JP2003342286A - ルテニウム錯体、その製造方法、及び薄膜の製造方法 - Google Patents
ルテニウム錯体、その製造方法、及び薄膜の製造方法Info
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Abstract
成膜温度が低い有機金属化合物を提供し、それを原料と
してCVD法によりルテニウム含有薄膜を製造する。 【解決手段】一般式[1] 【化1】 で表される有機ルテニウム化合物[具体例 2,4−ジ
メチル−ペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニ
ル)ルテニウム]又は一般式[7] 【化2】 で表される有機ルテニウム化合物[具体例 カルボニル
ビス(2−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテニウ
ム]を原料とし、化学気相蒸着法等によりルテニウム含
有薄膜を製造する。
Description
(Chemical Vapor Depositio
n法;以下、CVD法とする)、塗布熱分解法等による
ルテニウム含有薄膜の形成に有用な有機ルテニウム錯
体、その製造方法、及び半導体メモリー等の電子素子等
に使用されるルテニウム含有薄膜の製造方法に関する。
モリーセルの微細化が進み、キャパシター絶縁膜に(B
a、Sr)TiO3等の強誘電体薄膜を使用することが
検討されている。強誘電体薄膜を使用したキャパシター
では電極としてPt、Ru、Irといった貴金属が使用
される。このうちRuは酸化物が導電性を持つ、微細加
工性に優れるといった点から電極材料として最も有力視
されており、Ru薄膜あるいはRuO2薄膜による電極
が検討されている。高集積化したメモリー素子における
これらRu含有薄膜の形成方法としては段差被覆性、組
成制御性に優れるといった点からCVD法が最適であ
る。
めの原料物質としては金属化合物の中でも融点が低く取
り扱い性が容易である有機金属化合物が適していると考
えられる。従来、ルテニウムまたはルテニウム酸化物薄
膜を析出させる為の有機金属化合物としてはルテノセン
あるいはトリ(ジピバロイルメタナート)ルテニウム
(以後Ru(DPM)3)[特開平6−283438号
公報]またはトリ(オクタン−2,4−ジオネート)ル
テニウム(以後Ru(OD)3)[特開2000−21
2744号公報]が用いられていた。ルテノセンは、そ
れぞれのシクロペンタジエン環を構成するのが炭素と水
素のみであり、2つのシクロペンタジエン環の間にルテ
ニウムが挟まれているサンドイッチ構造を有する。この
ルテノセンは大気中の安定性が高く、毒性も無いことか
らCVD原料としての適性を有するものの、常温では固
体であり、融点が約200℃と比較的高い為、原料の気
化および基盤への輸送が多少困難になるという問題点が
ある。
物についての研究が活発に行われている。このルテニウ
ム含有有機金属化合物の低融点化の手法としては、ルテ
ノセンのシクロペンタジエン環の少なくとも一つの水素
原子をメチル基、エチル基等のアルキル基で置換したル
テノセン誘導体とするものがある。例えば、特開平11
−35589号公報ではルテノセン誘導体として、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(以後Ru
(EtCp)2)およびビス(イソプロピルシクロペン
タジエニル)ルテニウムに代表される、ビス(アルキル
シクロペンタジエニル)ルテニウムが開示されている。
また特開2000−281694号公報ではアルキル置
換ルテノセンをCVD材料として用いる事が開示されて
いる。これらの金属化合物はいずれも常温で液体であ
り、その融点もルテノセンに比して低いことから、CV
D法に適用する原料物質として必要な特性を具備するも
のであるとされている。しかしこれらビス(アルキルシ
クロペンタジエニル)ルテニウムは基本的にルテノセン
構造を有しており、この構造は安定性が極めて高いこと
から錯体の分解温度が高く、必然的に成膜時の基盤温度
を高くする必要があり、結果としてステップカバレッジ
が悪くなるという問題点を抱えていた。
配位子とするハーフサンドイッチ構造を有する錯体の合
成例としては、R.Gleiter等のOrganom
etallics,8,298(1989)に報告され
ている、(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル
ペンタジエニル)ルテニウムがある。しかしながらこの
錯体は融点が136〜137℃で、常温で固体となり、
CVD材料として適当な材料であるとは言い難い。これ
までに室温で液体の優れた気化特性を示すハーフサンド
イッチ構造のルテニウム錯体の合成報告例はない。
ンの合成法に関しては、ペンタジエン誘導体、シクロペ
ンタジエン誘導体、亜鉛およびルテニウムを適当な溶媒
中に一度に加え、適当な反応条件で反応させるのが一般
的であるが、この方法では収率が極端に悪くなり、実用
的でない。また、反応後の後処理として反応液を濃縮
し、泥状混合物を得た後にその泥状混合物から適当な溶
媒で目的物を抽出し、セライト濾過もしくはアルミナカ
ラムを用いたカラムクロマトグラフィーを行い精製する
ことで目的物を得る方法が一般的であった。しかしこの
方法は反応終了後に濃縮していられる泥状化合物からの
抽出や、セライト濾過もしくはカラムクロマトグラフィ
ーなど工業上好ましくないプロセスを含んでおり、ハー
フサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物が工業的に有
利になる為に、安定して高収率で目的物を得ることが出
来る製造方法が望まれていた。
積度の低い素子の製造に使用されている。塗布熱分解法
で使用される原料は膜厚を制御するため有機溶媒に溶解
して使用することから有機溶媒に可溶で、さらに低温で
分解するものが好ましい。しかし、このような特徴を有
するルテニウム化合物はこれまでほとんどなかった。
ム錯体としてはカルボニルビス(1,3−ブタジエン)
ルテニウム(D.Minniti and P.L.T
imms,J.Organomet.Chem.,25
8,C12(1983))、カルボニルビス(2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン)ルテニウム、カルボニ
ルビス(1,3−シクロヘキサジエン)ルテニウム
(D.N.Cox andR.Roulet,Hel
v.Chim.Acta,67,1365(198
4))のみが知られている。これらの錯体の製造方法は
−196℃でRuとジエンを反応させた後、COを加え
るという低温での反応を必要とする方法であった。
料となる錯体をガスとして供給する必要があるが、従来
使用されている錯体のうちRu(DPM)3は融点16
8℃で高温なため、昇華によるガス化となる。昇華によ
るガス化では固体の表面積変化により原料ガス濃度に変
化が生じ安定な供給量が得られないという問題がある。
これに対し、錯体を有機溶媒に溶解して使用する方法が
提案されている(特開平5−132776号公報)。し
かし、この方法では溶媒と錯体の揮発性の差により溶媒
のみが揮発したり、固体が析出するといった問題があり
必ずしも安定な原料供給方法とはいえない。一方、Ru
(OD)3およびRu(EtCp)2は室温で液体であり
比較的高い蒸気圧を持つため原料の安定供給については
問題ないが、どちらの錯体もRuと有機配位子の結合が
安定で分解しにくいため、高温での成膜が必要である。
記錯体よりも低温での成膜が可能であり、且つ安定した
原料供給の行えるルテニウム錯体、その製造方法、及び
ルテニウム含有薄膜の製造方法を提供することを目的と
する。
を解決すべく検討を重ねた結果、ルテノセン構造を有す
る既知化合物の片方のシクロペンタジエニル環(以後C
p環)を直鎖型のペンタジエニルに変えることで分解温
度が下がることを見出し、さらに鋭意検討を重ねた結
果、Cp環に低級アルキル基を導入することで、室温で
液体の融点を示し、良好な気化特性、分解特性を有する
新規なルテニウム錯体を開発するに至った。また低分子
量のジエンとカルボニル基を配位子としたカルボニルビ
ス(ジエン)ルテニウム錯体により上記目的を達成でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
素、ハロゲン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級
アルコキシカルボニル基、または低級アルキル基を示
す。ただしR1〜R4全てが水素である場合、及び、R1
が水素でR2〜R4のいずれか1つが水素で残りがメチル
基である場合を除く。]で表されることを特徴とする、
ハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物である。
構造有機ルテニウム化合物を原料とし、化学気相蒸着法
を用いて、加熱した基板上にルテニウム含有薄膜を製造
することを特徴とする、ルテニウム含有薄膜の製造方法
である。
ロゲン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級アルコ
キシカルボニル基、または低級アルキル基を示す。]で
表されるオープンルテノセンに、溶媒中で亜鉛存在下、
一般式[4]
コキシ基、低級アルコキシカルボニル基、または低級ア
ルキル基を示す。]で表されるシクロペンタジエンを反
応させることを特徴とする、一般式[1]で表されるハ
ーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物の製造方法
である。
エーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケト
ン、ハロゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミド
を示す。但し、R5〜R8全てが水素の場合、及びR5、
R8が水素でR6、R7がメチルの場合を除く。)で表さ
れることを特徴とする、カルボニルビス(ジエン)ルテ
ニウム錯体である。
物(nは1以上の数)とジエンを亜鉛粉末存在下アルコ
ール中で反応させることを特徴とする、上述のカルボニ
ルビス(ジエン)ルテニウム錯体の製造方法である。
エン)ルテニウム錯体を原料として使用することを特徴
とする、ルテニウム含有薄膜の製造方法である。以下、
本発明について詳しく述べる。
らびにその具体例について説明する。本明細書中に記述
の「低級」なる用語は特に断らない限り、この語が付与
された基に於いて、炭素数1個以上6個以下の直鎖状、
分岐状、または環状の炭化水素基を含有するものである
ことを示す。
用いられる低級アルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル(アミル)基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブ
チル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピ
ル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチ
ル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、
1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル
基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチ
ル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル
基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロ
ピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチ
ル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプ
ロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル
基、シクロプルピルエチル基、およびシクロブチルメチ
ル基等があげられる。より好ましくはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基で
ある。
用いられる低級アルコキシ基としては、具体的に例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、1−メ
チルブチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、3−
メチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ
基、1−エチルプロピルオキシ基、2−メチルペンチル
オキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペ
ンチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、
1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブ
チルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、2,
2−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチル
オキシ基等が挙げられる。より好ましくは、メトキシ
基、エトキシ基、またはプロポキシ基である。
れる低級アルコキシカルボニル基としては、例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシ
カルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、シクロプ
ロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブ
トキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、
tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。より
好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基またはシクロプロポキシカルボニル基である。
れる低級アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、1−メチルプロピルカルボニル基、イ
ソバレリル基、ペンチルカルボニル基、1−メチルブチ
ルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基、3−
メチルブチルカルボニル基、1−エチルプロピルカルボ
ニル基、2−エチルプロピルカルボニル基等を挙げるこ
とが出来る。より好ましくはホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基である。
は上記した低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ア
ルコキシカルボニル基および低級アシル基の他に、同一
または異なって水素原子またはハロゲン原子が好ましく
用いられる。ハロゲン原子の具体的な例として、フッ
素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられ、より好ましく
はフッ素および塩素である。
されることを特徴とするハーフサンドイッチ構造ルテニ
ウム化合物である。好ましくは一般式[2]
ン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ
カルボニル基、または低級アルキル基を示す。但し、R
1が水素でR2がメチル基の場合を除く。]で表されるハ
ーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物であり、更
に好ましくはR1,R2共に低級アルキル基であり、特に
R1はエチル基、R2はメチル基が好ましい。
造有機ルテニウム化合物を用いてCVD法でルテニウム
含有薄膜を作る方法である。図1に装置の一例を示す。
本発明のハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物
