JP2003331917A - 電気化学ディバイス用部材の腐食抑制方法及び電池 - Google Patents

電気化学ディバイス用部材の腐食抑制方法及び電池

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JP2003331917A JP2002137467A JP2002137467A JP2003331917A JP 2003331917 A JP2003331917 A JP 2003331917A JP 2002137467 A JP2002137467 A JP 2002137467A JP 2002137467 A JP2002137467 A JP 2002137467A JP 2003331917 A JP2003331917 A JP 2003331917A
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Mikihiro Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LiPF6を電解質として使用したリチウム
電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の
非水電解液電気化学ディバイス用部材の腐食抑制方法及
び電池を提供する。 【解決手段】 LiPF6を電解質として用いる電気化
学ディバイスにおいて、LiPF6に対して0.001
〜10mol%の範囲で一般式(1)で示される化学構
造式よりなる化合物のうち少なくとも一つを添加する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LiPF6を電解
質として使用したリチウム電池、リチウムイオン電池、
電気二重層キャパシタ等の非水電解液電気化学ディバイ
ス用部材の腐食抑制方法及び電池に関する。
【0002】
【従来技術】近年の携帯機器の発展に伴い、その電源と
して電池やキャパシタのような電気化学的現象を利用し
た電気化学ディバイスの開発が盛んに行われるようにな
った。また、電源以外の電気化学ディバイスとしては、
電気化学反応により色の変化が起こるエレクトロクロミ
ックディスプレイ(ECD)が挙げられる。
【0003】これらの電気化学ディバイスは、一般に一
対の電極とその間を満たすイオン伝導体から構成され
る。このイオン伝導体には、溶媒、高分子またはそれら
の混合物中に電解質と呼ばれるカチオン(A+)とアニ
オン(B-)からなる塩類(AB)を溶解したものが用
いられる。この電解質は、溶解することにより、カチオ
ンとアニオンに解離して、イオン伝導する。ディバイス
に必要なイオン伝導度を得るためには、この電解質が溶
媒や高分子に十分な量溶解することが必要である。実際
は水以外のものを溶媒として用いる場合が多く、このよ
うな有機溶媒や高分子に十分な溶解度を持つ電解質は現
状では数種類に限定される。例えば、リチウム電池用電
解質としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4
LiAsF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2
252 、LiN(SO2CF3)(SO249)、
およびLiCF3SO3のみである。カチオンの部分は、
リチウム電池のリチウムイオンのように、ディバイスに
より決まっているものが多いが、アニオンの部分は、溶
解性が高いという条件を満たせば使用可能である。現在
ではアニオン部としてPF6を持ったものが広く実用化
されているが、系内に微量に混入した水分により加水分
解し、フッ化水素を発生するという問題点を有する。最
近ではディバイスの外装に金属材やアルミラミネートを
用いるものが多いが、ここで発生するフッ化水素により
腐食され、特にアルミラミネート外装のものは容易に漏
液等の事故に繋がる。そのためにアルミラミネートシー
トに防食のための表面処理などを施すことで対策をとっ
ているが、長期の使用においてはその効果も十分ではな
い。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
従来技術の問題点に鑑み鋭意検討の結果、ある特定の添
加剤を加えることにより腐食を防止する方法を見出し本
発明に到達したものである。
【0005】すなわち本発明は、LiPF6を電解質と
して用いる電気化学ディバイスにおいて、LiPF6
に対して0.001〜10mol%の範囲で一般式
(1)で示される化学構造式よりなる化合物のうち少な
くとも一つを添加することを特徴とする非水電解液電気
化学ディバイス用部材の腐食抑制方法で、
【0006】
【化2】
【0007】ただし、Mは、遷移金属、周期律表の III
族、IV族、またはV族元素、Aa+は、金属イオン、水素
イオン、またはオニウムイオン、aは、1〜3、bは、
1〜3、pは、b/a、mは、1〜4、nは、0〜8、
qは、0または1をそれぞれ表し、R1は、C1〜C10
アルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C4
20のアリーレン、またはC4〜C20のハロゲン化アリ
ーレン(これらのアルキレン及びアリーレンはその構造
中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またm個存在
するR1はそれぞれが結合してもよい。)、R2は、ハロ
ゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化ア
ルキル、C4〜C20のアリール、C4〜C2 0のハロゲン化
アリール、またはX33(これらのアルキル及びアリー
ルその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、ま
たn個存在するR2はそれぞれが結合して環を形成して
もよい。)、X1、X2、X3は、O、S、またはNR4
3、R4は、それぞれ独立で、水素、C1〜C10のアル
キル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C4〜C20のア
リール、C4〜C20のハロゲン化アリール(これらのア
ルキル及びアリールその構造中に置換基、ヘテロ原子を
持ってもよく、また複数個存在するR3、R4はそれぞれ
が結合して環を形成してもよい。)をそれぞれ表し、ま
た、これらの方法を施すことにより部材の腐食が抑制さ
れた電池を提供するものである。
【0008】なお、本発明で用いるアルキル、ハロゲン
化アルキル、アリール、ハロゲン化アリールは、分岐や
水酸基、エーテル結合等の他の官能基を持つものも含
む。
【0009】以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0010】ここで、まず本発明で使用される一般式
(1)で示される化合物の具体例を次に示す。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】ここではAa+としてリチウムイオンを挙げ
ているが、リチウムイオン以外のカチオンとして、例え
ば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウム
イオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、セシウム
イオン、銀イオン、亜鉛イオン、銅イオン、コバルトイ
オン、鉄イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、チ
タンイオン、鉛イオン、クロムイオン、バナジウムイオ
ン、ルテニウムイオン、イットリウムイオン、ランタノ
イドイオン、アクチノイドイオン、テトラブチルアンモ
ニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テト
ラメチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモ
ニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジ
ニウムイオン、イミダゾリウムイオン、水素イオン、テ
トラエチルホスホニウムイオン、テトラメチルホスホニ
ウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリ
フェニルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウム
イオン、等も利用される。
【0016】電気化学的なディバイス等の用途を考慮し
た場合、リチウムイオン、テトラアルキルアンモニウム
イオン、プロトンが好ましい。Aa+のカチオンの価数a
は、1から3が好ましい。3より大きい場合、結晶格子
エネルギーが大きくなるため、溶媒に溶解することが困
難になるという問題が起こる。そのため溶解度を必要と
する場合は1がより好ましい。アニオンの価数bも同様
に1から3が好ましく、特に1がより好ましい。カチオ
ンとアニオンの比を表す定数pは、両者の価数の比b/
aで必然的に決まってくる。
【0017】本発明で用いる一般式(1)の化合物は、
イオン性金属錯体構造を採っており、その中心となるM
は、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、またはV族元素
から選ばれる。好ましくは、Al、B、V、Ti、S
i、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、
Ta、Bi、P、As、Sc、Hf、またはSbのいず
れかであり、さらに好ましくは、Al、B、またはPで
ある。種々の元素を中心のMとして利用することは可能
であるが、Al、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、S
n、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、A
s、Sc、Hf、またはSbの場合、比較的合成も容易
であり、さらにAl、B、またはPの場合、合成の容易
性のほか、低毒性、安定性、コストとあらゆる面で優れ
た特性を有する。
【0018】次に、本発明で用いる化合物(イオン性金
属錯体)の特徴となる配位子の部分について説明する。
以下、ここではMに結合している有機または無機の部分
を配位子と呼ぶ。
【0019】一般式(1)中のR1は、C1〜C10のアル
キレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C4〜C20
のアリーレン、またはC4〜C20のハロゲン化アリーレ
ンから選ばれるものよりなるが、これらのアルキレン及
びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持っ
てもよい。具体的には、アルキレン及びアリーレン上の
水素の代わりにハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、
アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル
基、アシル基、アミド基、水酸基、また、アルキレン及
