JP3538700B2 - 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板 - Google Patents

抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板

Info

Publication number
JP3538700B2
JP3538700B2 JP01815699A JP1815699A JP3538700B2 JP 3538700 B2 JP3538700 B2 JP 3538700B2 JP 01815699 A JP01815699 A JP 01815699A JP 1815699 A JP1815699 A JP 1815699A JP 3538700 B2 JP3538700 B2 JP 3538700B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance
weight
resistor
paste
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01815699A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11307307A (ja
Inventor
啓祐 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP01815699A priority Critical patent/JP3538700B2/ja
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to EP06001124A priority patent/EP1655742B1/en
Priority to DE69942865T priority patent/DE69942865D1/de
Priority to DE69934925T priority patent/DE69934925T2/de
Priority to EP06001125A priority patent/EP1655743B1/en
Priority to DE69942780T priority patent/DE69942780D1/de
Priority to EP99103210A priority patent/EP0938104B1/en
Priority to US09/253,990 priority patent/US6190790B1/en
Publication of JPH11307307A publication Critical patent/JPH11307307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538700B2 publication Critical patent/JP3538700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抵抗材料、これ
を用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミッ
ク多層基板に関するもので、特に、中性または還元性雰
囲気中で焼付けを行なうことが可能な抵抗ペースト、こ
の抵抗ペーストに有利に含有される抵抗材料、この抵抗
ペーストを用いて形成される抵抗体、およびこの抵抗体
を備えるセラミック多層基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナからなるセラミック基板には、
通常、種々の電子部品を搭載できるように、電極や抵抗
体などをもって構成される回路パターンが形成されてい
る。また、電極あるいは電極パターンを形成するため、
銀、銀−パラジウム合金などの貴金属ペーストをスクリ
ーン印刷し、空気中で焼き付けることが一般に行なわれ
ている。
【0003】また、基板を積層化して導体を内部に立体
的に配置することにより高密度化を図り、それによっ
て、さらなる製品の小型化を図ろうとする検討もされて
いる。しかし、従来の一般的なアルミナ基板を用いて、
内層配線および積層化を行なおうとする場合には、アル
ミナの焼結温度が高いため、導体材料として、タングス
テン、モリブデンなどの高融点金属を用いなければなら
ないが、これらの金属の比抵抗が高いため、用途が制約
され、実用的でないという問題がある。
【0004】そこで、このような問題を解決する目的
で、低温(1000℃以下)で焼結することが可能で、
銀、パラジウム、銅などの金属を内層材料として用いる
ことを可能とする低温焼結基板(たとえば、セラミック
