JP2000346828A - 電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動装置

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JP2000346828A
JP2000346828A JP11154653A JP15465399A JP2000346828A JP 2000346828 A JP2000346828 A JP 2000346828A JP 11154653 A JP11154653 A JP 11154653A JP 15465399 A JP15465399 A JP 15465399A JP 2000346828 A JP2000346828 A JP 2000346828A
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JP11154653A
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Katsuji Murakawa
克二 村川
Yuji Miyahara
裕二 宮原
Masao Kamahori
政男 釜堀
Takashi Anazawa
隆 穴沢
Tatsuharu Yamamoto
立春 山本
Hiroyuki Tomita
裕之 富田
Takeshi Fujita
毅 藤田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医用応用に適した電気泳動装置を提供する。 【解決手段】 蛍光標識された核酸断片試料等の試料を
泳動分離する複数のキャピラリー泳動路6と、試料を収
納する複数の区画をもつ試料容器23と、泳動路にレー
ザを照射する励起光照射光学系10、12、13−2
と、レーザの照射により泳動路を泳動する試料を標識す
る蛍光標識から発する蛍光を検出する蛍光検出光学系1
3−3、14−2、11、11’とを有し、泳動路毎に
励起光照射光学系、及び蛍光検出光学系を具備し、複数
の泳動路の間隔が、試料容器の区画の中心の間隔又は中
心の間隔の整数倍と等しく、複数の泳動路の間隔が等間
隔であり、複数の泳動路はほぼ同じ長を持ち、各泳動路
の泳動開始端からレーザが照射される各泳動路の部位ま
での距離が等しく直線状である。 【効果】 多数のサンプルを短時間で、同一電気泳動条
件で分析できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸、蛋白質等の
生体高分子試料の泳動分離に用いる電気泳動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気泳動法は、DNA、RNA等の核酸
分子や、酵素、抗体等の蛋白質分子等の生体高分子の分
離分析法として広く普及している。近年、泳動分離対象
分子を蛍光体で標識して検出する電気泳動装置が各種開
発され、DNAシーケンシングを主な用途として普及し
ている。電気泳動法には種々の方法がある。生体高分子
の泳動分離には、泳動媒体としてアガロース、ポリアク
リルアミド等の親水性ポリマーのゲル又はゾルを用いる
ことが多い。泳動媒体の形状は、平板状や円柱状等種々
ある。厚さ100μm以下の平板状の形状の泳動媒体、
内径200μm以下の毛細管(キャピラリー)中に充填
した形状の泳動媒体は、泳動時に発生するジュール熱の
放散が容易なため、高電圧の印加が可能であり、泳動時
間を短縮できる点で有利である。現在、キャピラリー電
気泳動で多用されているキャピラリーは、材質がシリカ
からなり、内径約50μm〜約200μm、外径約10
0μm〜約400μmであり、表面がポリイミドでコー
ティングされている。
【0003】迅速な電気泳動分析に適した極細の泳動路
を形成する方法には、キャピラリ管を用いる方法の他、
ガラス板等の平板上に溝を掘って、別の板と貼合せて細
管を構成する方法が公知である(特表平7−63727
号公報、特開平5−60728号公報、特開平5−93
711号公報)。
【0004】電気泳動路長さは、泳動分離対象の分子サ
イズ、及び必要とする分解能に依存するが、DNAシー
ケンシング(塩基配列決定)では、約500塩基〜約6
00塩基の解読を行なう場合、泳動開始端から検出部ま
で、30cm前後の電気泳動路長が必要である。電気泳
動路長が約30cm以上であり、複数のガラスキャピラ
リーを使用する場合、ガラスキャピラリーの柔軟性を利
用して、比較的自由な泳動路のレイアウトが可能であ
る。例えば、キャピラリーアレイを複数配置し、2次元
的に配置することが可能である(特開平8−19397
6号公報)。
【0005】近年、ヒトをはじめとする種々ゲノム解析
の進展に伴い、電気泳動を用いた遺伝子解析の応用範囲
が広がりつつある。従来、DNAシーケンシングが電気
泳動法の主な応用の一つであったが、最近、未知塩基配
列の解析に加え、既知の遺伝子配列情報を基に、個体間
の遺伝子の差異(多型性)を検出し、病態、薬効との関
連を調べたり、疾病の診断、予知に用いたりする臨床面
での応用を目的とした電気泳動解析が重要になってきて
いる。
【0006】試料分子を蛍光体で標識し、試料検出部で
励起光を照射し、光検出器で蛍光を検出する方式の電気
泳動装置が普及している。複数の泳動路の試料分子を蛍
光検出するための励起光の照射の代表的な方式には、光
源をスキャンし励起光を各泳動路に逐次照射、又は光源
からの光を振動ミラー等で反射させ各泳動路を逐次照射
するスキャン方式、複数の泳動路の横方向から光を照射
する横入射方式等が一般的である。また、光ファイバ、
又は、スポットアレー発生格子を用いて各泳動路に励起
光を照射する方式も公知である(特表平10−5120
45号公報)。
【0007】蛍光検出は、CCDカメラ、又はラインセ
ンサ等の光検出素子を使用するのが一般的である。ま
た、蛍光波長の分光法としては、干渉フィルタ、回折プ
リズム、回折格子等が一般に使用されている。
【0008】その他、複数の泳動路の各泳動路にLED
と光ファイバとを配置し、各泳動路で発生する蛍光を光
ファイバにより導き1個の検出器で蛍光を検出する構成
(特開平9−80021号公報)、ミラーを用いて励起
光を平板ゲルの複数の泳動路の各泳動路に照射し、蛍光
検出光学系を各泳動路に配置する構成(特開平6−28
8921号公報、特開平10−90223号公報)、平
板ゲルの複数の各泳動路に検出系を配置する構成(特開
平6−43135号公報)、平板ゲルを用いる装置に於
いて、蛍光をCCDラインセンサを用いて検出する構成
(特開平7−98276号公報)、平板ゲルを用いる装
置に於いて、励起光源にLEDアレイ、蛍光検出系にC
CDラインセンサを用いる構成(特開平9−28107
8号公報)等が公知である。
【0009】電気泳動路の泳動開始端への試料の導入方
法は、平板型の泳動媒体に設けた凹部に、試料液をのせ
電界で導入する方法が一般的である。キャピラリー電気
泳動のように泳動開始端が微小面積の場合には、電界に
よる試料導入が一般的であり、電極を設けた試料容器に
キャピラリーの泳動開始端を入れて電界を印加して試料
導入を行なう。電極は、予め試料容器に配置されている
か、又は試料容器に投入される。キャピラリー電気泳動
装置の電極の構成の一例として、キャピラリー末端部の
外側を電気電導性物質でコーティングをして、試料導入
用の電極として用いる方法も提案されている(USP5
630925)。
【0010】個体間の遺伝子の差異を検出する方法とし
て、例えば、PCR法がある(ポリメラーゼチェーンリ
アクション、特開昭62−214355号公報)。PC
R法は、ある特定の塩基配列を持つ領域の塩基配列に相
補配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーをハイブリ
ダイズさせ、ポリメラーゼ酵素を用いて伸長反応を加熱
・冷却のサイクルにより繰り返し行ない、特定領域の塩
基配列を持つ断片の数を増幅する方法である。PCR増
幅産物を電気泳動で泳動分離し、増幅産物の有無、又は
増幅産物の長さを計測して、変異の有無、挿入欠失等の
長さの変異を検出できる。PCR産物の別の分析方法と
して、制限酵素を用いて増幅産物中の特定配列を切断
し、切断された断片のパターンを電気泳動で計測して、
増幅産物中の特定配列の有無を調べるPCR−RFLP
法(PCR−Restriction Fragmen
t Length Polymorphisms)が周
知である。
【0011】更に、PCR産物の別の分析方法として、
増幅産物を変性し一本鎖状態にしてから電気泳動分離
し、PCR増幅産物の塩基配列の差異を2次構造変化に
よる易動度の差として検出するPCR−SSCP法(P
CR−Single Strand Conforma
tion Polymorphisms)等がある。
【0012】電気泳動装置で泳動分離を行なう試料の調
製は、例えばPCR(ポリメラーゼチェーンリアクショ
ン)、又は、サンガー法によるダイデオキシターミネー
ション反応のように、数μL(マイクロリットル)から
数十μLの反応スケールで、密閉したプラスチック製反
応容器内で行なう場合が多い。近年、遺伝子解析技術の
普及に伴い、同時処理が必要な試料数が増加しており、
9mmの間隔で12行8列に配置された96個のウエル
を持つマルチウエルプレート型の反応容器が普及してい
る。同時処理数の試料数の増加に対応して、更に高密度
の384(24行16列、4.5mm間隔)ウエルプレ
ート、1536(48行32列、2.25mm間隔)ウ
エルプレート等も普及しつつある。
【0013】マイクロプレートから効率良く電気泳動装
置へ試料を搬送する手段として、マイクロプレート対応
のマルチサンプルインジェクタが公知である(特開平3
−295462号公報)。また、試料保持用カートリッ
ジを用いて平板ゲル又はキャピラリーに試料注入を行な
うことも公知である(特開平08−136502号公
報)。キャピラリの電気泳動終端部の間隔と回収容器の
間隔とを対応させて、電気泳動終端部が試料回収容器に
直接アクセス可能とした、キャピラリー電気泳動により
泳動分離された試料を分取する装置が考案されている
(特開平7−181164号公報)。
【0014】泳動分離を行なう試料調製時に必要な酵素
反応を行なう場合、特に、PCRのように100°Cに
近い温度で長時間の反応を行なう場合には、試料の蒸発
防止策が必須であり、パラフィン系オイルを重層する方
法、又は、蓋で密閉し蓋の内側での結露防止するため蓋
をヒータで加熱する方法が一般に採用されている。蓋
は、反応容器毎にはめ込む方法の他、マイクロプレート
型の反応容器の場合、全体にシールを貼る方法が採用さ
れている。従来の電気泳動装置では、泳動開始後の泳
動、試料の検出、データ処理までの作業の自動化を実現
しているが、試料調製、試料の移動等の操作は手作業で
行っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】DNAシーケンシング
用途の電気泳動装置では、1塩基長差の分解能が必要で
あるが、DNAシーケンシング以外の用途の電気泳動装
置では、1塩基長よりも悪い分解能で十分である場合が
多く、泳動路長が約10cm、又は約10cm以下の短
泳動路で良く、泳動路長に比例して泳動時間が短くな
る。一般に、泳動時間の短縮が要求されているが、特
に、臨床応用では、単位時間当りの試料処理数の増大と
共に、1試料当りの分析時間の短縮が重要であり、短泳
動路長の電気泳動装置の必要性が高い。しかし、短泳動
路長では、ガラスキャピラリーの柔軟性を利用した泳動
路レイアウトの自由度が低くなり、試料注入端と試料検
出部とでキャピラリーの配列密度を異ならせる粗密配置
を行なうには、泳動路長が短くなる程、キャピラリーの
