JP2006339105A - チップ型ヒューズ素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストを抑えながら、可溶体を構成する溶断材料の融点を下げ、溶断特性に優れたチップ型ヒューズ素子を提供する。
【解決手段】 基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子である。可溶体は、異種金属からなる複数種類の金属粉、例えばAg粉とCu粉を含む可溶体ペーストの印刷及び焼成により形成されている。可溶体形成の際の焼成温度は、Ag粉とCu粉の比率によって上限が決まり、例えばAg粉の比率xを8質量%≦x≦92質量%、Cu粉の比率yを8質量%≦y≦92質量%とした場合には、焼成温度を779℃未満とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子である。可溶体は、異種金属からなる複数種類の金属粉、例えばAg粉とCu粉を含む可溶体ペーストの印刷及び焼成により形成されている。可溶体形成の際の焼成温度は、Ag粉とCu粉の比率によって上限が決まり、例えばAg粉の比率xを8質量%≦x≦92質量%、Cu粉の比率yを8質量%≦y≦92質量%とした場合には、焼成温度を779℃未満とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子及びその製造方法に関するものであり、特に、印刷及び焼成により可溶体が形成された新規なチップ型ヒューズ素子及びその製造方法に関する。
ヒューズ素子としては、過剰な電流による発熱により溶断する溶断線を小径のガラス管の中に配したヒューズ素子が一般的であるが、前記構造では小型化に限度があり用途も制約されることから、より小型のいわゆるチップ型ヒューズ素子が開発されている。チップ型ヒューズ素子は、セラミックチップ等の絶縁基板上に溶断材料からなる幅狭の可溶体を形成し、可溶体の両端に電極を接続することにより構成されるものであり、このような構成を採用することにより、ヒューズ素子の小型化のみならず、低コスト化にも繋がるものと期待される。
このようなチップ型ヒューズ素子の可溶体は、蒸着やスパッタ等の真空技術によって薄膜に形成されることが一般的である。真空技術は、可溶体に使用可能な材料選択の幅が広いため特性の調整が比較的容易であることや、可溶体の薄膜化及び幅狭化も容易であることから、高抵抗値を示す可溶体を実現でき、溶断時間の短いチップ型ヒューズ素子を作製するうえで有利である。その反面、真空技術の利用は、大規模な製造設備が必要となり、製造工程が煩雑となることから、製造コストの大幅な上昇を招くという不都合も有している。
そこで、前記可溶体を印刷法を利用して厚膜に形成する技術も検討されている。例えば、特許文献1には、ヒューズエレメント(可溶体)を銀の厚膜により構成したヒューズ素子が開示されている。印刷法を利用する場合、導電性材料である金属粉を含むペースト(可溶体ペースト)を絶縁基板上に印刷し、乾燥した後、焼成することによって可溶体が形成される。印刷法を利用することで、真空技術を利用した場合に比べてチップ型ヒューズ素子の製造コストの大幅な低減が可能となる。
特開2002−140975号公報
ところで、前述のような印刷法を採用してチップ型ヒューズ素子を製造する場合、必ず焼成が必要であり、使用可能な溶断材料(金属)に制約が生ずるという大きな問題がある。例えば、焼成により簡単に酸化してしまうような金属粉を使用すると、形成される可溶体の電気抵抗が高くなり、極端な場合、絶縁体となってしまって、溶断可能な可溶体を形成することが難しい。
そのため、金属粉としてAg粉等、酸化し難い金属粉を使用せざるを得ないが、Ag粉は融点が高く、溶断特性の点で不利である。可溶体を構成する溶断材料の融点が高いと溶断し難くなる傾向にあり、溶断時間が長くなる等の問題が生ずるおそれがある。さらに、印刷法により可溶体を形成する場合、薄膜法(例えば、スパッタや蒸着、めっき等)で形成される可溶体と比較して可溶体の断面積が大きくなる傾向にある。可溶体の断面積が大きくなれば抵抗は小さくなり、前記溶断特性の問題は一層顕著になる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、本発明は、前記のように使用可能な金属粉に制約がある中で、可溶体を構成する溶断材料の融点を下げることができ、可溶体を印刷法により形成した場合にも優れた溶断特性を実現することが可能なチップ型ヒューズ素子を提供することを目的とし、さらにはその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、焼成過程で異種金属を合金化することにより、形成される可溶体の融点を下げることができるとの知見を得るに至った。本発明は、前記知見に基づき、全く新規な発想により案出されたものである。
すなわち、本発明のチップ型ヒューズ素子は、基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子であって、前記可溶体は、異種金属からなる複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストの印刷及び焼成により形成されていることを特徴とする。
また、本発明のチップ型ヒューズ素子の製造方法は、基板上に異種金属からなる複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストを印刷し、焼成することにより前記複数種類の金属粉を合金化し、当該合金を含む可溶体を形成することを特徴とする。
異種金属、例えばAgとCuとを所定の比率で合金化すると、いわゆる共晶合金を形成し、個々の金属の融点に比べて融点が大きく低下する。Agの融点が960℃、Cuの融点が1083℃であるのに対して、Ag−Cu共晶合金の融点は779℃である。したがって、前記共晶合金により可溶体を構成することにより、融点が低く、溶断特性に優れたチップ型ヒューズ素子が実現される。また、共晶合金とならないまでも、合金化により融点が低下する金属粉の組み合わせであれば、同様の改善が実現される。
さらに、前記合金化による可溶体の形成においては、焼成温度を低くしても可溶体の形成が可能であり、それにより融点の低い可溶体を形成することが可能である。
ここで、金属粉として複数の異種金属から構成される合金粉を用いることも考えられるが、この場合には、特殊な合金粉を用意する必要が生じ、製造コストの増加に繋がる。個々の金属粉を用いるようにすれば、汎用の金属粉の使用が可能であり、製造コストが大きく抑制される。
本発明によれば、印刷及び焼成により可溶体を形成する場合に、酸化の問題を回避しながら、融点の低い可溶体を形成することができ、製造コストを抑えながら溶断特性に優れたチップ型ヒューズ素子を提供することが可能である。
以下、本発明を適用したチップ型ヒューズ素子及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のチップ型ヒューズ素子1は、図1及び図2に示すように、チップ状の基板2の表面に可溶体3が形成されてなるものであり、この可溶体3が過電流の通電により溶断されヒューズとして機能するものである。
ここで、可溶体3を支持する支持体となる基板2は、絶縁材料により形成されている。基板2を構成する材料としては特に制約があるわけではなく、この種のチップ型ヒューズ素子に用いられる材料がいずれも使用可能である。例えば、低い熱伝導性を示す絶縁材料を用いることができ、具体的には、Al2O3、ガラスセラミック等の絶縁材料を用いることができる。
可溶体3は、本例の場合、両端部3a、3bが幅広に形成されるとともに、これらの間の溶断部分3cは、幅の狭い線状のパターンとして形成されている。この可溶体3の前記溶断部分3cの幅、厚さ、及び材質を選択することにより、可溶体3が溶断される定格電流(すなわち、チップ型ヒューズ素子1の定格電流)を設定することができる。
前記可溶体3は、例えば薄膜法や印刷法等により形成することができるが、本発明においては、印刷法により形成するものとする。印刷法によれば、簡便に可溶体のパターンを形成することができ、薄膜法に比べて高額な設備投資等も不要であることから、製造コストの点で有利である。
印刷法により可溶体3を形成する場合、可溶体3を構成する溶断材料(例えば、金属や合金等)を含有する可溶体ペーストを所定のパターンで印刷し、これを焼成する。このとき、可溶体3を構成する溶断材料としては、前記の通り、金属や合金等が使用可能であるが、本発明においては共晶組成等において個々の金属よりも低い融点を示す合金を用いることとする。
ただし、本発明においては、予め合金化した合金粉を含む可溶体ペーストを用いるのではなく、異種金属からなる複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストを用い、これを印刷、焼成することにより可溶体3を形成する。予め合金化した合金粉を用いる場合、特殊な合金粉を用意する必要があり、製造コストを増加する要因となる。個々の金属粉を用いるようにすることで、安価な金属粉を用いることが可能になり、製造コストを抑えることが可能である。
本発明では、前記のような複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストを用い、これを印刷、焼成することにより可溶体3を形成するが、この場合、各金属粉の選択の基準としては、使用する金属粉が酸化し難いこと、互いに合金化することにより融点が下がること等を挙げることができる。目的等を考えれば当然であるが、合金化することにより融点が上昇する金属粉の組み合わせは、本発明には適さない。
前記基準を満たす金属粉の具体的な組み合わせとしては、例えばAg粉とCu粉の組み合わせを例示することができる。AgとCuは、共晶組成を有し、Agの融点が960℃、Cuの融点が1083℃であるのに対して、Ag−Cu共晶合金の融点は779℃である。したがって、例えばAg粉の比率xが8質量%≦x≦92質量%、Cu粉の比率yが8質量%≦y≦92質量%となるようにAg粉とCu粉とを混合し、これを印刷、焼成して可溶体3を形成することにより、AgやCuの融点よりも融点が低い合金よりなる可溶体3の形成が可能である。
通常、前記可溶体3の両端には、図1及び図2に示すように、電極4、5が接続される。本実施形態の場合、前記可溶体3の両端部3a、3bを幅広に形成し、電極4、5と可溶体3との電気的接続における接触面積を拡大して抵抗値を小さなものとし、余計な抵抗が付加されるのを防止している。
これら電極4、5は、例えばAg、Pt、Pd、Cu等の良導電材料を含む導電性厚膜や、前記良導電材料のめっき膜、さらには前記良導電材料を含む樹脂(例えば、Ag熱硬化性導電性樹脂)等から構成される。チップ型ヒューズ素子1においては、これら電極4、5が外部接続端子となり、外部回路との電気的接続が図られる。
また、前記図1及び図2に示す構造を採用した場合には、基板2と可溶体3の間に蓄熱層を介在させたり、可溶体3を覆って保護層を形成することも可能である。蓄熱層を構成する材料としては特に限定されないが、低い熱伝導性を示す材料を用いることが好ましく、例えば樹脂やガラス等を挙げることができる。蓄熱層は、多孔質構造とすることもできる。前記のような蓄熱層を形成することにより、効率的に可溶体3で発生するジュール熱を可溶体3の溶断に利用することができる。
一方、保護層は、可溶体3に定格電流値を超える過電流が流れることによって可溶体3が溶断される際に、溶断した可溶体3を確実に絶縁するとともに、可溶体3を構成する材料の飛散を防止し、外部への影響を極力抑えるようにするものである。保護層を形成するための材料としては、例えばシリコーン樹脂等の樹脂、ガラス等の絶縁材料を挙げることができる。
以上のように構成されるチップ型ヒューズ素子においては、可溶体3が融点の低い合金により形成されることになり、溶断特性が大幅に改善される。すなわち、定格電流を超える過電流が通電された場合に、短時間での溶断が可能である。
次に、前述の構成のチップ型ヒューズ素子1の製造方法について説明する。前述のチップ型ヒューズ素子1を作製するには、先ず、基板2に対応するグリーンシート上に焼成後に可溶体3となる印刷パターンを印刷法により形成する。印刷工程では、基板2となるグリーンシート上に、溶断材料を含む可溶体ペーストを例えばスクリーン印刷等により所定形状に印刷する。可溶体ペーストとは、可溶体3を構成する溶断材料と有機ビヒクルとを混合してなるものであるが、本発明においては、合金化により融点が下がる複数種類の金属粉(例えばAg粉とCu粉)を含む可溶体ペーストを用いる。
有機ビヒクルは、複数種類の金属粉をペースト化させる役割を有するものであるが、その選択に際して特に制約はなく、この種のペーストに用いられるものがいずれも使用可能である。一般に、有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に溶解することによって調製されるものであるが、バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等、任意のバインダを選択使用することができる。有機溶剤も限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等、公知の有機溶剤から適宜選択すればよい。さらに、可溶体ペーストの物性を調節するために、分散剤等の各種添加剤を加えてもよい。
次に、焼成工程を実施する。焼成工程では、可溶体ペーストが印刷された基板2を例えば酸素含有雰囲気中で熱処理することにより、可溶体ペースト中のバインダを除去するとともに、可溶体3を構成するための溶断材料を焼き固めるための工程である。この場合、前記焼成工程は、前記の通り酸素を含む雰囲気中(例えば大気中)で行うのが一般的であるが、前記可溶体ペーストに含まれる金属粉や焼成後の可溶体3の酸化を抑えるために、中性雰囲気中、あるいは還元雰囲気中で行うようにしてもよい。還元雰囲気としては、還元性ガスを含む雰囲気であれば如何なるものであってもよく、例えばH2、メタン、N2、Ar2、COやこれらの混合ガス等を含む雰囲気を挙げることができる。
焼成工程における焼成温度は、用いる溶断材料(金属)の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば焼成温度が高すぎると、金属が溶融して可溶体の形状を維持できなくなるおそれがある。したがって、ここでの焼成温度は可溶体3を構成する合金の融点より低温とすることが好ましい。
したがって、前記焼成工程における焼成温度の上限は、合金組成、すなわち可溶体ペーストに含まれる金属粉の比率によって決まり、それぞれ適正に制御する必要がある。例えば、異種金属からなる複数種類の金属粉としてAg粉及びCu粉を使用した場合、Ag粉とCu粉の配合比率に応じて前記焼成温度の上限が決まる。具体的には、Ag粉の比率xを8質量%≦x≦92質量%、Cu粉の比率yを8質量%≦y≦92質量%とした場合には、前記焼成温度は、これらの共晶組成における融点未満、すなわち779℃未満とする必要がある。これよりもAg粉の比率が多い場合、すなわちAg粉の比率xを92質量%<x<100質量%、Cu粉の比率yを0質量%<y<8質量%とした場合には、前記焼成温度をAgの融点である960℃未満とする必要がある。Cu粉の比率が多い場合、すなわちAg粉の比率xを0質量%<x<8質量%、Cu粉の比率yを92質量%<y<100質量%とした場合には、前記焼成温度をCuの融点である1083℃未満とする必要がある。
焼成温度の上限を前記のように設定することにより、合金化により形成される可溶体3の形状を維持することができ、不良品の発生を抑えることができる。なお、焼成温度の下限については、焼成可能な範囲で任意に設定することが可能であり、通常は焼成温度を500℃以上とすればよい。
前述の焼成の後、外部接続のための電極を形成するが、例えば電極を厚膜で形成する場合には、Ag、Pt、Pd、Cu等を含有する導電ペーストを印刷し、焼成すればよい。あるいは、Ag熱硬化性導電性樹脂等により形成する場合には、基板2の両端部分にディッピングし、熱硬化させればよい。さらに、電極は前記焼成工程前に形成してもよく、この場合には電極の焼成と可溶体3の焼成とを同時に行うことができる。
以上によりチップ型ヒューズ素子1が形成されるが、前述の工程によれば、可溶体3が融点の低い合金により形成されるため、溶断特性に優れたチップ型ヒューズ素子1を作製することが可能である。また、印刷法により可溶体3を形成しているので、工程の簡略化、設備投資の削減等を実現することもできる。さらに、可溶体3の原料として安価な金属粉を使用することが可能であるので、製造コストも削減することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
<チップ型ヒューズ素子の作製>
基板となるグリーンシート上に可溶体ペーストを印刷し、可溶体ペーストパターンを形成した。可溶体ペーストは、溶断材料としてAg粉及びCu粉を用い、これを表1に示す比率で混合し、有機ビヒクルに分散したものを用いた。その後、前記可溶体ペーストパターンを形成した基板を焼成し、チップ型ヒューズ素子を得た。
基板となるグリーンシート上に可溶体ペーストを印刷し、可溶体ペーストパターンを形成した。可溶体ペーストは、溶断材料としてAg粉及びCu粉を用い、これを表1に示す比率で混合し、有機ビヒクルに分散したものを用いた。その後、前記可溶体ペーストパターンを形成した基板を焼成し、チップ型ヒューズ素子を得た。
<焼成温度に関する検討>
前記作製プロセスにしたがい、焼成温度を770℃、800℃、1000℃として焼成を行い、合金組成(Ag粉とCu粉の配合比率)による相違を調べた。結果を表1に示す。なお、表1中、○印は可溶体の形状が維持された場合、×印は焼成温度が高すぎて可溶体が形成できなかった場合を示す。
前記作製プロセスにしたがい、焼成温度を770℃、800℃、1000℃として焼成を行い、合金組成(Ag粉とCu粉の配合比率)による相違を調べた。結果を表1に示す。なお、表1中、○印は可溶体の形状が維持された場合、×印は焼成温度が高すぎて可溶体が形成できなかった場合を示す。
表1から明らかなように、共晶組成近傍では、焼成温度を779℃未満(770℃)とすることで可溶体を形成することが可能であるが、800℃や1000℃では可溶体を形成することはできない。これに対し、Ag粉の比率が多い場合には、800℃でも可溶体の形成が可能であり、Cu粉の比率が多い場合には、1000℃でも可溶体の形成が可能である。
<溶断特性の比較検討>
次に、作製したチップ型ヒューズ素子における溶断特性を調べた。溶断特性としては、定格電流を超える過電流を通電し、可溶体が溶断するまでの時間を調べた。結果を表2に示す。
次に、作製したチップ型ヒューズ素子における溶断特性を調べた。溶断特性としては、定格電流を超える過電流を通電し、可溶体が溶断するまでの時間を調べた。結果を表2に示す。
この表から明らかなように、Ag単独、あるいはCu単独で可溶体を形成した場合に比べて、可溶体ペーストにAg粉及びCu粉を用い、可溶体をAg−Cu合金とすることで、溶断時間が大幅に短縮されている。特に、Ag粉の比率xが8質量%≦x≦92質量%、Cu粉の比率yが8質量%≦y≦92質量%となるようにAg粉とCu粉とを混合し、これを印刷、焼成して可溶体を形成することにより、溶断時間を概ね1秒にまで短縮できることがわかる。
1 チップ型ヒューズ素子、2 基板、3 可溶体、4,5 電極
Claims (9)
- 基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子であって、
前記可溶体は、異種金属からなる複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストの印刷及び焼成により形成されていることを特徴とするチップ型ヒューズ素子。 - 前記複数種類の金属粉は、Ag粉及びCu粉であることを特徴とする請求項1記載のチップ型ヒューズ素子。
- 前記可溶体の表面が保護膜により被覆されていることを特徴とする請求項1または2記載のチップ型ヒューズ素子。
- 基板上に異種金属からなる複数種類の金属粉を含む可溶体ペーストを印刷し、焼成することにより前記複数種類の金属粉を合金化し、当該合金を含む可溶体を形成することを特徴とするチップ型ヒューズ素子の製造方法。
- 前記複数種類の金属粉は、Ag粉及びCu粉であることを特徴とする請求項4記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
- 前記Ag粉の比率xを92質量%<x<100質量%、前記Cu粉の比率yを0質量%<y<8質量%とし、前記焼成の際の焼成温度を960℃未満とすることを特徴とする請求項5記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
- 前記Ag粉の比率xを8質量%≦x≦92質量%、前記Cu粉の比率yを8質量%≦y≦92質量%とし、前記焼成の際の焼成温度を779℃未満とすることを特徴とする請求項5記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
- 前記Ag粉の比率xを0質量%<x<8質量%、前記Cu粉の比率yを92質量%<y<100質量%とし、前記焼成の際の焼成温度を1083℃未満とすることを特徴とする請求項5記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
- 前記焼成温度を500℃以上とすることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
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