JP2003334028A - 健康食品 - Google Patents
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- JP2003334028A JP2003334028A JP2002148057A JP2002148057A JP2003334028A JP 2003334028 A JP2003334028 A JP 2003334028A JP 2002148057 A JP2002148057 A JP 2002148057A JP 2002148057 A JP2002148057 A JP 2002148057A JP 2003334028 A JP2003334028 A JP 2003334028A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 血糖値上昇抑制効果に優れた健康食品を提供
すること。 【解決手段】 麦若葉末とサイリウムとを含有する健康
食品を提供する。この健康食品は、それぞれを単独で摂
取した場合には得られない優れた血糖値上昇抑制効果を
有する。
すること。 【解決手段】 麦若葉末とサイリウムとを含有する健康
食品を提供する。この健康食品は、それぞれを単独で摂
取した場合には得られない優れた血糖値上昇抑制効果を
有する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、麦若葉末を含有す
る健康食品に関する。より詳細には、麦若葉末とサイリ
ウムとを含有する健康食品に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、いわゆる健康食品がブームとな
り、生活習慣病の症状を改善するまたは予防するといわ
れる種々の食品が開発されている。しかし、それらの多
くは、単一の食品素材に賦形剤を添加して成型されたも
のである。ところが最近では、複数の食品素材を組み合
わせて、相乗作用を訴求したものが開発され、市販され
るようになってきた。例えば、ビフィズス菌とオリゴ糖
と食物繊維とを配合した健康食品は、相乗的に整腸効果
を奏し、それぞれの成分を単独で用いた際には奏し得な
いほどの高い大腸ガン予防効果があるといわれている。 【0003】このように複数の食品素材を組み合わせた
場合には、上記のように相乗効果が認められる場合もあ
るが、逆に、お互いの効果が相殺されてしまうこともあ
る。 【0004】ところで、近年、特に食事の欧風化に伴
い、糖尿病の罹患率が増加の傾向にある。糖尿病は、イ
ンシュリン依存性と非インシュリン依存性に大別される
が、どちらの場合においても患者の耐糖能が著しく低下
しており、通常の食事を通常の方法で摂取させると血糖
値が急激に上昇し、高血糖症状を呈する。さらに、糖尿
病は、網膜症、腎障害、意識障害などの様々の合併症を
引き起こす原因となる。 【0005】糖尿病の治療には、これまで食事療法およ
び/または投薬治療が実施されている。しかし、食事療
法は、必要とするエネルギー相当分の食事を何回かに分
けて摂取させたり、少糖類の摂取を制限するなど、患者
や家族にとって大きな負担である。さらに、血糖降下剤
などの薬物療法は副作用の懸念があり、長期間の使用は
好ましくない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような状況下、血
糖値上昇抑制効果に優れた健康食品が望まれている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の栄
養成分を豊富に含有する麦若葉末を用いた健康食品につ
いて鋭意検討した結果、麦若葉末とサイリウムとを組み
合わせた健康食品が、それぞれ単独で用いた場合に比べ
て相乗的な血糖値上昇抑制効果を有することを見出し
て、本発明を完成させた。 【0008】すなわち、本発明は、麦若葉末とサイリウ
ムとを含有する健康食品に関する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
健康食品について説明する。なお、以下に説明する構成
は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲
内で種々改変することができるものである。 【0010】本発明の健康食品の必須成分の一つは麦若
葉末である。麦若葉末は、麦若葉を乾燥粉末化して得ら
れる。 【0011】麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食物
繊維などに富み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コ
レステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、ス
ーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の活性化など
の効果を有する健康食品の素材として注目を浴びてい
る。この麦若葉は、直ちに搾汁されて飲用に用いられる
か、あるいはこの搾汁を粉末化した麦若葉搾汁粉末また
は麦若葉を乾燥粉末化した麦若葉末として用いられる場
合が多い。 【0012】麦若葉末と麦若葉搾汁粉末とを比較した場
合、麦若葉に含有される成分を有効に活用できるという
観点からは、食物繊維、ミネラル類などをより多く保持
している麦若葉末の方が、健康食品の素材としてより有
