JP3712358B2 - 電気化学ディバイス用電解質、その電解液または固体電解質並びに電池 - Google Patents

電気化学ディバイス用電解質、その電解液または固体電解質並びに電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学ディバイス用として利用される優れたサイクル特性を示す電解質、電解液または固体電解質、及びそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来技術】
近年の携帯機器の発展に伴い、その電源として電池やキャパシタのような電気化学的現象を利用した電気化学ディバイスの開発が盛んに行われるようになった。また、電源以外の電気化学ディバイスとしては、電気化学反応により色の変化が起こるエレクトロクロミックディスプレイ(ECD)が挙げられる。
【0003】
これらの電気化学ディバイスは、一般に一対の電極とその間を満たすイオン伝導体から構成される。このイオン伝導体には、溶媒、高分子またはそれらの混合物中に電解質と呼ばれるカチオン(A+)とアニオン(B-)からなる塩類(AB)を溶解したものが用いられる。この電解質は溶解することにより、カチオンとアニオンに解離して、イオン伝導する。ディバイスに必要なイオン伝導度を得るためには、この電解質が溶媒や高分子に十分な量溶解することが必要である。実際は水以外のものを溶媒として用いる場合が多く、このような有機溶媒や高分子に十分な溶解度を持つ電解質は現状では数種類に限定される。例えば、リチウム電池用電解質としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4 、LiAsF6、LiN(CF3SO22およびLiCF3SO3のみである。カチオンの部分はリチウム電池のリチウムイオンのように、ディバイスにより決まっているものが多いが、アニオンの部分は溶解性が高いという条件を満たせば使用可能である。
【0004】
ディバイスの応用範囲が多種多様化している中で、それぞれの用途に対する最適な電解質が探索されているが、現状ではアニオンの種類が少ないため最適化も限界に達している。また、既存の電解質は種々の問題を持っており、新規のアニオン部を有する電解質が要望されている。具体的にはClO4イオンは爆発性、AsF6イオンは毒性を有するため安全上の理由で使用できない。LiN(CF3SO22およびLiCF3SO3は、電池内のアルミニウムの集電体を電位がかかった状態で腐食するため使用が困難である。唯一実用化されているLiPF6も耐熱性、耐加水分解性などの問題を有する。
【0005】
【問題点を解決するための具体的手段】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み鋭意検討の結果、新規の化学構造的な特徴を有するイオン性金属錯体に有機化合物を付加させたイオン性金属錯体付加化合物からなる電解質を見出し本発明に到達したものである。
【0006】
すなわち本発明は、一般式(1)で示される化学構造式よりなる化合物1分子に対して、エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物、アルコール化合物、アミド化合物、またはケトン化合物が1から6分子配位しているイオン性金属錯体付加化合物からなるリチウム電池及びリチウム二次電池用電解質で、
【0007】
【化2】
Figure 0003712358
【0008】
Mは、Al、B、またはP、a+は、金属イオン、またはオニウムイオン、aは、1、bは、1、pは、、mは、1〜3、nは、0〜4、qは、0または1をそれぞれ表し、X1は、O、R1とR2は、それぞれ独立で、H、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、またはC1〜C10のハロゲン化アルキル、R3は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、 〜C20のアリール、または 〜C20のハロゲン化アリール、R4は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、 〜C20のアリール、 〜C20のハロゲン化アリールをそれぞれ表す、リチウム電池及びリチウム二次電池用電解質であり、該電解質を非水溶媒に溶解したものよりなるリチウム電池及びリチウム二次電池用電解液、または該電解質をポリマーに溶解したものよりなるリチウム電池及びリチウム二次電池用固体電解質、及び少なくとも正極、負極、電解液または固体電解質からなり、該電解液または固体電解質に請求項1に記載の電解質を含む電池を提供するものである。
【0009】
なお、本発明で用いるアルキル、ハロゲン化アルキル、アリール、ハロゲン化アリールは、分岐や水酸基、エーテル結合等の他の官能基を持つものも含む。
【0010】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0011】
ここで、まず本発明で使用される一般式(1)で示される化合物の具体例を次に示す。
【0012】
【化3】
Figure 0003712358
【0013】
【化4】
Figure 0003712358
【0015】
【化6】
Figure 0003712358
【0016】
【化7】
Figure 0003712358
【0017】
【化8】
Figure 0003712358
【0019】
【化10】
Figure 0003712358
