JP2003339980A - 遊技機の打球槌調整具 - Google Patents
遊技機の打球槌調整具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 遊技球の誘導レールを周縁方向に広げること
によって遊技領域を広くした遊技機では、打球槌の周囲
の空間に余裕がないため打球槌が備える突起の調整が非
常に困難であった。 【解決手段】 一方向に長い部材において一方の先端に
打球槌の突起に対して装着可能な装着部を構成し、同装
着部側の先端に突出部を形成して打球槌調整具を構成す
る。これにより、上記打球槌の一部に係合させつつ当該
打球槌を通常状態の待機位置から回動させることが可能
になる。従って、周囲の空間が狭い打球槌であっても指
を使用することなく容易に回動させることができ、回動
後に突起に対して容易に装着部を装着することができ、
打球槌の突起の配向方向を容易に調整することができ
る。
によって遊技領域を広くした遊技機では、打球槌の周囲
の空間に余裕がないため打球槌が備える突起の調整が非
常に困難であった。 【解決手段】 一方向に長い部材において一方の先端に
打球槌の突起に対して装着可能な装着部を構成し、同装
着部側の先端に突出部を形成して打球槌調整具を構成す
る。これにより、上記打球槌の一部に係合させつつ当該
打球槌を通常状態の待機位置から回動させることが可能
になる。従って、周囲の空間が狭い打球槌であっても指
を使用することなく容易に回動させることができ、回動
後に突起に対して容易に装着部を装着することができ、
打球槌の突起の配向方向を容易に調整することができ
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技機の遊技球を
打ち出す打球槌の遊技機の打球槌調整具に関する。 【0002】 【従来の技術】パチンコ機などの遊技機においては、本
体前面枠の下部に配設された操作ハンドルによって打出
強度を調整可能な打球槌によって遊技球を遊技盤に対し
て繰り返し打ち出すことにより遊技が行われる。この打
球槌は通常、その回動面の外周側の先端に突起を備えて
おり、当該突起には弾性体が取り付けられる。さらに、
この打球槌は所定の弾性体によって所定の回動方向に付
勢されている。従って、通常状態で一方向に付勢されて
おり、操作ハンドルの操作に応じてモータを駆動し、上
記打球槌に対して逆付勢力を作用させ、また、逆付勢力
を解除して打球槌を繰り返し揺動することによって上記
突起に取り付けられた弾性体で遊技球を打ち出してい
る。 【0003】遊技場では通常、既定の大きさで作成され
た複数台の遊技機を島に対して並設しており、各遊技機
の枠はほぼ既定の大きさであると言える。近年、枠の大
きさを変化させることなく遊技盤を大きくした、いわゆ
るL枠の遊技機が提案されている。この遊技機では遊技
盤下部の上皿や下皿をなるべく下方に配設し、遊技盤の
周囲に配設される枠やガラス扉の開閉機構等をなるべく
遊技盤の周縁に配設することによって遊技盤上の遊技球
誘導レールを周縁方向に拡張し、広い遊技領域を確保し
ている。従って、このL枠では遊技球を打ち出すための
遊技球発射機構が従来の遊技機より下方に配置される。
また、遊技球誘導レールが周縁方向に拡張し、遊技球発
射機構が下方に配置されることによって、従来の遊技機
より遊技球打出方向がより上方向きになるとともに、遊
技球を打ち出した後に当該遊技球が最初に上記遊技球誘
導レールまで到達する位置が従来の遊技機より左方にな
っており、到達距離が長くなっている。さらに、遊技盤
下部や遊技盤の周縁に配設される機構部分を構成するた
めの空間が限られている。従って、上記打球槌を配設す
る空間が従来の遊技機より、狭くなるとともに当該狭い
空間に種々の部品が配設されることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のL枠の
遊技機においては、次のような課題があった。すなわ
ち、遊技球の打出方向を調整するために上記打球槌の突
起の配向方向を調整する必要があるが、L枠の遊技機で
は遊技球を適正な方向に打ち出すためにより厳密に突起
の配向方向を決定する必要があり、また、打球槌の周囲
の空間に余裕がなく調整が非常に困難であった。具体的
には、遊技球が上記遊技球誘導レールに接触する際に当
該遊技球の飛翔方向と遊技球誘導レールの接線方向とが
大きく異なっていると、多くの運動エネルギーが遊技球
から遊技球誘導レールに伝達されてしまう。この場合、
遊技球が遊技球誘導レールによって適切にガイドされ
ず、遊技領域に達することができない。 【0005】また、打球槌の突起の配向方向を調整する
際には、打球槌の突起に対して円筒状の部材を有する調
整具を装着し、当該調整具を操作して円筒状の部材に対
して直接的に力を作用させることによって突起の配向方
向を調整する必要がある。しかし、L枠では上述のよう
に打球槌周辺の空間が狭く、また、周辺の狭い空間に種
々の部品が配設されているので、上記付勢力によって所
定位置で待機している打球槌に対して上記調整具を装着
することが困難である。本発明は、上記課題にかんがみ
てなされたもので、周囲の空間が狭い打球槌であっても
容易に調整を行うことが可能であり、また、遊技球打出
方向の微妙な調整が可能な遊技機の打球槌調整具の提供
を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、所定の弾性体によって所
定の回動方向に付勢されるとともに所定の回転軸に対し
て回動可能に軸止され、その外周側の所定位置に弾性体
が取り付けられた突起を有する打球槌を上記弾性体の付
勢力によって回動させることによって上記突起を介して
遊技球に打出力を作用させる遊技機にて上記突起の配向
方向を調整する遊技機の打球槌調整具であって、上記打
球槌調整具は一方向に長い部材であるとともに一方の先
端に上記突起に対して装着可能な装着部を有し、同装着
部側の先端に上記打球槌の一部に係合させつつ当該打球
槌を通常状態の待機位置から上記付勢力の作用方向と逆
方向に回動させることが可能な突出部を備える構成とし
てある。 【0007】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、待機位置に待機している打球槌を容易に
回動させることが可能な構成を打球槌調整具に採用して
いる。すなわち、打球槌調整具は一方向に長い部材であ
るとともに一方の先端に打球槌の突起に対して装着可能
な装着部を備えており、さらに突出部を備えている。こ
の突出部は打球槌調整具の装着部側の先端に構成されて
おり、同突出部を上記打球槌の一部に係合させることが
可能である。そして、当該打球槌を通常状態の待機位置
から付勢力の作用方向と逆方向に回動させることが可能
である。 【0008】従って、突出部を打球槌周辺の狭い空間に
挿入し、指などを使用することなく容易に打球槌を回動
させることが可能である。さらに、調整具は装着部を備
えており、上記突出部による打球槌への係合を解除した
ときに上記付勢力によって回動する打球槌の突起に上記
装着部を装着させることができる。また、打球槌調整具
は一方向に長い部材であり、当該装着部はその一方の先
端に配設されているので、他方の先端寄りの部分を握り
つつ打球槌調整具を移動させることによって、容易に突
起の配向方向を調整することができる。 【0009】通常の遊技機では打球槌にて遊技球に打出
力を作用させる部位は遊技球の経路でもあり、種々の部
材で覆われており、指で打球槌に触れることが非常に困
難である。従って、打球槌を回動させる突出部と突起の
配向方向を調整するための装着部とが一体となっている
ことによって、指で打球槌に全く触れることなく打球槌
の回動と装着部の装着、さらには突起の調整を単一の調
整具によって一連の動作で実現することができ、好適で
ある。ここで、上記弾性体においては打球槌を回動させ
る付勢力を作用させることができればよく、種々の部材
を採用可能である。例えば、螺旋状のバネによれば螺旋
軸方向に付勢力を作用させることができる。他にも、筒
状や柱状に成形したウレタンゴム等、種々の部材によっ
て弾性体を構成することができる。 【0010】本発明は、上記の構成に限られるものでは
なく、以下の手段も含むものである。 手段1 上記突出部の構成として、上記装着部に対して上記突起
を挿入する方向に延設した部材で形成しても良い。上記
突起は打球槌に対して垂設されていることが多く、これ
により打球槌の回動にてその回動円の接線方向に遊技球
を打ち出すようになっている。従って、装着部に対して
突出部を延設すると当該突出部によって打球槌を係合し
て回動させると同時に、装着部を突起の挿入方向に配向
させることができ、この係合を解除して上記付勢力によ
って打球槌を待機位置に復帰させるときに、上記装着部
を容易に打球槌の突起に装着させることができる。 【0011】手段2 上記突出部の構成として、薄板状の部材を形成しても良
い。薄板状の部材を形成すれば、打球槌の周辺の空間に
余裕が少なく、指を挿入不可能な隙間しか存在しない場
合であってもその隙間に当該薄板状の部材を挿入し、打
球槌を回動させることができる。 【0012】手段3 上記突出部の構成として、屈曲した板状の部材を形成し
ても良い。屈曲した板状の部材を形成すれば、当該屈曲
した板の先端を打球槌に係合して回動させることがで
き、この係合を解除して上記付勢力によって打球槌を待
機位置に復帰させるときに、打球槌を容易に回避しつつ
容易に当該打球槌の突起を上記装着部に装着させること
ができる。 【0013】手段4 上記突出部の構成として、鉤状の係合部と円弧状のガイ
ド部とを備える部材を形成しても良い。鉤状の部位を形
成すれば容易に打球槌を係合させることができ同打球槌
を回動させている途中に誤って係合を解除することが少
なくなって操作性が向上する。円弧状の部位を形成すれ
ば、当該円弧状の部位に打球槌を当接させつつ摺動さ
せ、打球槌およびその突起と打球槌調整具との相対的な
位置関係を容易に規定することができ、打球槌の突起を
確実に上記装着部へガイドすることができる。 【0014】手段5 上記打球槌調整具の構成として、一方向に長い部材にお
いて装着部側の先端寄りの所定位置を屈曲させても良
い。装着部側の先端寄りの所定位置を屈曲させれば、狭
く複雑な隙間を有する打球槌の周辺の空間において高い
自由度で打球槌調整具を移動させて打球槌に到達させる
ことができるとともに、高い自由度で打球槌の突起に装
着した装着部を移動させて突起の配向方向を調整するこ
とができる。むろん、屈曲は一箇所でも良いし二箇所以
上でも良い。屈曲位置や屈曲角度,屈曲の形状等は前面
枠と打球槌の位置関係や打球槌およびその周辺の部材の
形状に対応させて変形することができる。 【0015】手段6 上記打球槌調整具の構成として、一方向に長い部材にお
いて装着部側の先端寄りの所定位置に切欠を形成しても
良い。打球槌調整具に切欠が形成されていれば、狭く複
雑な隙間を有する打球槌の周辺の空間において、打球槌
に対して打球槌調整具を到達させるために障害となりう
る部材を容易に回避し、高い自由度で打球槌調整具を移
動させて打球槌に到達させることができるとともに、高
い自由度で打球槌の突起に装着した装着部を移動させて
突起の配向方向を調整することができる。むろん、切欠
は一箇所でも良いし二箇所以上でも良い。切欠の形成位
置や切欠の深さ,切欠の形状等は前面枠と打球槌の位置
関係や打球槌およびその周辺の部材の形状に対応させて
変形することができる。 【0016】手段7 上記打球槌調整具の構成として、所定の位置に把手を装
着する装着穴を形成しても良い。装着穴を形成すれば、
打球槌調整具に把手を装着することができ、上記装着部
と反対側の端部と把手とを握りつつ両手で打球槌調整具
を移動させることができる。従って、打球槌の突起の配
向方向を微妙に調整することが可能になる。また、力加
減を容易に調整することができるし、突起に対してより
大きな力を作用させることができる。この結果、非常に
高い操作性で打球槌を操作することができる。 【0017】手段8 上記装着部の構成として、円筒状の部材を形成すること
ができる。円筒状の部材によれば、当該円筒より径の小
さな円柱状の突起や円錐状の突起に装着して当該突起の
垂設方向に略垂直な任意の角度に配向するように力を作
用させることができ、高い自由度で突起の配向方向を調
整することができる。むろん、突起の配向方向を調整す
るに当たり、当該突起に対して弾性体を装着したままの
状態で装着部を装着しても良い。 【0018】手段9 上記装着部の構成として、断面略U字形の部材を形成す
ることができる。断面略U字形の部材は、当該断面略U
字形の部材の内径より径の小さな円柱状の突起や円錐状
の突起に容易に脱着することができる。従って、突起配
向方向の調整に際して装着部の脱着に手間がかかること
がない。むろん、突起の配向方向を調整するに当たり、
当該突起に対して弾性体を装着したままの状態で装着部
を装着しても良い。 【0019】手段10 上記装着部と突出部との構成として、本体枠側の打球槌
の周辺に配設されたガイド部に当接させて遊技機の初期
挿入位置の位置決めをし、また、調整具を手元でひねる
のみで上記突出部にて打球槌を回動できるように位置決
めをし、さらに、回動後に装着部を大きく移動させるこ
となく打球槌の回動によってその突起が装着部に装着す
るように位置決めできるような形状とすることができ
る。たとえば、打球槌調整具の装着部あるいは突出部を
係合可能な部材を本体枠から手前側に突出するように配
設し、これらの装着部あるいは突出部も当該部材に係合
可能な形状に形成すれば、この部材に対して装着部ある
いは突出部を係合させるのみで適切な位置に位置決めを
することができ、遊技機を打球槌周辺の空間に挿入する
動作、打球槌を回動させる動作、装着部を突起に装着す
る動作を非常に容易に実施することができる。ガイド部
の構成としては本体枠から手前側に突出する部材を形成
しても良いし、本体枠側に凹部を設けても良い。上記初
期挿入位置の位置決めを行うガイド部と打球槌調整具の
動作をガイドするガイド部とは一体であっても別体であ
っても良い。 【0020】手段11 上記打球槌の構成として、上記突起が先端寄りの所定位
置に配設される打球槌に対して当該突起より先端側に延
設された延設部を形成しても良い。当該延設部によれ
ば、当該延設部に対して打球槌の調整具に備えられた突
出部等を容易に係合させ、打球槌を通常状態の待機位置
から駆動することができる。むろん、打球槌の調整具を
利用することが必須ではなく、上記延設部を指で操作し
て打球槌を駆動しても良い。以上のようにして、打球槌
の周囲の空間が狭くても、当該打球槌を駆動させて調整
容易な場所まで打球槌を移動させることができ、その突
起の配向方向を容易に調整することができる。かかる構
成は打球槌の周辺の空間が狭いL枠では特に好適であ
る。上記打球槌の突起が前面枠の端面からわずかに上方
に突出する状態は、その突出量が小さいことによって打
球槌が駆動させづらくなる状態であり、この限りにおい
て突出量は限定されない。 【0021】手段12 上記打球槌が所定の弾性体の付勢力によって回動するよ
うに構成されており、当該付勢力の作用方向と逆方向に
打球槌を回動させるための部材を上記延設部に係合でき
るように構成しても良い。すなわち、回転可能に軸止さ
れた打球槌に対して弾性体を取り付け、所定方向に付勢
力を作用させておけば、遊技球の打出に際して上記付勢
力の逆方向に力を作用させ、当該力を解除することによ
って打球槌を付勢力方向に回動させて、遊技球を打ち出
すことができる。かかる構成において、延設部に対して
付勢力の作用方向と逆方向に打球槌を回動させるための
部材を係合可能であれば、当該部材によって非常に容易
に打球槌を回動させることができる。すなわち、調整可
能な位置に打球槌を容易に移動させることができる。当
該部材は打球槌の調整具に対して配設しておけばよい。
上述の打球槌調整具であれば突出部が打球槌を回動させ
るための部材に該当する。ここでも、上記弾性体におい
ては打球槌を回動させる付勢力を作用させることができ
ればよく、種々の部材を採用可能である。また、遊技球
の打出に際して打球槌を駆動する駆動力は種々の構成に
よって生成することができる。 【0022】手段13 上記打球槌の構成として、延設部を打球槌の駆動平面に
略垂直に延設しても良い。すなわち、打球槌によって遊
技球を打ち出すために、通常は打球槌の駆動平面に対し
て平行に突起を設け、当該突起で遊技球を打ち出すが、
延設部が打球槌の駆動平面に平行でなくても当該延設部
を介して打球槌を駆動させることができる。むろん、当
該突起において突起に対して略垂直に延設部を設けても
よいし、打球槌の本体において延設部を設けても良い。
尚、打球槌を回動させる場合に、上記駆動平面は打球槌
の回動平面である。 【0023】手段14 上記打球槌の構成として、当該打球槌と別部材を装着可
能に構成してもよい。別部材を装着することができれ
ば、打球槌の突起の調整時に必要に応じて装着し、打球
槌を実質上延設することができる。別部材を装着可能に
する構成としては、例えば、打球槌の先端に突起を延設
し上記別部材において当該突起に嵌合可能な凹部を形成
する構成を採用可能である。むろん、打球槌に凹部を形
成し別部材に突起を形成しても良いし、突起と凹部との
嵌合以外に種々の装着機構を採用可能である。また、打
球槌を延設可能に構成できる限りにおいて別部材の形状
も限定されず、矩形,板状,屈曲した部材等種々の形状
を採用可能である。 【0024】手段15 上記延設部の構成として、遊技機の前面枠端面より上方
に露出する長さに形成しても良い。すなわち、打球槌が
遊技機の前面枠に対して回動可能に支持されており、打
球槌の待機位置では当該打球槌に設けられた突起の先端
が遊技球の発射点に位置する状態であり、さらに打球槌
の回動範囲内では上記待機位置において打球槌の先端が
最上位置になる状況で、延設部を前面枠端面より上方に
露出させる。かかる構成によれば、打球槌の待機位置に
おいて当該打球槌と延設部との境界が上記前面枠の端面
より下方あるいは略同一面に配置されていても、延設部
を介して非常に容易に打球槌を回動させることができ
る。 【0025】手段16 上記延設部の構成として、延設部を所定の位置にて屈曲
させても良い。延設部が屈曲していれば、打球槌の調整
具をより簡単に係合させることができ、打球槌を容易に
駆動することができる。 【0026】手段17 上記延設部の構成として、延設部に切欠や凹部を形成し
ても良い。切欠や凹部によれば、打球槌の調整具をより
確実に係合させることができるし、係合して打球槌を駆
動させているときに当該係合が容易に解除されることを
防止することができる。むろん、係合が容易に解除され
ることを防止するため、滑り止めを形成しても良い。 【0027】手段18 上記打球槌の構成として、モータの回転駆動力を利用し
て突起調整のための調整位置へと駆動してもよい。すな
わち、必ずしも打球槌の調整具によって打球槌を駆動す