を原料容器1に入れ、40〜120℃に保ち、この液に
減圧下でキャリアーガス7をバブリングさせることによ
りハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物を蒸発
させ、反応槽3に送る。加熱して200〜750℃に保
持された基板4の上においてハーフサンドイッチ構造有
機ルテニウム化合物を熱分解させるとルテニウム含有薄
膜が生成する。
1のようなバブリング法でもよいし、また、本発明の有
機ルテニウム化合物をそのまま又は有機溶媒に溶かした
溶液を気化器内に送って気化器内でガス化する溶液気化
型でもよい。
ーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物は、そのま
ま用いてもよいし、有機溶媒に溶解したハーフサンドイ
ッチ構造有機ルテニウム化合物溶液として用いてもよ
い。この場合に用いられる有機溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の
エステル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、
ジエチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルア
ミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素類が挙げられるが特に
限定する物ではない。
は、一般式[3]で表されるオープン型ルテニウム錯体
と一般式[4]で表されるシクロペンタジエンとを反応
させることにより得ることができる。このとき、一般式
[3]で表されるオープン型ルテニウム錯体は、一般式
[5]で表されるペンタジエン誘導体と一般式[6]で
表されるハロゲン化ルテニウム水和物を亜鉛存在下に反
応させて得ることができる。これらの反応を反応式
[I]に示す。従来これらハーフサンドイッチ構造有機
ルテニウム化合物の製造方法の多くが、ペンタジエン誘
導体とシクロペンタジエン誘導体を一度に加えて反応さ
せる為に収率が芳しくなかったのに対し、このような製
法によれば高収率で目的物を得ることが出来る。
す。R1、R2、R3、R4は前記と同じ内容を表す。] この製法では、反応溶媒は特に限定されず、また生成物
の回収・精製方法は特に限定されるものではない。しか
しながらメタノールを一部又は全部の反応溶媒として用
い、反応終了後にろ過して過剰の亜鉛を取り除いた後、
メタノールと任意に交じり合わない溶媒を用いて一般式
[1]で表されるハーフサンドイッチ構造有機ルテニウ
ム化合物を抽出し、濃縮して得られる油状物を蒸留する
ことにより、工業的に有利な工程を経て目的物を得るこ
とが出来る。この際用いるメタノールと任意に交わらな
い溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等、脂肪族炭化水素を挙げることが出来
る。この中でも特にペンタン、ヘキサンは安価に入手可
能であり、工業的に有利であるため好ましい。
に限定されないが、一般式[6]で表される化合物又は
一般式[3]で表される化合物1モルに対して1.0モ
ル以上が好ましく、1.5モル以上用いるのが更に好ま
しい。大過剰量用いても経済的に不利なので1.5乃至
100モル用いるのが有利である。一般式[5]で表さ
れる化合物と、一般式[6]で表される化合物を亜鉛の
存在下反応させる際、一般式[5]で表される化合物を
一般式[6]で表される化合物1モルに対して2モルあ
るいは過剰モル用いて反応させるのが好ましい。大過剰
量用いても経済的に不利なので2乃至20モル用いるの
が有利である。
[6]で表される化合物を亜鉛の存在下反応させる際、
反応温度は−20乃至100℃で反応させるのが好まし
い。さらに好ましくは−20乃至80℃である。一般式
[3]で表される化合物と一般式[4]で表される化合
物を亜鉛の存在下反応させる際、反応温度は−20乃至
100℃で反応させるのが好ましい。さらに好ましくは
−20乃至80℃である。
[4]で表される化合物を亜鉛の存在下反応させる際、
一般式[4]で表される化合物を一般式[3]で表され
る化合物1モルに対して0.8乃至1.0モル用いて反
応させるのが好ましい。0.8モル未満用いれば未反応
で残る一般式[3]で表される化合物が多くなり、1.
0モルを越えて用いれば副生物としてビス(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウムが多く生成するために好
ましい条件とは言えない。
化合物と一般式[6]で表される化合物とを反応させ
て、一般式[3]で表される化合物を製造した場合は、
一般式[3]で表される化合物を単離することなくその
まま1ポットで一般式[4]で表される化合物と反応さ
せて、一般式[1]で表される化合物を合成することが
好ましい。
不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。不活性ガスと
は例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キ
セノン、ラドンを挙げることが出来る。これらのうち安
価に入手でき、空気より思いという点から窒素、アルゴ
ンがさらに好ましい。
て説明する。このようなカルボニルビス(ジエン)ルテ
ニウム錯体としてはカルボニルビス(1,3−ヘキサジ
エン)ルテニウム[R5〜R7=−H、R8=−C
2H5]、カルボニルビス(2,4−ヘキサジエン)ルテ
ニウム[R5,R8=−CH3、R6,R7=−H]、カル
ボニルビス(3−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテ
ニウム[R5,R6=−H、R 7,R8=−CH3]、カル
ボニルビス(2,4−ヘキサジエナール)ルテニウム
[R5=−CH3、R8=−C=O、R6,R7=−H]、
カルボニルビス(2,4−ヘキサジエン−1−オル)ル
テニウム[R5=−CH3、R8=−CH2OH、R 6,R7
=−H]、カルボニルビス(1−アセトキシ−1,3−
ブタジエン)ルテニウム[R5=−O−COCH3、
R6,R7,R8=−H]、カルボニルビス(2,4−ヘ
キサジエン酸)ルテニウム[R5=−CH3、R8=−C
OOH、R6,R 7=−H]、カルボニルビス(2,4−
ペンタジエン酸メチル)ルテニウム[R5=−COOC
H3、R6,R7,R8=−H]等があげられる。
ナール)ルテニウム[R5=−C2H 5、R8=−C=O、
R6,R7=−H]、カルボニルビス(2,6−ジメチル
−2,4,6−オクタトリエン)ルテニウム[R5,R6
=−CH3、R8=−C=C(CH3)2、R7=−H]、
カルボニルビス(2,4−デカジエン酸エチル)ルテニ
ウム[R5=−CH2CH2CH2CH2CH3、R8=−C
OOC2H5、R6,R7=−H]、カルボニルビス(ミル
セン)ルテニウム[R6=−CH2CH2CH=C(C
H3)2、R5,R7,R8=−H]、カルボニルビス
(2,4−オクタジエナール)ルテニウム[R5=−C
H2CH2CH3、R8=−C=O、R6,R7=−H]、カ
ルボニルビス(ソルビン酸エチル)ルテニウム[R5=
−CH3、R8=−COOC2H5、R6,R7=−H]、カ
ルボニルビス(ソルビン酸メチル)ルテニウム[R5=
−CH3、R8=−COOCH3、R6,R7=−H]、カ
ルボニルビス(2,4−ヘプタジエン−6−オン)ルテ
ニウム[R5=−CH3、R8=−COCH3、R6,R7=
−H]等が挙げられる。
のうち少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル基、エ
ーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、
ハロゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミドで、
他は水素であることが好ましく、更に好ましくはR5〜
R8のうち少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル基
で他は水素であり、このうちカルボニルビス(2−メチ
ル−1,3−ペンタジエン)ルテニウム[R5,R7=−
H、R6,R8=−CH3]が最も好ましい。
