JP2003344169A - 熱電対保護管 - Google Patents

熱電対保護管

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JP2003344169A
JP2003344169A JP2002147892A JP2002147892A JP2003344169A JP 2003344169 A JP2003344169 A JP 2003344169A JP 2002147892 A JP2002147892 A JP 2002147892A JP 2002147892 A JP2002147892 A JP 2002147892A JP 2003344169 A JP2003344169 A JP 2003344169A
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thermocouple
coating layer
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boron nitride
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JP2002147892A
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Takuma Kushibashi
卓馬 串橋
Kazuhiro Yamaguchi
和弘 山口
Akira Sato
佐藤  明
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K1/00Details of thermometers not specially adapted for particular types of thermometer
    • G01K1/08Protective devices, e.g. casings
    • G01K1/12Protective devices, e.g. casings for preventing damage due to heat overloading
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K1/00Details of thermometers not specially adapted for particular types of thermometer
    • G01K1/08Protective devices, e.g. casings
    • G01K1/10Protective devices, e.g. casings for preventing chemical attack

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温かつ酸化雰囲気またはその他の腐食性雰
囲気でも長期間優れた耐性を示し、温度変化に対する応
答性の良い熱電対保護管を提供する。 【解決手段】 熱電対素線を保護するための熱電対保護
管であって、熱分解窒化ホウ素からなる一端が閉じた中
空の筒状成形体1の外面に、熱分解炭素、炭素含有熱分
解窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、及び窒化アルミニ
ウムのうちの少なくとも一種からなる被覆層2が形成さ
れた熱電対保護管3。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化性雰囲気又は
腐食性雰囲気での高温測定に使用される熱電対の保護管
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電対は実用的な高温測定手段として広
く用いられており、測定する温度域や被測定物、あるい
は設置環境に応じ、それに適した材質の素線が選択さ
れ、使用される。腐食性雰囲気や振動の激しい場所など
過酷な条件下では、図2に示すように、金属やセラミッ
クスの熱電対保護管7の中に絶縁物8と共に熱電対素線
9がエアーギャップなくコンパクトに封入された、いわ
ゆるシース型熱電対10が用いられている。保護管7の
材質には、融点が高く耐酸化性がある等の理由により、
SUSやインコネル(Inconel:商標)が用いられ、ま
た、素線9と共に封入される絶縁物8は、高温でも安定
で熱伝導率が大きいという理由からマグネシア(酸化マ
グネシウム)が用いられている。
【0003】保護管の材質がSUSやインコネルの場
合、連続使用できる限界温度は、例えば大気中で110
0℃程度である。これらの材質が耐えられないより過酷
な条件下では、ハステロイ、アルミナ、モリブテンなど
が保護管に用いられ、耐酸性、耐炭化性、及び耐熱性を
高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】窯業、ガラス製造、単
結晶育成、半導体製造プロセスにおけるウエーハ、ある
いはプロセスチャンバのドライクリーニングなど、高温
かつ酸化雰囲気またはその他の腐食性雰囲気で温度測定
が行われることがある。このような高温かつ酸化雰囲気
または腐食性雰囲気、特にフッ素系ガス雰囲気では、上
記材質の保護管は酸化または腐食されるため、そのよう
な保護管を用いた熱電対を長期間使用することはできな
い。
【0005】プロセス進行中に保護管内部の素線が劣化
すると、温度計測が不可能になり、プロセスを停止せざ
るを得ず、生産性を低下させてしまう。また、長寿命化
のために保護管を肉厚にすると、前記した従来使用され
ている材質は、密度、比熱が大きいため、保護管の熱容
量が大きくなり、温度変化に対する応答性が悪くなると
いう問題がある。従って、本発明では、高温かつ酸化雰
囲気またはその他の腐食性雰囲気でも長期間優れた耐性
を示し、温度変化に対する応答性の良い熱電対保護管を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、熱電対素線を保護するための熱電
対保護管であって、熱分解窒化ホウ素からなる一端が閉
じた中空の筒状成形体の外面に、熱分解炭素、炭素含有
熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、及び窒化アル
ミニウムのうちの少なくとも一種からなる被覆層が形成
されたものであることを特徴とする熱電対保護管が提供
される(請求項1)。
【0007】筒状成形体を構成する熱分解窒化ホウ素は
高温で耐久性に優れ、温度変化に対する応答性も良い。
また、被覆層を構成する熱分解炭素、炭素含有熱分解窒
化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、及び窒化アルミニウム
は、それぞれ高温かつ酸化雰囲気またはその他の腐食性
雰囲気等で熱分解窒化ホウ素以上に優れた耐久性を示
す。従って、熱分解窒化ホウ素からなる筒状成形体の外
面に、雰囲気に応じて選択された材質からなる被覆層が
形成された熱電対保護管であれば、高温かつ酸化雰囲気
またはその他の腐食性雰囲気で、酸化したり、あるいは
腐食するようなことが無い。例えば熱分解窒化ホウ素か
らなる筒状成形体の外面に、熱分解炭素からなる被覆層
が形成された保護管を用いた熱電対を使用すれば、高温
のフッ素系ガス雰囲気内でも、長時間の温度測定を安定
して行うことができる。
【0008】この場合、被覆層は、筒状成形体の外面に
化学気相蒸着法により形成されたものとすることができ
る(請求項2)。このように化学気相蒸着法によれば、
筒状成形体の外面に、所望の成分からなり、所望の厚さ
を有する緻密な被覆層とすることができる。
【0009】筒状成形体の厚さは、0.3〜1.5mm
の範囲にあるものであることが好ましく(請求項3)、
被覆層の厚さは、5〜50μmの範囲にあるものである
ことが好ましい(請求項4)。筒状成形体の厚さが上記
範囲であれば、強度や温度変化応答性に優れたものとな
る。また、被覆層の厚さが上記範囲であれば、高温下で
酸化雰囲気またはその他の腐食性雰囲気にさらされても
優れた耐性を示し、剥離するおそれも少ない。
【0010】筒状成形体の表面粗さに関しては、Raが
0.5μm以上であり、かつRmaxが5μm以上であ
ることが好ましい(請求項5)。筒状成形体の表面粗さ
が上記のように大きければ、被覆層との物理的接合力が
増大し、被覆層が剥離し難くなる。
【0011】また、筒状成形体と被覆層との線膨張係数
の差は、2.5×10−6/℃以内であることが好まし
い(請求項6)。筒状成形体と被覆層との線膨張係数の
差が上記のように小さければ、昇降温の繰り返し、ある
いは急速な昇降温においても被覆層が剥がれるおそれが
非常に小さくなる。
【0012】さらに、筒状成形体の密度は、1.9g/
cm以上、2.1g/cm以下であることが好まし
い(請求項7)。この範囲の密度であれば、強度、温度
変化対応性に優れ、また、化学気相蒸着により容易に製
造することができる。
【0013】筒状成形体の外径は、好ましくは3mm以
上、15mm以下である(請求項8)。筒状成形体の寸
法等は適宜決めれば良いが、上記のような大きさとすれ
ば、温度変化に対する応答性が良く、取扱い性にも優
れ、製造も容易である。
【0014】このような本発明に係る熱電対保護管を用
いてシース型熱電対を構成すれば、高温かつ酸化雰囲気
またはその他の腐食性雰囲気でも長期間安定して使用で
きるので、測温系のトラブルによるプロセスの停止が防
がれ、生産性の向上に寄与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。図1は、本発明にかかる熱電対保護管3の
一例の概略を示しており、熱分解窒化ホウ素からなる一
端が閉じた中空の筒状成形体1の外面に、被覆層2が形
成されている。
【0016】筒状成形体1を構成する熱分解窒化ホウ素
は、高温で優れた耐久性を示す材質であり、不活性雰囲
気であれば2200℃程度まで使用可能である。また、
熱分解窒化ホウ素からなる筒状成形体は、例えば化学気
相蒸着によって好適に得ることができる。特に、化学気
相蒸着により得られた熱分解窒化ホウ素は、緻密質であ
るため、気体を透過せず、また、金属よりも低密度で比
熱も小さいため、温度変化に対する応答性も非常に良
い。
【0017】本発明に係る熱電対保護管では、上記のよ
うな熱分解窒化ホウ素からなる筒状成形体の外面に、熱
分解炭素、炭素含有熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、炭化
珪素、及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも一種か
らなる被覆層が形成されている。この被覆層は、熱吸収
層として機能し、熱源からの輻射熱を効率よく吸収して
透過がほとんどなくなるので、温度変化に対する応答性
がより良い熱電対保護管となる。
【0018】例えば、熱分解炭素は、不活性雰囲気中で
2500℃まで使用可能である。また、炭素はフッ素と
電気陰性度の差が小さいので、フッ素系ガスにさらされ
ても腐食されにくい。従って、熱分解窒化ホウ素からな
る筒状成形体の外面に熱分解炭素を被覆して熱電対保護
管とすれば、高温かつフッ素系ガス雰囲気でも保護管内
の熱電対素線を保護し、長期間の使用に耐え得る熱電対
保護管とすることができる。
【0019】一方、酸化性雰囲気では、筒状成形体を構
成する熱分解窒化ホウ素自体は800℃程度まで使用で
きるが、それ以上の温度では酸化が無視できなくなって
くる。しかし、例えば、炭化珪素は酸化性雰囲気中でも
1600℃まで使用可能であるので、熱分解窒化ホウ素
からなる筒状成形体の外面に炭化珪素膜を被覆して熱電
対保護管とすれば、高温かつ酸化性雰囲気でも長期間使
用できる。
【0020】なお、被覆層の材質としては、雰囲気ガス
に対して耐酸化性あるいは耐腐食性のあるものを適宜選
択すればよく、前記した熱分解炭素や炭化珪素以外に
も、雰囲気ガスに応じ、炭素含有熱分解窒化ホウ素、窒
化珪素、及び窒化アルミニウム、あるいは各成分からな
る層を積層させた被覆層としても良い。これらの材質か
らなる被覆層も高温かつ酸化雰囲気またはその他の腐食
性雰囲気に対し優れた耐久性を示す。例えば、窒化珪素
からなる被覆層とすれば、酸化雰囲気に対して優れた耐
久性を示す。
【0021】上記のような筒状成形体と被覆層から構成
される本発明の熱電対保護管は、熱電対保護管としての
耐熱性、強度、さらに温度変化に対する応答性等を勘案
して、その厚さ、密度等を決めれば良いが、鋭意研究の
結果、以下のようなことが見出された。
【0022】まず、熱分解窒化ホウ素からなる筒状成形
体の厚さは、0.3mmより小さいと取り扱い時の破損
が懸念され、1.5mm以上では保護管の熱容量が大き
くなって、温度変化に対する応答性が悪くなる場合があ
るので、0.3〜1.5mmとするのが好ましい。この範
囲の厚さであれば、強度や温度変化応答性に優れたもの
となる。また、被覆層の厚さは、5μm以下では被覆層
の効果が十分発揮できない場合があり、50μm以上で
は使用中に被覆層が剥離するおそれがあるので、5〜5
0μmであることが好ましい。この範囲の厚さであれ
ば、高温の酸化雰囲気またはその他の腐食性雰囲気にお
いても耐久性に優れ、剥離するおそれも少ない。
【0023】さらに、熱分解窒化ホウ素からなる筒状成
形体の密度に関しては、熱電対保護管としての強度を十
分有するとともに、熱伝導率が高く温度変化に対する応
答性に優れるような密度とすることが好ましく、具体的
には、1.9g/cm以上、2.1g/cm以下である
ことが好ましい。なお、筒状成形体の密度が2.1g/c
より大きい場合、これは熱分解窒化ホウ素の結晶構
造がよく発達していることを意味するが、密度が高くな
ると、筒状成形体の厚さ方向への熱伝導率が小さくなっ
て、温度変化に対する応答性が悪くなるおそれがある。
これは、熱分解窒化ホウ素の熱伝導の異方性に基づくも
ので、結晶性が高くなるに従い、厚さ方向と面方向の熱
伝導率の差が大きくなるためである。一方、1.9g/c
〜2.1g/cmの密度の熱分解窒化ホウ素であれ
ば、強度と温度変化応答性に優れ、また、化学気相蒸着
法により容易に製造することができるという利点もあ
る。
【0024】熱分解窒化ホウ素の筒状成形体の寸法に関
しては適宜決めれば良いが、取扱い性等の面から、その
外径が、3mm以上、15mm以下であることが好まし
い。このような大きさの筒状成形体とすれば、保護管と
しての強度、温度変化応答性を十分発揮し、また、これ
を用いて熱電対としたときの取扱い性に優れ、製造も容
易である。一方、筒状成形体の外径が3mmより小さい
場合は取り扱い時の破損が懸念され、また筒状成形体の
外径が15mmより大きい場合は、保護管自身の熱容量
が大きくなると共に、保護管内に熱電対素線と共に封入
される絶縁物の充填量も増え、絶縁物の熱容量も大きく
なるので、温度変化に対する応答性が悪くなるおそれが
ある。
【0025】さらに、本発明の熱電対保護管では、昇降
温の繰り返しによる被覆層の剥離を防ぐため、熱分解窒
化ホウ素からなる筒状成形体の表面は比較的粗くし、ま
た、筒状成形体と被覆層との線膨張係数の差が小さいこ
とが好ましい。具体的には、表面粗さに関しては、Ra
が0.5μm以上、Rmaxが5μm以上の筒状成形体
としておけば、筒状成形体の外面に形成される被覆層と
の物理的接合力がアンカー効果によって増大し、被覆層
が剥離し難くなる。
【0026】また、筒状成形体と被覆層との線膨張係数
の差が大き過ぎると、昇降温の繰り返しにより被覆層が
剥離するおそれがあるが、その差が2.5×10−6/℃
以内であれば、筒状成形体と被覆層との膨張率が近く、
高温時の測定でも被覆層が剥離し難いものとなる。すな
わち、筒状成形体と被覆層との線膨張係数差を2.5×
10−6/℃以内とすることにより、筒状成形体と被覆
層の密着性が良く、昇降温の繰り返し、あるいは急速な
昇降温においても被覆層が剥がれるおそれが非常に小さ
くなる。そのため、信頼性が高い熱電対保護管とするこ
とができる。
【0027】以上のような本発明に係る熱電対保護管を
製造する方法に関しては特に限定されないが、熱電対保
護管を構成する筒状成形体と被覆層の全てを化学気相蒸
着法によって製造することができる。また、このように
化学気相蒸着法によって製造された熱電対保護管は、高
純度であり、アウトガスの発生もなく、熱電対保護管が
製品(被測定物)の汚染源になることも無いという利点
もある。なお、筒状成形体や被覆層の表面粗さ、厚さ、
密度等は、化学気相蒸着の条件、即ち、原料ガス組成、
雰囲気圧、温度などによって所望のものとすることがで
きる。
【0028】例えば、公知の方法により三塩化ホウ素と
アンモニアを原料とし、化学気相蒸着によりグラファイ
トのサセプタ上に熱分解窒化ホウ素からなる一端が閉じ
た中空の筒型成形体を形成する。次いで、この筒状成形
体の外面に、熱吸収層または保護膜として、熱分解炭
素、炭素含有熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、
及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも一種類からな
る被覆層を形成させるが、被覆層も筒型成形体と同様に
化学気相蒸着法で形成すれば良い。これにより、筒状成
形体の外面に密着した、所望の成分からなる被覆層を所
望の厚さで形成させることができる。
【0029】例えば熱分解炭素を形成する場合は、メタ
ンなどの炭化水素ガスを原料とし、また、炭素含有熱分
解窒化ホウ素の場合は三塩化ホウ素、アンモニア、炭化
水素ガスを原料として化学気相蒸着を行う。これによ
り、筒型成形体の外面に被覆層が形成され、本発明に係
る熱電対保護管を作製することができる。
【0030】上記のようにして作製した熱電対保護管を
用いてシース型熱電対を構成すれば、温度の応答特性が
良いとともに、高温かつ酸化雰囲気またはその他の腐食
性雰囲気で長期間使用しても保護管が酸化したり腐食し
たりしないため、温度を正確に測定し続けることができ
る。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により説明
する。 (実施例1)グラファイトからなるサセプタ上にアンモ
ニア5SLMと三塩化ホウ素2SLMを、圧力10To
rr、温度1800℃で反応させて化学気相蒸着により
内径5mm、外径7mm、長さ250mmで一端が閉じ
ている熱分解窒化ホウ素からなる筒型成形体を作製し
た。次にこの筒型成形体の外面に、メタン4SLMを圧
力5Torr、温度1750℃で熱分解させて、厚さ2
5μmの熱分解炭素を形成した。
【0032】このようにして得られた保護管内に、絶縁
物となるマグネシアと共にR型熱電対素線をエアーギャ
ップなく封入し、シース型熱電対を構成した。このシー
ス型熱電対をチャンバーに取り付け、チャンバー内部に
1%NF/Nを流した。チャンバー内部に設置され
ているヒーターに通電し、チャンバー内部を1300℃
に昇温した。150時間経過しても保護管外観に変化は
なく、熱電対の断線も発生しなかった。
【0033】(比較例1)内径5mm、外径7mm、長
さ250mmで一端が閉じているアルミナの細管を用
い、実施例1と同様にしてシース型熱電対を構成した。
このシース型熱電対をチャンバーに取り付け、チャンバ
ー内部に1%NF/Nを流した。チャンバー内部に
設置されているヒーターに通電しチャンバー内部を13
00℃に昇温した。34時間経過した時点で熱電対が断
線し温度計測が不可能になった。保護管表面にはNF
ガスによる腐食が観察された。
【0034】(比較例2)内径5mm、外径7mm、長
さ250mmで一端が閉じているモリブテンの細管を用
い、実施例1と同様にしてシース型熱電対を構成した。
このシース型熱電対をチャンバーに取り付け、チャンバ
ー内部に1%NF/Nを流した。チャンバー内部に
設置されているヒーターに通電しチャンバー内部を13
00℃に昇温した。62時間経過した時点で熱電対が断
線し温度計測が不可能になった。保護管表面にはNF
ガスによる腐食が観察された。
【0035】(実施例2)実施例1と同様にして熱分解
窒化ホウ素の筒型成形体を作製した。次にこの筒型成形
体の外面に表面処理を施し、表面粗さRa=1.1、R
max=11.7とした。更にこの筒型成形体の外面
に、アンモニア5SLMと、三塩化ホウ素2SLMと、
メタン1SLMとを圧力10Torr、温度1800℃
で反応させて、厚さ25μmの炭素含有熱分解窒化ホウ
素からなる被覆層を形成した。このようにして得られた
保護管を用い、700℃に加熱して水中に投下するとい
う手法で耐熱衝撃試験を行ったが、10回の加熱・水中
投下を繰り返した後も被覆層である炭素含有熱分解窒化
ホウ素層の剥離は発生しなかった。
【0036】(実施例3)実施例1と同様にして熱分解
窒化ホウ素の筒型成形体を作製した。次にこの筒型成形
体の外面に表面処理を施し、表面粗さRa=1.3、R
max=10.4とした。次にこの筒型成形体の外面に
実施例1と同様にして、厚さ25μmの熱分解炭素から
なる被覆層を形成した。このときの熱分解窒化ホウ素か
らなる筒型成形体の線膨張係数は3.5×10−6/℃、
熱分解炭素からなる被覆層の線膨張係数は1.7×10
−6/℃であり、両者の差は1.8×10−6/℃であっ
た。このようにして得られた保護管により実施例2と同
様の手法で耐熱衝撃試験を行ったが、10回の加熱・水
中投下を繰り返した後も被覆層である熱分解炭素層の剥
離は発生しなかった。
【0037】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、熱分解窒化ホウ素
からなる一端の閉じた中空の筒状成形体の外面に、熱吸
収層または保護膜として、熱分解炭素、炭素含有熱分解
窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、及び窒化アルミニウ
ムのうちの少なくとも一種からなる被覆層を目的に応じ
選択して形成させた熱電対保護管とすれば、高温かつ酸
化雰囲気またはその他の腐食性雰囲気でも長期間安定し
て使用でき、温度変化に対する応答性の良い熱電対保護
管とすることができる。従って、これを用いたシース型
熱電対により温度測定を行えば、内部の熱電対素線が損
傷等を受けず、測温系のトラブルによるプロセスの停止
が防がれるため、生産性の向上に寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱電対保護管の一例の概略図で
ある。
【図2】一般的なシース型熱電対の概略断面図である。
【符号の説明】
1…熱分解窒化ホウ素からなる筒状成形体、 2…被複
層、 3…熱電対保護管、 7…熱電対保護管、 8…
絶縁物、 9…熱電対素線、 10…シース型熱電対。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 明 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 Fターム(参考) 2F056 BP05 BP06 KC01 KC06 KC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電対素線を保護するための熱電対保護
    管であって、熱分解窒化ホウ素からなる一端が閉じた中
    空の筒状成形体の外面に、熱分解炭素、炭素含有熱分解
    窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、及び窒化アルミニウ
    ムのうちの少なくとも一種からなる被覆層が形成された
    ものであることを特徴とする熱電対保護管。
  2. 【請求項2】 前記被覆層が、前記筒状成形体の外面に
    化学気相蒸着法により形成されたものであることを特徴
    とする請求項1に記載の熱電対保護管。
  3. 【請求項3】 前記筒状成形体の厚さが、0.3〜1.
    5mmの範囲にあるものであることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の熱電対保護管。
  4. 【請求項4】 前記被覆層の厚さが、5〜50μmの範
    囲にあるものであることを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれか一項に記載の熱電対保護管。
  5. 【請求項5】 前記筒状成形体の表面粗さが、Raが
    0.5μm以上であり、かつRmaxが5μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一
    項に記載の熱電対保護管。
  6. 【請求項6】 前記筒状成形体と被覆層との線膨張係数
    の差が、2.5×10−6/℃以内であることを特徴と
    する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱電
    対保護管。
  7. 【請求項7】 前記筒状成形体の密度が、1.9g/c
    以上、2.1g/cm以下であることを特徴とす
    る請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱電対
    保護管。
  8. 【請求項8】 前記筒状成形体の外径が、3mm以上、
    15mm以下であることを特徴とする請求項1から請求
    項7のいずれか一項に記載の熱電対保護管。
JP2002147892A 2002-05-22 2002-05-22 熱電対保護管 Pending JP2003344169A (ja)

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