用である。そこで、本発明では麦若葉末が用いられる。 【0013】本発明に用いられる麦若葉末とは、大麦、
小麦、ライ麦、燕麦などの麦類の若葉を粉末にしたもの
をいう。麦若葉末は、例えば、分けつ開始期から出穂開
始期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した麦若葉を
水などで洗浄し、適切な長さ(例えば、10cm)に切
断した後、必要に応じて、素材の変質(緑色の褪色や風
味の変化)を防ぐために、ブランチング(熱水)処理、
マイクロウェーブ処理などを施し、そして水分含量が5
%以下となるように、乾燥し、粉末化して得られる。栄
養分保持の観点からは、ブランチングは短時間であるこ
とが好ましい。また、乾燥は、凍結乾燥、あるいは70
℃以下の低温加熱乾燥(例えば、温風乾燥)であること
が好ましい。 【0014】この方法で得られる麦若葉末は、上記のよ
うに、麦若葉を搾汁することなく、そして、栄養分を損
なわないような条件下で乾燥粉末化しているために、麦
若葉の栄養成分をそのまま含んでいる。 【0015】麦若葉末には、食物繊維が多く含まれ、そ
の大部分は、不溶性食物繊維である。この不溶性食物繊
維は、大腸がん予防効果、腸内環境の改善効果などを有
する。 【0016】本発明の健康食品のもう一つの必須成分
は、サイリウムである。サイリウムとは、オオバコの種
皮に含まれる粘質物を原材料として製造される物質であ
り、整腸効果、血糖値調節効果、血中脂質調節効果など
を有するといわれている。 【0017】本発明の健康食品は、麦若葉末およびサイ
リウムを含有し、これにより、それぞれを単独で摂取し
た場合には得られない相乗的な血糖値上昇抑制効果が得
られる。麦若葉末10重量部に対して、サイリウムを好
ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜80
重量部、さらに好ましくは20〜50重量部配合するこ
とにより、本発明の健康食品が得られる。 【0018】血糖値上昇抑制効果を得るためには、上記
配合比の健康食品を1日あたり5〜30g摂取すること
が好ましい。 【0019】上記の必須成分に加えて、オリゴ糖および
/または乳酸菌を添加しても良い。これにより、麦若葉
末の不溶性食物繊維およびサイリウムと相俟って、相乗
的な整腸効果が得られ、ストレス軽減効果も増強され
る。 【0020】オリゴ糖は、腸内細菌によって資化され、
一般に腸内環境を整備すると考えられている。乳酸菌も
また、オリゴ糖と同様、腸内環境を整備すると考えられ
ている。したがって、これらは、不溶性食物繊維と同じ
機能、すなわち、大腸がん予防効果、腸内環境の改善に
も作用すると考えられる。 【0021】オリゴ糖としては、ラクチュロース、パラ
チノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、
ラフィノース、スタキオース、キシロオリゴ糖、マルト
オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラク
トオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリ
ゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖などが挙げら
れる。 【0022】オリゴ糖の配合量は、10重量部の麦若葉
末に対して、好ましくは、0.5〜50重量部、より好
ましくは1〜10重量部である。 【0023】乳酸菌としては、Lactobacillus acidophi
lus、Lactobacillus casei、Lactobacillus bulgaricu
s、Streptococcus thermophilus、Streptococcus faeca
lis、Streptococcus faecium、Bacillus coagulans、Bi
fidobacterium longum(ビフィズス菌)などが用いられ
る。乳酸菌を用いる場合は、適切な培地で培養後、凍結
乾燥した乳酸菌の乾燥粉末が、水分を与えられた場合に
生育可能となる点で好ましい。 【0024】乳酸菌の配合量は、10重量部の麦若葉末
に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましく
は0.2〜3重量部である。この値は、乾燥粉末として
の値であり、液状のあるいは湿潤状態の乳酸菌を用いる
場合、乾燥重量に換算した値を示す。 【0025】本発明の健康食品は、体内にカルシウムを
供給する目的で、カルシウムを添加し得る。添加するカ
ルシウムとしては、例えば、卵殻カルシウム、サンゴカ
ルシウム、真珠末などの天然物由来のカルシウムが好ま
しく用いられる。さらに、カルシウムの体内吸収を効果
的にするために、還元麦芽糖および/または乳糖を添加
してもよい。 【0026】カルシウムは、10重量部の麦若葉末に対
して、好ましくは0.05〜30重量部、より好ましく
は0.1〜20重量部である。なお、この値は、天然物
由来のカルシウムをカルシウム換算した値である。 【0027】還元麦芽糖および/または乳糖は、10重
量部のカルシウムに対して、好ましくは10〜300重
量部、より好ましくは10〜200重量部である。 【0028】本発明の健康食品には、その他にも、高血
圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病、胃腸病、アレルギー、骨
粗鬆症、便秘、疲労、肌の老化、貧血、精力減退、脳血
管疾患、心血管疾患などを予防したり、それらの症状を
和らげることが知られている当業者が通常用いる食品素
材を添加することができる。 【0029】上記のようにして配合された健康食品は、
そのまま用いられるか、あるいは賦形剤、増量剤、結合
剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味
料などと混合され得る。例えば、栄養補助剤として、ロ
ーヤルゼリー、ビタミン類、プロテイン、キトサン、レ
シチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加え、味
を整えることができる。そしてこれらは、必要に応じ
て、ハードカプセル、ソフトカプセルのようなカプセル
剤、錠剤、もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒
状、飴状などの形状に成形され得る。そしてこれらは、
その形状または好みに応じて、そのまま食されても良い
し、水、お湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。 【0030】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。 【0031】(麦若葉末の調製例)背丈が約30〜40
cmで刈り取った大麦若葉を水洗いし、付着した泥など
を除去した。この麦若葉を、約10cm程度に切断し、
その10kgを水100リットルに投入、浸漬し、90
〜100℃にて3分間加熱(ブランチング処理)した。 【0032】次いで、ブランチング処理した麦若葉を、
直ちに4℃の冷水にて1分間浸漬し、冷却した。続い
て、冷却した麦若葉を30秒間遠心分離して脱水した。
脱水した麦若葉を、水分量が5%以下となるように乾燥
機中、60℃にて10時間温風乾燥した後、粉砕機によ
って、200メッシュを90%が通過する程度に粉砕
し、ブランチング処理した麦若葉末を得た。 【0033】(実施例1) (飼料の調製)上記方法で調製した麦若葉末とサイリウ
ム(サイリウム種皮、株式会社シキボウ社製)とを重量
比3:7で混合し、さらに表1に記載の成分を表1の割
合で配合して飼料を調製した。なお、配合飼料中、ビタ
ミン混合物およびミネラル混合物は、AIN−76処方
である。 【0034】(比較例1および2)上記の麦若葉末とサ
イリウムとの混合物の代わりに、比較例1は麦若葉末の
みおよび比較例2はサイリウムのみを用いた。それ以外
は、実施例1と同様にして飼料を調製した。表1に飼料
の配合比(重量比)を併せて示す。 【0035】(血糖値上昇抑制効果の評価)各群5匹か
らなる、6週齢のSDラット群に、糖尿病を発症させる
ために、エーテル麻酔下、頚静脈よりストレプトゾトシ
ン(STZ)を50mg/kg体重で投与し、表1記載
の飼料をそれぞれ14日間自由摂取させた。次いで、1
6時間絶食後、再度、同じ飼料を5g摂取させた。5時
間後、飼料がすべて摂取されたことを確認し、各ラット
の尾静脈より採血し、血糖値を測定した。結果を表1に
示す。なお、表中の数値は、各群5匹から得られた値の
平均値±標準誤差を示す。 【0036】 【表1】 【0037】表1の結果は、麦若葉末とサイリウムとを
含む実施例1が、それぞれを単独で摂取する比較例より
も、血糖値の上昇を抑制することを示す。すなわち、麦
若葉末とサイリウムとを含有する健康食品の摂取は、そ
れぞれを単独で摂取した場合には得られない相乗的な血
糖値上昇抑制効果を有する。 【0038】(実施例2)上記方法で調製した1kgの
麦若葉末と2kgのサイリウムとを混合した後、さらに
20gの乳酸菌末(ストレプトコッカス・フェカリス)
および100gのガラクトオリゴ糖を混合して、本発明
の健康食品を調製した。この健康食品は、相乗的な血糖
値上昇抑制効果を有し、さらに相乗的な整腸効果を有す
る。 【0039】(実施例3)上記方法で調製した1kgの
麦若葉末と2kgのサイリウムとを混合した後、さらに
10gの卵殻カルシウムおよび200gの還元麦芽糖を
混合して、本発明の健康食品を調製した。この健康食品
は、相乗的な血糖値上昇抑制効果を有し、さらに体内に
積極的にカルシウムを補給することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明の、麦若葉末とサイリウムとを含
有する健康食品は、それぞれを単独で摂取した場合には
得られない優れた血糖値上昇抑制効果を有する。
る健康食品に関する。より詳細には、麦若葉末とサイリ
ウムとを含有する健康食品に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、いわゆる健康食品がブームとな
り、生活習慣病の症状を改善するまたは予防するといわ
れる種々の食品が開発されている。しかし、それらの多
くは、単一の食品素材に賦形剤を添加して成型されたも
のである。ところが最近では、複数の食品素材を組み合
わせて、相乗作用を訴求したものが開発され、市販され
るようになってきた。例えば、ビフィズス菌とオリゴ糖
と食物繊維とを配合した健康食品は、相乗的に整腸効果
を奏し、それぞれの成分を単独で用いた際には奏し得な
いほどの高い大腸ガン予防効果があるといわれている。 【0003】このように複数の食品素材を組み合わせた
場合には、上記のように相乗効果が認められる場合もあ
るが、逆に、お互いの効果が相殺されてしまうこともあ
る。 【0004】ところで、近年、特に食事の欧風化に伴
い、糖尿病の罹患率が増加の傾向にある。糖尿病は、イ