る構成を採用する必要はなく、モータの回転駆動力によ
って打球槌を調整用の初期位置に移動させても良い。こ
の場合の駆動量はほぼ一定であるため、サーボモータや
ソレノイドを利用して特定角度回転させるように駆動す
る構成等を採用可能である。 【0028】手段19 上記遊技機の本体枠として、上記打球槌をその待機位置
から所定量駆動させた調整位置にて当該打球槌に係合し
て当該調整位置を一時的に保持させる係止片を配設する
構成としても良い。すなわち、打球槌を通常の待機位置
から駆動させた後に所定の調整位置で保持することがで
き、当該調整位置で打球槌の突起の配向方向を調整する
ことができる。この結果、調整終了前に打球槌が待機位
置に復帰してしまうことを防止することができる。従っ
て、打球槌の調整具を打球槌の突起に対して装着し、当
該突起の配向方向を調整するに際して、打球槌を調整位
置に維持させるために調整具によって常に打球槌に対し
て力を作用させる必要がなく、突起の配向方向の調整の
みに力を利用することができる。 【0029】手段20 また、係止片を備える構成は、所定の弾性体の付勢力に
よって回動される打球槌に対して適用することも可能で
ある。すなわち、上記打球槌を上記付勢力の作用方向と
逆方向に所定量駆動させた位置にて当該打球槌に係合し
て当該位置を一時的に維持するように係止片を構成して
も良い。かかる構成によれば、打球槌に作用する付勢力
によって調整終了前に打球槌が待機位置に復帰してしま
うことを防止することができる。また、打球槌の調整具
を打球槌の突起に対して装着し、当該突起の配向方向を
調整するに際して、打球槌を調整位置に維持させるため
に調整具によって常に打球槌に逆付勢力を作用させる必
要がない。このため、非常に容易に打球槌の突起の配向
方向を調整することができる。ここでも、上記弾性体と
しては打球槌を回動させる付勢力を作用させることがで
きればよく、上述のように種々の部材を採用可能であ
る。また、遊技球の打出に際して打球槌を駆動する駆動
力は種々の構成によって生成することができる。 【0030】手段21 上記係止片の構成として、本体枠に設けられた溝に沿っ
て打球槌の駆動経路と駆動経路外とを進退する構成が採
用可能である。打球槌の駆動経路上に係止片を配設させ
ておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の付勢力によ
って打球槌の待機位置に復帰しないように所定位置にと
どめておくことができ、打球槌の突起を容易に調整する
ことができる。また、係止片が溝に沿って進退すること
により、調整時以外には係止片を駆動経路から容易に退
避させておくことができる。 【0031】手段22 上記係止片の構成として、本体枠に押しボタンを設ける
とともに当該ボタンの押し込み操作によって打球槌の回
動経路に係止片が突出するような構成が採用可能であ
る。かかる構成においても打球槌の駆動経路上に係止片
を配設させておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の
付勢力によって打球槌の待機位置に復帰しないように所
定位置にとどめておくことができ、打球槌の突起を容易
に調整することができる。 【0032】手段23 上記打球槌に備えられた突起の配向方向を容易に調整す
るための構成として本体枠に設けられた溝に沿って進退
する係止片を構成し、当該係止片の進退に際して打球槌
を係合して駆動させることができるようにしても良い。
かかる構成によれば、打球槌の周辺の空間が狭い場合で
あっても容易に打球槌を駆動し、調整しやすい位置に配
置することができる。むろん、この係止片の進退を一時
的にロックすることによって上述の係止片と同様に打球
槌を所定の駆動位置にて一時的に維持させるように構成
しても良い。 【0033】手段24 上記本体枠の構成として、打球槌の突起の配向方向を調
整する際に打球槌調整具を取り回すための空間を形成す
る凹部あるいは切欠を形成しても良い。これら凹部や切
欠が本体枠に設けられていれば、突起調整時に打球槌調
整具と本体枠とが干渉しづらく、打球槌調整具を高い自
由度で取り回すことができる。また、場合によっては凹
部や切欠の端面に打球槌調整具を当接させ、当該当接位
置を支点にしててこの原理によって容易に突起に対して
力を作用させることができ、少ない力で容易に突起の配
向方向を調整することが可能になる。 【0034】手段25 上記遊技機の構成として、遊技球誘導レールを遊技領域
の周縁側に配置して同遊技球誘導レールの曲率半径を増
大させたものを採用しても良い。すなわち、L枠の遊技
機においては遊技球誘導レールを周縁方向に拡張するこ
とによって遊技領域として広い面積を確保しており、か
かる遊技機に対して本発明を適用することができる。他
にも遊技球が最初に遊技球誘導レールに到達する位置を
遊技機の左方に移動することによって遊技領域を遊技機
の下方に拡張した構成や遊技球誘導レールの下端側の傾
角を大きく(急斜面に)することによって遊技領域を遊
技機の下方に拡張した構成に対して本発明を適用するこ
とが可能である。L枠に対して本発明を適用するために
は、上述の曲率半径が従来の遊技機の遊技球誘導レール
における曲率半径より大きく、また、上述の到達位置が
従来の遊技機における遊技球誘導レールへの到達位置よ
り左方であり、また、上述の傾角が従来の遊技機におけ
る遊技球誘導レール下端側の傾角より大きければよい。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、打球槌の
周囲の空間が狭い打球槌であっても容易に調整を行うこ
とが可能な遊技機の打球槌調整具を提供することができ
る。また、打球槌調整具によって一連の動作で打球槌の
回動と突起の調整を実施することができる。また、手段
1にかかる発明によれば、装着部を容易に突起に装着可
能である。さらに、手段2にかかる発明によれば、打球
槌を容易に回動させることができる。さらに、手段3に
かかる発明によれば、打球槌の回動と装着部の突起への
装着が容易になる。 【0036】さらに、手段4にかかる発明によれば、装
着部を突起に対して的確に装着させることができる。さ
らに、手段5および手段6にかかる発明によれば、打球
槌調整具を容易に取り回すことができ、突起の調整が容
易になる。さらに、手段7にかかる発明によれば、打球
槌調整具を容易に取り回すことができ、また、少ない力
で突起の配向方向を変動させることができ、突起の調整
が容易になる。さらに、手段8にかかる発明によれば、
突起に対して容易に装着可能な装着部を形成することが
できる。さらに、手段9にかかる発明によれば、突起に
対して装着部を容易に脱着することができる。 【0037】さらに、手段10にかかる発明によれば、
打球槌の回動と装着部の突起への装着を一連の動作にて
的確に実施することができる。さらに、手段11にかか
る発明によれば、狭い空間に打球槌の調整具を挿入し容
易に打球槌を回動させることができる。さらに、手段1
2にかかる発明によれば、弾性体の付勢力によって回動
する打球槌の周辺の空間が狭くても容易に打球槌を回動
させることができる。さらに、手段13〜手段15にか
かる発明によれば、狭い空間に打球槌の調整具を挿入し
容易に打球槌を回動させることができる。さらに、手段
16および手段17にかかる発明によれば、打球槌の調
整具を打球槌に対してより簡単確実に係合させることが
できる。 【0038】さらに、手段18にかかる発明によれば、
打球槌を適切な位置に自動で回動させることができる。
さらに、手段19にかかる発明によれば、打球槌の突起
を調整しやすい駆動位置で打球槌を維持することができ
容易に突起の配向方向を調整可能な遊技機を提供するこ
とができる。さらに、手段20にかかる発明によれば、
弾性体の付勢力によって回動する打球槌の突起を調整し
やすい回動位置で維持することができる。さらに、手段
21にかかる発明によれば、必要に応じて打球槌をその
駆動経路の所定位置で保持することができる。 【0039】さらに、手段22にかかる発明によれば、
打球槌の突起を調整しやすい駆動位置で打球槌を維持す
ることができ突起の配向方向の調整が容易になる。さら
に、手段23にかかる発明によれば、打球槌の駆動と所
定駆動位置での維持とを容易に実施することができる。
さらに、手段24にかかる発明によれば、打球槌調整具
の取り回し作業が非常に楽になる。さらに、手段25に
かかる発明によれば、本発明をL枠に対して適用するこ
とができる。 【0040】 【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かるパチンコ機において前面のガラス枠を取り外した状
態を正面図により示している。すなわち、本パチンコ機
においてはメンテナンス等のためにガラス枠を取り外し
たり開閉することが可能であり、同図に示すようにして
ガラス枠を取り外したり、開いた状態で本発明にかかる
打球槌調整具によって打球槌の突起配向方向を調整す
る。 【0041】図において、パチンコ機10は、電動式の
遊技球打出部20を備えており、操作ハンドル21を手
で持って右方向に回転させると、盤面下方から所定の周
期で遊技球が連続的に打ち出され、打ち出された遊技球
は誘導レール11を通って遊技領域12に導出される。
遊技領域12に導出された遊技球が盤面中央付近に設置
された始動口13に入賞すると、液晶表示パネル14の
表示内容が変動する。この液晶表示パネル14には三つ
の数字が表示されるようになっており、数値が揃った場
合に大入賞口15が開放される。 【0042】このようにして大入賞口15が開放され、
当該大入賞口15に遊技球が入賞することによって多く
の遊技球が遊技者に対して提供される。そして、遊技者
はパチンコ機10の前面に備えられた図示しない上皿等
に多くの遊技球を蓄積できるように遊技を行うようにな
っている。同図に示すパチンコ機は、L枠と呼ばれるパ
チンコ機であり、遊技領域12の面積が従来のパチンコ
機より上下左右に広い。従って、上記図示しない上皿が
従来のパチンコ機より下方に配置される。L枠であって
もパチンコ機10を設置する遊技島の大きさは従来のも
のと同一であることから、上皿や上記遊技球打出部20
を配設するための領域は従来のパチンコ機と比較して狭
くなっている。従って、上皿や遊技球打出部20におい
ては狭い領域を効率的に利用して各機構が配設されてい
る。 【0043】図2は、上記遊技球打出部20の上部を拡
大して示す斜視図であり、図3は遊技球打出部20の主
な機構を背面側から眺めた状態を示す図である。遊技球
打出部20においては、モータの回動力が打球槌22に
伝達され、打球槌22の揺動によって繰り返し遊技球を
打ち出すようになっている。図3に示すように打球槌2
2は細長い薄板状の部材によって構成されており、先端
部分に突起22aを備えている。突起22aは打球槌2
2の長手方向に対して略直角に垂設されており、全体と
して略L字型を形成している。突起22aと打球槌22
の本体とは別部材かつ別の素材によって形成されてお
り、双方が硬い素材であるが突起22aの方がやわらか
い素材である。 【0044】従って、突起22aに対して力を作用させ
たときに、打球槌22本体よりも突起22aの方が曲が
りやすく、突起22aの配向方向を調整することができ
る。むろん、これらの部材は硬いため、繰り返し遊技球
を打ち出す際にはほとんどその配向方向は変形しない。
また、突起22aは先端に向けて徐々にその径が細くな
るように形成されており、当該突起22aの外周と略同
一の内径を有するバネ22bが挿入される。 【0045】打球槌22においては、突起22aの逆側
の一端からやや中央よりにて回動可能に支持されるとと
もに、回動軸付近の側端面から略垂直方向に突出する爪
片22cが形成されている。さらに、打球槌22の概ね
中程にて紙面右方向に打球力調節バネ23により牽引さ
れ、側端がストッパ24に突き当たって止まる構成とな
っている。従って、打球槌22は打球力調整バネ23の
付勢力によってストッパ24方向に付勢されており、通
常状態ではストッパ24に対して当接した状態で待機し
ている。 【0046】一方、操作ハンドル21はいわゆるタッチ
センサを兼ねており、遊技者が手で触れて回動させると
モータ部25内の発射モータ25aが回転し、この発射
モータ25aの回転軸に取り付けられた概略勾状の回転
体25bが紙面時計回りに回転するようになっている。
発射モータ25aの回転時において、回転体25bが所
定の位置まで回転すると爪片22cの先端に当接し、さ
らに回転が進むと打球力調節バネ23の牽引力に逆らう
ようにして打球槌22を図3の紙面反時計回り方向に回
動させる。 【0047】そして、回転体25bの勾状部先端が爪片
22cの先端からはずれると、打球力調節バネ23の付
勢力により紙面時計回り方向に勢いよく回動し、側端が
ストッパ24に突き当たって止まる。すなわち、打球槌
22は発射モータ25aの回転に応じて所定範囲内で往
復動を繰り返し、上記突起22aに取り付けられたバネ
22bの先端を介してこの回動力を遊技球に伝達する。
従って、この動作に連動して遊技球が打ち出されるよう
になっており、遊技球が連続的に打ち出されることとな
る。 【0048】打球力調節バネ23における打球槌22と
は別の一端は、略楕円形の板状部材にて形成されるバネ
長調節片26の先端部分に固定されている。このバネ長
調節片26は打球力調節バネ23を固定した側とは別の
端部付近にて回動可能に支持されるとともに、側端部に
ワイヤー26aが接続されている。さらに、このワイヤ
ー26aの別の一端は操作ハンドル21の軸側に接続さ
れ、当該操作ハンドル21の回動角度に応じて紙面左方
向に引っ張られる。すると、バネ長調節片26は紙面時
計回り方向に回動し、打球力調整バネ23が伸張されて
遊技球の打出力も大きくなる。従って、遊技者は所望の
打出力を得るべく適宜操作ハンドル21の回動角度を調
整する。 【0049】遊技球打出部20の上部においては、図2
に示すように前面のガラス枠を外した状態において上記
打球槌22の突起22a側の先端がガラス枠の下方かつ
本体右側に位置している。このパチンコ機においては、
本体枠の一部として前面枠16を備えており、当該前面
枠16に遊技球を貯留する下皿等が配設されている。同
前面枠16は鉛直方向に垂設される遊技盤の前面と略平
行であり同前面枠16の裏側に上記打球槌22が軸止さ
れている。従って、打球槌22の回動平面と前面枠16
の壁面とは略平行である。 【0050】前面枠16の奥側には遊技面と略平行な平
面を有する壁面17が形成されており、この壁面17の
手前側に上皿等が配設される。この壁面17と前面枠1
6とが形成する平面の間が打球槌22の回動平面であ
り、上記打球槌22の待機位置において打球槌22の突
起22aの先端には上記誘導レール11の一部が位置し
ている。また、上記上皿からは貯留された遊技球が図2
に示す突起22aの先端位置に逐次供給されるようにな
っており、供給された遊技球はこの誘導レール11と保
持部材17aとの間に保持される。従って、打球槌22
が回動しても遊技球は保持部材17aと誘導レール11
の間に保持されるが、打球力調整バネ23の付勢力によ
って打球槌22が再び図2に示す待機位置に復帰したと
きにバネ22bの先端によって遊技球が誘導レール11
方向に打ち出される。 【0051】同バネ22bは打球槌22の突起22aに
取り付けられているため、その配向方向は突起22aの
配向方向とほぼ一致する。従って、打球槌22の待機位
置は一定であっても、バネ22bの配向方向は突起22
aの配向方向によって異なり、図3に示すように突起2
2aの配向方向によって遊技球が打ち出される方向も異
なってくる。本実施形態にかかるパチンコ機10は上述
のようにL枠であり、誘導レール11の経路も従来のパ
チンコ機より長くなっているので、遊技球の初期打出方
向によっては遊技球が遊技盤に対して適切に供給された
り、適切に供給されなかったりする。従って、L枠にお
いては当該突起22aの配向方向の調整が特に重要であ
る。 【0052】一方、図2に示すように、本実施形態にか
かる打球槌22は先端部分が前面枠16の奥側に位置し
ており、打球槌22の上先端は前面枠16の上端面より
下方に位置している。また、前面枠16と壁面17との
間に形成される打球槌22の回動平面は狭く、この空間
の奥側下方に指を挿入することができない。従って、図
2に示すガラス枠を取り外した状態で指によって打球槌
22を回動させることが困難であるとともに、突起22
aに対して力を作用させてその配向方向を調整すること
が困難である。すなわち、打球槌22の周辺の空間が狭
く、突起22aの調整が非常に困難である。 【0053】そこで、本発明にかかる打球槌調整具を使
用すると、このような狭い空間であっても容易に打球槌
22の突起22aの配向方向を調整することができる。
図4は本発明にかかる打球槌調整具30の分解斜視図で
ある。打球槌調整具30は、本体31と把手32,33
を備えている。本体31は概略板状の部材によって形成
されており、中央からやや先端寄りにて屈曲部31aを
有している。屈曲部31a側の先端には装着部31bお
よび突出部31cが取り付けられている。装着部31b
は円筒状の部材であり、その内径は上記打球槌22の突
起22aに対して取り付けられるバネ22bの外径とほ
ぼ同径である。従って、バネ22bが取り付けられた状
態の突起22aに対して装着部31bを装着することが
できる。 【0054】突出部31cは略板状の部材であり、その
面が装着部31bの円筒軸に対して略平行に配向するよ
うに上記装着部31bに対して取り付けられている。ま
た、同突出部31cの幅Wは前面枠16と壁面17との
間に形成される空間の幅より小さく、当該空間に対して
突出部31cを挿入することができる。本体31の中央
のやや装着部31b寄りには切欠31dが設けられてお
り、この位置にて本体31は細くなっている。さらに、
本体31の装着部31bと逆側の先端寄りには矩形の穴
31eが開けられている。 【0055】この穴31eには、上記把手33を装着す
ることができる。すなわち、把手33は板状の部材であ
るとともにその一端には上記穴31eの矩形の内径と略
同一の外径を有する突起33aが形成されており、当該
突起33aを上記穴31eに挿入して把手33を上記本
体31に対して装着することができる。むろん、把手3
3は穴31eのどちら側から装着しても良く、取り回し
の容易性に鑑みて適宜選択することができる。一方、把
手32は概略円柱の部材であり、その端面に矩形の穴3
2aが形成されている。当該穴32aの内径は、上記本
体31の外径とほぼ同一径である。従って、本体31の
一端を穴32aに対して挿入して把手32を本体31に
対して装着することができる。 【0056】図5は、打球槌調整具30にて打球槌22
の突起22aを調整する際の操作を説明する説明図であ
る。同図においては、ガラス枠を取り外した状態のパチ
ンコ機10において遊技球打出部20の上部を拡大して
