JP2003335731A - 新規カルボン酸無水物,およびそれを用いるエステルならびにラクトンの合成法 - Google Patents

新規カルボン酸無水物,およびそれを用いるエステルならびにラクトンの合成法

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JP2003335731A
JP2003335731A JP2002180614A JP2002180614A JP2003335731A JP 2003335731 A JP2003335731 A JP 2003335731A JP 2002180614 A JP2002180614 A JP 2002180614A JP 2002180614 A JP2002180614 A JP 2002180614A JP 2003335731 A JP2003335731 A JP 2003335731A
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carboxylic acid
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esterification
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Isamu Shiina
勇 椎名
Ryotaro Ibuka
遼太郎 井深
Mari Kubota
真理 窪田
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Tokyo Kasei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は,ほぼ当モルのカルボ
ン酸とアルコールを使用し,室温下,塩基および中和条
で,高い収率でエステルを得るための縮合剤とエステ
ル化の方法の開発にある。 【解決手段】 縮合剤として安息香酸誘導体を選択し
た。2−位,3−位,4−位,5−位,6−位のいずれ
か一つ以上に強力な電子吸引基を導入することでエステ
ル化反応を促進させ,室温下でのエステル化を可能とし
た。そして,2−位,6−位に置換基を導入することで
化学選択性を向上させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸無水物に関するも
ので,温和なエステルの合成に供されるものである。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸とアルコールからエステルを
合成する反応は有機合成上最も重要な反応の一つに挙げ
られている。古典的なエステル化反応は酸性条件下での
脱水縮合反応で,これは平衡反応である。効率良くエス
テルを生成させるためには,この平衡をエステル生成の
側に移す必要があり,基質のどちらか一方を大過剰に用
いることや,加熱により生成する水を除去することが行
われている。
【0003】しかしながら,カルボン酸,アルコールが
ともに高価で貴重な場合,基質のどちらか一方を大過剰
に用いることは非経済的で,この古典的なエステル化は
利用し難い。また,熱に不安定な基質の場合もこのエス
テル化は利用し難い。エステル化は幅広い基質に対して
行われる最も基本的な反応である。また,近年,医薬品
を始めとする生理活性物質の開発において,複雑で不安
定な化合物を合成目標として取り上げられることが多く
なりつつある。そのため,温和な条件下で,効率良く,
しかもカルボン酸とアルコールのどちらか一方を大過剰
に用いることなく進行するエステル化法が強く求められ
ており,そして,これまでに優れた方法が数多く報告さ
れている。例えば,ほぼ当モルのカルボン酸とアルコー
ルからエステルを得る方法として,K.Ishihar
aらはハフニウム(IV)クロリド−THFコンプレッ
クスを触媒として用いる第一級アルコールの選択的なエ
ステル化法[K.Ishihara,M.Nakaya
ma,S.Ohara,H.Yamamoto,Syn
lett,1117(2001)]を,K.Wakas
ugiらはジフェニルアンモニウムトリフラートを触媒
として用いる方法[K.Wakasugi,T.Mis
aki,K.Yamada,Y.Tanabe,Tet
rahedron Lett.,41,5249(20
00)]を報告している。しかしながら,これらの方法
は80℃の加熱条件が必要で,熱に不安定な基質に適用
することができず,満足の行くエステル化法とは言い難
い。
【0004】室温下でエステル化が進行する方法とし
て,I.Shiinaらは4−トリフルオロメチル安息
香酸無水物と混合ルイス酸触媒を用いる方法[I.Sh
iina,T.Miyashita,Chem.Let
t.,515(1994)]を,K.Ishihara
らは4−ニトロ安息香酸無水物とスカンジウムトリフラ
ートを用いる方法[K.Ishihara,M.Kub
ota,H.Kurihara,H.Yamamot
o,J.Org.Chem.,61,4560(199
6)]を報告している。これらの方法は室温下,当モル
のカルボン酸とアルコールからエステルを得ることがで
き,しかもその収率は極めて高く,優れたエステルの生
成法である。しかしながら,この反応にはルイス酸を使
用しており,酸に不安定な基質に適用することができな
いという問題点を有している。
【0005】塩基性条件下の反応として,山口らは2,
4,6−トリクロロ安息香酸クロリドを用いる混合酸無
水物法を報告している[J.Inanaga,K.Hi
rata,H.Saeki,T.Katsuki,M.
