性が低下するので好ましくない。一方、銅酸化物粉体が10重量部を超えると、TCRがプラス方向に大きくなってしまうばかりでなく、抵抗膜が多孔質状になったり、焼結性が悪化したり、抵抗膜の平滑性が損なわれるので好ましくない。
【0034】
マンガン粉体が1重量部未満の場合には、TCRがプラス方向に大きくなってしまうので、好ましくない。また、マンガン粉体が4重量部を超えると、TCRがマイナス方向に大きくなってしまうばかりでなく、抵抗膜の平滑性が損なわれるので、この場合も好ましくない。
【0035】
他方、樹脂と溶剤からなるビヒクル(例えば、エチルセルロースとテキサノールからなる)の配合割合としては、ビヒクルが10重量部未満の場合には、抵抗体ペーストの粘度が高く印刷性が悪くなり、ビヒクルが15重量部を超えると、抵抗体ペーストの粘度が低く印刷性が悪くなり、好ましくない。
【0036】
図1は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストの製造工程を具体的に示すフローチャートである。同図のステップS1では、抵抗体ペーストの導電性金属材料として、銅粉体を20〜80重量パーセント、ニッケル粉体を80〜20重量パーセント混合する。
【0037】
続くステップS2において、上記のステップS1で混合された導電性金属粉体に対し、マンガン粉体を1〜4重量パーセント混合する。また、ステップS3では、ステップS1で混合された導電性金属粉体に対して、ガラス粉体を1〜10重量パーセント、および、銅酸化物粉体を1〜10重量パーセント混合する。
【0038】
そして、ステップS4において、ビヒクルの混合を行う。ここでは、上記の導電性金属粉体とマンガン粉体とガラス粉体と銅酸化物粉体とを混合した全体量に対して、有機樹脂と溶剤からなるビヒクルを、10〜15重量パーセントの割合で混合し、ペースト化する。
【0039】
以下の表1、および表2は、Cu/Niからなる導電性金属粉体、マンガン粉体、例えば、硼珪酸鉛ガラスよりなるガラス粉体、およびCu2Oよりなる銅酸化物粉体を、上記の割合(配合比)で混合したときの、抵抗体ペースト(試料No.1〜49)のシート抵抗値(膜厚40μm)と抵抗温度係数(TCR)を示している。
【0040】
なお、表中の完成抵抗値は、本実施の形態例に係る抵抗体ペーストを使用して、3.2mm×1.6mm寸法のチップサイズの抵抗器を作製したときの抵抗値である。また、表中のガラスとして、例えば、硼珪酸鉛ガラスを用いた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1、および表2から分かるように、Cu/Niからなる導電性金属粉体に対して、マンガン粉体を微量(1〜4重量パーセント)添加することで、抵抗体ペーストのシート抵抗値の変動を抑えて、TCRを小さくすることができる。また、マンガン粉体を、4重量パーセントを超えて添加することで、TCRをプラス方向へ大きくし、全体的に幅を持たせることができる。
【0044】
ただし、マンガンの添加量を10重量パーセントとした場合には、抵抗体の表面状態が悪化する(例えば、試料No.7,14,21等では、表面が“ボコボコ”になる)。また、マンガンの添加量が1重量パーセント未満では、TCRがマイナス方向の傾向とならない(例えば、試料No.1,8,15等)。
【0045】
このように、マンガンの添加によって抵抗体のTCRが低下するのは、Cu/Niペーストにマンガンを添加し、それを焼成することで、マンガンが抵抗体の表面に析出してくるからと考えられる。
【0046】
抵抗体ペーストの焼成には、通常、窒素(N2)炉を使用するが、いわゆるバーンアウトゾーンでは、ビヒクル成分を飛ばすために少量の酸素(O2)が必要となり、また、ペーストの密着性を向上させるためにも、少量の酸素が必要になる。よって、焼成炉内には、完全に窒素だけが存在するわけではなく、酸素もあるため、抵抗体の表面が少なからず酸化する。
【0047】
このような表面酸化は、その抵抗体の温度係数(TCR)を増加させる原因となるが、上述したマンガンの表面析出によるマンガン層によって、Cu/Ni表面が保護されるため、TCRが下がる。
【0048】
図2は、本実施の形態例に係る抵抗ペーストを使用した角型チップ抵抗器(以下、単にチップ抵抗器という)の一例についての断面構成を示している。同図において、基板1は、所定サイズのチップ形状を有する、例えば、電気絶縁性のセラミックス基板(絶縁性基体)である。基板1上には、上述した成分の粉体を配合してなる抵抗体ペーストを、例えば、スクリーン印刷等で塗布した後、焼成して、抵抗層2を形成する。
【0049】
抵抗層2の上部は、プリガラス7で覆われ保護されている。さらに、プリガラス7の上には、絶縁膜として機能する保護膜3が配されている。基板1の両端部であって抵抗層2の両端には、それと電気的に接触する上部電極(表面電極)4a,4bが形成されている。また、基板下部の端部には、下部電極(裏面電極)5a,5bが形成されている。そして、基板1の各端部側面には、上部電極4a,4bと下部電極5a,5bを電気的に接続するため、これらの電極間に端部電極6a,6bが配設されている。
【0050】
さらに、下部電極5aと端部電極6aを覆うように外部電極8aが、例えば、メッキ等によって形成されている。同様に、下部電極5bと端部電極6bを覆うように外部電極8bが、メッキ等によって形成されている。
【0051】
上述した抵抗器で用いる絶縁性基体としては、例えば、アルミナ系基板、フォルステライト系基板、ムライト系基板、窒化アルミニウム系基板、ガラスセラミック系基板等を用いることができる。
【0052】
また、抵抗層2には、その主導電性金属成分として、上述した比率で配合した銅粉体、ニッケル粉体、マンガン粉体、銅酸化物粉体の各粉体を混合した混合粉体、または、銅とニッケルの合金粉体を使用する。
【0053】
次に、上記の構成を備える本実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明する。図3は、本実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明するための工程図である。まず、図3のステップS11において、上述した基板1を製造する工程を実行する。なお、ここでは、基板としてアルミナ96wtパーセントのアルミナ基板を使用する。
【0054】
基板形状としては、例えば、製造単位の大きさの、矩形の基板を製造するが、製造する基板の大きさは任意であり、1つの抵抗器毎の大きさの基板であっても、あるいは多数個分の抵抗器の大きさの基板を同時に製造してもよい。
【0055】
続くステップS12において、基板1の下面(抵抗器実装時のはんだ面)に、スクリーン印刷により裏面電極の厚膜印刷をし、焼成することにより、下部電極(裏面電極)5a,5bを形成する。具体的には、アルミナ基板の裏面に銅ペースト(Cuペースト)を印刷し、その後、乾燥させて、窒素(N2)雰囲気中において、例えば、960℃で10分間焼成して裏面電極を形成する。
【0056】
次に、ステップS13において、基板1の上面(抵抗体を形成する側)に、スクリーン印刷により表面電極の厚膜印刷をし、焼成することにより、上部電極(表面電極)4a,4bを形成する。具体的には、アルミナ基板の表面に銅ペーストを印刷し、その後、それを乾燥させて、窒素雰囲気中で、例えば、960℃で10分間焼成して表面電極を形成する。
【0057】
なお、上部電極(表面電極)4a,4bと下部電極(裏面電極)5a,5bの焼成を同時に行ってもよい。
【0058】
本実施の形態例では、例えば、裏面および表面ともに厚膜印刷する電極材料として銅ペーストを使用することで、従来の抵抗器のように、銀のエレクトロニックマイグレーションによる信頼性低下の問題を回避している。また、不活性雰囲気である窒素(N2)雰囲気中で焼成するのは、電極である銅の酸化を防止するためである。なお、焼成温度は960℃でなく、例えば980℃で焼成してもよい。
【0059】
ステップS14では、例えば、表1,2に示す配合比率の、平均粒径2μmの銅粉体およびニッケル粉体と、平均粒径2μm、0〜10重量部のマンガン粉体と、平均粒径2μm、5重量部のガラス粉体(例えば、硼珪酸鉛ガラス、あるいは硼珪酸亜鉛ガラス)と、平均粒径2μm、5重量部のCu2O粉体と、エチルセルロースとテキサノールからなる、12重量部のビヒクルとを混練してなる抵抗体ペーストを用意する。
【0060】
この抵抗体ペーストを、上部電極(表面電極)4a,4b間に一部が上部電極(表面電極)4a,4bに重なるように塗布し、抵抗体ペースト厚膜を形成する。そして、この抵抗体ペースト厚膜の乾燥後、窒素(N2)雰囲気の下、例えば、960℃で10分間、焼成して、抵抗体を形成する。なお、ここでの焼成温度は、980℃でもよい。
【0061】
本実施の形態例において、抵抗体ペーストへの銅酸化物の添加により、基板と抵抗体との良好な接着が得られ、ガラス(例えば、ZnSiOx系ガラス)によって、無機バインダー膜の強度が得られる。さらに、ビヒクルは、有機バインダーによる印刷適正が得られるよう機能する。
【0062】
ステップS15では、このようにして形成された抵抗体層2の上にプリガラスコート厚膜を印刷等で形成し、乾燥させた後、焼成を行う。ここでは、抵抗体層上に例えば、硼珪酸亜鉛ガラスペーストを印刷し、その後、それを乾燥させて、窒素雰囲気中で、例えば、670℃で10分間焼成してプリガラスコートを形成する。
【0063】
なお、焼成温度は690℃であってもよい。また、ガラスペーストは、硼珪酸亜鉛ガラスペーストに限るものではなく、上述した硼珪酸バリウム系ガラス、硼珪酸カルシウム系ガラス、硼珪酸バリウムカルシウム系ガラス、硼酸鉛系ガラス、硼珪酸鉛亜鉛系ガラス等を用いることができる。
【0064】
次に、ステップS16において、必要に応じて抵抗体のトリミング(抵抗値調整)を行う。このトリミングは、例えば、レーザビームやサンドブラスト等によって、抵抗体のパターンに切れ込みを入れることによって抵抗値を調整する。
【0065】
そして、ステップS17において、例えば、プリガラスコートと上部電極4a,4bを覆うようにエポキシ系樹脂をスクリーン印刷等によって形成し、それを硬化させて、絶縁膜としての機能をも有する保護膜3であるオーバーコートを形成する。
【0066】
その後、必要に応じてオーバーコート(保護膜3)上にエポキシ系樹脂を印刷し、それを硬化させた後、抵抗値等を表示するための表示部を形成する。
【0067】
さらに、ステップS18において、Aブレイク(1次ブレーク)を行い、アルミナ基板を短冊状に分割する。続くステップS19で、短冊上のアルミナ基板の端面にスッパタリング法によりNiCr合金膜を形成し、端部電極6a,6bを形成する。なお、NiCr合金膜の形成は、スパッタリング法に限定されるものではなく、蒸着等により形成してもよい。
【0068】
次にステップS20で、Bブレイク(2次ブレーク)を行い、端部電極6a,6bを形成した短冊状のアルミナ基板をさらに分割し、個片(チップ)にする。得られた個片(チップ)の大きさは、例えば、3.2mm×1.6mmである。
【0069】
そして、ステップS21において、上部電極4a,4bのうち、保護膜3で覆われていない部分と、下部電極5a,5b、および端部電極6a,6b上に外部電極8a,8bを形成する。
【0070】
外部電極8a,8bは、例えば、順に、電解ニッケル(Ni)メッキ―電解銅(Cu)メッキ―電解ニッケル(Ni)メッキ―電解錫(Sn)メッキを施し、Ni膜―Cu膜―Ni膜―Sn膜が積層した状態とする。
【0071】
以上のようにして製造されたチップサイズ3.2mm×1.6mmの抵抗器は、例えば、基板厚さ470μm、上面電極厚さ20μm、下面電極厚さ20μm、抵抗体層厚さ30〜40μm、プリガラスコート厚さ10μm、保護膜厚さ30μm、端部電極厚さ0.05μm、外部電極厚さは、順にNi膜厚さ3〜7μm、Cu膜厚さ20〜30μm、Ni膜厚さ3〜12μm、Sn膜厚さ3〜12μmに形成されている。
【0072】
本実施の形態例の抵抗体ペーストを用いて抵抗器を製造する場合における、抵抗体ペーストの焼成方法と焼成後の抵抗体については、抵抗体ペーストを中性雰囲気中または不活性雰囲気中(例えば、窒素雰囲気中)において600℃〜1000℃で焼成するのが好ましい。なお、上記抵抗体ペーストの焼成時間は任意に設定することができる。これにより、銅−ニッケル系抵抗体、より好ましくは、銅ニッケル合金抵抗体を得ることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態例によれば、銅とニッケルからなる導電性金属粉体に対して、ガラス粉体、銅酸化物粉体、マンガン粉体、および、樹脂と溶剤からなるビヒクルを添加し、これらを混錬して抵抗体ペーストを作製する際、マンガンの添加量を任意に選択することで、抵抗体のシート抵抗値を所望の値にすることができる。
【0074】
具体的には、マンガンの添加量の選択により、シート抵抗値が約100mΩ/□以下、より好ましくは、約50mΩ/□以下で、かつ、低TCRの抵抗体ペーストを容易に得ることができる。
【0075】
また、銅粉体とニッケル粉体、その他の添加剤を配合してペースト化し、それを焼成して合金化することにより、安価で、抵抗値等を微調整できる抵抗体ペーストおよび抵抗器を作製することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、抵抗体ペーストのTCRに幅を持たせることができ、かかる抵抗体ペーストを使用して、低抵抗値および低TCR特性を有する高精度抵抗器を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る抵抗体ペーストの製造工程を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態例に係るチップ抵抗器の断面構成を示す図である。
【図3】実施の形態例に係る抵抗器の製造工程を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 基板
2 抵抗層
3 保護膜
4a,4b 上部電極(表面電極)
5a,5b 下部電極(裏面電極)
6a,6b 端部電極
7 プリガラス
8a,8b 外部電極(メッキ)
Claims (8)
- 銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、前記第1の混合粉体と前記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体と、ガラス粉体と、銅酸化物粉体と、マンガン粉体と、樹脂と溶剤からなるビヒクルとからなることを特徴とする抵抗体ペースト。
- 銅粉体とニッケル粉体からなる第1の混合粉体、銅とニッケルの合金粉体、前記第1の混合粉体と前記合金粉体からなる第2の混合粉体の少なくともいずれかの粉体からなる導電性金属粉体を100重量部としたときに、前記導電性金属粉体100重量部に対して、ガラス粉体を1乃至10重量部、銅酸化物粉体を1乃至10重量部、マンガン粉体を1乃至4重量部それぞれ配合し、
前記導電性金属粉体と前記ガラス粉体と前記銅酸化物粉体と前記マンガン粉体の混合物を100重量部としたときに、前記混合物100重量部に対して、樹脂と溶剤を含むビヒクルを10乃至15重量部配合したことを特徴とする抵抗体ペースト。 - 前記銅酸化物はCuOとCu2Oのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の抵抗体ペースト。
- 絶縁性基体と、
前記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする抵抗器。 - 絶縁性基体と、
前記絶縁性基体上に形成された銅とニッケルとマンガンとからなる金属成分と、銅酸化物からなる金属酸化物成分と、ガラス成分とを有する抵抗体とからなることを特徴とする抵抗器。 - 銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、前記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、およびマンガンを1乃至4重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする抵抗器。
- 銅とニッケルの金属成分を100重量部としたときに、前記金属成分100重量部に対して銅酸化物成分を1乃至10重量部、マンガンを1乃至4重量部、およびガラス成分を1乃至10重量部含む抵抗体を絶縁性基体上に形成したことを特徴とする抵抗器。
- 前記銅酸化物はCuOとCu2Oのいずれかであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の抵抗器。
Priority Applications (1)
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