示しており、打球槌調整具30は本体31を切断した状
態で装着部31bおよび突出部31cを示している。打
球槌調整具30においては、予め把手32,33を本体
31に対して装着しておき、それぞれの把手32,33
を左右の手で握りながら調整操作を行う。状態Aは、突
出部31cを打球槌22の先端に係合させた状態を示し
ている。すなわち、突出部31cは薄板状の部材である
ため狭い空間に挿入しやすく、本実施形態においては、
保持部材17aと打球槌22の先端との間の狭い空間に
容易に挿入することができ、かつ打球槌22の先端と突
出部31cとを係合させることができる。 【0057】この状態Aにおいて、突出部31cと打球
槌22の先端とを係合させつつ打球槌調整具30を図5
における反時計回りに回動させると、打球槌22は上記
打球力調整バネ23の付勢力に抗して時計回りに回動す
る。打球槌22が回動してその突起22aが保持部材1
7aの右側かつ前面枠16の端面上方に位置している状
態Bにおいては、突起22aと他の部材とを干渉させる
ことなく突起22aの配向方向を調整することができ
る。そこで、この状態Bの装着状態を実現するため、こ
の状態Bより打球槌22をさらに時計回り方向に回動さ
せた後に突出部31cと打球槌22の先端との係合を解
除する。 【0058】係合を解除すると、打球槌22は上記打球
力調整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動す
る。このとき、状態Bに示す装着部31bの位置、すな
わち、上記突起22aの回動経路上で装着部31bを待
機させておけば、突起22aが装着部31bに挿入さ
れ、装着部31bを突起22aに装着することができ
る。状態Bのようにして装着部31bを突起22aに装
着した状態で、打球槌調整具30の把手32,33を左
右の手で取り回しつつ突起22aに力を作用させると、
突起22aの配向方向が変動する。突起22aの配向方
向を変動させることによって、上記遊技球の打出方向を
変動させることができるので、調整後に操作ハンドル2
1を回転させて実際に遊技球を打ち出して適正な打ち出
し方向であるか否かを確認することによって、遊技球の
打ち出し方向を調整することができる。 【0059】打球槌調整具30には上記切欠31dが設
けられており、同切欠31dは上記図5に示す状態Aや
状態B等、突起22aの配向方向調整動作において前面
枠16や図2に示す右側の本体枠の端面を避けることが
できる。すなわち、当該切欠31dが設けられているこ
とによって、打球槌調整具30を取り回す際に打球槌調
整具30が他の部材と干渉しづらくしてあり、打球槌調
整具30の取り回しが非常に容易になる。切欠31d
は、取り回しの容易性を向上するために設けられている
ので、むろん、図4に示す位置には限定されず、調整対
象となるパチンコ機10の構成に応じて変更することが
可能である。 【0060】本発明にかかる打球槌調整具30によれ
ば、打球槌22の周辺の空間が狭くても容易に打球槌2
2を調整用の位置まで回動させ、その突起の配向方向を
容易に調整することができる。このような効果を奏する
ための打球槌調整具としては上述のものに限定されな
い。例えば、打球槌調整具の本体の屈曲角度や突出部等
の構成に関して種々のものを採用することができる。図
6は、打球槌調整具を構成する本体の他の一例を示す斜
視図である。この例にかかる打球槌調整具は、上記第1
実施例と同様のパチンコ機10や打球槌22に対して適
用することができる。また、上記打球槌調整具30とは
主にその本体の構成が異なっている。 【0061】同図において、上記第1実施例と異なる部
位については異なる符号で示している。この例にかかる
打球槌調整具300の本体310は略板状の部材である
が、その屈曲部310aの屈曲角は略直角である。ま
た、本体310の一端には装着部310bと突出部31
0cとが取り付けられているが、突出部310cは装着
部310bと本体310との間に配設されている。反対
側の端部に対して図示しない把手32を装着可能であ
り、穴31eに対して把手33を装着可能であることは
上記第1実施例と同様である。 【0062】図5において状態Aと状態Bとを比較する
と、打球槌22の回動開始から突起22aの装着までの
動作において装着部31bは前面枠16の端面上方から
徐々に下降する。従って、状態Bに近づくにつれて本体
31が本体枠の端面と干渉しやすくなる。この事情は打
球槌調整具300においても同様であるが、当該打球槌
調整具300では屈曲部310aが略直角であるため、
状態Bにおいて屈曲部310aと装着部310bとの間
の部位Cによって本体310の部位Dが前面枠16の端
面からより上方にオフセットされ、両者が干渉しづらく
なっている。 【0063】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
1を構成することもできる。図7は打球槌調整具301
の本体311を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具でも、上記第1実施例と同様のパチンコ機10
や打球槌22に対して適用することができる。また、上
記打球槌調整具30とは主にその本体311の先端の構
成が異なっており、同図においても上記第1実施例と異
なる部位については異なる符号で示している。 【0064】図7においては、装着部31bに対して突
出部311cが取り付けられている。当該突出部311
cは概略直方体であるが、その一端に鉤状の係合部31
1c1と円弧状のガイド部311c2とが設けられてい
る。鉤状の係合部311c1は、直方体に形成された部
材の一端において矩形の一辺に沿って切欠を形成するこ
とによって作成されている。また、円弧状のガイド部3
11c2は係合部311c1側から装着部31bに向け
て傾斜を徐々に変化させて円弧状の斜面を形成すること
によって作成されている。 【0065】かかる構成によれば、係合部311c1に
て打球槌22の先端を係合することによって上記図5に
示す状態Aとほぼ同様の状態を形成することができ、状
態Aから装着部31bを反時計回りに回転させることに
よって打球槌22を回動させることができる。さらに、
打球槌22を回動させた後に係合を解除させるにあた
り、ガイド部311c2と打球槌22の先端とを当接,
摺動させながら打球槌22を反時計回りに回動させるこ
とができ、この結果、突起22aを確実に装着部31b
に対してガイドすることができ、装着部31bを突起に
対して確実に装着することができる。 【0066】ここで、鉤状の係合部311c1において
は待機位置に待機した打球槌22を係合して回動させる
ことができればよく、その大きさや切欠の角度等が特定
のものに限定されるわけではない。また、円弧状のガイ
ド部311c2は、打球槌22を一旦回動させて係合を
解除した後に、打球槌22の一部に当接させながらその
突起22aが装着部31bに装着されるようにガイドす
ることができればよく、その円弧のカーブや長さ等が特
定の形状に限定されることはない。 【0067】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
2を構成することもできる。図8は打球槌調整具302
の本体312を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具302は上記打球槌調整具30と比較して突出
部の構成が異なっており、上記第1実施例と同様の構成
については同一の符号にて示している。すなわち、本例
にかかる突出部312cは板状の部材にて形成されてお
り、装着部31bの円筒軸方向と長手方向とが略平行で
あることに変わりはないが、突出部312cはその略中
央に屈曲部312c1を有している。 【0068】このような形状であっても、待機位置にて
待機する打球槌22に突出部312cの先端を係合させ
て打球槌22を容易に回動させることができる。また、
打球槌22を回動させた後に両者の係合を解除し、打球
力調整バネ23の付勢力によって打球槌22が逆方向に
回動する際に、上記屈曲部312c1によって突出部3
12cと突起22aとの干渉を防止することができる。
従って、突起22aの装着部31bに対する入射角がよ
り自由になり、両者の装着が容易になる。 【0069】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
3を構成することもできる。図9は打球槌調整具303
の本体313を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具303は上記打球槌調整具30と比較して装着
部の構成が異なっており、上記第1実施例と同様の構成
については同一の符号にて示している。すなわち、本例
にかかる装着部313bは断面略U字状の部材であり、
当該U字状の部位で突起22aを覆うようにして装着す
ることができる。この装着部313bであっても突起2
2aに対して装着部313bを装着した後に打球槌調整
具303を取り回すことによって突起22aの配向方向
を調整することができる。 【0070】本例によれば、突起22aに対する装着部
313bの脱着が容易になる。すなわち、装着時には突
起22aの垂設方向に対して略平行に装着部313bを
移動させて両者を装着することができるし、突起22a
の垂設方向に対して略直角方向から装着部313bのU
字状部位の開口部を接近させ、覆い被せるようにして両
者を装着することが可能である。さらに、両者を分離す
る場合にも突起22aの垂設方向に対して略平行に装着
部313bを移動させて両者を分離することができる
し、突起22aの垂設方向に対して装着部313bを略
直角方向に移動させて両者を分離することも可能であ
る。上述のように打球槌22の周辺の空間が狭く、ま
た、打球槌22に対しては打球力調整バネ23によって
常に付勢力が作用しているが、装着部313bが断面U
字状であることによって突起22aに対する脱着が非常
に容易になる。 【0071】本発明にかかる打球槌調整具を利用する構
成として、打球槌調整具自体に工夫をする他、パチンコ
機10の本体枠側において打球槌調整具がより便利に利
用できるような構成を採用することもできる。図10は
かかる構成例を説明する説明図である。同図は、ガラス
枠を取り外した状態のパチンコ機10において遊技球打
出部20の上部を拡大して示している。本例では上記第
1実施例と同様に構成した打球槌調整具30を使用する
ことができ、同図において打球槌調整具30は本体31
を切断した状態で装着部31bおよび突出部31cを示
している。 【0072】本例では、パチンコ機10の本体枠の一部
を構成する壁面17に対してガイド部材170が垂設さ
れている。当該ガイド部材170以外の構成は上記第1
実施例におけるものと同様である。ガイド部材170は
壁面17から垂設された板状の部材であるとともにその
端面が前面枠16の上方への延長線上に到達しないよう
な幅となっている。すなわち、ガイド部材170は壁面
17と前面枠16を延長した面と間の空間に位置してい
る。 【0073】また、ガイド部材170は図10の右側に
おいて鉤状の部位170aが設けられ、当該鉤状の部位
170aから一旦上方に向かうとともに途中で緩やかに
そのカーブが変化し、保持部材17aの下端に向けて延
設されている。ガイド部材170がこのような形状であ
ることにより、打球槌調整具30の初期位置を適切に決
定し、さらに打球槌22を回動させ、装着部31bを突
起22aに対して装着する際の動作を適切にガイドする
ことができる。 【0074】すなわち、打球槌22が待機位置にある状
態において、突出部31cの装着部31b側の先端を上
記鉤状の部位170aに係合させると、突出部31cの
他方端が打球槌22に係合し、打球槌調整具30の初期
位置が適切かつ容易に決定される。この状態から打球槌
調整具30を反時計回りに回転させると、装着部31b
および突出部31cがガイド部材170に当接しながら
摺動し、ガイド部材170のカーブに沿って移動する。
このとき、突出部31cの他端においては打球槌22を
回動させる。 【0075】打球槌調整具30を反時計回りに回転させ
続けると、装着部31bおよび突出部31cがガイド部
材170の左側の突端に位置したときに突出部31cの
他端と打球槌22との係合が解除される。すると、打球
槌22が打球力調整バネ23の付勢力によって反時計回
りに回動するが、このときの装着部31bおよび突出部
31cの位置は突起22aの回動経路上であり、この位
置に装着部31bを保持して待機するのみで、突起22
aが装着部31bに対して装着される。従って、本実施
例によれば、打球槌22の回動および装着部31bの装
着を非常に容易に、かつ一連の動作で実施することがで
きる。 【0076】打球槌調整具の動作をガイドするための構
成としては図10に示すものに限られない。例えば、壁
面17に対して溝を形成し、打球槌調整具において当該
溝に挿入可能な挿入部を形成する構成を採用可能であ
る。すなわち、パチンコ機10の壁面17には図11に
示すように上記ガイド部材170と同様のカーブ形状を
有した溝171が形成されている。さらに、調整具側で
は図12に示す打球槌調整具304のように、装着部3
1bに対して挿入部314が形成されている。 【0077】挿入部314は板状の部材であり、同挿入
部314において最大面積を有する面は、突出部31c
において最大面積を有する面に対して略垂直であるとと
もに装着部31bの円筒軸方向に対して略垂直である。
従って、打球槌調整具304の突出部31cによって上
記打球槌22を係合し、また、装着部31bを突起22
aに対して装着するための一連の動作において、当該挿
入部314の先端は壁面17の方向に配向する。 【0078】上記溝171は上記挿入部314の先端を
挿入可能な幅および深さで形成されており、挿入部31
4は溝171に対してその先端を挿入した状態で突出部
31cを打球槌22に係合させ、また、装着部31bを
突起22aに対して装着できるような長さに形成されて
いる。さらに、溝171のカーブ形状は上記ガイド部材
170と同様であるので、挿入部314の先端を溝17
1の右端に対して挿入し、挿入部314が溝171に沿
って移動するように打球槌調整具304を操作すると、
打球槌調整具304の初期位置を適切に決定し、さらに
打球槌22を回動させ、装着部31bを突起22aに対
して装着する際の動作を適切にガイドすることができ
る。 【0079】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成としては、上述のものに限られな
い。例えば、図13に示すように打球槌に延設部を設
け、当該打球槌を回動させる際に使用しても良い。図1
3は、上記遊技球打出部20の上部を拡大して示す斜視
図であり、この実施例においてパチンコ機10の本体枠
や遊技球打出部等の構成は上述のものと同様である。こ
のパチンコ機10においても、打球槌22は先端部分が
前面枠16の奥側に位置しているが、同打球槌22の先
端には延設部22dが設けられており、当該延設部22
dは前面枠16の端面より上方に位置している。延設部
22dと打球槌22の本体との境界は前面枠16の上端
面より下方に位置している。 【0080】本実施例においては、延設部22dを介し
て打球槌22に対して容易に回動力を作用させることが
できる。すなわち、上記打球槌調整具30のような調整
具の突出部を延設部22dに対して容易に係合させつつ
打球槌22を回動させることができる。また、当該延設
部22dを指で押さえながら打球槌22を回動させるこ
とができる。尚、本実施例においては、打球槌22を回
動させる際に突出部31cと延設部22dとの干渉を避
けるために、図14に示すように突出部31cの中央に
矩形の穴31fを形成すると好適である。 【0081】さらに、打球槌を延設する方向や延設部の
形状に関して種々のものを採用することができる。図1
5は他の実施例にかかる打球槌220の動作を示してお
り、図16は当該打球槌220の突起22aの配向方向
を調整するための打球槌調整具306の本体を示す斜視
図である。図15において打球槌調整具306は本体3
1を切断した状態で示している。この実施例では打球槌
220の先端に略円柱状の延設部220dが設けられて
いる。同延設部220dは、打球槌220の先端部にお
いて図15の紙面手前側の面で突起22aに対して略垂
直となるように垂設されている。同延設部220dは打
球槌220が回動する際に前面枠16の上部端面と干渉
しないような高さに形成されている。従って、打球槌2
20はパチンコ機10の操作ハンドル21の操作によっ
て回動し、繰り返し遊技球を打ち出すことができる。 【0082】打球槌調整具306においては、突出部3
10cのみが上記第1実施例と異なる構成となってい
る。すなわち、突出部310cは略角柱の細い部材によ
って構成されており、装着部31bの外周に対して本体
31寄りに取り付けられている。本例においては状態E
のようにして突出部310cを打球槌220の延設部2
20dに係合させ、突出部310cと打球槌220の延
設部220dとを係合させつつ打球槌調整具30を図1
5における反時計回りに回動する。打球槌220を所定
の位置まで回動させた後に突出部310cと延設部22
0dとの係合を解除すると打球槌220は上記打球力調
整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動する。こ
のとき、装着部31bを図15の状態Fに示す位置で待
機させること、打球槌220が回動して待機位置に復帰
する動作をする過程で装着部31bを突起22aに対し
て装着する。従って、この状態において突起22aの配
向方向を容易に調整することができる。 【0083】さらに、他の実施例として打球槌と別体の
部材を装着可能に構成して、当該部材の脱着によって打
球槌を実質上延設するようにしても良い。図17はかか
る構成を採用した打球槌の例を示す斜視図である。同図
において打球槌221の先端には矩形の突起221aが
先端方向に向けて延設されている。また、延設部材22
1dは、略直方体であり、一面に略矩形の凹部221d
1が形成されている。打球槌221において突起22a
の配向方向を調整しようとする際には、延設部材221
dの凹部221d1と突起221aとを向かい合わせ、
延設部材221dを打球槌221に対して装着する。 【0084】延設部材221dを打球槌221に対して
装着すると、打球槌221はその先端方向に対して実質
上延設され、上記第1実施例の打球槌調整具30等を利
用して容易に回動させることができる。むろん、図17
に示したようにして別部材によって打球槌を延設する構
成は一例であり、延設部22dに対して装着可能な部材
を構成してさらに延設しても良い。また、延設部材は打
球槌に対して装着可能であればよいので、打球槌側に凹
部を形成し、延設部材にて突起を形成して両者を向かい
