JP2003345007A - 感光性ポリイミド組成物 - Google Patents

感光性ポリイミド組成物

Info

Publication number
JP2003345007A
JP2003345007A JP2002346890A JP2002346890A JP2003345007A JP 2003345007 A JP2003345007 A JP 2003345007A JP 2002346890 A JP2002346890 A JP 2002346890A JP 2002346890 A JP2002346890 A JP 2002346890A JP 2003345007 A JP2003345007 A JP 2003345007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
compound
composition
group
photosensitive polyimide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002346890A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Tomoi
正男 友井
Yuki Honda
祐樹 本田
Katsumoto Hosokawa
勝元 細川
Seiji Kamimura
誠二 神村
Yoshiyuki Ando
好幸 安藤
Kenji Asano
健次 浅野
Yuzo Ito
雄三 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2002346890A priority Critical patent/JP2003345007A/ja
Publication of JP2003345007A publication Critical patent/JP2003345007A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】常温保存下でも品質低下を招きにくい管理上の
優位性を有するとともに、イミド化のための高温処理を
必要としない感光性ポリイミド組成物の提供。 【解決手段】1種以上の酸ジ無水物と1種以上のジアミ
ンの直接イミド化反応によって得られ、側鎖にカルボキ
シル基を有するポリイミドを含み、前記カルボキシル基
との反応成分としてアミノアクリルアミド化合物(ある
いは、アミノメタクリルアミド化合物)を含む感光性ポ
リイミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ポリイミド
組成物に関し、特に、常温保存下でも品質低下を招きに
くい管理上の優位性を有するとともに、イミド化のため
の高温処理を必要としない感光性ポリイミド組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、優れた耐熱性、および低
誘電率により裏付けられた良好な電気絶縁性を有してお
り、従って、エナメル線の絶縁皮膜、電子部品材料の絶
縁基板あるいはソルダレジスト材などとして広く活用さ
れている。さらに、最近においては、このポリマに光に
対する感応性を持たせることが検討されており、パター
ン形成後もそのまま絶縁膜として活用することのできる
フォトレジスト構成材として期待が寄せられている。
【0003】従来、この用途に対応したポリイミド組成
物としては、たとえば、化学線による2量化あるいは重
合の可能な炭素−炭素二重結合およびアミノ基あるいは
その4級化塩をポリアミド酸に添加した組成物(特許文
献1参照。)、あるいはポリアミド酸にアクリルアミド
類を添加した組成物(特許文献2参照。)が知られてい
る。
【0004】また、炭素−炭素二重結合基含有ポリイミ
ド前駆体に特定のオキシム化合物と増感剤を添加したも
のも代表的な組成物として知られている(特許文献3〜
5参照。)。これらの組成物は、露光した部分が現像に
よって残存するネガ型感光性の性質を有し、いずれも相
応の評価を受け、活用されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭59−52822号公報
【特許文献2】特開平3−170555号公報
【特許文献3】特開昭61−118423号公報
【特許文献4】特開昭62−184056号公報
【特許文献5】特開昭62−273259号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
の感光性ポリイミド組成物によると、樹脂分が、ポリイ
ミドの前駆体である不安定なポリアミック酸の形をとる
ため、管理の厳しい低温保存が不可欠になるとともに、
早期イミド化を原因としたポリアミック酸の加水分解に
よる品質低下を招きやすく、さらに、高温処理(250
℃以上)によるイミド化の際に形成パターンに熱変形が
生じて、細密なパターン形成を難しくする問題を有して
いる。
【0007】従って、本発明の目的は、常温保存下でも
品質低下を招きにくい管理上の優位性及び現像後の高残
膜率保持性を有するとともに、イミド化のための高温処