ルビス(ジエン)ルテニウム錯体は塩化ルテニウム・n
水和物とジエンを亜鉛存在下、アルコール中で反応させ
ることにより製造することができる。この時、ジエンが
不足の状態になると金属ルテニウムが生成して収率が低
下するためジエン過剰で反応させることが好ましく、塩
化ルテニウム・n水和物の10〜20倍モルのジエン量
が好ましい。亜鉛粉末は塩化ルテニウム・n水和物の還
元を十分に行なうため、10倍モル以上の過剰量が好ま
しい。また、これらを混合する際、亜鉛粉末を分散させ
たジエンまたはジエンのアルコール溶液中に塩化ルテニ
ウム・n水和物のアルコール溶液を滴下すると高収率で
目的とするカルボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体を
得ることができる。
鎖上に2つ以上の二重結合を持つ化合物であれば特に限
定されない。反応中に二重結合の移動が起こるので1,
4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル
−1,4−ペンタジエン、3−メチル−1,4−ペンタ
ジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン等の非共役
ジエンを使用してもよいが、下記一般式[8]で表わさ
れる共役ジエンが好ましい。
エーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケト
ン、ハロゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミド
を示す。但し、R5〜R8全てが水素の場合、及びR5、
R8が水素でR6、R7がメチルの場合を除く。)。
ち少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル、エーテ
ル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、ハロ
ゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミドであり、
他は水素であることが好ましい。
キサジエン(R5〜R7=−H、R8=−C2H5)、2,
4−ヘキサジエン(R5,R8=−CH3、R6,R7=−
H)、3−メチル−1,3−ペンタジエン(R5,R6=
−H、R7,R8=−CH3)、2,4−ヘキサジエナー
ル(R5=−CH3、R8=−C=O、R6,R7=−
H)、2,4−ヘキサジエン−1−オル(R5=−C
H3、R8=−CH2OH、R6,R7=−H)、1−アセ
トキシ−1,3−ブタジエン(R5=−O−COCH3、
R6,R7,R8=−H)、2,4−ヘキサジエン酸(R5
=−CH3、R8=−COOH、R6,R7=−H)、2,
4−ペンタジエン酸メチル(R5=−COOCH3、
R6,R7,R8=−H)、2,4−ヘプタジエナール
(R5=−C2H5、R8=−C=O、R6,R7=−H)が
あげられる。
クタトリエン(R5,R6=−CH3、R8=−C=C(C
H3)2、R7=−H)、2,4−デカジエン酸エチル
(R5=−CH2CH2CH2CH2CH3、R8=−COO
C2H5、R6,R7=−H)、ミルセン(R6=−CH2C
H2CH=C(CH3)2、R5,R7,R8=−H)、2,
4−オクタジエナール(R5=−CH2CH2CH3、R8
=−C=O、R6,R7=−H)、ソルビン酸エチル(R
5=−CH3、R8=−COOC2H5、R6,R7=−
H)、ソルビン酸メチル(R5=−CH3、R8=−CO
OCH3、R6,R7=−H)、2,4−ヘプタジエン−
6−オン(R5=−CH3、R8=−COCH3、R 6,R7
=−H)等が挙げられるが、2−メチル−1,3−ペン
タジエン(R5,R7=−H、R6,R8=−CH3)が最
も好ましい。
ものであれば特に限定されないが、アルコールから配位
子となるCOが生成するため、反応速度の点からメタノ
ール、エタノール、1−プロパノールが好ましい。ま
た、使用するアルコールは1種類のみでなく、数種類の
混合でもよい。亜鉛粉末を分散させたジエン又はジエン
のアルコール溶液中に塩化ルテニウム・n水和物のアル
コール溶液を滴下する場合には、ジエンを溶解に使用す
るアルコールと塩化ルテニウム・n水和物の溶解に使用
するアルコールは同一である必要はなく異なっていても
良い。反応温度は低温では反応速度が遅く、高温ではジ
エンの重合反応がおこるため、0〜80℃が好ましい。
反応後、生成した錯体は亜鉛粉末をろ過により取り除い
た後、反応混合物から直接あるいは反応混合物からアル
コール、未反応のジエンを除去した残査から、ペンタ
ン、ヘキサン等の溶媒により抽出することができる。抽
出した液中には錯体以外に反応で生成したジエンの重合
体等も含まれるため、クロマトグラフィー、蒸留等によ
り精製し、錯体が得られる。
ウム錯体を原料としてルテニウム含有薄膜を製造するこ
とができる。
ルテニウム錯体を原料として基板上にルテニウムまたは
酸化ルテニウムなどのルテニウム含有薄膜を製造する場
合、ガス化して基板上に供給する。ガス化の方法として
は加熱した液体の錯体中に不活性キャリアガスを導入
し、キャリアガスに同伴させて基板の置かれた反応槽に
導く方法、錯体を有機溶媒に溶かして溶液とし、溶液を
気化器に送って気化器内でガス化して基板上の置かれた
反応槽に導く方法等がある。
を有機溶媒に溶かして溶液として用いる場合、有機溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノ−ル等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸イソアミル等のエステル類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリ
コールエーテル類、グライム、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルア
ミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、
キシレン等の炭化水素類が挙げられるが特に限定される
ものではない。
ウム又は酸化ルテニウムなどのルテニウム含有薄膜を形
成する場合も溶液で使用するが、このときも上記の有機
溶媒を使用することができる。
られるCVD法は熱CVD、プラズマCVD、光CVD
等一般に使用されるCVD法であれば特に限定されな
い。塗布熱分解法の原料塗布方法としては例えばスピン
コート法、ディップ法、噴霧法等が挙げられ、加熱方法
としてはオーブン、ホットプレート等が使用できるが、
塗布方法、加熱方法およびその組み合せは特に限定され
ない。
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムの合
成および熱分解特性 四つ口フラスコに亜鉛400gを秤量し、容器をアルゴ
ン置換して、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン
205mlを加えて懸濁液とした。3塩化ルテニウムn
水和物(n=約3)30gをメタノール1000mlに
溶かした溶液を40分かけて室温で滴下した。滴下終了
後室温で30分間攪拌した後、60℃に昇温して2時間
攪拌した。一旦放冷した後、エチルシクロペンタジエン
12mlを投入しそのまま室温で30分攪拌、60℃に
昇温して2時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、
グラスフィルターを用いて未反応の亜鉛を取り除いた
後、ヘキサン750ml×1回、300ml×4回抽出
した。抽出溶液を減圧下濃縮し、得られた油状物につい
て減圧蒸留を行い、目的物である(2,4−ジメチルペ
ンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニ
ウムを25.4g(収率76.3%)得た。 黄色油状物。1 H−NMR(500MHz,CDCl3,dppm) 5.38(s,1H),4.63(t,J=2.0H
z,2H),4.52(t,J=2.0Hz,2H),
2.70(d,J=2.5Hz,2H),2.15
(q,J=7.5Hz,2H),1.93(s,6
H),1.12(t,J=7.5Hz,3H),−0.
09(d,J=2.5Hz,2H)。 IR(neat,cm-1) 3050,2960,2910,1475,1445,
1430,1375,1030,860,800 MS(GC/MS,EI)102 Ruでの(2,4−ジメチルペンタジエニル)(エ
チルシクロペンタジエニル)ルテニウムの分子イオンピ
ーク;m/z 290。なおこのMSのチャートを図2
に示す。
チルペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)
ルテニウムの分解特性を測定した結果を図3に示す。な
お分解特性測定条件は以下の通りである。 比較例1 ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニ
ウムの分解特性 実施例1と同様の条件でビス(エチルシクロペンタジエ
ニル)ルテニウムの分解特性を測定した。320℃付近
より発熱反応が見られた。結果を図4に示す。
ニル)(メチルシクロペンタジエニル)ルテニウムの合
成 50mlシュレンク管に亜鉛8.0gを秤量し、容器に
アルゴンを置換して、2,4−ジメチル−1,3−ペン
タジエン4mlを加えて懸濁液をした。3塩化ルテニウ
ム水和物0.6gをエタノール20mlに溶かした溶液
を50分かけて室温で滴下した。滴下終了後、室温で3
0分攪拌した後、70℃に昇温して2時間攪拌した。い
ったん放冷した後、メチルシクロペンタジエン240μ
lを投入し、そのまま室温で30分攪拌、70℃に昇温
して2時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、グラ
スフィルターを用いて未反応の亜鉛を取り除いた後、濃
縮して泥状混合物を得た。得られた泥状混合物からペン
タンで抽出し、抽出液について、アルミナを担体、ペン
タンを溶離液としてカラムクロマトグラフィーを行い、
目的物である、(2,4−ジメチルペンタジエニル)
(メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム0.28g
を得た。1 H−NMR(500MHz,CDCl3,δppm) 5.36(s、1H),4.61(t,J=2.0H
z,2H),4.57(t,J=2.0Hz,2H),
2.67(d,J=2.5Hz,2H),1.93
(s,6H),1.83(s,3H),−0.07
(d,J=2.5Hz,2H) MS(GC/MS,EI)102 Ruでの(2,4−ジメチルペンタジエニル)(メ
チルシクロペンタジエニル)ルテニウムの分子イオンピ
ーク;m/z 276。なお、このMSチャートは図5
に示す。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを原
料としてCVD法によるルテニウム含有薄膜の製造 図1に示す装置を用い、基板としては表面にSiO2膜
が100nm形成されたSi基板を用いた。原料容器1
内に(2,4―ジメチルペンタジエニル)(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウム約10gを入れてオイル
バスで加熱、60℃恒温状態にした。真空ポンプ11、
圧力調整弁を用いて反応槽3を10Torr、反応容器
内を100Torrに調整した。キャリアガス7として
窒素を用い、流量をマスフローコントローラーで100
sccmに設定した。酸化ガス5として酸素を用い、カ
ウンターガス6として窒素を用いた。酸化ガス流量を
0、10、30、300sccmに設定し、カウンター
ガス流量を、酸化ガス流量との合計が500sccmと
なるように設定した。基板4を400℃に設定し、加熱
保持した状態で60分間成膜を行った。
たRu含有薄膜の膜厚を示す。また図6のA,B,Cで
得られた膜について、図7にこれら膜のX線回折図形を
示す。図7より、酸素流量が0sccmの場合(A)は
Ru膜が得られ、またそれ以上の酸素流量(B)(C)
においてRuの酸化膜が得られることが明らかである。
即ち、CVDにおける酸素流量により、Ru膜とRuO
2膜とを作り分けることが可能であることが明らかとな
った。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを原
料としてCVD法によるルテニウム含有薄膜の製造 図1に示す装置を用い、基板としては表面にSiO2膜
が100nm形成されたSi基板を用いた。原料容器1
内に(2,4―ジメチルペンタジエニル)(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウム約10gを入れてオイル
バスで加熱、60℃恒温状態にした。真空ポンプ11、
圧力調整弁を用いて反応槽3を10Torr、反応容器
内を100Torrに調整した。キャリアガス7として
窒素を用い、流量をマスフローコントローラーで100
sccmに設定した。酸化ガス5として酸素を用い、カ
ウンターガス6として窒素を用いた。酸化ガス流量を3
00sccmに設定し、カウンターガス流量を200s
ccmに設定した。基板4を170、200、300、
400、500、600℃に設定し、加熱保持した状態
で60分間成膜を行った。
レニウスプロットを示す。200℃以上でRu含有薄膜
を形成することができた。得られた膜の抵抗率を図9に
示す。バルクの抵抗率(図9の矢印で表示)に近い良好
な抵抗率が得られた。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを原
料としてCVD法によるルテニウム含有薄膜の製造 図1に示す装置を用い、基板としては表面にSiO2膜
が100nm形成されたSi基板を用いた。原料容器1
内に(2,4―ジメチルペンタジエニル)(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウム約10gを入れてオイル
バスで加熱、60℃恒温状態にした。真空ポンプ11、
圧力調整弁を用いて反応槽3を10Torr、反応容器
内を100Torrに調整した。キャリアガス7として
窒素を用い、流量をマスフローコントローラーで100
sccmに設定した。酸化ガス5を使用せず、カウンタ
ーガス6として窒素を用い、カウンターガス流量を50
0sccmに設定した。基板4を250、275、30
0、325、350、375、400、450、50
0、550、600℃に設定し、加熱保持した状態で6
0分間成膜を行った。
レニウスプロットを示す。275℃以上でRu膜を形成
することができた。また図10に成膜されたRu含有薄
膜のX線回折図を示す。400℃以上で結晶性のよい膜
が得られた。図11に得られた膜の抵抗率を示す。バル
クの抵抗率(図11の矢印で表示)に近い良好な抵抗率
が得られた。図12,図14に基板温度300℃および
600℃の成膜により得られた膜の断面のSEM写真を
示す。いずれの温度においても緻密な膜が観察された
が、特に600℃の成膜ではより緻密な膜が観察され
た。また図16,図18に基板温度350℃および60
0℃の成膜により得られた膜の断面のAFM像を示す。
AFMによる表面粗さの測定の結果、Ra(算術平均粗
