JP2000329315A - バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロ - Google Patents
バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロInfo
- Publication number
- JP2000329315A JP2000329315A JP14181599A JP14181599A JP2000329315A JP 2000329315 A JP2000329315 A JP 2000329315A JP 14181599 A JP14181599 A JP 14181599A JP 14181599 A JP14181599 A JP 14181599A JP 2000329315 A JP2000329315 A JP 2000329315A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- burner
- flame
- oxide film
- cap
- burner cap
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Gas Burners (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い熱効率を有するバーナを実現し、それに
より良好な調理性能を実現するコンロを得ることを課題
とする。 【解決手段】 バーナキャップ17はスリット炎口群2
1を形成した後、油分を表面に付着させたままで、70
0〜900゜Cの大気中で加熱して、表面に黒青色を帯
びた酸化皮膜24を形成させることにより、火炎の対流
熱と酸化皮膜24からの輻射熱の両方を利用でき、熱の
集中化が可能な高効率なバーナが実現できる。
より良好な調理性能を実現するコンロを得ることを課題
とする。 【解決手段】 バーナキャップ17はスリット炎口群2
1を形成した後、油分を表面に付着させたままで、70
0〜900゜Cの大気中で加熱して、表面に黒青色を帯
びた酸化皮膜24を形成させることにより、火炎の対流
熱と酸化皮膜24からの輻射熱の両方を利用でき、熱の
集中化が可能な高効率なバーナが実現できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス等を燃料とし
たバーナ、およびそのバーナを加熱源とするコンロに関
するものである。
たバーナ、およびそのバーナを加熱源とするコンロに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のバーナは、特開平9−15
9119号公報に記載されているようなものがあった。
このバーナは図5(a)(b)に示されているように、
内側に向く多数の炎口1を内周面の周方向に列設し、理
論燃焼空気量の±30%以内の空気で燃焼させる環状バ
ーナ2であり、さらにその底部を遮蔽板3によって閉塞
したもので、コンロ等に応用した場合、遮蔽板3によっ
て二次空気の供給を抑えて燃焼させて、高い熱効率を確
保しながら、低NOxを実現するというものであった。
9119号公報に記載されているようなものがあった。
このバーナは図5(a)(b)に示されているように、
内側に向く多数の炎口1を内周面の周方向に列設し、理
論燃焼空気量の±30%以内の空気で燃焼させる環状バ
ーナ2であり、さらにその底部を遮蔽板3によって閉塞
したもので、コンロ等に応用した場合、遮蔽板3によっ
て二次空気の供給を抑えて燃焼させて、高い熱効率を確
保しながら、低NOxを実現するというものであった。
【0003】また従来の表面処理方法を用いたバーナ
は、特開平8−54107号公報に記載されているよう
なものがあった。このバーナは図6に示されているよう
に、燃焼板4として多数の炎口5を設けたアルミニウム
メッキ鋼板を加熱して、表面にFeとAlの合金層によ
る赤外線放射膜を形成するというもので、黒化処理した
燃焼板4をバーナ体に嵌合した構成であり、燃焼板にお
ける表面燃焼により加熱された赤外線放射膜から輻射熱
を放射するようになっていた。
は、特開平8−54107号公報に記載されているよう
なものがあった。このバーナは図6に示されているよう
に、燃焼板4として多数の炎口5を設けたアルミニウム
メッキ鋼板を加熱して、表面にFeとAlの合金層によ
る赤外線放射膜を形成するというもので、黒化処理した
燃焼板4をバーナ体に嵌合した構成であり、燃焼板にお
ける表面燃焼により加熱された赤外線放射膜から輻射熱
を放射するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記する
従来のバーナをコンロ等に応用した場合、煮零れなどが
発生した時には、あふれた煮汁が遮蔽板3上に蓄積する
だけでなく、火炎は内側に集中して形成されるため、燃
焼的には一次空気に依存したものであり、どうしても二
次空気を求めて火炎長が長くなるという課題もあった。
従来のバーナをコンロ等に応用した場合、煮零れなどが
発生した時には、あふれた煮汁が遮蔽板3上に蓄積する
だけでなく、火炎は内側に集中して形成されるため、燃
焼的には一次空気に依存したものであり、どうしても二
次空気を求めて火炎長が長くなるという課題もあった。
【0005】また従来の表面処理法を用いたバーナは、
アルミニウムメッキ鋼板を700〜800゜Cに加熱し
て、表面にFeとAlの合金層による赤外線放射膜を形
成するというものであるが、通常アルミニウムメッキ鋼
板は、非加熱の状態での耐食性が最もすぐれており、加
熱後に形成されるFeとAlの合金層は、微視的に見て
多孔質になりやすく、部分的に基材の鋼板部分が表面に
露出する。特に、このアルミニウムメッキ鋼板をバーナ
の構成材料として用いた場合、炎口5を形成した部分は
完全に基材の鋼板が露出し、耐食性そのものが低下する
傾向があった。さらに、燃焼板4での表面燃焼による熱
膨張あるいは消火時の収縮により、きしみ音を発生する
だけでなく、合金層の剥離が促進され、全体としての耐
食性が低下し、このようなバーナを焼成調理器に用いた
場合、長時間の使用によって、炎口5部分が腐食され、
目詰まりが起きる可能性があるという課題があった。
アルミニウムメッキ鋼板を700〜800゜Cに加熱し
て、表面にFeとAlの合金層による赤外線放射膜を形
成するというものであるが、通常アルミニウムメッキ鋼
板は、非加熱の状態での耐食性が最もすぐれており、加
熱後に形成されるFeとAlの合金層は、微視的に見て
多孔質になりやすく、部分的に基材の鋼板部分が表面に
露出する。特に、このアルミニウムメッキ鋼板をバーナ
の構成材料として用いた場合、炎口5を形成した部分は
完全に基材の鋼板が露出し、耐食性そのものが低下する
傾向があった。さらに、燃焼板4での表面燃焼による熱
膨張あるいは消火時の収縮により、きしみ音を発生する
だけでなく、合金層の剥離が促進され、全体としての耐
食性が低下し、このようなバーナを焼成調理器に用いた
場合、長時間の使用によって、炎口5部分が腐食され、
