JP3885400B2 - バーナおよびこれを用いたコンロ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス等を燃料とするバーナ、およびそれを加熱源とするコンロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のバーナは、特開平9−159119号公報に記載されているようなものがあった。このバーナは図7(a)(b)に示されているように、内側に向く多数の炎口71を内周面の周方向に列設し、理論燃焼空気量の±30%以内の空気で燃焼させる環状バーナ72であり、さらにその底部を遮蔽板83によって閉塞したもので、コンロ等に応用した場合、遮蔽板73によって二次空気の供給を抑えて燃焼させて、高い熱効率を確保しながら、低NOxを実現するというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のバーナをコンロ等に応用した場合、煮零れなどが発生した時には、あふれた煮汁が遮蔽板73上に蓄積するだけでなく、火炎は内側に集中して形成されるため、燃焼的には一次空気に依存したものであり、どうしても二次空気を求めて火炎長が長くなるという課題もあった。本発明は、上記従来の課題を解決するもので、火炎の方向を上方に向けるとともに、周囲からの二次空気の拡散を促進して燃焼性を向上させ、同時に幅広い強弱絞り幅を確保して、火炎長を短くして高い熱効率を確保し、同時に炎口の目詰まりを防止することのできるバーナを提供することを第一の目的とする。そして、そのバーナをコンロ用バーナとして用いて、鍋などの被加熱物との距離を接近させて高い熱効率を確保しながら良好な調理性能を確保し、さらに煮零れによる煮汁の蓄積をも抑制し得る調理器を提供することを第二の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の第一の目的を達成するために、燃料予混合ガスの混合室を形成したバーナ本体と、このバーナ本体上に載置し上部に開口部を設けたステンレス等の耐熱性、耐食性を有する金属板で構成したバーナキャップと、開口筒を設けた煮汁遮蔽体とからなり、前記バーナキャップの側面部を、全周にわたって上部から下部にかけて下広がりのテーパ ー状に傾斜させた傾斜面で構成し、前記傾斜面の上部から下部にかけて外周方向に放射状に設けた複数の種類の長さのスリット炎口群をプレス加工で構成した炎口部を設け、前記スリット炎口群は、スリットの長手方向の両端部を略半円形状に成型するとともに、隣り合う長スリット炎口群の間に設けた最短スリット炎口を傾斜面の上端部近傍に位置するよう配設し、前記バーナキャップの上端に前記煮汁遮蔽体が密着するように、前記バーナキャップの開口部に前記煮汁遮蔽体の開口筒を嵌合させたものである。
【0005】
上記発明によれば、バーナキャップの上部から下部に至りテーパー状に傾斜させた傾斜面に炎口部を設けているため、火炎全体がほぼ直上向きに発生して熱の集中を促進できるだけでなく、低燃焼量においては煮汁遮蔽体の外周部の下部とバーナキャップ上部の間が保炎空間となり、幅広い燃焼量の範囲で安定燃焼が確保できる。ここで、バーナキャップの材料をステンレス板等で構成することにより、スリット炎口等はプレス加工が容易であり、板厚を選択することにより、従来の鍛造加工や鋳物加工に比べてスリット幅の選択や炎口パターンの選択の自由度を拡大できるだけでなく、点火直後から早い段階でバーナキャップの温度を上昇させ得るため、火炎の定着も極めて早く、滅火現象を防止して早期に火炎をスリット炎口に安定化させることができる。また、スリット炎口群を放射状に設けたことにより、炎口部の下部では隣り合うスリット炎口群との間隔が広くなって、下部からの二次空気流入が良好となって短炎化が図れ、隣り合う長スリット炎口群の間で傾斜面の上端部近傍に最短スリット炎口を配置したことにより、大燃焼量の場合は、短スリット炎口が長スリット炎口群で形成される火炎同士の干渉を抑制して火炎を分割して短炎化を実現するとともに、長スリット炎口群の間の火移りを良好にでき、低燃焼量の場合は煮汁遮蔽体が直上に位置することも作用して保炎性をも良好としすることができ、同時に、煮汁等の落下物が短スリット炎口内に侵入するのを防止して火移りの良好性を維持することができる。さらに、スリット炎口の長手方向の両端部を略半円形状としたことにより、スリット炎口を燃料予混合気が通過する際に、該両端部における乱流化を防止できるため、火炎のリフト抑制だけでなく、炎口を加工する際にも金型の長寿命化を実現することができる。
【0006】
