JP2003335984A - ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物 - Google Patents

ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物

Info

Publication number
JP2003335984A
JP2003335984A JP2003068613A JP2003068613A JP2003335984A JP 2003335984 A JP2003335984 A JP 2003335984A JP 2003068613 A JP2003068613 A JP 2003068613A JP 2003068613 A JP2003068613 A JP 2003068613A JP 2003335984 A JP2003335984 A JP 2003335984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
group
acrylate
coat layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003068613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4210535B2 (ja
Inventor
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Kenichi Fukuda
謙一 福田
Kenichiro Hatayama
剣一郎 畑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003068613A priority Critical patent/JP4210535B2/ja
Publication of JP2003335984A publication Critical patent/JP2003335984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4210535B2 publication Critical patent/JP4210535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面硬度が高くかつ耐擦傷性に優れたハードコ
ート用硬化性組成物、ハードコート処理物品、および防
汚性ハードコートフイルムを提供する。 【解決手段】少なくともフッ素原子およびケイ素原子の
いずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化
合物を含む硬化性組成物であり、該硬化性組成物の硬化
物の表面は水の接触角が90度以上であるハードコート
用硬化性組成物、該硬化性組成物からなる硬化被膜を有
するハードコート処理物品、および透明基材フイルムに
該硬化性組成物より形成したハードコート層を有する防
汚性ハードコートフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性ハードコー
ト層を得るための硬化性組成物およびに防汚性ハードコ
ート層を施したハードコート処理物品、ハードコートフ
イルムに関する。各種物品に本発明の硬化性組成物から
なるハードコート層を設けることにより防汚性、耐擦傷
性に優れたハードコート処理物品が得られ、様々な分野
での応用が可能である。透明基材フイルムに本発明の硬
化性組成物からなるハードコート層を設けることによ
り、防汚性、耐擦傷性に優れた透明基材(ハードコート
フイルム)を得ることができ、さらに本発明のハードコ
ートフイルムはCRT、LCD、PDP、FED等のデ
ィスプレイ、タッチパネル、ガラス、テーブル、化粧合
板等、さらにCD、DVD等の記録媒体の表面の保護フ
イルム等に好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック製品が、加工性、軽
量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これ
らプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷
性を付与する目的でハードコート層を設けたり、ハード
コート層を設けたフイルムを貼合して用いる場合が多
い。また、従来のガラス製品についても、飛散防止のた
めにプラスチックフイルムを貼合する場合が増えてお
り、これらのフイルム表面の硬度強化のために、その表
面にハードコート層を形成することが広く行われてい
る。
【0003】従来のハードコート層は、通常、熱硬化型
樹脂、あるいは紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線
重合性樹脂をプラスチック基材上に直接、或いは0.0
3から0.5μm程度のプライマー層を介して3以上1
0μm以下程度の薄い塗膜を形成して製造している。
【0004】しかしながら、前記従来のハードコート層
は硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄
いことに起因して、下地のプラスチック基材が荷重によ
り大きく変形した場合に、それに応じてハードコート層
も変形し、ハードコート層に割れが生じてしまうため、
十分に満足できるものではなかった。例えば、プラスチ
ック基材フイルムとして広く利用されているポリエチレ
ンテレフタレートフイルム上に、紫外線硬化型塗料を上
記の厚みで塗工したハードコートフイルムにおいては、
鉛筆硬度で3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬
度である9Hには全く及んでいない。
【0005】ハードコート層の硬度を上げるために、該
層の樹脂形成成分を多官能性アクリル酸エステル系モノ
マーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉
末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成
物が特許文献1に開示されている。また、アルコキシシ
ラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる
無機質の装填材料を含む光重合性組成物が特許文献2に
開示されている。さらに架橋有機微粒子を充填すること
も近年検討されている。これらはハードコート層の表面
硬度を上げる効果を持っているが、ヘイズ増加、脆性悪
劣化の問題も持っており、これのみでは要求されている
性能に十分に応えうるものではなかった。
【0006】また、特許文献3にハードコート層を2層
構成とし、第一層に微粒子のシリカを添加することで、
カールと耐擦傷性を満足させる方法が提案されている。
さらに、特許文献4にはハードコート層を2層構成と
し、下層にラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂の
ブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル
硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコ
ートフイルムの記載がある。しかし、これらも十分満足
できる硬度ではなかった。
【0007】一方、ハードコート層の厚みを通常の3〜
10μmよりも厚くすることが硬度増加に有効であるこ
とが知られている。しかし、厚くすることでヘイズが大
きくなったり、ハードコート層の脆性が悪化することに
より割れや剥がれが生じやすくなると同時に硬化収縮に
よるハードコートフイルムのカールが大きくなるという
問題がある。このため従来の技術では、実用上使用でき
る良好な特性を有するハードコート層を得ることは困難
であった。
【0008】また、画像表示装置やタッチパネルの保護
やガラス飛散防止のため設けたハードコート層は人が使
用するに際し、指紋、サインペン、化粧、汗などの汚れ
が付着しやすく、一度付着するとその汚れは除去しにく
い。透明性や反射性を損ない視認性が悪いという問題を
有していた。
【0009】
【特許文献1】特許第1815116号明細書
【特許文献2】特許第1416240号明細書
【特許文献3】特開2000−52472号公報
【特許文献4】特開2000−71392号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
硬度が高くかつ耐擦傷性に優れた防汚性ハードコート層
を提供することにある。本発明の他の目的は、上記防汚
性ハードコート層が設けられたハードコート処理物品を
提供することにある。本発明のもう一つの目的は上記防
汚性ハードコート層が設けられかつ各種の機能性を有
し、画像表示装置、タッチパネル、プラスチック板、ガ
ラス板などに用いられるハードコートフイルムを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、下記構成の硬化性組成物により、本発明の上記目
的が達成されることを見出した。即ち、本発明は次の通
りである。 1.フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれか
の原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含
む硬化性組成物であり、該硬化組成物を硬化して得られ
るハードコートフイルム表面の水の接触角が90度以上
であることを特徴とする硬化性組成物。 2.上記1に記載の硬化性組成物より硬化形成されるハ
ードコート層。 3.フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれか
の原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含
む硬化性組成物層と、フッ素原子およびケイ素原子の少
なくともいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を
有する化合物を含まない硬化性組成物層とからなるハー
ドコート層。 4.ハードコート層の表面弾性率が4.0GPa以上1
0GPa以下であることを特徴とする上記2または3に
記載の防汚性ハードコート層。 5.ハードコート層の厚みが10μm以上60μm以下
であることを特徴とする上記2〜4のいずれかに記載の
防汚性ハードコート層。 6.活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性組成
物が、開環重合性基を含有する硬化性樹脂および/また
は同一分子内にエチレン性不飽和基を3個以上含む硬化
性樹脂を含有することを特徴とする上記2〜5のいずれ
かに記載の防汚性ハードコート層。 7.開環重合性基を含有する硬化性樹脂が、下記一般式
(1)で表される繰り返し単位を含有する架橋性ポリマ
ーであることを特徴とする上記6に記載の防汚性ハード
コート層。 一般式(1)
【0012】
【化1】
【0013】一般式(1)中:R1は、水素原子または
炭素原子数1から4のアルキル基を表す。P1は、一価
の開環重合性基または開環重合性基を有する一価の基を
表す。L1は、単結合または二価以上の連結基を表す。
8.開環重合性基が、カチオン重合性基であることを特
徴とする上記6または7に記載の防汚性ハードコート
層。9.上記2〜8のいずれかに記載の防汚性ハードコ
ート層を設けたハードコート処理物品およびハードコー
トフイルム。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬化性組成物の硬
化より得られる防汚性ハードコート層について、詳細に
説明する。本発明の防汚性ハードコート層(以下、単に
「ハードコート層」とも称する)は、硬化性組成物が硬
化して形成されたハードコート層である。硬化は活性エ
ネルギー線による重合が、生産性の観点から好ましい。
そして、本発明のハードコート層表面の水に対する接触
角は、防汚性の観点から90度以上であり、好ましくは
97度以上である。ハードコート層表面の水に対する接
触角を上記範囲とするには、ハードコート層を形成する
ための硬化性組成物にフッ素原子および/またはケイ素
原子を含有し、かつ活性エネルギー線重合する基を有す
る硬化性樹脂あるいは化合物を防汚剤として含有させる
方法により達成される。
【0015】ハードコート層に含有されるフッ素原子お
よび/またはケイ素原子を含有し、活性エネルギー線重
合する基を有する防汚剤としての硬化性樹脂は、活性エ
ネルギー線で重合する公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素
硬化性樹脂、あるいはフッ素原子を含有する骨格とケイ
素原子を含有する骨格とを有する硬化性樹脂が用いられ
る。さらにハードコート層を主として構成する硬化した
樹脂あるいは該樹脂に分散した金属酸化物等と相溶性の
良い骨格と、フッ素原子および/またはケイ素原子を含
有する骨格とを有する活性エネルギー線重合性樹脂が好
ましく挙げられる。このような硬化性樹脂をハードコー
ト層または防汚性層を形成するために硬化することで、
ハードコート層表面にフッ素あるいはケイ素を存在させ
ることができる。なお、本明細書においては、防汚性層
は、防汚性ハードコート層の一部を構成する。但し、説
明の便宜上、防汚性層は、ハードコート層と区別して記
