JP2003344357A - 電気泳動装置 - Google Patents
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Abstract
上に関する。また、キャピラリ電気泳動装置のスループ
ット向上に関する。 【解決手段】本発明は、キャピラリ先端を浸す液体に発
生する波を低減する機能を備えた電気泳動装置である。
好適には、当該液体の保持容器に複数の板状仕切り部材
を設け、該液体表面を複数区画に分割する。当該液体を
高速移送でき、当該液体に素早くキャピラリ先端を浸す
ことができる。このため、キャピラリ先端の長時間の空
気露出による分解能の低下を抑止できる。また、波の消
滅まで計測を見合わせる必要が無く、試料分析のスルー
プットが向上する。 【効果】本発明により、試料を泳動分離する際の分解能
が劣化しない。また、試料のスループットを向上でき
る。
Description
の試料を分離分析するキャピラリ電気泳動装置に関す
る。
ステムズ社(Applied Biosystems)製3100が存在す
る。本装置では、平滑な内面を有する略直方体形状容器
により、緩衝液及び洗浄液を保持している。また、サン
プル容器,緩衝液容器,洗浄液容器及び廃液容器を同一
基盤に載せ、その基盤を動かしていた。
電気泳動装置の分解能向上に関する。また、キャピラリ
電気泳動装置のスループット向上に関する。
端を浸す液体に発生する波を低減する機能を備えた電気
泳動装置に関する。好適には、当該液体の保持容器に複
数の板状仕切り部材を設け、該液体表面を複数区画に分
割する。液体を保持した容器を高速移送できる為、キャ
ピラリ先端を素早く当該液体に浸すことでき、キャピラ
リ先端の大気露出時間を短縮できる。このため、キャピ
ラリ先端の空気露出による分解能の低下を抑止できる。
また、波の消滅まで計測を見合わせる必要が無く、資料
分析のスループットが向上する。
間を所定時間以下とした電気泳動装置に関する。好適に
は、予備泳動からサンプル注入の間におけるキャピラリ
先端の空気露出時間が14秒以下とする。これにより、
分解能の低下を抑止できる。
益を、図面を参照して詳細に説明する。
気泳動装置の概略図である。以下、本装置の概要と原理
を説明する。
プル容器,バッファ容器,ゲル補充系,光学系,電源
系、及び恒温層から構成される。
101を含む交換部材であり、ロードヘッダ113,検
出部108、及びキャピラリヘッド105を含む。通
常、キャピラリ101は100回程度の計測により品質
が劣化する為、100回程度の計測後に新品のキャピラ
リアレイに交換してキャピラリ101の品質を維持し、
装置性能を一定に保つ。
中空部材であり、外径が0.15mm,内径が0.05mm
の石英パイプから成る。外被はポリイミドにより樹脂コ
ーテイングされている。ただし、レーザー光が照射され
る光照射部は、被膜が除去されている。キャピラリ10
1の内部は、電気泳動時に泳動速度差を与えるためのゲ
ルと、電気泳動の媒体となる緩衝液が注入される。試料
注入は、キャピラリ101の一端である導入端部を試料
に浸しながら電気泳動することにより行われる。また、
試料注入後の泳動分離は、導入端部を緩衝液に浸しなが
ら電気泳動して実施される。
置に保持し、高電圧を印加する部材である。本部材は、
中空電極102(ステンレススチール製の微小管)を、
8行12列の行列状に保持する。各中空電極の内部には
キャピラリ101が貫通し、導入端部が若干露出した状
態で固着されている。これにより、96本の導入端部を
精密に配置し、後述のサンプル容器中試料に確実に浸す
ことができる。また、中空電極102には高電圧が印加
され、電気泳動時の通電路の一端を形成する。
得する部材であり、励起光が照射され、試料に依存した
波長の光を放出する。96本のキャピラリ101を、光
学フラット平面である基準ベースに高さ数ミクロンの精
度で配列固定する。電気泳動時、略同軸の2本のレーザ
光109が両側から照射され、全ての光照射部を連続し
て透過する。このレーザ光109により、試料から情報
光(試料に依存した波長を有する蛍光)が生じ、光照射
部から外部に放出される。この情報光を受光光学系によ
り検出して、試料を分析する。
対側のキャピラリ端部(他端部)を、ゲルブロック10
4に耐圧機密で着脱する部材である。本部材は、96本
のキャピラリの他端部を一つ束ねて、ゲルブロック10
4に耐圧機密で接続できる。そして、シリンジ110に
よる高圧力により、他端部からキャピラリ内に新規ゲル
を充填する。この時、導入端部近傍には廃液容器が配置
され、導入端部から放出されるゲルを捕捉する。
した試料容器を、8行12列の行列状に備え、多数の試
料を保持できる。試料には、例えば、4種類のヌクレオ
シド塩基分子を識別するように蛍光標識され、多数の適
当な長さ(大きさ)の核酸が含まれている。尚、上述の
試料注入の際は、各試料容器に各導入端部が配置される
ように、ロードヘッダ113とサンプル容器を配置す
る。試料に導入端部を浸しつつ電気泳動を実施してキャ
ピラリ内に試料を導入する。
浸す緩衝液(バッファ液)を保持する容器である。
ンジ110を含み、キャピラリ101内部にゲルを充填で
きる。ゲルブロック104は、キャピラリヘッド10
5,シリンジ110と連結し、一部が緩衝液116と接
触している。ゲル充填の際は、バルブ106によりシリ
ンジ110とバッファ液116を隔離する。そして、高
圧により、シリンジ110内のゲルを、キャピラリヘッ
ド105を経由し、他端部からキャピラリ101内部に
充填する。また、電気泳動時は、バルブ106を開放し
て、他端部と緩衝液116を連通して、前記通電路の一
端を形成する。
る励起光学系と、検出部からの情報光を検出する受光光
学系から構成される。
ー,ビームスプリッタ,集光レンズを含む。レーザ光源
から放出されたレーザ光は、ビームスプリッタにより2
分され、ミラーと集光レンズにより照射方向を調整され
る。これにより、略同軸で進行方向の異なる2本のレー
ザ光109が、検出部108を、その両側から照射す
る。照射されたレーザー光は、キャピラリのレンズ作用
によって集光され、全てのキャピラリ101を透過す
る。尚、レーザ光109の照射方法として、各キャピラ
リの光照射部に時間分割でレーザ光が照射する方式もあ
り、本実施例に適宜利用できる。
ラ、及びコンピュータを含み、検出部108から放出さ
れる情報光を検出する。各光照射部から放出された蛍光
は、検出部上面に配置された検出レンズを透過し、波長
毎に分光され、CCDカメラにより検出される。そし
て、CCDカメラからの信号を、コンピュータ21によ
り演算処理して、試料を分析する。
の範囲を含む通電路に高電圧を印加する。通電路は、中
空電極102,バッファ液103,キャピラリ101と
ゲルブロック5に充填されたゲル,バッファ液116,
アース電極107から構成される。高電圧電源112
は、中空電極102を負電位,アース電極を正電位とし
て、この通電路に15kV前後の高電圧を印加する。こ
れにより、検出部からの導入端部方向に電界が生じ、負
に帯電する核酸等は導入端部から検出部の方向に泳動す
る。尚、サンプル注入時の通電路は上述と異なり、バッ
ファ液103が、サンプル容器中の試料と代わってい
る。また、パルス電圧が印加される。
度を一定に保持する温度制御装置である。各キャピラリ
101の導入端部から検出部までの大部分を収容し、そ
れらを温度制御された空気流により一定温度に保つ。こ
れにより、各キャピラリ101の温度差異に起因する、試
料の泳動速度の違いを低減できる。
を以下説明する。
パルス状の高電圧を印加すると、キャピラリ101内に
試料が注入される(サンプリング)。その後、導入端部
をバッファ液103に浸し、通電路に高電圧を印加して
電気泳動を行う。キャピラリ101内のゲルから成る流
体路を、大きさの異なる試料が通過すると、通過抵抗の
小さい順に早く移動する。これにより、導入端部に注入
された試料は、小さい順に検出部108に到達する。そ
して、光照射部においてレーザ光114が照射され、信
号光を放出する。この信号光を検出し、信号光を放出し
た試料の大きさ等との関連から、試料を分析することが
できる。
概略図である。図3は、オートサンプラ部近傍の概略図
である。以下、図2,図3を参照して、オートサンプラ
部近傍について説明する。
めとする電気泳動測定に必要な溶液を保持した容器をグ
リッパ313により搬送し、また後述する保護フイルム
付きサンプル容器の穿孔、さらにサンプル容器に貼付さ
れたバーコードの読み取りを行う機能を有する装置であ
り、ステーション209とスタッカ210の二つの領域
からなる。
し、オペレータから見て手前と奥の2列に分けて配置し
ている。手前側には、左から順に、バッファ容器保持部
204,洗浄水容器保持部205,廃液保持部206が
存在する。また、奥には、左から順に、アレイ位置20
1,パーキング202,孔開け位置203が存在する。
オペレータの取扱うバッファ容器等を手前側に配置する
ことで、装置の利便性を向上させている。また、通常、
オペレータの取扱う必要の無い領域を奥に配置して、オ
ペレータに起因した誤測定を抑制している。例えば、サ
ンプル容器を一時的に保持するための領域であるパーキ
ング202,302aは奥側に存在する。これは、サン
プル容器はスタッカを通じてのみ出し入れを行い、オペ
レータがパーキングに直接サンプル容器を出し入れする
ことを防止する為である。
器を着脱して保持できる箇所である。バッファ容器は、
一回の泳動分離測定において最も頻繁に使用するため、
アレイ位置の近傍に存在する。バッファ容器は、電気泳
動時に中空電極と導入端部を浸しバッファ液で満たされ
ている。また、原則、装置待機中に導入端部をバッファ
液に浸すことで、導入端部中のゲルの乾燥を防止してい
る。
浄水容器305bを着脱して保持する領域である。洗浄
水容器305bは、ゲルの交換後に中空電極や導入端部
先端に付着した使用済みゲル、及びサンプル注入後に付
着したサンプル液等を洗浄する為の水を保持している。
導入端部が所定溶液に浸された後に洗浄し、キャピラリ
内のゲルに対するコンタミを防止する。洗浄水容器の使
用頻度は、バッファ容器より小さい為、バッファ容器保
持部よりもアレイ位置から離れた箇所に存在する。
容器306bを着脱して保持する領域である。廃液容器
は水を保持し、ゲルの交換の際にキャピラリから排出さ
れる使用済みゲルを保管する。廃液容器の使用頻度は、
洗浄水容器より小さい為、洗浄水容器保持部よりもアレ
イ位置から離れた箇所に存在する。
電極が存在する。キャピラリ内にゲルが充填された状態
で電極端にサンプルを注入し、さらにキャピラリの両端
に電位差を設けることにより電気泳動を行う。
bを着脱して保持しておく領域である。グリッパは同時
に一つの容器しか搬送しないことから、他の容器の搬送
中にはサンプル容器は302bに保持される。
ニードルが配置されいる。サンプル容器が液蒸発防止用
保護フィルムでカバーされている場合に、ニードルが保
護フィルムを刺し通す用にサンプル容器を動かし、中空
電極を挿入するための孔を開ける。
プル容器を保管する領域であり、ステーション209の
右側に存在する。大部分を占める右利きユーザの取扱性
向上の為である。
サンプル容器を格納するユニットである。16個のサン
プル容器を積み重ねて保存できる。ここからサンプル容
器を順次取り出し、電気泳動による測定を行う。
を順次格納する機能を有する。16個のサンプル容器を
積み重ねて保存できる。
構成部材を分解した状態を描写している。図5は、図4
のAA′におけるサンプル容器の断面図である。以下、
図4及び図5を参照してサンプル容器について説明す
る。
となる試料を保持する複数試料保持部材である。ホルダ
401,サンプルプレート402,セプタ403,クリ
ップ404の4部品を重ね合わせて構成される。
る。サンプルプレート402とセプタ403をクリップ
404との間に挟み、クリップのつめをホルダの取付け
溝405にかみ込ませ、4部品を一体化している。ま
た、各容器を移動するためのグリッパのハンドルを挿入
するための連結孔506を有する。ハンドルが連結孔に
挿入されることで、サンプル容器とグリッパを強固に連
結できる。
注入し、保持するためのポケット状の試料保持部である
ウェルを8行12列で計96箇所、又は16行24列で
計384箇所を備える。
ウェルに対応する位置に中空電極挿入用の貫通孔505
を有している。これは中空電極が挿入されるとき以外は
閉じていてウェル中のサンプル液の蒸発を防止し、かつ
切れ込みにより電極挿入は妨げない機能を有する。ま
た、セプタ上面に保護フィルムを貼り付けることでも、
サンプル液の蒸発を防止できる。
び廃液容器に共用する容器の概略図であり、各構成部材
を分解した状態を描写している。
る。以下、これを参照にバッファ容器,洗浄水容器、お
よび廃液容器について、バッファ容器を中心に説明す
る。
内部容器602,702と、波消し板603,703、
及びクリップ605,705から構成される。クリップ
とホルダとの結合は、サンプル容器と同じくクリップの
つめをホルダの取付け溝606にかみ込ませることによっ
てなされる。
り、その外部液状はサンプル容器のホルダと同一であ
り、またグリッパのハンドルを挿入するための連結孔7
07を備える。このため、同一のグリッパに着脱保持さ
れ、所定場所に移送される。
保持された溶液の遥動を制限し、かつセプタ604,7
04を支持する。波消し板は、格子状に壁状部材を備え
て、容器内を3行4列計12区画に分割する。保持用液
表面を小さく区分する為、容器移動時の波発生を防止す
る。区画が狭いほど波消しの効果は高くなるが、指のサ
イズより小さくなると洗浄に不向きとなる。そこで、中
央部区画は35×35mm、周辺部区画は35×16mm、
そして角部区画は16×16mmとしている。また、容器
底部には波消し板が存在せず、区画間で液体が移動でき
る為、液面高さは全区画で同一である。これは、洗浄、
および電気泳動の必要上、全中空電極は同じ深さまで液
中に挿入する必要がある為である。
容器、及び洗浄水容器を高速で搬送し、アレイ位置への
容器移動終了時に液面が波打っていると、全部の導入端
部が常に液中にある保証がない。波の発生により、一次
的に導入端部が空気中に露出している可能性がある。こ
の状態では、高電圧を印加して電気泳動を実施すること
は好ましく無い。また、溶液に波を生じさせる様に各容
器を低速移動すると、導入端部が大気中に長時間露出す
ることになる。特に、予備泳動からサンプル注入までの
間に、導入端部が大気中に14秒以上露出すると分離能
が大きく低下してしまう。また、液面に波が生じている
と導入端部の大気露出時間を正確に把握できない。
高速搬送すると、揺動により、溶液が容器外に飛散する
畏れがある。溶液がキャピラリ位置の周辺デバイスに付
着すると、電気泳動の際の高電圧印加により短絡,放電
が発生する為、装置の誤動作や故障の原因となる。特
に、バッファ液が飛散して装置に付着し、そのまま乾燥
して固着すると、除去が非常に困難となる。容器に波消
し効果をもたせることができれば、上記の問題を回避す
ることが可能となる。
凸凹の溝形状としたり、棒状部材をマトリクス状に配置
して、流体に対して抵抗となる部材を容器内に備える方
法もある。
多孔質、かつ柔軟な含水性の優れた保液部材を配する方
法がある。バッファ液,洗浄水を前記部材に含ませて搬
送することにより、容器外への溶液飛散を起こすことな
く高速での容器搬送を行うことができる。この場合、保
液部材は中空電極の挿入に対して容易に孔が開き、その
状態で導入端部先端は液中に浸っている必要がある。
液相皮膜で溶液表面を覆うことにより、溶液表面での波
動を抑制し、溶液の飛散を防止する効果を得ることがで
きる。液相皮膜の代わりに、導入端部列の間隔より小さ
な浮きを多数液面に配置しても良い。
方向に容器を加振するアクチュエータと容器内の溶液の
揺動の方向,速度を検出する流体速度検知センサを備
え、これにより溶液の揺動に低減する動きを容器に加え
ることにより、揺動を低減することが可能である。
概略図である。図9(a)は、グリッパ内部の機構を示
す模式図である。図9(b)は、ホールド時を示す模式
図であり、図9bは、リリース時を示す模式図である。
以下、図8〜図9(c)を参照してグリッパについて説
明する。
移動するように配置されている。また、Xリニアガイド
は、Zリニアガイド804上に、ZリニアガイドはYリ
ニアガイド803上に配置されている。各リニアガイド
は互いに直交するように配置されている。これにより、
グリッパはX,Y,Zの直交する3軸上を移動し、オー
トサンプラ内で任意の3次元座標上の位置に移動するこ
とが可能となる。
の機構を示す。グリッパの容器着脱機構は、容器の連結
孔に挿入するハンドル901,ハンドルに固定されるラ
ック902,モータに接続してモータの回転をラック、
およびハンドルを前後運動させるためのピニオン903
から構成される。モータの正転,逆転を切り替えること
によりハンドルの動作方向を制御し、回転量で動作量を
制御する。これにより、容器905をグリッパ上に保持
するホールド,容器をグリッパから解放するリリース、
の切換えを行う。
204にあるバッファ容器を、アレイ位置201に移動
する場合を例として説明する。
バッファ容器保持部の位置に移動し、移動終了後ハンド
ルをホールドする。これにより、バッファ容器がグリッ
パに固定される。そして、アレイ位置に移動し、バッフ
ァ容器を中空電極へ向けて押し上げることで、導入端部
をバッファ液中に浸す。バッファ容器をバッファ容器保
持部に戻すときは、バッファ容器を下げて、ロードヘッ
ダから開放する。そして、バッファ容器保持部の位置に
移動し、ハンドルをリリースすることにより、容器を保
持部に戻すことができる。
スを行う構成を取っている。これは仮に複数の容器を同
時にグリッパ上に保持して移動させようとする場合に生
じるグリッパの占有面積,および重量の増加、それに伴
うオートサンプラのデッドスペース,重量の増加を回避
するためである。複数容器を同時に搬送できるようにし
た場合にオートサンプラ全体の重量・占有面積が増加す
る理由を以下で説明する。仮にL×Tのサイズの容器を
領域LL×TTの範囲で搬送する場合に、L方向に2個
の容器を並べて搬送するとき、(LL+2・L)×TT
のスペースを必要とすることとなる。つまりオートサン
プラは容器1個のみの場合と比較して2×L×TTの面
積を余分に必要とする。さらに装置のたわみによる変形
を防止する、つまり剛性を確保した上でサイズを増加さ
せねばならないことから、重量の増加は面積の増加率で
ある2×L/LLよりも更に大きくなる。デッドスペー
ス、および重量の増加は容器の面積が大きくなるほど顕
著になり、本実施例のように96ウェル以上の大容量の
サンプル容器をハンドリングする場合、重量増加により
微小制御が困難となる。
路制御図である。以下、図10を参照にオートサンプラ
部制御回路について説明する。オートサンプラ部制御回
路は、CPU1001,メモリ1002,グリッパを
X,Y,Z各軸方向に移動させるためのアクチュエータ
であるXモータ1003a,Yモータ1004a,Zモ
ータ1005a,モータの回転運動を直線運動に変換し
て任意の座標位置に移動させるためのXリニアガイド1
003b,Yリニアガイド1004b,Zリニアガイド
1005cを基本構成としている。図10において、X
モータはグリッパをX軸方向に移動させるためのアクチ
ュエータであり、同様にY,Zモータはそれぞれグリッ
パをY,Z軸方向に移動させるためのアクチュエータで
ある。また、X,Y,Zの各リニアガイドは上記モータ
の回転運動を直線運動に変換して任意の座標位置に移動
させる機能を有する。
メモリ1002内のグリッパの現在位置データが失われ
た場合に、原点位置合わせを行うため各リニアガイドは
それぞれX原点検知センサ,Y原点検知センサ,Z原点
検知センサを備える。
リースを制御するためのグリッパモータ1006a、お
よびハンドル1006bと、初期化時にハンドル位置の
検知を行うためのハンドル初期化センサ1006cを備
える。グリッパ上面にはホールドしている容器の種類
(バッファ容器、他)を識別するための容器種類識別セ
ンサ1007を備える。これとバッファ容器エンプティ
検知センサ1008,洗浄水容器エンプティ検知センサ
1009,廃液容器エンプティ検知センサ1010,パーキ
ングエンプティ検知センサ1011とを組み合わせるこ
とにより、正しい容器をアレイ位置、もしくは各容器保
持部,パーキング等へ移動することができる。上記のエ
ンプティ検知センサは、各容器保持部,パーキングに配
置され、それらに容器がセットされているか否かの判別
を検知するセンサである。
1012を備えることにより、未測定のサンプル容器が
残っているか否かの検知を行う。さらにレシーバにエン
プティ検知センサ、およびフル検知センサを備えること
によりレシーバに測定済みサンプル容器があるか否か、
ある場合レシーバが最大収納個数いっぱいに収納してこ
れ以上の容器収納ができないかどうかの判別を行うこと
ができる。エンプティ検知,フル検知は反射型光センサ
を用い、容器に照射した光の反射光を検知することで判
別が可能である。
を示すフローである。また、図11(b)は、測定動作
の詳細を示す動作モード一覧表である。以下、図11
(a),図11(b)を参照して、本装置の動作ステッ
プを示す。尚、この測定動作フローでは、オートサンプ
ラがバーコードリーダを備え、サンプル容器に貼付され
たバーコードの読み取りが可能となっている。
アレイ位置にある。これは、後述するようにキャピラリ
内のゲルの乾燥に伴う変質が、泳動時の分離能の低下
等、測定精度の悪化を招く傾向があり、バッファ液中に
導入端部を浸しておくことにより電極先端のゲルの乾燥
を防止するためである。
ル容器が無いことを確認して、サーバからサンプル容器
を取り出し、バーコードリーダの読み取り位置に搬送す
る。
い、測定後にサンプル液のデータと測定データの照合を
可能にする。
カバーされている場合、孔開け位置に搬送して孔開け動
作を行う。孔開け動作終了後、あるいは蒸発防止用フィ
ルムが無い場合にはサンプル容器をパーキングにセット
し、測定動作を実行する。
に対するゲル充填の操作から始まる測定動作について説
明する。図11(b)は、実施動作、実施動作が容器の
移動であった場合対象となる容器、及びどこからどこへ
の移動であるかを表示している。
て、導入端部を廃液に浸るようセットする(1)。次
に、図1のシリンジ110内のゲルを加圧することによ
りキャピラリ101内部に充填する(2)。キャピラリ
下に廃液容器を配置したのは新規に充填されたゲルに押
し出される使用済みゲルを廃液容器で受けるためであ
る。ゲル充填後、廃液容器は保持部に搬送,装着される
(3)。次いで洗浄水容器を洗浄容器保持部からキャピ
ラリ位置に搬送し、中空電極を洗浄液中に挿入すること
により、同電極外側に付着した使用済みゲルを除去する
(4)。洗浄水容器の保持部への搬送,装着とバッファ
容器のキャピラリ位置への搬送を行う(5)(6)。次
いで中空電極をバッファ液に浸した状態で中空電極とア
ース電極107との間に高電圧を印加し、予備泳動を行う
(8)。
プルのない状態で電流を流すことにより、電気泳動時の
ゲルの特性を安定化させるための操作である。予備泳動
の後にバッファ容器の保持部へ搬送、装着し、さらに洗
浄水容器を保持部からキャピラリ位置へ搬送し、アレイ
洗浄を行う(9)(10)(11)。予備泳動からアレ
イ洗浄までの容器の搬送に要する時間は14秒以内、好
適には10秒以内である必要がある。これは導入端部を
空中に長時間露出した場合、キャピラリ先端のゲルが乾
燥,変質して電気泳動特性に悪影響を与える為である。
送,装着し、サンプル容器をパーキングからキャピラリ
位置へ移動する(12)(13)。アレイ洗浄からサン
プル容器のキャピラリ位置への搬送終了までの動作も、
前述の場合と同じ理由で14秒以内、好適には10秒以
内で行う必要がある。導入端部を試料中に浸した状態
で、アース電極と中空電極の間にパルス状の電圧を印加
することにより、ゲル中にサンプルの注入を行う(1
4)。サンプル注入後、サンプル容器をパーキングに搬
送し装着する(15)。その後、洗浄水容器を保持部か
らキャピラリ位置に搬送し、アレイ洗浄を行う(16)
(17)。このアレイ洗浄は中空電極、およびキャピラ
リ外部に付着したサンプルを除去し、電気泳動の際のバ
ッファ液への混入を避けるための操作である。その後、
洗浄水容器の保持部への搬送,装着の後、バッファ容器
を保持部からキャピラリ位置に搬送する(18)(1
9)。導入端部をバッファ液に浸した状態でアース電極
と中空電極の間で高電圧を印加し、電気泳動を行う(2
0)。電気泳動終了後、バッファ容器を保持部へ搬送,
装着し(21)する。パーキングのサンプル容器をレシー
バに搬送,収納する(22)。さらにバッファ容器を保持
部からキャピラリ位置に搬送し、導入端部をバッファ液
に浸した状態で一連の測定動作を終了し、待機状態とな
る(23)。
4)サンプル注入の間の動作は、導入端部乾燥防止のた
め空中露出時間を特に短時間に制限しなければならない
領域である。このため、乾燥に敏感なゲルを使用した場
合露出時間を14秒、好適には10秒以内とすることが
求められる。各容器のサイズから移動距離を一定以上に
縮めることが困難である為、搬送速度を高速化して露出
時間を短縮する必要がある。また搬送速度の高速化は、
測定動作のスループット向上にも繋がる。
イ洗浄から、(14)サンプル注入までの各動作を視覚
的に示している。
洗浄水容器1205bを洗浄水容器保持部1205aへ
搬送する。その際グリッパ1210は洗浄水容器をホー
ルドしたまま矢印で示される経路を通過して洗浄水容器
保持部へ移動し、移動終了後容器をリリースする(図1
2(b))。その後、グリッパはパーキングへ移動しサ
ンプル容器1202bをホールドする(図12
(c))。さらにアレイ位置に移動してサンプル注入を
行う(図12(d))。この間、図に見られるように
X,Y,Z各軸方向に移動を繰り返すため、図12
(a)から(d)を前述の14秒以内、特に10秒以内
に実行しようとするとグリッパの上下左右方向の加減速
が大きくなる。しかし、波消し板で容器内を狭い区画に
遮蔽してしている為、高速での容器搬送に対して容器内
部の溶液の遥動を低減できる。このため、制限時間内
に、確実に、キャピラリの全導入端を液中に挿入でき
る。また、容器移動時における、バッファ液の容器外飛
散を防止できる。電気泳動の際に高電圧を印加するた
め、飛散したバッファ液は、短絡,放電等による装置故
障の原因となる畏れがある。また、乾燥し、装置に固着
したバッファ液の除去は困難である。しかし、本装置で
はこれらの問題が生じない。
定結果のクロスオーバーポイントの相関を示すグラフで
ある。クロスオーバーポイントは、装置の分解能を示
し、大きな値ほど分解能低下を意味する。ここで露出時
間はアレイ洗浄−サンプル注入の間の時間を採ってい
る。より詳細には、全ての導入端部が洗浄水から離れた
時点から、全ての導入端部が試料に接触した時間であ
る。測定に使用したゲルは、Applied Biosystems社製
「POP−7」である。測定結果より、本ゲルが大気露出
に対して比較的敏感であり、露出時間が14秒を超える
クロスオーバーポイントが急激に悪化することが理解で
きた。しかし、本装置では、露出時間の限界が10秒以
下であるため、ゲルを最良の状態で使用できる。
分解能が劣化しない。また、試料のスループットを向上
できる。
る。
る。
である。
尚、バッファ容器は、洗浄水容器、及び廃液容器と同一
構成である。
る。
覧表である。
図である。
模式図である。
を示す模式図である。
式図である。
イントの関係を示すグラフである。
ファ液、104…ゲルブロック、105…キャピラリヘ
ッド、106…バルブ、107…アース電極、108…
検出部、109…レーザ光、110…シリンジ、11
1,310…恒温槽、112…高電圧電源、113,3
09,1209…ロードヘッダ、114…励起光学系、
115…導入端部、116…バッファ液、201…アレ
イ部、202…パーキング、203,303a,1203
a…孔開け部、204…バッファ容器保持部,洗浄水容
器保持部、206…廃液容器保持部、207,307a
…サーバ、208,308a…レシーバ、209,31
1…ステーション、210,312…スタッカ、301
…アレイ位置、302a…パーキング、302b…サン
プル容器、303b…孔開け位置、304a…バッファ
容器保持部、304b,1204b…バッファ容器、3
05a…洗浄水容器保持部、305b…洗浄水容器、3
06a…廃液容器保持部、307b…サンプル容器(未
測定)、308b…サンプル容器(測定済み)、31
3、801…グリッパ、401,501,601,70
1…ホルダ、402,502…サンプルプレート、40
3,503,604,704…セプタ、404,50
4,605,705…クリップ、405…取付け溝、50
5、706…貫通孔、506…連結孔、602,702
…容器、603,703…波消し板、606…取付け
溝、707…連結孔、802…Xリニアガイド、803
…Yリニアガイド、804…Zリニアガイド、901…
ハンドル、902…ラック、903…ピニオン、904
…グリッパフレーム、1201…アレイ位置、1202a…
パーキング、1202b…サンプル容器、1203b…孔開
け位置、1204a…バッファ容器保持部、1205a
…洗浄水容器保持部、1205b…洗浄水容器、120
6a…廃液容器保持部、1206b…廃液容器。
3)
Claims (11)
- 【請求項1】以下の構成を含む電気泳動装置; (1)試料を分離する分離媒体が充填され、試料を導入
する導入端部と励起光の照射される光照射部を備えた、
複数のキャピラリ; (2)導入端部と光照射部を含む通電路に電圧を印加す
る電源機構; (3)光照射部に光を照射する励起光学機構; (4)光照射部から放射される光を検出する受光光学機
構; (5)導入端部を浸す液体を保持し、流体抵抗部材を備
えた液体保持容器; (6)液体保持容器を移送する容器移送機構。 - 【請求項2】請求項1記載の電気泳動装置であって、 前記「流体抵抗部材」が「前記液体の表面を複数の区画
に分割する仕切り部材」である電気泳動装置。 - 【請求項3】請求項1記載の電気泳動装置であって、 前記「液体抵抗部材」が「前記液体中の表面を複数の区
画に分割し、少なくとも導入端部の接する区画の液面高
さは同一とする仕切り部材」である電気泳動装置。 - 【請求項4】請求項1記載の電気泳動装置であって、 前記「液体抵抗部材」が「該液体中を漂う流体抵抗部
材」である電気泳動装置。 - 【請求項5】請求項1記載の電気泳動装置であって、 前記「液体抵抗部材」が「該液体に浮かぶ浮き」である
電気泳動装置。 - 【請求項6】請求項1記載の電気泳動装置であって、 前記「液体抵抗部材」が「スポンジ」である電気泳動装
置。 - 【請求項7】以下の構成を含む電気泳動装置; (1)試料を分離する分離媒体が充填され、試料を導入
する導入端部と励起光の照射される光照射部を備えた、
複数のキャピラリ; (2)導入端部と光照射部を含む通電路に電圧を印加す
る電源機構; (3)光照射部に光を照射する励起光学機構; (4)光照射部から放射された光を検出する受光光学機
構; (5)複数の試料を保持するサンプル容器; (6)導入端部を浸す液体を保持する液体保持容器; (7)サンプル容器を保管するサンプル容器保管機構; (8)サンプル容器の保持する試料が導入端部と接触す
るサンプル容器使用位置; (9)導入端部が大気に露出してから14秒以内に、サ
ンプル容器を、サンプル容器保管機構からサンプル容器
使用位置に移送する移送機構。 - 【請求項8】請求項6記載の電気泳動装置であって、 前記移送機構が、導入端部が大気に露出してから10秒
以内に、サンプル容器を、サンプル容器保管機構からサ
ンプル容器使用位置に移送する電気泳動装置。 - 【請求項9】請求項6記載の電気泳動装置であって、以
下の構成を含み; (10)導入端部を浸す緩衝液を保持する緩衝液容器;
前記移送機構が、導入端部が緩衝液と分離してから14
秒以内に、液体保持容器を、前記液体が導入端部と接触
する位置に移送する電気泳動装置。 - 【請求項10】請求項8記載の電気泳動装置であって、 前記制御機構が、導入端部が大気に露出してから10秒
以内に、サンプル容器を、サンプル容器保管機構からサ
ンプル容器使用位置に移送し、かつ導入端部が緩衝液と
分離してから10秒以内に、液体保持容器を、前記液体
が導入端部と接触する位置に移送する電気泳動装置。 - 【請求項11】請求項7記載の電気泳動装置であって、 前記制御機構が、少なくとも前記サンプル容器と前記液
体保持容器を着脱保持するグリップを有する電気泳動装
置。
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