また第二の目的を達成するため、本発明は天板のコンロ開口部に汁受け皿を配置し、汁受け皿のバーナ開口部に前記のバーナを配設し、最短スリット炎口の上部に対応する位置に五徳の爪体を配設したものである。
【0007】
上記発明によれば、五徳上に鍋等を載置して調理を行う場合、前記のバーナの短炎化構成により、鍋とバーナとの距離を近くしてもCO等の排出が少ない安定燃焼が実現できるため、高い熱効率を確保できる。また、最短スリット炎口は、傾斜面の上部に配設しており、そのため煮汁遮蔽体の内側下面部に近接しているので、その直上に五徳の爪体を位置させることによって、爪体が火炎に強くあぶられる事が極めて少なく、それによる熱効率の低下やCOの排出も最小限に留めうるだけでなく、煮汁遮蔽体によってほぼ完全に煮こぼれから保護されるため、煮こぼれが繰返されても最短スリット炎口が目詰まりすることがなく、常に安定した火移りを確保することが可能である。当然、その他のスリット炎口群においても、鍋からの煮零れが煮汁遮蔽体によって遮られ、炎口部が煮汁により目詰まりすることを抑制できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料予混合ガスの混合室を形成したバーナ本体と、このバーナ本体上に載置し上部に開口部を設けたステンレス等の耐熱性、耐食性を有する金属板で構成したバーナキャップと、開口筒を設けた煮汁遮蔽体とからなり、前記バーナキャップの側面部を、全周にわたって上部から下部にかけて下広がりのテーパー状に傾斜させた傾斜面で構成し、前記傾斜面の上部から下部にかけて外周方向に放射状に設けた複数の種類の長さのスリット炎口群をプレス加工で構成した炎口部を設け、前記スリット炎口群は、スリットの長手 方向の両端部を略半円形状に成型するとともに、隣り合う長スリット炎口群の間に設けた最短スリット炎口を傾斜面の上端部近傍に位置するよう配設し、前記バーナキャップの上端に前記煮汁遮蔽体が密着するように、前記バーナキャップの開口部に前記煮汁遮蔽体の開口筒を嵌合させたものである。
【0009】
そして、バーナキャップの上部から下部にかけてテーパー状に傾斜させた傾斜面に炎口部を設けているため、火炎全体がほぼ直上向きに発生して熱の集中を促進できるだけでなく、低燃焼量の場合でも、煮汁遮蔽体の外周部の下部とバーナキャップ上部の間が保炎空間となり、幅広い燃焼量範囲で安定燃焼が確保できる。ここで、バーナキャップの材料をステンレス板等で構成することにより、スリット炎口等はプレス加工が容易であり、板厚を選択することにより、従来の鍛造加工や鋳物加工に比べてスリット幅の選択や炎口パターンの選択の自由度を拡大できるだけでなく、点火直後から早い段階でバーナキャップの温度を上昇させ得るため、火炎の定着も極めて早く、滅火現象を防止して早期に火炎をスリット炎口に安定化させることができる。また、スリット炎口群を放射状に設けたことにより、炎口部の下部では隣り合うスリット炎口群との間隔が広くなって、下部からの二次空気流入が良好となって短炎化が図れ、隣り合う長スリット炎口群の間で傾斜面の上端部近傍に最短スリット炎口を配置したことにより、大燃焼量の場合は、短スリット炎口が長スリット炎口群で形成される火炎同士の干渉を抑制して火炎を分割して短炎化を実現するとともに、長スリット炎口群の間の火移りを良好にでき、低燃焼量の場合は煮汁遮蔽体が直上に位置することも作用して保炎性をも良好としすることができ、同時に、煮汁等の落下物が短スリット炎口内に侵入するのを防止して火移りの良好性を維持することができる。さらに、スリット炎口の長手方向の両端部を略半円形状としたことにより、スリット炎口を燃料予混合気が通過する際に、該両端部における乱流化を防止できるため、火炎のリフト抑制だけでなく、炎口を加工する際にも金型の長寿命化を実現することができる。
【0010】
また、コンロ開口部を有する天板と、バーナ開口部を有し前記コンロ開口部に設けた汁受け皿と、前記汁受け皿の上方に設けた五徳と、前記バーナ開口部に設けた前記のバーナとを備え、前記バーナの短スリットの上部に対応する位置に前記五徳の爪体を配設したものである。
【0011】
そして、五徳上に鍋などを載置して調理を行う場合、前述のようにバーナで形成される火炎は短炎化されるため、鍋とバーナとの距離を短くしてもCO等が発生しにくく、同時に最短スリット炎口は、傾斜面の上部に配設しており、そのため煮汁遮蔽体の内側下面部に近接しているので、その上部に五徳の爪体を位置させることによって、爪体と火炎の接触による熱ロスを極小にし、これらによって低CO燃焼と高い熱効率を実現できる。さらに低燃焼量においては、前述のように点火初期から保炎性が高くかつ小量の火炎となるため、低火力で調理する場合に適した状態を実現できる。さらに、鍋から煮零れが発生した場合は、煮汁遮蔽体によって、炎口部内に煮汁が落下して目詰まりを起こす事を防止することができ、特に最短スリット炎口は、煮こぼれが繰返されても目詰まりすることがなく、常に安定した火移りを確保することが可能である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のバーナAの要部断面図である。
【0014】
図において、1はバーナ本体で、耐熱性金属からなり燃料予混合ガスの混合管部2と、内周壁3と外周壁4で形成した環状の混合室5を一体で構成したもので、内周壁3で囲まれた空間は貫通した空気口6を形成している。また、7はSUS304、SUS316、SUS321等のオーステナイト系ステンレス、またはSUS430、SUS436等のフェライト系ステンレスといった耐熱耐食性に優れた板金材料を略円錐台形状に成型したバーナキャップで、上部中央に前記空気口6と対応する開口部8があり、バーナキャップ7の上部から下部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面9を構成し、傾斜面9を貫通する多数のスリット10からなるスリット炎口群11を放射状に分散配置した炎口部12を設けたものである。また、炎口部12はスリット10に限らず、多数の小炎口の集合体であっても差し支えない。なおバーナキャップ7の下部には、煮零れカバー13が嵌合され、バーナ本体1に直接煮汁等が落下しないように構成されている。14はほぼ中央に開口筒15を設けたほぼ環状の煮汁遮蔽体であり、開口筒15をバーナキャップ7の開口部8内に嵌合して、バーナキャップ7の上部と煮汁遮蔽体14を密着させている。煮汁遮蔽体14は、その外周部の外径をバーナキャップ7の炎口部12の下部の外径よりも1〜2mm程度大きくし、上面から見た場合炎口部12を包含する構成である。なお、煮汁遮蔽体14の材料は黄銅などの鍛造加工用材料、バーナキャップ7と同様の耐熱耐食性材料などのほかに、セラミックス成型体、アルミニウムなども使用が可能である。
【0015】
次に動作、作用について説明すると、燃料予混合ガスは混合管部2を通じて吸引され、混合室5内に均一に拡散し、炎口部12で火炎を形成する。この時炎口部12で形成される火炎は、傾斜面9のテーパーに沿って斜め上方に発生するが、バーナキャップ7の外周部、及びバーナ本体1の空気口6を通じ、煮汁遮蔽体14の開口筒15から、上昇気流となって流入する二次空気によって挟まれることにより、炎口部12近傍で燃焼促進されて高温火炎となり、同時に直上方向に向くようになる。また、煮汁遮蔽体14の下部とバーナキャップ7の上端部の間では、上向きの火炎が煮汁遮蔽体14の下部に当たって淀みが発生しやすく保炎性が良好になるため、吹き飛びを起こしやすいガスにおいても安定した火炎が形成される。また低燃焼量においては、バーナキャップ7をステンレス板で構成しているため、点火後から早い段階で炎口部12の温度を上昇させ得るため、火炎の定着も早く滅火現象を防止することができる。したがって、大燃焼量から低燃焼量の広い範囲で直上方向へ火炎を集中させることにより熱放散を防止できるため、効率の良い熱伝達と幅広い火力可変範囲を有する調理器用のバーナが実現できる。さらに、バーナキャップ7をステンレス板などで構成することにより、炎口のスリット10の幅を、通常は板厚の0.8〜1.2倍の範囲でプレス加工が可能であり、炎口形状の選択の自由度を拡大させることができる。したがって、水素と空気の混合物などのように燃焼速度の速い燃料の場合でも、バーナキャップ7の板厚とスリット幅を最適化することが容易である。
【0016】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2のバーナBの断面図である。
【0017】
図において、実施例1と異なる点は、煮汁遮蔽体21とバーナキャップ7の上端部全面との間に空隙22を設け、開口筒23の前記空隙に対応する位置に開口筒23内に連通する空気通路24を設けたところである。
【0018】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0019】
次に動作、作用について説明すると、火炎は、同様に炎口部12で形成されるが、開口筒23から上昇気流として流入する二次空気は、空気通路24を介して煮汁遮蔽体21の下部とバーナキャップ7の上端の間の空隙22を通過し、火炎中に拡散し燃焼促進する。したがって、大燃焼量においてもさらに短炎化が図れる。なお、空隙は空気の吸引量を得るため、3〜5mmが適当である。