さ)及びRy(最大高さ)を表1(a)に示す。ここで
Ra及びRyはJIS B0601−1994・JIS
B0031−1994に記載された方法である。本発
明によるRu含有薄膜の表面は非常に平坦であることが
わかる。
市販のビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム
約10gを入れた以外はすべて実施例6と同様の条件に
おいて成膜を行った。図13,図15に基板温度300
℃および600℃の成膜により得られた膜の断面のSE
M写真を示す。いずれの場合もまくの緻密さに劣り、柱
状の結晶成長が確認された。また図17,図19に基板
温度350℃および600℃の成膜により得られた膜の
断面のAFM像を示す。AFMによる表面粗さの測定の
結果、Ra及びRyを表1(b)に示す。実施例と比較
して表面粗さの大きいものであった。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを原
料としてCVD法によるルテニウム含有薄膜の製造 図1に示す装置を用い、基板としては表面にSiO2膜
が100nm形成されたSi基板を用いた。原料容器1
内に(2,4―ジメチルペンタジエニル)(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウム約10gを入れてオイル
バスで加熱、60℃恒温状態にした。真空ポンプ11、
圧力調整弁を用いて反応槽3を10Torr、反応容器
内を100Torrに調整した。キャリアガス7として
窒素を用い、流量をマスフローコントローラーで30、
100sccmに設定した。酸化ガス5として酸素を用
い、カウンターガス6として窒素を用いた。酸化ガス流
量を300sccmに設定し、カウンターガス流量を2
00sccmに設定した。基板4を400℃に設定し、
加熱保持した状態で60分間成膜を行った。キャリアガ
ス流量と基板上に成膜されたRu含有薄膜の成膜速度の
関係を図20に示す。キャリアガスの少ない領域におい
ても十分成膜可能であった。
ニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを原
料としてCVD法によるルテニウム含有薄膜の製造 図1に示す装置を用い、基板としては表面にSiO2膜
が100nm形成されたSi基板を用いた。原料容器1
内に(2,4―ジメチルペンタジエニル)(エチルシク
ロペンタジエニル)ルテニウム約10gを入れてオイル
バスで加熱、60℃恒温状態にした。真空ポンプ11、
圧力調整弁を用いて反応槽3を10Torr、反応容器
内を100Torrに調整した。キャリアガス7として
窒素を用い、流量をマスフローコントローラーで100
sccmに設定した。酸化ガス5を使用せず、カウンタ
ーガス6として窒素を用い、カウンターガス流量を50
0sccmに設定した。基板4を350℃に設定し、加
熱保持した状態で2.5、5、10、20、60、12
0分間成膜を行った。
上に成膜されたRu含有薄膜の膜厚を示す。成膜時間
2.5分以上でRu含有薄膜が得られ、時間に対し直線
的に膜厚が増加した。本発明によるRu含有薄膜はイン
キュベーション時間(基板上に膜が形成されない時間)
が認められず、Ru含有薄膜を容易に成膜することがで
きる。
市販のビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム
約10gを入れた以外はすべて実施例7と同様の条件に
おいて成膜を行った。図21の(b)(四角)で成膜時
間と基板上に成膜されたRu含有薄膜の膜厚を示す。成
膜時間20分まではインキュベ−ション時間が存在し
た。
1,3−ペンタジエン)ルテニウムの合成 1000mlの4つ口フラスコに亜鉛粉末160gを入
れ、攪拌装置、滴下ロート、冷却管、温度計を取り付
け、フラスコ内をアルゴンで置換した。2−メチル−
1,3−ペンタジエン60mlを加えて攪拌して亜鉛粉
末を分散させた後、水浴で25℃以下に保ちながら滴下
ロートより塩化ルテニウム・n水和物10gをエタノー
ル400mlに溶解したものを1時間で滴下した。滴下
終了後、70℃に加熱して3時間攪拌した。反応後の溶
液から亜鉛粉末を濾過により除去し、減圧下でエタノー
ル等を除去して得られた泥状物をペンタンで抽出した。
抽出液をアルミナを充填剤、ペンタンを溶媒としたカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、溶媒除去後、カル
ボニルビス(2−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテ
ニウムを黄色液体として9.99g(収率89%)得
た。
(d,2H,J=7.5Hz),2.04(s,6
H),1.42(s,2H),1.27(d,6H,J
=6Hz),1.17(dq,2H,J=14Hz),
0.30(s,2H)。13 C−NMR(CDCl3)δ218.88(CO),
91.51(C),89.47(CH),50.51
(CH),37.58(CH2),22.84(C
H3),18.78(CH3)。 IR 1967cm-1(CO)。 MS 294(M+)。
1,3−ペンタジエン)ルテニウムの熱分解特性(DS
C測定) 実施例8で得られたカルボニルビス(2−メチル−1,
3−ペンタジエン)ルテニウム6.7mgをステンレス
製パンに取り、ステンレス製のふたで密封した。このサ
ンプルを酸化アルミニウム18.8mgをリファレンス
として1分間に10℃の昇温速度で示差走査熱量測定装
置(DSC)により加熱時の熱量変化を測定した。12
0℃付近より発熱反応が見られ錯体の分解が確認され
た。結果を図22に示す。
ルテニウムを原料としてCVD法によるルテニウム含有
膜膜の製造 カルボニルビス(2−メチル−1、3−ペンタジエン)
ルテニウムを原料として図1に示すCVD装置を用い
て、原料温度50℃、キャリアガス(N2)流量100
sccm、原料圧力400Torr、カウンターガス
(N2)流量200sccm、配管温度80℃、基板温
度300℃、チャンバー圧力10Torr、酸化ガス
(O2)流量300sccmでSiO2膜付シリコンウエ
ハ上に1時間成膜を行なった。膜組成をX線回折により
確認したところRuO2であり、膜厚をSEMにより測
定したところ500nmだった。
−1,3−ペンタジエン)ルテニウムを原料としてスピ
ンコート法によるルテニウム含有膜膜の製造 カルボニルビス(2−メチル−1、3−ペンタジエン)
ルテニウム1mlをヘプタン9mlに溶かし溶液を作製
した。この溶液をシリコンウエハ上に500rpmで5
秒、1000rpmで10秒スピンコートし、150℃
のオーブン中で20分間加熱した。膜組成をX線回折に
より確認したところRuO2であり、膜厚をSEMによ
り測定したところ300nmだった。
タジエン)ルテニウムを原料として成膜を行なったとこ
ろRuを含む膜は得られなかった。
た後、エチルシクロペンタジエン240ml、2,4−
ジメチル−1,3−ペンタジエン4mlを加えた。氷冷
下に塩化ルテニウム水和物608mg(n=約3)を脱
水エタノール25mlに溶解した溶液を1時間15分か