合わせつつ装着するように構成しても良い。 【0085】延設部に関しさらに他の構成も採用可能で
あり、延設部に屈曲部を設けても良い。図18はかかる
構成を採用した打球槌を示す図であり、図19は当該打
球槌において突起の配向方向を調整するための打球槌調
整具の要部斜視図である。図18において、打球槌22
2の延設部222dは先端にて屈曲されている。また、
延設部222dが前面枠16の上端面より上方に突出し
ている。従って、図19に示す打球槌調整具307によ
って容易に打球槌222を回動させることができる。 【0086】すなわち、打球槌調整具307においては
屈曲部317aが略直角であり、略角柱の突出部317
cが面Gに対して垂設されている。打球槌222を回動
させる際には、打球槌調整具307において装着部31
bを上方に向けつつ面Gを下方に向けて状態Hとし、当
該突出部317cを延設部222dに対して係合させ
る。突出部317cと打球槌222の延設部222dと
を係合させつつ打球槌調整具307を図18における反
時計回りに回動させると、打球槌222は上記打球力調
整バネ23の付勢力に抗して時計回りに回動する。打球
槌調整具307の回動を続け、面Gが上方を向く状態I
で突出部317cと打球槌222の延設部222dとの
係合を解除すると打球槌222が反時計回りに回動す
る。従って、図18の状態Iのようにして前面枠16の
端面の下方にて打球槌222の突起22aを装着部31
bに装着させることができる。 【0087】以上の例においては、突出部と延設部とを
確実に係合させるため、延設部に切欠や凹部を形成する
ことが可能である。図20は、上記図18に示す打球槌
222の延設部222dの先端に凹部222d1を形成
した状態を示す斜視図である。かかる構成において打球
槌調整具の突出部先端が当該凹部222d1に嵌るよう
に形成すれば、より確実に突出部と延設部222dとを
係合させることができる。むろん、上記図2に示す延設
部22d等において突出部に対応した切欠や凹部を形成
しても良い。また、摩擦係数の大きな部材を貼り付けた
り延設部に傷を付けるなどして摩擦係数を増大させ、確
実に係合させるようにしても良い。 【0088】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成をパチンコ機の本体枠に対して採
用しても良い。図21は、パチンコ機の本体枠に対して
係止片を設けた実施例において上記遊技球打出部20の
上部を拡大して示す斜視図である。同図において、打球
槌22の配置位置等は上記第1実施例と同様である。但
し、本実施例では壁面17においてストッパを設け、打
球槌22を適切な回動位置で維持させることができるよ
うに構成した。すなわち、壁面17の紙面右下かつ前面
枠16の端面より下方において水平方向の溝17bが設
けてある。当該溝17bにおいては矩形のストッパ18
が手前側に露出しており、溝17bに沿ってスライド可
能に構成されている。また、ストッパ18が紙面右側に
移動されているときに当該ストッパ18は打球槌22の
回動経路上に存在しないが、ストッパ18が紙面左側に
移動されているときに当該ストッパ18は打球槌22の
回動経路上に存在する。従って、ストッパ18は後述の
ようにして打球槌22の回動を規制するストッパとして
作用する。 【0089】本実施形態において、打球槌22の突起2
2aの配向方向は上記打球槌調整具30と同様の調整具
によって調整される。図22は、打球槌調整具30にて
打球槌22の突起22aを調整する際の上記ストッパ1
8の利用形態を説明する説明図である。同図において
は、ガラス枠を取り外した状態のパチンコ機10におい
て遊技球打出部20の上部を拡大して示しており、打球
槌調整具30は本体31を切断した状態で装着部31b
を示している。突起22aの配向方向を調整するために
は、突起22aの周辺に打球槌調整具と干渉する部材が
存在しないような回動位置まで打球槌22を回動させる
必要がある。このためにまず、ストッパ18を紙面右側
に移動させて打球槌22の回動経路上から待避させ、打
球槌22を紙面時計回りに回動させる。打球槌22を溝
17bよりも下方に回動させたら、ストッパ18を紙面
左側に移動させて打球槌22を解放する。 【0090】打球槌22に対して人為的に力を作用させ
ていない状態では、打球槌22は上記打球力調整バネ2
3によって紙面反時計回り方向に自動で回動するが、ス
トッパ18が溝17b内で紙面左側に配置しているとき
には、打球槌22とストッパ18とが干渉し、当該干渉
位置にて打球槌22が維持される。従って、打球槌22
の突起22aは静止しており、この突起22aに対して
上記打球槌調整具30の装着部31bを容易に装着する
ことができる。この状態で、打球槌調整具30の把手3
2,33を左右の手で取り回しつつ突起22aに力を作
用させると、突起22aの配向方向が変動し、遊技球の
打出方向を調整することができる。 【0091】打球槌22を調整用の位置で維持するため
の構成は上述のものに限定されない。例えば、ストッパ
が壁面にてスライド可能である構成が必須になるわけで
はない。図23は、押しボタン方式のストッパを構成す
るための構成例を示す概略図である。この例において
は、壁面17に2つの矩形状の穴17c,17dを形成
し、壁面17内で水平面を回動平面として回動可能にス
トッパ部材181を支持する。 【0092】ストッパ部材181は可撓性のある板状の
部材であるとともにその両側において回動中心から等距
離にアーム181a,181bが形成されている。これ
らのアーム181a,181bは回動中心を中心とした
円弧状に形成されており、ストッパ部材181の回動と
ともにそれぞれのアーム181a,181bが上記穴1
7c,17dから手前,奥方向に進退するように構成さ
れている。また、壁面17の内部において、ストッパ部
材181にはバネ181cによる付勢力が作用してい
る。バネ181cはストッパ部材181の回動平面内に
配設され、同ストッパ部材181の端面に対して当接
し、図23において時計回りに回動するようにストッパ
部材181に対して付勢力を作用させている。 【0093】アーム181bの上部には係合部181b
1が形成されており、アーム181bが押し込まれたと
きに、壁面17内部にて当該壁面17と係合部181b
1とが係合するようになっている。すなわち、ストッパ
部材181には上記バネ181cによって付勢力が作用
しているので、壁面17の内部にて当該壁面17と係合
部181b1とが係合したときに、通常状態ではこの係
合が解除されずに維持される。 【0094】一方、穴17dはアーム181bの端面よ
り下方に大きく、また、ストッパ部材181が可撓性の
ある部材で構成されているので、上記壁面17と係合部
181b1とが係合した状態でアーム181bの端面を
下方に押し下げると上記係合が解除し、上記バネ181
cの付勢力によってアーム181bが壁面17より手前
側に露出する。すなわち、アーム181bの端面の押し
込み操作に応じて自由にアーム181aを壁面から露出
させるか否かを既定可能な押しボタン構造となってい
る。 【0095】ここで、穴17cは打球槌22の回動経路
上に開けられており、穴17dは打球槌の回動経路上に
位置しないように開けられている。従って、打球槌22
を回動させるときにはアーム181b側が壁面17の手
前に露出するようにセットし、打球槌22の回動位置を
維持したいときにはアーム181a側が壁面17の手前
に露出するようにセットする。この結果、容易に打球槌
22の回動位置を維持することができる。 【0096】さらに、別の実施例として、打球槌を回動
させるための部材を形成しても良い。図24は打球槌を
回動させるための部材と打球槌を所定の回動位置で維持
するための部材を兼用した部材を構成した場合の説明図
である。本実施例では、壁面17の手前側に突出する2
つの矩形部材が設けられており、一方が打球槌22を回
動させるための部材および打球槌22の回動位置を維持
するための部材を兼用するストッパ182bであり、他
方がこのストッパ182bの位置を調整する操作片18
2aである。 【0097】壁面17の右下かつ前面枠16の端面下方
には操作片182aを露出させて左右に摺動させること
ができる溝172aが設けられており、当該溝172a
の水平方向左側には上記ストッパ182bを露出させて
左右に摺動させることができる溝172bが設けられて
いる。尚、溝172aの右端においてはその上部が上方
に向けて切り欠かれている。 【0098】本実施例において操作片182aとストッ
パ182bとは壁面17の内部において連結されてい
る。すなわち、図25に示すように操作片182aとス
トッパ182bとはかすがい状部材182cの一部であ
る。従って、操作片182aを溝172a内で左右に摺
動させると、それに連動してストッパ182bも溝17
2b内で左右に摺動する。また、かすがい状部材182
cは可撓性のある部材であり、操作片182aが溝17
2aの最右位置にあるときに、当該操作片182aを上
方に移動させると、溝172aの状部の切欠に係合させ
ることができる。 【0099】図25の上部の図は打球槌22の調整を行
わない通常状態での操作片の位置であり、この状態にお
いて操作片182aは打球槌22の回動経路上に存在し
ない。従って、操作片182aの存在にかかわらず打球
槌22は回動することができ、パチンコ機10にて遊技
を実施することができる。打球槌22の突起22aの配
向方向を調整するためには、操作片182aを右方向に
移動させる。上記打球槌調整具30の突出部31cを利
用すれば容易に操作片182aを移動させることができ
るし、操作片182aの上方に突起を形成するとともに
当該突起を手で操作して操作片182aを移動させるこ
とができるように構成しても良い。 【0100】操作片182aが右方向に移動されると、
これに伴ってストッパ182bも右方向に移動する。当
該ストッパ182bの右側には打球槌22が待機してい
るので、ストッパ182bが移動すると打球槌22の右
側の端面と当接し、打球力調整バネ23の付勢力に抗し
て紙面時計回り方向に打球槌22を回動させる。操作片
182aが溝172aの右端に達したときに操作片18
2aを上方に移動させると、当該操作片182aが溝1
72aの切欠に係合する。打球槌22は上記打球力調整
バネ23によって付勢力が常に作用しており、この付勢
力はストッパ182bを介して操作片182aを左側に
移動させる力として作用するので、操作片182aが溝
172aの切欠に係合された状態が維持される。 【0101】従って、この状態にて打球槌22を静止さ
せることができ、上記打球槌調整具30等においてその
装着部31bを突起22aに対して容易に装着すること
ができる。打球槌調整具30によって突起22aの配向
方向を調整した後に操作片182aを下方に移動させる
と、操作片182aは溝172aを左側に移動できるよ
うになるので、上記打球力調整バネ23による付勢力に
よって打球槌22が通常の待機位置に復帰する。 【0102】本発明において、打球槌の突起の配向方向
を調整するためには、打球槌調整具の装着部を突起に対
して装着する必要があり、当該装着動作を実施する際の
打球槌の位置が決まっていれば、装着動作初期の打球槌
調整具の位置も決まる。そこで、パチンコ機の本体枠側
に打球槌調整具の装着部の初期位置を規定する位置決め
部を設けると便利である。 【0103】図26は、打球槌調整具の装着部を位置決
めする位置決め部材をパチンコ機の前面枠に対して形成
した場合の実施例を説明する説明図である。この例にお
いて、パチンコ機の主な構成および打球槌調整具の構成
は上記図22に示す構成と同様である。本例における保
持部材173aは、上記第1実施例とほぼ同様に、壁面
17に対して紙面手前方向に垂設されており、その左下
の面と誘導レール11との間に遊技球を保持するように
なっている。 【0104】一方、本実施例において保持部材173a
の右下の部位には、紙面右下方向に配向した延設部17
3bが設けられており、当該延設部173bの下部かつ
保持部材173aの右下の面Sは延設部173bの配向
方向と略垂直に形成されている。打球槌調整具30にお
ける装着部31bは略円筒状であって角が略直角である
ことから、図26のようにして当該装着部31bを上記
延設部173bと面Sに当接させることができる。 【0105】図26に示すように、装着部31bを上記
延設部173bと面Sに当接させた状態において、装着
部31bの円筒軸の延長線上が打球槌22の突起22a
の配向方向と略平行である。従って、延設部173bと
ストッパ18にて打球槌22を係止して回動を停止させ
た状態において、装着部31bの初期位置を非常に容易
かつ確実に決定しつつ打球槌調整具30による突起22
a配向方向の調整動作に移行することができる。 【0106】パチンコ機10において、上記前面枠や壁
面等の本体枠に対してさらなる工夫を施すことにより、
打球槌の突起の配向方向をさらに調整し易くすることも
可能である。図27は、かかる構成例を説明するための
説明図である。同図においては打球槌を省略して示して
いるが、その配設位置や駆動機構は上記図21に示す構
成と同様である。本実施例においては、パチンコ機10
の本体枠に対して切欠および凹部が設けられている。 【0107】すなわち、前面枠16の上端面の一部にお
いて切欠16aが設けられ、パチンコ機10の側面側の
枠に切欠176が設けられている。切欠16a,176
はそれぞれ前面枠16の上端面およびパチンコ機10の
側面側の枠において、打球槌の突起の配向方向を調整す
るに際して打球槌調整具が配置されうる位置に設けられ
ている。例えば、上記打球槌調整具30を図22に示す
ように突起22aに対して装着し、突起22aに対して
力を作用させるためには把手32,33を手で把持しつ
つ打球槌調整具30を取り回す。 【0108】この取り回しの際には打球槌調整具30が
図27の紙面下方や右方に移動されるので、これらの切
欠16a,176が設けられていることによって打球槌
調整具30が前面枠16や側面側の枠と干渉することが
ない。また、切欠16a,176の端面に対して打球槌
調整具30を当接させつつ打球槌調整具30を取り回せ
ば、打球槌調整具30とこれらの切欠16a,176と
の当接点を力の作用点として突起22aに対して力を作
用させることができる。従って、突起22aに作用させ
る力を微妙に調整することができ、突起の配向方向を調
整し易くなる。さらに、図27に示すパチンコ機10の
ように、壁面17に対して凹部175が設けてもよい。 【0109】この凹部175によれば、打球槌調整具3
0を取り回す際に奥側方向への動きが規制されることが
ないので、打球槌調整具30の取り回し自由度が大きく
なり、より調整しやすくなる。尚、図27のように本体
枠に対して切欠や凹部を形成する構成は、上記第1実施
例等、各実施例に適用することは当然に可能である。 【0110】このように、本発明においては、一方向に
長い部材において一方の先端に打球槌の突起に対して装
着可能な装着部を構成し、同装着部側の先端に突出部を
形成して打球槌調整具を構成する。これにより、上記打
球槌の一部に係合させつつ当該打球槌を通常状態の待機
位置から回動させることが可能になる。従って、周囲の
空間が狭い打球槌であっても指を使用することなく容易
に回動させることができ、回動後に突起に対して容易に
装着部を装着することができ、打球槌の突起の配向方向
を容易に調整することができる。
打ち出す打球槌の遊技機の打球槌調整具に関する。 【0002】 【従来の技術】パチンコ機などの遊技機においては、本
体前面枠の下部に配設された操作ハンドルによって打出
強度を調整可能な打球槌によって遊技球を遊技盤に対し
て繰り返し打ち出すことにより遊技が行われる。この打
球槌は通常、その回動面の外周側の先端に突起を備えて
おり、当該突起には弾性体が取り付けられる。さらに、
この打球槌は所定の弾性体によって所定の回動方向に付
勢されている。従って、通常状態で一方向に付勢されて
おり、操作ハンドルの操作に応じてモータを駆動し、上
記打球槌に対して逆付勢力を作用させ、また、逆付勢力
を解除して打球槌を繰り返し揺動することによって上記
突起に取り付けられた弾性体で遊技球を打ち出してい
る。 【0003】遊技場では通常、既定の大きさで作成され
た複数台の遊技機を島に対して並設しており、各遊技機
の枠はほぼ既定の大きさであると言える。近年、枠の大
きさを変化させることなく遊技盤を大きくした、いわゆ
るL枠の遊技機が提案されている。この遊技機では遊技
盤下部の上皿や下皿をなるべく下方に配設し、遊技盤の
周囲に配設される枠やガラス扉の開閉機構等をなるべく
遊技盤の周縁に配設することによって遊技盤上の遊技球
誘導レールを周縁方向に拡張し、広い遊技領域を確保し
ている。従って、このL枠では遊技球を打ち出すための
遊技球発射機構が従来の遊技機より下方に配置される。
また、遊技球誘導レールが周縁方向に拡張し、遊技球発
射機構が下方に配置されることによって、従来の遊技機
より遊技球打出方向がより上方向きになるとともに、遊
技球を打ち出した後に当該遊技球が最初に上記遊技球誘
導レールまで到達する位置が従来の遊技機より左方にな
っており、到達距離が長くなっている。さらに、遊技盤
下部や遊技盤の周縁に配設される機構部分を構成するた
めの空間が限られている。従って、上記打球槌を配設す
る空間が従来の遊技機より、狭くなるとともに当該狭い
空間に種々の部品が配設されることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のL枠の
遊技機においては、次のような課題があった。すなわ
ち、遊技球の打出方向を調整するために上記打球槌の突
起の配向方向を調整する必要があるが、L枠の遊技機で
は遊技球を適正な方向に打ち出すためにより厳密に突起
の配向方向を決定する必要があり、また、打球槌の周囲
の空間に余裕がなく調整が非常に困難であった。具体的
には、遊技球が上記遊技球誘導レールに接触する際に当
該遊技球の飛翔方向と遊技球誘導レールの接線方向とが
大きく異なっていると、多くの運動エネルギーが遊技球
から遊技球誘導レールに伝達されてしまう。この場合、
遊技球が遊技球誘導レールによって適切にガイドされ
ず、遊技領域に達することができない。 【0005】また、打球槌の突起の配向方向を調整する
際には、打球槌の突起に対して円筒状の部材を有する調
整具を装着し、当該調整具を操作して円筒状の部材に対
して直接的に力を作用させることによって突起の配向方
向を調整する必要がある。しかし、L枠では上述のよう
に打球槌周辺の空間が狭く、また、周辺の狭い空間に種
々の部品が配設されているので、上記付勢力によって所
定位置で待機している打球槌に対して上記調整具を装着
することが困難である。本発明は、上記課題にかんがみ
てなされたもので、周囲の空間が狭い打球槌であっても
容易に調整を行うことが可能であり、また、遊技球打出
方向の微妙な調整が可能な遊技機の打球槌調整具の提供
