JP7070615B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
前記積層体から剥離フィルムを剥がした面における前記硬化層の接触角が90°以上となることを特徴とする積層体。
(I)エポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(a1)、並びに(メタ)アクリロイル基を1つ有するオルガノポリシロキサン(a2)を反応成分に含む重合体のα,β-不飽和カルボン酸付加物(A1)
(II)エポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(a1)を反応成分((a2)成分を含むものを除く)に含む重合体のα,β-不飽和カルボン酸付加物(A2)及びオルガノポリシロキサン(B)
・(a1)成分:好ましく10~90重量部、より好ましくは20~80重量部
・(a2)成分:好ましくは0.5~50重量部、より好ましくは1~40重量部
・(a3)成分:好ましくは5~80重量部、より好ましくは10~70重量部
製)等が挙げられる。
γ=γS d+γS p・・・(1)
(γS d:基材フィルム表面の分散成分(水素結合力を含む)、γS p:基材フィルム表面の極性成分)
(γS d・γL d)1/2+(γS p・γL p)1/2=(1+cosθ)/2・・・(2)
(γL d:測定液の分散成分(水素結合力を含む)、γL p:測定液の極性成分、θ:基材フィルム表面での測定液の接触角)
温度25℃、湿度50%の条件下で接触角計(装置名:『接触角計 LSE-B100W』、(株)ニック製)を用いて、基材フィルムに水(滴下量:2.0μL)、ジヨードメタン(滴下量:2.0μL)の液滴をそれぞれ落として接触角を測定した。接触角は、各液を基材フィルムに滴下してから3秒後の角度を採用した。前記で得られた水及びジヨードメタンの接触角の値を用いて、Owens and Wendt法にて表面自由エネルギーを計算した。
撹拌機、温度計、還流菅、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル630部、グリシジルメタクリレート12部、メタクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『KF-2012』、信越化学工業(株)製)2部、イソステアリルメタクリレート5.9部、アゾビスイソブチロニトリル16部を仕込み、窒素ガスを流入し撹拌しながら110℃まで昇温させた。次いで、酢酸ブチル45部、グリシジルメタクリレート35部、イソステアリルメタクリレート18部、メタクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『KF-2012』、信越化学工業(株)製)5.9部、及びアゾビスイソブチロニトリル47部を2時間かけて滴下し、110℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル16部、酢酸ブチル32部を加えて、さらに30分間反応させた。その後、125℃まで昇温させ1.5時間保温し、反応溶液中に残存するアゾビスイソブチロニトリルを消費させた。次いで、反応溶液にエアーバブリングを行いながら、アクリル酸24部、トリフェニルホスフィン4.9部を加えてさらに10時間反応させ、固形分50%、重量平均分子量8,000の付加物(A1-1)を得た。
表1に示す組成で、製造例1と同様の方法にて合成し、付加物(A1-2)~(A1-8)及び付加物(A2-1)、(A2-2)をそれぞれ得た。なお、比較製造例1では製造中にゲル化したため、重合体を得られなかった。
(a1)成分
・GMA:グリシジルメタクリレート
(a2)成分
・KF-2012:商品名:『KF-2012』、メタクリロイル基を1つ有するオルガノポリシロキサン、官能基当量:4,600g/mol、信越化学工業(株)製
・X-22-174BX:商品名:『X-22-174BX』、メタクリロイル基を1つ有するオルガノポリシロキサン、官能基当量:2,300g/mol、信越化学工業(株)製
・X-22-2426:商品名:『X-22-2426』、メタクリロイル基を1つ有するオルガノポリシロキサン、官能基当量:12,000g/mol、信越化学工業(株)製
・FM-7721:商品名:『サイラプレーンFM-7721』、メタクリロイル基を2つ有するオルガノポリシロキサン、JNC(株)製
(a3)成分
・ISMA:イソステアリルメタクリレート
・LMA:ラウリルメタクリレート
・BMA:n-ブチルメタクリレート
・IBXMA:イソボルニルメタクリレート
付加物(A1-1)100部、光重合開始剤として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:『Omnirad184』、IGM Resins社製)(以下、Omni184という。)5部を混合して、硬化型コーティング剤組成物(1)を調製した。また、付加物(A1-2)~(A1-8)及び付加物(A2-1)についても同様の方法で硬化型コーティング剤組成物(1)をそれぞれ調製した。
市販のウレタンアクリレート(商品名:『EBECRYL230』、ダイセル・オルネクス(株)製)50部、イソボルニルアクリレート(商品名:『IBXA』、大阪有機化学工業(株)製)50部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:『Omnirad184』、IGM Resins社製)2部を混合して、ポリウレタン系樹脂を調製した。
重剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:『SPPET 7503BU』、厚さ:75μm、三井化学東セロ(株)製)(以下、重剥離PET1という。)の表面に、前記の硬化型コーティング剤組成物(1)を3μmの膜厚になるようにバーコーターで塗布し、80℃1分で乾燥させた。さらにその上に前記ポリウレタン系樹脂を100μmの厚みになるようにアプリケーターで塗工し、120W/cmの高圧水銀ランプ(岩崎電気(株)製)を用いて、ポリウレタン樹脂の塗工層側から、900mJ/cm2の紫外線を照射して積層体(重剥離PET1/硬化層/ポリウレタン樹脂層)を作製した。
各積層体より基材フィルムを剥がした後、その剥がした面の硬化層の水接触角を市販の接触角計(装置名:『接触角計 LSE-B100W』、(株)ニック製)を用いて、水を1滴(約15μl)滴下してから3秒後の角度を測定した。
また、水を1滴(約15μl)滴下したものを水平な状態から徐々に傾けて、水滴が流れ始めた角度を滑落角として評価した。
接触角は数値が高いほど、滑落角は数値が低いほど、撥水性に優れることを示す。結果を表2に示す(以下同様)。
市販のマジック(商品名:『マジックインキNO.700』、極細(0.7mm)、寺西化学工業(株)製)で、前記積層体から基材フィルムを剥がした面の硬化層の表面に線を引き、室温(23℃)で充分に乾燥させた後に軟らかい布で拭取った。以下の基準で耐汚染性を評価した。
(評価基準)
〇:マジックの跡が残らない。
×:マジックの跡が残る
各積層体より基材フィルムを剥がした後、31Bテープ(日東電工(株)製)を2kgローラーで貼り合わせて、積層体(31Bテープ/硬化層/ポリウレタン樹脂層)を作製し、温度25℃、湿度50%の条件で24時間放置した。次いで、テンシロン万能試験機RTC-1250A((株)オリエンテック製)を用いて、積層体から180°方向に300mm/分の速度で31Bテープを剥離した。数値が小さいほど、剥離力に優れていることを示す。
・重剥離PET1:重剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「SPPET 7503BU」、厚さ:75μm、三井化学東セロ(株)製)
実施例1において、基材フィルムを軽剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「SPPET 3801BU」、厚さ:38μm、三井化学東セロ(株)製)(以下、軽剥離PETという。)に変えて、積層体を作製した。
ジペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名:NKエステル A-9550W、新中村化学(株)製)20部、表面調整剤(商品名:『BYK-UV 3500』、アクリロイル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.10部、2-メチル-1-4-(メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:『Omnirad907』、IGM Resins 社製)0.6部及びメチルエチルケトン80部を温度23℃で混合して剥離剤Xを得た。ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「ルミラー75T60」、厚さ75μm、東レ(株)製)上に剥離剤Xを厚みが0.5μmとなるようにバーコーターで塗工し、80℃で1分間乾燥させた後に500mJ/cm2の紫外線を照射して重剥離PET2を作製した。
剥離剤X中の表面調整剤を0.06部に変更して、同様に行い、剥離剤Yを得た。重剥離PET2の作製と同様の方法で行い、重剥離PET3を作製した。
実施例1において、基材フィルムを重剥離PET2、重剥離PET3に変更して、積層体をそれぞれ作製した。
実施例1において、基材フィルムを未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「ルミラー75T60」、厚さ:75μm、東レ(株)製)に変更して、積層体をそれぞれ作製した。
・重剥離PET1:重剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「SPPET 7503BU」、厚さ:75μm、三井化学東セロ(株)製)
・軽剥離PET:軽剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「SPPET 3801BU」、厚さ:38μm、三井化学東セロ(株)製)
・重剥離PET2:重剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(前段落を参照)
・重剥離PET3:重剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(前段落を参照)
・未処理PET:未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「ルミラー75T60」、厚さ:75μm、東レ(株)製)
製造例1-1と同様の四つ口フラスコに、酢酸ブチル50部、水酸基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『サイラプレーンFM-0421』、JNC(株)製)48部、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:『カレンズBEI』、昭和電工(株)製)2.3部及びオクチル酸スズ0.02部を仕込み、温度80℃で5時間反応させて、アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(B-4)を得た。
製造例2-1において、『サイラプレーンFM-0421』からアミノ基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『サイラプレーンFM-3325』、JNC(株)製)に変更して同様に行い、アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(B-5)を得た。
重合体(A-1)100部、表4に記載のオルガノポリシロキサン及びOmni184 5部を混合して、硬化型コーティング剤組成物を調製した。
表4の硬化型コーティング剤組成物を用いて、実施例1と同様の方法で積層体をそれぞれ作製した。
比較例1において、基材フィルムを未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「ルミラー75T60」、厚さ:75μm、東レ(株)製)に変えて、積層体を作製した。
・B-1:水酸基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『BYK-370』、固形分濃度:25%、ビックケミー・ジャパン(株)製)
・B-2:メタクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『KF-2012』、信越化学工業(株)製)
・B-3:アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(商品名:『TegoRad2700』、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)
・B-4:製造例2-1のアクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン
・B-5:製造例2-2のアクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン
Claims (3)
- 基材フィルムの少なくとも片面にシロキサン系化合物の剥離層を有し、剥離層表面の表面自由エネルギーが10~40mN/mである剥離フィルムの少なくとも片面に、下記(I)又は(II)のいずれかを含むコーティング剤組成物の硬化層を有する積層体であって、
前記積層体から剥離フィルムを剥がした面における前記硬化層の接触角が90°以上となることを特徴とする積層体。
(I)エポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(a1)、並びに(メタ)アクリロイル基を1つ有するオルガノポリシロキサン(a2)を反応成分に含む重合体のα,β-不飽和カルボン酸付加物(A1)
(II)エポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(a1)を反応成分((a2)成分を含むものを除く)に含む重合体のα,β-不飽和カルボン酸付加物(A2)及びオルガノポリシロキサン(B) - 前記反応成分が、更に脂肪族モノ(メタ)アクリレート、脂環族モノ(メタ)アクリレート及び芳香族モノ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノ(メタ)アクリレート(a3)を含む請求項1に記載の積層体。
- (B)成分が、(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサンである請求項1又は2に記載の積層体。
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