けて滴下した後、氷冷下1時間30分攪拌、室温1時間
攪拌した。反応終了後グラスフィルターを用いて未反応
の亜鉛を取り除いた後、減圧下濃縮して泥状物を得た。
この泥状物からペンタンで抽出を行い、抽出液について
カラムクロマトグラフィー(ペンタン/アルミナ)を行
い、目的物の(2,4−ジメチルペンタジエニル)(エ
チルシクロペンタジエニル)ルテニウム106mg(収
率16%)を得た。また、副生物としてビス(エチルシ
クロペンタジエニル)ルテニウムを70mg(収率11
%)得た。
サンドイッチ構造有機ルテニウム化合物は室温で液体で
あり、100℃付近で充分な蒸気圧を有しているので、
CVD原料としてガスバブリングにより定量的に供給で
きる。また、従来の材料よりも低温で熱分解することが
できるので基板上にステップカバレッジに優れるRu含
有薄膜を形成することが出来る。本発明により量産性に
優れたCVD法でRu含有薄膜を形成できる。
VD法を行うことにより、CVDにおける酸素流量によ
ってRu膜とRuO2膜とを作り分けることが可能であ
る。また得られたRu含有薄膜は、緻密で、不純物が少
なく、かつ結晶性にも優れたものであり、結果として抵
抗率がバルクの値に近い良好な値を示すものを得ること
ができる。また本発明によるRu含有薄膜は、従来品を
用いて作製した場合と比較して、緻密かつ薄膜表面が平
坦なものを得ることができる。
ニウム化合物の製造方法によれば、従来の製造方法では
低収率でしか得られなかったハーフサンドイッチ構造有
機ルテニウム化合物を安定的に高収率で得られる。ま
た、アルコールを濃縮することなく目的物を得ることも
できるため、エネルギー的に有利に製造できる。このた
め、本発明のハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化
合物の製造方法は、これらを製造する際の少量スケール
での製造のみならず、工業的な規模の製造に至るまで幅
広く利用が可能である。
ウム錯体は、CVD法による成膜において従来使用さて
いる錯体よりも低温での成膜が可能であり、且つ安定し
た原料供給のもとルテニウム含有薄膜の形成が可能であ
る。また、熱分解温度が低く溶媒への溶解性が高いこと
から塗布熱分解法でもルテニウム含有薄膜の形成が可能
である。さらに、溶媒中での反応触媒としての機能も期
待できる。製造方法は従来知られているカルボニルビス
(ジエン)ルテニウム錯体の製造方法に比べ、穏やかな
条件であり製造に有利である。
ある。
を示す図である。
を示す図である。
ある。
を示す図である。
ある。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
度との関係を示す図である。
Claims (26)
- 【請求項1】一般式[1] 【化1】 [式中R1、R2、R3、R4は同一または相異なって水
素、ハロゲン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級
アルコキシカルボニル基、または低級アルキル基を示
す。ただしR1〜R4全てが水素である場合、及び、R1
が水素でR2〜R4のいずれか1つが水素で残りがメチル
基である場合を除く。]で表されることを特徴とする、
ハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物。 - 【請求項2】請求項1に記載の有機ルテニウム化合物に
おいて、一般式[2] 【化2】 [式中R1、R2は同一または相異なって水素、ハロゲ
ン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ
カルボニル基、または低級アルキル基を示す。但し、R
1が水素でR2がメチル基の場合を除く。]で表されるこ
とを特徴とする、ハーフサンドイッチ構造有機ルテニウ
ム化合物。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載のハーフサンドイッ
チ構造有機ルテニウム化合物を原料とし、化学気相蒸着
法を用いて、加熱した基板上にルテニウム含有薄膜を製
造することを特徴とする、ルテニウム含有薄膜の製造方
法。 - 【請求項4】一般式[3] 【化3】 [式中R2、R3、R4は同一または相異なって水素、ハ
ロゲン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級アルコ
キシカルボニル基、または低級アルキル基を示す。]で
表されるオープンルテノセンに、溶媒中で亜鉛存在下、
一般式[4] 【化4】 [式中R1は水素、ハロゲン、低級アシル基、低級アル
コキシ基、低級アルコキシカルボニル基、または低級ア
ルキル基を示す。]で表されるシクロペンタジエンを反
応させることを特徴とする、一般式[1] 【化5】 [式中R1〜R4は前記と同じ]で表されるハーフサンド
イッチ構造有機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項5】一般式[3]で表されるオープンルテノセ
ンが、一般式[5] 【化6】 [式中R2、R3、R4は同一または相異なって水素、ハ
ロゲン、低級アシル基、低級アルコキシ基、低級アルコ
キシカルボニル基、または低級アルキル基を示す。]で
表されるペンタジエンと亜鉛の混合液中に、一般式
[6] RuX3・nH2O [6] [式中Xはハロゲンを表し、nは0乃至10の数字を示
す。]で表されるハロゲン化ルテニウム水和物を溶媒で
希釈した溶液を滴下・反応させて得られるものであるこ
とを特徴とする、請求項4に記載のハーフサンドイッチ
構造有機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項6】メタノールを一部または全部の溶媒として
用い、反応終了後に濾過して過剰の亜鉛を取り除いた
後、メタノールと任意に混合しない溶媒を用いて一般式
[1]で表されるルテニウム錯体を抽出することを特徴
とする、請求項4又は5に記載のハーフサンドイッチ構
造有機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項7】メタノールと任意に混合しない溶媒を用い
て抽出した後の溶液を濃縮し、次いで蒸留することによ
り、一般式[1]で表されるハーフサンドイッチ構造有
機ルテニウム化合物を精製することを特徴とする、請求
項4〜6いずれかに記載のハーフサンドイッチ構造有機
ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項8】一般式[5]で表されるペンタジエンの添
加量が、ハロゲン化ルテニウム水和物1モルに対して2
乃至20モルであることを特徴とする、請求項5〜7い
ずれかに記載のハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム
化合物の製造方法。 - 【請求項9】亜鉛の添加量が、ハロゲン化ルテニウム水
和物又は一般式[3]で表されるオープンルテノセン1
モルに対して1.5乃至100モルであることを特徴と
する、請求項4〜8いずれかに記載のハーフサンドイッ