を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、所定の弾性体によって所
定の回動方向に付勢されるとともに所定の回転軸に対し
て回動可能に軸止され、その外周側の所定位置に弾性体
が取り付けられた突起を有する打球槌を上記弾性体の付
勢力によって回動させることによって上記突起を介して
遊技球に打出力を作用させる遊技機にて上記突起の配向
方向を調整する遊技機の打球槌調整具であって、上記打
球槌調整具は一方向に長い部材であるとともに一方の先
端に上記突起に対して装着可能な装着部を有し、同装着
部側の先端に上記打球槌の一部に係合させつつ当該打球
槌を通常状態の待機位置から上記付勢力の作用方向と逆
方向に回動させることが可能な突出部を備える構成とし
てある。 【0007】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、待機位置に待機している打球槌を容易に
回動させることが可能な構成を打球槌調整具に採用して
いる。すなわち、打球槌調整具は一方向に長い部材であ
るとともに一方の先端に打球槌の突起に対して装着可能
な装着部を備えており、さらに突出部を備えている。こ
の突出部は打球槌調整具の装着部側の先端に構成されて
おり、同突出部を上記打球槌の一部に係合させることが
可能である。そして、当該打球槌を通常状態の待機位置
から付勢力の作用方向と逆方向に回動させることが可能
である。 【0008】従って、突出部を打球槌周辺の狭い空間に
挿入し、指などを使用することなく容易に打球槌を回動
させることが可能である。さらに、調整具は装着部を備
えており、上記突出部による打球槌への係合を解除した
ときに上記付勢力によって回動する打球槌の突起に上記
装着部を装着させることができる。また、打球槌調整具
は一方向に長い部材であり、当該装着部はその一方の先
端に配設されているので、他方の先端寄りの部分を握り
つつ打球槌調整具を移動させることによって、容易に突
起の配向方向を調整することができる。 【0009】通常の遊技機では打球槌にて遊技球に打出
力を作用させる部位は遊技球の経路でもあり、種々の部
材で覆われており、指で打球槌に触れることが非常に困
難である。従って、打球槌を回動させる突出部と突起の
配向方向を調整するための装着部とが一体となっている
ことによって、指で打球槌に全く触れることなく打球槌
の回動と装着部の装着、さらには突起の調整を単一の調
整具によって一連の動作で実現することができ、好適で
ある。ここで、上記弾性体においては打球槌を回動させ
る付勢力を作用させることができればよく、種々の部材
を採用可能である。例えば、螺旋状のバネによれば螺旋
軸方向に付勢力を作用させることができる。他にも、筒
状や柱状に成形したウレタンゴム等、種々の部材によっ
て弾性体を構成することができる。 【0010】本発明は、上記の構成に限られるものでは
なく、以下の手段も含むものである。 手段1 上記突出部の構成として、上記装着部に対して上記突起
を挿入する方向に延設した部材で形成しても良い。上記
突起は打球槌に対して垂設されていることが多く、これ
により打球槌の回動にてその回動円の接線方向に遊技球
を打ち出すようになっている。従って、装着部に対して
突出部を延設すると当該突出部によって打球槌を係合し
て回動させると同時に、装着部を突起の挿入方向に配向
させることができ、この係合を解除して上記付勢力によ
って打球槌を待機位置に復帰させるときに、上記装着部
を容易に打球槌の突起に装着させることができる。 【0011】手段2 上記突出部の構成として、薄板状の部材を形成しても良
い。薄板状の部材を形成すれば、打球槌の周辺の空間に
余裕が少なく、指を挿入不可能な隙間しか存在しない場
合であってもその隙間に当該薄板状の部材を挿入し、打
球槌を回動させることができる。 【0012】手段3 上記突出部の構成として、屈曲した板状の部材を形成し
ても良い。屈曲した板状の部材を形成すれば、当該屈曲
した板の先端を打球槌に係合して回動させることがで
き、この係合を解除して上記付勢力によって打球槌を待
機位置に復帰させるときに、打球槌を容易に回避しつつ
容易に当該打球槌の突起を上記装着部に装着させること
ができる。 【0013】手段4 上記突出部の構成として、鉤状の係合部と円弧状のガイ
ド部とを備える部材を形成しても良い。鉤状の部位を形
成すれば容易に打球槌を係合させることができ同打球槌
を回動させている途中に誤って係合を解除することが少
なくなって操作性が向上する。円弧状の部位を形成すれ
ば、当該円弧状の部位に打球槌を当接させつつ摺動さ
せ、打球槌およびその突起と打球槌調整具との相対的な
位置関係を容易に規定することができ、打球槌の突起を
確実に上記装着部へガイドすることができる。 【0014】手段5 上記打球槌調整具の構成として、一方向に長い部材にお
いて装着部側の先端寄りの所定位置を屈曲させても良
い。装着部側の先端寄りの所定位置を屈曲させれば、狭
く複雑な隙間を有する打球槌の周辺の空間において高い
自由度で打球槌調整具を移動させて打球槌に到達させる
ことができるとともに、高い自由度で打球槌の突起に装
着した装着部を移動させて突起の配向方向を調整するこ
とができる。むろん、屈曲は一箇所でも良いし二箇所以
上でも良い。屈曲位置や屈曲角度,屈曲の形状等は前面
枠と打球槌の位置関係や打球槌およびその周辺の部材の
形状に対応させて変形することができる。 【0015】手段6 上記打球槌調整具の構成として、一方向に長い部材にお
いて装着部側の先端寄りの所定位置に切欠を形成しても
良い。打球槌調整具に切欠が形成されていれば、狭く複
雑な隙間を有する打球槌の周辺の空間において、打球槌
に対して打球槌調整具を到達させるために障害となりう
る部材を容易に回避し、高い自由度で打球槌調整具を移
動させて打球槌に到達させることができるとともに、高
い自由度で打球槌の突起に装着した装着部を移動させて
突起の配向方向を調整することができる。むろん、切欠
は一箇所でも良いし二箇所以上でも良い。切欠の形成位
置や切欠の深さ,切欠の形状等は前面枠と打球槌の位置
関係や打球槌およびその周辺の部材の形状に対応させて
変形することができる。 【0016】手段7 上記打球槌調整具の構成として、所定の位置に把手を装
着する装着穴を形成しても良い。装着穴を形成すれば、
打球槌調整具に把手を装着することができ、上記装着部
と反対側の端部と把手とを握りつつ両手で打球槌調整具
を移動させることができる。従って、打球槌の突起の配
向方向を微妙に調整することが可能になる。また、力加
減を容易に調整することができるし、突起に対してより
大きな力を作用させることができる。この結果、非常に
高い操作性で打球槌を操作することができる。 【0017】手段8 上記装着部の構成として、円筒状の部材を形成すること
ができる。円筒状の部材によれば、当該円筒より径の小
さな円柱状の突起や円錐状の突起に装着して当該突起の
垂設方向に略垂直な任意の角度に配向するように力を作
用させることができ、高い自由度で突起の配向方向を調
整することができる。むろん、突起の配向方向を調整す
るに当たり、当該突起に対して弾性体を装着したままの
状態で装着部を装着しても良い。 【0018】手段9 上記装着部の構成として、断面略U字形の部材を形成す
ることができる。断面略U字形の部材は、当該断面略U
字形の部材の内径より径の小さな円柱状の突起や円錐状
の突起に容易に脱着することができる。従って、突起配
向方向の調整に際して装着部の脱着に手間がかかること
がない。むろん、突起の配向方向を調整するに当たり、
当該突起に対して弾性体を装着したままの状態で装着部
を装着しても良い。 【0019】手段10 上記装着部と突出部との構成として、本体枠側の打球槌
の周辺に配設されたガイド部に当接させて遊技機の初期
挿入位置の位置決めをし、また、調整具を手元でひねる
のみで上記突出部にて打球槌を回動できるように位置決
めをし、さらに、回動後に装着部を大きく移動させるこ
となく打球槌の回動によってその突起が装着部に装着す
るように位置決めできるような形状とすることができ
る。たとえば、打球槌調整具の装着部あるいは突出部を
係合可能な部材を本体枠から手前側に突出するように配
設し、これらの装着部あるいは突出部も当該部材に係合
可能な形状に形成すれば、この部材に対して装着部ある
いは突出部を係合させるのみで適切な位置に位置決めを
することができ、遊技機を打球槌周辺の空間に挿入する
動作、打球槌を回動させる動作、装着部を突起に装着す
る動作を非常に容易に実施することができる。ガイド部
の構成としては本体枠から手前側に突出する部材を形成
しても良いし、本体枠側に凹部を設けても良い。上記初
期挿入位置の位置決めを行うガイド部と打球槌調整具の
動作をガイドするガイド部とは一体であっても別体であ
っても良い。 【0020】手段11 上記打球槌の構成として、上記突起が先端寄りの所定位
置に配設される打球槌に対して当該突起より先端側に延
設された延設部を形成しても良い。当該延設部によれ
ば、当該延設部に対して打球槌の調整具に備えられた突
出部等を容易に係合させ、打球槌を通常状態の待機位置
から駆動することができる。むろん、打球槌の調整具を
利用することが必須ではなく、上記延設部を指で操作し
て打球槌を駆動しても良い。以上のようにして、打球槌
の周囲の空間が狭くても、当該打球槌を駆動させて調整
容易な場所まで打球槌を移動させることができ、その突
起の配向方向を容易に調整することができる。かかる構
成は打球槌の周辺の空間が狭いL枠では特に好適であ
る。上記打球槌の突起が前面枠の端面からわずかに上方
に突出する状態は、その突出量が小さいことによって打
球槌が駆動させづらくなる状態であり、この限りにおい
て突出量は限定されない。 【0021】手段12 上記打球槌が所定の弾性体の付勢力によって回動するよ
うに構成されており、当該付勢力の作用方向と逆方向に
打球槌を回動させるための部材を上記延設部に係合でき
るように構成しても良い。すなわち、回転可能に軸止さ
れた打球槌に対して弾性体を取り付け、所定方向に付勢
力を作用させておけば、遊技球の打出に際して上記付勢
力の逆方向に力を作用させ、当該力を解除することによ
って打球槌を付勢力方向に回動させて、遊技球を打ち出
すことができる。かかる構成において、延設部に対して
付勢力の作用方向と逆方向に打球槌を回動させるための
部材を係合可能であれば、当該部材によって非常に容易
に打球槌を回動させることができる。すなわち、調整可
能な位置に打球槌を容易に移動させることができる。当
該部材は打球槌の調整具に対して配設しておけばよい。
上述の打球槌調整具であれば突出部が打球槌を回動させ
るための部材に該当する。ここでも、上記弾性体におい
ては打球槌を回動させる付勢力を作用させることができ
ればよく、種々の部材を採用可能である。また、遊技球
の打出に際して打球槌を駆動する駆動力は種々の構成に
よって生成することができる。 【0022】手段13 上記打球槌の構成として、延設部を打球槌の駆動平面に
略垂直に延設しても良い。すなわち、打球槌によって遊
技球を打ち出すために、通常は打球槌の駆動平面に対し
て平行に突起を設け、当該突起で遊技球を打ち出すが、
延設部が打球槌の駆動平面に平行でなくても当該延設部
を介して打球槌を駆動させることができる。むろん、当
該突起において突起に対して略垂直に延設部を設けても
よいし、打球槌の本体において延設部を設けても良い。
尚、打球槌を回動させる場合に、上記駆動平面は打球槌
の回動平面である。 【0023】手段14 上記打球槌の構成として、当該打球槌と別部材を装着可
能に構成してもよい。別部材を装着することができれ
ば、打球槌の突起の調整時に必要に応じて装着し、打球
槌を実質上延設することができる。別部材を装着可能に
する構成としては、例えば、打球槌の先端に突起を延設
し上記別部材において当該突起に嵌合可能な凹部を形成
する構成を採用可能である。むろん、打球槌に凹部を形
成し別部材に突起を形成しても良いし、突起と凹部との
嵌合以外に種々の装着機構を採用可能である。また、打
球槌を延設可能に構成できる限りにおいて別部材の形状
も限定されず、矩形,板状,屈曲した部材等種々の形状
を採用可能である。 【0024】手段15 上記延設部の構成として、遊技機の前面枠端面より上方
に露出する長さに形成しても良い。すなわち、打球槌が
遊技機の前面枠に対して回動可能に支持されており、打
球槌の待機位置では当該打球槌に設けられた突起の先端
が遊技球の発射点に位置する状態であり、さらに打球槌
の回動範囲内では上記待機位置において打球槌の先端が
最上位置になる状況で、延設部を前面枠端面より上方に
露出させる。かかる構成によれば、打球槌の待機位置に
おいて当該打球槌と延設部との境界が上記前面枠の端面
より下方あるいは略同一面に配置されていても、延設部
を介して非常に容易に打球槌を回動させることができ
る。 【0025】手段16 上記延設部の構成として、延設部を所定の位置にて屈曲
させても良い。延設部が屈曲していれば、打球槌の調整
具をより簡単に係合させることができ、打球槌を容易に
駆動することができる。 【0026】手段17 上記延設部の構成として、延設部に切欠や凹部を形成し
ても良い。切欠や凹部によれば、打球槌の調整具をより
確実に係合させることができるし、係合して打球槌を駆
動させているときに当該係合が容易に解除されることを
防止することができる。むろん、係合が容易に解除され
ることを防止するため、滑り止めを形成しても良い。 【0027】手段18 上記打球槌の構成として、モータの回転駆動力を利用し
て突起調整のための調整位置へと駆動してもよい。すな
わち、必ずしも打球槌の調整具によって打球槌を駆動す
る構成を採用する必要はなく、モータの回転駆動力によ
って打球槌を調整用の初期位置に移動させても良い。こ
の場合の駆動量はほぼ一定であるため、サーボモータや
ソレノイドを利用して特定角度回転させるように駆動す
る構成等を採用可能である。 【0028】手段19 上記遊技機の本体枠として、上記打球槌をその待機位置
から所定量駆動させた調整位置にて当該打球槌に係合し
て当該調整位置を一時的に保持させる係止片を配設する
構成としても良い。すなわち、打球槌を通常の待機位置
から駆動させた後に所定の調整位置で保持することがで
き、当該調整位置で打球槌の突起の配向方向を調整する
ことができる。この結果、調整終了前に打球槌が待機位
置に復帰してしまうことを防止することができる。従っ
て、打球槌の調整具を打球槌の突起に対して装着し、当
該突起の配向方向を調整するに際して、打球槌を調整位
置に維持させるために調整具によって常に打球槌に対し
て力を作用させる必要がなく、突起の配向方向の調整の
みに力を利用することができる。 【0029】手段20 また、係止片を備える構成は、所定の弾性体の付勢力に
よって回動される打球槌に対して適用することも可能で
ある。すなわち、上記打球槌を上記付勢力の作用方向と
逆方向に所定量駆動させた位置にて当該打球槌に係合し
て当該位置を一時的に維持するように係止片を構成して
も良い。かかる構成によれば、打球槌に作用する付勢力
によって調整終了前に打球槌が待機位置に復帰してしま
うことを防止することができる。また、打球槌の調整具
を打球槌の突起に対して装着し、当該突起の配向方向を
調整するに際して、打球槌を調整位置に維持させるため
に調整具によって常に打球槌に逆付勢力を作用させる必
要がない。このため、非常に容易に打球槌の突起の配向
方向を調整することができる。ここでも、上記弾性体と
しては打球槌を回動させる付勢力を作用させることがで
きればよく、上述のように種々の部材を採用可能であ
る。また、遊技球の打出に際して打球槌を駆動する駆動
力は種々の構成によって生成することができる。 【0030】手段21 上記係止片の構成として、本体枠に設けられた溝に沿っ
て打球槌の駆動経路と駆動経路外とを進退する構成が採
用可能である。打球槌の駆動経路上に係止片を配設させ
ておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の付勢力によ
って打球槌の待機位置に復帰しないように所定位置にと
どめておくことができ、打球槌の突起を容易に調整する
ことができる。また、係止片が溝に沿って進退すること
により、調整時以外には係止片を駆動経路から容易に退
避させておくことができる。 【0031】手段22 上記係止片の構成として、本体枠に押しボタンを設ける
とともに当該ボタンの押し込み操作によって打球槌の回
動経路に係止片が突出するような構成が採用可能であ
る。かかる構成においても打球槌の駆動経路上に係止片
を配設させておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の
付勢力によって打球槌の待機位置に復帰しないように所
定位置にとどめておくことができ、打球槌の突起を容易
に調整することができる。 【0032】手段23 上記打球槌に備えられた突起の配向方向を容易に調整す
るための構成として本体枠に設けられた溝に沿って進退
する係止片を構成し、当該係止片の進退に際して打球槌
を係合して駆動させることができるようにしても良い。
かかる構成によれば、打球槌の周辺の空間が狭い場合で
あっても容易に打球槌を駆動し、調整しやすい位置に配
置することができる。むろん、この係止片の進退を一時
的にロックすることによって上述の係止片と同様に打球
槌を所定の駆動位置にて一時的に維持させるように構成
しても良い。 【0033】手段24 上記本体枠の構成として、打球槌の突起の配向方向を調
整する際に打球槌調整具を取り回すための空間を形成す
る凹部あるいは切欠を形成しても良い。これら凹部や切
欠が本体枠に設けられていれば、突起調整時に打球槌調
整具と本体枠とが干渉しづらく、打球槌調整具を高い自
由度で取り回すことができる。また、場合によっては凹
部や切欠の端面に打球槌調整具を当接させ、当該当接位
置を支点にしててこの原理によって容易に突起に対して
力を作用させることができ、少ない力で容易に突起の配
向方向を調整することが可能になる。 【0034】手段25 上記遊技機の構成として、遊技球誘導レールを遊技領域
の周縁側に配置して同遊技球誘導レールの曲率半径を増
大させたものを採用しても良い。すなわち、L枠の遊技
機においては遊技球誘導レールを周縁方向に拡張するこ
とによって遊技領域として広い面積を確保しており、か
かる遊技機に対して本発明を適用することができる。他
にも遊技球が最初に遊技球誘導レールに到達する位置を
遊技機の左方に移動することによって遊技領域を遊技機
の下方に拡張した構成や遊技球誘導レールの下端側の傾
角を大きく(急斜面に)することによって遊技領域を遊
技機の下方に拡張した構成に対して本発明を適用するこ
とが可能である。L枠に対して本発明を適用するために
は、上述の曲率半径が従来の遊技機の遊技球誘導レール
における曲率半径より大きく、また、上述の到達位置が
従来の遊技機における遊技球誘導レールへの到達位置よ
り左方であり、また、上述の傾角が従来の遊技機におけ