載することもあるが、その場合でも、防汚層は防汚性ハ
ードコート層に包含される層である。
【0016】ハードコート層に用いられる、防汚剤とし
ての上記硬化性樹脂の具体的な例としては、フッ素原子
またはケイ素原子を含有するモノマー、あるいはフッ素
原子またはケイ素原子を含むモノマーの共重合体、ブロ
ック共重合体、あるいはグラフト共重合体にアクリル基
を含有させたポリマーが挙げられる。フッ素含有モノマ
ーとしては、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレー
ト、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフル
オロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パー
フルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表さ
れるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルが挙げられる。具体的には、2−パーフルオロオ
クチルエチルメタアクリレート、2−パーフルオロオク
チルエチルアクリレート(日本メクトロン(株)製)、
M−3633、M−3833、R−3633、R−38
33等のアクリレート化合物((株)ダイキンファイン
ケミカル研究所製)、AFC−1000,AFC−20
00、FA−16等(共栄社化学(株)製)、メガファ
ック531A(大日本インキ(株)製)などの重合性基
を含有する化合物が挙げられる。フッ素を含有する共重
合体としては、主鎖が炭素原子のみからなり、かつ、含
フッ素ビニルモノマー重合単位と側鎖に(メタ)アクリ
ロイル基を有する重合単位とを含んでなる共重合体があ
り、具体的には下記一般式(2)で表される共重合体が
挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】(一般式(2)中、Mfは含フッ素ビニル
モノマー、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、mは0
または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。
Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分
であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、
y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し30≦x≦
60、40≦y≦80、0≦z≦65を満たす値を表
す。) 一般式(2)におけるMfで表される含フッ素ビニルモ
ノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロ
エチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエ
チレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アク
リル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導
体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学
製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、パー
フルオロアルキルスルホン酸メタアクリルアミド、完全
または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる
が、パーフルオロオレフィン類が好ましく、溶解性、透
明性、入手性等の観点からはヘキサフルオロプロピレン
が特に好ましい。本発明の共重合体は側鎖に(メタ)ア
クリロイル基を有する重合単位を必須の構成成分として
有する。共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入法
は特に限定されるものではないが、例えば、水酸基、
アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、
(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水
物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無
水物等を作用させる方法、上記求核基を有するポリマ
ーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用
させる方法、上記求核基を有するポリマーにメタクリ
ロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネー
ト基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用
させる方法、エポキシ基を有するポリマーを合成した
後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、カルボキ
シル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等
のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合
物を作用させる方法、3―クロロプロピオン酸エステ
ル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化
水素を行う方法などが挙げられる。これらの中で本発明
では特に水酸基を含有するポリマーに対してまたは
の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入すること
が好ましい。
【0019】これらの(メタ)アクリロイル基含有重合
単位の組成比を高めれば皮膜強度は向上し、含フッ素ビ
ニルモノマー重合単位の種類によっても異なるが、一般
に(メタ)アクリロイル基含有重合単位は40〜80モ
ル%を占めることが好ましく、45〜75モル%を占め
ることがより好ましく、50〜70モル%を占めること
が特に好ましい。
【0020】本発明に有用な共重合体では上記含フッ素
ビニルモノマー重合単位および側鎖に(メタ)アクリロ
イル基を有する重合単位以外に、一般式(2)における
Aで表される、基材への密着性、ポリマーのTgの調整
(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑
り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモ
ノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノ
マーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で
共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されているこ
とが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより
好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ま
しい。
【0021】併用可能なビニルモノマー単位には特に限
定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレ
ン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、ア
クリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸グリ
シジル、アクリル酸アリル、アクリル酸トリメトキシシ
リルプロピル等)、メタクリル酸エステル類(メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタク
リル酸アリル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピ
ル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメ
チルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエー
テル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、イソプロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル
等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン
酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルア
ミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタク
リルアミド類(N,N−ジメチルメタクリルアミド)、
アクリロニトリル等を挙げることができる。好ましくは
ビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、
特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
【0022】一般式(2)中、Lは炭素数1〜10の連
結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であ
り、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっ
ても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していて
もよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有してい
てもよい。好ましい例としては、*‐(CH2)2-O-**, *-(C
H2)2-NH-**, *-(CH2)4-O-**, *-(CH2)6-O-**, *-(CH2)2
-O-(CH2 )2-O-**, -CONH-(CH2)3-O-**, *-CH2CH(OH)CH2
-O-*, *-CH2CH2OCONH(CH2)3-O-**(*はポリマー主鎖側
の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連
結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表
す。
【0023】一般式(2)中、Xは水素原子またはメチ
ル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水
素原子である。
【0024】x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%
を表し、30≦x≦60、40≦y≦80、0≦z≦6
5を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、3
0≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好まし
くは40≦x≦55、50≦y≦70、0≦z≦10の
場合である。
【0025】ケイ素含有モノマーとしてはポリジメチル
シロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキ
サン基を有するモノマーが挙げられる。末端(メタ)ア
クリレートのシロキサン化合物の具体例としては、X−
22−164A、X−22−164B、X−22−16
4C、X−22−2404、X−22−174D、X−
22−8201、X−22−2426(信越化学工業
(株)製)などが挙げられる。
【0026】フッ素原子およびケイ素原子の少なくとも
いずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化
合物を含まない硬化性組成物層に対し、フッ素原子およ
びケイ素原子の少なくともいずれかの原子と活性エネル
ギー線重合性基を有する化合物を含有する硬化性組成物
層を設けたハードコートフイルムの場合、フッ素原子お
よびケイ素原子の少なくともいずれかの原子と活性エネ
ルギー線重合性基を有する化合物を含有する硬化性組成
物層の厚みは、0.05μm以上2μm以下が好まし
い。薄すぎると塗膜の強度、防汚性の効果が得られ難い
こと、1μm以上では多層構成にする意義が少なくな
り、0.1μmから1μmの範囲がより好ましい。
【0027】活性エネルギー線の照射により重合する基
は、例えばアクリル基等のラジカル重合性の二重結合や
エポキシ基等のカチオン重合性基を導入することによっ
て付与される。これら硬化性組成物に含まれるフッ素、
ケイ素と活性エネルギー線重合性基を有する化合物の含
有量は硬化性樹脂の0.01〜20質量%が好ましく、
1〜15質量%がより好ましい。
【0028】ハードコート層が耐擦傷性に優れるために
は、ハードコート層の硬度がある程度大きいことが好ま
しい。硬度の観点から、ハードコート層の表面弾性率は
4.0GPa程度以上が好ましく、より好ましくは4.