【0021】
ここではAa+としてリチウムイオンを挙げているが、リチウムイオン以外のカチオンとして、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、セシウムイオン、銀イオン、亜鉛イオン、銅イオン、コバルトイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、チタンイオン、鉛イオン、クロムイオン、バナジウムイオン、ルテニウムイオン、イットリウムイオン、ランタノイドイオン、アクチノイドイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、水素イオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウムイオン、等も利用される。
【0023】
本発明の構成の一部である一般式(1)で示される電解質は、イオン性金属錯体構造を採っており、その中心となるMは、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、またはV族元素から選ばれる。好ましくは、Al、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、As、Sc、Hf、またはSbのいずれかであり、さらに好ましくは、Al、B、またはPである。種々の元素を中心のMとして利用することは可能であるが、Al、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、As、Sc、Hf、またはSbの場合、比較的合成も容易であり、さらにAl、B、またはPの場合、合成の容易性のほか、低毒性、安定性、コストとあらゆる面で優れた特性を有する。
【0024】
次に、一般式(1)で示される電解質(イオン性金属錯体)の特徴となる配位子の部分について説明する。以下、ここではMに結合している有機または無機の部分を配位子と呼ぶ。
【0025】
一般式(1)中のX1は、O、であり、これらのヘテロ原子を介してMに結合する。ここで、O、以外で結合することは、不可能ではないが合成上非常に煩雑なものとなる。この化合物の特徴として同一の配位子内にX1以外のカルボキシル基(−COO−)によるMとの結合があるため、これらの配位子がMとキレート構造を構成している。このキレートの効果により、この化合物の耐熱性、化学的安定性、耐加水分解性が向上している。この配位子中の定数qは0または1であるが、特に、0の場合はこのキレートリングが五員環になるため、キレート効果が最も強く発揮され安定性が増すため好ましい。また、カルボキシル基による電子吸引効果により中心のMの負電荷が分散し、アニオンの電気的安定性が増すため、非常にイオン解離しやすくなり、溶媒への溶解度やイオン伝導度などが大きくなる。また、その他の耐熱性、化学的安定性、耐加水分解性も向上する。
【0026】
1とR2は、それぞれ独立で、H、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、またはC1〜C10のハロゲン化アルキルから選ばれるものよりなるが、好ましくはR1とR2の少なくとも一方がフッ素化アルキルであり、さらに好ましくは、R1とR2の少なくとも一方がトリフルオロメチル基である。R1とR2に電子吸引性のハロゲンやハロゲン化アルキルが存在することにより、中心のMの負電荷が分散し、アニオンの電気的安定性が増すため、非常にイオン解離しやすくなり、溶媒への溶解度やイオン伝導度などが大きくなる。また、その他の耐熱性、化学的安定性、耐加水分解性も向上する。特にこのハロゲンがフッ素の場合がより効果が大きく、さらにはトリフルオロメチル基の場合が最も効果が大きくなる。
【0027】
3は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、 〜C20のアリール、または 〜C20のハロゲン化アリールから選ばれるものよりなるが、好ましくは中心のMとキレートリングを形成したとき、5〜10員環を作るものが好ましい。10員環よりも大きい場合はキレート効果が小さくなるため、好ましくない。また、R3が水酸基やカルボキシル基を構造内に有する場合は、この部分でさらに、中心のMに結合を作ることも可能である。
【0028】
4は、ハロゲン、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のハロゲン化アルキル、 〜C20のアリール、 〜C20のハロゲン化アリールから選ばれるものよりなるが、好ましくはフッ素が好ましい。
【0031】
また、ここまでに説明した配位子の数に関係する定数mおよびnは、中心のMの種類によって決まってくるものであるが、mは1から3、nは0から4が好ましい。
【0032】
本発明において、一般式(1)で示される化合物と付加化合物を形成する有機化合物は、比較的配位性の高い化合物であり、エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物、アルコール化合物、アミド化合物、およびケトン化合物等が挙げられる。特に安定性の面から考えると炭酸エステルまたは、酢酸エステルが好ましい。具体例としては、プロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸エステルは、リチウムイオン二次電池用溶媒として使用されているため、これらの付加化合物はそのままの状態で電解質として使用できるという長所がある。その他のものについては、使用時に炭酸エステル類に置換することにより使用できる。具体的には、付加化合物を炭酸エステルに溶解し、付加している溶媒と炭酸エステルの蒸気圧差を利用して、付加している溶媒のみを除去する方法等がある。