チ構造有機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項10】一般式[5]で表されるペンタジエンと
一般式[6]で表されるハロゲン化ルテニウム水和物を
反応させて一般式[3]で表されるオープンルテノセン
を合成する際の反応温度が−20乃至100℃であるこ
とを特徴とする、請求項4〜9いずれかに記載のハーフ
サンドイッチ構造有機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項11】一般式[3]で表されるオープンルテノ
センと一般式[4]で表されるシクロペンタジエンを反
応させて一般式[1]で表されるハーフサンドイッチ構
造有機ルテニウム化合物を合成するときの反応温度が、
−20乃至100℃であることを特徴とする、請求項4
〜10いずれかに記載のハーフサンドイッチ構造有機ル
テニウム化合物の製造方法。 - 【請求項12】一般式[3]で表されるオープンルテノ
センと一般式[4]で表されるシクロペンタジエンを反
応させて一般式[1]で表されるハーフサンドイッチ構
造有機ルテニウム錯体を合成する際に、一般式[4]で
表されるシクロペンタジエンの添加量が一般式[3]で
表されるオープンルテノセン1モルに対して0.8〜1
モルであることを特徴とする、請求項4〜11いずれか
に記載のハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物
の製造方法。 - 【請求項13】一般式[3]で表されるオープンルテノ
センを製造した後、単離することなく1ポットで一般式
[4]で表されるシクロペンタジエン誘導体と反応させ
て、一般式[1]で表されるハーフサンドイッチ構造有
機ルテニウム化合物を合成することを特徴とする、請求
項4〜12いずれかに記載のハーフサンドイッチ構造有
機ルテニウム化合物の製造方法。 - 【請求項14】反応を窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気
中で行うことを特徴とする、請求項4〜13いずれかに
記載のハーフサンドイッチ構造有機ルテニウム化合物の
製造方法。 - 【請求項15】請求項3に記載の方法において、請求項
1または2に記載のハーフサンドイッチ構造有機ルテニ
ウム化合物を有機溶媒に溶解した、ハーフサンドイッチ
構造有機ルテニウム化合物溶液を用いる事を特徴とす
る、ルテニウム含有薄膜の製造方法。 - 【請求項16】一般式[7] 【化7】 (式中R5〜R8は水素または炭素数1〜6のアルキル、
エーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケト
ン、ハロゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミド
を示す。但し、R5〜R8全てが水素の場合、及びR5、
R8が水素でR6、R7がメチルの場合を除く。)で表さ
れることを特徴とする、カルボニルビス(ジエン)ルテ
ニウム錯体。 - 【請求項17】一般式[7]において、R5〜R8のうち
少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル、エーテル、
エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、ハロゲン
化アルキル、カルボン酸、アミン、アミドであり、他は
水素であることを特徴とする、請求項16に記載のカル
ボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体(但し、R5〜R8
全てが水素の場合、及びR5、R8が水素でR6、R7がメ
チルの場合を除く)。 - 【請求項18】一般式[7]において、R5、R7が水
素、R6、R8がメチル基であることを特徴とする、請求
項16又は17に記載のカルボニルビス(ジエン)ルテ
ニウム錯体。 - 【請求項19】塩化ルテニウム・n水和物(nは1以上
の数)とジエンを亜鉛粉末存在下アルコール中で反応さ
せることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに
記載のカルボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体の製造
方法。 - 【請求項20】ジエンが、一般式[8] 【化8】 (式中R5〜R8は水素または炭素数1〜6のアルキル、
エーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケト
ン、ハロゲン化アルキル、カルボン酸、アミン、アミド
を示す。但し、R5〜R8全てが水素の場合、及びR5、
R8が水素でR6、R7がメチルの場合を除く。)で表さ
れることを特徴とする、請求項19に記載のカルボニル
ビス(ジエン)ルテニウム錯体の製造方法。 - 【請求項21】一般式[8]において、R5〜R8のうち
少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル、エーテル、
エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、ハロゲン
化アルキル、カルボン酸、アミン、アミドであり、他は
水素であることを特徴とする、請求項20に記載のカル
ボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体の製造方法(但
し、R5〜R8全てが水素の場合、及びR5、R8が水素で
R6、R7がメチルの場合を除く)。 - 【請求項22】一般式[8]において、R5、R7が水
素、R6、R8がメチル基であることを特徴とする、請求
項20又は21に記載のカルボニルビス(ジエン)ルテ
ニウム錯体の製造方法。 - 【請求項23】亜鉛粉末を分散させたジエンまたはジエ
ンのアルコール溶液中に塩化ルテニウム・n水和物のア
ルコール溶液を滴下した後、0〜80℃で反応させるこ
とを特徴とする、請求項19〜22いずれかに記載のカ
ルボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体の製造方法。 - 【請求項24】請求項16〜18いずれかに記載のカル
ボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体を原料として使用
することを特徴とする、ルテニウム含有薄膜の製造方
法。 - 【請求項25】基板上にルテニウムまたは酸化ルテニウ
ムを化学気相成長させることを特徴とする、請求項24
に記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。 - 【請求項26】基板上にルテニウムまたは酸化ルテニウ
ムを塗布熱分解法により形成することを特徴とする、請
求項24に記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
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