理を必要としないネガ型感光性ポリイミド組成物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、ポリイミドに光開始剤を混合した組成物
より成る感光性ポリイミド組成物において、1種以上の
酸ジ無水物と1種以上のジアミンによるイミド化反応に
よって得られ、側鎖にカルボキシル基を有するポリイミ
ドを含み、アミノアクリルアミド化合物を前記カルボキ
シル基との反応成分として含有することを特徴とする感
光性ポリイミド組成物を提供するものである。また、前
記アミノアクリルアミド化合物の代わりに、アミノメタ
クリルアミド化合物を前記カルボキシル基との反応成分
として含有するようにしてもよい。
【0009】本発明による感光性ポリイミド組成物は、
成膜時の加熱において、ポリイミド側鎖のカルボキシル
基とアミノアクリルアミド化合物(あるいは、アミノメ
タクリルアミド化合物)との間にイオン結合反応が生ず
る点に特徴を有する。そして、これらの間にイオン結合
が形成される結果、ポリイミドに光硬化機能が付与さ
れ、光開始剤との作用により硬化することとなる。
【0010】アミノアクリルアミド化合物としては、エ
チレン性不飽和二重結合とアミノ基および/またはアミ
ド基とアミド結合を分子中に有する炭素数3〜30の有
機化合物、なかでも、炭素数3〜30の脂肪族化合物で
あることが好ましく、具体的には、N、N′−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド等が使用される。アミノ
メタクリルアミド化合物としては、エチレン性不飽和二
重結合とアミノ基および/またはアミド基とアミド結合
を分子中に有する炭素数3〜30の有機化合物、なかで
も、炭素数3〜30の脂肪族化合物であることが好まし
く、具体的には、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタ
クリルアミド等が使用される
【0011】エチレングリコールジメタクリレートある
いはエチレングリコールジアクリレート等の多価メタク
リレートあるいは多価アクリレート化合物を架橋助剤と
して組成物に加えることは、上記のアミノアルキルメタ
クリレート化合物あるいはアミノアルキルアクリレート
化合物の添加効果を高めるうえにおいて、好ましい形態
となる。
【0012】本発明におけるポリイミドは、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドある
いはN,N−ジメチルホルムアミド等を主成分とする有
機極性溶媒中において、酸ジ無水物とジアミンを触媒の
存在のもとで加熱下に反応させることによって得られる
もので、ポリアミック酸を経由しない直接イミド化を反
応基盤として合成されるものである。
【0013】その骨格分子構成としては、芳香族環系、
芳香族複素環系、脂肪族系あるいは脂環族系等が挙げら
れ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェ
ニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテ
ル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、
ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン
基、シクロブタン基あるいはシクロペンタン基等を挙げ
ることができる。
【0014】本発明のポリイミド組成物を基板上に成膜
するときの接着性を向上させるために、ポリイミドの分
子中にシロキサン結合を有する脂肪族基を共重合させる
形態は好ましく、また、同じ目的から、シランカップリ
ング化合物をポリイミド中に添加する形態も好ましい。
【0015】ポリイミド分子中へのシロキサン結合の導
入の形態としては、ポリイミドの一方の原料成分である
ジアミンの分子中にシロキサン結合を含ませる形態が考
えられ、具体的には、ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン等が好例として挙げられる。その
ポリイミドへの共重合量は、多くの場合、1〜10モル
%程度である。シラン化合物としては、グリシジルメト
キシシランあるいはイミダゾールシラン等が使用され
る。
【0016】本発明のポリイミド組成物を所定のパター
ンに成膜する際に使用される現像液としては、N−メチ
ル−2−ピロリドンおよびモノエタノールアミンと水の
混合物、あるいはモノエタノールアミンと水の混合物等
が挙げられ、必要に応じてこれにメタノール、エタノー
ル等のアルコール、あるいはトルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類が加えられる。また、水酸化ナトリウム
水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロキノン水溶
液等の無機アルカリ水溶液を現像液として使用すること
も可能であり、これらは、単独あるいは複数が混合され
て使用される。
【0017】なお、以上に挙げた現像液は、ポリマの全
構成単位の5%相当、より好ましくは50%相当の当量
以上であって、且つポリマ中の全カルボキシル基の5倍
以下の割合において水と混合されていることが望まし
く、混合量がこの範囲を外れると、感度が低下したり、
あるいは現像への制約が多くなるので好ましくない。
【0018】光開始剤(感光剤)としては、4,4′−
ジエチルアミノベンゾフェノン、N−フェニルジエタノ
ールアミン、N−フェニルグリシン等の芳香族アミン化
合物、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキ
シカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−ブタ
ンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、
1−フェニルプロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)
オキシム、1,2−ジフェニル−エタンジオン−1−
(O−ベンゾイル)オキシム等の鎖状オキシムエステル
化合物、3−フェニル−5−イソオキサゾロン等の環状
オキシムエステル化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1等のア
セトフェノン系化合物、あるいはベンゾインイソブチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系
化合物などが使用される。
【0019】なお、その量は、ポリイミドに対して1〜
100重量%、より好ましくは、2〜50重量%の範囲
内において混合されることが望ましく、混合量がこの範
囲を外れることは、感度が低下し、あるいは現像処理へ
の制約が多くなるので好ましくない。
【0020】本発明の組成物にミヒラーズケトン、4,
4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3′−カル
ボニルビス(ジエチルアミノクマリン)等の増感剤を添
加することは好ましい形態であり、その添加量として
は、ポリイミドに対して0.1〜20重量%、より好ま
しくは0.2〜10重量%に設定される。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明による感光性ポリイ
ミド組成物の実施の形態を説明する。 [実施例1]撹拌機を取り付けた1000mlのセパラ
ブル3つ口フラスコにシリコンコック付きトラップを備
えた玉付き冷却管を取り付けることによって反応容器を
構成し、この反応容器に、3,3′−4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以下、BTDAと
いう)6.44g、4,4′−(ヘキサフルオロイソプ
ロピリデン)酸ジ無水物(以下、6FDAという)1
7.77g、3,5−ジアミノ安息香酸(以下、DAB
zという)4.56g、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホン(以下、m−BAPSとい
う)12.98g、無水酢酸0.68g、ピリジン0.
95g、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと
いう)158gおよびトルエン32gを入れ、180℃
に昇温させた状態で3時間反応させた。
【0022】この間、当初の撹拌機の回転数を180r
pmに設定するとともに、反応が低下するにしたがって
回転数を下げ、生成する水をシリコンコックより外部に
排除した。その後、真空乾燥を施すことによって所定の
反応液を得、次いで、得られた反応液にN、N′−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド5.93g(反応液
中に含まれるポリイミドの全カルボキシル基と当量)、
エチレングリコールジメタクリレート8.90gおよび
ミヒラーズケトン3.95gを添加することによってワ
ニス状の感光性ポリイミド組成物を得た。
【0023】次に、この組成物を電解銅箔上に塗布し、
乾燥機での乾燥を90分行い、これによって膜厚が3μ
mのポリイミド皮膜を形成した後、オーク社製紫外線露
光機によりポリエチレンテレフタレート(PET)のフ
ォトマスクを介して5000mJ/cm2(365nmと
435nmの紫外線強度)の露光を行った。
【0024】その後、露光品を90℃の恒温槽に入れて
30分の熱処理を施し、次いで、これを、NMP500
g、モノエタノールアミン500gおよび水500gの
混合物より成る現像液中に浸漬して現像を行った後、イ
ソプロピルアルコールによるリンスと200℃×30分
のポストベークとを順に施すことにより、所定のネガ型
パターンのポリイミド皮膜を有する電解銅箔を得た。
【0025】[実施例2]実施例1において、NMP/
モノエタノールアミン/水の混合現像液の代わりに10
%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべて
を同一条件に設定することによってネガ型パターンのポ
リイミド皮膜を有する電解銅箔を製造した。
【0026】[実施例3]実施例1で使用した反応容器
にBTDA6.44g、6FDA17.77g、DAB
z6.08g、m−BAPS8.65g、無水酢酸0.
68g、ピリジン0.95g、NMP158gおよびト
ルエン32gを入れ、180℃に昇温させて3時間反応
させた。この間、撹拌機の回転数を反応の低下に伴い1
80rpmから徐々に減速させるとともに、生成する水
をシリコンコックより排除した。
【0027】次に、得られた反応液に真空乾燥を施した
後、N、N′−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
5.93g(反応液中のポリイミドの全カルボキシル基
と当量)、エチレングリコールジメタクリレート8.9
0gおよびミヒラーズケトン3.95gを加え、これに
よりワニス状のポリイミド樹脂組成物を調合した。
【0028】次いで、このワニス組成物を使用すること
により実施例1と同様の電解銅箔上への塗布、乾燥、露
光、熱処理、現像、リンスおよびポストベークを順に行
い、所定のネガ型パターンを有するポリイミド皮膜付き
電解銅箔を製造した。
【0029】[実施例4]実施例3において、NMP/
モノエタノールアミン/水の混合現像液の代わりに10
%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべて
を同一条件に設定することによってネガ型パターンのポ
リイミド皮膜を有する電解銅箔を製造した。 [実施例5]攪拌器を取りつけた1000mlのセパラ
ブル3つ口フラスコにシリコンコック付きトラップを備
えた玉付き冷却管を取り付けることによって反応容器を
構成し、この反応容器に、BTDA6.44g、および
6FDA17.77g、DABz4.56g、m−BA
PS12.98g、NMP158gを添加し、60℃昇
温させた状態で3時間反応させポリアミック酸溶液を得
た。回転数は180rpmとし、反応が低下するに従い
適宜低下させた。この溶液に3−(ジメチルアミノ)プ
ロピルメタクリルアミド(ポリマ中の全カルボキシル基
と当量)、架橋剤エチレングリコールジメタクリレー
ト、増感剤ミヒラーケトン(ポリマーに対して10wt
%)を添加し、ポリイミド組成物を得た。電解銅箔上に
このポリイミド組成物を塗布、乾燥機で90分乾燥し、
膜厚15μmのポリイミド皮膜を形成した。オーク社製
紫外線露光機を用い、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)製のフォトマスクを介して300mJ/cm2(3
65nmと435nmの紫外線強度)の露光を行った。
次に、10%NaOH水溶液を用い浸漬法で現像、イソ
プロピルアルコ−ルでリンスし、ネガ型のパタ−ンを得
た。その後250℃×30分にてポストベークを行っ
た。
【0030】[比較例1]実施例1で使用した反応容器
にBTDA6.44g、6FDA17.77g、DAB
z4.56g、m−BAPS12.98gおよびNMP
158gを入れ、60℃で3時間反応させた。この間、
当初の撹拌機の回転数を180rpmに設定するととも
に、反応が低下するにしたがって回転数を下げた。
【0031】次いで、得られた反応液にメタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチルエステル5.93g(反応液
中のポリマの全カルボキシル基と当量)、エチレングリ
コールジメタクリレート8.90gおよびミヒラーズケ
トン3.95gを添加することによってポリアミック酸
を樹脂分とするワニス組成物を調合した後、得られた組
成物を使用することにより実施例1と同様の電解銅箔上
への塗布、乾燥、露光、熱処理、現像およびリンスを順
に施し、その後、250℃×30分のポストベーク処理
を施すことによってネガ型パターンを有するポリイミド
皮膜付き電解銅箔を製造した。
【0032】[比較例2]比較例1において、NMP/
モノエタノールアミン/水の混合現像液の代わりに10
%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべて
を同一条件に設定することによってネガ型パターンのポ
リイミド皮膜を有する電解銅箔を製造した。
【0033】[比較例3]実施例1で使用した反応容器
にBTDA6.44g、6FDA17.77g、DAB
z6.08g、m−BAPS8.65gおよびNMP1
58gを入れ、60℃で30分反応させた。この間、撹
拌機の回転速度を反応の低下にしたがい当初の180r
pmから徐々に減速させた。
【0034】次に、得られた反応液にメタクリル酸−2
−ジエチルアミノエチルエステル5.93g(反応液中
のポリマの全カルボキシル基と当量)、エチレングリコ
ールジメタクリレート8.90gおよびミヒラーズケト
ン3.95gを添加し、これによりワニス組成物を調合
した。
【0035】次いで、この組成物を使用することにより
実施例1と同様の電解銅箔上への塗布、乾燥、露光、熱
処理、現像およびリンスを施した後、250℃×30分
のポストベーク処理を施すことによってネガ型パターン
を有するポリイミド皮膜付き電解銅箔を製造した。
【0036】[比較例4]比較例3において、NMP/
モノエタノールアミン/水の混合現像液の代わりに10
%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべて
を同一条件に設定することによってネガ型パターンのポ
リイミド皮膜を有する電解銅箔を製造した。
【0037】表1に、各実施例および比較例による感光
性組成物の特質とこれらにより得られたポリイミド皮膜
の特性を示す。なお、特性試験方法は以下による。 1.解像度 各電解銅箔上の皮膜に形成されたネガ型パターンの細密