とガラスとからなる複合基板など)が用いられるように
なってきている。
【0005】このような低温焼結基板において用いる電
極材料としては、前述した貴金属ペーストが考えられ
る。しかしながら、貴金属ペーストは、高価であるばか
りでなく、インピーダンスが高く、エレクトロマイグレ
ーションを起こしやすいという欠点があるため、実用上
問題となっている。
【0006】これに対して、インピーダンスが低く、エ
レクトロマイグレーションを起こさない銅などの卑金属
材料を含む卑金属ペーストを、焼結基板またはグリーン
シート上にスクリーン印刷し、これを中性または還元性
雰囲気中で焼成すれば、高品質の電極パターンを安価に
形成できることがわかっており、注目されている。
【0007】この場合、卑金属ペーストを焼き付けた後
の複数の卑金属電極間を連結するように基板上に設けら
れる抵抗体あるいは抵抗パターンを形成するための抵抗
ペーストは、導電材料としてRuO2 系材料を使用した
ものでは還元されてしまうため、使用できない。抵抗材
料としては、窒素などの中性または還元性雰囲気中で焼
き付けることができるものであることが望ましい。
【0008】そこで、上述のような中性または還元性雰
囲気中で焼付けを行なうことが可能な抵抗ペーストとし
て、特公昭55−30889号公報に記載されたLaB
6 系の導電材料を含有する抵抗ペースト、特開昭63−
224301号公報に記載されたNbB2 系の導電材料
を含有する抵抗ペースト、特開平2−249203号公
報に記載されたNbx La1-x 6-4x固溶体系の導電材
料を含有する抵抗ペーストなどが提案されている。
【0009】特に、導電材料としてNbx La1-x
6-4x系を含有する抵抗ペーストを用いて形成された抵抗
体は、LaB6 系などの導電材料を含有する抵抗ペース
トを用いて形成された抵抗体よりも、導電材料およびガ
ラスフリットの混合比率を変えることによって、良好な
再現性が得られる面積抵抗値の範囲が広いという利点を
有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特にN
x La1-x 6-4x系の導電材料を含有する抵抗ペース
トをもって形成された抵抗体では、その面積抵抗値が高
い領域(約10kΩ/□以上)において抵抗温度係数
(以下、「TCR」と言う。)がマイナス(−)方向へ
シフトし、絶対値が0から離れていく傾向にある。特開
平5−335107号公報では、B2 3 、SiO2
Al2 3 、CrB、NiB、TaSi2 、Ta、およ
びAlNのいずれか1種または複数種を添加すること
で、アルミナ基板上でのTCRをプラス方向にシフトさ
せられることが示されているが、セラミックとガラスと
の複合基板などの低温焼結基板に抵抗体を形成した場合
には、特に低抵抗領域でのTCR制御効果および再現性
が十分ではなく、必要とされるTCR特性が十分に得ら
れないのが実状であった。
【0011】そこで、この発明の目的は、Nbx La
1-x 6-4x系またはNbB2 などの導電材料を含有する
抵抗ペーストを低温焼結基板上で焼き付けても、それに
よって形成された抵抗体における面積抵抗値の高い領域
(約10kΩ/□以上)のTCRを、プラス方向へシフ
トさせて0に近づけることを可能にして、上述したよう
な問題を解決しようとすることである。
【0012】より特定的には、この発明の目的は、上述
のような問題の解決を図り得る、抵抗ペースト、この抵
抗ペーストに有利に含有される抵抗材料、この抵抗ペー
ストを用いて形成される抵抗体、およびこの抵抗体を備
えるセラミック多層基板を提供しようとすることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を解
決するため、この発明は、まず、抵抗ペーストに有利に
含有される抵抗材料に向けられる。
【0014】この発明に係る抵抗材料は、一般的には、
導電材料と添加剤とを含有し、導電材料として、一般
式:Nbx La1-x 6-4x(x=0.1〜0.9)で表
される導電材料を含有し、添加剤として、平均粒径が
0.5μm以下の窒化アルミニウム(AlN)、および
平均粒径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )を含
有することを特徴としている。
【0015】この発明に係る抵抗材料は、より特定的な
局面では、一般式:Nbx La1-x6-4x(x=0.1
〜0.9)で表される導電材料と非還元性ガラスフリッ
トと添加剤とを含有し、添加剤として、導電材料および
非還元性ガラスフリットの合計量100重量部に対し
て、平均粒径が0.5μm以下の窒化アルミニウム(A
lN)が5〜15重量部、および平均粒径が0.5μm