目詰まりが起きる可能性があるという課題があった。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、火炎の方向を上方に向けるとともに、周囲からの二
次空気の拡散を促進して火炎長を短くし燃焼性を向上さ
せると共に、炎口部全体から輻射を発生させるバーナを
提供することを主目的とする。そして、前記主目的を達
成する手段となるバーナキャップの処理法とバーナの製
造方法ならびにそのバーナをコンロ用バーナとして用い
て、鍋などの被加熱物との距離を接近させて高い熱効率
を確保しながら良好な調理性能を確保し、さらに煮零れ
による煮汁の蓄積をも抑制し得るコンロを提供しようと
するものである。
で、火炎の方向を上方に向けるとともに、周囲からの二
次空気の拡散を促進して火炎長を短くし燃焼性を向上さ
せると共に、炎口部全体から輻射を発生させるバーナを
提供することを主目的とする。そして、前記主目的を達
成する手段となるバーナキャップの処理法とバーナの製
造方法ならびにそのバーナをコンロ用バーナとして用い
て、鍋などの被加熱物との距離を接近させて高い熱効率
を確保しながら良好な調理性能を確保し、さらに煮零れ
による煮汁の蓄積をも抑制し得るコンロを提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の主目的を
達成するために、燃料予混合ガスの混合室を形成したバ
ーナ本体上に、耐熱耐食性鋼板からなるバーナキャップ
を載置し、前記バーナキャップの側面部には上部から下
部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面が構成されてお
り、前記傾斜面に複数のスリット炎口群の集合体からな
る炎口部を設けると共に、前記傾斜面に酸化皮膜を形成
したものである。また、上記目的を達成するための一つ
の手段としてステンレス鋼板からなるバーナキャップの
表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜Cの
大気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成したものであ
る。
達成するために、燃料予混合ガスの混合室を形成したバ
ーナ本体上に、耐熱耐食性鋼板からなるバーナキャップ
を載置し、前記バーナキャップの側面部には上部から下
部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面が構成されてお
り、前記傾斜面に複数のスリット炎口群の集合体からな
る炎口部を設けると共に、前記傾斜面に酸化皮膜を形成
したものである。また、上記目的を達成するための一つ
の手段としてステンレス鋼板からなるバーナキャップの
表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜Cの
大気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成したものであ
る。
【0008】上記発明によれば、炎口部をバーナキャッ
プの上部から下部に至り傾斜面に設けているため、火炎
全体がほぼ直上向きに発生して熱の集中を促進できるだ
けでなく、炎口部はスリット炎口群の集合体としている
ため、各スリット炎口群で形成される火炎同士の干渉を
抑制して火炎を分割し、炎口部全体としての短炎化を実
現でき、同時にバーナキャップの表面に形成した酸化皮
膜から輻射熱も発生するため、バーナキャップで発生し
た対流熱と輻射熱を同時に活用できる。また、バーナキ
ャップを700〜900゜Cの大気中で表面に付着した
油分とともに加熱することにより、バーナキャップの表
面付近が一定時間CO2、CO等が混じって低酸素濃度
状態となり、選択的にFeOやFe3O4が形成され、油
分がほぼ完全に燃焼した時点以降で、Fe2O3、Cr2
O3、NiO、Al2O3、SiO2などが徐々に形成しは
じめるため、全体が灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮
膜となり、高い輻射率を保持したものが形成される。こ
の時、温度は、700〜900゜Cにほぼ一定した状態
で加熱できるため、表面処理が一段階で行え、さらに前
記の温度帯は、通常のホーロー処理炉と同程度の温度帯
であるため、専用の処理施設が不要である。
プの上部から下部に至り傾斜面に設けているため、火炎
全体がほぼ直上向きに発生して熱の集中を促進できるだ
けでなく、炎口部はスリット炎口群の集合体としている
ため、各スリット炎口群で形成される火炎同士の干渉を
抑制して火炎を分割し、炎口部全体としての短炎化を実
現でき、同時にバーナキャップの表面に形成した酸化皮
膜から輻射熱も発生するため、バーナキャップで発生し
た対流熱と輻射熱を同時に活用できる。また、バーナキ
ャップを700〜900゜Cの大気中で表面に付着した
油分とともに加熱することにより、バーナキャップの表
面付近が一定時間CO2、CO等が混じって低酸素濃度
状態となり、選択的にFeOやFe3O4が形成され、油
分がほぼ完全に燃焼した時点以降で、Fe2O3、Cr2
O3、NiO、Al2O3、SiO2などが徐々に形成しは
じめるため、全体が灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮
膜となり、高い輻射率を保持したものが形成される。こ
の時、温度は、700〜900゜Cにほぼ一定した状態
で加熱できるため、表面処理が一段階で行え、さらに前
記の温度帯は、通常のホーロー処理炉と同程度の温度帯
であるため、専用の処理施設が不要である。
【0009】また、天板のコンロ開口部に汁受け皿を配
置し、汁受け皿のバーナ開口部に前記のバーナを配設
し、隣り合うスリット炎口群の間の火炎の小さい部分に
対応する位置に五徳の爪体を配設したものである。
置し、汁受け皿のバーナ開口部に前記のバーナを配設
し、隣り合うスリット炎口群の間の火炎の小さい部分に
対応する位置に五徳の爪体を配設したものである。
【0010】上記コンロの発明によれば、五徳上に鍋等
を載置して調理を行う場合、前記のバーナの短炎化構成
により、鍋とバーナとの距離を近くしてもCOの排出が
少ない安定燃焼が実現でき、また酸化皮膜からの輻射熱
も加味して熱の集中化ができるため、高い熱効率を確保
できる。また、スリット炎口群の間の火炎の小さい部分
に五徳の爪体が位置するため、爪体が火炎に強くあぶら
れる事が少なく、それによる熱効率の低下やCOの排出
も最小限にとどめることができる。
を載置して調理を行う場合、前記のバーナの短炎化構成
により、鍋とバーナとの距離を近くしてもCOの排出が
少ない安定燃焼が実現でき、また酸化皮膜からの輻射熱
も加味して熱の集中化ができるため、高い熱効率を確保
できる。また、スリット炎口群の間の火炎の小さい部分
に五徳の爪体が位置するため、爪体が火炎に強くあぶら
れる事が少なく、それによる熱効率の低下やCOの排出
も最小限にとどめることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するために各請
求項に記載した構成を実施形態とし得る。すなわち請求
