JP2003343813A - バーナおよびこれを用いた調理器 - Google Patents

バーナおよびこれを用いた調理器

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JP2003343813A
JP2003343813A JP2002156888A JP2002156888A JP2003343813A JP 2003343813 A JP2003343813 A JP 2003343813A JP 2002156888 A JP2002156888 A JP 2002156888A JP 2002156888 A JP2002156888 A JP 2002156888A JP 2003343813 A JP2003343813 A JP 2003343813A
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burner
combustion
premixed gas
combustor
burner according
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JP2002156888A
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Inventor
Ryoji Shimada
良治 島田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立上がりが速く燃焼量可変範囲が広いバーナ
を実現し、それによって高効率の焼成から保温まで幅広
い加熱調理が可能な調理器を提供すること。 【解決手段】 表面に酸化皮膜5を形成した金属細線6
の繊維集合体7からなる燃焼体4をバーナ本体1に配設
し、燃料予混合ガスの通過抵抗を変化させた領域を設け
て、通過抵抗が大きい領域を燃料予混合ガスが通過しな
い領域8としたことにより、燃焼量に応じて燃焼面10
の面積を最適化できるため、瞬時に高温の赤熱状態が実
現できる反面、燃焼体4の内部や裏面の温度上昇を抑制
し、燃焼量可変範囲の広いバーナ11が実現でき、この
バーナを調理器に取り付けることにより、効率の良い焼
成調理から保温に至るまで、広範な加熱調理が可能な調
理器を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス等を燃料とし
たバーナ、およびそれを加熱源とする調理器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のバーナは、特開平8−54107
号公報に記載されているようなものがあった。このバー
ナは図10に示されているように、多数の炎口60を設
けたアルミメッキ鋼板を加熱して、表面にFeとAlの
合金層による赤外線放射膜を形成して黒化処理した燃焼
体61をバーナ本体62に嵌合した構成であり、燃焼体
61における表面燃焼により加熱された赤外線放射膜か
ら輻射熱を放射し、食品を焼成調理するようになってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のバ
ーナでは、多数の炎口60から噴出する燃料予混合ガス
が炎口60近傍で燃焼し、隣り合う炎口60で形成され
る火炎が相互に干渉結合することによって膜状の火炎を
形成している。また、燃焼体61の板厚は、耐食性等を
加味して最低0.5mm以上のものを用いており、その
ため炎口60の直径は通常加工限界から板厚と同程度以
上の寸法が必要となるため、炎口60の直径は0.5m
m以上となっていた。したがって、燃焼量を大きく絞る
と、炎口60からの燃料予混合ガスの噴出速度と燃焼速
度のバランスが崩れて、炎口60を通じてバーナ本体6
1内に逆火を起こす可能性があり、実際には30%程度
しか絞ることができなかった。このようなバーナを焼成
調理器に応用した場合、燃焼体61そのものが温度上昇
して輻射を発するまである程度の時間を要するため、効
率の良い焼成ができないだけでなく、火力を絞っても被
加熱物の保温ができるような比較的低温雰囲気を実現す
ることができなかった。
【0004】また、燃焼体60はアルミメッキ鋼板を7
00〜800℃に加熱して、表面にFeとAlの合金層
による赤外線放射膜を形成するというものであるが、通
常アルミメッキ鋼板は、非加熱の状態での耐食性が最も
すぐれており、加熱後に形成されるFeとAlの合金層
は、微視的に見て多孔質になりやすく、部分的に基材の
鋼板部分が表面に露出する。特に、これをバーナとして
用いた場合、炎口60を形成した部分は完全に基材が露
出し、耐食性そのものが低下する傾向があった。さら
に、燃焼体61での表面燃焼による熱膨張あるいは消火
時の収縮により、きしみ音を発生するだけでなく、合金
層の剥離が促進され、全体としての耐食性が低下し、こ
のようなバーナを焼成調理器に用いた場合、長時間の使
用によって、炎口60が腐食を受け、炎口径の拡大や逆
に目詰まりが起きる可能性があるという課題があった。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、立上がりが速く燃焼量を大きく変動させても逆火な
どを起こさない安定燃焼を実現して、同時に高い耐食性
を確保できるバーナを提供することを主目的とし、その
バーナを用いて、効率の良い焼成から保温まで幅広い加
熱調理が可能な調理器を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、金属細線またはセラミックスの繊維集合
体からなる燃焼体と、燃焼体を収納し燃料予混合ガスを
導入するバーナ本体を備え、燃焼体の一部に燃料予混合
ガスが通過しない領域を設けたものである。また、燃焼
体は、金属細線またはセラミックスの繊維集合体をプレ
ート状に圧縮固形化し、燃料予混合ガスの通過抵抗をプ
レートの面方向に変化させて、燃焼体の一部に燃料予混
合ガスが通過しない領域を設けたものである。
【0007】上記の発明によれば、燃焼体を金属細線ま
たはセラミックスの繊維集合体で構成しているため、繊
維同士の接触面積は小さくなって熱伝導を抑制し、また
繊維間の空隙を縫うようにして燃料予混合ガスが通過す
るので、燃焼面で火炎が形成されても、燃焼面で瞬時に
高温の赤熱状態が実現できる反面、燃焼体の内部や裏面
の温度上昇を抑制し、逆火の発生を防止できる。また、
燃焼体の一部に燃料予混合ガスが通過しない領域を設け
たことにより、この部分が非燃焼領域となり、例えば対
象物を加熱する場合の加熱分布を調整することができ
る。
【0008】特に、金属細線またはセラミックスの繊維
集合体をプレート状に圧縮固形化し、燃料予混合ガスの
通過抵抗をプレートの面方向に変化させて、燃焼体の一
部に燃料予混合ガスが通過しない領域を設けたことによ
り、燃料予混合ガス量に応じて通過抵抗の小さい領域か
ら大きい領域まで燃焼面積を自然に変化させることがで
きるため、大燃焼量から小燃焼量まで広い範囲で、赤熱
の立上りが速いバーナを確保することができる。したが
って、燃焼体の一部を別部品で閉塞したり、燃焼体の一
部を切除したりして非燃焼領域を構成する必要がない。
したがって、効率が良く対象物に合わせた加熱分布を確
保でき、従来は極めて困難であった庫内での保温に至る
まで、広範な加熱が可能な調理器を実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、金属細
線またはセラミックスの繊維集合体からなる燃焼体と、
燃焼体を収納し燃料予混合ガスを導入するバーナ本体を
備え、燃焼体の一部に燃料予混合ガスが通過しない領域
を設けたことにより、各繊維同士の接触面積は小さくな
って相互の熱伝導を抑制し、また繊維間の空隙を縫うよ
うにして燃料予混合ガスが通過するので、燃焼体の燃焼
面で火炎が形成されても、燃焼面で瞬時に高温の赤熱状
態が実現できる反面、燃焼体の内部や裏面の温度上昇を
抑制し、逆火の発生を防止できる。また、燃焼体の一部
に燃料予混合ガスが通過しない領域を設けたことによ
り、この部分が非燃焼領域となり、対象物を加熱する場
合の加熱分布を調整できる。
【0010】請求項2に記載の発明は、燃焼体は、金属
細線またはセラミックスの繊維集合体をプレート状に圧
縮固形化し、燃料予混合ガスの通過抵抗をプレートの面
方向に変化させて、燃焼体の一部に燃料予混合ガスが通
過しない領域を設けたことにより、燃料予混合ガス量の
変化に応じて燃焼面積が自然に可変できるため、幅広い
燃焼量可変範囲を確保することができ、同時に長時間の
燃焼や断続に伴う繊維のほつれなどの変化を抑え、燃焼
体の経時劣化を防止することができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、燃焼体は、セラ
ミックスの繊維集合体をプレート状に圧縮固形化し、プ
レート面の略中央部の燃料予混合ガスの通過抵抗を大き
くして、燃料予混合ガスが通過しない領域を構成したこ
とにより、大燃焼量においても中央部への加熱集中を抑
えて均一に輻射熱を放射できるため、幅広い加熱範囲を
確保することができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、燃焼体は、金属
細線またはセラミックスの繊維集合体の圧縮度を、プレ
ート面の中央部から外周方向に変化させて、燃料予混合
ガスの通過抵抗を大きくした領域を構成したことによ
り、燃焼体のプレートを厚くすることなく、燃料予混合
ガスの通過抵抗を大きくした領域を構成できるため、薄
くコンパクトなバーナを確保できる。
【0013】請求項5に記載の発明は、燃焼体は、金属
細線またはセラミックスの繊維集合体のプレートの厚み
を、プレート面の中央部から外周方向に変化させて、燃
料予混合ガスの通過抵抗を大きくした領域を構成したこ
とにより、比較的小さい圧縮力によって燃料予混合ガス
の通過抵抗を高くした領域を構成できるため、加工が容
易である。
【0014】請求項6に記載の発明は、燃焼体は、F
e、Crを主成分とする耐熱耐食鋼からなる金属細線の
集合体を焼結させて金属細線の表面部に灰黒色または黒
青色を帯びた酸化皮膜を形成したことにより、燃焼体の
輻射率を向上して加熱効率を上げるだけでなく、酸化皮
膜によって燃焼体の耐食性を向上できるため、長寿命化
が図れる。
【0015】請求項7に記載の発明は、燃焼体は、金属
細線の集合体に油分を付着させた状態で、700〜90
0℃の大気中で加熱して、表面に灰黒色または黒青色を
帯びた酸化皮膜を形成したことにより、酸化皮膜の形成
過程においては、金属細線の表面付近が一定時間油分の
燃焼によるCO2、CO等が混じった低酸素濃度状態と
なり、選択的にFeOやFe34が形成され、次いでF
23、Cr23、NiOが形成され、全体が灰黒色ま
たは黒青色を帯びた輻射率の高い酸化皮膜の形成が容易
に実現できる。
【0016】請求項8に記載の発明は、燃焼体は、金属
細線の集合体を700〜900℃でかつ大気より一定の
低酸素濃度雰囲気中で加熱して、表面に灰黒色または黒
青色を帯びた酸化皮膜を形成したことにより、一定の低
酸素濃度雰囲気を構成することにより、金属細線への油
分の有無に関わらず、安定した色調の酸化皮膜を形成す
ることができる。
【0017】請求項9に記載の発明は、酸化皮膜は、A
23、SiO2、FeO、Fe3O4、Fe23、Cr
23、NiOの金属酸化物の内から選ばれた化合物を成
分としたことにより、燃焼体の耐熱耐食性を向上し、同
時に輻射率の高い酸化皮膜を実現できる。
【0018】請求項10に記載の発明は、燃焼体は、A
23、SiO2、SiC、Si3 4のセラミックスの
内から選ばれた化合物を成分としたことにより、半永久
的な耐久性を有する燃焼体を実現できる。
【0019】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0いずれか1項に記載のバーナを、燃焼面を下方に向け
て焼成庫の上部に設けたことにより、赤熱の立上りが速
く幅広い燃焼量可変範囲をもつバーナを確保することが
できるので、効率の良い焼成調理から、従来困難であっ
た低燃焼量における保温に至るまで、広範な加熱調理を
可能にすることができる。
【0020】請求項12に記載の発明は、請求項1〜1
0いずれか1項に記載のバーナを、燃焼面を下方に向け
て焼成庫の上部に設け、焼成庫の下部に下部加熱手段を
設けたことにより、焼成庫の上下から同時に焼成調理が
できるだけでなく、上部のバーナの燃焼量を大きく絞る
ことが可能なため、比較的狭い焼成庫であって分厚い被
加熱物を載置しても、その上面が早く焦げることがな
く、バランスの良い仕上がりを実現することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0022】(実施例1)本発明の実施例1について図
1、図2、図3を参照して説明する。図1は、本実施例
のバーナの燃焼面を示す正面図、図2は同バーナの断面
図、図3は燃焼体における金属細線の繊維集合体の部分
拡大断面図である。
【0023】図において、1はアルミめっき鋼板、ステ
ンレス等の耐熱性金属からなるバーナ本体で、燃料予混
合ガスの混合管2と、混合管2と連通する略方形の凹部
を形成した拡散室3を構成している。
【0024】また4は、Fe、Crを主成分とする耐熱
耐食鋼、例えばSUS430、SUS436等のフェラ
イト系ステンレス鋼、SUS304、SUS316、S
US321等のオーステナイト系ステンレス鋼などの耐
熱耐食鋼を素材とし、表面に酸化皮膜5を形成した金属
細線6の繊維集合体7を圧縮固形化して構成した略方形
のプレート状の燃焼体で、バーナ本体1の拡散室を被覆
するように設置されている。燃焼体4の金属細線6の線
径は、50〜150μmの範囲(望ましくは100μ
m)である。また、燃焼体4は面方向に外周部から中央
部に至って圧縮度を増大させることによって、中央部の
空隙率を最も低くし、中央部から外周方向へ向かっては
段階的または徐々に増大させ、外周部近傍の帯状の領域
では空隙率80〜95%(望ましくは90%)としてい
る。この時、燃焼体4を燃料予混合ガスが通過する際の
通過抵抗は、プレート面の中央部近傍が最大となって、
中央部近傍が燃料予混合ガスが通過しない領域8となっ
ている。さらに、燃焼体4の厚みは1〜5mmが適当で
あるが、燃焼体4の温度上昇を考慮した場合、2mmの
厚みが最適である。
【0025】また、燃焼体4の周端部とバーナ本体1と
の接触部は、燃焼体4の外周端部は枠体9により固定さ
れ、燃焼体4の位置ずれと燃料予混合ガスの漏洩を防止
している。このように、燃焼体4の外気へ露出している
部分のうち、外周部近傍の帯状の領域で燃焼面10を形
成して、バーナ11を構成している。
【0026】次に動作、作用について説明すると、燃料
予混合ガスはバーナ本体1の混合管2から導入されたの
ち、燃焼体4内の金属細線6間の空隙を通過して燃焼体
4の近傍で、何らかの点火手段(図示せず)によって点
火されると、大燃焼量の場合は燃料予混合ガス量が多く
なり、一部通過抵抗の大きい領域にまで燃料予混合ガス
が通過するため、図1(a)示すように、燃焼面10は
領域Aのように中央部近傍まで拡大されたものとなっ
て、この領域がに存在する金属細線6が急激に高温化
し、燃焼体4の燃焼面10がほぼ瞬時に赤熱状態とな
る。この時、各金属細線6同士の接触面積は非常に小さ
いため金属細線6間の熱伝導が抑制されるため、燃焼体
4の裏面部は燃料予混合ガスの流通によって冷却され、
温度上昇が抑制される。また、燃焼体4内の金属細線6
同士がこみいった空隙を縫うようにして燃料予混合ガス
が通過するので、逆火の発生を防止できる。
【0027】一方、小燃焼量の場合は、燃料予混合ガス
量が少なくなり、最も通過抵抗の小さい領域のみを燃料
予混合ガスが通過するため、図1(b)に示すように、
燃焼面10は領域Bのように領域Aより小さい面積とな
る。したがって、大燃焼量から小燃焼量まで燃料予混合
ガス量が変化しても、それに応じて燃焼面積が最適化さ
れることになり、幅広い燃焼量可変範囲を持ったバーナ
11を構成できる。本実施例の場合、燃焼量は1/5〜
1/10程度まで可変できる。
【0028】また、バーナ本体1の中央部が燃料予混合
ガスが通過しない領域8となることにより、対象となる
被加熱物面の中央が集中的に加熱されることがなく均一
な加熱状態を実現できる。
【0029】さらに、金属細線6の表面には酸化皮膜5
が形成されているため、燃焼面10の赤熱を輻射熱とし
て効果的に放熱し、燃焼面10の温度上昇を抑制でき
る。
【0030】したがって、赤熱の立上りが速く幅広い燃
焼量可変範囲で安定燃焼が可能な比較的薄型のバーナ1
1を確保することができる。
【0031】(実施例2)本発明の実施例2について図
4を参照して説明する。図4は、本実施例のバーナの断
面図である。
【0032】実施例1と異なる点は、燃焼体20におい
て、金属細線6の繊維集合体21の厚みを、プレート面
の中央部から外周方向に変化させて、中央部近傍に燃料
予混合ガスの通過抵抗を大きくした領域を構成し、この
部分を燃料予混合ガスが通過しない領域22とした点で
ある。
【0033】次に動作、作用について説明すると、大燃
焼量の場合は燃料予混合ガス量が多くなり、燃焼面23
は領域Cのように中央部近傍の厚い部分まで拡大された
ものとなり、小燃焼量の場合は燃料予混合ガス量が少な
くなり、燃焼面23は領域Dのように外周部近傍の薄い
部分となって、領域Cより小さい面積となる。したがっ
て、実施例1と同様に、大燃焼量から小燃焼量まで燃料
予混合ガス量が変化しても、それに応じて燃焼面積が最
適化されることになり、幅広い燃焼量可変範囲を持った
バーナ24を構成できる。この場合、圧縮度を増大させ
る必要はないため、プレス力を強めなくても加工が容易
に行える。
【0034】(実施例3)本発明の実施例3について図
5参照して説明する。図5は、燃焼体におけるセラミッ
クスの繊維集合体の部分拡大断面図である。
【0035】図において、燃焼体30は、Al23、S
iO2、SiC、Si34などの耐熱耐食性に優れた酸
化物を素材としたセラミックス31の繊維集合体32を
圧縮固形化したものである。
【0036】次に、動作、作用について説明すると、各
セラミックス31繊維同士の接触面積は非常に小さく、
金属に比べて熱容量が大きいため、各セラミックス31
繊維間の熱伝導が抑制されるため、燃焼体30の裏面部
は燃料予混合ガスの流通によって冷却され、金属に比べ
てさらに温度上昇が抑制される。また、耐熱耐食性が優
れているため、半永久的な使用が可能となる。
【0037】(実施例4)本発明の実施例4について図
6を参照して説明する。図6は、金属細線の繊維集合体
を用いた燃焼体における酸化皮膜の形成過程を示す工程
図である。
【0038】図において金属細線6は耐熱耐食鋼とし
て、Cr16%、Ni7%、Si1%のオーステナイト
系ステンレス鋼板(SUS304、一例として、日新製
鋼製のNSS304M2N04)を素材とし、油分(一
例として日本石油製の「日石ユニカットTB45」、外
観:無色または淡黄色透明液体、粘度(30℃):4
7.1cSt、引火点:160℃)を、金属細線6の集
合体7に付着させて、余分な油分を除去したのち、70
0〜900℃の大気中で4分程度加熱して、表面に酸化
皮膜5を形成したものである。加熱炉は約8mのホーロ
ー加工用トンネル炉を用い、加熱温度は実際には810
〜850℃が好ましい。
【0039】次に酸化皮膜5の形成過程について説明す
ると、燃焼体4の全体は、一定時間油分の燃焼によるC
2、CO等が混じって低酸素濃度状態となり、金属細
線6の表面に選択的にFeOやFe34が形成され、次
いでFe23、Cr23、NiO、Al23、SiO2
が形成され、全体が黒青色を帯びた酸化皮膜5の形成に
より輻射皮膜化が実現できる。この時、酸化皮膜5を形
成した燃焼体4の表面の平均輻射率は0.5以上とな
り、燃焼体4の表面で燃焼させた場合、良好な放熱が行
えて燃焼体4の過度の温度上昇が抑えられる。さらに処
理温度は、700〜900℃(好ましくは810〜85
0℃)にほぼ一定した状態であるため、酸化皮膜5の形
成が一段階で行えるだけでなく、前記の温度帯は、通常
のホーロー処理炉で使用される温度帯であるため、専用
の処理施設が不要である。
【0040】(実施例5)本発明の実施例5について図
7を参照して説明する。図7は、燃焼体への酸化皮膜形
成過程を示す工程図である。
【0041】実施例4と異なる点は、金属細線6の繊維
集合体7表面の油分の有無に関わらず、加熱雰囲気の酸
素濃度を15〜10%程度の低酸素濃度に調節した点で
ある。酸素濃度の調節は、加熱雰囲気内に燃焼排ガスを
混入するか窒素を一定量追加することによって行ってい
る。
【0042】次に酸化皮膜の形成過程について説明する
と、金属細線6の繊維集合体7が脱脂処理を施されて表
面に油分が存在しない場合でも、前記の低酸素濃度雰囲
気を構成することにより、表面に安定した色調の酸化皮
膜5を形成することができる。この時の燃焼体4の表面
の平均輻射率は、実施例2と同程度の0.5以上が確保
できる。
【0043】(実施例6)本発明の実施例6について図
面を参照して説明する。図8は、本実施例のバーナを用
いた調理器の断面図である。なお、実施例1と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0044】図において、調理器40は、被加熱物41
を収納した焼成庫42の上部に、実施例1におけるバー
ナ11を燃焼面10を下方に向けて設けたものである。
【0045】次に動作、作用について説明すると、バー
ナ11は赤熱の立上りが速く幅広い燃焼量可変範囲で安
定燃焼が可能であることから、点火初期から直下の被加
熱物41を効率良く焼成調理するだけでなく、従来困難
であった低燃焼量における保温も可能となり、広範な加
熱調理を可能にすることができる。
【0046】(実施例7)本発明の実施例7について図
面を参照して説明する。図9は、本実施例のバーナを用
いた別の調理器の断面図である。なお、実施例1と同一
符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0047】図において、調理器50は、被加熱物51
を収納した焼成庫52の上部に、実施例1におけるバー
ナ11を燃焼面10を下方に向けて設け、被加熱物51
の下方の左右側壁近傍に、ブンゼンバーナからなる下部
加熱手段53を設けたものである。
【0048】次に動作、作用について説明すると、バー
ナ11と下部加熱手段53によって、被加熱物51は焼
成庫52の上下から同時に焼成調理ができるだけでな
く、バーナ11の燃焼量を大きく絞ることが可能なた
め、比較的狭い焼成庫52であって分厚い被加熱物51
を載置しても、その上面が早く焦げることがなく、上下
の焼きバランスの良い仕上がりを実現することができ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大燃焼
量から小燃焼量まで燃焼面の面積を燃料予混合ガスの通
過抵抗によって最適化できるため、瞬時に高温の赤熱状
態が実現できる反面逆火の発生を防止でき、燃焼量可変
範囲が広いバーナが実現できるので、効率の良い焼成調
理から、従来は極めて困難であった庫内での保温に至る
まで、広範な加熱調理が可能な調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1のバーナで大燃焼量を
燃焼させた燃焼面を示す正面図 (b)本発明の実施例1のバーナで小燃焼量を燃焼させ
た燃焼面を示す正面図
【図2】本発明の実施例1のバーナの断面図
【図3】本発明の実施例1のバーナの燃焼体の金属細線
の部分拡大図
【図4】本発明の実施例2のバーナの断面図
【図5】本発明の実施例3のバーナの燃焼体のセラミッ
クスの繊維集合体の部分拡大図
【図6】本発明の実施例4の燃焼体への酸化皮膜の形成
過程を示す工程図
【図7】本発明の実施例5の燃焼体への酸化皮膜の形成
過程を示す工程図
【図8】本発明の実施例6の調理器の断面図
【図9】本発明の実施例7の調理器の断面図
【図10】従来のバーナの正面図
【符号の説明】
1 バーナ本体 4、20、30 燃焼体 5 酸化皮膜 6 金属細線 7、21、32 繊維集合体 8、22 燃料予混合ガスが通過しない領域 10、23 燃焼面 11、24 バーナ 31 セラミックス 40、50 調理器 42、52 焼成庫 53 下部加熱手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属細線またはセラミックスの繊維集合
    体からなる燃焼体と、燃焼体を収納し燃料予混合ガスを
    導入するバーナ本体を備え、燃焼体の一部に燃料予混合
    ガスが通過しない領域を設けたバーナ。
  2. 【請求項2】 燃焼体は、金属細線またはセラミックス
    の繊維集合体をプレート状に圧縮固形化し、燃料予混合
    ガスの通過抵抗をプレートの面方向に変化させ、燃焼体
    の一部に燃料予混合ガスが通過しない領域を設けた請求
    項1に記載のバーナ。
  3. 【請求項3】 燃焼体は、金属細線またはセラミックス
    の繊維集合体をプレート状に圧縮固形化し、プレート面
    の略中央部の燃料予混合ガスの通過抵抗を最も大きくし
    て、燃料予混合ガスが通過しない領域を構成した請求項
    2に記載のバーナ。
  4. 【請求項4】 燃焼体は、金属細線またはセラミックス
    の繊維集合体の圧縮度を、プレート面の中央部から外周
    方向に変化させて、燃料予混合ガスの通過抵抗を大きく
    した領域を構成した請求項2または3に記載のバーナ。
  5. 【請求項5】 燃焼体は、金属細線またはセラミックス
    の繊維集合体のプレートの厚みを、プレート面の中央部
    から外周方向に変化させて、燃料予混合ガスの通過抵抗
    を大きくした領域を構成した請求項2または3に記載の
    バーナ。
  6. 【請求項6】 燃焼体は、Fe、Crを主成分とする耐
    熱耐食鋼からなる金属細線の集合体を焼結させて、金属
    細線の表面部に灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜を
    形成した請求項1〜5のいずれか1項に記載のバーナ。
  7. 【請求項7】 燃焼体は、金属細線の集合体に油分を付
    着させた状態で、700〜900℃の大気中で加熱し
    て、表面に灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜を形成
    した請求項6に記載のバーナ。
  8. 【請求項8】 燃焼体は、金属細線の集合体を700〜
    900℃でかつ大気より一定の低酸素濃度雰囲気中で加
    熱して、表面に灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜を
    形成した請求項6に記載のバーナ。
  9. 【請求項9】 酸化皮膜は、Al23、SiO2、Fe
    O、Fe34、Fe2 3、Cr23、NiOの金属酸化
    物の内から選ばれた化合物を成分とした請求項5〜8の
    いずれか1項に記載のバーナ。
  10. 【請求項10】 燃焼体は、Al23、SiO2、Si
    C、Si34のセラミックスの内から選ばれた化合物を
    成分とした請求項1〜3のいずれか1項に記載のバー
    ナ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のバーナを、燃焼面を下方に向けて焼成庫の上部に設け
    た調理器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のバーナを、燃焼面を下方に向けて焼成庫の上部に設
    け、焼成庫の下部に下部加熱手段を設けた調理器。
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