5GPa以上である。表面弾性率が4.0GPa未満の
ハードコート層では、十分な鉛筆硬度及び耐擦傷性が得
られない。なお、上記の表面弾性率をユニバーサル硬度
で表すと、その値は250N/mm2程度以上が好まし
く、より好ましくは300N/mm2以上である。無機
微粒子を添加することにより、表面弾性率を上げること
ができる。無機微粒子の添加量を増やすと脆性が悪くな
るので、表面弾性率の上限は、10GPa、好ましくは
9.0GPaである。従って、好ましい表面弾性率の範
囲は、4.0〜10GPaであり、特に好ましくは4.
5〜9.0GPaである。
【0029】ハードコート層の鉛筆硬度と脆性の両立化
を図ることを検討した結果、硬度は若干小さいが脆性が
改善されているハードコート剤を厚く塗布することが有
効である。
【0030】上記表面弾性率は、微小表面硬度計
((株)フィッシャー・インスツルメンツ製:フィッシ
ャースコープH100VP−HCU)を用いて求めた値
である。具体的には、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先
端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが1μ
mを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深
さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求められ
る弾性率である。また、前述の微小表面硬度計を用いて
表面硬度をユニバーサル硬度として求めることもでき
る。ユニバーサル硬度は四角錐圧子の試験荷重下での押
し込み深さを測定し、試験荷重をその試験荷重で生じた
圧痕の幾何学的形状から計算される圧痕の表面積で割っ
た値である。上記の表面弾性率とユニバーサル硬度の間
には、正の相関を有することが知られている。
【0031】本発明のハードコート層の厚みは、10μ
m以上が好ましく、20μm以上がさらに好ましい。透
明基材がフイルムの場合、ハードコート層の厚みをあま
り厚くすると鉛筆硬度は向上するが、フイルムを曲げる
ことが難しくなり、さらに曲げによる割れが発生しやす
くなることから、ハードコート層の厚みは60μm以下
が好ましく、50μm以下がより好ましい。従って、透
明基材がフイルムの場合、ハードコート層の厚みは、好
ましくは10〜60μmであり、より好ましくは20〜
50μmである。
【0032】ハードコート層は、単層でも複数層から構
成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であるこ
とが好ましい。この場合の単層とは、同一の硬化性組成
物から硬化形成されたハードコート層を指し、塗布、乾
燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布
後、硬化して形成されていてもよい。一方、複数層とは
組成の異なる複数の硬化性組成物から硬化、形成された
層を指す。
【0033】本発明のハードコート層は、活性エネルギ
ー線の照射により硬化する硬化性組成物を塗布後、活性
エネルギー線の照射により硬化して形成される。該硬化
性組成物の活性エネルギー線照射による硬化収縮率は、
0〜15%、好ましくは0〜13%、より好ましくは0
〜11%である。上記硬化収縮率は、用いた活性エネル
ギー線、例えばUV光の照射前の硬化性組成物の密度と
照射硬化後の硬化性組成物の密度を求め、その値から下
記数式Aで計算して求めた値である。なお、密度はマイ
クロメトリック社製MULTIVOLUME PYCN
OMETERで測定(25℃)した値である。数式A:
体積収縮率={1−(硬化前密度/硬化後密度)}×1
00(%)
【0034】ハードコート層を形成するための硬化性組
成物は、前記した防汚剤としての硬化性樹脂とは異な
る、活性エネルギー線や熱によって硬化する硬化性樹脂
を主成分として含有する。ハードコート層を形成するた
めの硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」とも称
する。)は、該硬化性樹脂として、開環重合性基を有す
る硬化性樹脂および/またはエチレン性不飽和基を同一
分子内に3個以上有する硬化性樹脂を含有することが好
ましく、これら二種の硬化性樹脂のいずれをも含有する
ことがより好ましい。このことによって、ハードコート
層の表面硬度が高くなり、耐擦傷性に優れたハードコー
トフイルムが得られる。同時に、体積収縮率が上記した
範囲を満たし、硬化後のカールが小さくなり、諸取り扱
い時のひび割れが発生しにくくなる。さらに、ハードコ
ート層の膜厚を一定の膜厚にすることによって、上記の
効果がさらに顕著となる。
【0035】以下、本発明に好ましく用いられる開環重
合性基を含む硬化性樹脂について説明する。開環重合性
基を含む硬化性樹脂とは、カチオン、アニオン、ラジカ
ルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する
硬化性樹脂であり、この中でもヘテロ環状基含有硬化性
樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂としてエポキシ
誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導
体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オ
キサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙
げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキ
サゾリン誘導体が好ましい。本発明において開環重合性
基を有する硬化性樹脂は、同一分子内に2個以上の開環
重合性基を有することが好ましいが、より好ましくは3
個以上有することが好ましい。また、本発明において、
開環重合性基を有する硬化性樹脂を2種以上を組み合わ
せて併用してもよい。この場合、同一分子内に開環重合
性基を1個有する硬化性樹脂と同一分子内に開環重合性
基を2個以上有する硬化性樹脂とを組み合わせてもよ
く、また同一分子内に開環重合性基を2個以上有する硬
化性樹脂のみを2種以上組み合わせてもよい。
【0036】本発明で言う開環重合性基を有する硬化性
樹脂とは、上記のような環状構造を有する硬化性樹脂で
あれば得に制限がない。このような硬化性樹脂の好まし
い例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、単
官能脂環式エポキシ類、2官能脂環式エポキシ類、ジグ
リシジルエーテル類(例えばグリシジルエーテル類とし
てエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシ
ジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリス
(グリシジルオキシエチル)イソシアヌレートなど)、
4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテト
ラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグ
リシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリ
シジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリ
シジルエーテルなど)、脂環式エポキシ類(セロキサイ
ド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT
−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化
学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業
(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘ
キシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類
(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成
(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0037】本発明では開環重合性基を有する硬化性樹
脂として、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を
含む架橋性ポリマーを含有していることが特に好まし
い。以下にこれら架橋性ポリマーについて詳細に説明す
る。一般式(1)中、R1は水素原子または炭素原子数
1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子
またはメチル基である。L1は、単結合または二価以上
の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレ
ン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−C
OO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO
−である。P1は、一価の開環重合性基または開環重合
性基を有する一価の基であり、好ましいP1としては、
エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラ
クトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミ
ノエーテル環などを有する一価の基が挙げられ、この中
でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサ
ゾリン環を有する一価の基である。
【0038】本発明において一般式(1)で表される繰
り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマー
を重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合
の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好まし
い。以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ま
しい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】本発明において、一般式(1)で表される
繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式
(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマー
であってもよく、また、一般式(1)以外の繰り返し単
位(例えば開環重合性基を含まない繰り返し単位)を含
んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや
親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマー
の開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般
式(1)以外の繰り返し単位を含有するコポリマーとす
る手法は好適である。一般式(1)以外の繰り返し単位
の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入す
る手法が好ましい。
【0043】一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応
するビニルモノマーを重合することによって導入する場
合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸
またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸な
ど)類から誘導されるエステル類(例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルア
クリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシ
エチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレー
ト、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,
2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジ
メチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリ
レート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−
ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアク
リレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル
−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフル
オロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロ
エチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタク
リレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブ
チルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、
n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−
エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オ
クタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリ
レート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−
ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メ
チル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなど)、
【0044】アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸
(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるアミド類
(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−
ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド)、、アクリル酸またはα−アルキルア
クリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸な
ど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイ
ン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル
など)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドな
ど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸
のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエ
ン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレ
ン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メ
チルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビ
ニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニル
イミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン
酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデン
クロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチル
ビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン等が挙げられる。
【0045】これらのビニルモノマーは2種類以上組み
合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマー
はリサーチディスクロージャーNo.19551(19
80年、7月)に記載されているものを使用することが
できる。なかでも、アクリル酸またはメタクリル酸から
誘導されるエステル類およびアミド類、ならびに芳香族
ビニル化合物が特に好ましく用いられる。
【0046】一般式(1)以外の繰り返し単位として、
開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導
入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高
めたい場合や、基材もしくはハードコート層上に別の機
能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開
環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法
が好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰
り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以
下、反応性モノマーと称する)を共重合する手法が簡便
で好ましい。
【0047】以下に反応性モノマーの好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0048】ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートな
ど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、
イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチル
メタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモ
ノマー(例えば、 N-メチロールアクリルアミド、N-
メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含
有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸
ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例え
ばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマ
ー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニル
モノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、ス
ルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスル
フィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー
(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸
クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー
(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノ
マー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン)などが挙げられる。
【0049】本発明において、一般式(1)で表される
繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で
表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上
100質量%以下、好ましくは30質量%以上100質
量%以下、特に好ましくは50質量%以上100質量%
以下である。
【0050】一般式(1)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーの好ましい数重量平均分子量(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーによる測定、ポリエ
チレングリコール換算値)の範囲は、1000以上10
0万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下で
ある。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0051】以下に一般式(1)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記
で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位
は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノ
マーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載
し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0052】
【表1】
【0053】既に述べたように、ハードコート層を形成
するための活性エネルギー線によって硬化する硬化性組
成物には、開環重合性基を含む硬化性樹脂とエチレン性
不飽和基を同一分子内に3個以上含む硬化性樹脂との両
方を含有することが好ましい。以下に、上記エチレン性
不飽和基を同一分子内に3個以上含む硬化性樹脂につい
て詳しく説明する。
【0054】好ましいエチレン性不飽和基の種類は、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル
エーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基であ
る。なお、同一分子内にエチレン性不飽和基を3個以上
含む硬化性樹脂と共に、エチレン性不飽和基を1個もし
くは2個含む硬化性樹脂(モノマーあるいはオリゴマ
ー)を併用してもよい。さらに、分子内に3〜6個のア
クリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマ
ーや、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のア
クリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオ
リゴマーなどを本発明の硬化性樹脂として好ましく使用
することができる。
【0055】これら同一分子内に3個以上のアクリル基
を有する硬化性樹脂の具体例としては、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパン
テトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリア
クリレート類、ポリイソシナネ特許1416240号ー
トとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アク
リレートの反応によって得られるウレタンアクリレート
等を挙げることができる。
【0056】また、本発明では同一分子内に3個以上の
エチレン性不飽和基を有する硬化性樹脂として、下記一
般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマ
ーも好ましく使用できる。以下、一般式(3)で表され
る繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説
明する。一般式(3)
【0057】
【化6】
【0058】上記一般式(3)中、R2は、水素原子ま
たは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ま
しくは水素原子またはメチル基である。P2は、一価の
エチレン性不飽和基またはエチレン性不飽和基を有する
一価の基を表す。L2は、単結合もしくは二価以上の連
結基を表し、好ましくは単結合、−O−、アルキレン
基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−CO
O−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−
である。好ましいP2としては、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、スチリル基またはこれらの基のいずれか
を含有する一価の基であり、最も好ましくはアクリロイ
ル基またはこれを含有する一価の基である。
【0059】一般式(3)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーは、(i)対応するモノマーを重合さ
せて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成して
もよく、(ii)任意の官能基を有するモノマーを重合し
て得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽
和基を導入する手法で合成してもよい。また、上記
(i)および(ii)の手法を組み合わせて合成すること
もできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重
合、アニオン重合などが挙げられる。上記(i)の方法
を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不
飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和
基の重合性の差を利用することにより可能である。例え
ば、一般式(3)のP2が、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基またはこれらのいずれかを含有する一価の基で
ある場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチ
オン重合とすることで上記(i)の手法によって本発明
の架橋性ポリマーを得ることができる。一方、P2がス
チリル基またはスチリル基を含有する一価の基である場
合は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のい
ずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため、通常
上記(ii)の手法によって一般式(3)の架橋性ポリマ
ーを合成する。
【0060】このように上記(ii)の高分子反応を利用
する手法は、一般式(3)中に導入されるエチレン性不
飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可
能であり、有用である。高分子反応は、(I)例えば2
−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン
性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマー
を生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、
還元反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方
法と、(II)任意の官能基を含むポリマーを生成させた
あとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し
て共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の
両方を有する反応性モノマーを反応させる方法が挙げら
れる。これら(I)、(II)の方法は組み合わせて行っ
てもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合
成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形
成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、
架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中
に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できる
だけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温
以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進
行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑
制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
【0061】以下に好ましい高分子結合形成反応が進行
する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0062】加熱もしくは室温で反応が進行する官能基
の組み合わせとしては、(イ)ヒドロキシル基に対し
て、エポキシ基、イソシアネート基、N-メチロール
基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸
クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、
ホルミル基、アセタール基、(ロ)イソシアネート基に
対して、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カ
ルボキシル基、N-メチロール基、(ハ)カルボキシル
基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ
基、N-メチロール基、(ニ)N-メチロール基に対し
て、イソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシ
ル基、アミノ基、ヒドロキシル基、(ホ)エポキシ基に
対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、N-メチロール基、(ヘ)ビニルスルホ
ン基に対してスルフィン酸基、アミノ基、(ト)ホルミ
ル基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチ
レン基、(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビ
ニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イ
ソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシル基、
アルキルハライド、酸無水物酸クロライド、活性エステ
ル基(例えば硫酸エステル)、(リ)アミノ基に対し
て、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基な
ど)、エポキシ基、イソシアネート基、N-メチロール
基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸
クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、
などの組み合わせが挙げられる。
【0063】以下に反応性モノマーの好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0064】ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートな
ど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、
イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチル
メタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモ
ノマー(例えば、 N-メチロールアクリルアミド、N-
メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビ
ニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、C
YCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工
業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマ
ー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カ
ルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アル
キルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチル
スチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタク
リレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレ
イン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例え
ばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含
有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウ
ム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセト
アセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニ
ルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアク
リレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリ
ル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基
含有モノマー(例えばアリルアミン)、などが挙げられ
る。
【0065】上記(II)に記載した任意の官能基を含む
ポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方
を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることが
できる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリ
ビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマー
の重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。
これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も
簡便で好ましい。
【0066】以下に一般式(3)で表される繰り返し単
位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0067】
【化7】
【0068】
【化8】
【0069】
【化9】
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】本発明において一般式(3)で表される繰
り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式
(3)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマー
であってもよく、また、一般式(3)以外の繰り返し単
位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単
位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマー
のTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性
ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロール
する目的で一般式(3)以外の繰り返し単位を含んだコ
ポリマーとする手法は好適である。一般式(3)以外の
繰り返し単位の導入方法は、(a)対応するモノマーを
共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、(b)
官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反
応により導入する手法を用いてもよい。また、(a)お
よび(b)の手法を組み合わせて導入することもでき
る。
【0073】(a)の手法によって一般式(3)以外の
繰り返し単位を対応するビニルモノマーを重合すること
によって導入する場合、好ましく用いられるモノマーと
しては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例
えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類
(例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリ
レート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルア
クリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレ
ート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メト
キシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレ
ート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルア
クリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオ
ロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレ
ート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n
−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレー
ト、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オク
タデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフ
ルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピ
ルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、 n−ブチル
メタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−
ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチ
ルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシ
ルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、
2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメ
チルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチ
ルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチ
ルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トなど)、
【0074】アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸
(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるアミド類
(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−
ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド)、アクリル酸またはα−アルキルアク
リル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸な
ど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイ
ン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル
など)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドな
ど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸
のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエ
ン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレ
ン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メ
チルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビ
ニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニル
イミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン
酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデン
クロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチル
ビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン等が挙げられる。
【0075】これらのビニルモノマーは2種類以上組み
合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマー
はリサーチディスクロージャーNo.19551(19
80年、7月)に記載されているものを使用することが
できる。なかでも、アクリル酸またはメタクリル酸から
誘導されるエステル類およびアミド類、ならびに芳香族
ビニル化合物が特に好ましく用いられる。
【0076】また、一般式(3)で表される繰り返し単
位を前記(ii)のように高分子反応で導入し、反応を完
結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化
した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する
共重合体となるが、本発明ではこれを特に制限無く用い
ることができる。
【0077】上記で挙げたビニルモノマーから誘導され
るエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分
は前述した(b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重
合させ、高分子反応により導入することも可能である。
一方で、本発明において一般式(3)で表される繰り返
し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応のみによっ
てでしか導入できない、一般式(3)以外の繰り返し単
位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニ
ルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニ
ルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリ
ビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰
り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0078】
【化12】
【0079】本発明において一般式(3)で表される繰
り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(3)で表
される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上1
00質量%以下、好ましくは30質量%以上100質量
%以下、特に好ましくは50質量%以上100質量%以
下である。
【0080】一般式(3)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーの好ましい数量平均分子量(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーによる測定、ポリエチ
レングリコール換算値)の範囲は、1000以上100
万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下であ
る。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0081】以下に一般式(3)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表2に示すが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で
具体例を挙げた一般式(3)で表される繰り返し単位と
ポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げ
た具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導
される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組
成比を質量%で付記した。
【0082】
【表2】
【0083】本発明に用いることのできる開環重合性基
を有する硬化性樹脂として、一般式(1)および(3)
で表される両方の繰り返し単位を含むポリマーも挙げる
ことができる。この場合の一般式(1)および(3)の
好ましい繰り返し単位としては、前記したものと同じで
ある。また、一般式(1)および(3)以外の繰り返し
単位を含んだコポリマーであってもエチレン性不飽和基
および開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単
位を含んだコポリマーであってもよい。
【0084】一般式(1)および(3)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)
で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以
上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量
%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下
であり、一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれ
る割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは2
0質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量
%以上70質量%以下である。
【0085】一般式(1)および(3)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい重量平
均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よる測定、ポリスチレン換算値)の範囲は、1000以
上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万
以下である。最も好ましくは5000以上10万以下で
ある。
【0086】一般式(1)および(3)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表
3に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および
(3)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコール
などの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表
し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位
は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記
した。
【0087】
【表3】
【0088】ハードコート層を形成するための硬化性組
成物に好ましく含有される、エチレン性不飽和基を同一
分子内に3個以上含む硬化性樹脂と開環重合性基を含む
硬化性樹脂との好ましい混合比は、用いる硬化性樹脂の
種類によっても異なり、特に制限はないが、エチレン性
不飽和基を含む硬化性樹脂の割合が硬化性樹脂全体の3
0質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
【0089】エチレン性不飽和基を含む硬化性樹脂と開
環重合性基を含む硬化性樹脂を含有する硬化性組成物
(以下、特に断りのない限り、「硬化性組成物」は、こ
れら両者の硬化性樹脂を含有する組成物である)を硬化
させる場合、両方の硬化性樹脂の架橋反応が進行するこ
とが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応
はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架
橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も活性
エネルギー線の作用により、重合反応を進行させること
ができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル
発生剤およびカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添
加し、活性エネルギー線によりこれらを分解し、ラジカ
ルおよびカチオンを発生させ重合を進行させることがで
きる。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよ
いが、同時に進行させることが好ましい。
【0090】上記硬化性組成物を活性エネルギー線照射
により硬化する場合、低温で架橋反応が進行する場合が
多く、好ましい。本発明では、活性エネルギー線とし
て、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外
線などが用いられる。その中でも紫外線を用いて、ラジ
カルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を添加
し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また
紫外線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化
を進行させることができる場合があり、この方法を好ま
しく用いることができる。この場合の好ましい加熱温度
は140℃以下である。
【0091】紫外線によってカチオンを発生させる光酸
発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリ
ールヨードニウム塩などのイオン性の硬化性樹脂やスル
ホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の硬
化性樹脂が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会
編、"イメージング用有機材料"ぶんしん出版社刊(19
97)などに記載されている硬化性樹脂等種々の公知の
光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスル
ホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンと
してはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -
などが好ましい。
【0092】紫外線によりラジカルを発生させる重合開
始剤の例としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベン
ゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイドおよびチオキサントン等の公知
のラジカル発生剤が使用できる。また上記で挙げたよう
に通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩や
ヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤
として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いて
もよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加え
て、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフ
ィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
【0093】重合開始剤は、それぞれ組み合わせて用い
てもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生さ
せるような硬化性樹脂の場合などは1種単独で用いるこ
とができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成
物中に含まれるエチレン性不飽和基含有硬化性樹脂と開
環重合性基含有硬化性樹脂の総質量に対し、0.1〜1
5質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜10質
量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
【0094】本発明において一般式(1)で表される繰
り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(3)で
表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマー(以下、
これらを合わせて「本発明のポリマー」と称する)を使
用する場合は、通常、本発明のポリマーは固体もしくは
高粘度液体となり単独での塗布は困難であり、ポリマー
が水溶性の場合や水分散物とした場合は水系で塗布する
こともできるが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。
有機溶媒としては、本発明のポリマーを溶解し得るもの
であれば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒と
しては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパ
ノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類
などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官
能のビニルモノマーや、単官能、2官能または3官能以
上の開環重合性基を有する硬化性樹脂が低分子量硬化性
樹脂である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の
粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても
塗布可能とすることもできる。
【0095】また本発明では、硬化性組成物中に微粒子
を添加してもよい。微粒子を添加することでハードコー
ト層の硬化収縮量を低減できるため、基材との密着性が
向上したり、基材がプラスチックフイルムである場合な
どカールを低減でき好ましい。微粒子としては、無機微
粒子、有機微粒子、有機-無機複合微粒子のいずれも使
用できる。無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒
子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ア
ルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機微粒
子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させるこ
とで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の
硬度も高めることができる。ただし、微粒子は一般にヘ
イズを増加させる傾向があるために、各必要特性のバラ
ンスの上で充填方法が調整される。
【0096】一般に、無機微粒子は本発明のポリマーや
多官能ビニルモノマーなどの有機成分との親和性が低い
ため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後
のハードコート層がひび割れやすくなる場合がある。本
発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、
無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処
理することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合
を形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成
分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するも
のが好ましい。無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官
能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウ
ム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド表
面修飾剤や、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボ
ン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好まし
い。さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単
に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよい
が、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、
特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ま
しい。本発明において好ましい無機微粒子表面修飾剤は
金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不
飽和基もしくは開環重合性基を同一分子内に有する硬化
性樹脂である。
【0097】これら表面修飾剤の代表例として以下の不
飽和二重結合含有のカップリング剤や、リン酸基含有有
機硬化性樹脂、硫酸基含有有機硬化性樹脂、カルボン酸
基含有有機硬化性樹脂等が挙げられる。 S−1 H2C=C(X)COOC36Si(OC
33 S−2 H2C=C(X)COOC24OTi(OC2
53 S−3 H2C=C(X)COOC24OCOC510
OPO(OH)2 S−4 (H2C=C(X)COOC24OCOC5
10O)2POOH S−5 H2C=C(X)COOC24OSO3H S−6 H2C=C(X)COO(C510COO)2
H S−7 H2C=C(X)COOC510COOH S−8 CH2CH(O)CH2OC36Si(OCH
33 (Xは、水素原子あるいはCH3を表す)
【0098】これらの無機微粒子の表面修飾は、溶液中
でなされることが好ましい。無機微粒子を機械的に微細
分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、また
は無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加し
て攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する前に
表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加
熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行
う方法でもよい。表面修飾剤を溶解する溶液としては、
極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコ
ール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
【0099】有機微粒子としては特に制限がないが、エ
チレン性不飽和基を有するモノマーからなるポリマー粒
子、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、
および本発明における一般式(1)および(3)からな
るポリマー粒子が好ましく用いられ、その他に、ポリシ
ロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ナイロ
ン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ア
セチルセルロース、ニトロセルロース、ゼラチン等の樹
脂粒子が挙げられる。これらの粒子は架橋されているこ
とが好ましい。微粒子の微細化分散機としては、超音
波、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリ
トロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニ
ーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を
用いることが好ましい。また、分散媒としては前述の表
面修飾用の溶媒が好ましく用いられる。
【0100】微粒子の充填量は、充填後のハードコート
層の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜2
5体積%がより好ましく、5〜15体積%が最も好まし
い。
【0101】本発明のハードコート層のヘイズは1.5
%以下であることが好ましく、1.2%以下がさらに好
ましく、1.0%以下が最も好ましい。ヘイズの評価法
は、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001
DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)
×100(%)として自動計測される値を用いた。
【0102】本発明におけるハードコートフイルムは、
カールを以下の数式Bで表したときの値が、マイナス1
5〜プラス15の範囲に入っていることが好ましく、マ
イナス12〜プラス12の範囲がより好ましく、さらに
好ましくはマイナス10〜プラス10である。このとき
のカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の
場合、基材の搬送方向について測ったものである。 (数式B) カール=1/R Rは曲率半径
(m) これは、ハードコートフイルムの製造、加工、市場での
取り扱いで、ひび割れ、膜はがれを起こさないための重
要な特性である。カール値が前記範囲にあり、カールが
小さいことが好ましい。上記範囲にカールを小さくする
ことと高表面硬度とすることは、ハードコート層形成用
の硬化性組成物の硬化前後の体積収縮率を15%以下と
することによって可能である。カールの測定は、JIS
K7619−1988の「写真フイルムのカールの測定
法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。
測定条件は25℃、相対湿度60%、調湿時間10時間
である。ここで、カールがプラスとはフイルムのハード
コート層塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイ
ナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。ま
た、本発明におけるハードコートフイルムは、上記した
カール測定法に基づいて、相対湿度のみを80%と10
%に変更したときの各カール値の差の絶対値が、24〜
0が好ましく、15〜0がさらに好ましく、8〜0が最
も好ましい。これはさまざまな湿度下でフイルムを貼り
付けたときのハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係
する特性である。
【0103】本発明におけるハードコートフイルムの耐
ひび割れ性は、ハードコート層塗設側を外側にして丸め
たときに、ひび割れが発生する曲率直径が、50mm以
下であることが好ましく、40mm以下がより好まし
く、30mm以下が最も好ましい。エッジ部のひび割れ
については、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均
で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性
は、ハードコートフイルムの塗布、加工、裁断、貼りつ
け等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な
特性である。
【0104】本発明のハードコートフイルムに用いられ
る基材は、透明なフイルム状やシート、板状のプラスチ
ックが好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、トリ
アセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロ
ース樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー等
のフイルムやシートが好ましい。フイルムの厚みは20
〜300μmが好ましく、80〜200μmがより好ま
しい。基材フイルムの厚みが薄すぎると膜強度が弱く、
厚いと剛性が大きくなり過ぎる。シートの厚みは透明性
を損なわない範囲であればよく、300μm以上数mm
のものが使用できる。
【0105】活性エネルギー線硬化塗布液(硬化組成物
の塗布液)は、ケトン系、アルコール系、エステル系等
の有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主
体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微
粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することが
できる。
【0106】本発明のハードコート層の作製は、透明基
材上に活性エネルギー線硬化塗布液をディッピング法、
スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア
法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコー
ター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の
薄膜形成方法で塗布し、乾燥、活性エネルギー線照射し
て、硬化させることにより作製することができる。乾燥
は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量
%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ま
しく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、基
材の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受
けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合
率を高める点で好ましい。
【0107】さらに、透明基材とハードコート層の密着
性を向上させる目的で、所望により透明基材の片面又は
両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すこと
ができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処
理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処
理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ
る。更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。
下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、
ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエス
テル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエス
テル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。さ
らに下塗り層に酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸
化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化
物や四級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有させるこ
とができる。
【0108】ハードコート層は、複数層構成でも可能で
あり、硬度の順に適宜積層して作製することもできる。
【0109】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0110】実施例1〜6、比較例1〜3 (ハードコート層塗布液(h−1)の調製)メチルエチ
ルケトン(MEK)中にグリシジルメタクリレートを溶
解させ、熱重合開始剤(V−65(和光純薬工業(株)
製)を滴下しながら80℃で2時間反応させ、得られた
反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥して得
たポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分
子量は12,000)をメチルエチルケトンに50質量
%濃度になるように溶解した溶液100質量部に、トリ
メチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#2
95;大阪有機化学工業(株)製)150質量部と光ラ
ジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー
社製)6質量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2
074、ローディア社製)6質量部とメガファック53
1A(大日本インキ化学工業(株)製)10質量部を3
0質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹
拌しながら混合し、ハードコート層塗布液(h−1)を
作製した。 (ハードコート層塗布液(h−2)の調製)ハードコー
ト層塗布液(h−1)の調製において、メガファック5
31Aを質量のX−22−164B(信越化学(株)
製)に変更する以外は同様に行い、ハードコート層塗布
液(h−2)を調製した。 (ハードコート層塗布液(h−3)の調製)ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル
・ユーシービー(株)製)93質量部に、R−3833
(ダイキンファインケミカル研究所製)5質量部、X−
22−164C(信越化学(株)製)2質量部、光ラジ
カル重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社
製)3質量部をメチルエチルケトン/メチルイソブチル
ケトン(1:1質量比)混合液に溶解混合し、ハードコ
ート層塗布液(h−3)を調整した。 (ハードコート層塗布液(h−4)の調整 ハードコート層塗布液(h−1)の調製において、メガ
ファック531Aを添加しなかった以外は同様に行い、
ハードコート層塗布液(h−4)を調製した。
【0111】(ハードコート層塗布液(h−5)の調整 ハードコート層塗布液(h−1)の調製において、メガ
ファック531Aを等質量の熱架橋性含フッ素ポリマー
(JN−7214、JSR(株)製)に変更する以外は
同様に行い、ハードコート層塗布液(h−5)を調製し
た。
【0112】(ハードコートフイルムの作製)厚さ17
5μmと100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフイルム)の両面をコロナ処理し、ハード
コート層を設置する面に屈折率1.55、ガラス転移温
度37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラ
テックス(LX407C5、日本ゼオン(株)製)と酸
化錫・酸化アンチモン複合酸化物(FS−10D、石原
産業(株)製)を質量で5:5の割合で混合し、乾燥後
の膜厚が200nmとなるよう塗布し、帯電防止層付き
下塗り層を形成した後、上記ハードコート層用塗布液を
表1に記載の厚みになるようにエクストルージョン方式
で塗布、乾燥し、紫外線を照射(700mJ/cm2
して表4に記載の厚みのハードコートフイルムを作製し
た。
【0113】(重層ハードコートフイルムの作製)上記
の操作でハードコート層塗布液h−4を塗布した後、さ
らに同様の操作で、h−3のハードコート層塗布液を
0.1μmの厚みになるように形成し、重層のハードコ
ートフイルムを作製した。
【0114】(防汚層の作製) (1)防汚層塗布液(a−1)の調製 熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、JSR
(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、0.2
質量%の粗分散物液を調製した。粗分散液を更に超音波
分散し、防汚性用塗布液を調製した。
【0115】(2)防汚層付きハードコートフイルムの
形成 (h−4)のハードコート層塗設後、(a−1)の防汚
層塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が0.1μ
mになるように塗布、乾燥、熱硬化し防汚層を形成し、
防汚層付きハードコートフイルムを得た。
【0116】同様に、PETの厚味、ハードコート液の
種類、それぞれの層の膜厚が表4に記載の値になるよう
に塗布液を調製し、反射防止ハードコートフイルムを作
製した。これらのフイルムの特性を表4に示す。
【0117】(透明導電膜の塗設)実施例1、4、5お
よび比較例2、3のハードコート層を設けたフイルムの
ハードコート層と反対の面に、DCマグネトロンスパッ
タ法にてITOを15nm厚で製膜した。
【0118】(3)タッチパネルの作製 片面の表面抵抗率が5Ω/□、もう片面の表面抵抗率が
400Ω/□の透明導電膜(ITO)が付いたガラス板
を用意した。表面抵抗率5Ω/□の面にポリイミド配向
膜(SE−7992、日産化学(株)製)を形成した。
もう一方の面(表面抵抗率400Ω/□)には、1mm
ピッチのドットスペーサと両端部に銀電極を印刷した。
実施例1、4、5、8および比較例2、3に透明導電膜
を塗設し得られたハードコートフイルム(透明導電膜)
側面の両端に銀電極を印刷し、それぞれ、上記透明ハー
ドコート層の表面弾性率が4.0GPa以上10GPa
以下である導電ガラス板と、透明導電膜同士が対向する
ように接着した。この際、両基板の周囲に100μm厚
の絶縁性貼り合せ剤を挟んだ。このようにしてタッチパ
ネルA〜Eを作製した。これらのタッチパネルの特性を
表5に示す。
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】それぞれの評価方法は、以下の方法で行っ
た。 ・表面弾性率;微小表面硬度計((株)フィッシャー・
インスツルメンツ社製:フィッシャースコープH100
VP−HCU)を用いて、ダイヤモンド製の四角錐圧子
(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが
1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込
み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から表面
弾性率を求めた。 ・鉛筆硬度試験;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製した
ハードコートフイルムを温度25℃、相対湿度60%の
条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定
する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定
する鉛筆硬度評価方法に従い、9.8Nの荷重にて傷が
認められない鉛筆の硬度を求めた。 ・接触角;ハードコートフイルムを2×2cm2に切り
取り、Contact-Angle meter(協和界面化学(株)製109
27)を用いて水の接触角を測定した。 ・防汚性;フイルム表面に書いた速乾性油性インキ(ゼ
ブラ製、「マッキー」(登録商標))を東レ(株)製
「トレシー」(登録商標)を用いて数回擦ってふき取っ
た状態の評価(○は書いた跡が完全にふき取れた状態、
△は一部がふき取れずに残った状態、×は大部分がふき
残った状態)。 ・耐擦傷性;#0000のスチールウールを用い、2N
/cm2の荷重をかけ、50往復擦った後、表面の傷を
観察した(傷が見えないものを○、僅かに見えるものを
△、傷がはっきり見えるものを×とした)。 ・汚れ拭取り性;表面についた指紋を東レ(株)製「ト
レシー」(登録商標)を用いて拭取った時の取れ易さを
評価した(○は軽い力で数回でとれるもの、×は力をこ
めて擦って取れるもの、△は中間のもの)。 ・ON荷重;ON荷重の測定はタッチパネル用ペン(ポ
リアセタールペン、先端0.8R)に徐々に荷重を加え
て行き、タッチパネルの上下基板の対向するITOが導
通し、ON状態が検出されたときの荷重を求めることで
行った。
【0122】
【発明の効果】本発明の防汚性ハードコート層は、高表
面硬度で耐擦傷性に優れており、本発明の防汚性ハード
コートを設けた透明基材は鉛筆硬度が高く、表面に傷が
つき難く、汚れ難いものである。このような諸機能性を
有する透明ハードコートフイルム(透明基材)は、CR
T、LCD、PDP、FED等の画像表示装置の表面や
タッチパネルとして、またプラスチックやガラスの保護
に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/07 C09D 183/07 // C09D 4/06 4/06 (72)発明者 畑山 剣一郎 神奈川県横須賀市久里浜7−4−11−501 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK25A AK25J AK42B AK53A AL01A BA02 BA10A BA10B BA15 CC00A GB08 GB41 GB81 JB06A JB14A JK12A JK14 JL06 JN01B YY00A 4J038 CG141 CH251 CL001 DL101 FA112 NA05 NA11 PB09 PB11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともフッ素原子およびケイ素原子
    のいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する
    化合物を含む硬化性組成物であり、該硬化組成物を硬化
    して得られるハードコートフイルム表面の水の接触角が
    90度以上であることを特徴とするハードコート用硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬化性組成物からなる
    硬化被膜を有するハードコート処理物品。
  3. 【請求項3】 透明基材フイルムに請求項1に記載の硬
    化性組成物より形成したハードコート層を有する防汚性
    ハードコートフイルム。
JP2003068613A 2002-03-15 2003-03-13 ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物 Expired - Fee Related JP4210535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003068613A JP4210535B2 (ja) 2002-03-15 2003-03-13 ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002072347 2002-03-15
JP2002-72347 2002-03-15
JP2003068613A JP4210535B2 (ja) 2002-03-15 2003-03-13 ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003335984A true JP2003335984A (ja) 2003-11-28
JP4210535B2 JP4210535B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=29714221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003068613A Expired - Fee Related JP4210535B2 (ja) 2002-03-15 2003-03-13 ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4210535B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335818A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Fujifilm Holdings Corp 撥油及び撥水性材料の形成方法、それにより得られた撥油及び撥水性材料
JP2007223077A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Toppan Printing Co Ltd 活性エネルギー線硬化低収縮樹脂組成物およびその成形体
JP2007264281A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 防汚染性を付与したハードコート層
EP2062950A3 (en) * 2007-11-14 2009-09-02 FUJIFILM Corporation Topcoat composition, alkali developer-soluble topcoat film using the composition and pattern forming method using the same
JP2010024283A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Arakawa Chem Ind Co Ltd 耐指紋性向上剤、活性エネルギー線硬化型樹脂およびこれらを用いた活性エネルギー線硬化型ハードコート剤
WO2013118641A1 (ja) * 2012-02-06 2013-08-15 コニカミノルタ株式会社 ハードコートフィルム、偏光板、画像表示装置用ガラス飛散防止フィルム、タッチパネル及び液晶表示装置
CN103677400A (zh) * 2012-09-25 2014-03-26 郡是株式会社 带有触控面板的显示装置
JP2015024638A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 ビジョン開発株式会社 ケイ素及び/又はフッ素を有するダイヤモンド微粒子を含む撥水性及び撥油性に優れたハードコートフィルム
US9005750B2 (en) 2009-07-08 2015-04-14 Nitto Denko Corporation Transparent conductive film, electronic device, and touch panel
WO2015098495A1 (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 Dic株式会社 ハードコートフィルム及び情報表示装置
JP2022029027A (ja) * 2020-08-04 2022-02-17 荒川化学工業株式会社 積層体

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335818A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Fujifilm Holdings Corp 撥油及び撥水性材料の形成方法、それにより得られた撥油及び撥水性材料
JP2007223077A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Toppan Printing Co Ltd 活性エネルギー線硬化低収縮樹脂組成物およびその成形体
JP2007264281A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 防汚染性を付与したハードコート層
US8618217B2 (en) 2007-11-14 2013-12-31 Fujifilm Corporation Topcoat composition, alkali developer-soluble topcoat film using the composition and pattern forming method using the same
EP2062950A3 (en) * 2007-11-14 2009-09-02 FUJIFILM Corporation Topcoat composition, alkali developer-soluble topcoat film using the composition and pattern forming method using the same
KR101554527B1 (ko) * 2007-11-14 2015-09-21 후지필름 가부시키가이샤 탑코트 조성물, 그 조성물을 사용한 알칼리 현상액 가용성 탑코트 필름 및 그것을 사용한 패턴 형성 방법
JP2010024283A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Arakawa Chem Ind Co Ltd 耐指紋性向上剤、活性エネルギー線硬化型樹脂およびこれらを用いた活性エネルギー線硬化型ハードコート剤
US9005750B2 (en) 2009-07-08 2015-04-14 Nitto Denko Corporation Transparent conductive film, electronic device, and touch panel
JPWO2013118641A1 (ja) * 2012-02-06 2015-05-11 コニカミノルタ株式会社 ハードコートフィルム、偏光板、画像表示装置用ガラス飛散防止フィルム、タッチパネル及び液晶表示装置
WO2013118641A1 (ja) * 2012-02-06 2013-08-15 コニカミノルタ株式会社 ハードコートフィルム、偏光板、画像表示装置用ガラス飛散防止フィルム、タッチパネル及び液晶表示装置
CN103677400A (zh) * 2012-09-25 2014-03-26 郡是株式会社 带有触控面板的显示装置
CN103677400B (zh) * 2012-09-25 2018-05-08 郡是株式会社 带有触控面板的显示装置
JP2015024638A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 ビジョン開発株式会社 ケイ素及び/又はフッ素を有するダイヤモンド微粒子を含む撥水性及び撥油性に優れたハードコートフィルム
WO2015098495A1 (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 Dic株式会社 ハードコートフィルム及び情報表示装置
JP5939449B2 (ja) * 2013-12-24 2016-06-22 Dic株式会社 ハードコートフィルム及び情報表示装置
JPWO2015098495A1 (ja) * 2013-12-24 2017-03-23 Dic株式会社 ハードコートフィルム及び情報表示装置
JP2022029027A (ja) * 2020-08-04 2022-02-17 荒川化学工業株式会社 積層体
JP7070615B2 (ja) 2020-08-04 2022-05-18 荒川化学工業株式会社 積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4210535B2 (ja) 2009-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100905683B1 (ko) 하드 코팅 필름, 하드 코팅 필름을 적층한 기재 및 이들을형성한 화상표시장치
JP4055427B2 (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
JP4783547B2 (ja) プラスチックフイルム及び画像表示装置
JP2008129130A (ja) ハードコートフィルム
JP4210535B2 (ja) ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物
JP2004141732A (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
JP2003026732A (ja) 含フッ素共重合体、皮膜形成用組成物、反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2002338720A (ja) ハードコート膜、ハードコートフィルム、及び画像表示装置
JP4389429B2 (ja) 硬化性組成物およびハードコート処理物品
JP3978770B2 (ja) 反射防止ハードコート層、反射防止ハードコートフィルム及びこれを設けた画像表示装置
JP2005255859A (ja) 粘着剤付きフィルム
JPWO2017002847A1 (ja) 含フッ素共重合体、組成物、光学フィルム、ハードコートフィルム、偏光板、及びタッチパネルディスプレイ、並びに含フッ素共重合体の製造方法
JP2004126206A (ja) 反射防止ハードコートフィルム、偏光板、および画像表示装置
JP3864794B2 (ja) 硬化性組成物およびハードコート処理物品
JP2003057402A (ja) ハードコートフイルム
JP2003341006A (ja) ハードコート処理物品の裁断方法
JP2004331744A (ja) 硬化性組成物及びそれを用いた硬化処理物品
JP2003227902A (ja) 反射防止ハードコートフィルム及びこれを用いる画像表示装置
JP2003266607A (ja) ハードコートフィルム及びこれを設けた画像表示装置
JP2005319661A (ja) ハードコート被膜積層体
JP4765185B2 (ja) 物体表面の防汚処理方法及び防汚処理された物体
JP2005022354A (ja) ハードコート処理物品
JP2003026826A (ja) 光学用ポリエステルフィルム、ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP2004126220A (ja) 反射防止透明基板および画像表示装置
JP2012068398A (ja) ハードコートフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050222

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070919

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071119

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071119

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080725

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081008

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4210535

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees