JP2006351419A - チップ型ヒューズ素子及びその製造方法 - Google Patents

チップ型ヒューズ素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 チップ型ヒューズ素子の速断性を確実に向上する。
【解決手段】 基板2上に可溶体3が形成されてなるチップ型ヒューズ素子1である。可溶体3は、異種金属(第1金属部4と第2金属部5)を互いに接触するように配置することにより構成されるとともに、これら異種金属の接触部分が合金化され、合金化領域6が形成されている。合金化領域6は融点が低く、ここを起点として可溶体3の溶断が行われる。これを作製するには、例えば、基板2上に第1金属部4と第2金属部5を互いに接触するように印刷形成し、熱処理することにより接触部分を合金化すればよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子及びその製造方法に関するものであり、特に、溶断特性に優れた新規なチップ型ヒューズ素子及びその製造方法に関する。
ヒューズ素子としては、過剰な電流による発熱により溶断する溶断線を小径のガラス管の中に配したヒューズ素子が一般的であるが、前記構造では小型化に限度があり用途も制約されることから、より小型のいわゆるチップ型ヒューズ素子が開発されている。チップ型ヒューズ素子は、セラミックチップ等の絶縁基板上に溶断材料からなる幅狭の可溶体を形成し、可溶体の両端に電極を接続することにより構成されるものであり、このような構成を採用することにより、ヒューズ素子の小型化のみならず、低コスト化にも繋がるものと期待される。
このようなチップ型ヒューズ素子の可溶体は、蒸着やスパッタ等の真空技術によって薄膜に形成されることが一般的である。真空技術は、可溶体に使用可能な材料選択の幅が広いため特性の調整が比較的容易であることや、可溶体の薄膜化及び幅狭化も容易であることから、高抵抗値を示す可溶体を実現でき、溶断時間の短いチップ型ヒューズ素子を作製するうえで有利である。その反面、真空技術の利用は、大規模な製造設備が必要となり、製造工程が煩雑となることから、製造コストの大幅な上昇を招くという不都合も有している。
あるいは、前記可溶体を印刷法を利用して厚膜に形成する技術も検討されている。例えば、特許文献1には、ヒューズエレメント(可溶体)を銀の厚膜により構成したヒューズ素子が開示されている。印刷法を利用する場合、導電性材料である金属粉を含むペースト(可溶体ペースト)を絶縁基板上に印刷し、乾燥した後、焼成することによって可溶体が形成される。印刷法を利用することで、真空技術を利用した場合に比べてチップ型ヒューズ素子の製造コストの大幅な低減が可能となる。
ところで、前述のチップ型ヒューズ素子においては、その溶断特性(即断性)の改善が大きな課題となっている。ヒューズ素子の機能を考えた場合、定格電流を超える過電流が通電された場合に、速やかに可溶体が溶断される必要がある。前記溶断に長時間を要すると、その間に保護すべき回路がダメージを受けるおそれがある。
そこで、前記即断性を向上させるための技術が、種々提案されている(例えば、特許文献2や特許文献3等を参照)。特許文献2記載の発明では、第1ヒューズエレメント上に、第1ヒューズエレメントよりも融点が低い第2ヒューズエレメントを設け、過電流印加時におけるヒューズエレメントの速断性を向上するようにしている。特許文献3記載の発明においても、溶融リンク(可溶体に相当する。)の中央に錫−鉛スポットを設置し、ヒューズデバイスの動作温度を下げ、その性能を改善するようにしている。
特開2002−140975号公報 特開2004−319195号公報 特表平10−512094号公報
しかしながら、これら従来技術では必ずしも十分な効果が得られず、さらなる改良が望まれている。例えば、特許文献2や特許文献3に記載されるチップ型ヒューズでは、可溶体(第1ヒューズエレメントや溶融リンク)の表面の中央部分に第2ヒューズエレメントや錫−鉛スポットを設置し、ここを起点にして可溶体の溶断が起こるようにしているが、溶断に至るまでに経なければならない過程が多く、速断性という点では不十分である。前記従来技術の場合、過電流印加時には、先ず、可溶体で発生するジュール熱が第2ヒューズエレメントや錫−鉛スポットに伝達され、これらが溶融する。その後、溶融した第2ヒューズエレメントや錫−鉛スポットが可溶体である第1ヒューズエレメントや溶融リンクと合金化する。そして、この結果形成される合金部分が、可溶体の溶断を促進するように作用する。したがって、可溶体の溶断に至るまでには、第2ヒューズエレメントや錫−鉛スポットの溶融、その後の合金化、さらには合金化による溶断の促進というように、複数の過程が必要であり、これが速断性を発現する上で支障をきたしている。