項1の発明は、燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
ナ本体と、このバーナ本体上に載置した耐熱耐食性鋼板
からなるバーナキャップとを備えていて、前記バーナキ
ャップの側面部には上部から下部にかけて外周方向に傾
斜させた傾斜面が構成されており、前記傾斜面に複数の
炎口群の集合体からなる炎口部を設けると共に、前記傾
斜面に輻射皮膜を形成したものである。この炎口部によ
り、火炎全体を短炎化し、ほぼ直上向きにし、輻射熱を
加味して熱の集中を促進させることができる。
求項に記載した構成を実施形態とし得る。すなわち請求
項1の発明は、燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
ナ本体と、このバーナ本体上に載置した耐熱耐食性鋼板
からなるバーナキャップとを備えていて、前記バーナキ
ャップの側面部には上部から下部にかけて外周方向に傾
斜させた傾斜面が構成されており、前記傾斜面に複数の
炎口群の集合体からなる炎口部を設けると共に、前記傾
斜面に輻射皮膜を形成したものである。この炎口部によ
り、火炎全体を短炎化し、ほぼ直上向きにし、輻射熱を
加味して熱の集中を促進させることができる。
【0012】また、請求項2の発明は、炎口部を請求項
1記載の発明における傾斜面の上部から下部にかけて放
射状に設けた複数のスリット炎口群としたものである。
この炎口部により、炎口部の下部では隣り合うスリット
炎口群との間隔が広くなって、下部からの二次空気の流
入が良好となり、短炎化が図れる。
1記載の発明における傾斜面の上部から下部にかけて放
射状に設けた複数のスリット炎口群としたものである。
この炎口部により、炎口部の下部では隣り合うスリット
炎口群との間隔が広くなって、下部からの二次空気の流
入が良好となり、短炎化が図れる。
【0013】また、傾斜面に形成する酸化皮膜は請求項
3の発明のように灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜
とするとよい。
3の発明のように灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜
とするとよい。
【0014】また、請求項4の発明は、バーナキャップ
の表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜C
の大気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成することに
より灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜とすることが
できる。この酸化皮膜の形成過程において、バーナキャ
ップの表面付近が一定時間油分の燃焼によるCO2、C
O等が混じって低酸素濃度状態となり、選択的にFeO
やFe3O4が形成され、次いでFe2O3、Cr2O3、
NiOが形成され、全体が灰黒色または黒青色を帯びた
輻射皮膜が実現できる。また温度は、700〜900゜
Cにほぼ一定した状態であるため、表面処理が一段階で
行えるだけでなく、バーナキャップの成型時の残留応力
の除去が行え、さらに前記の温度帯は、通常のホーロー
処理炉と同程度の温度帯であるため、専用の処理施設が
不要である。
の表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜C
の大気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成することに
より灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜とすることが
できる。この酸化皮膜の形成過程において、バーナキャ
ップの表面付近が一定時間油分の燃焼によるCO2、C
O等が混じって低酸素濃度状態となり、選択的にFeO
やFe3O4が形成され、次いでFe2O3、Cr2O3、
NiOが形成され、全体が灰黒色または黒青色を帯びた
輻射皮膜が実現できる。また温度は、700〜900゜
Cにほぼ一定した状態であるため、表面処理が一段階で
行えるだけでなく、バーナキャップの成型時の残留応力
の除去が行え、さらに前記の温度帯は、通常のホーロー
処理炉と同程度の温度帯であるため、専用の処理施設が
不要である。
【0015】また、請求項5の発明はバーナキャップを
700〜900゜Cでかつ大気よりも低酸素濃度雰囲気
中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成した耐熱耐食性鋼
板をバーナキャップの素材とし、燃焼面に一定のパター
ンで炎口を設けたのち、700〜900゜Cでかつ大気
より低酸素濃度雰囲気中で加熱して、表面に酸化皮膜を
形成したものである。大気より一定の低酸素濃度雰囲気
を構成することにより、バーナキャップの油分の付着の
有無に拘わらず、表面に安定した色調の酸化皮膜を形成
することができる。
700〜900゜Cでかつ大気よりも低酸素濃度雰囲気
中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成した耐熱耐食性鋼
板をバーナキャップの素材とし、燃焼面に一定のパター
ンで炎口を設けたのち、700〜900゜Cでかつ大気
より低酸素濃度雰囲気中で加熱して、表面に酸化皮膜を
形成したものである。大気より一定の低酸素濃度雰囲気
を構成することにより、バーナキャップの油分の付着の
有無に拘わらず、表面に安定した色調の酸化皮膜を形成
することができる。
【0016】また、請求項6の発明はバーナキャップの
材料の圧延工程で発生する酸化皮膜を、厚み10〜20
μmの範囲で残留させたのち炎口部を形成したものであ
る。この製造方法によりバーナキャップに成型後の表面
処理は不要となる。
材料の圧延工程で発生する酸化皮膜を、厚み10〜20
μmの範囲で残留させたのち炎口部を形成したものであ
る。この製造方法によりバーナキャップに成型後の表面
処理は不要となる。
【0017】また、請求項7の発明は、耐熱耐食性鋼板
として、ステンレス鋼板を用いたものである。この材料
により、長期間の燃焼にも耐えられる耐熱性、耐食性を
確保できるバーナキャップが得られる。
として、ステンレス鋼板を用いたものである。この材料
により、長期間の燃焼にも耐えられる耐熱性、耐食性を
確保できるバーナキャップが得られる。
【0018】また、請求項8の発明は、酸化皮膜とし
て、Al2O3、SiO2、FeO、Fe3O4、Fe
2O3、Cr2O3、NiOの金属酸化物の内から選ばれた
化合物を成分としたものである。これらの酸化物をバー
ナキャップの材料自身から生成する酸化皮膜にでき、輻
射性能の良好な輻射皮膜を実現できる。
て、Al2O3、SiO2、FeO、Fe3O4、Fe
2O3、Cr2O3、NiOの金属酸化物の内から選ばれた
化合物を成分としたものである。これらの酸化物をバー
ナキャップの材料自身から生成する酸化皮膜にでき、輻
射性能の良好な輻射皮膜を実現できる。
【0019】また、請求項9の発明はコンロ開口部を有
する天板と、バーナ開口部を有し前記コンロ開口部に設
けた汁受け皿と、前記汁受け皿の上方に設けた五徳と、
前記バーナ開口部に設けた請求項1に記載のバーナとを
備え、前記バーナの隣り合うスリット炎口群の間に相当
する位置の上部に前記五徳の爪体を設けたものである。
五徳上に鍋等を載置して調理を行う場合、前記のバーナ
の短炎化構成により、鍋とバーナとの距離を近くしても
COの排出が少ない安定燃焼が実現でき、また酸化皮膜
からの輻射熱も加味して熱の集中化ができるため、高い
熱効率を確保できる。また、スリット炎口群の間の火炎
の小さい部分に五徳の爪体が位置するため、爪体が火炎
に強くあぶられる事が少なく、それによる熱効率の低下
やCOの排出も最小限にとどめることができる。
する天板と、バーナ開口部を有し前記コンロ開口部に設
けた汁受け皿と、前記汁受け皿の上方に設けた五徳と、
前記バーナ開口部に設けた請求項1に記載のバーナとを
備え、前記バーナの隣り合うスリット炎口群の間に相当
する位置の上部に前記五徳の爪体を設けたものである。
五徳上に鍋等を載置して調理を行う場合、前記のバーナ
の短炎化構成により、鍋とバーナとの距離を近くしても
COの排出が少ない安定燃焼が実現でき、また酸化皮膜
からの輻射熱も加味して熱の集中化ができるため、高い
熱効率を確保できる。また、スリット炎口群の間の火炎
の小さい部分に五徳の爪体が位置するため、爪体が火炎
に強くあぶられる事が少なく、それによる熱効率の低下
やCOの排出も最小限にとどめることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1から図4
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0021】(実施例1)本発明の実施例1について図
1を参照して説明する。
1を参照して説明する。
【0022】図1において、11はバーナ本体で、耐熱
性金属で構成されており燃料予混合ガスの混合管部12
と、内周壁13と外周壁14で形成した環状の混合室1
5とを一体に構成したものである。そして、内周壁3で
囲まれた空間は貫通した空気口16を形成している。ま
た、17はSUS304、SUS316、SUS321
等のオーステナイト系ステンレス、またはSUS43
0、SUS436等のフェライト系ステンレスといった
耐熱耐食性に優れた板金材料を略円錐台形状に成型した
バーナキャップで、上部中央に前記空気口16と対応す
る開口部18があり、上部から下部にかけて外周方向に
傾斜させた傾斜面19が構成されている。傾斜面19に
は貫通する多数の長スリット20の集合体からなるスリ
ット炎口群21と、スリット炎口群の間にそれよりも短
い火移り炎口22を放射状に分散配置した炎口部23が
設けられている。なお、炎口部23はスリットに限ら
ず、多数の小炎口の集合体であっても差し支えない。ま
た、バーナキャップ17には成型後に表面に酸化皮膜2
4が形成される。本実施例では、酸化皮膜24はバーナ
キャップ17の材料そのもので形成したが、別の酸化皮
膜をバーナキャップ17に塗布しても差し支えない。な
おバーナキャップ17の下部には、煮零れカバー25が
嵌合されていて、バーナ本体11に直接煮汁等が落下し
ない構成になっている。26はほぼ中央に開口筒27を
設けたほぼ環状の煮汁遮蔽体であり、開口筒27をバー
ナキャップ17の開口部18内に嵌合して、バーナキャ
ップ17の上部と煮汁遮蔽体26を密着させている。煮
汁遮蔽体26は、その外周部の外径をバーナキャップ1
7の炎口部23の下部の外径よりも1〜2mm程度大きく
し、上面から見た場合炎口部23を包含するように構成
する。以上のバーナ本体11と、バーナキャップ17
と、煮汁遮蔽体26とによってバーナ28が構成されて
いる。なお、煮汁遮蔽体26の材料は黄銅などの鍛造加
工用材料、バーナキャップ17と同様の耐熱耐食性材料
などのほかに、セラミックス成型体、アルミニウムなど
も使用が可能である。
性金属で構成されており燃料予混合ガスの混合管部12
と、内周壁13と外周壁14で形成した環状の混合室1
5とを一体に構成したものである。そして、内周壁3で
囲まれた空間は貫通した空気口16を形成している。ま
た、17はSUS304、SUS316、SUS321
等のオーステナイト系ステンレス、またはSUS43
0、SUS436等のフェライト系ステンレスといった
耐熱耐食性に優れた板金材料を略円錐台形状に成型した
バーナキャップで、上部中央に前記空気口16と対応す
る開口部18があり、上部から下部にかけて外周方向に
傾斜させた傾斜面19が構成されている。傾斜面19に
は貫通する多数の長スリット20の集合体からなるスリ
ット炎口群21と、スリット炎口群の間にそれよりも短
い火移り炎口22を放射状に分散配置した炎口部23が
設けられている。なお、炎口部23はスリットに限ら
ず、多数の小炎口の集合体であっても差し支えない。ま
た、バーナキャップ17には成型後に表面に酸化皮膜2
4が形成される。本実施例では、酸化皮膜24はバーナ
キャップ17の材料そのもので形成したが、別の酸化皮
膜をバーナキャップ17に塗布しても差し支えない。な
おバーナキャップ17の下部には、煮零れカバー25が
嵌合されていて、バーナ本体11に直接煮汁等が落下し
ない構成になっている。26はほぼ中央に開口筒27を
設けたほぼ環状の煮汁遮蔽体であり、開口筒27をバー
ナキャップ17の開口部18内に嵌合して、バーナキャ
ップ17の上部と煮汁遮蔽体26を密着させている。煮
汁遮蔽体26は、その外周部の外径をバーナキャップ1
7の炎口部23の下部の外径よりも1〜2mm程度大きく
し、上面から見た場合炎口部23を包含するように構成
する。以上のバーナ本体11と、バーナキャップ17
と、煮汁遮蔽体26とによってバーナ28が構成されて
いる。なお、煮汁遮蔽体26の材料は黄銅などの鍛造加
工用材料、バーナキャップ17と同様の耐熱耐食性材料
などのほかに、セラミックス成型体、アルミニウムなど
も使用が可能である。
【0023】次に動作、作用について説明すると、燃料
予混合ガスは混合管部12を通じて吸引され、混合室1
5内に均一に拡散し、炎口部23で火炎を形成する。こ
の時炎口部23で形成される火炎は、傾斜面19のテー
パーに沿って斜め上方に発生するが、バーナキャップ1
7の外周部、及びバーナ本体11の空気口16を通じ、
煮汁遮蔽体26の開口筒27から、上昇気流となって流
入する二次空気によって挟まれることにより、炎口部2
3近傍で燃焼が促進されて高温火炎となり、同時に直上
方向に火炎は向くようになる。また、煮汁遮蔽体26の
下部とバーナキャップ17の上端部の間では、上向きの
火炎が煮汁遮蔽体26の下部に当たって淀みが発生しや
すく保炎性が良好になるため、吹き飛びを起こしやすい
ガスにおいても安定した火炎が形成される。さらに、バ
ーナキャップ17の表面に形成した酸化皮膜24からは
輻射熱を発生することにより、前記の火炎の対流熱と輻
射熱によって熱の集中化を促進することができる。同時
に酸化皮膜24からの放熱により、バーナキャップ17
自身の温度上昇を抑え、その耐久性を向上させることが
できる。、バーナキャップ17をステンレス板で構成す
ることにより、炎口のスリット幅を、通常は板厚の0.
8〜1.2倍の範囲としてプレス加工することが可能で
あり、炎口形状の選択の自由度を拡大させることができ
る。したがって、水素と空気の混合物ガスなどのように
燃焼速度の速い燃料の場合でも、バーナキャップ17の
板厚とスリット幅を最適化することが容易である。
予混合ガスは混合管部12を通じて吸引され、混合室1
5内に均一に拡散し、炎口部23で火炎を形成する。こ
の時炎口部23で形成される火炎は、傾斜面19のテー
パーに沿って斜め上方に発生するが、バーナキャップ1
7の外周部、及びバーナ本体11の空気口16を通じ、
煮汁遮蔽体26の開口筒27から、上昇気流となって流
入する二次空気によって挟まれることにより、炎口部2
3近傍で燃焼が促進されて高温火炎となり、同時に直上
方向に火炎は向くようになる。また、煮汁遮蔽体26の
下部とバーナキャップ17の上端部の間では、上向きの
火炎が煮汁遮蔽体26の下部に当たって淀みが発生しや
すく保炎性が良好になるため、吹き飛びを起こしやすい
ガスにおいても安定した火炎が形成される。さらに、バ
ーナキャップ17の表面に形成した酸化皮膜24からは
輻射熱を発生することにより、前記の火炎の対流熱と輻
射熱によって熱の集中化を促進することができる。同時
に酸化皮膜24からの放熱により、バーナキャップ17
自身の温度上昇を抑え、その耐久性を向上させることが
できる。、バーナキャップ17をステンレス板で構成す
ることにより、炎口のスリット幅を、通常は板厚の0.
8〜1.2倍の範囲としてプレス加工することが可能で
あり、炎口形状の選択の自由度を拡大させることができ
る。したがって、水素と空気の混合物ガスなどのように
燃焼速度の速い燃料の場合でも、バーナキャップ17の
板厚とスリット幅を最適化することが容易である。
【0024】(実施例2)本発明の実施例2について図
2を参照して説明する。
2を参照して説明する。
【0025】図2においてバーナキャップ17は耐熱耐
食性鋼板として、Cr16%、Ni7%、Si1%のオ
ーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304、一例と
して、日新製鋼製のNSS304M2N04)を素材と
し、プレス成型油(一例として日本石油製の「日石ユニ
カットTB45」、外観は無色または淡黄色透明液体、
粘度(30゜Cにおいて)は47.1cSt、引火点は
160゜C))を用いて傾斜面19までプレス成型した
ものを、スリット加工油(一例として日本工作油製の
「G619」、「G6210」の1対1混合油、外観は
無色または淡黄色透明液体)を用いて傾斜面19に実施
例1に示したパターンでスリット炎口群21と火移り炎
口22を設けたのち、前記のプレス成型油とスリット加
工油の混じった油分を表面に付着させたままで、700
〜900゜Cの大気中で4分程度加熱して、表面に酸化
皮膜24を形成する。加熱炉は約8mのホーロー加工用
トンネル炉を用い、加熱温度は実際には810〜850
゜Cにすることが好ましい。
食性鋼板として、Cr16%、Ni7%、Si1%のオ
ーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304、一例と
して、日新製鋼製のNSS304M2N04)を素材と
し、プレス成型油(一例として日本石油製の「日石ユニ
カットTB45」、外観は無色または淡黄色透明液体、
粘度(30゜Cにおいて)は47.1cSt、引火点は
160゜C))を用いて傾斜面19までプレス成型した
ものを、スリット加工油(一例として日本工作油製の
「G619」、「G6210」の1対1混合油、外観は
無色または淡黄色透明液体)を用いて傾斜面19に実施
例1に示したパターンでスリット炎口群21と火移り炎
口22を設けたのち、前記のプレス成型油とスリット加
工油の混じった油分を表面に付着させたままで、700
〜900゜Cの大気中で4分程度加熱して、表面に酸化
皮膜24を形成する。加熱炉は約8mのホーロー加工用
トンネル炉を用い、加熱温度は実際には810〜850
゜Cにすることが好ましい。
【0026】次に動作、作用について説明すると、バー
ナキャップ17の表面付近が一定時間油分の燃焼による
CO2、CO等が混じって低酸素濃度状態となり、バー
ナキャップ17表面に選択的にFeOやFe3O4が形成
され、次いでFe2O3、Cr 2O3、NiO、Al2O3、
SiO2が形成され、全体が灰黒色または黒青色を帯び
た酸化皮膜24の形成により輻射皮膜化が実現できる。
さらに炎口部23の内面部まで酸化皮膜24が形成され
る。この時、酸化皮膜24を形成したバーナキャップ1
7の表面の輻射率は0.5以上となり、燃焼板の表面で
燃焼させた場合、良好な放熱が行えてバーナキャップ1
7の過度の温度上昇が抑えられる。さらに温度は、70
0〜900゜C(好ましくは810〜850゜C)にほ
ぼ一定した状態であるため、表面処理が一段階で行える
だけでなく、前記の温度帯は、通常のホーロー処理炉で
使用される温度帯であるため、専用の処理施設が不要で
ある。
ナキャップ17の表面付近が一定時間油分の燃焼による
CO2、CO等が混じって低酸素濃度状態となり、バー
ナキャップ17表面に選択的にFeOやFe3O4が形成
され、次いでFe2O3、Cr 2O3、NiO、Al2O3、
SiO2が形成され、全体が灰黒色または黒青色を帯び
た酸化皮膜24の形成により輻射皮膜化が実現できる。
さらに炎口部23の内面部まで酸化皮膜24が形成され
る。この時、酸化皮膜24を形成したバーナキャップ1
7の表面の輻射率は0.5以上となり、燃焼板の表面で
燃焼させた場合、良好な放熱が行えてバーナキャップ1
7の過度の温度上昇が抑えられる。さらに温度は、70
0〜900゜C(好ましくは810〜850゜C)にほ
ぼ一定した状態であるため、表面処理が一段階で行える
だけでなく、前記の温度帯は、通常のホーロー処理炉で
使用される温度帯であるため、専用の処理施設が不要で
ある。
【0027】(実施例3)本発明の実施例3が実施例2
と異なる点は、バーナキャップ17の表面の油分の有無
に拘わらず、加熱雰囲気の酸素濃度を15〜10%程度
の低酸素濃度に調節した点である。酸素濃度の調節は、
加熱雰囲気内に燃焼排ガスを混入するか窒素を一定量追
加することによって行うことができる。
と異なる点は、バーナキャップ17の表面の油分の有無
に拘わらず、加熱雰囲気の酸素濃度を15〜10%程度
の低酸素濃度に調節した点である。酸素濃度の調節は、
加熱雰囲気内に燃焼排ガスを混入するか窒素を一定量追
加することによって行うことができる。
【0028】次に動作、作用について説明すると、バー
ナキャップ17がパンチング加工油、およびプレス成型
油を使用せずに製作された場合または脱脂処理を施され
た場合でも、前記の低酸素濃度雰囲気を構成することに
より、表面に安定した色調の酸化皮膜24を形成するこ
とができる。この時のバーナキャップ17の表面の輻射
率は、実施例2と同程度の0.5以上が確保できる。
ナキャップ17がパンチング加工油、およびプレス成型
油を使用せずに製作された場合または脱脂処理を施され
た場合でも、前記の低酸素濃度雰囲気を構成することに
より、表面に安定した色調の酸化皮膜24を形成するこ
とができる。この時のバーナキャップ17の表面の輻射
率は、実施例2と同程度の0.5以上が確保できる。
【0029】(実施例4)本発明の実施例4について図
3(a)(b)を参照して説明する。
3(a)(b)を参照して説明する。
【0030】実施例2と同一符号の部分は同一構造を有
するものでその説明は省略する。
するものでその説明は省略する。
【0031】図3において、実施例1における素材の粗
鋼を冷間圧延後に1050〜1100゜C、3分間熱処
理を行って、厚み10〜20μm程度の酸化皮膜29を
形成させた後にコイル化したものを耐熱耐食性鋼板30
とし、プレス成型後、炎口部31を形成したものをバー
ナキャップ32としている。
鋼を冷間圧延後に1050〜1100゜C、3分間熱処
理を行って、厚み10〜20μm程度の酸化皮膜29を
形成させた後にコイル化したものを耐熱耐食性鋼板30
とし、プレス成型後、炎口部31を形成したものをバー
ナキャップ32としている。
【0032】次に動作、作用について説明すると、酸化
皮膜29の厚みは10〜20μm程度のごく薄いもので
あり、炎口部31を形成するための打ち抜き加工を行っ
ても金型に対する影響は少なくできる。また、通常の圧
延工程は、冷間圧延、1050〜1100゜C熱処理、
酸洗、スキンパース圧延、コイル化であり、本実施例の
場合、前記の酸洗、スキンパース圧延の工程が省略でき
るだけでなく、炎口部31を形成後の加熱処理が不要と
なるため、バーナキャップ32の製造工程が短縮でき、
製造コストを低減することができる。
皮膜29の厚みは10〜20μm程度のごく薄いもので
あり、炎口部31を形成するための打ち抜き加工を行っ
ても金型に対する影響は少なくできる。また、通常の圧
延工程は、冷間圧延、1050〜1100゜C熱処理、
酸洗、スキンパース圧延、コイル化であり、本実施例の
場合、前記の酸洗、スキンパース圧延の工程が省略でき
るだけでなく、炎口部31を形成後の加熱処理が不要と
なるため、バーナキャップ32の製造工程が短縮でき、
製造コストを低減することができる。
【0033】(実施例5)本発明の実施例5について図
4(a)(b)を参照して説明する。
4(a)(b)を参照して説明する。
【0034】なお、実施例1と同一符号の部分は同一構
造を有しており、その説明は省略する。
造を有しており、その説明は省略する。
【0035】図4において、コンロは、天板33のコン
ロ開口部34に、中央にバーナ開口部35を設けた汁受
け皿36を載置し、バーナ開口部35に実施例1に示し
たバーナ28を臨ませ、汁受け皿36の外周近傍には枠
体に被加熱物を載置する爪体37を設けた五徳38を設
け、隣り合うスリット炎口群21の間の部分の上部に対
応する位置に前記五徳38の爪体37を配置したもので
ある。
ロ開口部34に、中央にバーナ開口部35を設けた汁受
け皿36を載置し、バーナ開口部35に実施例1に示し
たバーナ28を臨ませ、汁受け皿36の外周近傍には枠
体に被加熱物を載置する爪体37を設けた五徳38を設
け、隣り合うスリット炎口群21の間の部分の上部に対
応する位置に前記五徳38の爪体37を配置したもので
ある。
【0036】次に動作、作用について説明すると、五徳
38の爪体37上に鍋などを載置して調理を行う場合、
前述のように炎口部22で形成される火炎は短炎化され
ており、鍋とバーナ28との距離を短くしてもCOが発
生しにくく、同時に隣り合うスリット炎口群21の間の
空間の直上に五徳38の爪体37が位置するため、爪体
37が火炎に強くあぶられる事がないため、爪体37に
よる火炎帯の破壊と熱ロスを抑制できることにより、低
CO燃焼を実現できる。さらにバーナキャップ17の全
面に酸化皮膜23が形成されているため、酸化皮膜23
から鍋に向かって輻射熱が放射され、炎口部22の火炎
からの対流熱と前記の輻射熱により鍋は効率的に加熱さ
れ、結果として高い熱効率を実現できる。以上のように
高効率かつ安定燃焼が実現でき、高火力を必要とする調
理等に優れたコンロを提供することができる。さらに、
鍋から煮零れが発生した場合は、煮汁遮蔽体26によっ
て、直下の炎口部23内に煮汁が落下する事を防止する
ことができる。
38の爪体37上に鍋などを載置して調理を行う場合、
前述のように炎口部22で形成される火炎は短炎化され
ており、鍋とバーナ28との距離を短くしてもCOが発
生しにくく、同時に隣り合うスリット炎口群21の間の
空間の直上に五徳38の爪体37が位置するため、爪体
37が火炎に強くあぶられる事がないため、爪体37に
よる火炎帯の破壊と熱ロスを抑制できることにより、低
CO燃焼を実現できる。さらにバーナキャップ17の全
面に酸化皮膜23が形成されているため、酸化皮膜23
から鍋に向かって輻射熱が放射され、炎口部22の火炎
からの対流熱と前記の輻射熱により鍋は効率的に加熱さ
れ、結果として高い熱効率を実現できる。以上のように
高効率かつ安定燃焼が実現でき、高火力を必要とする調
理等に優れたコンロを提供することができる。さらに、
鍋から煮零れが発生した場合は、煮汁遮蔽体26によっ
て、直下の炎口部23内に煮汁が落下する事を防止する
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下記の効
果が得られる。
果が得られる。
【0038】すなわち、請求項1に記載の発明によれ
ば、耐熱耐食性鋼板からなるバーナキャップの側面部に
は上部から下部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面が
構成されており、前記傾斜面に複数の炎口群の集合体か
らなる炎口部を設け、前記傾斜面に輻射皮膜を形成した
ことにより、火炎全体をほぼ直上向きにし、輻射熱を加
味して熱の集中を促進させることができる。
ば、耐熱耐食性鋼板からなるバーナキャップの側面部に
は上部から下部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面が
構成されており、前記傾斜面に複数の炎口群の集合体か
らなる炎口部を設け、前記傾斜面に輻射皮膜を形成した
ことにより、火炎全体をほぼ直上向きにし、輻射熱を加
味して熱の集中を促進させることができる。
【0039】また、請求項2に記載の発明によれば、炎
口部を傾斜面の上部から下部にかけて放射状に設けた複
数のスリット炎口群としたことにより、炎口部の下部で
は隣り合うスリット炎口群との間隔が広くなって、下部
からの二次空気の流入が良好となり、短炎化が図れる。
口部を傾斜面の上部から下部にかけて放射状に設けた複
数のスリット炎口群としたことにより、炎口部の下部で
は隣り合うスリット炎口群との間隔が広くなって、下部
からの二次空気の流入が良好となり、短炎化が図れる。
【0040】また、請求項3に記載の発明によれば、酸
化皮膜を灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜とし、そ
の酸化皮膜は請求項4に記載したようにバーナキャップ
の表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜C
の大気中で加熱することにより形成できるものであり、
バーナキャップの表面付近が一定時間油分の燃焼による
CO2、CO等が混じって低酸素濃度状態となり、選択
的にFeOやFe3O4が形成され、次いでFe2O3、C
r2O3、NiO、Al2O3、SiO2が形成され、全体
が灰黒色または黒青色を帯びた輻射皮膜の形成が実現で
きると同時に、表面処理が一段階で行えるだけでなく、
バーナキャップの成型時の残留応力の除去が行える。
化皮膜を灰黒色または黒青色を帯びた酸化皮膜とし、そ
の酸化皮膜は請求項4に記載したようにバーナキャップ
の表面に油分を付着させた状態で、700〜900゜C
の大気中で加熱することにより形成できるものであり、
バーナキャップの表面付近が一定時間油分の燃焼による
CO2、CO等が混じって低酸素濃度状態となり、選択
的にFeOやFe3O4が形成され、次いでFe2O3、C
r2O3、NiO、Al2O3、SiO2が形成され、全体
が灰黒色または黒青色を帯びた輻射皮膜の形成が実現で
きると同時に、表面処理が一段階で行えるだけでなく、
バーナキャップの成型時の残留応力の除去が行える。
【0041】また、請求項5に記載の発明によれば、バ
ーナキャップを700〜900゜Cでかつ大気より低酸
素濃度雰囲気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成した
ことにより、バーナキャップの油分の付着の有無に拘わ
らず、表面に安定した色調の酸化皮膜を形成することが
できる。
ーナキャップを700〜900゜Cでかつ大気より低酸
素濃度雰囲気中で加熱して、表面に酸化皮膜を形成した
ことにより、バーナキャップの油分の付着の有無に拘わ
らず、表面に安定した色調の酸化皮膜を形成することが
できる。
【0042】また、請求項6に記載の発明によれば、バ
ーナキャップの材料の圧延工程で発生する酸化皮膜を、
厚み10〜20μmの範囲で残留させたのち炎口部を形
成したことにより、バーナキャップに成型後の表面処理
は不要となる。
ーナキャップの材料の圧延工程で発生する酸化皮膜を、
厚み10〜20μmの範囲で残留させたのち炎口部を形
成したことにより、バーナキャップに成型後の表面処理
は不要となる。
【0043】また、請求項7に記載の発明によれば、耐
熱耐食性鋼板として、ステンレス鋼板を用いたことによ
り、長期間の燃焼にも耐えられる耐熱性、耐食性を確保
できるバーナキャップが得られる。
熱耐食性鋼板として、ステンレス鋼板を用いたことによ
り、長期間の燃焼にも耐えられる耐熱性、耐食性を確保
できるバーナキャップが得られる。
【0044】また、請求項8に記載の発明によれば、酸
化皮膜として、Al2O3、SiO2、FeO、Fe
3O4、Fe2O3、Cr2O3、NiOの金属酸化物の内か
ら選ばれた酸化物を成分としたことにより、これらの酸
化物をバーナキャップの材料自身から生成する酸化皮膜
にでき、輻射性能の良好な輻射皮膜を実現できる。
化皮膜として、Al2O3、SiO2、FeO、Fe
3O4、Fe2O3、Cr2O3、NiOの金属酸化物の内か
ら選ばれた酸化物を成分としたことにより、これらの酸
化物をバーナキャップの材料自身から生成する酸化皮膜
にでき、輻射性能の良好な輻射皮膜を実現できる。
【0045】また、請求項9に記載の発明によれば、コ
ンロ開口部を有する天板に、バーナ開口部を有した汁受
け皿と五徳を設け、前記バーナ開口部に請求項1に記載
のバーナを設け、前記バーナの隣り合うスリット炎口群
の間に相当する位置の上部に前記五徳の爪体を設けたこ
とにより、五徳上に鍋等を載置して調理を行う場合、鍋
とバーナとの距離を近くしても五徳が強くあぶられるこ
とがなく、COの排出が少ない安定燃焼が実現でき、ま
た酸化皮膜からの輻射熱も加味して熱の集中化ができる
ため、高い熱効率を確保できる。
ンロ開口部を有する天板に、バーナ開口部を有した汁受
け皿と五徳を設け、前記バーナ開口部に請求項1に記載
のバーナを設け、前記バーナの隣り合うスリット炎口群
の間に相当する位置の上部に前記五徳の爪体を設けたこ
とにより、五徳上に鍋等を載置して調理を行う場合、鍋
とバーナとの距離を近くしても五徳が強くあぶられるこ
とがなく、COの排出が少ない安定燃焼が実現でき、ま
た酸化皮膜からの輻射熱も加味して熱の集中化ができる
ため、高い熱効率を確保できる。
【図1】本発明の実施例1におけるバーナの要部断面図
【図2】本発明の実施例2におけるバーナキャップの要
部拡大断面図
部拡大断面図
【図3】(a)本発明の実施例4におけるバーナキャッ
プの表面処理方法のブロック図 (b)同バーナキャップの要部拡大断面図
プの表面処理方法のブロック図 (b)同バーナキャップの要部拡大断面図
【図4】(a)本発明の実施例5におけるコンロの要部
平面図 (b)同コンロの要部側面図
平面図 (b)同コンロの要部側面図
【図5】(a)従来のバーナの平面図 (b)同バーナの断面図
【図6】従来の表面処理方法を用いたバーナの平面図
11 バーナ本体 15 混合室 17、32 バーナキャップ 19 傾斜面 21 スリット炎口群 23、31 炎口部 24、29 酸化皮膜 28 バーナ 33 天板 34 コンロ開口部 35 バーナ開口部 36 汁受け皿 37 爪体 38 五徳
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々田 勝視 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 後尾 昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 後梶谷 嘉之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K017 AA01 AB02 AB05 AB07 AD04 AD12 AF01 AG06
Claims (9)
- 【請求項1】燃料予混合ガスの混合室を形成したバーナ
本体と、このバーナ本体上に載置した耐熱耐食性鋼板か
らなるバーナキャップとを備えていて、前記バーナキャ
ップの側面部には上部から下部にかけて外周方向に傾斜
させた傾斜面が構成されており、前記傾斜面に複数の炎
口群の集合体からなる炎口部を設けると共に、前記傾斜
面に酸化皮膜を形成したバーナ。 - 【請求項2】炎口部を傾斜面の上部から下部にかけて放
射状に設けた複数のスリット炎口群とした請求項1に記
載のバーナ。 - 【請求項3】傾斜面に形成した酸化皮膜を灰黒色または
黒青色を帯びた酸化皮膜とした請求項1に記載のバー
ナ。 - 【請求項4】請求項3に記載したバーナに使用するバー
ナキャップの表面に油分を付着させた状態で、700〜
900゜Cの大気中で加熱して、灰黒色または黒青色を
帯びた酸化皮膜を形成したキャップの処理法。 - 【請求項5】請求項1に記載したバーナに使用するバー
ナキャップを700〜900゜Cでかつ大気よりも低酸
素濃度雰囲気中で加熱して、表面に安定した色調の酸化
皮膜を形成したバーナキャップの処理法。 - 【請求項6】バーナキャップの材料の圧延工程で発生す
る酸化皮膜を、厚み10〜20μmの範囲で残留させた
のち炎口部を形成した請求項1に記載のバーナの製造方
法。 - 【請求項7】バーナキャップに用いる材料は、ステンレ
ス鋼板とした請求項1に記載のバーナ。 - 【請求項8】酸化皮膜は、Al2O3、SiO2、Fe
O、Fe3O4、Fe2O3、Cr2O3、NiOの金属酸化
物の内から選ばれた化合物を成分とした請求項1ないし
6に記載のバーナまたはバーナキャップの処理法または
バーナの製造方法。 - 【請求項9】コンロ開口部を有する天板と、バーナ開口
部を有し前記コンロ開口部に設けた汁受け皿と、前記汁
受け皿の上方に設けた五徳と、前記バーナ開口部に設け
た請求項1に記載のバーナとを備え、前記バーナの隣り
合うスリット炎口群の間に相当する位置の上部に前記五
徳の爪体を設けたコンロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14181599A JP2000329315A (ja) | 1999-05-21 | 1999-05-21 | バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14181599A JP2000329315A (ja) | 1999-05-21 | 1999-05-21 | バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000329315A true JP2000329315A (ja) | 2000-11-30 |
Family
ID=15300780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14181599A Pending JP2000329315A (ja) | 1999-05-21 | 1999-05-21 | バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000329315A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007078198A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | バーナ |
JP2021124271A (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-30 | リンナイ株式会社 | コンロバーナ |
-
1999
- 1999-05-21 JP JP14181599A patent/JP2000329315A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007078198A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | バーナ |
JP2021124271A (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-30 | リンナイ株式会社 | コンロバーナ |
JP7315494B2 (ja) | 2020-02-07 | 2023-07-26 | リンナイ株式会社 | コンロバーナ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4541407A (en) | Cooking station for gas ranges | |
JPH09280516A (ja) | 燃焼装置および該燃焼装置を具備した熱設備 | |
RU2009112404A (ru) | Газовая горелка для кухонных плит | |
JP4453907B2 (ja) | ガスコンロ | |
JP2000329315A (ja) | バーナおよびそのバーナに使用するバーナキャップの処理法とバーナの製造方法並びにそのバーナを備えたコンロ | |
JP3885400B2 (ja) | バーナおよびこれを用いたコンロ | |
JP2940518B2 (ja) | 燃焼板およびその黒化処理方法並びにそれを用いたバーナ | |
JP2003343813A (ja) | バーナおよびこれを用いた調理器 | |
JP4720389B2 (ja) | バーナ | |
JP2003185110A (ja) | バーナおよびこれを用いた調理器 | |
JP2003185111A (ja) | バーナおよびこれを用いた調理器 | |
JP2001215019A (ja) | コンロ | |
JPH0238181Y2 (ja) | ||
JPS5787517A (en) | Portable gas cooking stove | |
JP2002333109A (ja) | バーナ及びそれを用いたコンロ | |
JP2008096016A (ja) | コンロ用火力補助具およびその製造方法 | |
JP3087988B2 (ja) | コンロ装置 | |
JPH0212412Y2 (ja) | ||
JPS62158907A (ja) | 燃焼器 | |
JPH0533843Y2 (ja) | ||
JPS6229771Y2 (ja) | ||
CN108302558A (zh) | 封闭式燃气灶具 | |
JPH0533842Y2 (ja) | ||
JPH09329307A (ja) | バーナおよびそのバーナを用いた調理器 | |
JP2000304213A (ja) | バーナおよびこれを用いたコンロ |