【0033】
これらの付加化合物は、一般式(1)で示される化合物を付加させる有機化合物中に溶解し、その溶液を−20℃から150℃の温度領域にて蒸発および冷却することにより結晶として析出させる製造方法により得られる。−20℃より低い温度では、有機物自体の凝固が起こるため好ましくない。また、150℃以上の温度では付加化合物が安定に存在できない。
【0034】
本発明の電解質は、付加した有機化合物が、カチオンに配位しているため、純粋な電解質に比べ、熱に対する安定性、加水分解に対する安定性、保存時の安定性ともに改善されており、取り扱いが容易になっている。
【0035】
また、電解質を溶媒に溶解し、電解液を調製する際に溶解熱と溶媒和熱により、電解液の温度が上昇し冷却が必要という問題点が従来はあったが、この点について本発明の電解質を使用すれば、この化合物は既に溶媒和した状態であるため、溶媒和熱は発生しないので、温度上昇も従来の2分の1以下となるという長所もある。さらに、溶解速度についても従来のものよりも優れている。
【0036】
さらに、本発明の電解質は、付加した有機化合物が、カチオンに配位しているため、本来ならカチオンに配位した状態で残存する不純物である水も追い出されるため単独の電解質よりも低水分のものが得られるという利点もある。
【0037】
本発明の電解質は、取り扱い易さ、純度、保存安定性において、従来の電解質より優れており、しかも、電池の性能に直接関わる特性において従来の電解質と同等以上である。
【0038】
本発明の電解質を用いて電気化学ディバイスを構成する場合、その基本構成要素としては、イオン伝導体、負極、正極、集電体、セパレーターおよび容器等から成る。
【0039】
イオン伝導体としては、電解質と非水系溶媒又はポリマーの混合物が用いられる。非水系溶媒を用いれば、一般にこのイオン伝導体は電解液と呼ばれ、ポリマーを用いれば、ポリマー固体電解質と呼ばれるものになる。ポリマー固体電解質には可塑剤として非水系溶媒を含有するものも含まれる。
【0040】
非水溶媒としては、本発明の電解質を溶解できる非プロトン性の溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン類等が使用できる。また、単一の溶媒だけでなく、二種類以上の混合溶媒でもよい。具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
【0041】
ただし、二種類以上の混合溶媒にする場合、一般式(1)のAa+がLiイオンである電解質の場合は、これらの非水溶媒のうち誘電率が20以上の非プロトン性溶媒と誘電率が10以下の非プロトン性溶媒からなる混合溶媒に溶解することにより電解液を調製することが好ましい。特にこのリチウム塩ではジエチルエーテル、ジメチルカーボネート等の誘電率が10以下の非プロトン性溶媒に対する溶解度が低く単独では十分なイオン伝導度が得られず、また、逆に誘電率20以上の非プロトン性溶媒単独では溶解度は高いもののその粘度も高いため、イオンが移動しにくくなりやはり十分なイオン伝導度が得られない。これらを混合すれば、適当な溶解度と移動度を確保することができ十分なイオン伝導度を得ることができる。
【0042】
また、電解質を溶解するポリマーとしては、非プロトン性のポリマーであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー、ポリビニリデンフロライドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルポリマー、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。これらのポリマーに可塑剤を加える場合は、上記の非プロトン性非水溶媒が使用可能である。これらのイオン伝導体中における本発明の電解質濃度は、0.1mol/dm3以上、飽和濃度以下、好ましくは、0.5mol/dm3以上、1.5mol/dm3以下である。0.1mol/dm3より濃度が低いとイオン伝導度が低いため好ましくない。
【0043】
負極材料としては、特に限定されないが、リチウム電池の場合、リチウム金属やリチウムと他の金属との合金が使用される。また、リチウムイオン電池の場合、ポリマー、有機物、ピッチ等をを焼成して得られたカーボンや天然黒鉛、金属酸化物等のインターカレーションと呼ばれる現象を利用した材料が使用される。電気二重層キャパシタの場合、活性炭、多孔質金属酸化物、多孔質金属、導電性ポリマー等が用いられる。
【0044】
正極材料としては、特に限定されないが、リチウム電池及びリチウムイオン電池の場合、例えば、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiMn24 等のリチウム含有酸化物、TiO2 、V25 、MoO3 等の酸化物、TiS2 、FeS等の硫化物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、およびポリピロール等の導電性高分子が使用される。電気二重層キャパシタの場合、活性炭、多孔質金属酸化物、多孔質金属、導電性ポリマー等が用いられる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