以下の酸化珪素(SiO 2 )が1〜5重量部、それぞ
れ、含有することを特徴としている。
【0016】上述したより特定的な局面において、導電
材料/非還元性ガラスフリットの配合割合が、70〜1
0重量部/30〜90重量部の範囲にあることが好まし
い。
【0017】この発明は、また、上述した抵抗材料に有
機ビヒクルを添加し、混練して得られた、抵抗ペースト
にも向けられる。
【0018】この抵抗ペーストは、BaOが15〜75
重量%、SiO2 が25〜80重量%、Al2 3 が3
0重量%以下、B2 3 が1.5〜5重量%、CaOが
1.5〜5重量%、それぞれ、含有する組成を有する低
温焼結基板上に抵抗体を形成するために有利に用いられ
る。
【0019】この発明は、また、上述した抵抗ペースト
を塗布し、焼き付けることによって形成された、抵抗体
にも向けられる。
【0020】この発明は、さらに、上述した抵抗体を備
える、セラミック多層基板にも向けられる。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施形態によ
る抵抗ペーストでは、一般式:Nbx La1- x
6-4x(x=0.1〜0.9)で表される導電材料と非還
元性ガラスフリットと添加剤とを含有し、添加剤とし
て、導電材料および非還元性ガラスフリットの合計量1
00重量部に対して、平均粒径が0.5μm以下の窒化
アルミニウム(AlN)が5〜15重量部、および平均
粒径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )が1〜5
重量部、それぞれ、含有する、そのような抵抗材料が添
加される。
【0022】上述した抵抗材料は、これに有機ビヒクル
を添加し、混練することによって、抵抗ペーストとされ
る。この抵抗ペーストは、これを塗布し、焼き付けるこ
とによって抵抗体を形成する。
【0023】上述の導電材料であるNbx La1-x
6-4xの粒子径は、0.1〜5μmの範囲が好ましく、
0.1〜3μmの範囲がより好ましい。
【0024】非還元性ガラスフリットとしては、Ba、
Ca、もしくは他のアルカリ土類金属の硼珪酸ガラスま
たは硼アルミノ珪酸ガラスなどが選ばれる。また、非還
元性ガラスフリットの粒子径は、1〜10μmの範囲が
好ましく、1〜5μmの範囲がより好ましい。
【0025】上述した抵抗材料において、導電材料およ
び非還元性ガラスフリットの合計量100重量部に対し
て、添加剤としての平均粒径が0.5μm以下の窒化ア
ルミニウム(AlN)を5〜15重量部、および平均粒
径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )を1〜5重
量部、それぞれ、添加するようにしたのは、いずれも、
添加量の各範囲を下回ると、当該抵抗材料を含む抵抗ペ
ーストから得られた抵抗体の抵抗値およびTCRの制御
効果が不十分になることがあり、また、添加量の各範囲
を上回ると、抵抗値が急激に増加することがあるばかり
でなく、TCRの劣化が著しくなったり、再現性が悪く
なったりすることがあるからである。
【0026】また、上述した抵抗材料に係る各実施形態
において、好ましくは、導電材料/非還元性ガラスフリ
ットの配合割合が、70〜10重量部/30〜90重量
部の範囲にあるように選ばれる。これによって、基板へ
の密着性を優れたものとし、かつ、ガラス成分の流れ出
しのない抵抗ペーストを得ることができるようになる。
より詳細には、非還元性ガラスフリットの割合が上記範
囲を下回ると、当該抵抗材料を含む抵抗ペーストを基板
に塗布し、焼き付けることによって得られた抵抗体の基
板への密着性が低下することがあり、他方、上記範囲を
上回ると、焼付け工程において、抵抗ペースト中のガラ
ス成分が流れ出すことがあり、これによって、隣接して
配置される電極の半田付け性を劣化させ、また、抵抗値
が急変したり、再現性に乏しかったりして、実用に適さ
ないことがある。
【0027】また、この発明に係る抵抗ペーストにおい
ては、前述したように、導電材料と非還元性ガラスフリ
ットとの混合物(固形成分)に有機ビヒクルを添加し
て、混練することにより、必要な印刷特性が付与されて
いるが、この有機ビヒクルとしては、たとえば、厚膜材
料ペーストにおいて使用されているエチルセルロース系
樹脂やアクリル系樹脂などをα−テレピネオールのよう
なテルペン系やケロシン、ブチルカルビトール、カルビ
トールアセテートなどの高沸点溶剤に溶解させたものな
ど、種々のものを用いることが可能であり、また、必要
であれば、チキソ性を付与するための添加剤を添加する
ことも可能である。
【0028】以上のようにして、導電材料70〜10重
量部と非還元性ガラスフリット30〜90重量部との合