また、前記従来技術では、前記第2ヒューズエレメントや錫−鉛スポットは、いずれも薄膜法により形成することが前提となっており、例えば印刷法のみによりチップ型ヒューズ素子を形成することができないという問題も残している。可溶体自体は印刷法で形成可能であっても、他の要素の形成のために薄膜法が必要であれば、前記製造コストの上昇を免れることはできない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、本発明は、確実に速断性を向上することが可能なチップ型ヒューズ素子及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、印刷法によっても形成可能で、この場合にも十分な溶断性能を発揮し得るチップ型ヒューズ素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明のチップ型ヒューズ素子は、基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子であって、前記可溶体は、異種金属を互いに接触するように配置することにより構成されるとともに、これら異種金属の接触部分が合金化されていることを特徴とする。また、本発明のチップ型ヒューズ素子の製造方法は、基板上に異種金属が互いに接触するように可溶体を形成し、熱処理することにより前記接触部分を合金化することを特徴とする。
本発明においては、前述の通り、異種金属を接触させるとともに、その接触部分を予め合金化している。したがって、過電流が通電された場合、この合金化した部分が直ちに溶融し、そこが起点となって可溶体が速やかに溶断される。
異種金属、例えばAgとCuとを所定の比率で合金化すると、いわゆる共晶合金を形成し、個々の金属の融点に比べて融点が大きく低下する。Agの融点が960℃、Cuの融点が1083℃であるのに対して、Ag−Cu共晶合金の融点は779℃である。したがって、使用する異種金属自体の融点は低くなくても、合金化により融点が低下する異種金属の組み合わせであれば、前記目的は達成される。
このことは、チップ型ヒューズ素子を製造する上で大きな利点であり、異種金属として汎用の金属の組み合わせ、例えば前記AgとCuの組み合わせ等を採用することができ、製造コストの削減に繋がる。また、前記異種金属からなる可溶体は、必ずしも薄膜法で形成する必要はなく、印刷法のみによっても形成可能である。したがって、この点からも製造コストを削減する上で有利である。
本発明のチップ型ヒューズ素子においては、可溶体が合金化した部分を有するので、過電流が通電された場合に、この合金化した部分を起点として速やかに可溶体が溶断される。したがって、本発明によれば、速断性に優れたチップ型ヒューズ素子を提供することが可能である。また、本発明によれば、例えば可溶体を印刷法により形成することができ、異種金属として汎用の金属の組み合わせを用いることができるので、製造コストを大幅に削減することが可能である。
以下、本発明を適用したチップ型ヒューズ素子及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のチップ型ヒューズ素子1は、図1及び図2に示すように、チップ状の基板2の表面に可溶体3が形成されてなるものであり、この可溶体3が過電流の通電により溶断されヒューズとして機能するものである。
ここで、可溶体3を支持する支持体となる基板2は、絶縁材料により形成されている。基板2を構成する材料としては特に制約があるわけではなく、この種のチップ型ヒューズ素子に用いられる材料がいずれも使用可能である。例えば、低い熱伝導性を示す絶縁材料を用いることができ、具体的には、Al、ガラスセラミック等の絶縁材料を用いることができる。
可溶体3は、本例の場合、いわゆるヒューズエレメントとして機能する第1金属部4と、その中央部分に載置する形で形成される第2金属部5とから構成されている。そして、前記中央部分においてこれら第1金属部4と第2金属部5が接触するとともに、接触部分が合金化されて合金化領域6とされている。
ここで、可溶体3を構成する第1金属部4及び第2金属部5を構成する異種金属が溶断材料ということになるが、これら異種金属の選択に際しては、例えば共晶組成等において個々の金属よりも低い融点を示す合金となるような異種金属を組み合わせて用いる必要がある。目的等を考えれば当然であるが、合金化することにより融点が上昇する異種金属の組み合わせは、本発明には適さない。
前記基準を満たす異種金属の具体的な組み合わせとしては、例えば、Ag、Au、Al、Ni、Cu、Zn、Pd、Sbから選択される2種以上の組み合わせを挙げることができ、中でもAgとCuの組み合わせが好適である。AgとCuは、汎用の金属であり、入手が容易で低価格である。また、AgとCuは、共晶組成を有し、Agの融点が960℃、Cuの融点が1083℃であるのに対して、Ag−Cu共晶合金の融点は779℃である。したがって、例えば第1金属部4をAgで形成するとともに、第2金属部5をCuで形成し、その接触部分にAg−Cu合金からなる合金化領域6を形成すれば、過電流が通電された場合に、融点の低い合金化領域6が速やかに溶融し、ここを起点として可溶体3を速やかに溶断することが可能である。
前記可溶体3の構成としては、前記のように一方の金属により可溶体3の主要部(第1金属部4)が形成されるとともに、その中途部に他方の金属(第2金属部5)が接触するように配置され、その接触部分が合金化されていてもよいし、あるいは、異種金属が通電方向に配列され、当該通電方向において合金化された部分がこれら異種金属間に介在するように配されていてもよい。後者の場合、異種金属が一部重なり合うように形成されていることが製造上の観点等から好ましい。いずれにしても、異種金属が互いに接触され、可溶体6の一部に前記合金化領域6が形成されていればよい。
前記可溶体3(第金属部4及び第2金属部5)は、例えば薄膜法や印刷法等により形成することができるが、製造コスト等の観点からは、印刷法により形成するのが有利である。印刷法によれば、簡便に可溶体のパターンを形成することができ、薄膜法に比べて高額な設備投資等も不要であることから、製造コストの点で有利である。
本実施形態のチップ型ヒューズ素子1の場合、可溶体3を構成する第1金属部4の両端部4a、4bが幅広に形成され、ここに電極7、8が接続されている。前記第1金属部4の両端部4a、4bを幅広に形成することで、電極7、8と可溶体3との電気的接続における接触面積を拡大して抵抗値を小さなものとすることができ、余計な抵抗が付加されるのを防止することができる。
これら電極7、8は、例えばAg、Pt、Pd、Cu等の良導電材料を含む導電性厚膜や、前記良導電材料のめっき膜、さらには前記良導電材料を含む樹脂(例えば、Ag熱硬化性導電性樹脂)等から構成される。チップ型ヒューズ素子1においては、これら電極7、8が外部接続端子となり、外部回路との電気的接続が図られる。
一方、前記幅広の両端部4a、4bの間の溶断部分4cは、幅の狭い線状のパターンとして形成されている。可溶体3においては、前記溶断部分4cの幅、厚さ、材質、さらには合金化領域6を構成する合金の材質(すなわち、第1金属部4及び第2金属部5を構成する異種金属)を選択することにより、可溶体3が溶断される定格電流(すなわち、チップ型ヒューズ素子1の定格電流)を設定することができる。
また、前記図1及び図2に示す構造を採用した場合には、基板2と可溶体3の間に蓄熱層を介在させたり、可溶体3を覆って保護層を形成することも可能である。蓄熱層を構成する材料としては特に限定されないが、低い熱伝導性を示す材料を用いることが好ましく、例えば樹脂やガラス等を挙げることができる。蓄熱層は、多孔質構造とすることもできる。前記のような蓄熱層を形成することにより、効率的に可溶体3で発生するジュール熱を可溶体3の溶断に利用することができる。
一方、保護層は、可溶体3に定格電流値を超える過電流が流れることによって可溶体3が溶断される際に、溶断した可溶体3を確実に絶縁するとともに、可溶体3を構成する材料の飛散を防止し、外部への影響を極力抑えるようにするものである。保護層を形成するための材料としては、例えばシリコーン樹脂等の樹脂、ガラス等の絶縁材料を挙げることができる。
以上のように構成されるチップ型ヒューズ素子1においては、可溶体3に融点の低い合金化領域6が形成されているので、溶断特性が大幅に改善される。すなわち、定格電流を超える過電流が通電された場合に、前記合金化領域6が速やかに溶融し、ここを起点として可溶体3の短時間での溶断が可能である。
次に、前述の構成のチップ型ヒューズ素子1の製造方法について説明する。なお、ここでは印刷法による製造方法について説明するが、これに限られるものではなく、例えば第1金属部4や第2金属部5を薄膜法により形成することも可能である。
前述のチップ型ヒューズ素子1を作製するには、先ず、基板2に対応するグリーンシート上に焼成後に可溶体3となる第1金属部4及び第2金属部5を印刷法により形成する。例えば、図1及び図2に示すチップ型ヒューズ素子1を作製する場合には、図3(a)に示すように、所定の形状の第1金属部4を印刷形成した後、その中央部分に第2金属部5を重ねて印刷する。
印刷工程では、基板2となるグリーンシート上に、それぞれ異なる金属を含む可溶体ペーストを例えばスクリーン印刷等により所定形状に印刷する。可溶体ペーストとは、可溶体3を構成する溶断材料と有機ビヒクルとを混合してなるものであるが、本発明においては、合金化により融点が下がる金属粉を含む複数種類の可溶体ペーストを用いる。例えば、Ag粉を含む可溶体ペーストを用いて前記第1金属部4を印刷形成し、Cu粉を含む可溶体ペーストを用いて前記第2金属部5を印刷形成する。
有機ビヒクルは、前記金属粉をペースト化する役割を有するものであるが、その選択に際して特に制約はなく、この種のペーストに用いられるものがいずれも使用可能である。一般に、有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に溶解することによって調製されるものであるが、バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等、任意のバインダを選択使用することができる。有機溶剤も限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等、公知の有機溶剤から適宜選択すればよい。さらに、可溶体ペーストの物性を調節するために、分散剤等の各種添加剤を加えてもよい。
次に、焼成工程を実施する。焼成工程では、先ず、第1金属部4及び第2金属部5が印刷された基板2を例えば酸素含有雰囲気中で熱処理することにより、可溶体ペースト中のバインダを除去するとともに、可溶体3を構成する溶断材料を焼き固める。この場合、前記焼成工程は、酸素を含む雰囲気中(例えば大気中)で行うのが一般的である。
前記バインダの除去の後、酸化した第1金属部4及び第2金属部5を還元するために、還元雰囲気中で熱処理を行う。還元雰囲気としては、還元性ガスを含む雰囲気であれば如何なるものであってもよく、例えばH、メタン、N、Ar、COや、これらの混合ガス等を含む雰囲気を挙げることができ、窒素ガス雰囲気もここで言う還元雰囲気に該当する。
前記焼成工程における焼成温度は、用いる溶断材料(金属)の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば焼成温度が高すぎると、金属が溶融して可溶体の形状を維持できなくなるおそれがある。したがって、ここでの焼成温度は可溶体3を構成する第1金属部4や第2金属部5の融点より低温とすることが好ましい。なお、焼成温度の下限については、焼成可能な範囲で任意に設定することが可能であり、通常は焼成温度を500℃以上とすればよい。
前記焼成工程の後、合金化のための熱処理工程を行う。前記熱処理工程を行うことで、図3(b)に示すように、前記第1金属部4と第2金属部5が接触する部分が合金化され、合金化領域6が形成される。
前述の焼成工程及び熱処理工程の後、外部接続のための電極を形成するが、例えば電極を厚膜で形成する場合には、Ag、Pt、Pd、Cu等を含有する導電ペーストを印刷し、焼成すればよい。あるいは、Ag熱硬化性導電性樹脂等により形成する場合には、基板2の両端部分にディッピングし、熱硬化させればよい。さらに、電極は前記焼成工程前に形成してもよく、この場合には電極の焼成と可溶体3(第1金属部4及び第2金属部5)の焼成とを同時に行うことができる。
以上によりチップ型ヒューズ素子1が形成されるが、前述の工程によれば、可溶体3に融点の低い合金化領域6が形成されているので、溶断特性に優れたチップ型ヒューズ素子1を作製することが可能である。また、印刷法により可溶体3(第1金属部4や第2金属部5)を形成しているので、工程の簡略化、設備投資の削減等を実現することもできる。さらに、第1金属部4や第2金属部5の原料として安価な金属粉を使用することが可能であるので、製造コストも削減することができる。
なお、前記の例では、第1金属部4の中途部に第2金属部5が接触するように配置し、その接触部分を合金化するようにしているが、同様の製造工程により、様々な形態の可溶体3を形成することも可能である。
図4乃至図7に、様々な形態の可溶体3の形成例を示す。例えば、図4は、可溶体3に内包される形で合金化領域6が形成された例を示すものである。この場合には、図4(a)に示すように、第1金属部4の中央部分に対応して第2金属部4を形成した後、これを覆って第1金属部4を形成する。その後、前記焼成工程及び熱処理工程を経ることにより、前記第1金属部4と第2金属部5とが接触する部分が合金化され、図4(b)に示すように、第2金属部5の周囲に沿って合金化領域6が形成される。
図5は、可溶体3の通電方向において、中間位置に第2金属部5を形成し、その両側に合金化領域6を形成した例である。この場合には、図5(a)に示すように、通電方向に沿って第1金属部4、第2金属部5、第1金属部4の順に配列されるようにこれらを印刷形成する。その後、前記焼成工程及び熱処理工程を経ることにより、前記第1金属部4と第2金属部5とが接触する部分が合金化され、図5(b)に示すように、第2金属部5の両側に合金化領域6が形成される。
図6は、可溶体3の通電方向において、第1金属部4と第2金属部5とを突き合わせ形成し、その境界部に合金化領域6を形成した例である。図6(a)に示すように、通電方向において、第1金属部4と第2金属部5とが互いの端面を突き合わせるように印刷形成する。その後、前記焼成工程及び熱処理工程を経ることにより、前記第1金属部4と第2金属部5とが接触する部分が合金化され、図6(b)に示すように、第1金属部4と第2金属部5の境界部分に合金化領域6が形成される。