性を示す。 2.ポストベーク後のパターン形状 ポストベーク処理後のパターンの変形を光学顕微鏡によ
って観察。 3.基材の劣化 ポストベーク後の基材(電解銅箔)の酸化を目視にて観
察。
【0038】
【表1】
【0039】表1によれば、実施例による組成物のポリ
イミドが、原料より直接イミド化された安定した分子構
成を有しているのに比べ、比較例によるポリイミドの場
合には、ポリアミック酸を樹脂分としているため、ま
ず、保管温度において、前者が最高50℃での保管を可
能としているのに対し、後者の保管可能最高温度は0℃
と著しく低い。
【0040】従って、実施例による組成物は、常温での
保管において変質を招く恐れがないのに比べ、比較例の
場合には、ポリアミック酸の不安定性を原因とした早期
イミド化と、これによる生成水のためのポリアミック酸
の加水分解を招きやすく、両者の間には、保存安定性に
おいて顕著な差が現れることになる。
【0041】また、現像後のポストベーク時におけるイ
ミド閉環の必要性においても、実施例の場合が溶剤を揮
散させる程度の熱処理で済むのに対し、比較例の場合に
は、ポリアミック酸からの脱水閉環によるイミド化のた
めの高温処理が必要であり、従って、ポストベーク後の
パターン形状特性において、このことによる品質の差が
如実に現れている。即ち、実施例によるパターンが変形
のない良好な形状を示しているのに比べ、比較例の場合
には、熱劣化による変形を呈しており、明確な品質差と
なって現れている。
【0042】さらに、ポストベーク処理時の熱処理温度
の差は、電解銅箔より構成される基材の酸化劣化にも影
響を与えており、実施例の基材が小さな酸化劣化にとど
まっているのに比べ、比較例における基材の劣化は大き
く、このことによる品質の違いも、実用上においては無
視できない差として評価されることになる。
【0043】そして、実施例の組成物によって形成され
るポリイミド皮膜が備えるこれらの優れた特質は、ポリ
イミド側鎖のカルボキシル基とアミノアクリルアミド化
合物(あるいは、アミノメタクリルアミド化合物)との
イオン結合によって大きく助長されることになり、従っ
て、実施例による感光性組成物を使用するときには、従
来には見られない良質な皮膜の形成が可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による感光
性ポリイミド組成物によれば、1種以上の酸ジ無水物と
1種以上のジアミンからの直接イミド化反応によって得
られるところの、側鎖にカルボキシル基を有するポリイ
ミドを含み、さらに、アミノアクリルアミド化合物(あ
るいは、アミノメタクリルアミド化合物)を含むことに
よって、この化合物とポリイミド側鎖のカルボキシル基
との間にイオン結合を生じさせ、これによって、低温保
存が不要であるうえに品質低下が生じにくく、しかも、
イミド化のための高温処理の不要なポリイミド組成物を
提供するものであり、その有用性は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 勝元 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 (72)発明者 神村 誠二 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 (72)発明者 安藤 好幸 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 (72)発明者 浅野 健次 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 (72)発明者 伊藤 雄三 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB15 AB17 AC01 AD01 BC42 BC69 CA01 CA27 FA03 FA17 4J043 PA04 QB31 RA34 SA06 SA71 SB03 TA22 UA121 UA131 UA132 UA672 UB152 UB301 VA022 VA041 VA051 VA062 XA03 XA16 ZB22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドに光開始剤を混合した組成物よ
    り成る感光性ポリイミド組成物において、1種以上の酸
    ジ無水物と1種以上のジアミンによるイミド化反応によ
    って得られ、側鎖にカルボキシル基を有するポリイミド
    を含み、アミノアクリルアミド化合物を前記カルボキシ
    ル基との反応成分として含有することを特徴とする感光
    性ポリイミド組成物。
  2. 【請求項2】前記アミノアクリルアミド化合物は、エチ
    レン性不飽和二重結合とアミノ基および/またはアミド
    基とアミド結合を分子中に有する炭素数3〜30の有機
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性ポ
    リイミド組成物。
  3. 【請求項3】ポリイミドに光開始剤を混合した組成物よ
    り成る感光性ポリイミド組成物において、1種以上の酸
    ジ無水物と1種以上のジアミンによるイミド化反応によ
    って得られ、側鎖にカルボキシル基を有するポリイミド
    を含み、アミノメタクリルアミド化合物を前記カルボキ
    シル基との反応成分として含有することを特徴とする感
    光性ポリイミド組成物。
  4. 【請求項4】前記アミノメタクリルアミド化合物は、エ
    チレン性不飽和二重結合とアミノ基および/またはアミ
    ド基とアミド結合を分子中に有する炭素数3〜30の有
    機化合物であることを特徴とする請求項3記載の感光性
    ポリイミド組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリイミド組成物は、多価メタクリレ
    ート化合物あるいは多価アクリレート化合物を架橋助剤
    として含むことを特徴とする請求項1から4いずれかに
    記載の感光性ポリイミド組成物。
  6. 【請求項6】前記ポリイミドは、シロキサン結合を有す
    る脂肪族基を共重合成分として含むか、あるいはシラン
    化合物を添加成分として含むことを特徴とする請求項1
    から5いずれかに記載の感光性ポリイミド組成物。
JP2002346890A 2002-03-19 2002-11-29 感光性ポリイミド組成物 Withdrawn JP2003345007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002346890A JP2003345007A (ja) 2002-03-19 2002-11-29 感光性ポリイミド組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075455 2002-03-19
JP2002-75455 2002-03-19
JP2002346890A JP2003345007A (ja) 2002-03-19 2002-11-29 感光性ポリイミド組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003345007A true JP2003345007A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29781832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002346890A Withdrawn JP2003345007A (ja) 2002-03-19 2002-11-29 感光性ポリイミド組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003345007A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007100078A1 (ja) 2006-03-03 2007-09-07 Pi R & D Co., Ltd. スクリーン印刷用感光性インク組成物及びそれを用いたポジ型レリーフパターンの形成方法
EP1901123A1 (en) * 2005-07-05 2008-03-19 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
JP2010150506A (ja) * 2008-10-08 2010-07-08 Eternal Chemical Co Ltd 感光性ポリイミド
CN111333837A (zh) * 2020-01-07 2020-06-26 上海极紫科技有限公司 一种正性光敏聚酰亚胺树脂及其制备方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8445177B2 (en) 2005-07-05 2013-05-21 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
US8323873B2 (en) 2005-07-05 2012-12-04 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
EP1901123A4 (en) * 2005-07-05 2008-10-08 Hitachi Chemical Co Ltd PHOTOSENSITIVE ADHESIVE COMPOSITION AND ADHESIVE FILM, ADHESIVE SHEET, SEMICONDUCTOR WAFER WITH ADHESIVE LAYER, SEMICONDUCTOR DEVICE AND ELECTRONIC PART OBTAINED BY USING THE SAME
US8673539B2 (en) 2005-07-05 2014-03-18 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
US8293453B2 (en) 2005-07-05 2012-10-23 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
US7851131B2 (en) 2005-07-05 2010-12-14 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
EP1901123A1 (en) * 2005-07-05 2008-03-19 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
US8278024B2 (en) 2005-07-05 2012-10-02 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
EP2333609A3 (en) * 2005-07-05 2013-03-27 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive adhesive composition, and obtained using the same, adhesive film, adhesive sheet, semiconductor wafer with adhesive layer, semiconductor device and electronic part
EP2011842A4 (en) * 2006-03-03 2011-07-20 Pi R & D Co Ltd PHOTO-SENSITIVE COLOR FOR SCREEN PRINTING AND METHOD FOR PRODUCING A POSITIVE RELIEF PATTERN USING THE SAME
US8349537B2 (en) 2006-03-03 2013-01-08 Pi R&D Co., Ltd. Photosensitive ink composition for screen printing and method of forming positive relief pattern with use thereof
WO2007100078A1 (ja) 2006-03-03 2007-09-07 Pi R & D Co., Ltd. スクリーン印刷用感光性インク組成物及びそれを用いたポジ型レリーフパターンの形成方法
EP2011842A1 (en) * 2006-03-03 2009-01-07 PI R & D Co., Ltd. Photosensitive ink composition for screen printing and method of forming positive relief pattern with use thereof
JP2010150506A (ja) * 2008-10-08 2010-07-08 Eternal Chemical Co Ltd 感光性ポリイミド
CN111333837A (zh) * 2020-01-07 2020-06-26 上海极紫科技有限公司 一种正性光敏聚酰亚胺树脂及其制备方法
CN111333837B (zh) * 2020-01-07 2022-11-25 上海极紫科技有限公司 一种正性光敏聚酰亚胺树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5593548B2 (ja) ポリイミド系重合体とこれらの共重合体、並びにこれを含むポジ型感光性樹脂組成物
JP5216179B2 (ja) ネガ型感光性ポリイミド組成物及びそれを用いた画像の形成方法
US20080103275A1 (en) Negative photosensitive polyimide polymer and uses thereof
JP4930883B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びそれを用いた回路基板
JP2015071765A (ja) ポリイミドのための前駆体組成物及びその使用
KR101012569B1 (ko) 감광성 수지 전구체 조성물
KR101969197B1 (ko) 포지티브형 감광성 수지 조성물
JP2005250160A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP2006070096A (ja) イミド基含有ジアミン、該イミド基含有ポリイミド前駆体、該前駆体を含有してなるポジ型感光性樹脂組成物、ポジ型パターンの製造方法及び電子部品
JPS59145216A (ja) 有機溶媒可溶性の感光性ポリアミドイミド
TWI470353B (zh) A photosensitive resin composition and a hardening film
JPS59232122A (ja) 有機溶媒可溶性の感光性ポリイミド
JP5115045B2 (ja) ポリイミドワニス
JP2003345007A (ja) 感光性ポリイミド組成物
JP4614503B2 (ja) 感光性ポリイミド前駆体の製造方法
JP2006285037A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物
JP2516276B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2005250161A (ja) ネガ型感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP2008038031A (ja) ポリイミド組成物、フレキシブル配線板及びフレキシブル配線板の製造方法
JP2005062764A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物
JP2002341535A (ja) 感光性ポリイミド樹脂組成物
JP2003121997A (ja) ネガ型感光性樹脂組成物
JPH04204738A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH0827538B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JPH04168441A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060207