JP2005306833A - カルボン酸アミドの新規製造法 - Google Patents

カルボン酸アミドの新規製造法 Download PDF

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Isamu Shiina
勇 椎名
Yoichi Kawakita
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Abstract

【課題】 本発明の課題は温和な条件下,ほぼ等モルのカルボン酸とアミンからカルボン酸アミドを合成する方法を提供することにある。すなわち,酸無水物縮合剤を用い,ほぼ等モルのカルボン酸とアミンから温和な条件下,高い収率でカルボン酸アミドを得るための新規酸アミド合成法を提供することである。
【解決手段】 脱水縮合剤として少なくとも2位,6位に置換基を有し,2位,6位のいずれか一方に強力な電子吸引基を有する安息香酸無水物を用い,活性化剤の存在下,カルボン酸とアミンを反応させることにより上記課題を解決した。
【選択図】 なし。

Description

本発明はカルボン酸とアミンのアミド化反応に関するものであり,有機合成や医薬などの属する分野および他の分野において要求されている温和な条件下で行なうカルボン酸アミド結合形成反応に供されるものである。
カルボン酸とアミンからカルボン酸アミドを合成する反応は有機合成上最も重要な反応の一つに挙げられている。近年,医薬品を始めとする生理活性物質の開発において,カルボン酸アミド結合形成反応は益々重要になってきている。また,複雑で不安定な化合物が合成目標に取り上げられることが多くなりつつある。そのため,温和な条件下で,効率よく,すみやかに進行する酸アミド化法が強く求められており,優れた方法が数多く報告されている。例えば,1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(例えば,非特許文献1参照)やジエチルホスホロシアニデート(DEPC)(例えば,非特許文献2参照)などが脱水縮合剤として古くから用いられている。また,カルボン酸を四塩化炭素中,ジアルキルホスファイトで活性化後,アミンと反応させ,収率良くカルボン酸アミドを得る方法(例えば,非特許文献3参照)や,求電子性アリールホウ素化合物を触媒としたカルボン酸とアミンとの脱水による酸アミド化法(例えば,非特許文献4参照)や,4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMTMM)を脱水縮合剤として用い,カルボン酸とアミンの酸アミド化を行っていることが報告されている(例えば,非特許文献5参照)。
J.C.Sheehan,外1名,Journal of American Chemical Society,1955年,第77巻,p,1067 山田俊一,外2名,Tetrahedron Letters,1973年,p,1595 Z.M.Jaszay,外2名,Synthetic Communications,1998年,第28巻,p.2761 石原一彰,外2名,Journal of Organic Chemistry,1996年,第61巻,p.4196 国島宗孝,外5名,Tetrahedron,1999年,第55巻,p.13159
しかしながら,上述のDCCは通常硬い塊状で流通しており,そのため,取り出しにくく,さらに,取り扱い者にかぶれを誘発するなどの問題点を有している。また,DEPCは毒性が強く,これも取り扱いに難点がある。ジアルキルホスファイトを使用する方法は,毒性の強い四塩化炭素を溶媒としている難点がある。また,ジアルキルホスファイトやアリールホウ素化合物を使用する方法は,トルエン中加熱条件が必要で,熱に不安定な基質に適用することができず,満足のいく酸アミド化法とは言い解い。DMTMMは嵩高い基質や複雑な化合物の酸アミド化に使用できる優れた縮合剤であるが,使用する溶媒によってはDMTMMが一部2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(CDMT)に分解され,酸アミド化反応の選択性を低下させる難点があり,倒底満足いくものではない。
複雑な化合物にも適用でき,温和な条件下でカルボン酸とアミンから効率良くカルボン酸アミドへ転換できる簡便な合成法が強く求められている。
そこで,発明者らは鋭意研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本発明は活性化剤の存在下,下記構造式1
Figure 2005306833
(ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲン,水素から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはハロゲン,アルキル基,脂環,芳香環から選ばれる)で示されるカルボン酸無水物の存在下,カルボン酸とアミンから酸アミドを合成する方法に関するものである。
本発明の代表的な例として下記構造式2で示される2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(MNBA)を取り上げ,アミド化反応の縮合剤としての有用性を例示する。
Figure 2005306833
本発明に係るMNBAを用いるこの酸アミド化反応は下記反応式3に従って進行する。
Figure 2005306833
活性化剤としてはピリジン,トリエチルアミン,N−メチルピペリジンのごとき有機塩基と,触媒量の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP),4−ピロリジノピリジン(PPY),4−ジメチルアミノピリジン N−オキシド(DMAPO),4−ピロリジノピリジン N−オキシド(PPYO),塩基に不活性化されないルイス酸,遷移金属触媒などを組み合せて使用する。特にDMAP,PPYなどが適している。また,塩基を使用せずにDMAPなどを化学量論量用いても同様の効果が得られる。これらの中から選択される活性化剤,およびMNBAの存在下,ほぼ等モルのカルボン酸とアミンから高い収率で目的とする酸アミドAを得ることができ,副生物である酸アミドBはほとんど生成しない。この反応で使用しうる溶媒は塩化メチレン,ジエチルエーテル,THF,アセトニトリル,ニトロメタン,DMF,DMIなどが挙げられる。
すなわち,本発明に係る化合物の一般式である構造式1において,副反応を抑えるために2位および6位に置換基を有することが必要であり,また,温和条件下で酸アミド化反応を進行させるため,2位,3位,4位,5位,6位のいずれか一つ以上が電子吸引基であることが必要である。以下に参考例として本発明の有用性を示すが,これは例示の目的であり,この参考例に限定されるものではない。
参考例1
本発明の有用性を明らかにするため,酸無水物の代表例としてMNBAを取り上げ,下記反応式4に従って進行する酸アミド化反応について説明する。
Figure 2005306833
カルボン酸アミド合成の基質としてカルボン酸は2−フェニルプロピオン酸を使用し,アミンは嵩高いアミンを含む種々のアミンを使用し,DMAPは2.2モル当量使用し室温下,酸アミド化反応を行った。嵩高いアミンとしてジフェニルメチルアミン,1−フェニルエチルアミン,1−アダマンチルアミン,ベンジルメチルアミン,ピペリジンなどを取り上げ,結果を表−1に示す。下記,表1においてAは目的とする酸アミド,Bは本発明法において副生する酸無水物由来の酸アミドである。したがって,A/Bが大きな値であれば,副生する酸アミドが僅かであることを示し,化学選択性が高いことを表している。
Figure 2005306833
この結果から本発明の有用性は明らかである。ほとんどの場合で酸アミドが高収率で得られる。嵩高いアミンを用いた場合でも高収率である。また,化学選択性も極めて高く,副反応がほぼ完全に抑えられている。酸無水物におけるニトロ基は,酸アミド化反応を促進させ,室温下での酸アミド化を容易にしている。そして,ベンゼン環の2つのオルト位に置換基を導入することによって,副生物である酸無水物由来の酸アミドの生成が抑制される。これら2つの効果が相乗的に働き,目的とする酸アミドを高収率かつ高純度で得ることができる。
発明の効果
以上のように本発明はカルボン酸とアミンから直接カルボン酸アミドを合成する手法として極めて有用である。ことにMNBAを用いる酸アミド化は室温下,塩基条件下で行なうことができる。しかもほぼ等モルのカルボン酸とアミンから極めて高い収率で目的とするカルボン酸アミドを得ることができる。近年,医薬品を始め生理活性物質の開発において,複雑で不安定な化合物を合成目標として取り上げられることが多くなりつつある。このような複雑で不安定な化合物の酸アミド化において,極めて有用な酸アミド化方法といえる。
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが,これは例示の目的であり,本発明を制限するものではない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者には明らかであろう。
3−フェニル−N−(3−フェニルプロピル)プロピオン酸アミドの合成
3−フェニルプロピオン酸40.0mg(0.266mmol),MNBA 91.6mg(0.266mmol),DMAP59.6mg(0.488mmol),塩化メチレン2.0mlの混合物を室温で5分間攪拌後,これに3−フェニルプロピルアミン30.0mg(0.222mmol),塩化メチレン1.0mlの溶液を加えた。混合物を室温で14時間攪拌後,飽和重曹水を加え,内容物を塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒の留去後得られる残留物を薄層クロマトグラフィーで精製して3−フェニル−N−(3−フェニルプロピル)プロピオン酸アミド54.6mgを得た(収率92%)。
以下に3−フェニル−N−(3−フェニルプロピル)プロピオン酸アミドの主な物性を示す。
Mp57℃;IR(KBr)3260,1640,1540cm−1HNMR(CDCl)δ=7.35−7.10(m,10H),5.46(br s,1H),3.15(dt,J=6.2,7.0Hz,2H),2.85(t,J=7.7Hz,2H),2.48(t,J=7.7Hz,2H),2.34(t,J=7.7Hz,2H),1.67(tt,J=7.0,7.7Hz,2H);13CNMR(CDCl)δ=172.0,141.3,140.7,128.4,128.3,128.2,128.2,126.1,125.8,39.0,38.3,33.1,31.6,30.9;HR MS:calcd.for C1822NO(M+H)268.1701 found 268.1700

Claims (2)

  1. 活性化剤の存在下,下記構造式
    Figure 2005306833
    (ただし,Rはニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,RおよびRはそれぞれ独立にニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲン,水素から選ばれ,Rは水素,アルキル基,脂環,芳香環,ニトロ基,トリフルオロメチル基,シアノ基,ハロゲンから選ばれ,Rはハロゲン,アルキル基,脂環,芳香環から選ばれる)で示されるカルボン酸無水物の存在下,カルボン酸とアミンを反応せしめることを特徴とするカルボン酸アミドの新規製造法。
  2. 活性化剤の存在下,下記構造式
    Figure 2005306833
    で示されるカルボン酸無水物の存在下,カルボン酸とアミンを反応せしめることを特徴とするカルボン酸アミドの新規製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003335731A (ja) * 2002-05-20 2003-11-28 Tokyo Kasei Kogyo Kk 新規カルボン酸無水物,およびそれを用いるエステルならびにラクトンの合成法

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