図7は、図6の示す例の変形例である。図6に示すように、第1金属部4と第2金属部5とを互いの端面を突き合わせるように印刷形成することは難しく、生産性や歩留まりを低下する原因となる。そこで、本例の場合には、図7(a)に示すように、第1金属部4上に第2金属部5の端部が一部重なるように印刷形成する。その後、前記焼成工程及び熱処理工程を経ることにより、前記第1金属部4と第2金属部5とが重なり合う部分が合金化され、図7(b)に示すように、第1金属部4と第2金属部5の境界部分に合金化領域6が形成される。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
<実施例>
Ag粉(平均粒径0.5μm)とCu粉(平均粒径0.5μm)を用意し、それぞれ有機ビヒクル中に分散し、さらに3本ロールミルにて混練してAgペースト及びCuペーストを得た。得られたAgペースト及びCuペーストをアルミナ基板上に図3〜図7に示すパターンで互いに接触するように印刷し、乾燥した。これを空気中で熱処理することによりバインダーを除去し、さらに前記熱処理によって酸化したCuを還元するために還元雰囲気中で熱処理を行った。さらに、合金化のための熱処理を行い、Agからなる第1金属部とCuからなる第2金属部の接触部分に合金化領域を形成した。
Ag−Cuの他、表1に示す異種金属の組み合わせにより同様にチップ型ヒューズ素子を作製し、これらについて溶断特性を調べた。溶断特性は、定格電流を超える過電流を通電し、可溶体が溶断するまでの時間を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2006351419
表1から明らかなように、いずれの形態のチップ型ヒューズ素子においても、異種金属を合金化した合金化領域を形成することで、溶断時間が1秒未満と良好な結果を示し、その効果が確認された。
<比較例>
可溶体に単体の金属(Cu、Ni、Ag)を用いてチップ型ヒューズ素子を作製し、溶断特性を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2006351419
この表2からも明らかなように、合金化していない場合には、可溶体の溶断開始までの時間を要し、即断性の点で不十分であることがわかった。
本発明を適用したチップ型ヒューズ素子の一例を示す概略断面図である。 図1に示すチップ型ヒューズ素子の概略平面図である。 可溶体の構成例を示すものであり、(a)は熱処理前の概略断面図、(b)は熱処理による合金化後の概略断面図である。 可溶体の他の構成例を示すものであり、(a)は熱処理前の概略断面図、(b)は熱処理による合金化後の概略断面図である。 可溶体のさらに他の構成例を示すものであり、(a)は熱処理前の概略断面図、(b)は熱処理による合金化後の概略断面図である。 可溶体のさらに他の構成例を示すものであり、(a)は熱処理前の概略断面図、(b)は熱処理による合金化後の概略断面図である。 可溶体のさらに他の構成例を示すものであり、(a)は熱処理前の概略断面図、(b)は熱処理による合金化後の概略断面図である。
符号の説明
1 チップ型ヒューズ素子、2 基板、3 可溶体、4 第1金属部、5 第2金属部、6 合金化領域、7,8 電極

Claims (8)

  1. 基板上に可溶体が形成されてなるチップ型ヒューズ素子であって、
    前記可溶体は、異種金属を互いに接触するように配置することにより構成されるとともに、これら異種金属の接触部分が合金化されていることを特徴とするチップ型ヒューズ素子。
  2. 前記異種金属の各々の融点よりも合金化された部分の融点が低いことを特徴とする請求項1記載のチップ型ヒューズ素子。
  3. 前記異種金属は、Ag、Au、Al、Ni、Cu、Zn、Pd、Sbから選択される2種以上の組み合わせであることを請求項1または2記載のチップ型ヒューズ素子。
  4. 一方の金属により可溶体の主要部が形成されるとともに、その中途部に他方の金属が接触するように配置され、その接触部分が合金化されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のチップ型ヒューズ素子。
  5. 異種金属が通電方向に配列され、当該通電方向において合金化された部分がこれら異種金属間に介在するように配されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のチップ型ヒューズ素子。
  6. 異種金属が一部重なり合うように形成されていることを特徴とする請求項5記載のチップ型ヒューズ素子。
  7. 基板上に異種金属が互いに接触するように可溶体を形成し、熱処理することにより前記接触部分を合金化することを特徴とするチップ型ヒューズ素子の製造方法。
  8. 前記可溶体は、印刷法により形成することを特徴とする請求項7記載のチップ型ヒューズ素子の製造方法。
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