る遊技球誘導レール下端側の傾角より大きければよい。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、打球槌の
周囲の空間が狭い打球槌であっても容易に調整を行うこ
とが可能な遊技機の打球槌調整具を提供することができ
る。また、打球槌調整具によって一連の動作で打球槌の
回動と突起の調整を実施することができる。また、手段
1にかかる発明によれば、装着部を容易に突起に装着可
能である。さらに、手段2にかかる発明によれば、打球
槌を容易に回動させることができる。さらに、手段3に
かかる発明によれば、打球槌の回動と装着部の突起への
装着が容易になる。 【0036】さらに、手段4にかかる発明によれば、装
着部を突起に対して的確に装着させることができる。さ
らに、手段5および手段6にかかる発明によれば、打球
槌調整具を容易に取り回すことができ、突起の調整が容
易になる。さらに、手段7にかかる発明によれば、打球
槌調整具を容易に取り回すことができ、また、少ない力
で突起の配向方向を変動させることができ、突起の調整
が容易になる。さらに、手段8にかかる発明によれば、
突起に対して容易に装着可能な装着部を形成することが
できる。さらに、手段9にかかる発明によれば、突起に
対して装着部を容易に脱着することができる。 【0037】さらに、手段10にかかる発明によれば、
打球槌の回動と装着部の突起への装着を一連の動作にて
的確に実施することができる。さらに、手段11にかか
る発明によれば、狭い空間に打球槌の調整具を挿入し容
易に打球槌を回動させることができる。さらに、手段1
2にかかる発明によれば、弾性体の付勢力によって回動
する打球槌の周辺の空間が狭くても容易に打球槌を回動
させることができる。さらに、手段13〜手段15にか
かる発明によれば、狭い空間に打球槌の調整具を挿入し
容易に打球槌を回動させることができる。さらに、手段
16および手段17にかかる発明によれば、打球槌の調
整具を打球槌に対してより簡単確実に係合させることが
できる。 【0038】さらに、手段18にかかる発明によれば、
打球槌を適切な位置に自動で回動させることができる。
さらに、手段19にかかる発明によれば、打球槌の突起
を調整しやすい駆動位置で打球槌を維持することができ
容易に突起の配向方向を調整可能な遊技機を提供するこ
とができる。さらに、手段20にかかる発明によれば、
弾性体の付勢力によって回動する打球槌の突起を調整し
やすい回動位置で維持することができる。さらに、手段
21にかかる発明によれば、必要に応じて打球槌をその
駆動経路の所定位置で保持することができる。 【0039】さらに、手段22にかかる発明によれば、
打球槌の突起を調整しやすい駆動位置で打球槌を維持す
ることができ突起の配向方向の調整が容易になる。さら
に、手段23にかかる発明によれば、打球槌の駆動と所
定駆動位置での維持とを容易に実施することができる。
さらに、手段24にかかる発明によれば、打球槌調整具
の取り回し作業が非常に楽になる。さらに、手段25に
かかる発明によれば、本発明をL枠に対して適用するこ
とができる。 【0040】 【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かるパチンコ機において前面のガラス枠を取り外した状
態を正面図により示している。すなわち、本パチンコ機
においてはメンテナンス等のためにガラス枠を取り外し
たり開閉することが可能であり、同図に示すようにして
ガラス枠を取り外したり、開いた状態で本発明にかかる
打球槌調整具によって打球槌の突起配向方向を調整す
る。 【0041】図において、パチンコ機10は、電動式の
遊技球打出部20を備えており、操作ハンドル21を手
で持って右方向に回転させると、盤面下方から所定の周
期で遊技球が連続的に打ち出され、打ち出された遊技球
は誘導レール11を通って遊技領域12に導出される。
遊技領域12に導出された遊技球が盤面中央付近に設置
された始動口13に入賞すると、液晶表示パネル14の
表示内容が変動する。この液晶表示パネル14には三つ
の数字が表示されるようになっており、数値が揃った場
合に大入賞口15が開放される。 【0042】このようにして大入賞口15が開放され、
当該大入賞口15に遊技球が入賞することによって多く
の遊技球が遊技者に対して提供される。そして、遊技者
はパチンコ機10の前面に備えられた図示しない上皿等
に多くの遊技球を蓄積できるように遊技を行うようにな
っている。同図に示すパチンコ機は、L枠と呼ばれるパ
チンコ機であり、遊技領域12の面積が従来のパチンコ
機より上下左右に広い。従って、上記図示しない上皿が
従来のパチンコ機より下方に配置される。L枠であって
もパチンコ機10を設置する遊技島の大きさは従来のも
のと同一であることから、上皿や上記遊技球打出部20
を配設するための領域は従来のパチンコ機と比較して狭
くなっている。従って、上皿や遊技球打出部20におい
ては狭い領域を効率的に利用して各機構が配設されてい
る。 【0043】図2は、上記遊技球打出部20の上部を拡
大して示す斜視図であり、図3は遊技球打出部20の主
な機構を背面側から眺めた状態を示す図である。遊技球
打出部20においては、モータの回動力が打球槌22に
伝達され、打球槌22の揺動によって繰り返し遊技球を
打ち出すようになっている。図3に示すように打球槌2
2は細長い薄板状の部材によって構成されており、先端
部分に突起22aを備えている。突起22aは打球槌2
2の長手方向に対して略直角に垂設されており、全体と
して略L字型を形成している。突起22aと打球槌22
の本体とは別部材かつ別の素材によって形成されてお
り、双方が硬い素材であるが突起22aの方がやわらか
い素材である。 【0044】従って、突起22aに対して力を作用させ
たときに、打球槌22本体よりも突起22aの方が曲が
りやすく、突起22aの配向方向を調整することができ
る。むろん、これらの部材は硬いため、繰り返し遊技球
を打ち出す際にはほとんどその配向方向は変形しない。
また、突起22aは先端に向けて徐々にその径が細くな
るように形成されており、当該突起22aの外周と略同
一の内径を有するバネ22bが挿入される。 【0045】打球槌22においては、突起22aの逆側
の一端からやや中央よりにて回動可能に支持されるとと
もに、回動軸付近の側端面から略垂直方向に突出する爪
片22cが形成されている。さらに、打球槌22の概ね
中程にて紙面右方向に打球力調節バネ23により牽引さ
れ、側端がストッパ24に突き当たって止まる構成とな
っている。従って、打球槌22は打球力調整バネ23の
付勢力によってストッパ24方向に付勢されており、通
常状態ではストッパ24に対して当接した状態で待機し
ている。 【0046】一方、操作ハンドル21はいわゆるタッチ
センサを兼ねており、遊技者が手で触れて回動させると
モータ部25内の発射モータ25aが回転し、この発射
モータ25aの回転軸に取り付けられた概略勾状の回転
体25bが紙面時計回りに回転するようになっている。
発射モータ25aの回転時において、回転体25bが所
定の位置まで回転すると爪片22cの先端に当接し、さ
らに回転が進むと打球力調節バネ23の牽引力に逆らう
ようにして打球槌22を図3の紙面反時計回り方向に回
動させる。 【0047】そして、回転体25bの勾状部先端が爪片
22cの先端からはずれると、打球力調節バネ23の付
勢力により紙面時計回り方向に勢いよく回動し、側端が
ストッパ24に突き当たって止まる。すなわち、打球槌
22は発射モータ25aの回転に応じて所定範囲内で往
復動を繰り返し、上記突起22aに取り付けられたバネ
22bの先端を介してこの回動力を遊技球に伝達する。
従って、この動作に連動して遊技球が打ち出されるよう
になっており、遊技球が連続的に打ち出されることとな
る。 【0048】打球力調節バネ23における打球槌22と
は別の一端は、略楕円形の板状部材にて形成されるバネ
長調節片26の先端部分に固定されている。このバネ長
調節片26は打球力調節バネ23を固定した側とは別の
端部付近にて回動可能に支持されるとともに、側端部に
ワイヤー26aが接続されている。さらに、このワイヤ
ー26aの別の一端は操作ハンドル21の軸側に接続さ
れ、当該操作ハンドル21の回動角度に応じて紙面左方
向に引っ張られる。すると、バネ長調節片26は紙面時
計回り方向に回動し、打球力調整バネ23が伸張されて
遊技球の打出力も大きくなる。従って、遊技者は所望の
打出力を得るべく適宜操作ハンドル21の回動角度を調
整する。 【0049】遊技球打出部20の上部においては、図2
に示すように前面のガラス枠を外した状態において上記
打球槌22の突起22a側の先端がガラス枠の下方かつ
本体右側に位置している。このパチンコ機においては、
本体枠の一部として前面枠16を備えており、当該前面
枠16に遊技球を貯留する下皿等が配設されている。同
前面枠16は鉛直方向に垂設される遊技盤の前面と略平
行であり同前面枠16の裏側に上記打球槌22が軸止さ
れている。従って、打球槌22の回動平面と前面枠16
の壁面とは略平行である。 【0050】前面枠16の奥側には遊技面と略平行な平
面を有する壁面17が形成されており、この壁面17の
手前側に上皿等が配設される。この壁面17と前面枠1
6とが形成する平面の間が打球槌22の回動平面であ
り、上記打球槌22の待機位置において打球槌22の突
起22aの先端には上記誘導レール11の一部が位置し
ている。また、上記上皿からは貯留された遊技球が図2
に示す突起22aの先端位置に逐次供給されるようにな
っており、供給された遊技球はこの誘導レール11と保
持部材17aとの間に保持される。従って、打球槌22
が回動しても遊技球は保持部材17aと誘導レール11
の間に保持されるが、打球力調整バネ23の付勢力によ
って打球槌22が再び図2に示す待機位置に復帰したと
きにバネ22bの先端によって遊技球が誘導レール11
方向に打ち出される。 【0051】同バネ22bは打球槌22の突起22aに
取り付けられているため、その配向方向は突起22aの
配向方向とほぼ一致する。従って、打球槌22の待機位
置は一定であっても、バネ22bの配向方向は突起22
aの配向方向によって異なり、図3に示すように突起2
2aの配向方向によって遊技球が打ち出される方向も異
なってくる。本実施形態にかかるパチンコ機10は上述
のようにL枠であり、誘導レール11の経路も従来のパ
チンコ機より長くなっているので、遊技球の初期打出方
向によっては遊技球が遊技盤に対して適切に供給された
り、適切に供給されなかったりする。従って、L枠にお
いては当該突起22aの配向方向の調整が特に重要であ
る。 【0052】一方、図2に示すように、本実施形態にか
かる打球槌22は先端部分が前面枠16の奥側に位置し
ており、打球槌22の上先端は前面枠16の上端面より
下方に位置している。また、前面枠16と壁面17との
間に形成される打球槌22の回動平面は狭く、この空間
の奥側下方に指を挿入することができない。従って、図
2に示すガラス枠を取り外した状態で指によって打球槌
22を回動させることが困難であるとともに、突起22
aに対して力を作用させてその配向方向を調整すること
が困難である。すなわち、打球槌22の周辺の空間が狭
く、突起22aの調整が非常に困難である。 【0053】そこで、本発明にかかる打球槌調整具を使
用すると、このような狭い空間であっても容易に打球槌
22の突起22aの配向方向を調整することができる。
図4は本発明にかかる打球槌調整具30の分解斜視図で
ある。打球槌調整具30は、本体31と把手32,33
を備えている。本体31は概略板状の部材によって形成
されており、中央からやや先端寄りにて屈曲部31aを
有している。屈曲部31a側の先端には装着部31bお
よび突出部31cが取り付けられている。装着部31b
は円筒状の部材であり、その内径は上記打球槌22の突
起22aに対して取り付けられるバネ22bの外径とほ
ぼ同径である。従って、バネ22bが取り付けられた状
態の突起22aに対して装着部31bを装着することが
できる。 【0054】突出部31cは略板状の部材であり、その
面が装着部31bの円筒軸に対して略平行に配向するよ
うに上記装着部31bに対して取り付けられている。ま
た、同突出部31cの幅Wは前面枠16と壁面17との
間に形成される空間の幅より小さく、当該空間に対して
突出部31cを挿入することができる。本体31の中央
のやや装着部31b寄りには切欠31dが設けられてお
り、この位置にて本体31は細くなっている。さらに、
本体31の装着部31bと逆側の先端寄りには矩形の穴
31eが開けられている。 【0055】この穴31eには、上記把手33を装着す
ることができる。すなわち、把手33は板状の部材であ
るとともにその一端には上記穴31eの矩形の内径と略
同一の外径を有する突起33aが形成されており、当該
突起33aを上記穴31eに挿入して把手33を上記本
体31に対して装着することができる。むろん、把手3
3は穴31eのどちら側から装着しても良く、取り回し
の容易性に鑑みて適宜選択することができる。一方、把
手32は概略円柱の部材であり、その端面に矩形の穴3
2aが形成されている。当該穴32aの内径は、上記本
体31の外径とほぼ同一径である。従って、本体31の
一端を穴32aに対して挿入して把手32を本体31に
対して装着することができる。 【0056】図5は、打球槌調整具30にて打球槌22
の突起22aを調整する際の操作を説明する説明図であ
る。同図においては、ガラス枠を取り外した状態のパチ
ンコ機10において遊技球打出部20の上部を拡大して
示しており、打球槌調整具30は本体31を切断した状
態で装着部31bおよび突出部31cを示している。打
球槌調整具30においては、予め把手32,33を本体
31に対して装着しておき、それぞれの把手32,33
を左右の手で握りながら調整操作を行う。状態Aは、突
出部31cを打球槌22の先端に係合させた状態を示し
ている。すなわち、突出部31cは薄板状の部材である
ため狭い空間に挿入しやすく、本実施形態においては、
保持部材17aと打球槌22の先端との間の狭い空間に
容易に挿入することができ、かつ打球槌22の先端と突
出部31cとを係合させることができる。 【0057】この状態Aにおいて、突出部31cと打球
槌22の先端とを係合させつつ打球槌調整具30を図5
における反時計回りに回動させると、打球槌22は上記
打球力調整バネ23の付勢力に抗して時計回りに回動す
る。打球槌22が回動してその突起22aが保持部材1
7aの右側かつ前面枠16の端面上方に位置している状
態Bにおいては、突起22aと他の部材とを干渉させる
ことなく突起22aの配向方向を調整することができ
る。そこで、この状態Bの装着状態を実現するため、こ
の状態Bより打球槌22をさらに時計回り方向に回動さ
せた後に突出部31cと打球槌22の先端との係合を解
除する。 【0058】係合を解除すると、打球槌22は上記打球
力調整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動す
る。このとき、状態Bに示す装着部31bの位置、すな
わち、上記突起22aの回動経路上で装着部31bを待
機させておけば、突起22aが装着部31bに挿入さ
れ、装着部31bを突起22aに装着することができ
る。状態Bのようにして装着部31bを突起22aに装
着した状態で、打球槌調整具30の把手32,33を左
右の手で取り回しつつ突起22aに力を作用させると、
突起22aの配向方向が変動する。突起22aの配向方
向を変動させることによって、上記遊技球の打出方向を
変動させることができるので、調整後に操作ハンドル2
1を回転させて実際に遊技球を打ち出して適正な打ち出
し方向であるか否かを確認することによって、遊技球の
打ち出し方向を調整することができる。 【0059】打球槌調整具30には上記切欠31dが設
けられており、同切欠31dは上記図5に示す状態Aや
状態B等、突起22aの配向方向調整動作において前面
枠16や図2に示す右側の本体枠の端面を避けることが
できる。すなわち、当該切欠31dが設けられているこ
とによって、打球槌調整具30を取り回す際に打球槌調
整具30が他の部材と干渉しづらくしてあり、打球槌調
整具30の取り回しが非常に容易になる。切欠31d
は、取り回しの容易性を向上するために設けられている
ので、むろん、図4に示す位置には限定されず、調整対
象となるパチンコ機10の構成に応じて変更することが
可能である。 【0060】本発明にかかる打球槌調整具30によれ
ば、打球槌22の周辺の空間が狭くても容易に打球槌2
2を調整用の位置まで回動させ、その突起の配向方向を
容易に調整することができる。このような効果を奏する
ための打球槌調整具としては上述のものに限定されな
い。例えば、打球槌調整具の本体の屈曲角度や突出部等
の構成に関して種々のものを採用することができる。図
6は、打球槌調整具を構成する本体の他の一例を示す斜
視図である。この例にかかる打球槌調整具は、上記第1
実施例と同様のパチンコ機10や打球槌22に対して適
用することができる。また、上記打球槌調整具30とは
主にその本体の構成が異なっている。 【0061】同図において、上記第1実施例と異なる部
位については異なる符号で示している。この例にかかる
打球槌調整具300の本体310は略板状の部材である
が、その屈曲部310aの屈曲角は略直角である。ま
た、本体310の一端には装着部310bと突出部31
0cとが取り付けられているが、突出部310cは装着
部310bと本体310との間に配設されている。反対
側の端部に対して図示しない把手32を装着可能であ
り、穴31eに対して把手33を装着可能であることは
上記第1実施例と同様である。 【0062】図5において状態Aと状態Bとを比較する
と、打球槌22の回動開始から突起22aの装着までの
動作において装着部31bは前面枠16の端面上方から
徐々に下降する。従って、状態Bに近づくにつれて本体
31が本体枠の端面と干渉しやすくなる。この事情は打
球槌調整具300においても同様であるが、当該打球槌
調整具300では屈曲部310aが略直角であるため、
状態Bにおいて屈曲部310aと装着部310bとの間
の部位Cによって本体310の部位Dが前面枠16の端
面からより上方にオフセットされ、両者が干渉しづらく
なっている。 【0063】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
1を構成することもできる。図7は打球槌調整具301
の本体311を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具でも、上記第1実施例と同様のパチンコ機10
や打球槌22に対して適用することができる。また、上
記打球槌調整具30とは主にその本体311の先端の構
成が異なっており、同図においても上記第1実施例と異