計量100重量部に対して、平均粒径が0.5μm以下
の窒化アルミニウム(AlN)を5〜15重量部、およ
び平均粒径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )を
1〜5重量部、それぞれ、含有する抵抗材料に、有機ビ
ヒクルを添加し、混練することにより得られた抵抗ペー
ストを用いることにより、低温焼結基板上に塗布、焼付
けした場合にも、TCRが0により近い抵抗体を確実に
形成することが可能になる。
【0029】また、この発明に係る抵抗ペーストによれ
ば、アルミナ基板上でのTCRのみならず、従来、制御
効果の十分でなかった、たとえば、BaOが15〜75
重量%、SiO2 が25〜80重量%、Al2 3 が3
0重量%以下、B2 3 が1.5〜5重量%、CaOが
1.5〜5重量%、それぞれ、含有する組成を有する低
温焼結基板上に塗布、焼付けした場合にも、TCRが0
に近い抵抗体を形成することができる。
【0030】また、この発明に係る抵抗ペーストを塗
布、焼付けすることにより形成された抵抗体は、基板と
の密着性が良好で、かつ、低温焼結基板上に形成された
場合にも、実用可能な面積抵抗値が広く、しかも、TC
Rが良好であるという特徴を有している。
【0031】図1は、この発明の一実施形態によるセラ
ミック多層基板1を図解的に示す断面図である。
【0032】セラミック多層基板1は、複数のセラミッ
ク層2を備える。セラミック多層基板1を製造するにあ
たり、所定のセラミック組成物を含む複数のグリーンシ
ートを積層して得られたセラミック積層体を焼成するこ
とが行なわれるが、複数のセラミック層2は、これら複
数のグリーンシートの焼成の結果としてもたらされたも
のである。
【0033】セラミック多層基板1の外表面上には、表
面導体3、4、5および6が形成され、かつ、同じく内
部には、特定のセラミック層2間の界面に沿って内部導
体7、8、9、10および11が形成されるともに、特
定のセラミック層2を貫通するようにバイアホール導体
12、13、14、15および16が形成されている。
また、セラミック多層基板1の外表面上であって、表面
導体3および4間を接続するように、抵抗体17が形成
されている。
【0034】上述の表面導体3〜6、内部導体7〜11
ならびにビアホール導体12〜16は、これらを形成す
るための金属ペーストを前述のセラミック積層体に予め
付与しておき、このセラミック積層体と同時焼成するこ
とによって形成されたものである。この場合、好ましく
は、金属ペーストとしては、卑金属ペーストが用いら
れ、焼成において、中性または還元性雰囲気が適用され
る。
【0035】また、抵抗体17は、前述したようなこの
発明に係る抵抗ペーストを、焼成後の表面導体3および
4間を接続するように付与し、中性または還元性雰囲気
中で焼き付けることによって形成される。
【0036】なお、図1に示したセラミック多層基板1
の構造、より特定的には、電気的要素および電気的接続
態様等は、この発明が適用され得るセラミック多層基板
の一例にすぎないことを指摘しておく。
【0037】
【実施例】まず、以下の要領により、電極を形成した基
板を作製した。
【0038】BaO、SiO2 、Al2 3 、CaO、
およびB2 3 をそれぞれ用意し、これらを、重量比で
30:60:5:2:3の割合で配合し、これを粉砕混
合した後、850〜950℃の温度で仮焼し、さらに粉
砕した。そして、得られた粉体に有機バインダを加え
て、ドクターブレード法により、厚さ128μmのシー
トを成形した。次いで、所定の大きさに切断したこのシ
ートに銅ペーストをスクリーン印刷し、乾燥した後、圧
着成形し、基材を得た。次に、この基材を、窒素をキャ
リアガスとし、酸素および水素を微量含有させた窒素−
水蒸気雰囲気(N 2 が99.7〜99.8%)中、85
0〜1000℃の条件で、電気炉により、仮焼および本
焼を行ない、銅電極を形成した基板を得た。
【0039】他方、以下のような手順で、Nbx La
1-x 6-4x(x=0.1〜0.9)の組成を有する導電
材料と非還元性ガラスフリットとを作製した後、所要の
添加剤および有機ビヒクルを加えて、抵抗ペーストを作
製した。
【0040】まず、導電材料の出発原料である粉末状の
NbB2 とLaB6 とを用意し、これらをNbx La
1-x 6-4x(x=0.1〜0.9)の組成となるように
秤量して混合した後、るつぼに入れ、ピーク温度が10
00℃に設定された窒素(N2)雰囲気中で2時間以上
焼成することにより、NbB2 にLaB6 を固溶させた
状態の合成物を作製した。なお、このときの昇温速度
は、1分間当たり3℃となるように設定した。そして、
得られた合成物を、振動ミルを用いて、平均粒径が0.