Yamaguchi,Bull.Chem.Soc.J
pn.,52,1989(1979)]。この方法は室
温下塩基性条件で反応が進行することから,優れたエス
テルの生成法として多方面で利用されている。しかしな
がら,この方法は2モル当量の4−ジメチルアミノピリ
ジン(DMAP)を必要とし,また反応操作も頻雑であ
る。まず,2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリドと
カルボン酸から混合酸無水物を合成し,ここで生じる塩
酸塩を不活性ガス雰囲気下でろ別しなければならない。
次いで,このろ液の溶媒を適切に調整した後に過剰量の
DMAPとアルコールを加えて目的とするエステルを得
ている。このような2工程の頻雑な操作が必要で,到底
満足行くエステル化法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】当モルのカルボン酸と
アルコールを使用し,室温下塩基性条件で,しかも簡便
な操作でのエステル化法が強く求められており,解決す
べき課題として挙げられている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者らは鋭意
研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本
発明は下記構造1
【0008】
【化4】
【0009】(ただし,Rはニトロ基,トリフルオロ
メチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアル
キル基,脂環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキ
ル基,脂環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル
基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,RおよびR
それぞれ独立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シア
ノ基,ハロゲン,水素から選ばれる)で示される新規カ
ルボン酸無水物,およびこのカルボン酸無水物を用いて
カルボン酸とアルコールからエステルを合成する方法に
関するものである。上記カルボン酸無水物は文献未載の
新規化合物である。本発明の代表的な例として下記構造
式2で示される2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物
を取り上げ,その製造法を例示する。
【0010】
【化5】
【0011】上記カルボン酸無水物は2−メチル−6−
ニトロ安息香酸から下記反応式3に従って合成すること
ができる。
【0012】
【化6】
【0013】2−メチル−6−ニトロ安息香酸を酸クロ
リドに変換する工程において,使用しうるクロル化剤と
しては塩化チオニル,オキシ塩化リン,五塩化リンなど
が挙げられ,使用しうる溶媒としてはメチレンクロリ
ド,クロロホルム,ベンゼン,トルエンのごとき有機溶
媒から選択される。クロル化剤として塩化チオニル,オ
キシ塩化リンを用いた場合は溶媒を用いなくともよい。
反応温度は,室温から溶媒,クロル化剤の還流温度の間
で選択されるが,好ましくは80℃付近である。反応に
要する時間は,反応温度,クロル化剤により異なるが,
30分から48時間の間で選択される。2−メチル−6
−ニトロ安息香酸と2−メチル−6−ニトロベンゾイル
クロリドから酸無水物を合成する工程において,使用し
うる溶媒はメチレンクロリド,クロロホルム,ベンゼ
ン,トルエンのごとき有機溶媒から選択され,脱酸剤と
してはピリジン,トリエチルアミン,N−メチルピペリ
ジンのごとき有機塩基から選択される。反応温度は−2
0℃から溶媒の還流温度の間で選択されるが,好ましく
は室温付近である。反応時間は,溶媒,脱酸剤,反応温
度などにより異なるが,1時間から48時間の間で選択
される。なお,この合成法は一例であり,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸と酢酸無水物の反応からも得られ
る。
【0014】以上のように本発明に係る酸無水物は極め
て容易に合成することができる。以下に,本発明の代表
的な例として構造式2の2−メチル−6−ニトロ安息香
酸無水物を取り上げ,エステル化反応の縮合剤としての
有用性を例示する。
【0015】
【化7】
【0016】本発明に係る2−メチル−6−ニトロ安息
香酸無水物を用いるこのエステル化反応は上記反応式に
従って進行する。塩基としてはピリジン,トリエチルア
ミン,N−メチルピペリジンのごとき有機塩基から選択
され,触媒としては4−ジメチルアミノピリジン(DM
AP),4−ピロリジノピリジン(PPY),4−ジメ
チルアミノピリジンN−オキシド(DMAPO),4−
ピロリジノピリジンN−オキシド(PPYO),塩基に
不活性化されないルイス酸,遷移金属触媒など様々なも
のが使用可能であるが,中でもDMAP,PPY,DM
APO,PPYOなどが適している。これらの中から選
択される塩基,触媒,および2−メチル−6−ニトロ安
息香酸無水物の存在下,カルボン酸とアルコールからエ
ステルが生成する。この反応は通常,室温で進行し,ほ
ぼ当モルのカルボン酸とアルコールから高い収率で目的
とするエステルAを得ることができ,副生物であるエス
テルBはほとんど生成しない。この反応で使用しうる溶
媒はジクロロメタン,エチルエーテル,THF,アセト
ニトリル,ニトロメタンなどが挙げられる。本発明化合
物に係る2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物におい
て,強い電子吸引基のニトロ基はエステル化反応を促進
させ,室温下でエステル化を容易にしている。そして,
ベンゼン環の2−位と6−位に置換基を導入すること
で,化学選択性を高め,副生物であるエステルBの生成
を抑えている。
【0017】すなわち,本発明に係る化合物の一般式で
ある構造式1において,副反応を抑えるために2−位お
よび6−位に置換基を有することが必要で,また,温和
条件下でエステル反応を進行させるために2−位,3−
位,4−位,5−位,6−位のいずれか一つ以上が電子
吸引基であることが必要である。
【0018】本発明の有用性を更に明らかにするため,
本発明の方法と同じく塩基条件下でエステル化が進行す
る山口らの2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリドを
用いる混合酸無水物法との比較を参考例として示す。な
お,この山口法は下記反応式5に従って進行する。
【0019】
【化8】
【0020】参考例 本発明のエステル化法と山口法の
比較 山口法;2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド0.
3mmol,カルボン酸0.3mmol,トリエチルア
ミン0.3mmolを順次THF2mlに加えて溶解さ
せた。室温で20分間攪拌した後,析出したトリエチル
アミン塩酸塩をろ別した。ろ液の溶媒を留去し,2,
4,6−トリクロロ安息香酸とカルボン酸の混合酸無水
物を得た。得られた混合酸無水物をジクロロメタン1m
lに溶解させ,この溶液にアルコール0.6mmol,
DMAP0.6mmolを含むジクロロメタン溶液1m
lを加え,室温で攪拌した。内標準としてブロモベンゼ
ンを用いて目的とするエステル,および副生するエステ
ルの生成をH NMRおよびGCにて確認した。
【0021】本発明のエステル化法;トリエチルアミン
0.65mmol,DMAP0.020mmol,2−
メチル−6−ニトロ安息香酸無水物0.24mmolを
ジクロロメタン1.5mlに溶解させ,次いで,カルボ
ン酸0.24mmolを加え,室温で10分間攪拌し
た。この溶液にアルコール0.20mmolを含むジク
ロロメタン2.0mlを加え,室温で20時間攪拌し
た。内標準としてブロモベンゼンを用いて目的とするエ
ステル,および副生するエステルの生成をH NMR
およびGCにて確認した。
【0022】種々カルボン酸(RCOOH),種々ア
ルコール(ROH)について,山口法と本発明のエス
テル化法を行ったエステルの生成結果を表1に示す。下
記表1において,Aは目的とするエステル,Bは本発明
法において副生する2−メチル−6−ニトロ安息香酸エ
ステル,Cは山口法において副生する2,4,6−トリ
クロロ安息香酸エステルである。したがって,A/Bあ
るいはA/Cが大きな値であれば,副生するエステルが
僅かであることを示し,化学選択性が高いことを表して
いる。
【0023】
【表1】
【0024】この結果から本発明法の有用性は明らかで
ある。ほとんどの場合で山口法よりも目的とするエステ
ルの収率は高く,化学選択性も高い。また,本発明に係
るエステル化は塩基性条件下で進行する。そのため,酸
性条件下では脱離反応が進行し易いと考えられている第
3級アルコールにも適用可能である。また,酸に不安定
なアセタールやシリルエーテルを有する基質にも適用す
ることができる。加えて,使用するDMAPは10%モ
ルと少量でよく,簡便な操作でエステルを得ることがで
きる。なお,カルボン酸とアルコールからエステルの合
成を例示したが,この例示に止まらず,チオエステル,
ラクトン,チオラクトンの合成にも適用可能である。
【0025】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0026】
【実施例1】2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物の
合成 2−メチル−6−ニトロ安息香酸11mmol,塩化チ
オニル110mmolをジクロロメタン30mlに加
え,3時間還流した。減圧下,過剰の塩化チオニルと溶
媒を留去し,残渣に2−メチル−6−ニトロ安息香酸1
1mmolを含むジクロロメタン40mlを加え0℃に
冷却した。この溶液にピリジン12mmolを加え,2
4時間攪拌した後,減圧下,溶媒を留去して2−メチル
−6−ニトロ安息香酸無水物を含む残渣を得た。これを
ジクロロメタンにて再結晶を3回繰返し,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸無水物に粗結晶1.6gを得た。こ
の時の収率は42%であった。
【0027】以下に2−メチル−6−ニトロ安息香酸無
水物の主な物性を示す。 融点:178−180℃;IR(KBr):1820c
−1H NMR(CDCl)δ:2.57pp
m(6H,s),7.53ppm(2H,dd,J=
7.6,8.1Hz),7.64ppm(2H,d,J
=7.6Hz),8.06ppm(2H,d,J=8.
1);元素分析値(C1612の理論値C5
5.82%,H3.51%,N8.14%):実測値C
55.81%,H3.39%,N8.07%
【0028】
【実施例2】3−フェニルプロピオン酸1−メチル−3
−フェニルプロピルの合成 ジクロロメタン1.5mlにトリエチルアミン0.66
mmol,DMAP0.020mmol,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸無水物0.24mmol,3−フェ
ニルプロピオン酸0.24mmolを順次加え,室温で
10分間攪拌した。この溶液に4−フェニル−2−ブタ
ノール0.20mmolを含むジクロロメタン2.0m
lを加え,室温で20時間攪拌した後,飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加え,有機層を分離した。シリカゲルT
LCにて精製し,3−フェニルプロピオン酸1−メチル
−3−フェニルプロピル53.9mgを得た。この収率
は95%であった。
【0029】以下に得られた3−フェニルプロピオン酸
1−メチル−3−フェニルプロピルの主な物性を示す。 IR(neat):1730cm−1H NMR
(CDCl)δ:1.21ppm(3H,d,J=
6.3Hz),1.72−1.96ppm(2H,
m),2.51−2.69ppm(4H,m),2.9
5ppm(2H,t,J=7.6Hz),4.94pp
m(1H,m),7.11−7.31ppm(10H,
m);元素分析値(C1922の理論値C80.
82%,H7.85%):実測値C80.74%,H
7.99%
【0030】
【実施例3】15−ペンタデカノリドの合成 ジクロロメタン167.8mlに2−メチル−6−ニト
ロ安息香酸無水物0.48mmol,DMAP0.96
mmolを加え,この溶液に15−ヒドロキシペンタデ
カン酸0.4mmolを含むジクロロメタン60mlを
加え,1時間攪拌した。この溶液を減圧下,全量が20
mlになるまで濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え,有機層を分離した。シリカゲルTLCにて精製
し,収率92%で15−ペンタデカノリドを得た。
【0031】以下に得られた15−ペンタデカノリドの
主な物性を示す。 IR(neat):1740cm−1H NMR
(CDCl)δ:1.2−1.6ppm(14H,
m),2.5ppm(2H,t,J=4Hz)
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明化合物は極めて容易
に合成することができ,カルボン酸とアルコールからエ
ステルを合成する際の縮合剤として機能する。この本発
明化合物を用いるエステル化は室温下,塩基条件で行う
ことができる。しかもほぼ当モルのカルボン酸とアルコ
ールから極めて高い収率で目的とするエステルを得るこ
とができる。近年,生理活性物質の開発等において,複
雑で不安定な化合物を合成目標として取り上げられるこ
とが多くなりつつある。このような複雑で不安定な化合
物のエステル化において,極めて有用なエステル化方法
といえる。また,本発明化合物はエステル化にのみなら
ず,脱水縮合剤としてラクトン,チオエステル,チオラ
クトンなどの合成に用いられる。そのため,本発明化合
物は多方面で利用可能な優れた脱水縮合剤といえる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月19日(2002.6.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】新規カルボン酸無水物,およびそれを用
いるエステルならびにラクトンの合成法
【特許請求の範囲】
【化1】 (ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シ
アノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアルキル基,脂
環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂
環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ
基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独
立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロ
ゲン,水素から選ばれる)で示される新規カルボン酸無
水物。
【化2】 (ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シ
アノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアルキル基,脂
環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂
環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ
基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独
立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロ
ゲン,水素から選ばれる)で示される新規カルボン酸無
水物の存在下,カルボン酸とアルコールを反応せしめる
ことを特徴とするエステルの製造法。
【化3】 で示される新規カルボン酸無水物の存在下,カルボン酸
とアルコールを反応せしめることを特徴とするエステル
の製造法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸無水物に関するも
ので,温和なエステルの合成に供されるものである。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸とアルコールからエステルを
合成する反応は有機合成上最も重要な反応の一つに挙げ
られている。古典的なエステル化反応は酸性条件下での
脱水縮合反応で,これは平衡反応である。効率良くエス
テルを生成させるためには,この平衡をエステル生成の
側に移す必要があり,基質のどちらか一方を大過剰に用
いることや,加熱により生成する水を除去することが行
われている。
【0003】しかしながら,カルボン酸,アルコールが
ともに高価で貴重な場合,基質のどちらか一方を大過剰
に用いることは非経済的で,この古典的なエステル化は
利用し難い。また,熱に不安定な基質の場合もこのエス
テル化は利用し難い。エステル化は幅広い基質に対して
行われる最も基本的な反応である。また,近年,医薬品
を始めとする生理活性物質の開発において,複雑で不安
定な化合物を合成目標として取り上げることが多くなり
つつある。そのため,温和な条件下で,効率良く,しか
もカルボン酸とアルコールのどちらか一方を大過剰に用
いることなく進行するエステル化法が強く求められてお
り,そして,これまでに優れた方法が数多く報告されて
いる。例えば,ほぼ当モルのカルボン酸とアルコールか
らエステルを得る方法として, K.Ishihara
らはハフニウム(IV)クロリド−THFコンプレック
スを触媒として用いる第一級アルコールの選択的なエス
テル化法[K.Ishihara,M.Nakayam
a,S.Ohara,H.Yamamoto,Synl
ett,1117(2001)]を,K.Wakasu
giらはジフェニルアンモニウムトリフラートを触媒と
して用いる方法[K.Wakasugi,T.Misa
ki,K.Yamada,Y.Tanabe,Tetr
ahedron Lett.,41,5249(200
0)]を報告している。しかしながら,これらの方法は
80℃の加熱条件が必要で,熱に不安定な基質に適用す
ることができず,満足の行くエステル化法とは言い難
い。
【0004】室温下でエステル化が進行する方法とし
て,I.Shiinaらは4−トリフルオロメチル安息
香酸無水物と混合ルイス酸触媒を用いる方法[I.Sh
iina,S.Miyoshi,T.Miyashit
a,T.Mukaiyama,Chem.Lett.,
515(1994)]を,K.Ishiharaらは4
−ニトロ安息香酸無水物とスカンジウムトリフラートを
用いる方法[K.Ishihara,M.Kubot
a,H.Kurihara,H.Yamamoto,
J.Org.Chem.,61,4560(199
6)]を報告している。これらの方法は室温下,当モル
のカルボン酸とアルコールからエステルを得ることがで
き,しかもその収率は極めて高く,優れたエステルの生
成法である。しかしながら,この反応にはルイス酸を使
用しており,酸に不安定な基質に適用することができな
いという問題点を有している。
【0005】塩基性条件下の反応として,山口らは2,
4,6−トリクロロ安息香酸クロリドを用いる混合酸無
水物法を報告している[J.Inanaga,K.Hi
rata,H.Saeki,T.Katsuki,M.
Yamaguchi,Bull.Chem.Soc.J
pn.,52,1989(1979)]。この方法は室
温下塩基性条件で反応が進行することから,優れたエス
テルの生成法として多方面で利用されている。しかしな
がら,この方法は2モル当量の4−ジメチルアミノピリ
ジン(DMAP)を必要とし,また反応操作も頻雑であ
る。まず,2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリドと
カルボン酸から混合酸無水物を合成し,ここで生じる塩
酸塩を不活性ガス雰囲気下でろ別しなければならない。
次いで,このろ液の溶媒を適切に調整した後に過剰量の
DMAPとアルコールを加えて目的とするエステルを得
ている。このような2工程の頻雑な操作が必要で,到底
満足行くエステル化法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】当モルのカルボン酸と
アルコールを使用し,室温下塩基性あるいは中和条件
で,しかも簡便な操作でのエステル化法が強く求められ
ており,解決すべき課題として挙げられている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者らは鋭意
研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本
発明は下記構造1
【0008】
【化4】
【0009】(ただし,Rはニトロ基,トリフルオロ
メチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアル
キル基,脂環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキ
ル基,脂環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル
基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,RおよびR
それぞれ独立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シア
ノ基,ハロゲン,水素から選ばれる)で示される新規カ
ルボン酸無水物,およびこのカルボン酸無水物を用いて
カルボン酸とアルコールからエステルを合成する方法に
関するものである。上記カルボン酸無水物は文献未載の
新規化合物である。本発明の代表的な例として下記構造
式2で示される2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物
を取り上げ,その製造法を例示する。
【0010】
【化5】
【0011】上記カルボン酸無水物は2−メチル−6−
ニトロ安息香酸から下記反応式3に従って合成すること
ができる。
【0012】
【化6】
【0013】2−メチル−6−ニトロ安息香酸を酸クロ
リドに変換する工程において,使用しうるクロル化剤と
しては塩化チオニル,オキシ塩化リン,五塩化リンなど
が挙げられ,使用しうる溶媒としてはメチレンクロリ
ド,クロロホルム,ベンゼン,トルエンのごとき有機溶
媒から選択される。クロル化剤として塩化チオニル,オ
キシ塩化リンを用いた場合は溶媒を用いなくともよい。
反応温度は,室温から溶媒,クロル化剤の還流温度の間
で選択されるが,好ましくは80℃付近である。反応に
要する時間は,反応温度,クロル化剤により異なるが,
30分から48時間の間で選択される。2−メチル−6
−ニトロ安息香酸と2−メチル−6−ニトロベンゾイル
クロリドから酸無水物を合成する工程において,使用し
うる溶媒はメチレンクロリド,クロロホルム,ベンゼ
ン,トルエンのごとき有機溶媒から選択され,脱酸剤と
してはピリジン,トリエチルアミン,N−メチルピペリ
ジンのごとき有機塩基から選択される。反応温度は−2
0℃から溶媒の還流温度の間で選択されるが,好ましく
は室温付近である。反応時間は,溶媒,脱酸剤,反応温
度などにより異なるが,1時間から48時間の間で選択
される。なお,この合成法は一例であり,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸と酢酸無水物の反応からも得られ
る。
【0014】以上のように本発明に係る酸無水物は極め
て容易に合成することができる。以下に,本発明の代表
的な例として構造式2の2−メチル−6−ニトロ安息香
酸無水物を取り上げ,エステル化反応の縮合剤としての
有用性を例示する。
【0015】
【化7】
【0016】本発明に係る2−メチル−6−ニトロ安息
香酸無水物を用いるこのエステル化反応は上記反応式に
従って進行する。塩基としてはピリジン,トリエチルア
ミン,N−メチルピペリジンのごとき有機塩基から選択
され,触媒としては4−ジメチルアミノピリジン(DM
AP),4−ピロリジノピリジン(PPY),4−ジメ
チルアミノピリジンN−オキシド(DMAPO),4−
ピロリジノピリジンN−オキシド(PPYO),塩基に
不活性化されないルイス酸,遷移金属触媒など様々なも
のが使用可能であるが,中でもDMAP,PPY,DM
APO,PPYOなどが適している。使用する触媒の量
は10%モル以下で十分であり,目的物を高収率で得る
ことが可能であるが,それ以上用いても特に問題は生じ
ない。好適には10%モル使用される。これらの中から
選択される塩基,触媒,および2−メチル−6−ニトロ
安息香酸無水物の存在下,カルボン酸とアルコールから
エステルが生成する。この反応は通常,室温で進行し,
ほぼ当モルのカルボン酸とアルコールから高い収率で目
的とするエステルAを得ることができ,副生物であるエ
ステルBはほとんど生成しない。この反応で使用しうる
溶媒はジクロロメタン,エチルエーテル,THF,アセ
トニトリル,ニトロメタンなどが挙げられる。本発明化
合物に係る2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物にお
いて,強い電子吸引基のニトロ基はエステル化反応を促
進させ,室温下でエステル化を容易にしている。そし
て,ベンゼン環の2−位と6−位に置換基を導入するこ
とで,化学選択性を高め,副生物であるエステルBの生
成を抑えている。
【0017】すなわち,本発明に係る化合物の一般式で
ある構造式1において,副反応を抑えるために2−位お
よび6−位に置換基を有することが必要で,また,温和
条件下でエステル反応を進行させるために2−位,3−
位,4−位,5−位,6−位のいずれか一つ以上が電子
吸引基であることが必要である。
【0018】本発明の有用性を更に明らかにするため,
本発明の方法と同じく塩基性条件下でエステル化が進行
する山口らの2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド
を用いる混合酸無水物法との比較を参考例として示す。
なお,この山口法は下記反応式5に従って進行する。
【0019】
【化8】
【0020】参考例 本発明のエステル化法と山口法の
比較 山口法;2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド0.
3mmol,カルボン酸0.3mmol,トリエチルア
ミン0.3mmolを順次THF2mlに加えて溶解さ
せた。室温で20分間攪拌した後,析出したトリエチル
アミン塩酸塩をろ別した。ろ液の溶媒を留去し,2,
4,6−トリクロロ安息香酸とカルボン酸の混合酸無水
物を得た。得られた混合酸無水物をジクロロメタン1m
lに溶解させ,この溶液にアルコール0.6mmol,
DMAP0.6mmolを含むジクロロメタン溶液1m
lを加え,室温で攪拌した。内標準としてブロモベンゼ
ンを用いて目的とするエステル,および副生するエステ
ルの生成をH NMRおよびGCにて確認した。
【0021】本発明のエステル化法;トリエチルアミン
0.66mmol,DMAP0.020mmol,2−
メチル−6−ニトロ安息香酸無水物0.24mmolを
ジクロロメタン1.5mlに溶解させ,次いで,カルボ
ン酸0.24mmolを加え,室温で10分間攪拌し
た。この溶液にアルコール0.20mmolを含むジク
ロロメタン2.0mlを加え,室温で20時間攪拌し
た。内標準としてブロモベンゼンを用いて目的とするエ
ステル,および副生するエステルの生成をH NMR
およびGCにて確認した。
【0022】種々カルボン酸(RCOOH),種々ア
ルコール(ROH)について,山口法と本発明のエス
テル化法を行ったエステルの生成結果を表1に示す。下
記表1において,Aは目的とするエステル,Bは本発明
法において副生する2−メチル−6−ニトロ安息香酸エ
ステル,Cは山口法において副生する2,4,6−トリ
クロロ安息香酸エステルである。したがって,A/Bあ
るいはA/Cが大きな値であれば,副生するエステルが
僅かであることを示し,化学選択性が高いことを表して
いる。
【0023】
【表1】
【0024】この結果から本発明法の有用性は明らかで
ある。ほとんどの場合で山口法よりも目的とするエステ
ルの収率は高く,化学選択性も高い。また,本発明に係
るエステル化は塩基性条件下で進行する。そのため,酸
性条件下では脱離反応が進行し易いと考えられている第
3級アルコールにも適用可能である。また,酸に不安定
なアセタールやシリルエーテルを有する基質にも適用す
ることができる。加えて,使用するDMAPは少量でよ
好適には10%モル使用し,簡便な操作でエステル
を得ることができる。なお,カルボン酸とアルコールか
らエステルの合成を例示したが,この例示に止まらず,
チオエステル,ラクトン,チオラクトンの合成にも適用
可能である。
【0025】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0026】
【実施例1】2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物の
合成 2−メチル−6−ニトロ安息香酸11mmol,塩化チ
オニル110mmolをジクロロメタン30mlに加
え,3時間還流した。減圧下,過剰の塩化チオニルと溶
媒を留去し,残渣に2−メチル−6−ニトロ安息香酸1
1mmolを含むジクロロメタン40mlを加え0℃に
冷却した。この溶液にピリジン12mmolを加え,2
4時間攪拌した後,減圧下,溶媒を留去して2−メチル
−6−ニトロ安息香酸無水物を含む残渣を得た。これを
ジクロロメタンにて再結晶を3回繰返し,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸無水物に粗結晶1.6gを得た。こ
の時の収率は42%であった。
【0027】以下に2−メチル−6−ニトロ安息香酸無
水物の主な物性を示す。 融点:178−180℃;IR(KBr):1820c
−1H NMR(CDCl)δ:2.57pp
m(6H,s),7.53ppm(2H,dd,J=
7.6,8.1Hz),7.64ppm(2H,d,J
=7.6Hz),8.06ppm(2H,d,J=8.
1);元素分析値(C1612の理論値C5
5.82%,H3.51%,N8.14%):実測値C
55.81%,H3.39%,N8.07%
【0028】
【実施例2】3−フェニルプロピオン酸1−メチル−3
−フェニルプロピルの合成 ジクロロメタン1.5mlにトリエチルアミン0.66
mmol,DMAP0.020mmol,2−メチル−
6−ニトロ安息香酸無水物0.24mmol,3−フェ
ニルプロピオン酸0.24mmolを順次加え,室温で
10分間攪拌した。この溶液に4−フェニル−2−ブタ
ノール0.20mmolを含むジクロロメタン2.0m
lを加え,室温で20時間攪拌した後,飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加え,有機層を分離した。シリカゲルT
LCにて精製し,3−フェニルプロピオン酸1−メチル
−3−フェニルプロピル53.9mgを得た。この収率
は95%であった。
【0029】以下に得られた3−フェニルプロピオン酸
1−メチル−3−フェニルプロピルの主な物性を示す。 IR(neat):1730cm−1H NMR
(CDCl)δ:1.21ppm(3H,d,J=
6.3Hz),1.72−1.96ppm(2H,
m),2.51−2.69ppm(4H,m),2.9
5ppm(2H,t,J=7.6Hz),4.94pp
m(1H,m),7.11−7.31ppm(10H,
m);元素分析値(C1922の理論値C80.
82%,H7.85%):実測値C80.74%,H
7.99%
【0030】
【実施例3】15−ペンタデカノリドの合成 ジクロロメタン167.8mlに2−メチル−6−ニト
ロ安息香酸無水物0.48mmol,DMAP0.96
mmolを加え,この溶液に15−ヒドロキシペンタデ
カン酸0.4mmolを含むジクロロメタン60mlを
12.5時間かけて加え滴下終了後さらに1時間攪拌
した。この溶液を減圧下,全量が20mlになるまで濃
縮し,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え,有機層を
分離した。シリカゲルTLCにて精製し,収率92%で
15−ペンタデカノリドを得た。
【0031】以下に得られた15−ペンタデカノリドの
主な物性を示す。 IR(neat):1740cm−1H NMR
(CDCl)δ:1.2−1.4ppm(20H,
m),1.6ppm(4H,m),2.3ppm(2
H,t,J=6.9Hz),4.1ppm(2H,t,
J=4.1Hz)
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明化合物は極めて容易
に合成することができ,カルボン酸とアルコールからエ
ステルを合成する際の縮合剤として機能する。この本発
明化合物を用いるエステル化は室温下,塩基性あるいは
中和条件で行うことができる。しかもほぼ当モルのカル
ボン酸とアルコールから極めて高い収率で目的とするエ
ステルを得ることができる。近年,生理活性物質の開発
等において,複雑で不安定な化合物を合成目標として
り上げることが多くなりつつある。このような複雑で不
安定な化合物のエステル化において,極めて有用なエス
テル化方法といえる。また,本発明化合物はエステル化
にのみならず,脱水縮合剤としてラクトン,チオエステ
ル,チオラクトンなどの合成に用いられる。そのため,
本発明化合物は多方面で利用可能な優れた脱水縮合剤と
いえる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 313/00 C07D 313/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 63/04 C07C 63/04 Fターム(参考) 4C062 JJ70 4H006 AA01 AA02 AC48 BA51 BB12 BJ20 BJ50 KA06 KC12 KC14 KC30 KD00 4H039 CA66 CG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式 【化1】 (ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シ
    アノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアルキル基,脂
    環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂
    環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ
    基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独
    立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロ
    ゲン,水素から選ばれる)で示される新規カルボン酸無
    水物。
  2. 【請求項2】Rがニトロ基,Rがメチル基,R
    およびRが水素である請求項1記載の新規カルボ
    ン酸無水物。
  3. 【請求項3】塩基,触媒,および下記構造式 【化2】 (ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シ
    アノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはアルキル基,脂
    環,芳香環から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂
    環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ
    基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独
    立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロ
    ゲン,水素から選ばれる)で示される新規カルボン酸無
    水物の存在下,カルボン酸とアルコールを反応せしめる
    ことを特徴とするエステルの製造法。
  4. 【請求項4】塩基,触媒,および下記構造式 【化3】 で示される新規カルボン酸無水物の存在下,カルボン酸
    とアルコールを反応せしめることを特徴とするエステル
    の製造法。
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