【0020】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3のバーナCの断面図である。
【0021】
図において、実施例2と異なる点は、煮汁遮蔽体31の上端が閉塞するように、上端を閉じた筒32を設けたところである。
【0022】
なお、実施例2と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0023】
次に動作、作用について説明すると、煮汁遮蔽体31の上端は閉塞しているため、筒32から流入する二次空気は空気通路24を通じて全て火炎に供給されるため、燃焼促進効果がさらに向上し、大燃焼量における短炎化がさらに実現できる。また、煮汁遮蔽体31の上端を閉塞したことにより、煮汁などの侵入を完全に防止することができる。
【0024】
(実施例4)
図4(a)(b)は本発明の実施例4のバーナDにおけるバーナキャップの上面図、バーナDの側面図である。
【0025】
図において、実施例1と異なる点は、炎口部41として、バーナキャップ42の傾斜面9に、隣り合う長スリット炎口群43の間に短スリット炎口44aとさらに短い短スリット44bを一定の間隔で放射状に設け、短スリット炎口44aおよび短スリット炎口44bの上端を炎口部41の上部に配置したものである。
【0026】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0027】
次に動作、作用について説明すると、隣り合う長スリット炎口群43の間に短スリット炎口44a、短スリット炎口44bを一定間隔で放射状に設けているため、大燃焼量の場合、短スリット44a、短スリット44bの存在が、長スリット炎口群43で形成される火炎同士の干渉を抑制して火炎を分割する役割を果たすと同時に、隣り合う長スリット炎口群43同士の円滑な火移りを実現する。一方、短スリット炎口44aおよび短スリット炎口44bの上端を炎口部41の上部に配置したことにより、短スリット炎口44aおよび短スリット炎口44bで形成される小火炎を煮汁遮蔽体14に近接させることで安定化させることができ、さらに煮汁などの落下による短スリット炎口44aおよび短スリット炎口44bの目詰まりを防止することができる。
【0028】
(実施例5)
図5は本発明の実施例5のバーナEの炎口部51の拡大図である。
【0029】
実施例1と異なる点は、炎口部51としてバーナキャップ52の傾斜面9に、隣り合う長スリット炎口群53の間に短スリット炎口54aとさらに短い短スリット54bを一定の間隔で放射状に設け、短スリット炎口54aおよび短スリット炎口54bの上端を炎口部51の上部に配置し、長スリット炎口群53、短スリット炎口54a、短スリット54bのスリットの上下端の形状を半円形状としたところである。
【0030】
なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し説明を省略する。
【0031】
次に動作、作用について説明すると、長スリット炎口群53、短スリット炎口54a、短スリット54bのスリットの上下端の形状を半円形状としたことにより、各炎口を燃料予混合気が通過する際に、両端部における乱流化を防止できるため、火炎のリフトを抑制できるだけでなく、炎口を加工する際にも金型の長寿命化を実現することができる。
【0032】
(実施例6)
図6(a)(b)は本発明の実施例6のコンロの五徳の爪体とバーナキャップの位置関係を示した要部上面図、および同バーナの要部断面図である。
【0033】
図において、コンロは、天板61のコンロ開口部62に、中央にバーナ開口部63を設けた汁受け皿64を載置し、バーナ開口部63に実施例5に示したバーナEを臨ませ、汁受け皿64の外周近傍には枠体に被加熱物を載置する爪体65を設けた五徳66を設け、短スリット54bの上部に対応する位置に前記五徳66の爪体65を配置したものである。
【0034】
なお、実施例5と同一の符号のものは同一構造を有し、説明を省略する。
【0035】
次に動作、作用について説明すると、五徳66の爪体65上に鍋などを載置して調理を行う場合、前述のようにバーナEの炎口部51で形成される火炎は短炎化されており、鍋とバーナEとの距離を短くしてもCO等が発生しにくく、同時に炎口部51の内、短スリット44bの直上に五徳66の爪体65が位置するため、爪体65が火炎に強くあぶられる事がないため、爪体65による火炎帯の破壊と熱ロスを抑制できることにより、低CO燃焼と高い熱効率を実現できる。さらに低燃焼量においては、前述のように保炎性が高くかつ小量の火炎となるため、低火力で調理する場合に適した状態を実現できる。したがって、大燃焼量から低燃焼量まで、高効率かつ安定燃焼が実現でき、調理性能に優れた調理器を提供することができる。さらに、鍋から煮零れが発生した場合は、煮汁遮蔽体14によって、直下の炎口部51内に煮汁が落下する事を防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、下記の効果が得られる。
【0037】
すなわち本発明によれば、煮汁遮蔽体を上部に嵌合させたステンレス板などで構成したバーナキャップの上部から下部に至り下広がりのテーパー状に傾斜させた傾斜面に、長手方向の両端部を略半円形状に成型した複数の長さのスリット炎口を上下方向に放射状にをプレス加工で形成した炎口部を設けているため、スリット炎口を燃料予混合気が通過する際の乱流化を防止し、炎口部が急速昇温することと、煮汁遮蔽体のリフト防止作用により点火直後から保炎状態が良好で、かつほぼ直上向きの火炎が発生して熱の集中を促進できるので、幅広い燃焼量範囲で安定燃焼が確保できる。したがって、加工の際の金型の長寿命化が図れ、煮こぼれが侵入しにくく、かつ高い熱効率を確保できるバーナが実現できる。
【0038】
また、本載の発明によれば、コンロ開口部に設けた汁受け皿を配置し、バーナ開口部に前記のバーナを設け、バーナの最短スリット炎口の上部に対応する位置に五徳の爪体を配設したことにより、鍋とバーナとの距離を短くしてCOの排出を最小限に留めうるだけでなく、煮汁遮蔽体によってほぼ完全に煮こぼれから保護されるため、煮こぼれが繰返されても最短スリット炎口が目詰まりすることがなく、常に安定した火移りを確保することが可能である。したがって、煮こぼれに強く、高い熱効率と幅広い燃焼量可変範囲を確保したコンロを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のバーナの要部断面図
【図2】 本発明の実施例2のバーナの要部断面図
【図3】 本発明の実施例3のバーナの要部断面図
【図4】 (a)本発明の実施例4のバーナのバーナキャップの上面図
(b)同バーナの側面図
【図5】 本発明の実施例5のバーナの炎口部の拡大図
【図6】 (a)本発明の実施例6のコンロの五徳と炎口部の位置関係を示す要部上面図
(b)同コンロの要部断面図
【図7】 (a)従来のバーナの上面図
(b)同バーナの断面図
【符号の説明】
A、B、C、D、E バーナ
1 バーナ本体
5 混合室
7、42、52 バーナキャップ
8 開口部
9 傾斜面
11 スリット炎口群
12、41、51 炎口部
14、21、31 煮汁遮蔽体
15、23 開口筒
22 空隙
24 空気通路
32 筒
11、21、31、61 遮蔽体
22、32 空隙
43、53 長スリット炎口群
44a、44b、54a、54b 短スリット炎口
61 天板
62 コンロ開口部
63 バーナ開口部
64 汁受け皿
65 爪体
66 五徳
Claims (3)
- 燃料予混合ガスの混合室を形成したバーナ本体と、このバーナ本体上に載置し上部に開口部を設けたステンレス等の耐熱性、耐食性を有する金属板で構成したバーナキャップと、開口筒を設けた煮汁遮蔽体とからなり、前記バーナキャップの側面部を、全周にわたって上部から下部にかけて下広がりのテーパー状に傾斜させた傾斜面で構成し、前記傾斜面の上部から下部にかけて外周方向に放射状に設けた複数の種類の長さのスリット炎口群をプレス加工で構成した炎口部を設け、前記スリット炎口群は、スリットの長手方向の両端部を略半円形状に成型するとともに、隣り合う長スリット炎口群の間に設けた最短スリット炎口を傾斜面の上端部近傍に位置するよう配設し、前記バーナキャップの上端に前記煮汁遮蔽体が密着するように、前記バーナキャップの開口部に前記煮汁遮蔽体の開口筒を嵌合させたバーナ。
- 炎口部は、スリット炎口の長手方向における両端部をR形状に構成し、隣り合う長スリット炎口群の間に短スリット炎口を配置した請求項1に記載のバーナ。
- コンロ開口部を有する天板と、バーナ開口部を有し前記コンロ開口部に設けた汁受け皿と、前記汁受け皿の上方に設けた五徳と、前記バーナ開口部に設けた請求項1に記載のバーナとを備え、前記バーナの最短スリット炎口の上部に対応する位置に前記五徳の爪体を配設したコンロ。
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JP2000205518A (ja) | 2000-07-25 |
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