5μmとなるまで粉砕した上で乾燥させることにより、
Nbx La1-x 6- 4x(x=0.1〜0.9)の組成を
有する導電材料を得た。
【0041】また、導電材料とは別に、非還元性ガラス
フリットの出発原料であるB2 3、SiO2 、Ba
O、CaO、Nb2 5 、およびK2 Oをそれぞれ用意
し、これら各々を35.56:31.24:17.7
8:10.04:2.41:2.97のモル比で混合し
た後、得られた混合物を1300℃ないし1400℃の
温度下で溶融することによって溶融ガラスを作製した。
さらに、この溶融ガラスを純水中で急冷した後、振動ミ
ルを用いて、平均粒径が2μmとなるまで粉砕すること
により、非還元性ガラスフリットを得た。
【0042】さらに、気相合成法で作られた各平均粒径
が0.5μm以下である、AlN(0.2〜0.3μ
m)を第1添加剤、SiO2 (0.2μm)を第2添加
剤として用意した。また、粒径に関する比較例として、
各平均粒径が1μm前後である、AlNおよびSiO2
を用意した。これらを、表1に示すように、Nbx La
1-x 6-4x系の導電材料と非還元性ガラスフリットとの
混合物に対して、添加することによって、混合物を得
た。
【0043】なお、表1中のパラメータであるxは、N
x La1-x 6-4x系の導電材料における組成割合を示
している。また、表1において、試料21は、前述のよ
うに、比較例として用意された平均粒径が1μm前後で
あるAlNを用いたものであり、試料22は、平均粒径
が1μm前後であるSiO2 を用いたものである。
【0044】
【表1】
【0045】以上のようにして得られた混合物に対し、
アクリル樹脂をα−テルピネオールに溶解した有機ビヒ
クルを加えた後、混練することによって、抵抗ペースト
を得た。
【0046】得られた各抵抗ペーストを、先に、銅電極
を形成した低温焼結基板上の電極間に、長さ1.0mm、
幅1.0mm、乾燥膜厚20μmをもって、スクリーン印
刷した後、150℃の温度で10分間にわたって乾燥さ
せた。その後、N2 雰囲気としたトンネル炉にて、ピー
ク温度900℃で10分間保持して焼付けを行ない、そ
れによって抵抗体を形成した試料を得た。
【0047】次に、得られた各試料について、面積抵抗
値(1.0×1.0mm□)およびTCR(Cold/T
CR:25〜−55℃間、Hot/TCR:25〜15
0℃間)を測定した。その結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】なお、表2および前掲の表1において、*
を付した試料は、この発明における好ましい範囲外の比
較例であり、それ以外は、すべて、この発明における好
ましい範囲内の実施例である。
【0050】図2は、表2に示した各試料の面積抵抗値
とTCRとの関係を示したものである。TCRは、Co
ld/Hotいずれか絶対値の大きい方の値をプロット
している。図2において、○は、添加剤を添加していな
い試料に相当し、△は、その他のこの発明における好ま
しい範囲外の試料に相当し、●は、この発明における好
ましい範囲内の試料に相当している。
【0051】表1、表2および図2に示すように、平均
粒径が0.5μm以下の窒化アルミニウム(AlN)、
および平均粒径が0.5μm以下の酸化珪素(Si
2 )を、それぞれ、この発明における好ましい範囲内
で添加した実施例に係る試料では、比較例である、いず
れの添加剤も添加していない試料に比べて、TCRが上
方に位置しており、同レベルの抵抗値で比較しても、そ
のTCRは、±0ppm/℃に近づいている。
【0052】このように、この発明における好ましい範
囲内にある試料では、±150ppm/℃以内に入り、
このように、±150ppm/℃以内に入っているの
は、この発明における好ましい範囲にある試料のみであ
り、この好ましい範囲を外れている試料では、抵抗値の
増大、TCRの著しい劣化、また、抵抗値あるいはTC
Rの再現性およびばらつきの劣化が認められ、安定に高
い面積抵抗値領域を得ることができない。
【0053】また、試料21および22のように、Al
NおよびSiO2 の平均粒径が1μm前後のものを使用
した場合には、平均粒径が0.5μm以下のAlNおよ
びSiO2 を使用した場合において奏された、高い抵抗
値およびTCRのマイナスからプラス方向へシフトさせ
る効果を得ることができない。
【0054】これらの結果から、添加剤に関して、導電
材料と非還元性ガラスフリットとの合計量100重量部
に対して、平均粒径が0.5μm以下の窒化アルミニウ
ム(AlN)が5〜15重量部、および平均粒径が0.
5μm以下の酸化珪素(SiO2 )が1〜5重量部であ
るものが、特に好ましいことがわかる。
【0055】なお、この実施例では、導電材料の組成比
に関して、x=0.5、0.75であったが、組成比は
これらに限定されるものではない。
【0056】また、非還元性ガラスフリットの成分およ
び組成比についても、実施例で用いられたものに限定さ
れるものではなく、他の種々の材料または組成比を備え
る非還元性ガラスフリットを用いることもできる。
【0057】また、抵抗体を形成する対象である基板
は、実施例に示した低温焼結基板に限定されるものでは
なく、他の種々の材料からなる基板に抵抗体を形成する
場合にも、この発明を適用することができる。
【0058】この発明は、さらに、その他の点において
も、実施例に限定されるものではなく、材料、組成、焼
付け条件、雰囲気条件などに関し、この発明の趣旨を逸
脱しない範囲で、種々の応用、変形を加えることが可能
である。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る抵抗材
料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびに
この抵抗体を備えるセラミック多層基板によれば、抵抗
材料が、導電材料と添加剤とを含有し、導電材料とし
て、一般式:Nbx La1-x 6-4x(x=0.1〜0.
9)で表される導電材料を含有し、添加剤として、平均
粒径が0.5μm以下の窒化アルミニウム(AlN)、
および平均粒径が0.5μm以下の酸化珪素(Si
2 )を含有しているので、この抵抗材料を含む抵抗ペ
ーストを焼き付けて形成した抵抗体において、その面積
抵抗値が低い領域(10kΩ/□以上)におけるTCR
をマイナスからプラス方向へシフトさせ、TCRの絶対
値を0に近づけることが可能となり、かつ安定に高い抵
抗値が得られ、それゆえ、中性または還元性雰囲気中で
焼き付けられる抵抗ペーストに実用上必要とされるTC
Rを十分満たすような調整が可能となる。
【0060】この発明において、導電材料および非還元
性ガラスフリットの合計量100重量部に対する、上述
した添加剤の添加量が、平均粒径が0.5μm以下の窒
化アルミニウム(AlN)が5〜15重量部、および平
均粒径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )が1〜
5重量部とそれぞれなるように選ばれると、上述した効
果がより確実に達成される。
【0061】また、この発明において、導電材料/非還
元性ガラスフリットの配合割合が、70〜10重量部/
30〜90重量部の範囲にあるように選ばれると、基板
への密着性を優れたものとし、かつ、ガラス成分の流れ
出しのない抵抗ペーストを得ることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるセラミック多層基
板1を図解的に示す断面図である。
【図2】この発明に係る実施例および比較例の面積抵抗
値とTCRとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック多層基板 17 抵抗体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/00 C09D 5/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電材料と添加剤とを含有し、前記導電
    材料として、一般式:Nbx La1-x 6-4x(x=0.
    1〜0.9)で表される導電材料を含有し、前記添加剤
    として、平均粒径が0.5μm以下の窒化アルミニウム
    (AlN)、および平均粒径が0.5μm以下の酸化珪
    素(SiO2 )を含有することを特徴とする、抵抗材
    料。
  2. 【請求項2】 一般式:Nbx La1-x 6-4x(x=
    0.1〜0.9)で表される導電材料と非還元性ガラス
    フリットと添加剤とを含有し、前記添加剤として、前記
    導電材料および前記非還元性ガラスフリットの合計量1
    00重量部に対して、平均粒径が0.5μm以下の窒化
    アルミニウム(AlN)が5〜15重量部、および平均
    粒径が0.5μm以下の酸化珪素(SiO2 )が1〜5
    重量部、それぞれ、含有することを特徴とする、抵抗材
    料。
  3. 【請求項3】 前記導電材料/前記非還元性ガラスフリ
    ットの配合割合が、70〜10重量部/30〜90重量
    部の範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載の抵
    抗材料。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の抵抗材料に有
    機ビヒクルを添加し、混練して得られたことを特徴とす
    る、抵抗ペースト。
  5. 【請求項5】 BaOが15〜75重量%、SiO2
    25〜80重量%、Al2 3 が30重量%以下、B2
    3 が1.5〜5重量%、CaOが1.5〜5重量%、
    それぞれ、含有する組成を有する低温焼結基板上に抵抗
    体を形成するために用いられることを特徴とする、請求
    項4に記載の抵抗ペースト。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の抵抗ペースト
    を塗布し、焼き付けることによって形成された、抵抗
    体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の抵抗体を備える、セラ
    ミック多層基板。
JP01815699A 1998-02-23 1999-01-27 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板 Expired - Fee Related JP3538700B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01815699A JP3538700B2 (ja) 1998-02-23 1999-01-27 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板
DE69942865T DE69942865D1 (de) 1998-02-23 1999-02-19 Widerstandsmaterial, Widerstandspaste und Widerstand aus diesem Material und keramische Mehrschichtstruktur
