JP3459348B2 - 内炎式バーナを備えたこんろ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、環状の内炎式バー
ナを備えたこんろに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のこんろとして、例えば実
公平６−１６２５５号公報により、内周に炎孔を有する
環状の内炎式バーナを天板の下方に備えると共に、該内
炎式バーナと同心に位置する開口を天板に開設し、該開
口を通して炎孔からの炎を天板の上方に導くこんろであ
って、炎孔からの炎が天板の下方から上方へ流れる際に
炎を中心方向へ導く内側に向かって上方に傾斜する集合
部を備えたガイド部材を内炎式バーナに支持させたもの
が知られている。

【０００３】また、実公平７−４２００２号公報によ
り、内周に炎孔を有する環状の内炎式バーナを天板の下
方に備えると共に、該内炎式バーナと同心に位置する開
口を天板に開設し、該開口を通して炎孔からの炎を天板
の上方に導くこんろであって、天板の下方から上方へと
昇流してきた炎を放射状に外方へ導く外側に向かって上
方に傾斜する拡散部を備えたガイド部材を内炎式バーナ
に支持させたものが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記前者の集合部を備
えたガイド部材を有するものでは、集合部により中心方
向に導かれた炎が、鍋等の調理器具の底面に沿って放射
状に拡がる際に、集合部の上端を乗り越えガイド部材の
外側面近傍で渦流になる。すると、炎の流れが乱れてス
ムーズに排気することができない。

【０００５】一方、上記後者の拡散部を備えたガイド部
材を有するものでは、排気はスムーズに行われるものの
炎孔で形成された直後の炎が十分に内側に導かれず、そ
のため熱効率が低下するばかりか天板やガイド部材が炎
で加熱され排気中に含まれる一酸化炭素が増加する。

【０００６】本発明は、上記の問題点を解消することを
課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、内周に炎孔を有する環状の内炎式バーナを
天板の下方に備えると共に、該内炎式バーナと同心に位
置する開口を天板に開設し、該開口を通して炎孔からの
炎を天板の上方に導くこんろにおいて、炎孔からの炎が
天板の下方から上方へ流れる際に炎を中心方向へ導く内
側に向かって上方に傾斜する集合部と、集合部によって
中心方向へ導かれた炎を放射状に外方へ導く外側に向か
って上方に傾斜する拡散部とを備えたガイド部材と、上
記開口とガイド部材との間に形成される隙間を上方から
覆うカバー部材とを設けたことを特徴とする。

【０００８】集合部の上部に拡散部を備えたガイド部材
を用いれば、集合部のみを設けた場合の不具合及び拡散
部のみを設けた場合の不具合は共に解消する。但し、集
合部と拡散部とを一体に設けた場合、上部に位置する拡
散部の外周径を天板の開口径より小さくしなければガイ
ド部材と天板とを別々に離すことができない。そのた
め、開口とガイド部材との間に隙間が形成される。煮こ
ぼれや水が天板にかかると該隙間から煮こぼれ等が天板
の下方に浸入し望ましくない。そこで、該隙間をカバー
部材で覆うようにした。

【０００９】尚、該カバー部材は炎により加熱され高温
になりやすい。従って、カバー部材を天板に接触させる
と、カバー部材から天板に熱が伝達され天板が高温にな
る。そこで、カバー部材を天板に接触しないようにして
カバー部材から天板に熱が伝達されないようにすること
が望ましい。

【００１０】また、カバー部材とガイド部材との間に隙
間が存在すると、その隙間から炎がカバー部材の下方に
回り込むおそれが生じる。その場合にはカバー部材とガ
イド部材とを隙間を生じることなく接触させればよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１及び図２を参照して、１は２
口のこんろ部２Ａ・２Ｂを備えたテーブルこんろであ
る。天板１１上には五徳１０が載置されている。また、
両こんろ部２Ａ・２Ｂと同心に位置するように開口１２
が天板１１に開設されている。そして、該開口１２を覆
うようにカバー部材であるカバーリング３が配設されて
いる。該天板１１の下方にはガイド部材であるガイドリ
ング４により覆われた内炎式のバーナ２０Ａ・２０Ｂが
配置されている。両こんろ部２Ａ・２Ｂのうち、左側の
こんろ部２Ａのみに鍋底センサ１３を配設した。該鍋底
センサ１３はバーナ２０Ａの中心に位置しており、汁受
け皿１４により側方を囲繞されている。

【００１２】バーナ２０Ａの上面には隙間を存してバー
ナ２０Ａを覆うガイドリング４が載置されている。該ガ
イドリング４の下面には等間隔を存して複数の脚４０が
形成されている。該ガイドリング４には下半部分に集合
部４１と上半部分に拡散部４２とが形成されている。集
合部４１は内側に向かって上方に傾斜しており、バーナ
２０Ａから出た炎がすぐに上方に立ち上がらないように
内側に向かって炎を導くものである。また、拡散部４２
はそのように内側に導かれた炎が図外の鍋底にぶつかり
外側に拡がろうとする際に、炎をスムーズに外側に拡が
るように導くものである。尚、ガイドリング４を取り付
けた状態でも天板１１を着脱できるように、拡散部４２
の上端の直径は開口１２の直径より小さくなるように形
成している。従って、上方から見た場合、ガイドリング
４の拡散部４２の先端と開口１２の周縁との間に隙間が
生じる。そこで、カバーリング３を取り付けることによ
り該隙間を覆うようにした。カバーリング３は内側部分
に内側に向かって下方に傾斜する係合部３１を有してお
り、該係合部３１を上記拡散部４２の上面に載置するこ
とによりガイドリング４に係合し、ガイドリング４を介
してバーナ２０Ａに支持される。また、係合部３１の外
側には天板１１の上面まで延びるカバー部３２が形成さ
れている。該カバー部３２の先端は天板１１に接触しな
いように形成されており、カバーリング３は天板１１に
対して全く接触しない状態でガイドリング４に係合す
る。尚、拡散部４２と係合部３１とは同じ傾斜角度に形
成しており、カバーリング３を天板カバー４に載置する
と拡散部４２と係合部３１との間に隙間が生じない。従
って、拡散部４２と係合部３１との間を通って炎がカバ
ーリング３２の下側に入り込むことはない。また、係合
部３１の傾斜角度は拡散部４２の傾斜角度と同じである
から炎は拡散部４２によって外側に導かれるのと同様に
外側に導かれる。

【００１３】ところで、カバーリング３とガイドリング
４は共に熱に強い琺瑯のような表面処理が施されてい
る。また、天板１１には煮汁などの汚れが取れやすいよ
うにフッ素樹脂のような撥水性表面処理を施すが、フッ
素樹脂は熱に対してそれほど強くない。カバーリング３
やガイドリング４が加熱され高温になっても、ガイドリ
ング４はもちろんカバーリング３も天板１１に接触して
いないので、フッ素樹脂が熱により劣化することがな
い。仮にカバーリング３を天板１１に支持させると、五
徳１０に載置された調理容器の重さにより天板１１の位
置が下がることを考慮して、カバーリング３とガイドリ
ング４との間に予め隙間を形成する必要があるが、その
ように隙間を形成すると該隙間内に炎や熱気が入り込み
望ましくない。ところで、カバーリング３の内周部分の
係合部３１は傾斜しているので、炎が一旦中央に集ま
り、その後放射状に拡がる際に、炎や熱気がカバーリン
グ３を焼かない。また、バーナ中心部から放射方向への
排気の流れがスムーズになり、一酸化炭素の発生量を減
少させることができる。特に、フラット化のために五徳
を低くする場合、五徳に載置される調理容器の底が天板
１１に近接するが、上記のようにカバーリング１２が焼
かれず、且つ排気の流れがスムーズになる。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、集合部と拡散部とを別々に設けていた従来の
不具合を解消することができ、更に集合部と拡散部とを
一体に形成することにより拡散部と天板の開口周縁との
間に生じる隙間を、天板が加熱されないようにして覆う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】内炎式バーナを備えたテーブルこんろの外観図

【図２】II−II断面図

【符号の説明】

１ テーブルこんろ ３ カバーリング（カバー部材） ４ ガイドリング（ガイド部材） １１ 天板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24C 3/02 F24C 3/08 F24C 15/00 - 15/14

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周に炎孔を有する環状の内炎式バー
   ナを天板の下方に備えると共に、該内炎式バーナと同心
   に位置する開口を天板に開設し、該開口を通して炎孔か
   らの炎を天板の上方に導くこんろにおいて、炎孔からの
   炎が天板の下方から上方へ流れる際に炎を中心方向へ導
   く内側に向かって上方に傾斜する集合部と、集合部によ
   って中心方向へ導かれた炎を放射状に外方へ導く外側に
   向かって上方に傾斜する拡散部とを備えたガイド部材
   と、上記開口とガイド部材との間に形成される隙間を上
   方から覆うカバー部材とを設けたことを特徴とする内炎
   式バーナを備えたこんろ。
2. 【請求項２】 上記カバー部材はガイド部材に支持さ
   れ天板に接触しないことを特徴とする請求項１記載の内
   炎式バーナを備えたこんろ。
3. 【請求項３】 上記カバー部材とガイド部材とを隙間
   を生じることなく接触させたことを特徴とする請求項１
   または請求項２記載の内炎式バーナを備えたこんろ。