びアリーレン上の炭素の代わりに、窒素、イオウ、酸素
が導入された構造等を挙げることができる。さらには、
複数存在するR1はそれぞれが結合してもよく、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げるこ
とができる。
【0020】R2は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、
1〜C10のハロゲン化アルキル、C4〜C20のアリー
ル、C4〜C20のハロゲン化アリール、またはX33
より選ばれるものからなるが、これらもR1と同様にア
ルキル及びアリールその構造中に置換基、ヘテロ原子を
持ってもよく、また複数個存在するR2はそれぞれが結
合して環を形成してもよく、好ましくは電子吸引性の基
がよく、特にフッ素がよい。R2がフッ素の場合、溶解
度の向上する。
【0021】X1、X2、X3は、それぞれ独立で、O、
S、またはNR4であり、これらのヘテロ原子を介して
配位子がMに結合する。ここで、O、S、N以外で結合
することは、不可能ではないが合成上非常に煩雑なもの
となる。この化合物の特徴として同一の配位子内にX1
とX2によるMとの結合があるため、これらの配位子が
Mとキレート構造を構成している。このキレートの効果
により、この化合物の耐熱性、化学的安定性、耐加水分
解性が向上している。この配位子中の定数qは0または
1であるが、特に、0の場合はこのキレートリングが五
員環になるため、キレート効果が最も強く発揮され安定
性が増すため好ましい。
【0022】R3、R4は、それぞれ独立で、水素、C1
〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、
4〜C20のアリール、C4〜C20のハロゲン化アリール
で、これらのアルキル及びアリールその構造中に置換
基、ヘテロ原子を持ってもよく、また複数個存在するR
3、R4はそれぞれが結合して環を形成してもよい。
【0023】また、ここまでに説明した配位子の数に関
係する定数mおよびnは、中心のMの種類によって決ま
ってくるものであるが、mは1から4、nは0から8が
好ましい。
【0024】これらの一般式(1)で示される化合物を
LiPF6と混合する方法により電気化学ディバイス用
部材の腐食抑制する。LiPF6は、ディバイスの内部
への極微量の水分の混入によりアニオンが加水分解を受
けてフッ化水素を発生し、ディバイスの外装に用いる金
属やアルミラミネートを腐食する。また、このフッ化水
素は電極活物質との反応によりディバイスの性能及び寿
命を悪化させる。本発明では、LiPF6と一般式
(1)の化合物を混合して使用することでこの発生した
フッ化水素をトラップし、腐食及び性能、寿命の悪化を
抑制することが可能となった。その原理の詳細は明らか
ではないが、一般式(1)の化合物とフッ化水素が速や
かに反応し、無害化しているものと推測される。
【0025】これらの電解質と化合物の使用割合は電気
化学ディバイスの特性や腐食防止効果を考慮すると、添
加剤の濃度が電解質に対して、0.001〜10mol
%、好ましくは0.01〜1mol%の範囲である。該
化合物の添加量が0.001mol%より少ない場合
は、フッ化水素の吸収力が小さいため、腐食抑制効果が
小さい上にサイクル特性、保存安定性が悪くなる。ま
た、10mol%より大きい場合は、該化合物の電極表
面上での分解等の副反応によりガス発生等が起こる。
【0026】本発明の化合物を応用する電気化学ディバ
イスの基本構成要素としては、イオン伝導体、負極、正
極、集電体、セパレーターおよび容器等から成る。
【0027】イオン伝導体としては、電解質と非水系溶
媒又はポリマーの混合物が用いられる。非水系溶媒を用
いれば、一般にこのイオン伝導体は電解液と呼ばれ、ポ
リマーを用いれば、ポリマー固体電解質と呼ばれるもの
になる。ポリマー固体電解質には可塑剤として非水系溶
媒を含有するものをゲル電解質と呼ぶ。
【0028】非水溶媒としては、本発明で用いる化合物
及び電解質を溶解できる非プロトン性の溶媒であれば特
に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、
エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、ア
ミド類、スルホン類等が使用できる。また、単一の溶媒
だけでなく、二種類以上の混合溶媒でもよい。好ましく
は誘電率が20以上の非プロトン性の溶媒と誘電率が1
0以下の非プロトン性溶媒からなる混合溶媒がよい。具
体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニト
ロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトン等
を挙げることができる。
【0029】また、電解質に混合するポリマーとして
は、該化合物を溶解できる非プロトン性のポリマーであ
れば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレ
ンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー、ポリビニ
リデンフロライドのホモポリマーまたはコポリマー、メ
タクリル酸エステルポリマー、ポリアクリロニトリルな
どが挙げられる。これらのポリマーに可塑剤を加える場
合は、上記の非プロトン性非水溶媒が使用可能である。
これらのイオン伝導体中における電解質濃度は、0.1
mol/dm3以上、飽和濃度以下、好ましくは、0.
5mol/dm3以上、2.5mol/dm3以下であ
る。0.1mol/dm3より濃度が低いとイオン伝導
度が低いため好ましくない。
【0030】負極材料としては、特に限定されないが、
リチウム電池の場合、リチウム金属やリチウムと他の金
属との合金が使用される。また、リチウムイオン電池の
場合、ポリマー、有機物、ピッチ等をを焼成して得られ
たカーボンや天然黒鉛、金属酸化物等のインターカレー
ションと呼ばれる現象を利用した材料が使用される。電
気二重層キャパシタの場合、活性炭、多孔質金属酸化
物、多孔質金属、導電性ポリマー等が用いられる。
【0031】正極材料としては、特に限定されないが、
リチウム電池及びリチウムイオン電池の場合、例えば、
LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiMn
2 4 等のリチウム含有酸化物、TiO2 、V25
MoO3 等の酸化物、TiS 2 、FeS等の硫化物、あ
るいはポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニ
リン、およびポリピロール等の導電性高分子が使用され
る。電気二重層キャパシタの場合、活性炭、多孔質金属
酸化物、多孔質金属、導電性ポリマー等が用いられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により限定されるものでは
ない。
【0033】実施例1 エチレンカーボネート50vol%とジメチルカーボネ
ート50vol%の混合溶媒中にLiPF6を1.0m
ol/lの濃度で溶解した溶液を調製した。この溶液中
に、
【0034】
【化7】
【0035】の構造を有するホウ酸リチウム誘導体を
0.01mol/lとなるように添加した電解液を調製
した。
【0036】この電解液を用いて次の手順のようにアル
ミラミネートの腐食試験を実施した。まず、この電解液
10ml及び1cm角のアルミラミネート試験片をフッ
素樹脂製ボトルに入れ密栓した。これを60℃の高温槽
に静置してアルミラミネートの状態を観察した。その結
果、2週間後においてもアルミラミネートに変化は見ら
れず、全く腐食されていなかった。
【0037】次に、この電解液を用いてLiCoO2
正極材料、天然黒鉛を負極材料としてセルを作製し、実
際に電池の充放電試験を実施した。試験用セルは以下の
ように作製した。
【0038】LiCoO2粉末90重量部に、バインダ
ーとして5重量部のポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、導電材としてアセチレンブラックを5重量部混合
し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、ペ
ースト状にした。このペーストをアルミニウム箔上に塗
布して、乾燥させることにより、試験用正極体とした。
また、天然黒鉛粉末90重量部に、バインダーとして1
0重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合
し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、ス
ラリー状にした。このスラリーを銅箔上に塗布して、1
50℃で12時間乾燥させることにより、試験用負極体
とした。そして、ポリエチレン製セパレータに電解液を
浸み込ませてセルを組み立てた。
【0039】以下のような条件で定電流充放電試験を実
施した。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cm
2 で行い、充電は、4.2V、放電は、3.0Vまで、
試験温度は70℃で行った。その結果、500回充放電
を繰り返したが500回目の容量は初回の80%という
結果が得られた。
【0040】実施例2 エチレンカーボネート50vol%とジエチルカーボネ
ート50vol%の混合溶媒中にLiPF6を1.0m
ol/lの濃度で溶解した溶液を調製した。この溶液中
に実施例1と同様の構造を有するホウ酸リチウム誘導体
を0.00001mol/lとなるように添加した電解
液を調製した。
【0041】この電解液を用いて実施例1と同様のアル
ミラミネートの腐食試験を実施した。その結果、2週間
後においてもアルミラミネートに変化は見られず、全く
腐食されていなかった。
【0042】実施例3 エチレンカーボネート50vol%とエチルメチルカー
ボネート50vol%の混合溶媒中にLiPF6を1.
0mol/lの濃度で溶解した溶液を調製した。この溶
液中に、
【0043】
【化8】
【0044】の構造を有するリン酸リチウム誘導体を
0.01mol/lとなるように添加した電解液を調製
した。
【0045】この電解液を用いて実施例1と同様のアル
ミラミネートの腐食試験を実施した。その結果、2週間
後においてもアルミラミネートに変化は見られず、全く
腐食されていなかった。
【0046】比較例1 エチレンカーボネート50vol%とジメチルカーボネ
ート50vol%の混合溶媒中にLiPF6を1.0m
ol/lを溶解した電解液を調製した。
【0047】この電解液を用いて実施例1と同様のアル
ミラミネートの腐食試験を実施した。その結果、1日後
にアルミラミネートのアルミニウム層の部分と樹脂層の
部分が剥離した。
【0048】
【発明の効果】本発明の腐食抑制法によれば、電解液中
に該化合物を混合するだけでリチウム電池、リチウムイ
オン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学ディバイ
スの腐食を容易に抑制できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 幹弘 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 磯野 芳美 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 5H011 AA02 CC02 CC06 CC10 KK02 5H029 AJ13 AK02 AK03 AK05 AK16 AL02 AL06 AL07 AL12 AL15 AL16 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 DJ02 DJ09 EJ04 EJ12 HJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiPF6を電解質として用いる電気化
    学ディバイスにおいて、LiPF6に対して0.001
    〜10mol%の範囲で一般式(1)で示される化学構
    造式よりなる化合物のうち少なくとも一つを添加するこ
    とを特徴とする電気化学ディバイス用部材の腐食抑制方
    法。 【化1】 ただし、Mは、遷移金属、周期律表の III族、IV族、ま
    たはV族元素、Aa+は、金属イオン、水素イオン、また
    はオニウムイオン、aは、1〜3、bは、1〜3、p
    は、b/a、mは、1〜4、nは、0〜8、qは、0ま
    たは1をそれぞれ表し、R1は、C1〜C10のアルキレ
    ン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C4〜C20のア
    リーレン、またはC4〜C20のハロゲン化アリーレン
    (これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置
    換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またm個存在するR
    1はそれぞれが結合してもよい。)、R2は、ハロゲン、
    1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキ
    ル、C4〜C20のアリール、C4〜C20のハロゲン化アリ
    ール、またはX33(これらのアルキル及びアリールそ
    の構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またn
    個存在するR2はそれぞれが結合して環を形成してもよ
    い。)、X1、X2、X3は、O、S、またはNR4
    3、R4は、それぞれ独立で、水素、C1〜C10のアル
    キル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C4〜C20のア
    リール、C4〜C20のハロゲン化アリール(これらのア
    ルキル及びアリールその構造中に置換基、ヘテロ原子を
    持ってもよく、また複数個存在するR3、R4はそれぞれ
    が結合して環を形成してもよい。)をそれぞれ表す。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法で処理された電解
    液またはゲル電解質を含む電池であって、少なくとも正
    極、負極、該電解液または該ゲル電解質からなる電池。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電池において、該電池
    の外装にアルミラミネートフィルムを使用したことを特
    徴とする請求項2に記載の電池。
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