DE69934925T DE69934925T2 (de) 1998-02-23 1999-02-19 Widerstandsmaterial, Widerstandspaste und Widerstand aus diesem Material und Keramisches Mehrschichtsubstrat
EP06001125A EP1655743B1 (en) 1998-02-23 1999-02-19 Resistor material, resistive paste and resistor using the resistor material, and multi-layered ceramic substrate
EP06001124A EP1655742B1 (en) 1998-02-23 1999-02-19 Resistor material, resistive paste and resistor using the resistor material, and multi-layered ceramic substrate
DE69942780T DE69942780D1 (de) 1998-02-23 1999-02-19 Widerstandsmaterial, Widerstandspaste und Widerstand aus diesem Material und keramische Mehrschichtstruktur
EP99103210A EP0938104B1 (en) 1998-02-23 1999-02-19 Resistor material, resistive paste and resistor using the resistor material, and multi-layered ceramic substrate
US09/253,990 US6190790B1 (en) 1998-02-23 1999-02-22 Resistor material, resistive paste and resistor using the resistor material, and multi-layered ceramic substrate

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-40212 1998-02-23
JP4021298 1998-02-23
JP01815699A JP3538700B2 (ja) 1998-02-23 1999-01-27 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11307307A JPH11307307A (ja) 1999-11-05
JP3538700B2 true JP3538700B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=26354801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01815699A Expired - Fee Related JP3538700B2 (ja) 1998-02-23 1999-01-27 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538700B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE20023051U1 (de) 1999-12-16 2003-01-09 Epcos Ag Piezoelektrisches Bauelement

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11307307A (ja) 1999-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4623921B2 (ja) 抵抗組成物および抵抗器
JPS6341165B2 (ja)
JP3538700B2 (ja) 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板
JP3567774B2 (ja) 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板
US6190790B1 (en) Resistor material, resistive paste and resistor using the resistor material, and multi-layered ceramic substrate
JP3538699B2 (ja) 抵抗材料、これを用いた抵抗ペーストおよび抵抗体、ならびにセラミック多層基板
JPH0346705A (ja) 銅ペースト
JPH1051088A (ja) セラミック配線基板およびその製造方法
JP2937073B2 (ja) 抵抗材料組成物、抵抗ペースト及び抵抗体
JP2005244115A (ja) 抵抗体ペースト、抵抗体及び電子部品
JP2937072B2 (ja) 抵抗材料組成物、抵抗ペースト及び抵抗体
JP2989936B2 (ja) ガラスフリット、抵抗体ペーストおよび配線基板
CN100590754C (zh) 电阻体膏剂、电阻体、及使用了所述电阻体的电路基板
JP3246245B2 (ja) 抵抗体
EP0722175B1 (en) Resistance paste and resistor comprising the material
JP2827902B2 (ja) 抵抗ペースト
JP2004119561A (ja) 抵抗体ペーストおよび抵抗器
JPH0537160A (ja) 多層セラミツク回路基板
JP2006066475A (ja) 厚膜抵抗体形成用組成物、厚膜抵抗体の形成方法及び厚膜抵抗体
JP3315182B2 (ja) セラミック基板用組成物
WO2021221172A1 (ja) 厚膜抵抗ペースト、厚膜抵抗体、及び電子部品
JP2006261250A (ja) 抵抗体ペースト、抵抗体及び電子部品
JPH03209701A (ja) 抵抗体組成物、抵抗器、抵抗器の製造方法及び回路基板
JP2006225237A (ja) 厚膜抵抗体用ガラス組成物及びこれを用いた厚膜抵抗体ペースト
JPH07336021A (ja) 厚膜配線用基板、および、その製造方法、ならびに、厚膜配線形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees