JP2002341535A - 感光性ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

感光性ポリイミド樹脂組成物

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JP2002341535A JP2001143354A JP2001143354A JP2002341535A JP 2002341535 A JP2002341535 A JP 2002341535A JP 2001143354 A JP2001143354 A JP 2001143354A JP 2001143354 A JP2001143354 A JP 2001143354A JP 2002341535 A JP2002341535 A JP 2002341535A
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photosensitive polyimide
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Masao Tomoi
正男 友井
Yuki Honda
祐樹 本田
Katsumoto Hosokawa
勝元 細川
Seiji Kamimura
誠二 神村
Yoshiyuki Ando
好幸 安藤
Kenji Asano
健次 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温保存下でも品質低下を招きにくい管理上の
優位性を有するとともに、イミド化のための高温処理を
必要としない感光性ポリイミド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】1種以上の酸ジ無水物と1種以上のジアミ
ンの直接イミド化反応によって得られ、側鎖にカルボキ
シル基を有するポリイミドを樹脂分として含み、前記カ
ルボキシル基との反応成分としてアミノアルキルメタク
リレート化合物あるいはアミノアルキルアクリレート化
合物を含む感光性ポリイミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ポリイミド
樹脂組成物に関し、特に、常温保存下でも品質低下を招
きにくい管理上の優位性を有するとともに、イミド化の
ための高温処理を必要としない感光性ポリイミド樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、優れた耐熱性、および低
誘電率により裏付けられた良好な電気絶縁性を有してお
り、従って、エナメル線の絶縁皮膜、電子部品材料の絶
縁基板あるいはソルダレジスト材などとして広く活用さ
れている。さらに、最近においては、このポリマに光に
対する感応性を持たせることが検討されており、パター
ン形成後もそのまま絶縁膜として活用することのできる
フォトレジスト構成材として期待が寄せられている。
【0003】従来、この用途に対応したポリイミド樹脂
組成物としては、たとえば、特公昭59−52822号
に示されるような化学線による2量化あるいは重合の可
能な炭素−炭素二重結合およびアミノ基あるいはその4
級化塩をポリアミド酸に添加した組成物、あるいは特開
平3−170555号に示されるようなポリアミド酸に
アクリルアミド類を添加した組成物が知られている。
【0004】また、特開昭61−118423号、特開
昭62−184056号あるいは特開昭62−2732
59号に示されるように、炭素−炭素二重結合基含有ポ
リイミド前駆体に特定のオキシム化合物と増感剤を添加
したものも代表的な組成物として知られている。これら
の組成物は、露光した部分が現像によって残存するネガ
型感光性の性質を有し、いずれも相応の評価を受け、活
用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
の感光性ポリイミド樹脂組成物によると、樹脂分が、ポ
リイミドの前駆体である不安定なポリアミック酸の形を
とるため、管理の厳しい低温保存が不可欠になるととも
に、早期イミド化を原因としたポリアミック酸の加水分
解による品質低下を招きやすく、さらに、高温処理(2
50℃以上)によるイミド化の際に形成パターンに熱変
形が生じて、細密なパターン形成を難しくする問題を有
している。
【0006】従って、本発明の目的は、常温保存下でも
品質低下を招きにくい管理上の優位性を有するととも
に、イミド化のための高温処理を必要としないネガ型感
光性ポリイミド樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、ポリイミド系の樹脂分に光開始剤を混合
した組成物より成る感光性ポリイミド樹脂組成物におい
て、1種以上の酸ジ無水物と1種以上のジアミンによる
直接イミド化反応によって得られ、側鎖にカルボキシル
基を有するポリイミドを前記樹脂分として含み、アミノ
アルキルメタクリレート化合物あるいはアミノアルキル
アクリレート化合物を前記カルボキシル基との反応成分
として含むことを特徴とする感光性ポリイミド樹脂組成
物を提供するものである。
【0008】本発明による感光性組成物は、成膜時の加
熱において、ポリイミド側鎖のカルボキシル基とアミノ
アルキルメタクリレート化合物あるいはアミノアルキル
アクリレート化合物との間にイオン結合反応が生ずる点
に特徴を有する。そして、これらの間にイオン結合が形
成される結果、ポリイミドに光硬化機能が付与され、光
開始剤との作用により硬化することとなる。
【0009】アミノアルキルメタクリレート化合物ある
いはアミノアルキルアクリレート化合物としては、エチ
レン性不飽和二重結合とアミノ基および(または)アミ
ド基を分子中に有する炭素数3〜30の有機化合物、な
かでも、炭素数3〜30の脂肪族化合物であることが好
ましく、具体的には、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロ
ピル等が使用される。
【0010】エチレングリコールジメタクリレートある
いはエチレングリコールジアクリレート等の多価メタク
リレートあるいは多価アクリレート化合物を架橋助剤と
して組成物に加えることは、上記のアミノアルキルメタ
クリレート化合物あるいはアミノアルキルアクリレート
化合物の添加効果を高めるうえにおいて、好ましい形態
となる。
【0011】本発明におけるポリイミドは、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドある
いはN,N−ジメチルホルムアミド等を主成分とする有
機極性溶媒中において、酸ジ無水物とジアミンを触媒の
存在のもとで加熱下に反応させることによって得られる
もので、ポリアミック酸を経由しない直接イミド化を反
応基盤として合成されるものである。
【0012】その骨格分子構成としては、芳香族環系、
芳香族複素環系、脂肪族系あるいは脂環族系等が挙げら
れ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェ
ニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテ
ル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、
ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン
基、シクロブタン基あるいはシクロペンタン基等を挙げ
ることができる。
【0013】本発明のポリイミド樹脂組成物を基板上に
成膜するときの接着性を向上させるために、ポリイミド
の分子中にシロキサン結合を有する脂肪族基を共重合さ
せる形態は好ましく、また、同じ目的から、シランカッ
プリング化合物をポリイミド中に添加する形態も好まし
い。
【0014】ポリイミド分子中へのシロキサン結合の導
入の形態としては、ポリイミドの一方の原料成分である
ジアミンの分子中にシロキサン結合を含ませる形態が考
えられ、具体的には、ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン等が好例として挙げられる。その
ポリイミドへの共重合量は、多くの場合、1〜10モル
%程度である。シラン化合物としては、グリシジルメト
キシシランあるいはイミダゾールシラン等が使用され
る。
【0015】本発明のポリイミド樹脂組成物を所定のパ
ターンに成膜する際に使用される現像液としては、N−
メチル−2−ピロリドンおよびモノエタノールアミンと
水の混合物、あるいはモノエタノールアミンと水の混合
物等が挙げられ、必要に応じてこれにメタノール、エタ
ノール等のアルコール、あるいはトルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類が加えられる。また、水酸化ナトリ
ウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロキノン
水溶液等の無機アルカリ水溶液を現像液として使用する
ことも可能であり、これらは、単独あるいは複数が混合
されて使用される。
【0016】なお、以上に挙げた現像液は、ポリマの全
構成単位の5%相当、より好ましくは50%相当の当量
以上であって、かつ、ポリマ中の全カルボキシル基の5
倍以下の割合において水と混合されていることが望まし
く、混合量がこの範囲を外れると、感度が低下したり、
あるいは現像への制約が多くなるので好ましくない。
【0017】光開始剤(感光剤)としては、4,4′−
ジエチルアミノベンゾフェノン、N−フェニルジエタノ
ールアミン、N−フェニルグリシン等の芳香族アミン化
合物、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキ
シカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−ブタ
ンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、
1−フェニルプロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)
オキシム、1,2−ジフェニル−エタンジオン−1−
(O−ベンゾイル)オキシム等の鎖状オキシムエステル
化合物、3−フェニル−5−イソオキサゾロン等の環状
オキシムエステル化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1等のア
セトフェノン系化合物、あるいはベンゾインイソブチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系
化合物などが使用される。
【0018】なお、その量は、ポリイミドに対して1〜
100重量%、より好ましくは、2〜50重量%の範囲
内において混合されることが望ましく、混合量がこの範
囲を外れることは、感度が低下し、あるいは現像処理へ
の制約が多くなるので好ましくない。
【0019】本発明の組成物にミヒラーズケトン、4,
4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3′−カル
ボニルビス(ジエチルアミノクマリン)等の増感剤を添
加することは好ましい形態であり、その添加量として
は、ポリイミドに対して0.1〜20重量%、より好ま
しくは0.2〜10重量%に設定される。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明による感光性ポリイ
ミド樹脂組成物の実施の形態を説明する。
【実施例1】撹拌機を取り付けた1000mlのセパラ
ブル3つ口フラスコにシリコンコック付きトラップを備
えた玉付き冷却管を取り付けることによって反応容器を
構成し、この反応容器に、3,3′−4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以下、BTDAと
いう)6.44g、4,4′−(ヘキサフルオロイソプ
ロピリデン)酸ジ無水物(以下、6FDAという)1
7.77g、3,5−ジアミノ安息香酸(以下、DAB
zという)4.56g、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホン(以下、m−BAPSとい
う)12.98g、無水酢酸0.68g、ピリジン0.
95g、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと
いう)158gおよびトルエン32gを入れ、180℃
に昇温させた状態で3時間反応させた。
【0021】この間、当初の撹拌機の回転数を180r
pmに設定するとともに、反応が低下するにしたがって
回転数を下げ、生成する水をシリコンコックより外部に
排除した。その後、真空乾燥を施すことによって所定の
反応液を得、次いで、得られた反応液にメタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチルエステル5.93g(反応液
中に含まれるポリイミドの全カルボキシル基と当量)、
エチレングリコールジメタクリレート8.90gおよび
ミヒラーズケトン3.95gを添加することによってワ
ニス状の感光性ポリイミド樹脂組成物を得た。
【0022】次に、この組成物を電解銅箔上に塗布し、
乾燥機での乾燥を90分行い、これによって膜厚が3μ
mのポリイミド皮膜を形成した後、オーク社製紫外線露
光機によりポリエチレンテレフタレート(PET)のフ
ォトマスクを介して5000mJ/cm2(365an
d435nmの紫外線強度)の露光を行った。
【0023】その後、露光品を90℃の恒温槽に入れて
30分の熱処理を施し、次いで、これを、NMP500
g、モノエタノールアミン500gおよび水500gの
混合物より成る現像液中に浸漬して現像を行った後、イ
ソプロピルアルコールによるリンスと200℃×30分
のポストベークとを順に施すことにより、所定のネガ型
パターンのポリイミド皮膜を有する電解銅箔を得た。
【0024】
【実施例2】実施例1において、NMP/モノエタノー
ルアミン/水の混合現像液の代わりに10%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべてを同一条件に
設定することによってネガ型パターンのポリイミド皮膜
を有する電解銅箔を製造した。
【0025】
【実施例3】実施例1で使用した反応容器にBTDA
6.44g、6FDA17.77g、DABz6.08
g、m−BAPS8.65g、無水酢酸0.68g、ピ
リジン0.95g、NMP158gおよびトルエン32
gを入れ、180℃に昇温させて3時間反応させた。こ
の間、撹拌機の回転数を反応の低下に伴い180rpm
から徐々に減速させるとともに、生成する水をシリコン
コックより排除した。
【0026】次に、得られた反応液に真空乾燥を施した
後、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチルエステル
5.93g(反応液中のポリイミドの全カルボキシル基
と当量)、エチレングリコールジメタクリレート8.9
0gおよびミヒラーズケトン3.95gを加え、これに
よりワニス状のポリイミド樹脂組成物を調合した。
【0027】次いで、このワニス組成物を使用すること
により実施例1と同様の電解銅箔上への塗布、乾燥、露
光、熱処理、現像、リンスおよびポストベークを順に行
い、所定のネガ型パターンを有するポリイミド皮膜付き
電解銅箔を製造した。
【0028】
【実施例4】実施例3において、NMP/モノエタノー
ルアミン/水の混合現像液の代わりに10%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべてを同一条件に
設定することによってネガ型パターンのポリイミド皮膜
を有する電解銅箔を製造した。
【0029】
【比較例1】実施例1で使用した反応容器にBTDA
6.44g、6FDA17.77g、DABz4.56
g、m−BAPS12.98gおよびNMP158gを
入れ、60℃で3時間反応させた。この間、当初の撹拌
機の回転数を180rpmに設定するとともに、反応が
低下するにしたがって回転数を下げた。
【0030】次いで、得られた反応液にメタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチルエステル5.93g(反応液
中のポリマの全カルボキシル基と当量)、エチレングリ
コールジメタクリレート8.90gおよびミヒラーズケ
トン3.95gを添加することによってポリアミック酸
を樹脂分とするワニス組成物を調合した後、得られた組
成物を使用することにより実施例1と同様の電解銅箔上
への塗布、乾燥、露光、熱処理、現像およびリンスを順
に施し、その後、250℃×30分のポストベーク処理
を施すことによってネガ型パターンを有するポリイミド
皮膜付き電解銅箔を製造した。
【0031】
【比較例2】比較例1において、NMP/モノエタノー
ルアミン/水の混合現像液の代わりに10%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべてを同一条件に
設定することによってネガ型パターンのポリイミド皮膜
を有する電解銅箔を製造した。
【0032】
【比較例3】実施例1で使用した反応容器にBTDA
6.44g、6FDA17.77g、DABz6.08
g、m−BAPS8.65gおよびNMP158gを入
れ、60℃で30分反応させた。この間、撹拌機の回転
速度を反応の低下にしたがい当初の180rpmから徐
々に減速させた。
【0033】次に、得られた反応液にメタクリル酸−2
−ジエチルアミノエチルエステル5.93g(反応液中
のポリマの全カルボキシル基と当量)、エチレングリコ
ールジメタクリレート8.90gおよびミヒラーズケト
ン3.95gを添加し、これによりワニス組成物を調合
した。
【0034】次いで、この組成物を使用することにより
実施例1と同様の電解銅箔上への塗布、乾燥、露光、熱
処理、現像およびリンスを施した後、250℃×30分
のポストベーク処理を施すことによってネガ型パターン
を有するポリイミド皮膜付き電解銅箔を製造した。
【0035】
【比較例4】比較例3において、NMP/モノエタノー
ルアミン/水の混合現像液の代わりに10%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を使用し、他のすべてを同一条件に
設定することによってネガ型パターンのポリイミド皮膜
を有する電解銅箔を製造した。
【0036】表1に、各実施例および比較例による感光
性組成物の特質とこれらにより得られたポリイミド皮膜
の特性を示す。なお、特性試験方法は以下による。 1.解像度 各電解銅箔上の皮膜に形成されたネガ型パターンの細密
性を示す。 2.ポストベーク後のパターン形状 ポストベーク処理後のパターンの変形を光学顕微鏡によ
って観察。 3.基材の劣化 ポストベーク後の基材(電解銅箔)の酸化を目視にて観
察。
【0037】
【表1】
【0038】表1によれば、実施例による組成物の樹脂
分が、原料より直接イミド化された安定した分子構成を
有しているのに比べ、比較例による樹脂組成物の場合に
は、ポリアミック酸を樹脂分としているため、まず、保
管温度において、前者が最高50℃での保管を可能とし
ているのに対し、後者の保管可能最高温度は0℃と著し
く低い。
【0039】従って、実施例による組成物は、常温での
保管において変質を招く恐れがないのに比べ、比較例の
場合には、ポリアミック酸の不安定性を原因とした早期
イミド化と、これによる生成水のためのポリアミック酸
の加水分解を招きやすく、両者の間には、保存安定性に
おいて顕著な差が現れることになる。
【0040】また、現像後のポストベーク時におけるイ
ミド閉環の必要性においても、実施例の場合が溶剤を揮
散させる程度の熱処理で済むのに対し、比較例の場合に
は、ポリアミック酸からの脱水閉環によるイミド化のた
めの高温処理が必要であり、従って、ポストベーク後の
パターン形状特性において、このことによる品質の差が
如実に現れている。即ち、実施例によるパターンが変形
のない良好な形状を示しているのに比べ、比較例の場合
には、熱劣化による変形を呈しており、明確な品質差と
なって現れている。
【0041】さらに、ポストベーク処理時の熱処理温度
の差は、電解銅箔より構成される基材の酸化劣化にも影
響を与えており、実施例の基材が小さな酸化劣化にとど
まっているのに比べ、比較例における基材の劣化は大き
く、このことによる品質の違いも、実用上においては無
視できない差として評価されることになる。
【0042】そして、実施例の組成物によって形成され
るポリイミド皮膜が備えるこれらの優れた特質は、ポリ
イミド側鎖のカルボキシル基とアミノアルキルメタクリ
レート化合物とのイオン結合によって大きく助長される
ことになり、従って、実施例による感光性組成物を使用
するときには、従来には見られない良質な皮膜の形成が
可能となる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による感光
性ポリイミド樹脂組成物によれば、1種以上の酸ジ無水
物と1種以上のジアミンからの直接イミド化反応によっ
て得られるところの、側鎖にカルボキシル基を有するポ
リイミドを樹脂分として含み、さらに、アミノアルキル
メタクリレート化合物あるいはアミノアルキルアクリレ
ート化合物を含むことによって、この化合物とポリイミ
ド側鎖のカルボキシル基との間にイオン結合を生じさ
せ、これによって、低温保存が不要であるうえに品質低
下が生じにくく、しかも、イミド化のための高温処理の
不要なポリイミド組成物を提供するものであり、その有
用性は大である。
フロントページの続き (72)発明者 神村 誠二 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 安藤 好幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 浅野 健次 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA10 AA11 AA20 AC01 AD01 BC13 BC42 BC69 BC78 BC85 BC87 FA29 4J027 AD04 AD06 BA20 CB10 CC04 CC05 CD10 4J043 PA06 PA08 QB15 QB26 QB31 RA35 SA06 SA62 SB03 SB04 TA14 TA22 TB02 UA121 UA132 UA151 UB061 UB131 UB151 UB301 UB351 VA022 VA031 VA041 VA062 XA19 YB08 YB19 YB32 ZB22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド系の樹脂分に光開始剤を混合し
    た組成物より成る感光性ポリイミド樹脂組成物におい
    て、 1種以上の酸ジ無水物と1種以上のジアミンによる直接
    イミド化反応によって得られ、側鎖にカルボキシル基を
    有するポリイミドを前記樹脂分として含み、 アミノアルキルメタクリレート化合物あるいはアミノア
    ルキルアクリレート化合物を前記カルボキシル基との反
    応成分として含むことを特徴とする感光性ポリイミド樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】前記アミノアルキルメタクリレート化合物
    あるいはアミノアルキルアクリレート化合物は、エチレ
    ン性不飽和二重結合とアミノ基および(または)アミド
    基を分子中に有する炭素数3〜30の有機化合物である
    ことを特徴とする請求項1項記載の感光性ポリイミド樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】前記組成物は、多価メタクリレート化合物
    あるいは多価アクリレート化合物を架橋助剤として含む
    ことを特徴とする請求項1項記載の感光性ポリイミド樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリイミドは、シロキサン結合を有す
    る脂肪族基を共重合成分として含むか、あるいはシラン
    化合物を添加成分として含むことを特徴とする請求項1
    項記載の感光性ポリイミド樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018191954A1 (en) * 2017-04-21 2018-10-25 Henkel Ag & Co. Kgaa (meth) acrylate functionalized poly (meth) acrylate-block-polyimide-block-poly (meth) acrylate copolymer, preparation method and use thereof

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