大きな曲げが必要となり、曲げの影響により泳動の乱れ
が大きくなるという問題を生じ、また、曲げによる泳動
路間での泳動距離、形状の差が大きくなり、電気泳動パ
ターンに変化が生じるという問題が起こる。泳動路間で
の泳動条件の差は、シーケンシング用途では、試料間の
電気泳動パターンの比較は不要であり大きな問題となら
ない。
【0016】しかし、シーケンシング用途以外の用途、
例えば、遺伝子型判定等では、試料間での電気泳動パタ
ーンの比較が必要であるので、重大な問題となる。これ
らの問題を避けるため、上記したキャピラリーの粗密配
置を行わない場合には、試料検出部での泳動路間の距離
が大きくなる。このような場合、光源を機械的にスキャ
ンする従来の方式では、光源の移動距離が長くなり、高
速な安定した光源の移動機構が必要となるという問題が
ある。
【0017】また、振動ミラー等で光源からの光をスキ
ャンさせる従来の方式でも、同様に、走査距離が長くな
るため、スキャンスピードを速くしなければならないと
いう問題点がある。スキャン式の場合、サンプリングポ
イントの単位時間当たりの照射光量は、スキャン距離に
反比例するので、試料検出部での泳動路間の距離が大き
くなると減少し、検出感度が低下する。即ち、スキャン
式では、短泳動路長で高速泳動を実現するには、蛍光検
出を短時間でする必要があり、原理的に高感度の蛍光検
出を行なうことが困難であるという問題がある。
【0018】また、複数の泳動路の全幅が大となるにつ
れて、試料検出部で蛍光を検出する光検出器の視野を大
きくする必要があるため、集光レンズ系、又は検出器が
大型になるという問題がある。
【0019】光ファイバを用いる蛍光検出では、一般に
光ファイバの断面積は非常に小さいため、レンズで蛍光
を集光する場合に比較して集光の立体角が小さく、感度
面で不利となるという問題点がある。励起をミラーを用
いて各泳動路に分配する構成では、光分配用ミラーを泳
動路数に応じて設置する必要があり、また、各泳動路に
分配する励起光の光量を光分配用ミラーの特性及び配置
で調整する必要があるという問題点がある。平板ゲルを
用いる電気泳動では、キャピラリーを泳動路とする場合
のような高速泳動が不可能であり、泳動路の末端が個別
に試料容器へアクセスすることが困難であるという問
題、泳動路間に温度差が生じ泳動速度差が生じるという
問題、更に、泳動路毎に励起光を照射して蛍光を検出す
る場合、励起光及び蛍光が隣接する泳動路へ漏れ込みや
すいという問題点がある。
【0020】試料調製に於いて反応容器として、96ウ
エル等のマルチウエルプレートが多用されているが、試
料調製での反応容器を電気泳動の試料導入用の容器とし
て使用するには、試料調製の容器のウエルの間隔が、泳
動路の泳動開始端の間隔と一致し、且つ、電極が装備さ
れている必要がある。容器のウエルの間隔が、泳動路の
泳動開始端の間隔と一致しない場合には、電極を設けた
試料容器にキャピラリーの試料注入端を入れて、電界に
より試料導入を行なうには、試料容器への移し替えの操
作が必要となるという問題、移し替え操作に伴う試料の
取り違え等の人為的ミスを生じる可能性が無視できない
という問題がある。
【0021】溝を形成した平板と平板とから構成した細
管を複数の泳動路とする構成では、複数の泳動路の末端
が平板の一辺に並ぶため、複数の泳動路の末端を個別に
試料容器へアクセスさせることは容易でないという問題
がある。マイクロプレート対応のマルチサンプルインジ
ェクタ(特開平3−295462号公報)の使用によ
り、複数サンプルの同時移し替えが可能であるが、複数
の泳動路の各泳動路の泳動開始点に直接試料を導入でき
ないという問題がある。キャピラリー電気泳動を用いた
分取用装置(特開平7−181164号公報)では、電
気泳動開始点の試料容器への直接アクセスについては記
載がない。
【0022】また、電界による泳動開始端への試料導入
の際、試料分子は、泳動開始端と電極との間の試料液中
の電位差で移動するので、泳動開始端と電極との間の距
離が短くなると、泳動開始端と電極との間に存在し電界
の影響を受ける試料分子の割合が減少するので、泳動開
始端への試料導入の効率が落ちるという問題がある。
【0023】なお、USP5630925に開示され
た、キャピラリー末端部の外側を電気電導性物質でコー
ティングし試料導入用の電極とする方法では、泳動開始
端と電極をコンパクトに配置できるので、試料の体積が
数百nL(ナノリットル)以下の微量の場合に有効であ
るが、泳動開始端と電極との間の距離がキャピラリーの
肉厚相当分しかないので、試料の体積が数百nL以上の
場合には、上記の理由で試料導入の効率が悪くなるとい
う問題がある。
【0024】泳動分離を行なう試料調製時に於ける試料
の蒸発防止策として、パラフィン系オイルを反応容器内
の反応液に重層する方法では、泳動開始端への試料導入
時にパラフィン系オイルが泳動路や電極等に付着し電流
の流れを阻害する問題が生じる。また、泳動分離を行な
う試料調製時に反応容器に蓋をする場合には、電気泳動
前に蓋の開封作業が必要となるという問題がある。電気
泳動で使用する試料の体積が、数μL以下と微小な場合
があり、電気泳動直前に、約60°C〜約100°Cに
加熱して熱変性する場合があるので、試料の蒸発防止の
ために電気泳動の直前に開封する必要があるという問題
がある。
【0025】従来の電気泳動装置では、上記のように、
試料調製と電気泳動分離の際の試料泳動開始端への注入
操作の連続性が考慮されていなかった。試料調製段階か
ら電気泳動分離分析までの全体の自動化には、電気泳動
装置、試料調製に必要な液体ハンドリング装置、試料液
を加熱冷却する温調装置、試料調製時に発生する廃棄物
の格納・処理装置、電気泳動結果を保存、表示、解析す
るデータ処理装置が必要である。
【0026】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
を解決し、多数のサンプルを短時間で同一電気泳動条件
で分析でき、PCR増幅産物の分析等、特に医用応用に
適した操作性に優れ迅速な分析が可能な電気泳動装置を
提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の電気泳動装置で
は、泳動路をキャピラリーで構成する。キャピラリー
は、独立した管状であるが、平板に掘った細溝で構成し
ても良い。各泳動路は同一形状で、少なくとも泳動開始
端から検出部までは直線状であり、泳動路を複数設ける
場合には、泳動路を平面上に等間隔に配列する。以上の
構成により、各泳動路は、泳動開始端から試料検出部ま
での距離が同じになり、且つ、泳動路の曲りによる影響
を受けない。従って、各泳動路では同一条件下で電気泳
動が可能となり、特に、医用応用に於いて重要となる試
料間の電気泳動パターンの比較が容易になる。
【0028】泳動路の間隔は、試料容器のウエル間隔、
又はウエル間隔の整数倍と同一の距離にする。具体的に
は、泳動路の間隔は9mm間隔とするがこの間隔は、9
6ウエルプレートでは1ウエル間隔、384ウエルプレ
ートで2ウエル毎、1536ウエルプレートでは4ウエ
ル毎の間隔になる。試料容器は、泳動路の直下に配置す
るので、各泳動路が試料容器のウエルへ、泳動路を曲げ
ずに直接アクセスできる。泳動路の本数は、マルチウエ
ルプレートの一列分の数、例えば、96ウエルプレート
では、8又は12として縦又は横方向の何れか一方の全
てのウエルに同時にアクセスできる。
【0029】本発明の電気泳動装置では、泳動路の泳動
開始端を試料容器へ導くキャピラリーガイドを設ける。
キャピラリーガイドの下部の内径は、キャピラリーの外
径より大きく、キャピラリーガイドの下部の外径は、試
料容器の口径より小さい。キャピラリーガイドの内径を
上部にいく程広くするので、キャピラリー末端は、キャ
ピラリーガイドを経由して、試料容器へ確実にアクセス
できる。キャピラリーガイドの先端は、尖鋭な形状に構
成する。また、キャピラリーガイドを固定するキャピラ
リーガイドホルダを、上下の移動機構により下方に動か
すと、キャピラリーガイドの先端により、試料容器の蓋
が開封される。キャピラリーガイドの先端部に設けた電
極により、開封動作と同時に電極が試料液に対してセッ
トされ、試料調製の反応容器をそのまま、電気泳動装置
の試料容器として使用できる。開封操作を電気泳動直前
にできるので、試料の加熱、保存中の蒸発を防止でき
る。電極を具備した専用の電気泳動のための試料容器
(試料導入用専用容器)が不要となり、試料容器の作成
コストと洗浄の労力が不要となる。更に、試料調製の反
応容器から試料導入用専用容器への試料の移し替えが不
要となるので、移し替えの操作の労力、移し替え操作に
伴う試料の取り違え等の人為的ミスが防止できる。電極
の位置は、泳動路の泳動開始端から離した位置に設ける
ので、試料液全体に電界を印加でき、試料導入の効率が
上がる。
【0030】本発明の電気泳動装置では、試料容器を前
後、左右、上下に移動する移動機構を設けるので、泳動
路の各末端が、マルチウエルプレートの各ウエルに同時
にアクセスできる。試料容器に隣接して、洗浄槽と、電
極を設けたバッファ槽を設ける。また、洗浄槽、バッフ
ァ槽を、左右、上下に移動する移動機構を設けるが、こ
の移動機構は、試料容器の移動機構と兼用しても良い。
以上の構成により、泳動開始端への試料導入後に洗浄槽
を移動して、泳動路末端、及び、キャピラリーガイドの
先端部に付着した余分な試料液を除去した後、バッファ
槽を泳動開始端に移動して電気泳動を開始できる。従っ
て、泳動路末端、及び、キャピラリーガイドの先端部に
付着した余分な試料液によるキャリーオーバーを防止で
きる。試料容器を兼ねる反応容器には、開封用切り込み
を設け、開封操作が容易になる。また、開封用切り込み
を、蓋に設けるので、蓋を取らずに開封できる。開封用
切り込みを試料容器の底面裏に設ける場合には、試料容
器を上下逆にした後に、試料容器の底面裏から開封す
る。
【0031】本発明の電気泳動装置の、励起光照射光学
系、蛍光検出光学系では、光源、干渉フィルタ、レンズ
系、光検出器を1組として構成する。複数の蛍光波長を
検出する場合には、ダイクロイックミラー等の分光用素
子と蛍光波長の数に応じて新たな検出器を加える。各泳
動路毎に励起光照射光学系と蛍光検出光学系の1組を設
け、各泳動路毎に励起光照射を連続的にでき、従来技術
のスキャン方式での種々の問題を解決できる。また、本
発明の装置の構成では、泳動路の数が増加しても光学部
品の大型化が伴わない利点がある。
【0032】上記のように、本発明の電気泳動装置で
は、試料調製で使用する試料容器と電気泳動時に使用す
る試料容器を共通化して、各種操作の連続性を確保し、
電気泳動装置を試料調製装置と一体化する。更に、試料
調製のための分注機構を備えた液体ハンドリング装置、
試料液の温調装置を、試料調製装置と一体化する。以上
の構成によって、多数の試料について、マルチウエルプ
レート型の試料容器を用いて、核酸抽出等の前処理、P
CR等の酵素反応を行ない、電気泳動前の熱処理等を行
った後、試料を泳動路の数毎、順次電気泳動分離を行な
う。更に、電気泳動分離結果を保存、表示、解析するデ
ータ処理装置により、特に、医用応用に対応した電気泳
動ベースの遺伝子解析システムを構成する。以下、本発
明の電気泳動装置の構成の詳細を説明する。
【0033】(1)本発明の電気泳動装置は、蛍光標識
された試料を泳動分離するほぼ同じ長を持ち、キャピラ
リー又は溝により構成される複数の泳動路と、前記試料
を収納する複数の区画をもつ試料容器と、前記泳動路に
レーザを照射して前記泳動路を泳動する前記試料を標識
する前記蛍光標識を励起する励起光照射光学系と、前記
レーザの照射により前記蛍光標識から発する蛍光を検出
する蛍光検出光学系とを有し、前記泳動路毎に前記励起
光照射光学系、及び前記蛍光検出光学系を具備し、前記
複数の泳動路の間隔が、前記試料容器の前記区画の中心
の間隔の整数倍と等しく、前記複数の泳動路の間隔が等
間隔であり、前記各泳動路の泳動開始端から前記レーザ
が照射される前記各泳動路の部位までの距離がほぼ等し
く直線状であることを特徴とする。この構成では、複数
試料の電気泳動を簡単、迅速に行ない、複数試料の電気
泳動パターンの比較分析を正確にできる操作性に優れた
電気泳動装置を提供できる。
【0034】(2)(1)の装置に於いて、前記励起光
照射光学系を構成する半導体レーザ、レンズ、光学フィ
ルタを収納する励起光照射光学系ホルダと、前記蛍光検
出光学系を構成するレンズ、光学フィルタ、ホトダイオ
ードを収納する蛍光検出光学系ホルダとを有する。この
構成では、外径の寸法が、0.375mm〜9mmより
も小さい半導体レーザ、レンズ、光学フィルタ、ホトダ
イオードを使用することにより、0.375mm〜9m
mの外径をそれぞれ持つ励起光照射光学系ホルダ、蛍光
検出光学系ホルダの内部に、励起光照射光学系、蛍光検
出光学系を形成して配置する。電気泳動路の間隔(40
0μm〜9mm)よりも小さい外径を持つ光学系ホルダ
に収納される、励起光照射光学系と蛍光検出光学系とか
ら構成される1つの単位光学系を、1泳動路毎に配置で
き電気泳動装置を小型化できる。
【0035】(3)(1)の装置に於いて、前記励起光
照射光学系を構成する半導体レーザ、レンズ、光学フィ
ルタを収納する励起光照射光学系ホルダと、前記蛍光検
出光学系を構成するレンズ、光学フィルタ、ホトダイオ
ードを収納する蛍光検出光学系ホルダとを有し、前記励
起光照射光学系の光軸と前記蛍光検出光学系の光軸と
が、前記泳動路の前記試料の泳動方向に直交する断面の
中心で交叉するように、励起光照射光学系ホルダ、及び
前記蛍光検出光学系ホルダが配置される。この構成で
は、励起光照射光学系の光軸の泳動路に対する角度と、
蛍光検出光学系の光軸の泳動路に対する角度との差を1
0°以上90°以下、好ましくは10°以上80°以下
とすることにより、泳動媒体と泳動路内壁との界面、泳
動路外壁と空気との界面で散乱される励起光の蛍光検出
光学系への入射を低減でき、高感度で蛍光を検出でき
る。
【0036】(4)(1)の装置に於いて、前記励起光
照射光学系からの前記レーザが、前記泳動路の前記試料
の泳動方向に直交する断面の中心に、焦点を結ぶ。この
構成では、検出される蛍光の強度は励起光の強度に比例
し、励起光の散乱は励起光が通過する異なる物質間での
境界の面積に比例し、雑音成分となる。泳動路で試料が
泳動する方向と垂直な断面の面積より小さい領域に励起
光をフォーカスさせて、励起光を効率良く泳動路に照射
し、泳動路内外壁面での励起光の散乱を低減できるの
で、高感度で蛍光を検出できる。
【0037】(5)(1)の装置に於いて、前記泳動路
の泳動開始端から前記レーザが照射される部位までの距
離が、1cm以上、10cm以下である。この構成で
は、泳動路の泳動開始端からレーザが照射される部位ま
での距離を1cm〜10cmとすると、300塩基程度
の一般的な試料試料の電気泳動を10分以内に行なえる
ので、迅速な電気泳動分析が可能となる。
【0038】(6)(1)の装置に於いて、前記泳動路
の数が8又は12、あるいは、前記泳動路の数が8の倍
数又は12の倍数である。この構成では、電気泳動路の
数を、マイクロプレート型試料容器の1列当たりウエル
の数以下のとする。マイクロプレート型試料容器の1列
のウエル数と電気泳動路の数とが一致、又は、マイクロ
プレート型試料容器の1列のウエル数が電気泳動路数の
整数倍の関係になるようにして、マイクロプレート型試
料容器の1列のウエル数だけの試料を、1回に、あるい
は、電気泳動路数の整数倍の回数だけ繰り返して、電気
泳動分析できる。
【0039】(7)(1)の装置に於いて、前記複数の
泳動路の間隔が、(9/n)mm(但し、n=1、2、
〜、23、24の何れかの整数とする)である。この構
成では、マイクロプレート型試料容器のウエル間隔と、
電気泳動路の間隔を一致させ、あるいは、電気泳動路の
間隔がマイクロプレート型試料容器のウエル間隔と整数
倍の関係になるため、複数の電気泳動路の末端がマイク
ロプレート型試料容器の複数のウエルを直接アクセスで
きる。電気泳動路の間隔の最小値は、キャピラリーの外
径100μm〜400μm程度が下限であり、100μ
m〜350μm程度の内径を持ち微小試料を収納する複
数のスポット容器を持つマイクロアレイにも、複数の電
気泳動路の末端が直接アクセスできる。
【0040】(8)(1)の装置に於いて、前記泳動路
をキャピラリーで構成する。この構成では、例えば、内
径50μm〜200μm、外径100μm〜400μm
を持つキャピラリーを使用し、100V/cm〜400
V/cmの電気泳動用の電圧を印加して、10分以下の
迅速な電気泳動分析を可能とする。
【0041】(9)(1)の装置に於いて、前記泳動路
の少なくとも一部をガラス平板、プラスチック平板、シ
リコン基板等の何れか平板に形成した細溝と透明な平板
とで構成する。この構成では、板厚が0.1mm〜1m
m程度の第1の平板に、50μm〜200μmの幅及び
深さを持つ複数の平行な溝を形成して、第1の平板と透
明な第2の平板とにより複数のキャピラリーを構成する
キャピラリー板を使用するので、キャピラリーの取り扱
いが簡便となる。第1の平板と第2の平板の板厚は、励
起光の照射、蛍光の検出、放熱の観点から、強度が確保
できる範囲で薄いほうが好ましい。透明なプラスチック
として、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等が使
用できる。
【0042】(10)(1)の装置に於いて、前記複数
の泳動路を等間隔に保持するホルダを有する。この構成
では、複数本のキャピラリーがホルダに一体化されて固
定されているので、取り扱いが簡便となる。例えば、8
本又は12本のキャピラリーを9mm間隔で、ホルダー
に固定する。
【0043】(11)(1)の装置に於いて、前記泳動
路がキャピラリーで構成され、前記キャピラリーの先端
近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前記キャピラリ
ーガイドの内面又は外面に、前記試料を収納する複数の
区画をもつ試料容器の前記区画から前記試料を前記キャ
ピラリーに導入する時に使用する電極を有する。この構
成では、キャピラリーガイドの上部の外径は、キャピラ
リー間隔より小(9mm以下)とする。キャピラリーガ
イドの下部の外径は試料容器のウエルの内径より小さ
く、キャピラリーガイドの下部の内径はキャピラリー外
径より大とし、キャピラリーガイドの下部の外径を1m
m〜2mm、キャピラリーガイドの下部の内径を0.5
mm〜1.5mm程度とする。各キャピラリーをキャピ
ラリーガイドの中を通るように配置して、各キャピラリ
ーガイドの下部が試料容器のウエルにアクセス可能とす
る。キャピラリーガイドを使用することにより、キャピ
ラリーの取り扱いの簡便となり、各キャピラリー端が試
料容器に確実にアクセスでき、各キャピラリー端へ安定
して試料を導入できる。
【0044】(12)(1)の装置に於いて、前記泳動
路がキャピラリーで構成され、前記キャピラリーの先端
近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前記試料を収納
する複数の区画をもつ試料容器の前記区画の開口を覆う
部材を、前記キャピラリーガイドの先端で開封する。こ
の構成では、試料容器のウエルの開口を覆う部材の開封
動作の簡便化でき、開封を最適なタイミングで実行で
き、試料容器のウエルの開口を覆う部材の開封を、キャ
ピラリーガイドで、電気泳動開始の直前に行なえる。試
料容器のウエルの開口部分を、試料容器のウエルの開口
をキャピラリーガイドで開封可能な厚さ20μm〜1m
m程度の部材で覆う。試料容器のウエルの開口を覆う部
材として、プラスチック、ゴム、アルミ箔、及びこれら
の複合膜が使用できる。
【0045】(13)(1)の装置に於いて、前記泳動
路がキャピラリーで構成され、前記キャピラリーの先端
近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前記キャピラリ
ーガイドを上下に移動させる手段を有する。この構成で
は、キャピラリーガイドの上下動のストロークは、試料
容器のウエル深さ(1mm〜30mm程度)より大であ
り、キャピラリーガイドの上下移動により、試料容器の
ウエル底にキャピラリーガイドがアクセス可能である。
【0046】(14)(1)の装置に於いて、前記泳動
路がキャピラリーで構成され、前記キャピラリーの先端
近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前記キャピラリ
ーガイドを上下に移動させる手段を有し、前記試料を収
納する複数の区画をもつ試料容器の前記区画の開口を覆
う部材を、前記キャピラリーガイドの先端で破る。この
構成では、キャピラリーガイドの上下動のストローク
は、試料容器のウエル深さ(1mm〜30mm程度)よ
り大であり、キャピラリーガイドの上下移動により、試
料容器のウエルの開口を覆う部材の開封を、電気泳動泳
動の直前に行なえる。試料容器のウエルの開口を覆う部
材の開封動作の自動化ができ、試料の電気泳動前の汚染
を防止できる。
【0047】(15)(1)の装置に於いて、前記泳動
路の間隔が(9/n)mm(但し、n=1、2、〜、2
3、24の何れかの整数とする)であり、前記泳動路の
間隔の整数倍のウエル間隔をもつマルチウエルプレート
型の容器を、前記試料を収納する複数の区画をもつ試料
容器として使用し、前記試料が前記試料容器を用いて調
製される。この構成では、試料調製容器としてマイクロ
プレート型試料容器を使用して、マイクロプレート型試
料容器のウエル間隔と、電気泳動路の間隔を一致させ、
あるいは、電気泳動路の間隔がマイクロプレート型試料
容器のウエル間隔と整数倍の関係になるため、複数の電
気泳動路の末端がマイクロプレート型試料容器の複数の
ウエルを直接アクセスできる。電気泳動路の間隔の最小
値は、キャピラリーの外径100μm〜400μm程度
が下限であり、100μm〜350μm程度の内径を持
ち微小試料を収納する複数のスポット容器を持つマイク
ロアレイにも、複数の電気泳動路の末端が直接アクセス
できる。電気泳動する試料調製に用いた試料調製容器を
そのまま電気泳動装置で使用する試料容器とする。
【0048】(16)(1)の装置に於いて、前記試料
を収納する複数の区画をもつ試料容器の前記区画の開口
を覆う部材の上面、又は前記試料容器の底部外面の前記
区画の開口に対向する部位に、切り込みを設けている。
この構成では、ウエルの開口を覆う部材の開封用切り込
みの部分の厚さを、ウエルの開口を覆う部材の開封用切
り込みの部分以外の部分の厚さより小さくして、最も薄
い部分で10μm〜500μm程度とする。この結果、
キャピラリーガイドによる試料容器のウエルの開口を覆
う部材の開封動作が容易になる。
【0049】(17)本発明の電気泳動分離方法は、試
料を収納する複数の区画をもつ試料容器の前記各区画の
開口を覆う部材を、内面又は外面に電極を有する複数の
キャピラリーガイドの各キャピラリーガイドの先端で開
封し、前記各区画に収納された前記試料を含む液に、前
記各キャピラリーガイドの電極を接触させる工程と、前
記各キャピラリーガイドに複数のキャピラリーの各キャ
ピラリーの先端を挿入し、前記各区画に収納された前記
核酸試料を含む液に、前記各キャピラリーの先端を接触
させる工程と、前記各キャピラリーガイドの前記電極を
用いて、前記各区画に収納された前記試料を含む液から
前記試料を前記各キャピラリーの内部の泳動媒体に導入
する工程とを有することを特徴とする。この構成では、
各キャピラリーガイドの内面又は外面にに設けた試料導
入用の電極により効率よく試料を各キャピラリーに導入
できる。特に、試料が微量であり、キャピラリーガイド
とキャピラリーとの間に微量な試料の全量近くが毛管現
象で吸い込まれた時でも、各キャピラリーに試料導入が
効率よくできる。
【0050】(18)本発明の試料容器は、試料を収納
する複数の区画をもつ試料容器であり、前記区画の開口
を覆う部材の上面、又は前記試料容器の底部外面の前記
区画の開口に対向する部位に、切り込みを設けたことを
特徴とする。この構成では、ウエルの開口を覆う部材の
開封用切り込みの部分の厚さを、ウエルの開口を覆う部
材の開封用切り込みの部分以外の部分の厚さより小さく
して、最も薄い部分で10μm〜500μm程度とす
る。この結果、キャピラリーガイドによる試料容器のウ
エルの開口を覆う部材の開封動作が容易になる。
【0051】(19)本発明の電気泳動装置は、蛍光標
識された試料を泳動分離するほぼ同じ長を持ち、キャピ
ラリー又は溝により構成される複数の泳動路と、前記泳
動路にレーザを照射して前記泳動路を泳動する前記試料
を標識する前記蛍光標識を励起する励起光照射光学系
と、前記レーザの照射により前記蛍光標識から発する蛍
光を検出する蛍光検出光学系とを有し、前記泳動路毎に
前記励起光照射光学系及び前記蛍光検出光学系を具備
し、前記各泳動路の泳動開始端から前記レーザが照射さ
れる前記各泳動路の部位までの距離がほぼ等しく直線状
であることを特徴とする。この構成では、ほぼ同一の泳
動条件で複数試料の電気泳動を簡単、迅速に行ない、複
数試料の電気泳動パターンの比較分析を正確にできる操
作性に優れた電気泳動装置を提供できる。
【0052】(20)本発明の電気泳動装置は、蛍光標
識された試料を泳動分離するほぼ同じ長を持ち、キャピ
ラリー又は溝により構成される複数の泳動路と、前記泳
動路にレーザを照射して前記泳動路を泳動する前記試料
を標識する前記蛍光標識を励起する励起光照射光学系
と、前記レーザの照射により前記蛍光標識から発する蛍
光を検出する蛍光検出光学系とを有し、前記泳動路毎に
前記励起光照射光学系及び前記蛍光検出光学系を具備
し、前記各動開始端から前記レーザが照射される前記各
泳動路の部位までの距離がほぼ等しく直線状であり、前
記複数の泳動路が、ガラス、プラスチック、シリコン基
板等のの第1の平板の一方の面に形成した細溝と、前記
第1の平板の前記一方の面に接合される透明な第2の平
板とにより形成され、前記溝により形成された前記各泳
動路の泳動開始端の側の所望の距離で、前記各泳動路が
相互に分岐しており、前記各泳動開始端に前記試料を導
入するための試料導入用電極が設けられた第3の平板の
前記試料導入用電極が設けられた側の面が、前記第1の
平板の他方の面に接合し、前記第3の平板は、前記各泳
動路の相互の分岐に対応して複数の分岐を有することを
特徴とする。
【0053】この構成では、板厚が0.1mm〜1mm
程度の第1の平板に、50μm〜200μmの幅及び深
さを持つ複数の平行な溝を形成して、第1の平板と第2
の平板とにより複数のキャピラリーを構成するので、キ
ャピラリーの取り扱いが簡便となる。また、試料導入用
電極が設けられた第3の平板、複数の溝が形成された第
1の平板、複数の溝の開口を覆う透明な第2の平板を使
用するキャピラリー板を使用するので、キャピラリーの
先端が保護され、試料導入用電極が設けられた別体のキ
ャピラリーガイドを使用することなく、各泳動開始点に
試料が導入できる。別体のキャピラリーガイドを使用し
ないので、複数の泳動路(溝)の間隔を、9mmよりも
十分小さくでき、例えば、(9/n)mm(但し、n=
2、〜、23、24の何れかの整数とする)として、各
泳動開始点の間隔を小さくできる。第1の平板、第2の
平板、第3の平板の各板厚は、放熱の観点から、強度が
確保できる範囲の薄い絶縁体であることが好ましい。第
1の平板として、透明なプラスチック、例えば、ポリカ
ーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペ
ンテン、ポリプロピレン等が使用でき、励起光の照射、
蛍光の検出、放熱の観点から、強度が確保できる範囲の
薄い絶縁体であることが好ましい。
【0054】(21)本発明の泳動路ユニットは、泳動
媒体が充填された複数のキャピラリーが配置されるほぼ
平行な複数の溝が形成された平坦部と両側部とを持つ凹
部の形状を持つ凹部状部材と、前記両側部と接合され一
部に開口部を持つ平板部材と、前記凹部状部材と前記平
板部材により構成される枠状部材の中空部を、前記複数
のキャピラリーの一方の末端の近傍で、前記複数のキャ
ピラリーの前記一方の末端を露出させるように、前記枠
状部材の一方の側で前記中空部を仕切る仕切部材と、前
記枠状部材の前記一方の側に接合される第1の蓋部材
と、前記枠状部材の他方の側に接合される第2の蓋部材
とを具備し、前記仕切部材と前記枠状部材とにより形成
され前記複数のキャピラリーの前記一方の末端が露出す
る部位、及び、前記複数のキャピラリーの他方の末端が
露出する前記第2の蓋部材の内部に、前記複数のキャピ
ラリーの末端が浸るようにバッファ液が収納される。な
お、上記の複数の各溝は平坦部を機械加工により切削し
て形成するか、または平坦部の面上に2つの平行な凸部
部材を接着等により接合して形成することもできる。
【0055】この構成では、複数のキャピラリーに充填
された泳動媒体であるゲル又は親水性ポリマーの乾燥を
防止でき、キャピラリーの両末端がバッファ液の中に置
かれ破損が防止でき、長期間の保存が可能である。ま
た、仕切部材と枠状部材とにより形成され複数のキャピ
ラリーの一方の末端が露出する部位は、電気泳動時の上
部バッファ槽として機能する。
【0056】(22)(21)の構成のバッファ液に代
えて、バッファ液を染み込ませた吸水性材料、あるい
は、複数のキャピラリー中の泳動媒体(ゲル又は親水性
ポリマー)と同じ組成の物質(ゲル又は親水性ポリマ
ー)が、複数のキャピラリーの末端が浸るように充填さ
れる構成とする。この構成では、泳動路ユニットの輸送
時での、キャピラリーの両末端の破損、キャピラリーの
泳動媒体を乾燥を防止でき、安定した状態で輸送でき、
泳動路ユニットの使用するに先立って、充填した物質を
バッファー液に置き換えて電気泳動に使用可能な泳動路
ユニットをユーザに供給できる。
【0057】(23)本発明の電気泳動路板は、複数の
泳動路が、第1の平板の一方の面に形成した細溝と、前
記第1の平板の前記一方の面に接合される透明な第2の
平板とにより形成され、前記溝により形成された前記各
泳動路の泳動開始端の側の所望の距離で、前記各泳動路
が相互に分岐しており、前記各泳動開始端に試料を導入
するための試料導入用電極が設けられた第3の平板の前
記試料導入用電極が設けられた側の面が、前記第1の平
板の他方の面に接合し、前記第3の平板が、前記各泳動
路の相互の分岐に対応して複数の分岐を有する。
【0058】この構成では、試料導入用電極が設けられ
た第3の平板により泳動路の先端が保護され、試料導入
用電極が設けられた別体のキャピラリーガイドを使用す
ることなく、各泳動開始点に試料が導入できる。別体の
キャピラリーガイドを使用しないので、複数の泳動路
(溝)の間隔を、9mmよりも十分小さくでき、例え
ば、(9/n)mm(但し、n=2、〜、23、24の
何れかの整数とする)として、各泳動開始点の間隔を小
さくできる。
【0059】(24)本発明の泳動路ユニットは、(2
3)に記載の電気泳動路板が配置された平坦部と両側部
とを持つ凹部の形状を持つ凹部状部材と、前記両側部と
接合され一部に開口部を持つ平板部材と、前記凹部状部
材と前記平板部材により構成される枠状部材の中空部
を、前記複数の泳動路一方の末端の近傍で、前記各泳動
路の一方の末端を露出させるように、前記枠状部材の一
方の側で前記中空部を仕切る仕切部材と、前記枠状部材
の前記一方の側に接合される第1の蓋部材と、前記枠状
部材の他方の側に接合される第2の蓋部材とを具備し、
前記仕切部材と前記枠状部材とにより形成され前記各泳
動路の前記一方の末端が露出する部位、及び、相互に分
岐した前記各泳動路の他方の末端が露出する前記第2の
蓋部材の内部に、前記各泳動路の末端が浸るようにバッ
ファ液が収納される。
【0060】この構成では、各泳動路に充填された泳動
媒体であるゲル又は親水性ポリマーの乾燥を防止でき、
各泳動路の両末端がバッファ液の中に置かれ破損が防止
でき、長期間の保存が可能である。仕切部材と枠状部材
とにより形成され各泳動路の一方の末端が露出する部位
は、電気泳動時の上部バッファ槽として機能する。
【0061】(25)本発明の泳動路ユニットは、(2
4)の構成のバッファ液に代えて、バッファ液を染み込
ませた吸水性材料、あるいは、泳動路中の泳動媒体と同
じ組成の物質が、各泳動路の末端が浸るように充填され
る。この構成では、泳動路ユニットの輸送時での、泳動
路の両末端の破損、泳動路の泳動媒体の乾燥を防止で
き、安定した状態で輸送でき、泳動路ユニットの使用す
るに先立って、充填した物質をバッファー液に置き換え
て電気泳動に使用可能な泳動路ユニットをユーザに供給
できる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1から
図28を用いて詳細に説明する。
【0063】図1は、本発明の実施例の電気泳動装置の
主要部の構成例を示す斜視図である。電気泳動装置の主
要部1は、泳動路ユニット2、検出部3、試料導入部4
から構成される。泳動路ユニット2に、8本のゲル充填
キャピラリー6が等間隔に配置されている。泳動路ユニ
ット2の上部には、上部バッファ槽7を設ける。上部バ
ッファ槽7には、上部電極8が投げ込み式で配置され
る。上部電極8は、プラスチック製サポート上に白金線
を這わせて構成し、白金線の長さは、上部バッファ槽7
の内部全体に横たわる長さとする。泳動路ユニット2の
具体的な構成は、図2、図3、図10、図11を使用し
て後述する。
【0064】検出部3の単位要素は、励起光源10、単
色の励起光を得る干渉フィルタ12、励起光を集光する
レンズ13−2を含む励起光照射光学系と、蛍光を集光
するレンズ13−3、蛍光を分光するダイクロイックミ
ラー14−2、光検出器11、11’を含む蛍光検出光
学系とからなる。本実施例の構成は、内部マーカーを用
いた分析に好適な構成であり、分離された2つの蛍光波
長の光を検出する2個の光検出器11、11’を設け
る。励起光照射光学系と蛍光検出光学系とから構成され
る単位光学系を検出部3の単位要素として、1つの単位
光学系を1泳動路毎に設ける。本実施例では、8泳動路
の各泳動路に別々に単位光学系を設ける。検出部3の具
体的な構成は、図5〜図11、を使用して後述する。
【0065】試料導入部4の構成要素は、キャピラリー
ガイド21を固定し上下に駆動するキャピラリーガイド
ホルダ20と、試料容器23、洗浄槽24、及び下部バ
ッファ槽25を搭載し、前後、左右、上下に移動するス
テージ22、及びステージ22に設けた温調装置9であ
る。試料容器23として、例えば、9mmの間隔にウエ
ル23a、23b、〜が2次元に形成された96穴マイ
クロプレートが使用される。キャピラリーガイド21
は、キャピラリー6の数と同じ数設ける。キャピラリー
ガイド21には、試料導入用電極26を設ける。下部バ
ッファ槽25には、下部電極27を配置する。試料導入
用電極26と上部電極8間、下部電極27と上部電極8
間に、それぞれ50V/cm〜400V/cmの電圧を
印加できる電源を接続する。試料導入部4の具体的な構
成は、図12〜図22を使用して後述する。
【0066】図2は、本発明の実施例の電気泳動装置の
泳動路ユニットの構成例の詳細を示す正面図、図3は、
図2に於けるA−A’断面図である。泳動路ユニット2
は、正面板5と、複数のキャピラリー6の軸方向と直交
する方向に両側部を持つ背面板5c、上部、下部のキャ
ップ31、31’から構成される。複数のキャピラリー
6を等間隔に配列して固定するために、背面板5cの上
に配置した複数の溝部5h(図示せず)を設ける。各溝
部5hは、背面板5cの上に平行に配置された2つの凸
部部材と背面板5cの面により形成される凹部である。
各キャピラリ6は、これら凹部に挿入され、互いに平行
にかつ等間隔に保持される。複数の溝部5hの中のゲル
充填キャピラリー6は、正面板5に設けた固定具5a、
5bにより、背面板5cの方向に押しつけられる。複数
のキャピラリー6はシリコンラバー製パッキング30−
1、30−2で挟まれ、正面板5と一体に形成した仕切
板5dがシリコンラバー製パッキング30−1と密着し
て、上部に、上部バッファ液32を入れる上部バッファ
槽7が構成される。
【0067】正面板5の材質は、ポリスチレン、塩化ビ
ニル、アクリル樹脂等の硬質プラスチックが好ましい。
固定具5a、5bは、正面板5と同じ材質で一体成型す
るか、又は、別部材として構成しても良く、シリコンラ
バー等の柔軟性のある材質を用いても良い。検出部3の
単位光学系がアクセスするための開口部5eが正面板5
の中央部に設けられる。正面板5の左右外側には、検出
部3への取り付け用の穴5fを設ける。泳動路ユニット
2は、一体として検出部3に脱着可能であり、1回又は
数回の電気泳動毎に取り換えて使用する。正面板5の取
り付け用の穴5fを用いて正面板5を背面板5cの両側
部で一体化固定する。
【0068】次いで、上部バッファ槽7に上部バッファ
液32を入れ、図示しないシリコンラバー製パッキング
を介してキャップ31を、一体化した正面板5と背面板
5cの上部に取り付け、バッファ液32’を入れたキャ
ップ31’を、図示しないシリコンラバー製パッキング
を介して一体化した正面板5と背面板5cの部と下部に
取り付ける。キャップ31、31’は、キャピラリー端
の破損防止、及びゲル充填キャピラリーのゲルの乾燥を
防止する。キャップ31、31’は、泳動路ユニット2
を検出部3へ取り付ける直前に取り外す。
【0069】図2、図3に示す、上部、下部にキャップ
31、31’を持つ泳動路ユニット2では、ゲル充填キ
ャピラリーのゲルの乾燥を防止でき、キャピラリーの両
末端がバッファ液の中にあり破損が防止でき、長期間の
保存が可能である。バッファ液32、32’の成分は、
ゲル充填キャピラリー中のバッファ液の成分と同じ塩
類、変性剤を含む。バッファ液32、32’を染み込ま
せた吸水性材料を上部バッファ槽7、キャップ31’の
中にゲル充填キャピラリーの末端が浸されるように充填
しても良い。更に、バッファ液32、32’の代わりに
ゲル充填キャピラリー中のゲルと同じ組成のゲルあるい
は親水性ポリマーを使用しても良い。
【0070】バッファ液32、32’を染み込ませた吸
水性材料、ゲル充填キャピラリー中のゲルと同じ組成の
ゲル又は親水性ポリマーは流動性が少ないので、上部バ
ッファ槽7、キャップ31’から漏れ出すことはない。
泳動路ユニット2を輸送時に、バッファ液32、32’
を染み込ませた吸水性材料、あるいは、ゲル充填キャピ
ラリー中のゲルと同じ組成のゲル又は親水性ポリマー
を、上部バッファ槽7、キャップ31’に充填すること
により、キャピラリーの両末端の破損、ゲル充填キャピ
ラリーのゲルの乾燥を防止でき、安定した状態で輸送可
能であり、泳動路ユニットの使用するに先立って、充填
した物質をバッファー液に置き換えて電気泳動に使用可
能な泳動路ユニット2をユーザに供給できる。
【0071】図4、図5、図6、図7は、本発明の実施
例の電気泳動装置の、励起光照射光学系と蛍光検出光学
系とから構成される単位光学系の構成例を説明する図で
ある。本発明の装置では、単位光学系を1泳動路毎に別
々に設ける。
【0072】図4は、励起光照射光学系と蛍光検出光学
系とから構成される単位光学系の構成の一例を示す断面
図である。本実施例では、励起光源10にレーザダイオ
ードを用い、光をレンズ13−1で平行光にして、干渉
フィルタ12で単色化して、レンズ13−2でキャピラ
リー6の中の泳動路の照射部15に集光する。キャピラ
リー6の照射部15近傍では、光が透過するように保護
コーティングを除去する。照射部15に存在する2種の
蛍光体から発生する2成分の蛍光をレンズ13−3で集
光し、ダイクロイックミラー14−1で励起光成分を反
射カットし、ダイクロイックミラー14−2で2成分の
蛍光を分光し、光検出器(ホトダイオード)11、1
1’で検出する。単位光学系の各部品は、所定の位置に
配置し、微調整したうえで固定する機構を備えた筒状の
ホルダ、又は、ホルダを配列したホルダアレイ中に設け
る。数mm以下の直径を持つ小型レーザダイオード、及
びホトダイオードを使用して、96穴マイクロプレート
のウエルの間隔に対応する9mmピッチで、単位光学系
を各泳動路毎に配置できる。
【0073】励起光源10、及び光検出器11、11’
の配置は、図4に示す配置に限らず、励起光を照射部1
5へ照射し、照射部15から蛍光を集光できれば他の配
置でも良い。例えば、励起光源10、及び光検出器1
1、11’の配置の角度を、それぞれ上下又は左右に変
化させれば、励起光の反射光の強度を変化させることが
できるので、励起光の反射光の検出系への漏れ込みを低
減する効果が期待できる。また、励起光源10、及び光
検出器11、11’の配置を照射部15を中心にして上
下逆にした場合は、励起光の光軸が下向きになるので、
励起光が直接目に入る可能性が小さくなり安全上好まし
い。
【0074】図5は、励起光照射光学系と蛍光検出光学
系とから構成される単位光学系の構成の別の一例を示す
断面図である。励起光照射光学系の構成要素は、図4と
同じ構成であり、励起光源10にレーザダイオードを用
い、光をレンズ13−1で平行光にしてから干渉フィル
タ12で単色化し、レンズ13−2でキャピラリー6の
中の泳動路の照射部15に集光する。照射部15に存在
する2種の蛍光体から発生する2成分の蛍光を検出する
2つの蛍光検出光学系を設ける。即ち、レンズ13−
3、13−5で集光し、それぞれダイクロイックミラー
14−3、14−4で励起光成分、反射光をカットし各
必要とする蛍光を分光し、レンズ13−4で集光し、そ
れぞれ光検出器(ホトダイオード)11、11’で検出
する。
【0075】図5に示す構成では、同じ構造を持つ2つ
の蛍光検出光学系は互いに独立して配置されている。図
5に示す例では、2つの蛍光検出光学系は、同じ構造で
あるため、設計、製作が容易であり、低価格で作成でき
る。図5に示す構成は、2波長の異なる蛍光を検出する
例であるが、図5に示す構成に於いて、蛍光検出光学系
を更に増設して、例えば、独立した4つの蛍光検出光学
系を設けて、塩基配列決定に有利な波長の異なる蛍光を
検出が可能である。
【0076】図6、図7は、励起光照射光学系と蛍光検
出光学系とから構成される複数の単位光学系を複数泳動
路へ配置する例を示す斜視図である。図6の単位光学系
の配置では、図4に示す単位光学系を各泳動路に1ケず
つ、泳動路の間隔と等間隔に同じ方向に配置した構成で
ある。
【0077】図6に示す単位光学系の配置では、複数の
励起光源(レーザダイオード)、複数のレンズ、複数の
干渉フィルタ、複数のダイクロイックミラー、複数の光
検出器(ホトダイオード)がそれぞれ直線状に並列する
ので、それぞれ複数の同一光学系部品を一体化してアレ
イ化することも可能である。
【0078】図7に示す光学系の構成は、図4に示す単
位光学系を等間隔に、上下方向について、励起光照射光
学系と蛍光検出光学系とを互い違いに配置した構成であ
る。図7に示す単位光学系の配置では、隣接する同一種
の光学系部品の間隔が2倍になるので、より大きな光学
系部品を使用することが可能である。特に、蛍光集光用
のレンズ13−3の口径を大きくできるため、集光効率
が立体角に応じて良くなる。
【0079】図8は、図4に示す単位光学系の実装例を
説明する断面図である。励起光照射光学系は、半導体レ
ーザ80、レンズ81、干渉フィルタ82、レンズ83
を光照射用円筒形ホルダ84内に配置する。照射光が泳
動路の検出部の中心85にフォーカスするように光照射
用円筒形ホルダ84の位置を微調整するマイクロメータ
100を設ける。微調整後、光照射用円筒形ホルダ84
を固定するネジ102を設ける。マイクロメータ100
は調整用治具101上に取り付ける。調整用治具101
は、取り付けネジ103で、ホルダ台106に取り付け
る。マイクロメータ100は使用時脱着可能である。蛍
光検出光学系は集光用レンズ86、ダイクロイックミラ
ー87を円筒形ホルダ109内に配置し、ダイクロイッ
クミラー88をホルダ95上に設け、レンズ89、ホト
ダイオード91を円筒形ホルダ93内に配置し、同様
に、レンズ90、ホトダイオード92を円筒形ホルダ9
4に配置し、各蛍光検出用円筒形ホルダ93、94をホ
ルダ95に固定する。図8に示す構成では、光学系部品
がそれぞれ筒型ホルダにまとめて実装されているので、
泳動路の数に応じた増設が容易である。
【0080】図9は、本発明の実施例の電気泳動装置で
使用する単位光学系の配置の他の構成例を示す断面図で
ある。図9に示す単位光学系の構成では、図5に示す励
起光源10としてレーザダイオードを用い、図5に示す
レンズ13−1、干渉フィルタ12、レンズ13−2を
一体化した励起光照射光学系16と、図5に示すレンズ
13−3、ダイクロイックミラー14−3、レンズ13
−4、光検出器(ホトダイオード)11を一体化した蛍
光検出光学系17と、図5に示すレンズ13−3、ダイ
クロイックミラー14−4、レンズ13−4、光検出器
(ホトダイオード)11’を一体化した蛍光検出光学系
17’を使用する。励起光照射光学系16、蛍光検出光
学系17、蛍光検出光学系17’は一体化され、励起光
照射光学系16、蛍光検出光学系17、蛍光検出光学系
17’は、キャピラリー6を囲むように配置される。図
9に於いて、例えば、L1=1.5mm〜8mm、L2
=3mm〜8mmである。
【0081】図10、図11は、図9に示す単位光学系
を複数配置する例を説明する断面図であり、キャピラリ
ー6の軸に垂直な断面図である。図10に示す構成例で
は、泳動路ユニット2の背面板5cに、一方の蛍光検出
光学系17’を固定する。図11に示す構成例では、複
数のキャピラリー6の軸方向と直交する方向に両側部を
持つ両側部を持つ背面板5cに、励起光照射光学系16
を固定する。励起光照射光学系16、及び蛍光検出光学
系17、17’の複数組の各組に対してキャピラリー6
をセットした後に、両側部を持つ背面板5cの両側部で
正面板5を取り付けて、複数の単位光学系(励起光照射
光学系16と蛍光検出光学系17、17’とか構成され
る)が、図3に示す開口部5eに対向して配置されるよ
うに固定する。励起光照射光学系16、蛍光検出光学系
17、17’で囲まれる部分の近傍を除いて、各キャピ
ラリー6は、図3に示す複数の溝部5hの各溝にセット
される。図10、図11に示す構成では、蛍光検出光学
系17、17’とキャピラリー6とを接近させることが
でき、蛍光検出光学系17、17’の受光開口部の立体
角が大きくなり、集光効率が良いという特徴がある。
【0082】図12、図13は、本発明の実施例の電気
泳動装置の試料導入部の構成例を示す斜視図である。試
料導入部4のキャピラリーガイド21、試料導入用電極
26の構造について図12、図13を用いて説明する。
キャピラリーガイド21は、泳動路(キャピラリー6)
と同じ数設ける。キャピラリーガイド21の上部の内径
は下部の内径よりも大きいので、キャピラリー6は取り
付け時、上部から下部へスムーズにガイドされる。キャ
ピラリーガイド21の下部先端は、尖鋭な形状で試料容
器の23の蓋であるシール28の開封機構として機能す
る。シール28は、例えば、厚さ20μm〜1mmの、
プラスチック製、ゴム製、アルミ箔製等の膜である。キ
ャピラリーガイド21の下部の外径は、試料容器23の
ウエル23a、23b、〜の内径よりも小さく、キャピ
ラリー6の先端は試料容器のウエル23a、23b、〜
の底に到達できる。
【0083】試料導入用電極26は、キャピラリーガイ
ド21の下部に設ける。試料導入用電極26と泳動路末
端との距離D(29)が確保できるので、試料溶液40
内の広い範囲に電位を印加でき、効率良く試料の導入が
できる。キャピラリーガイド21は必ずしも全体が中通
し構造でなくても良く、壁の一部がなくても良い。キャ
ピラリーガイド21の下部の構造は、試料容器の蓋を開
くことができれば、その他の構造でも良い。開封機構
は、必ずしもキャピラリーガイド21と一体である必要
はなく、独立して設けても良い。
【0084】図14〜図19は、本発明の実施例の電気
泳動装置の試料導入用電極の構成例を示す斜視図であ
る。図14に示す例では、キャピラリーガイド21の下
部の外周面43に、リング部分と直線部を持つ試料導入
用電極が形成されている。図15に示す例では、キャピ
ラリーガイド21の下部の内周面43’に、リング部分
と直線部を持つ試料導入用電極が形成されている。図1
6に示す例では、キャピラリーガイド21の下部の外周
面41に、直線状の試料導入用電極が形成されている。
図17に示す例では、キャピラリーガイド21の下部の
内周面41’に、直線状の試料導入用電極が形成されて
いる。図18に示す例では、キャピラリーガイド21の
下部の外周面全面42に、試料導入用電極が形成されて
いる。図19に示す例では、キャピラリーガイド21の
下部の内周面全面42’に、試料導入用電極が形成され
ている。
【0085】図14〜図19に示す例では、キャピラリ
ーガイド21の本体は、絶縁体で形成され、例えば、ガ
ラス、プラスチックス等で構成され、試料導入用電極と
して、金属等の導電性材料からなる、線材、薄板材が使
用され、導電性材料が絶縁体に固着され、又は導電性材
料の一部が絶縁体の外部に露出するように埋め込まれ
る。キャピラリーガイド21の本体の外部に、所望の形
状で金属蒸着膜を形成し試料導入用電極としても良い。
【0086】図19に示す例では、キャピラリーガイド
21の上部全体を絶縁体、下部全体を導電性物質で構成
し、下部の導電性物質を試料導入用電極とする。試料導
入用電極は、白金、金等の非腐食性の金属、又はカーボ
ン等の導電性材料、又は金属とプラスチック等、あるい
は、導電性材料とプラスチック等との複合体で構成す
る。キャピラリーガイド21の内側に試料導入用電極を
設ける場合には、試料が微量でありキャピラリーガイド
21と泳動路(キャピラリー)との間に毛管現象で微量
の試料の全量近くが吸い込まれた時でも、キャピラリー
ガイド21の内側の電極は、試料導入用の電極として機
能できるという特徴がある。
【0087】図20〜図22は、本発明の実施例の電気
泳動装置の試料容器の構造例を示す断面図である。試料
容器の構造を図20で説明する。試料容器23はフィル
ム状の蓋(シール)28で覆われ、ウエル23a、23
b、〜は密封される。ウエル23a、23b、〜の内部
の容量は、用途に合わせて、1μL〜200μLの範囲
になるように構成する。電気泳動開始直前に、キャピラ
リーガイド21の先端で開封し、開口部50から泳動路
(キャピラリー6)がアクセスできる。別の試料容器の
構造を図21で説明する。試料容器53の蓋55は、ウ
エル23a、23b、〜の各開口部にはめ込まれる部分
55aを持つ蓋であり、ウエル23a、23b、〜の各
開口部へのはめ込み部分55aの中央に開封用切り込み
51が設けられる。開封用切り込み51により、キャピ
ラリーガイド21の先端による蓋55の開封操作が容易
になる。
【0088】別の試料容器の構造を図22で説明する。
試料容器54のウエル23a、23b、〜の各開口部に
はめ込まれる部分56aを持つ蓋56に切り込みを入れ
ずに、試料容器54の、ウエル23a、23b、〜の各
底部に開封用切り込み52を設ける。図22に示す試料
容器54は開封用切り込み52を持つ側が、キャピラリ
ーガイド21の先端に面するように配置され、底面側か
ら開封される。開封用切り込み52により、キャピラリ
ーガイド21の先端による開封操作が容易になる。図2
0〜図22に示す試料容器の材質、各ウエルの各開口部
へのはめ込み部分を持ち、各開口部を覆う部材であるシ
ート状の蓋55、56には、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート等の100°Cで使用可能な耐熱性プラスチッ
クを用いる。
【0089】図23は、本発明の実施例の遺伝子解析シ
ステムの全体構成例を示すブロック図である。本発明の
遺伝子解析システム60は、図1に示した泳動路ユニッ
ト2、検出部3、試料導入部4が、筐体61に格納され
る。装置全体を制御し、計測データを処理する情報処理
装置62、計測データから電気泳動パターンを作成し、
電気泳動パターンを表示し、更に比較解析するためのデ
ータ解析ソフトウエア、計測データ、及び内部データベ
ースを格納するデータ格納装置63、データ表示装置6
4を含む、コンピュータ65と接続する。コンピュータ
65はネットワーク70を介して、外部データベース6
6にアクセスし外部データベースの配列(核酸、アミノ
酸)情報とその付随情報、及び、試料の由来に関する情
報、特にヒトの場合、臨床知見等の情報を参照する。
【0090】電気泳動装置で分析する試料を調製する試
料調製ユニット67、酵素反応等を行なう反応装置6
8、試料調製した試料を電気泳動装置に移動させる試料
容器移動機構69を設ける。試料調製ユニット67、酵
素反応等を行なう反応装置68、試料容器移動機構69
は筐体61’に格納される。望ましくは筐体61と筐体
61’とを共通の筐体とする。試料調製ユニット67に
は、試料調製中に発生する廃棄物を分別保管する保管容
器も付設する。試料導入部4、及び試料調製ユニット6
7、反応装置68で使用する試料容器は共通の試料容器
ウエル間隔を持つマルチウエルプレート型試料容器を使
用する。共通の試料容器ウエル間隔を持つマルチウエル
プレート型試料容器を使用して、試料容器の移動により
試料の泳動開始端への移動が行なえる。以上の結果、試
料調製から電気泳動、データ解析までを一体化した、医
用応用に適した電気泳動ベースの遺伝子解析システムを
構成できる。
【0091】図24は、本発明の実施例の電気泳動装置
の泳動路ユニットを構成するキャピラリー板の構成例の
詳細を示す正面図、図25は、図24に於けるA−A’
に於ける断面図、図26は、図24に於けるB−B’に
於ける断面図である。表面に複数の溝がほぼ平行に形成
された平板111と、平板112を重ねて一体化し、複
数のキャピラリー6’が形成されたキャピラリー板11
0を作成する。平板111、112の材質は、ガラス、
プラスチック、シリコン基板等の非電導性物質で構成
し、平板111、112の少なくとも一方は、石英ガラ
ス等の光透過性の物質で構成する。複数の溝は、例え
ば、機械加工、ウエット又はドライエッチングにより形
成できる。キャピラリー6’にはゲルを充填して使用す
る。例えば、平板111、平板112の厚さはそれぞ
れ、0.1mm〜1mm程度であり、平板112の厚さ
は平板111の厚さより厚い。各溝の長さ(即ち、キャ
ピラリー6’の長さ)は3cm〜10cm、各溝の深さ
は50μm〜200μm、各溝の幅は50μm〜200
μm、複数の溝の中心間隔は9mmである。
【0092】図3に示す複数のキャピラリー6の代わり
に、キャピラリー板110を使用した泳動路ユニットを
構成できる。即ち、キャピラリー板110の平板111
の側を、図2、図3に示す背面板5cに固定して、図
2、図3に示す複数のキャピラリー6の代わり使用する
(この時、図3に示す背面板5cに形成した溝部5hは
不要となる)。
【0093】キャピラリー板110の各キャピラリー
6’の試料が導入される試料導入末端113が、試料容
器のウエルへアクセス可能なように、図24に示すよう
に突起部を形成する。各試料導入末端113の間に空間
を設けるように、複数のキャピラリーにほぼ垂直な方向
で、キャピラリー板110に切り欠き部分115を設
け、各キャピラリー6’の先端113に近くほど、複数
のキャピラリーにほぼ垂直な方向で、各キャピラリー
6’を形成する平板111、112の幅を小さくする。
図26に示すように、キャピラリー板110の厚さ方向
に於いても、各キャピラリー6’の先端113に近くほ
ど、キャピラリー板110の厚さを薄くする。
【0094】即ち、試料導入末端113の近傍で、各キ
ャピラリー6’を空間をおいて分離させて、試料導入末
端113に近くなるほど、各キャピラリー6’を形成す
る突起部の外形状の、各キャピラリー6’の中心軸に垂
直な断面積が小さくなるようにする。このような突起部
の外形状は、複数の溝がほぼ平行に形成された平板11
1と、平板112を重ねて一体化した後に、例えば、機
械加工により行なう。
【0095】図24に示すキャピラリー板110の突起
部の寸法H(116)は、キャピラリーガイドの高さ方
向の寸法より十分大きくし、例えば、キャピラリーガイ
ドの高さ方向を10mmとする時、H=15mmとし、
各キャピラリー6’の先端113が試料容器のウエルの
内部に収納された試料溶液に確実に挿入できる構成とす
る。 図27は、本発明の実施例の電気泳動装置に使用
され、試料導入用電極が設けられたキャピラリー板の構
成例を示す断面図である。図27に示すキャピラリー板
は、図24、図25、図26に示す構成のキャピラリー
板110と、図28に示すように、一方の側の面に一方
向に伸長する複数の試料導入用電極117が設けられた
板部材120とから構成される。板部材120の試料導
入用電極117が設けられた側の面が、図24、図2
5、図26に示す構成のキャピラリー板110の平板1
11に接合される。
【0096】図28は、図27に示すキャピラリー板に
使用され、試料導入用電極117が設けられた板部材1
20の構成を示す平面図である。先に説明したキャピラ
リーガイドに設ける試料導入用電極の形成方法と同様に
して、試料導入用電極117が板部材120に形成され
る。図28に示す板部材120は厚さは、0.1mm〜
1mm程度の絶縁体からなり、キャピラリー板110の
各キャピラリー6’の試料が導入される試料導入末端1
13が、試料容器のウエルへアクセス可能なように、図
28に示すように突起部113’を形成する。板部材1
20には、キャピラリー板110の切り欠き部分115
と同じ形状の切り欠き部分115’を設け、突起部の先
端113’に近くほど、板部材120の突起部を鋭くす
る。このような突起部の外形状は、例えば、機械加工に
より行なう。
【0097】図3に示す複数のキャピラリー6の代わり
に、図27、図28に示す、キャピラリー板を使用した
泳動路ユニットを構成できる。即ち、図27、図28に
示す、キャピラリー板の板部材120の側を、図2、図
3に示す背面板5cに固定して、図2、図3に示す複数
のキャピラリー6の代わり使用する(この時、図3に示
す背面板5cに形成した溝部5hは不要となる)。
【0098】図28に示す突起部の寸法H(116−
1)は、図24に示すキャピラリー板110の突起部の
寸法H(116)に等しく、板部材120の突起部の鋭
い部分の寸法ΔH(116−2)は、0.1mm〜0.
5mm程度にする。また、図24〜図28の構成に於い
て、H=1.5mm〜3.5mmとし、各キャピラリー
6’の先端113が試料容器のウエルの内部に収納され
た試料溶液に確実に挿入できる構成とする。図27、図
28に示す、試料導入用電極117が設けられたキャピ
ラリー板の構成では、別体のキャピラリーガイドを使用
する必要はなく、突起部の先端113’により、試料容
器の各開口部を覆うシート状の蓋を開封でき、電気泳動
の開始直前に、試料導入用電極117を用いて各キャピ
ラリー6’に試料を効率よく導入できる。図27、図2
8に示す構成では、別体のキャピラリーガイドを使用し
ないで、複数のキャピラリー6’の試料注入端に試料を
導入できるので、複数のキャピラリー6’の中心間隔
(複数の溝の中心間隔)は9mmより十分小さくするこ
とが容易にでき、複数の溝の中心間隔は、(9/n)m
m(但し、n=2、〜、23、24の何れかの整数とす
る)として、試料が導入される部位での複数のキャピラ
リー6’の端部(試料注入端)の間隔を、非常に小さく
できる。
【0099】以上説明した図24〜図28に示す構成の
キャピラリー板を使用した泳動路ユニットを、図1、図
4〜図8、図12〜図23に示す構成に適用可能である
ことは明らかである。
【0100】以上説明したように、本発明の電気泳動装
置では、電気泳動路の形状が同一であり、且つ、短いた
め、多数のサンプルを短時間(30分以内、多くは10
分以内)に同一の電気泳動条件で泳動できる。同一の電
気泳動条件下で泳動により、特に電気泳動パターン比較
解析が必要な試料の迅速、正確な電気泳動パターン比較
解析が可能となる。また、励起光照射光学系と蛍光検出
光学系とから構成される単位光学系を泳動路毎に配置す
るので、泳動路数が増加しても、大口径レンズ、大口径
検出器を必要としない。試料調製で使用する試料容器と
電気泳動時に使用する試料容器を共通化し、試料容器の
開封機構を具備し操作上の連続性を確保するので、多数
の試料について、マルチウエルプレート型の試料容器を
用いて、核酸抽出等の試料調製、PCR等の酵素反応、
熱変性処理等を行った後に、試料を泳動路の数毎、順次
電気泳動分析できる。
【0101】本発明の電気泳動装置が適用される電気泳
動分析の代表例としては、PCR産物、制限酵素断片、
シーケンス反応産物等を試料とするDNAの分子量分画
分析、細胞等から抽出したRNAを対象とした分子量分
画分析、1本鎖DNAの非変性又は半変性条件下での易
動度分析(SSCP法)等がある。また、本発明の電気
泳動装置が適用され分析される対象は、DNA、RNA
等の核酸断片等の試料に限定されるものでなく、例え
ば、特定の塩基配列を認識する蛋白質と、核酸とを混在
させた状態で電気泳動分離し、蛋白質と核酸との相互作
用を調べるゲルシフトアッセイ法も対象とできる。
【0102】以上の説明で使用した各図では、簡単のた
めに泳動路数が8の場合を例にとり説明したが、本発明
は泳動路数を8に限定するものではない。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気泳動
装置は、電気泳動路の形状が同一で短く、励起光照射光
学系と蛍光検出光学系とから構成される単位光学系を泳
動路毎に配置するので、多数のサンプルを短時間で、同
一電気泳動条件で分析でき、PCR増幅産物の分析等、
特に医用応用に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電気泳動装置の主要部の構成
例を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例の泳動路ユニットの構成例を示
す正面図。
【図3】図2に於けるA−A’断面図。
【図4】本発明の実施例の励起光照射光学系と蛍光検出
光学系とから構成される単位光学系の構成例を説明する
断面図。
【図5】本発明の実施例の励起光照射光学系と蛍光検出
光学系とから構成される単位光学系の構成例を説明する
断面図。
【図6】本発明の実施例の励起光照射光学系と蛍光検出
光学系とから構成される単位光学系の構成例を説明する
斜視図。
【図7】本発明の実施例の励起光照射光学系と蛍光検出
光学系とから構成される単位光学系の構成例を説明する
斜視図。
【図8】図4に示す単位光学系の実装例を説明する断面
図。
【図9】本発明の実施例の単位光学系の配置の構成例を
示す断面図。
【図10】図9に示す単位光学系を複数配置する例を説
明する断面図。
【図11】図9に示す単位光学系を複数配置する例を説
明する断面図。
【図12】本発明の実施例の電気泳動装置の泳動開始端
の構成例を示す斜視図。
【図13】本発明の実施例の電気泳動装置の泳動開始端
の構成例を示す斜視図。
【図14】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図15】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図16】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図17】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図18】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図19】本発明の実施例の電気泳動装置の試料導入用
電極の構成例を示す斜視図。
【図20】本発明の実施例の電気泳動装置の試料容器の
構造例を示す断面図。
【図21】本発明の実施例の電気泳動装置の試料容器の
構造例を示す断面図。
【図22】本発明の実施例の電気泳動装置の試料容器の
構造例を示す断面図。
【図23】本発明の実施例の遺伝子解析システムの全体
構成例を示すブロック図。
【図24】本発明の実施例の電気泳動装置の泳動路ユニ
ットを構成するキャピラリー板の構成例を示す正面図。
【図25】図24に於けるA−A’に於ける断面図。
【図26】図24に於けるB−B’に於ける断面図。
【図27】本発明の実施例の試料導入用電極が設けられ
たキャピラリー板の構成例を示す断面図。
【図28】図27に示すキャピラリー板に使用される板
部材の構成を示す平面図。
【符号の説明】
1…電気泳動装置の主要部、2…泳動路ユニット、3…
検出部、4…試料導入部、5…正面板、5a、5b…固
定具、5c…背面板、5d…仕切板、5e…開口部、5
f…取り付け用の穴、5h…溝部、6、6’…ゲル充填
キャピラリー、7…上部バッファ槽、8…上部電極、9
…温調装置、10…励起光源、11、11’…光検出
器、12…干渉フィルタ、13−1、13−2、13−
3、13−4、81、83、86、89、90…レン
ズ、14−1、14−2、14−3、14−4、87、
88…ダイクロイックミラー、15…泳動路の照射部、
16…励起光照射光学系、17、17’…蛍光検出光学
系、20…キャピラリーガイドホルダ、21…キャピラ
リーガイド、22…ステージ、23、53、54…試料
容器、23a、23b、〜…ウエル、24…洗浄槽、2
5…下部バッファ槽、26、117…試料導入用電極、
27…下部電極、28…フィルム状の蓋、29…試料導
入用電極と泳動路末端との距離D、30−1、30−2
…シリコンラバー製パッキング、31、31’…キャッ
プ、32…上部バッファ液、32’…バッファ液、40
…試料溶液、41…キャピラリーガイドの下部の外周
面、41’…キャピラリーガイドの下部の内周面、42
…キャピラリーガイドの下部の外周面全面、42’…キ
ャピラリーガイド21の下部の内周面全面、43…キャ
ピラリーガイドの下部の外周面、43’…キャピラリー
ガイドの下部の内周面、50…開口部、51、52…開
封用切り込み、55、56…試料容器の蓋、55a、5
6a…各ウエルの開口部へのはめ込み部分、60…遺伝
子解析システム、61、61’…筐体、62…情報処理
装置、63…データ格納装置、64…データ表示装置、
65…コンピュータ、66…外部データベース、67…
試料調製ユニット、68…反応装置、69…試料容器移
動機構、70…ネットワーク、80…半導体レーザ、8
2…干渉フィルタ、84…光照射用円筒形ホルダ、85
…泳動路の検出部の中心、91、92…ホトダイオー
ド、93、94…蛍光検出用円筒形ホルダ、95…ホル
ダ、100…マイクロメータ、101…調整用治具、1
02…光照射用円筒形ホルダを固定するネジ、103…
取り付けネジ、106…ホルダ台、109…円筒形ホル
ダ、110…キャピラリーが形成されたキャピラリー
板、111…複数の溝が形成された平板、112…平
板、113…試料導入末端、113’…突起部の先端、
115、115’…切り欠き部分、116、116−1
…キャピラリー板の突起部の寸法、116−2…板部材
の突起部の鋭い部分の寸法、120…試料導入用電極が
設けられた板部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜堀 政男 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 穴沢 隆 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 山本 立春 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 富田 裕之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 藤田 毅 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 DA05 EA01 EA19 FA01 GA07 GA08 GB01 GB02 KA09

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光標識された試料を泳動分離するほぼ同
    じ長を持ち、キャピラリー又は溝により構成される複数
    の泳動路と、前記試料を収納する複数の区画をもつ試料
    容器と、前記泳動路にレーザを照射して前記泳動路を泳
    動する前記試料を標識する前記蛍光標識を励起する励起
    光照射光学系と、前記レーザの照射により前記蛍光標識
    から発する蛍光を検出する蛍光検出光学系とを有し、前
    記泳動路毎に前記励起光照射光学系、及び前記蛍光検出
    光学系を具備し、前記複数の泳動路の間隔が、前記試料
    容器の前記区画の中心の間隔の整数倍と等しく、前記複
    数の泳動路の間隔が等間隔であり、前記各泳動路の泳動
    開始端から前記レーザが照射される前記各泳動路の部位
    までの距離がほぼ等しく直線状であることを特徴とする
    電気泳動装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記励起光照射光学系を構成する半導体レーザ、レン
    ズ、光学フィルタを収納する励起光照射光学系ホルダ
    と、前記蛍光検出光学系を構成するレンズ、光学フィル
    タ、ホトダイオードを収納する蛍光検出光学系ホルダと
    を有することを特徴とする電気泳動装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記励起光照射光学系を構成する半導体レーザ、レン
    ズ、光学フィルタを収納する励起光照射光学系ホルダ
    と、前記蛍光検出光学系を構成するレンズ、光学フィル
    タ、ホトダイオードを収納する蛍光検出光学系ホルダと
    を有し、前記励起光照射光学系の光軸と前記蛍光検出光
    学系の光軸とが、前記泳動路の前記試料の泳動方向に直
    交する断面の中心で交叉するように、励起光照射光学系
    ホルダ、及び前記蛍光検出光学系ホルダが配置されるこ
    とを特徴とする電気泳動装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記励起光照射光学系からの前記レーザが、前記泳動路
    の前記試料の泳動方向に直交する断面の中心に、焦点を
    結ぶことを特徴とする電気泳動装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記泳動路の泳動開始端から前記レーザが照射される部
    位までの距離が、1cm以上、10cm以下であること
    を特徴とする電気泳動装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記泳動路の数が8又は12、あるいは、前記泳動路の
    数が8の倍数又は12の倍数であることを特徴とする電
    気泳動装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記複数の泳動路の間隔が、(9/n)mm(但し、n
    =1、2、〜、23、24の何れかの整数とする)であ
    ることを特徴とする電気泳動装置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記溝を、ガラス平板、プラスチック平板、シリコン基
    板の何れかに形成した細溝と透明な平板とにより構成す
    ることを特徴とする電気泳動装置。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の電気泳動装置に於いて、
    前記泳動路がキャピラリーで構成され、前記複数の泳動
    路を等間隔に保持するホルダを有することを特徴とする
    電気泳動装置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記泳動路がキャピラリーで構成され、前記キャピ
    ラリーの先端近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前
    記キャピラリーガイドの内面又は外面に、前記試料を収
    納する複数の区画をもつ試料容器の前記区画から前記試
    料を前記キャピラリーに導入する時に使用する電極を有
    することを特徴とする電気泳動装置。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記泳動路がキャピラリーで構成され、前記キャピ
    ラリーの先端近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前
    記試料を収納する複数の区画をもつ試料容器の前記区画
    の開口を覆う部材を、前記キャピラリーガイドの先端で
    開封することを特徴とする電気泳動装置。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記泳動路がキャピラリーで構成され、前記キャピ
    ラリーの先端近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前
    記キャピラリーガイドを上下に移動させる手段を有する
    ことを特徴とする電気泳動装置。
  13. 【請求項13】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記泳動路がキャピラリーで構成され、前記キャピ
    ラリーの先端近傍を囲むキャピラリーガイドを有し、前
    記キャピラリーガイドを上下に移動させる手段を有し、
    前記試料を収納する複数の区画をもつ試料容器の前記区
    画の開口を覆う部材を、前記キャピラリーガイドの先端
    で破ることを特徴とする電気泳動装置。
  14. 【請求項14】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記泳動路の間隔が(9/n)mm(但し、n=
    1、2、〜、23、24の何れかの整数とする)であ
    り、前記泳動路の間隔の整数倍のウエル間隔をもつマル
    チウエルプレート型の容器を、前記試料を収納する複数
    の区画をもつ試料容器として使用し、前記試料が前記試
    料容器を用いて調製されたことを特徴とする電気泳動装
    置。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の電気泳動装置に於い
    て、前記試料を収納する複数の区画をもつ試料容器の前
    記区画の開口を覆う部材の上面、又は前記試料容器の底
    部外面の前記区画の開口に対向する部位に、切り込みを
    設けたことを特徴とする電気泳動装置。
  16. 【請求項16】試料を収納する複数の区画をもつ試料容
    器の前記各区画の開口を覆う部材を、内面又は外面に電
    極を有する複数のキャピラリーガイドの各キャピラリー
    ガイドの先端で開封し、前記各区画に収納された前記試
    料を含む液に、前記各キャピラリーガイドの電極を接触
    させる工程と、前記各キャピラリーガイドに複数のキャ
    ピラリーの各キャピラリーの先端を挿入し、前記各区画
    に収納された前記核酸試料を含む液に、前記各キャピラ
    リーの先端を接触させる工程と、前記各キャピラリーガ
    イドの前記電極を用いて、前記各区画に収納された前記
    試料を含む液から前記試料を前記各キャピラリーの内部
    の泳動媒体に導入する工程とを有することを特徴とする
    電気泳動分離方法。
  17. 【請求項17】試料を収納する複数の区画をもつ試料容
    器であり、前記区画の開口を覆う部材の上面、又は前記
    試料容器の底部外面の前記区画の開口に対向する部位
    に、切り込みを設けたことを特徴とする試料容器。
  18. 【請求項18】蛍光標識された試料を泳動分離するほぼ
    同じ長を持ち、キャピラリー又は溝により構成される複
    数の泳動路と、前記泳動路にレーザを照射して前記泳動
    路を泳動する前記試料を標識する前記蛍光標識を励起す
    る励起光照射光学系と、前記レーザの照射により前記蛍
    光標識から発する蛍光を検出する蛍光検出光学系とを有
    し、前記泳動路毎に前記励起光照射光学系及び前記蛍光
    検出光学系を具備し、前記各泳動路の泳動開始端から前
    記レーザが照射される前記各泳動路の部位までの距離が
    ほぼ等しく直線状であることを特徴とする電気泳動装
    置。
  19. 【請求項19】蛍光標識された試料を泳動分離するほぼ
    同じ長を持ち、キャピラリー又は溝により構成される複
    数の泳動路と、前記泳動路にレーザを照射して前記泳動
    路を泳動する前記試料を標識する前記蛍光標識を励起す
    る励起光照射光学系と、前記レーザの照射により前記蛍
    光標識から発する蛍光を検出する蛍光検出光学系とを有
    し、前記泳動路毎に前記励起光照射光学系及び前記蛍光
    検出光学系を具備し、前記各動開始端から前記レーザが
    照射される前記各泳動路の部位までの距離がほぼ等しく
    直線状であり、前記複数の泳動路が、ガラス平板、プラ
    スチック平板、シリコン基板の何れかである第1の平板
    の一方の面に形成した細溝と、前記第1の平板の前記一
    方の面に接合される透明な第2の平板とにより形成さ
    れ、前記溝により形成された前記各泳動路の泳動開始端
    の側の所望の距離で、前記各泳動路が相互に分岐してお
    り、前記各泳動開始端に前記試料を導入するための試料
    導入用電極が設けられた第3の平板の前記試料導入用電
    極が設けられた側の面が、前記第1の平板の他方の面に
    接合し、前記第3の平板は、前記各泳動路の相互の分岐
    に対応して複数の分岐を有することを特徴とする電気泳
    動装置。
  20. 【請求項20】泳動媒体が充填された複数のキャピラリ
    ーが配置されるほぼ平行な複数の溝が形成された平坦部
    と両側部とを持つ凹部の形状を持つ凹部状部材と、前記
    両側部と接合され一部に開口部を持つ平板部材と、前記
    凹部状部材と前記平板部材により構成される枠状部材の
    中空部を、前記複数のキャピラリーの一方の末端の近傍
    で、前記複数のキャピラリーの前記一方の末端を露出さ
    せるように、前記枠状部材の一方の側で前記中空部を仕
    切る仕切部材と、前記枠状部材の前記一方の側に接合さ
    れる第1の蓋部材と、前記枠状部材の他方の側に接合さ
    れる第2の蓋部材とを具備し、前記仕切部材と前記枠状
    部材とにより形成され前記複数のキャピラリーの前記一
    方の末端が露出する部位、及び、前記複数のキャピラリ
    ーの他方の末端が露出する前記第2の蓋部材の内部に、
    前記複数のキャピラリーの末端が浸るようにバッファ液
    が収納されることを特徴とする泳動路ユニット。
  21. 【請求項21】泳動媒体が充填された複数のキャピラリ
    ーが配置されるほぼ平行な複数の溝が形成された平坦部
    と両側部とを持つ凹部の形状を持つ凹部状部材と、前記
    両側部と接合され一部に開口部を持つ平板部材と、前記
    凹部状部材と前記平板部材により構成される枠状部材の
    中空部を、前記複数のキャピラリーの一方の末端の近傍
    で、前記複数のキャピラリーの前記一方の末端を露出さ
    せるように、前記枠状部材の一方の側で前記中空部を仕
    切る仕切部材と、前記枠状部材の前記一方の側に接合さ
    れる第1の蓋部材と、前記枠状部材の他方の側に接合さ
    れる第2の蓋部材とを具備し、前記仕切部材と前記枠状
    部材とにより形成され前記複数のキャピラリーの前記一
    方の末端が露出する部位、及び、前記複数のキャピラリ
    ーの他方の末端が露出する前記第2の蓋部材の内部に、
    バッファ液を染み込ませた吸水性材料、あるいは、前記
    複数のキャピラリー中の前記泳動媒体と同じ組成の物質
    が、前記複数のキャピラリーの末端が浸るように充填さ
    れることを特徴とする泳動路ユニット。
  22. 【請求項22】複数の泳動路が、第1の平板の一方の面
    に形成した細溝と、前記第1の平板の前記一方の面に接
    合される透明な第2の平板とにより形成され、前記溝に
    より形成された前記各泳動路の泳動開始端の側の所望の
    距離で、前記各泳動路が相互に分岐しており、前記各泳
    動開始端に試料を導入するための試料導入用電極が設け
    られた第3の平板の面が、前記第1の平板の他方の面に
    接合し、前記第3の平板が、前記各泳動路の相互の分岐
    に対応して複数の分岐を有することを特徴とする電気泳
    動路板。
  23. 【請求項23】請求項22の電気泳動路板が配置された
    平坦部と両側部とを持つ凹部の形状を持つ凹部状部材
    と、前記両側部と接合され一部に開口部を持つ平板部材
    と、前記凹部状部材と前記平板部材により構成される枠
    状部材の中空部を、前記複数の泳動路一方の末端の近傍
    で、前記各泳動路の一方の末端を露出させるように、前
    記枠状部材の一方の側で前記中空部を仕切る仕切部材
    と、前記枠状部材の前記一方の側に接合される第1の蓋
    部材と、前記枠状部材の他方の側に接合される第2の蓋
    部材とを具備し、前記仕切部材と前記枠状部材とにより
    形成され前記各泳動路の前記一方の末端が露出する部
    位、及び、相互に分岐した前記各泳動路の他方の末端が
    露出する前記第2の蓋部材の内部に、前記各泳動路の末
    端が浸るようにバッファ液が収納されることを特徴とす
    る泳動路ユニット。
  24. 【請求項24】請求項22の電気泳動路板が配置された
    平坦部と両側部とを持つ凹部の形状を持つ凹部状部材
    と、前記両側部と接合され一部に開口部を持つ平板部材
    と、前記凹部状部材と前記平板部材により構成される枠
    状部材の中空部を、前記複数の泳動路一方の末端の近傍
    で、前記各泳動路の一方の末端を露出させるように、前
    記枠状部材の一方の側で前記中空部を仕切る仕切部材
    と、前記枠状部材の前記一方の側に接合される第1の蓋
    部材と、前記枠状部材の他方の側に接合される第2の蓋
    部材とを具備し、前記仕切部材と前記枠状部材とにより
    形成され前記各泳動路の前記一方の末端が露出する部
    位、及び、相互に分岐した前記各泳動路の他方の末端が
    露出する前記第2の蓋部材の内部に、バッファ液を染み
    込ませた吸水性材料、あるいは、前記泳動路中の前記泳
    動媒体と同じ組成の物質が、前記各泳動路の末端が浸る
    ように充填されることを特徴とする泳動路ユニット。
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