なる部位については異なる符号で示している。 【0064】図7においては、装着部31bに対して突
出部311cが取り付けられている。当該突出部311
cは概略直方体であるが、その一端に鉤状の係合部31
1c1と円弧状のガイド部311c2とが設けられてい
る。鉤状の係合部311c1は、直方体に形成された部
材の一端において矩形の一辺に沿って切欠を形成するこ
とによって作成されている。また、円弧状のガイド部3
11c2は係合部311c1側から装着部31bに向け
て傾斜を徐々に変化させて円弧状の斜面を形成すること
によって作成されている。 【0065】かかる構成によれば、係合部311c1に
て打球槌22の先端を係合することによって上記図5に
示す状態Aとほぼ同様の状態を形成することができ、状
態Aから装着部31bを反時計回りに回転させることに
よって打球槌22を回動させることができる。さらに、
打球槌22を回動させた後に係合を解除させるにあた
り、ガイド部311c2と打球槌22の先端とを当接,
摺動させながら打球槌22を反時計回りに回動させるこ
とができ、この結果、突起22aを確実に装着部31b
に対してガイドすることができ、装着部31bを突起に
対して確実に装着することができる。 【0066】ここで、鉤状の係合部311c1において
は待機位置に待機した打球槌22を係合して回動させる
ことができればよく、その大きさや切欠の角度等が特定
のものに限定されるわけではない。また、円弧状のガイ
ド部311c2は、打球槌22を一旦回動させて係合を
解除した後に、打球槌22の一部に当接させながらその
突起22aが装着部31bに装着されるようにガイドす
ることができればよく、その円弧のカーブや長さ等が特
定の形状に限定されることはない。 【0067】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
2を構成することもできる。図8は打球槌調整具302
の本体312を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具302は上記打球槌調整具30と比較して突出
部の構成が異なっており、上記第1実施例と同様の構成
については同一の符号にて示している。すなわち、本例
にかかる突出部312cは板状の部材にて形成されてお
り、装着部31bの円筒軸方向と長手方向とが略平行で
あることに変わりはないが、突出部312cはその略中
央に屈曲部312c1を有している。 【0068】このような形状であっても、待機位置にて
待機する打球槌22に突出部312cの先端を係合させ
て打球槌22を容易に回動させることができる。また、
打球槌22を回動させた後に両者の係合を解除し、打球
力調整バネ23の付勢力によって打球槌22が逆方向に
回動する際に、上記屈曲部312c1によって突出部3
12cと突起22aとの干渉を防止することができる。
従って、突起22aの装着部31bに対する入射角がよ
り自由になり、両者の装着が容易になる。 【0069】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
3を構成することもできる。図9は打球槌調整具303
の本体313を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具303は上記打球槌調整具30と比較して装着
部の構成が異なっており、上記第1実施例と同様の構成
については同一の符号にて示している。すなわち、本例
にかかる装着部313bは断面略U字状の部材であり、
当該U字状の部位で突起22aを覆うようにして装着す
ることができる。この装着部313bであっても突起2
2aに対して装着部313bを装着した後に打球槌調整
具303を取り回すことによって突起22aの配向方向
を調整することができる。 【0070】本例によれば、突起22aに対する装着部
313bの脱着が容易になる。すなわち、装着時には突
起22aの垂設方向に対して略平行に装着部313bを
移動させて両者を装着することができるし、突起22a
の垂設方向に対して略直角方向から装着部313bのU
字状部位の開口部を接近させ、覆い被せるようにして両
者を装着することが可能である。さらに、両者を分離す
る場合にも突起22aの垂設方向に対して略平行に装着
部313bを移動させて両者を分離することができる
し、突起22aの垂設方向に対して装着部313bを略
直角方向に移動させて両者を分離することも可能であ
る。上述のように打球槌22の周辺の空間が狭く、ま
た、打球槌22に対しては打球力調整バネ23によって
常に付勢力が作用しているが、装着部313bが断面U
字状であることによって突起22aに対する脱着が非常
に容易になる。 【0071】本発明にかかる打球槌調整具を利用する構
成として、打球槌調整具自体に工夫をする他、パチンコ
機10の本体枠側において打球槌調整具がより便利に利
用できるような構成を採用することもできる。図10は
かかる構成例を説明する説明図である。同図は、ガラス
枠を取り外した状態のパチンコ機10において遊技球打
出部20の上部を拡大して示している。本例では上記第
1実施例と同様に構成した打球槌調整具30を使用する
ことができ、同図において打球槌調整具30は本体31
を切断した状態で装着部31bおよび突出部31cを示
している。 【0072】本例では、パチンコ機10の本体枠の一部
を構成する壁面17に対してガイド部材170が垂設さ
れている。当該ガイド部材170以外の構成は上記第1
実施例におけるものと同様である。ガイド部材170は
壁面17から垂設された板状の部材であるとともにその
端面が前面枠16の上方への延長線上に到達しないよう
な幅となっている。すなわち、ガイド部材170は壁面
17と前面枠16を延長した面と間の空間に位置してい
る。 【0073】また、ガイド部材170は図10の右側に
おいて鉤状の部位170aが設けられ、当該鉤状の部位
170aから一旦上方に向かうとともに途中で緩やかに
そのカーブが変化し、保持部材17aの下端に向けて延
設されている。ガイド部材170がこのような形状であ
ることにより、打球槌調整具30の初期位置を適切に決
定し、さらに打球槌22を回動させ、装着部31bを突
起22aに対して装着する際の動作を適切にガイドする
ことができる。 【0074】すなわち、打球槌22が待機位置にある状
態において、突出部31cの装着部31b側の先端を上
記鉤状の部位170aに係合させると、突出部31cの
他方端が打球槌22に係合し、打球槌調整具30の初期
位置が適切かつ容易に決定される。この状態から打球槌
調整具30を反時計回りに回転させると、装着部31b
および突出部31cがガイド部材170に当接しながら
摺動し、ガイド部材170のカーブに沿って移動する。
このとき、突出部31cの他端においては打球槌22を
回動させる。 【0075】打球槌調整具30を反時計回りに回転させ
続けると、装着部31bおよび突出部31cがガイド部
材170の左側の突端に位置したときに突出部31cの
他端と打球槌22との係合が解除される。すると、打球
槌22が打球力調整バネ23の付勢力によって反時計回
りに回動するが、このときの装着部31bおよび突出部
31cの位置は突起22aの回動経路上であり、この位
置に装着部31bを保持して待機するのみで、突起22
aが装着部31bに対して装着される。従って、本実施
例によれば、打球槌22の回動および装着部31bの装
着を非常に容易に、かつ一連の動作で実施することがで
きる。 【0076】打球槌調整具の動作をガイドするための構
成としては図10に示すものに限られない。例えば、壁
面17に対して溝を形成し、打球槌調整具において当該
溝に挿入可能な挿入部を形成する構成を採用可能であ
る。すなわち、パチンコ機10の壁面17には図11に
示すように上記ガイド部材170と同様のカーブ形状を
有した溝171が形成されている。さらに、調整具側で
は図12に示す打球槌調整具304のように、装着部3
1bに対して挿入部314が形成されている。 【0077】挿入部314は板状の部材であり、同挿入
部314において最大面積を有する面は、突出部31c
において最大面積を有する面に対して略垂直であるとと
もに装着部31bの円筒軸方向に対して略垂直である。
従って、打球槌調整具304の突出部31cによって上
記打球槌22を係合し、また、装着部31bを突起22
aに対して装着するための一連の動作において、当該挿
入部314の先端は壁面17の方向に配向する。 【0078】上記溝171は上記挿入部314の先端を
挿入可能な幅および深さで形成されており、挿入部31
4は溝171に対してその先端を挿入した状態で突出部
31cを打球槌22に係合させ、また、装着部31bを
突起22aに対して装着できるような長さに形成されて
いる。さらに、溝171のカーブ形状は上記ガイド部材
170と同様であるので、挿入部314の先端を溝17
1の右端に対して挿入し、挿入部314が溝171に沿
って移動するように打球槌調整具304を操作すると、
打球槌調整具304の初期位置を適切に決定し、さらに
打球槌22を回動させ、装着部31bを突起22aに対
して装着する際の動作を適切にガイドすることができ
る。 【0079】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成としては、上述のものに限られな
い。例えば、図13に示すように打球槌に延設部を設
け、当該打球槌を回動させる際に使用しても良い。図1
3は、上記遊技球打出部20の上部を拡大して示す斜視
図であり、この実施例においてパチンコ機10の本体枠
や遊技球打出部等の構成は上述のものと同様である。こ
のパチンコ機10においても、打球槌22は先端部分が
前面枠16の奥側に位置しているが、同打球槌22の先
端には延設部22dが設けられており、当該延設部22
dは前面枠16の端面より上方に位置している。延設部
22dと打球槌22の本体との境界は前面枠16の上端
面より下方に位置している。 【0080】本実施例においては、延設部22dを介し
て打球槌22に対して容易に回動力を作用させることが
できる。すなわち、上記打球槌調整具30のような調整
具の突出部を延設部22dに対して容易に係合させつつ
打球槌22を回動させることができる。また、当該延設
部22dを指で押さえながら打球槌22を回動させるこ
とができる。尚、本実施例においては、打球槌22を回
動させる際に突出部31cと延設部22dとの干渉を避
けるために、図14に示すように突出部31cの中央に
矩形の穴31fを形成すると好適である。 【0081】さらに、打球槌を延設する方向や延設部の
形状に関して種々のものを採用することができる。図1
5は他の実施例にかかる打球槌220の動作を示してお
り、図16は当該打球槌220の突起22aの配向方向
を調整するための打球槌調整具306の本体を示す斜視
図である。図15において打球槌調整具306は本体3
1を切断した状態で示している。この実施例では打球槌
220の先端に略円柱状の延設部220dが設けられて
いる。同延設部220dは、打球槌220の先端部にお
いて図15の紙面手前側の面で突起22aに対して略垂
直となるように垂設されている。同延設部220dは打
球槌220が回動する際に前面枠16の上部端面と干渉
しないような高さに形成されている。従って、打球槌2
20はパチンコ機10の操作ハンドル21の操作によっ
て回動し、繰り返し遊技球を打ち出すことができる。 【0082】打球槌調整具306においては、突出部3
10cのみが上記第1実施例と異なる構成となってい
る。すなわち、突出部310cは略角柱の細い部材によ
って構成されており、装着部31bの外周に対して本体
31寄りに取り付けられている。本例においては状態E
のようにして突出部310cを打球槌220の延設部2
20dに係合させ、突出部310cと打球槌220の延
設部220dとを係合させつつ打球槌調整具30を図1
5における反時計回りに回動する。打球槌220を所定
の位置まで回動させた後に突出部310cと延設部22
0dとの係合を解除すると打球槌220は上記打球力調
整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動する。こ
のとき、装着部31bを図15の状態Fに示す位置で待
機させること、打球槌220が回動して待機位置に復帰
する動作をする過程で装着部31bを突起22aに対し
て装着する。従って、この状態において突起22aの配
向方向を容易に調整することができる。 【0083】さらに、他の実施例として打球槌と別体の
部材を装着可能に構成して、当該部材の脱着によって打
球槌を実質上延設するようにしても良い。図17はかか
る構成を採用した打球槌の例を示す斜視図である。同図
において打球槌221の先端には矩形の突起221aが
先端方向に向けて延設されている。また、延設部材22
1dは、略直方体であり、一面に略矩形の凹部221d
1が形成されている。打球槌221において突起22a
の配向方向を調整しようとする際には、延設部材221
dの凹部221d1と突起221aとを向かい合わせ、
延設部材221dを打球槌221に対して装着する。 【0084】延設部材221dを打球槌221に対して
装着すると、打球槌221はその先端方向に対して実質
上延設され、上記第1実施例の打球槌調整具30等を利
用して容易に回動させることができる。むろん、図17
に示したようにして別部材によって打球槌を延設する構
成は一例であり、延設部22dに対して装着可能な部材
を構成してさらに延設しても良い。また、延設部材は打
球槌に対して装着可能であればよいので、打球槌側に凹
部を形成し、延設部材にて突起を形成して両者を向かい
合わせつつ装着するように構成しても良い。 【0085】延設部に関しさらに他の構成も採用可能で
あり、延設部に屈曲部を設けても良い。図18はかかる
構成を採用した打球槌を示す図であり、図19は当該打
球槌において突起の配向方向を調整するための打球槌調
整具の要部斜視図である。図18において、打球槌22
2の延設部222dは先端にて屈曲されている。また、
延設部222dが前面枠16の上端面より上方に突出し
ている。従って、図19に示す打球槌調整具307によ
って容易に打球槌222を回動させることができる。 【0086】すなわち、打球槌調整具307においては
屈曲部317aが略直角であり、略角柱の突出部317
cが面Gに対して垂設されている。打球槌222を回動
させる際には、打球槌調整具307において装着部31
bを上方に向けつつ面Gを下方に向けて状態Hとし、当
該突出部317cを延設部222dに対して係合させ
る。突出部317cと打球槌222の延設部222dと
を係合させつつ打球槌調整具307を図18における反
時計回りに回動させると、打球槌222は上記打球力調
整バネ23の付勢力に抗して時計回りに回動する。打球
槌調整具307の回動を続け、面Gが上方を向く状態I
で突出部317cと打球槌222の延設部222dとの
係合を解除すると打球槌222が反時計回りに回動す
る。従って、図18の状態Iのようにして前面枠16の
端面の下方にて打球槌222の突起22aを装着部31
bに装着させることができる。 【0087】以上の例においては、突出部と延設部とを
確実に係合させるため、延設部に切欠や凹部を形成する
ことが可能である。図20は、上記図18に示す打球槌
222の延設部222dの先端に凹部222d1を形成
した状態を示す斜視図である。かかる構成において打球
槌調整具の突出部先端が当該凹部222d1に嵌るよう
に形成すれば、より確実に突出部と延設部222dとを
係合させることができる。むろん、上記図2に示す延設
部22d等において突出部に対応した切欠や凹部を形成
しても良い。また、摩擦係数の大きな部材を貼り付けた
り延設部に傷を付けるなどして摩擦係数を増大させ、確
実に係合させるようにしても良い。 【0088】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成をパチンコ機の本体枠に対して採
用しても良い。図21は、パチンコ機の本体枠に対して
係止片を設けた実施例において上記遊技球打出部20の
上部を拡大して示す斜視図である。同図において、打球
槌22の配置位置等は上記第1実施例と同様である。但
し、本実施例では壁面17においてストッパを設け、打
球槌22を適切な回動位置で維持させることができるよ
うに構成した。すなわち、壁面17の紙面右下かつ前面
枠16の端面より下方において水平方向の溝17bが設
けてある。当該溝17bにおいては矩形のストッパ18
が手前側に露出しており、溝17bに沿ってスライド可
能に構成されている。また、ストッパ18が紙面右側に
移動されているときに当該ストッパ18は打球槌22の
回動経路上に存在しないが、ストッパ18が紙面左側に
移動されているときに当該ストッパ18は打球槌22の
回動経路上に存在する。従って、ストッパ18は後述の
ようにして打球槌22の回動を規制するストッパとして
作用する。 【0089】本実施形態において、打球槌22の突起2
2aの配向方向は上記打球槌調整具30と同様の調整具
によって調整される。図22は、打球槌調整具30にて
打球槌22の突起22aを調整する際の上記ストッパ1
8の利用形態を説明する説明図である。同図において
は、ガラス枠を取り外した状態のパチンコ機10におい
て遊技球打出部20の上部を拡大して示しており、打球
槌調整具30は本体31を切断した状態で装着部31b
を示している。突起22aの配向方向を調整するために
は、突起22aの周辺に打球槌調整具と干渉する部材が
存在しないような回動位置まで打球槌22を回動させる
必要がある。このためにまず、ストッパ18を紙面右側
に移動させて打球槌22の回動経路上から待避させ、打
球槌22を紙面時計回りに回動させる。打球槌22を溝
17bよりも下方に回動させたら、ストッパ18を紙面
左側に移動させて打球槌22を解放する。 【0090】打球槌22に対して人為的に力を作用させ
ていない状態では、打球槌22は上記打球力調整バネ2
3によって紙面反時計回り方向に自動で回動するが、ス
トッパ18が溝17b内で紙面左側に配置しているとき
には、打球槌22とストッパ18とが干渉し、当該干渉
位置にて打球槌22が維持される。従って、打球槌22
の突起22aは静止しており、この突起22aに対して
上記打球槌調整具30の装着部31bを容易に装着する
ことができる。この状態で、打球槌調整具30の把手3
2,33を左右の手で取り回しつつ突起22aに力を作
用させると、突起22aの配向方向が変動し、遊技球の
打出方向を調整することができる。 【0091】打球槌22を調整用の位置で維持するため
の構成は上述のものに限定されない。例えば、ストッパ
が壁面にてスライド可能である構成が必須になるわけで
はない。図23は、押しボタン方式のストッパを構成す
るための構成例を示す概略図である。この例において
は、壁面17に2つの矩形状の穴17c,17dを形成
し、壁面17内で水平面を回動平面として回動可能にス
トッパ部材181を支持する。 【0092】ストッパ部材181は可撓性のある板状の
部材であるとともにその両側において回動中心から等距
離にアーム181a,181bが形成されている。これ
らのアーム181a,181bは回動中心を中心とした
円弧状に形成されており、ストッパ部材181の回動と
ともにそれぞれのアーム181a,181bが上記穴1
7c,17dから手前,奥方向に進退するように構成さ
れている。また、壁面17の内部において、ストッパ部
材181にはバネ181cによる付勢力が作用してい
る。バネ181cはストッパ部材181の回動平面内に
配設され、同ストッパ部材181の端面に対して当接
し、図23において時計回りに回動するようにストッパ
部材181に対して付勢力を作用させている。 【0093】アーム181bの上部には係合部181b
1が形成されており、アーム181bが押し込まれたと
きに、壁面17内部にて当該壁面17と係合部181b
1とが係合するようになっている。すなわち、ストッパ
部材181には上記バネ181cによって付勢力が作用
しているので、壁面17の内部にて当該壁面17と係合
部181b1とが係合したときに、通常状態ではこの係
合が解除されずに維持される。 【0094】一方、穴17dはアーム181bの端面よ
り下方に大きく、また、ストッパ部材181が可撓性の
ある部材で構成されているので、上記壁面17と係合部
181b1とが係合した状態でアーム181bの端面を
下方に押し下げると上記係合が解除し、上記バネ181
cの付勢力によってアーム181bが壁面17より手前
側に露出する。すなわち、アーム181bの端面の押し
込み操作に応じて自由にアーム181aを壁面から露出
させるか否かを既定可能な押しボタン構造となってい
る。 【0095】ここで、穴17cは打球槌22の回動経路
上に開けられており、穴17dは打球槌の回動経路上に
位置しないように開けられている。従って、打球槌22
を回動させるときにはアーム181b側が壁面17の手
前に露出するようにセットし、打球槌22の回動位置を
維持したいときにはアーム181a側が壁面17の手前
に露出するようにセットする。この結果、容易に打球槌
22の回動位置を維持することができる。 【0096】さらに、別の実施例として、打球槌を回動
させるための部材を形成しても良い。図24は打球槌を
回動させるための部材と打球槌を所定の回動位置で維持
するための部材を兼用した部材を構成した場合の説明図
である。本実施例では、壁面17の手前側に突出する2
つの矩形部材が設けられており、一方が打球槌22を回
動させるための部材および打球槌22の回動位置を維持
するための部材を兼用するストッパ182bであり、他
方がこのストッパ182bの位置を調整する操作片18
2aである。 【0097】壁面17の右下かつ前面枠16の端面下方
には操作片182aを露出させて左右に摺動させること
ができる溝172aが設けられており、当該溝172a
の水平方向左側には上記ストッパ182bを露出させて
左右に摺動させることができる溝172bが設けられて
いる。尚、溝172aの右端においてはその上部が上方
に向けて切り欠かれている。 【0098】本実施例において操作片182aとストッ
パ182bとは壁面17の内部において連結されてい
る。すなわち、図25に示すように操作片182aとス
トッパ182bとはかすがい状部材182cの一部であ
る。従って、操作片182aを溝172a内で左右に摺
動させると、それに連動してストッパ182bも溝17
2b内で左右に摺動する。また、かすがい状部材182
cは可撓性のある部材であり、操作片182aが溝17
2aの最右位置にあるときに、当該操作片182aを上
方に移動させると、溝172aの状部の切欠に係合させ
ることができる。 【0099】図25の上部の図は打球槌22の調整を行
わない通常状態での操作片の位置であり、この状態にお
いて操作片182aは打球槌22の回動経路上に存在し
ない。従って、操作片182aの存在にかかわらず打球
槌22は回動することができ、パチンコ機10にて遊技
を実施することができる。打球槌22の突起22aの配
向方向を調整するためには、操作片182aを右方向に
移動させる。上記打球槌調整具30の突出部31cを利
用すれば容易に操作片182aを移動させることができ
るし、操作片182aの上方に突起を形成するとともに
当該突起を手で操作して操作片182aを移動させるこ
とができるように構成しても良い。 【0100】操作片182aが右方向に移動されると、
これに伴ってストッパ182bも右方向に移動する。当
該ストッパ182bの右側には打球槌22が待機してい
るので、ストッパ182bが移動すると打球槌22の右
側の端面と当接し、打球力調整バネ23の付勢力に抗し
て紙面時計回り方向に打球槌22を回動させる。操作片
182aが溝172aの右端に達したときに操作片18
2aを上方に移動させると、当該操作片182aが溝1
72aの切欠に係合する。打球槌22は上記打球力調整
バネ23によって付勢力が常に作用しており、この付勢
力はストッパ182bを介して操作片182aを左側に
移動させる力として作用するので、操作片182aが溝
172aの切欠に係合された状態が維持される。 【0101】従って、この状態にて打球槌22を静止さ
せることができ、上記打球槌調整具30等においてその
装着部31bを突起22aに対して容易に装着すること
ができる。打球槌調整具30によって突起22aの配向
方向を調整した後に操作片182aを下方に移動させる
と、操作片182aは溝172aを左側に移動できるよ
うになるので、上記打球力調整バネ23による付勢力に
よって打球槌22が通常の待機位置に復帰する。 【0102】本発明において、打球槌の突起の配向方向
を調整するためには、打球槌調整具の装着部を突起に対
して装着する必要があり、当該装着動作を実施する際の
打球槌の位置が決まっていれば、装着動作初期の打球槌
調整具の位置も決まる。そこで、パチンコ機の本体枠側
に打球槌調整具の装着部の初期位置を規定する位置決め
部を設けると便利である。 【0103】図26は、打球槌調整具の装着部を位置決
めする位置決め部材をパチンコ機の前面枠に対して形成
した場合の実施例を説明する説明図である。この例にお
いて、パチンコ機の主な構成および打球槌調整具の構成
は上記図22に示す構成と同様である。本例における保
持部材173aは、上記第1実施例とほぼ同様に、壁面
17に対して紙面手前方向に垂設されており、その左下
の面と誘導レール11との間に遊技球を保持するように
なっている。 【0104】一方、本実施例において保持部材173a
の右下の部位には、紙面右下方向に配向した延設部17
3bが設けられており、当該延設部173bの下部かつ
保持部材173aの右下の面Sは延設部173bの配向
方向と略垂直に形成されている。打球槌調整具30にお
ける装着部31bは略円筒状であって角が略直角である
ことから、図26のようにして当該装着部31bを上記
延設部173bと面Sに当接させることができる。 【0105】図26に示すように、装着部31bを上記
延設部173bと面Sに当接させた状態において、装着
部31bの円筒軸の延長線上が打球槌22の突起22a
の配向方向と略平行である。従って、延設部173bと
ストッパ18にて打球槌22を係止して回動を停止させ
た状態において、装着部31bの初期位置を非常に容易
かつ確実に決定しつつ打球槌調整具30による突起22
a配向方向の調整動作に移行することができる。 【0106】パチンコ機10において、上記前面枠や壁
面等の本体枠に対してさらなる工夫を施すことにより、
打球槌の突起の配向方向をさらに調整し易くすることも
可能である。図27は、かかる構成例を説明するための
説明図である。同図においては打球槌を省略して示して
いるが、その配設位置や駆動機構は上記図21に示す構
成と同様である。本実施例においては、パチンコ機10
の本体枠に対して切欠および凹部が設けられている。 【0107】すなわち、前面枠16の上端面の一部にお
いて切欠16aが設けられ、パチンコ機10の側面側の
枠に切欠176が設けられている。切欠16a,176
はそれぞれ前面枠16の上端面およびパチンコ機10の
側面側の枠において、打球槌の突起の配向方向を調整す
るに際して打球槌調整具が配置されうる位置に設けられ
ている。例えば、上記打球槌調整具30を図22に示す
ように突起22aに対して装着し、突起22aに対して
力を作用させるためには把手32,33を手で把持しつ
つ打球槌調整具30を取り回す。 【0108】この取り回しの際には打球槌調整具30が
図27の紙面下方や右方に移動されるので、これらの切
欠16a,176が設けられていることによって打球槌
調整具30が前面枠16や側面側の枠と干渉することが
ない。また、切欠16a,176の端面に対して打球槌
調整具30を当接させつつ打球槌調整具30を取り回せ
ば、打球槌調整具30とこれらの切欠16a,176と
の当接点を力の作用点として突起22aに対して力を作
用させることができる。従って、突起22aに作用させ
る力を微妙に調整することができ、突起の配向方向を調
整し易くなる。さらに、図27に示すパチンコ機10の
ように、壁面17に対して凹部175が設けてもよい。 【0109】この凹部175によれば、打球槌調整具3
0を取り回す際に奥側方向への動きが規制されることが
ないので、打球槌調整具30の取り回し自由度が大きく
なり、より調整しやすくなる。尚、図27のように本体
枠に対して切欠や凹部を形成する構成は、上記第1実施
例等、各実施例に適用することは当然に可能である。 【0110】このように、本発明においては、一方向に
長い部材において一方の先端に打球槌の突起に対して装
着可能な装着部を構成し、同装着部側の先端に突出部を
形成して打球槌調整具を構成する。これにより、上記打
球槌の一部に係合させつつ当該打球槌を通常状態の待機
位置から回動させることが可能になる。従って、周囲の
空間が狭い打球槌であっても指を使用することなく容易
に回動させることができ、回動後に突起に対して容易に
装着部を装着することができ、打球槌の突起の配向方向
を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】前面のガラス枠を取り外した状態のパチンコ機
を示す正面図である。 【図2】遊技球打出部の上部を拡大して示す斜視図であ
る。 【図3】遊技球打出部の主な機構を背面側から眺めた状
態を示す図である。 【図4】打球槌調整具の分解斜視図である。 【図5】打球槌の突起を調整する際の操作を説明する説
明図である。 【図6】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図7】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図8】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図9】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図10】他の一例において打球槌の突起を調整する際
の操作を説明する説明図である。 【図11】ガイド部が溝によって形成される場合の実施
例を示す斜視図である。 【図12】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図13】遊技球打出部の上部を拡大して示す斜視図で
ある。 【図14】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図15】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図16】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図17】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【図18】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図19】他の実施例にかかる打球槌調整具を示す斜視
図である。 【図20】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【図21】他の実施例において遊技球打出部の上部を拡
大して示す斜視図である。 【図22】他の実施例において打球槌の突起を調整する
際の操作を説明する説明図である。 【図23】押しボタン方式ストッパの構成例を示す概略
図である。 【図24】他の例において打球槌の突起を調整する際の
操作を説明する説明図である。 【図25】打球槌の回動と係止を兼用する部材を示す斜
視図である。 【図26】他の例において打球槌の突起を調整する際の
操作を説明する説明図である。 【図27】他の例における本体枠の構成を示す図であ
る。 【符号の説明】 10…パチンコ機 11…誘導レール 12…遊技領域 13…始動口 14…液晶表示パネル 15…大入賞口 16…前面枠 17…壁面 17a…保持部材 20…遊技球打出部 21…操作ハンドル 22…打球槌 22a…突起 22b…バネ 22c…爪片 23…打球力調節バネ 24…ストッパ 25…モータ部 25a…発射モータ 25b…回転体 26…バネ長調節片 26a…ワイヤー 30…打球槌調整具 31…本体 31a…屈曲部 31b…装着部 31c…突出部 31d…切欠 31e,32a…穴 32,33…把手 33a…突起
を示す正面図である。 【図2】遊技球打出部の上部を拡大して示す斜視図であ
る。 【図3】遊技球打出部の主な機構を背面側から眺めた状
態を示す図である。 【図4】打球槌調整具の分解斜視図である。 【図5】打球槌の突起を調整する際の操作を説明する説
明図である。 【図6】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図7】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図8】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図9】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図である。 【図10】他の一例において打球槌の突起を調整する際
の操作を説明する説明図である。 【図11】ガイド部が溝によって形成される場合の実施
例を示す斜視図である。 【図12】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図13】遊技球打出部の上部を拡大して示す斜視図で
ある。 【図14】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図15】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図16】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図17】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【図18】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図19】他の実施例にかかる打球槌調整具を示す斜視
図である。 【図20】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【図21】他の実施例において遊技球打出部の上部を拡
大して示す斜視図である。 【図22】他の実施例において打球槌の突起を調整する
際の操作を説明する説明図である。 【図23】押しボタン方式ストッパの構成例を示す概略
図である。 【図24】他の例において打球槌の突起を調整する際の
操作を説明する説明図である。 【図25】打球槌の回動と係止を兼用する部材を示す斜
視図である。 【図26】他の例において打球槌の突起を調整する際の
操作を説明する説明図である。 【図27】他の例における本体枠の構成を示す図であ
る。 【符号の説明】 10…パチンコ機 11…誘導レール 12…遊技領域 13…始動口 14…液晶表示パネル 15…大入賞口 16…前面枠 17…壁面 17a…保持部材 20…遊技球打出部 21…操作ハンドル 22…打球槌 22a…突起 22b…バネ 22c…爪片 23…打球力調節バネ 24…ストッパ 25…モータ部 25a…発射モータ 25b…回転体 26…バネ長調節片 26a…ワイヤー 30…打球槌調整具 31…本体 31a…屈曲部 31b…装着部 31c…突出部 31d…切欠 31e,32a…穴 32,33…把手 33a…突起
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の弾性体によって所定の回動方向に
付勢されるとともに所定の回転軸に対して回動可能に軸
止され、その外周側の所定位置に弾性体が取り付けられ
た突起を有する打球槌を上記弾性体の付勢力によって回
動させることによって上記突起を介して遊技球に打出力
を作用させる遊技機にて上記突起の配向方向を調整する
遊技機の打球槌調整具であって、 上記打球槌調整具は一方向に長い部材であるとともに一
方の先端に上記突起に対して装着可能な装着部を有し、 同装着部側の先端に上記打球槌の一部に係合させつつ当
該打球槌を通常状態の待機位置から上記付勢力の作用方
向と逆方向に回動させることが可能な突出部を備えるこ
とを特徴とする遊技機の打球槌調整具。
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---|---|---|---|
JP2002148835A JP2003339980A (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | 遊技機の打球槌調整具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003339980A true JP2003339980A (ja) | 2003-12-02 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002148835A Withdrawn JP2003339980A (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | 遊技機の打球槌調整具 |
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JP (1) | JP2003339980A (ja) |
-
2002
- 2002-05-23 JP JP2002148835A patent/JP2003339980A/ja not_active Withdrawn
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