JP4390184B2 - キャピラリーアレイシートを用いた分析法に用いる用具及びその方法 - Google Patents
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Description
ブリダイゼーション等の反応処理、洗浄処理、分析処理時におけるキャピラリーアレイシ
ートの損傷を防止し、マイクロアレイの取り扱いを向上させるための部品や処理、測定方
法に関するものである。
)と呼ばれる分析法がある。この方法は、マイクロアレイと呼ばれる平面基板片上に、多
数のDNA断片が高密度に整列固定化されたものを用い、個々の固定化されたDNA断片
において、核酸:核酸間ハイブリダイゼーション反応に基づく核酸検出及び定量を行う方
法である。
等で標識したサンプルを含有した検体溶液をマイクロアレイに供し、ハイブリダイゼーシ
ョンを行い、互いに相補的な核酸同士を結合させ、ハイブリットを形成した区画を高解像
度解析装置で高速に読みとることにより、核酸検出及び定量を行う方法が挙げられる。
物質が高分子ゲルに固定されており、該ゲルを保持した貫通孔部を複数含むキャピラリー
アレイシートが知られている。その製造方法は、例えば特許文献1に開示されている。
で固定した中空糸配列体を作成し、その配列体の片端部から、キャプチャープローブを含
むアクリルアミド等の重合性モノマー溶液を各中空糸の中空部に導入し、中空部内で重合
した後、中空糸配列体の樹脂固定化部を中空糸の長手方向と交差する方向で切断を繰り返
すことによりキャピラリーアレイシートを製造する方法が開示されている。
子ゲルが露出しており、その反応処理、洗浄処理、分析処理において、表面に露出した繊
細なゲル部を損傷しないように十分注意して取り扱う必要がある。よって、適当な容器で
キャピラリーアレイシートを保護しなければならない。
マクロアレイの周縁を、支持具によって支持することでマクロアレイの取り扱い性を向上
させ、その支持具で保持されたマクロアレイを2対の容器ではさみ、マクロアレイと容器
で構成された空間の一方から検体溶液を注入し、マクロアレイの高い透水性を利用して検
体溶液を貫通流動させながらハイブリダイゼーション処理や洗浄処理を行う方法、それに
用いられる器具が開示されている。
処理において、検体溶液を、キャピラリーアレイシートを貫通流動させる手法を採用する
ことができない。
部に充填された構造のキャピラリーアレイシートのハイブリダイゼーション処理、洗浄処
理に適した用具、手法の開発が望まれていた。
、該ゲルを保持した貫通孔部を複数含むキャピラリーアレイシートを用いた分析を実行す
るに際し、反応処理、洗浄処理、測定操作時におけるキャピラリーアレイシートの損傷を
防止し、それらの処理におけるキャピラリーアレイシートの取り扱いを向上させるための
部品や処理、測定方法を提供することである。
、該キャピラリーアレイシートに含まれる高分子ゲルが露出可能な開口部を有し、開口部
と連結する切欠部を有する構造を含む、キャピラリーアレイシートホルダにより収納する
ことにより上記問題点が解決できることを見出した。
該ゲルを保持した貫通孔部を複数含むキャピラリーアレイシートを1枚以上収納可能なホ
ルダであって、該ホルダは、収納された該キャピラリーアレイシートに含まれる高分子ゲ
ルが露出可能な開口部を有し、開口部と連結する切欠部を有する構造を含む、キャピラリ
ーアレイシートホルダ、である。
に液体を注入可能な注入口を有する収納容器に収納することにより、上記問題点を解決す
るに到った。即ち、本発明は、キャピラリーアレイシートホルダを収納する収納容器であ
って、収納容器には収納したキャピラリーアレイシートホルダの開口部に液体を注入可能
な注入口を有する、キャピラリーアレイシートホルダ収納容器、である。
造体となっている。すなわち、本発明は、生体関連物質を検出しうる物質が高分子ゲルに
固定されており、該ゲルを保持した貫通孔部を複数含むキャピラリーアレイシートを、請
求項1又は2記載のキャピラリーアレイシートホルダに収納し、該キャピラリーアレイシ
ートホルダを請求項3又は4記載のキャピラリーアレイシートホルダ収納容器に収納し、
検体溶液をキャピラリーアレイシートホルダ収納容器の注入口より注入し、検体との反応
を実施することを含むキャピラリーアレイシートの処理方法、である。
、洗浄用フレーム、検出ケースを用い、キャピラリーアレイシートの反応処理、洗浄処理
及び分析処理を行うことにより、キャピラリーアレイシートを操作する際に誤って繊細な
ゲル充填部を損傷したりする恐れがなく、取り扱い性も向上し、熟練した作業者でなくと
も簡単にキャピラリーアレイシートを用いた多数遺伝子の一括発現解析などを実施するこ
とができる。
する)の構成部品を示した斜視図である。アレイホルダ(10)は、本体部(11)と蓋
部(12)から構成される。
孔(11b)、キャピラリーアレイシートを収納するシート収納溝(11c)、キャピラ
リーアレイシートの高分子ゲルが露出可能な開口部(11d)が形成されている。
る。また本体部と蓋部には、本体部にキャピラリーアレイシートを収納し蓋をしたときに
貫通流路となる本体部切欠部(11e)、蓋部切欠部(12c)が形成されている。
れた状態のホルダ(11)を示す斜視図である。
はゲルが保持されており、ゲルにはキャプチャープローブが固定されている。詳細な製造
方法の一例は、特開2001-133453号公報に記載されている。
、蓋部(12)を本体にはめ込むことにより実施される。収納された状態は、アレイのゲ
ル露出面(21a)が表裏の開口部から露出しており、表裏の開口部を結ぶ貫通流路がキ
ャピラリーアレイシートを挟んで相対する2箇所に溝が形成される構造となっている。
等の検出反応を阻害する物質を含むものでなければ特に限定はない。たとえばポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネイトなどの熱可塑性の樹
脂材料を用い、射出成形などで安価に大量に製造することができる。
が低下し、検出精度が低下する。よって、自家蛍光が小さな素材を選択する必要がある。
ると自家蛍光を大きく低減することができるため、そのような添加剤を添加したさまざま
な素材を用いることもできる。
模式図である。これは、図2のより好ましい形態である。即ち、ホルダにアレイを収納す
る際に、収納方向の間違わないために、アレイ(21)に予め半円形の切り欠き部(21
b)を設けておき、アレイを収納するシート収納溝(11c)には、切り欠き部と互いに
ぴったりと嵌り合う半円形の突起部(11f)を設けている。
わせや、円形、多角形の穴と、それと一致する突起の組み合わせでも良い。このようなマ
ーカー部を予め定められた方向、定められた面でしか嵌り合わない位置に設けておくこと
で、シート収納溝へアレイを収納する際、向きや表裏を間違って挿入することを防ぐこと
ができる。
、複数のシート収納溝(41a)を有する本体部(41)及び、それにはまる蓋部(42
)から構成されている。ここで、本体部と蓋部には、図1で示した場合と同様、アレイの
ゲルを露出させるための開口部と、隣接した開口部をつなぐ流路を兼ねた、本体開口流路
(41b)、蓋開口流路(42a)が設けられ、それらの開口流路両端部には、本体と蓋
の開口流路をつなぐ貫通流路となる本体部の切欠部(41c)、蓋部の切欠部(42b)
が設けられる。
ダ収納容器(以下、単にホルダ収納容器と称する)について図5及び図6を用いて説明す
る。
容器部(51)及び蓋部(52)より構成され、容器部にはアレイホルダを収納するホル
ダ収納溝(51a)、パッキンを挿入するためパッキン溝(51b)、ボルトをねじ込む
ためのネジ孔(51c)がある。蓋部には検体溶液を注入するための表裏を貫通する注入
口(52a)、パッキンを収納するためのパッキン溝(52b)、ボルトを貫通させるボ
ルト貫通穴(52c)有している。
ト(61)をボルト貫通穴(52c)を貫通させ、予めホルダ収納容器に設けられたネジ
穴(51b)にねじ込むことで、本体と蓋に設けられたパッキン溝に挿入されているパッ
キン(62)が、キャピラリーアレイシートホルダ上下面と密着し、開口部に検体溶液を
溜める空間を形成することになる。キャピラリーアレイシートホルダとキャピラリーアレ
イシートホルダ収納容器を密着させる方法として、図示したように蓋と容器を直接ボルト
で締結する以外に、例えばクランプの様な物で挟み込んで圧着しても良い(図7参照)。
た検体溶液が外部に漏れない位置、例えばホルダ収納容器の、容器と蓋の接触する面に配
置したり、パッキンがキャピラリーアレイシートホルダ外周をぐるりと取り囲み、パッキ
ンの上下面が容器と蓋に密着する位置が挙げられる。
本体と蓋の嵌め合わせの継ぎ目のすぐ側を取り囲むように、本体の裏面はパッキンが開口
部と蓋切り欠き部のすぐ側を取り囲むように配置する。
パッキンで形成される空間に包み込まれ、毛細管現象でアレイホルダとホルダ収納容器の
微小な隙間に検体溶液が吸い上げられる部分を減少させることができる。
の窓(63)を設けることで、ホルダ収納容器にアレイホルダを収納したまま、内部のア
レイホルダの開口部を観察することができる。また、ホルダ収納容器の本体部と蓋部の双
方に透明性の高いガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリメチルメ
タクリレート、ポリカーボネイト、ポリスルホン等を用いると構造が単純化でき好ましい
。
沿って説明する。
である。まずアレイが収納されたホルダ収納容器(70)に、ホルダ収納容器を直立させ
たときに、アレイの高分子ゲル部が浸漬するのに必要な最少量の検体を、ピペッター等の
分注器具(72)により、蓋部の注入口(52b)よりアレイホルダの開口部に検体溶液
を注入する。注入口に栓(73)で注入口を封止し、アレイホルダと収納容器で形成され
た空間を密閉する。
ルダの開口部から露出している高分子ゲル部に気泡などが付着していないかどうか観察を
行う。もし気泡などの付着があれば、収納容器自体を振動させる、又は注入口を中心方向
にして遠心力を作用させる等により気泡を除去する。その後、ホルダ収納容器の注入口を
上にして直立させたままの状態で検体溶液との反応を実施する。
る。例えば、一定温度で反応を進行される場合、ホルダ収納容器を恒温槽内に静置するこ
とも可能である。
に使用する容器及び洗浄方法を説明する。
たアレイ(21)を収納したアレイホルダ(10)を、洗浄用フレーム(91)の側面開
口部(91a)から、アレイホルダ(10)を装着する。その際、アレイホルダ(20)
がフレーム(91)から脱落しないように、開口部(91a)には、ホルダガイド(91
b)が設けられている。
101a)から、アレイホルダを挿入する場合を例示している。その際も、図9で説明し
た場合と同様にアレイホルダの脱落を防止するため、ホルダガイド(101b)が設けら
れている。
した際に、互いに軽く嵌まり合うよう、該フレームの一部に突起を、キャピラリーアレイ
ホルダの一部に部くぼみを予め設けておき、キャピラリーアレイホルダが洗浄用フレーム
の所定に位置まで挿入されると、くぼみと突起互いに嵌まり合うようにしておく方法等が
挙げられる。
9では、アレイホルダを装着した洗浄用フレーム(91)を円筒状の円筒洗浄容器(11
1)に挿入する。このとき、洗浄フレームの幅を円筒容器の直径とほぼ等しい幅にするこ
とで、洗浄用フレームが洗浄容器のほぼ中央部で保持された状態となり、アレイホルダの
表裏が洗浄容器の内壁からほぼ等しい位置に保持することができる。洗浄容器は特に円筒
状である必要はなく、図10に示すように、直方体洗浄容器(112)であってもよい。
る矩形断面の容器であってもよい。そして洗浄用フレームが挿入された洗浄容器に洗浄液
を注入し、所定の処方で洗浄処理を行う。
ーブとして、核酸を使用したアレイを使用し、検体溶液として蛍光標識されたmRNA、c
DNA等を含む溶液を使用し、ハイブリダイゼーション反応を行い、ハイブリットを形成
した孔部から放射されるエネルギーを測定する手順について、図11を用い説明する。
った検出用ケース(121)に収納する。次に、アレイホルダの開口部(10a)に蒸留
水を注入する。注入する蒸留水の量は、アレイシートホルダ表面が完全に浸漬し、さらに
多少蒸留水が盛り上がる程度注入する。そして、アレイホルダより多少大きなの透明カバ
ー(122)を、内部に気泡を咬み込まないように乗せ、次いで余分な蒸留水を除去し、
検出用ケースに嵌まり込んだアレイホルダの上部が透明なカバーで覆われた状態とする。
。透明カバーの材質は、アレイホルダ内の水分の蒸発を防ぐために水蒸気透過率の低い材
料を用い、標識物質として蛍光物質を用いた場合は蛍光物質が放射する蛍光を吸収しない
材質を選定する。例えば無蛍光ガラス製のカバーグラスなどを用いると良い。
11・・・・・本体部
11a・・・・蓋収納溝
11b・・・・ピン孔
11c・・・・シート収納溝
11d・・・・開口部
11e・・・・本体切り欠き
11f・・・・ホルダマーカー部
12・・・・・蓋部
12a・・・・ピン
12b・・・・開口部
12c・・・・蓋部切欠部
21・・・・・キヤピラリーアレイシート
21a・・・・ゲル保持部
21b・・・・シートマーカー部
41・・・・・本体部
41a・・・・シート収納溝
41b・・・・本体開口流路
41c・・・・切欠部
42・・・・・蓋部
42a・・・・蓋開口流路
42b・・・・切欠部
50・・・・・キャピラリーアレイボルダ収納容器
51・・・・・容器部
51a・・・・ホルダ収納溝
51b・・・・パッキン溝
51c・・・・ネジ孔
52・・・・・蓋部
52a・・・・注入口
52b・・・・パッキン溝
52c・・・・貫通穴
61・・・・・ボルト
62・・・・・パッキン
63・・・・・窓蓋
70・・・・・フォルダ収納容器
71・・・・・検体溶液
72・・・・・分注器具
73・・・・・栓
91・・・・・洗浄用フレーム
91a・・・・側面開口部
91b・・・・ホルダガイド
101・・・・洗浄用フレーム
101a・・・底面開口部
101b・・・ホルダガイド
111・・・・円筒洗浄容器
112・・・・直方体洗浄容器
112a・・・フレームガイド
121・・・・検出用ケース
122・・・・透明カバー
Claims (8)
- 高分子ゲルを保持した貫通孔部を複数含むキャピラリーアレイシートを1枚以上収納可能なホルダであって、該シートの高分子ゲルが露出可能な表側および裏側の開口部と、その表側および裏側の開口部と連結する切欠部を有する、キャピラリーアレイシートホルダ。
- シートにマーカー部を有する、請求項1記載のホルダ。
- 請求項1又は請求項2に記載のホルダを収納する収納容器であって、収納容器には収納したホルダの開口部に液体を注入可能な注入口を有する、ホルダ収納容器。
- 開口部が外部から観察可能な窓部を有する、請求項3記載の容器。
- 請求項3又は4記載の容器の注入口から検体溶液を注入し、検体との反応を行うことを含む、検体分析方法。
- 容器の注入口が上になるように直立させて反応を行うことを含む、請求項5記載の方法。
- 反応後、容器からホルダを脱着し、該ホルダを洗浄用フレームに装着し、該フレームを洗浄容器に挿入し、シートの洗浄を行うことを含む、請求項5又は6記載の方法。
- 洗浄後のホルダを検出用ケースに装着し、該ホルダを液体で浸漬し、ホルダの開口部の上部を透明なカバーで覆い検出することを含む、請求項7記載の方法。
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