ンシュリン依存性と非インシュリン依存性に大別される
が、どちらの場合においても患者の耐糖能が著しく低下
しており、通常の食事を通常の方法で摂取させると血糖
値が急激に上昇し、高血糖症状を呈する。さらに、糖尿
病は、網膜症、腎障害、意識障害などの様々の合併症を
引き起こす原因となる。 【0005】糖尿病の治療には、これまで食事療法およ
び/または投薬治療が実施されている。しかし、食事療
法は、必要とするエネルギー相当分の食事を何回かに分
けて摂取させたり、少糖類の摂取を制限するなど、患者
や家族にとって大きな負担である。さらに、血糖降下剤
などの薬物療法は副作用の懸念があり、長期間の使用は
好ましくない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような状況下、血
糖値上昇抑制効果に優れた健康食品が望まれている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の栄
養成分を豊富に含有する麦若葉末を用いた健康食品につ
いて鋭意検討した結果、麦若葉末とサイリウムとを組み
合わせた健康食品が、それぞれ単独で用いた場合に比べ
て相乗的な血糖値上昇抑制効果を有することを見出し
て、本発明を完成させた。 【0008】すなわち、本発明は、麦若葉末とサイリウ
ムとを含有する健康食品に関する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
健康食品について説明する。なお、以下に説明する構成
は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲
内で種々改変することができるものである。 【0010】本発明の健康食品の必須成分の一つは麦若
葉末である。麦若葉末は、麦若葉を乾燥粉末化して得ら
れる。 【0011】麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食物
繊維などに富み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コ
レステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、ス
ーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の活性化など
の効果を有する健康食品の素材として注目を浴びてい
る。この麦若葉は、直ちに搾汁されて飲用に用いられる
か、あるいはこの搾汁を粉末化した麦若葉搾汁粉末また
は麦若葉を乾燥粉末化した麦若葉末として用いられる場
合が多い。 【0012】麦若葉末と麦若葉搾汁粉末とを比較した場
合、麦若葉に含有される成分を有効に活用できるという
観点からは、食物繊維、ミネラル類などをより多く保持
している麦若葉末の方が、健康食品の素材としてより有
用である。そこで、本発明では麦若葉末が用いられる。 【0013】本発明に用いられる麦若葉末とは、大麦、
小麦、ライ麦、燕麦などの麦類の若葉を粉末にしたもの
をいう。麦若葉末は、例えば、分けつ開始期から出穂開
始期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した麦若葉を
水などで洗浄し、適切な長さ(例えば、10cm)に切
断した後、必要に応じて、素材の変質(緑色の褪色や風
味の変化)を防ぐために、ブランチング(熱水)処理、
マイクロウェーブ処理などを施し、そして水分含量が5
%以下となるように、乾燥し、粉末化して得られる。栄
養分保持の観点からは、ブランチングは短時間であるこ
とが好ましい。また、乾燥は、凍結乾燥、あるいは70
℃以下の低温加熱乾燥(例えば、温風乾燥)であること
が好ましい。 【0014】この方法で得られる麦若葉末は、上記のよ
うに、麦若葉を搾汁することなく、そして、栄養分を損
なわないような条件下で乾燥粉末化しているために、麦
若葉の栄養成分をそのまま含んでいる。 【0015】麦若葉末には、食物繊維が多く含まれ、そ
の大部分は、不溶性食物繊維である。この不溶性食物繊
維は、大腸がん予防効果、腸内環境の改善効果などを有
する。 【0016】本発明の健康食品のもう一つの必須成分
は、サイリウムである。サイリウムとは、オオバコの種
皮に含まれる粘質物を原材料として製造される物質であ
り、整腸効果、血糖値調節効果、血中脂質調節効果など
を有するといわれている。 【0017】本発明の健康食品は、麦若葉末およびサイ
リウムを含有し、これにより、それぞれを単独で摂取し
た場合には得られない相乗的な血糖値上昇抑制効果が得
られる。麦若葉末10重量部に対して、サイリウムを好
ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜80
重量部、さらに好ましくは20〜50重量部配合するこ
とにより、本発明の健康食品が得られる。 【0018】血糖値上昇抑制効果を得るためには、上記
配合比の健康食品を1日あたり5〜30g摂取すること
が好ましい。 【0019】上記の必須成分に加えて、オリゴ糖および
/または乳酸菌を添加しても良い。これにより、麦若葉
末の不溶性食物繊維およびサイリウムと相俟って、相乗
的な整腸効果が得られ、ストレス軽減効果も増強され
る。 【0020】オリゴ糖は、腸内細菌によって資化され、
一般に腸内環境を整備すると考えられている。乳酸菌も
また、オリゴ糖と同様、腸内環境を整備すると考えられ
ている。したがって、これらは、不溶性食物繊維と同じ
機能、すなわち、大腸がん予防効果、腸内環境の改善に
も作用すると考えられる。 【0021】オリゴ糖としては、ラクチュロース、パラ
チノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、
ラフィノース、スタキオース、キシロオリゴ糖、マルト
オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラク
トオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリ
ゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖などが挙げら
れる。 【0022】オリゴ糖の配合量は、10重量部の麦若葉
末に対して、好ましくは、0.5〜50重量部、より好
ましくは1〜10重量部である。 【0023】乳酸菌としては、Lactobacillus acidophi
lus、Lactobacillus casei、Lactobacillus bulgaricu
s、Streptococcus thermophilus、Streptococcus faeca
lis、Streptococcus faecium、Bacillus coagulans、Bi
fidobacterium longum(ビフィズス菌)などが用いられ
る。乳酸菌を用いる場合は、適切な培地で培養後、凍結
乾燥した乳酸菌の乾燥粉末が、水分を与えられた場合に
生育可能となる点で好ましい。 【0024】乳酸菌の配合量は、10重量部の麦若葉末
に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましく
は0.2〜3重量部である。この値は、乾燥粉末として
の値であり、液状のあるいは湿潤状態の乳酸菌を用いる
場合、乾燥重量に換算した値を示す。 【0025】本発明の健康食品は、体内にカルシウムを
供給する目的で、カルシウムを添加し得る。添加するカ
ルシウムとしては、例えば、卵殻カルシウム、サンゴカ
ルシウム、真珠末などの天然物由来のカルシウムが好ま
しく用いられる。さらに、カルシウムの体内吸収を効果
的にするために、還元麦芽糖および/または乳糖を添加
してもよい。 【0026】カルシウムは、10重量部の麦若葉末に対
して、好ましくは0.05〜30重量部、より好ましく
は0.1〜20重量部である。なお、この値は、天然物
由来のカルシウムをカルシウム換算した値である。 【0027】還元麦芽糖および/または乳糖は、10重
量部のカルシウムに対して、好ましくは10〜300重
量部、より好ましくは10〜200重量部である。 【0028】本発明の健康食品には、その他にも、高血
圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病、胃腸病、アレルギー、骨
粗鬆症、便秘、疲労、肌の老化、貧血、精力減退、脳血
管疾患、心血管疾患などを予防したり、それらの症状を
和らげることが知られている当業者が通常用いる食品素
材を添加することができる。 【0029】上記のようにして配合された健康食品は、
そのまま用いられるか、あるいは賦形剤、増量剤、結合
剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味
料などと混合され得る。例えば、栄養補助剤として、ロ
ーヤルゼリー、ビタミン類、プロテイン、キトサン、レ
シチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加え、味
を整えることができる。そしてこれらは、必要に応じ
て、ハードカプセル、ソフトカプセルのようなカプセル
剤、錠剤、もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒
状、飴状などの形状に成形され得る。そしてこれらは、
その形状または好みに応じて、そのまま食されても良い
し、水、お湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。 【0030】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。 【0031】(麦若葉末の調製例)背丈が約30〜40
cmで刈り取った大麦若葉を水洗いし、付着した泥など
を除去した。この麦若葉を、約10cm程度に切断し、
その10kgを水100リットルに投入、浸漬し、90
〜100℃にて3分間加熱(ブランチング処理)した。 【0032】次いで、ブランチング処理した麦若葉を、
直ちに4℃の冷水にて1分間浸漬し、冷却した。続い
て、冷却した麦若葉を30秒間遠心分離して脱水した。
脱水した麦若葉を、水分量が5%以下となるように乾燥
機中、60℃にて10時間温風乾燥した後、粉砕機によ
って、200メッシュを90%が通過する程度に粉砕
し、ブランチング処理した麦若葉末を得た。 【0033】(実施例1) (飼料の調製)上記方法で調製した麦若葉末とサイリウ
ム(サイリウム種皮、株式会社シキボウ社製)とを重量
比3:7で混合し、さらに表1に記載の成分を表1の割
合で配合して飼料を調製した。なお、配合飼料中、ビタ
ミン混合物およびミネラル混合物は、AIN−76処方
である。 【0034】(比較例1および2)上記の麦若葉末とサ
イリウムとの混合物の代わりに、比較例1は麦若葉末の
みおよび比較例2はサイリウムのみを用いた。それ以外
は、実施例1と同様にして飼料を調製した。表1に飼料
の配合比(重量比)を併せて示す。 【0035】(血糖値上昇抑制効果の評価)各群5匹か
らなる、6週齢のSDラット群に、糖尿病を発症させる
ために、エーテル麻酔下、頚静脈よりストレプトゾトシ
ン(STZ)を50mg/kg体重で投与し、表1記載
の飼料をそれぞれ14日間自由摂取させた。次いで、1
6時間絶食後、再度、同じ飼料を5g摂取させた。5時
間後、飼料がすべて摂取されたことを確認し、各ラット
の尾静脈より採血し、血糖値を測定した。結果を表1に
示す。なお、表中の数値は、各群5匹から得られた値の
平均値±標準誤差を示す。 【0036】 【表1】 【0037】表1の結果は、麦若葉末とサイリウムとを
含む実施例1が、それぞれを単独で摂取する比較例より
も、血糖値の上昇を抑制することを示す。すなわち、麦
若葉末とサイリウムとを含有する健康食品の摂取は、そ
れぞれを単独で摂取した場合には得られない相乗的な血
糖値上昇抑制効果を有する。 【0038】(実施例2)上記方法で調製した1kgの
麦若葉末と2kgのサイリウムとを混合した後、さらに
20gの乳酸菌末(ストレプトコッカス・フェカリス)
および100gのガラクトオリゴ糖を混合して、本発明
の健康食品を調製した。この健康食品は、相乗的な血糖
値上昇抑制効果を有し、さらに相乗的な整腸効果を有す
る。 【0039】(実施例3)上記方法で調製した1kgの
麦若葉末と2kgのサイリウムとを混合した後、さらに
10gの卵殻カルシウムおよび200gの還元麦芽糖を
混合して、本発明の健康食品を調製した。この健康食品
は、相乗的な血糖値上昇抑制効果を有し、さらに体内に
積極的にカルシウムを補給することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明の、麦若葉末とサイリウムとを含
有する健康食品は、それぞれを単独で摂取した場合には
得られない優れた血糖値上昇抑制効果を有する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 麦若葉末とサイリウムとを含有する健康
食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002148057A JP2003334028A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 健康食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002148057A JP2003334028A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 健康食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003334028A true JP2003334028A (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=29706195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002148057A Pending JP2003334028A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 健康食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003334028A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013031426A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-02-14 | Toyo Shinyaku Co Ltd | 乳酸菌増殖用組成物、乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法 |
JP2014233277A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 株式会社バスクリン | 飲料用組成物およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-05-22 JP JP2002148057A patent/JP2003334028A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013031426A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-02-14 | Toyo Shinyaku Co Ltd | 乳酸菌増殖用組成物、乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法 |
JP2014110812A (ja) * | 2011-06-28 | 2014-06-19 | Toyo Shinyaku Co Ltd | 乳酸菌増殖用組成物、乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法 |
JP2014233277A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 株式会社バスクリン | 飲料用組成物およびその製造方法 |
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