【0046】
実施例1
【0047】
【化12】
Figure 0003712358
【0048】
上記の構造を有するホウ酸リチウム誘導体219gをジエチルカーボネート1000gに20℃で溶解した。この溶液から100℃、150Paの減圧条件で溶媒を除去することにより、白色の固体278gが得られた。
【0049】
得られた固体を元素分析及びNMR分析によりその組成を確認したところ、ホウ酸リチウム誘導体1分子にジエチルカーボネートが1分子付加した付加化合物であった。
【0050】
次に、この付加化合物にエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容積比1:1で混合した混合溶媒を添加して、1mol/lの濃度の電解質溶液を調製した。この電解液を用いてLiCoO2を正極材料、天然黒鉛を負極材料としてセルを作製し、実際に電池の充放電試験を実施した。試験用セルは以下のように作製した。
【0051】
LiCoO2粉末90重量部に、バインダーとして5重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)、導電材としてアセチレンブラックを5重量部混合し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、ペースト状にした。このペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより、試験用正極体とした。また、天然黒鉛粉末90重量部に、バインダーとして10重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、スラリー状にした。このスラリーを銅箔上に塗布して、150℃で12時間乾燥させることにより、試験用負極体とした。そして、ポリエチレン製セパレータに電解液を浸み込ませてセルを組み立てた。
【0052】
次に、以下のような条件で定電流充放電試験を実施した。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cm2 で行い、充電は、4.2V、放電は、3.0Vまで、試験温度は25℃で行った。その結果、500回充放電を繰り返したが500回目の容量は初回の87%という結果が得られた。
【0053】
実施例2
実施例1と同様のホウ酸リチウム誘導体219gをジメチルカーボネート1000gに20℃で溶解した。この溶液から130℃、150Paの減圧条件で溶媒を除去することにより、白色の固体264gが得られた。
【0054】
得られた固体を元素分析及びNMR分析によりその組成を確認したところ、ホウ酸リチウム誘導体1分子にジメチルカーボネートが1分子付加した付加化合物であった。また、付加化合物の水分をカールフィッシャー法により分析したところ、5ppmであった。
【0055】
次に、この付加化合物にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートを容積比1:1で混合した混合溶媒を添加して、1mol/lの濃度の電解質溶液を調製した。その際に、付加化合物は瞬時に溶解した。溶液の温度が溶解熱により10℃上昇した。
【0056】
次に、この電解液を用いてLiCoO2を正極材料としてハーフセルを作製し、実際に電池の充放電試験を実施した。試験用セルは以下のように作製した。
LiCoO2粉末90重量部に、バインダーとして5重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)、導電材としてアセチレンブラックを5重量部混合し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、ペースト状にした。このペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより、試験用正極体とした。負極にはリチウム金属を使用した。そして、グラスファイバーフィルターをセパレーターとしてこのセパレータに電解液を浸み込ませてセルを組み立てた。
【0057】
さらに、以下のような条件で定電流充放電試験を実施した。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cm2 で行い、充電は、4.2V、放電は、3.0V(vs.Li/Li+ )まで行った。その結果、初回の放電容量は、118mAh/g(正極の容量)であった。また、100回充放電を繰り返したが100回目の容量は初回の91%という結果が得られた。
【0058】
実施例3
実施例1と同様のホウ酸リチウム誘導体219gをエチルメチルカーボネート1000gに20℃で溶解した。この溶液から100℃、150Paの減圧条件で溶媒を除去することにより、白色の固体271gが得られた。
【0059】
得られた固体を元素分析及びNMR分析によりその組成を確認したところ、ホウ酸リチウム誘導体1分子にエチルメチルカーボネートが1分子付加した付加化合物であった。
【0060】
次に、この付加化合物にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートを容積比1:1で混合した混合溶媒を添加して、1mol/lの濃度の電解質溶液を調製した。この電解液を用いて実施例1と同様のセルを作製し、同様の測定条件にて実際に電池の充放電試験を実施した。その結果、500回充放電を繰り返したが500回目の容量は初回の82%という結果が得られた。
【0061】
実施例4
実施例1と同様のホウ酸リチウム誘導体219gをエチルメチルカーボネート1000gとエチレンカーボネート44gの混合溶媒に20℃で溶解した。この溶液から150℃、150Paの減圧条件で溶媒を除去することにより、白色の固体263gが得られた。
【0062】
得られた固体を元素分析及びNMR分析によりその組成を確認したところ、ホウ酸リチウム誘導体1分子にエチレンカーボネートが1分子付加した付加化合物であった。
【0063】
次に、この付加化合物にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートを容積比1:1で混合した混合溶媒を添加して、1mol/lの濃度の電解質溶液を調製した。この電解液を用いて実施例1と同様のセルを作製し、同様の測定条件にて実際に電池の充放電試験を実施した。その結果、500回充放電を繰り返したが500回目の容量は初回の86%という結果が得られた。
【0064】
実施例5
【0065】
【化13】
Figure 0003712358
【0066】
上記の構造を有するホウ酸リチウム誘導体133gをジエチルカーボネート1000gに20℃で溶解した。この溶液から100℃、150Paの減圧条件で溶媒を除去することにより、白色の固体192gが得られた。
【0067】
得られた固体を元素分析及びNMR分析によりその組成を確認したところ、ホウ酸リチウム誘導体1分子にジエチルカーボネートが1分子付加した付加化合物であった。
【0068】
次に、平均分子量10000のポリエチレンオキシド70重量部にアセトニトリルを添加して溶液を調整し、この溶液に上記付加化合物を30重量部加え、これをガラス上にキャストし、乾燥して溶媒のアセトニトリルを除去することにより高分子固体電解質膜を作製した。
【0069】
さらに、この高分子固体電解質膜を電解液とセパレータの代わりとして用いて実施例2と同様にLiCoO2を正極材料としたハーフセルを作製し、70℃で以下のような条件で定電流充放電試験を実施した。充電、放電ともに電流密度0.1mA/cm2 で行い、充電は、4.2V、放電は、3.0V(vs.Li/Li+ )まで行った。その結果、初回の放電容量は、120mAh/g(正極の容量)であった。また、100回充放電を繰り返したが100回目の容量は初回の89%という結果が得られた。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学ディバイス用として利用される従来の電解質に比べ、優れたサイクル特性、保存特性を有し、しかも取り扱いやすい電解質であり、その電解液または固体電解質並びにこれらを用いた電池を可能としたものである。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で示される化学構造式よりなる化合物1分子に対して、エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物、アルコール化合物、アミド化合物、またはケトン化合物が1から6分子配位しているイオン性金属錯体付加化合物よりなるリチウム電池及びリチウム二次電池用電解質。
    Figure 0003712358
    Mは、Al、B、またはP、
    a+は、金属イオン、またはオニウムイオン、
    aは、1、
    bは、1、
    pは、
    mは、1〜3、
    nは、0〜4、
    qは、0または1をそれぞれ表し、
    1は、O、
    1とR2は、それぞれ独立で、H、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、またはC1〜C10のハロゲン化アルキル、
    3は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、 〜C20のアリール、または 〜C20のハロゲン化アリール、
    4は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、 〜C20のアリール、 〜C20のハロゲン化アリールをそれぞれ表す。
  2. a+が、Liイオン、または4級アンモニウムイオンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用電解質。
  3. 請求項1記載のエステル化合物が、炭酸エステル、または酢酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用電解質。
  4. 請求項記載の炭酸エステルが、プロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用電解質。
  5. 請求項1記載の電解質を非水溶媒に溶解したものよりなることを特徴とするリチウム電池及びリチウム二次電池用電解液。
  6. 非水溶媒が、誘電率が20以上の非プロトン性溶媒と誘電率が10以下の非プロトン性溶媒からなる混合溶媒であることを特徴とする請求項記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用電解液。
  7. 電解質のAa+が、Liイオンであることを特徴とする請求項または請求項に記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用電解液。
  8. 請求項1記載の電解質をポリマーに溶解したものよりなることを特徴とするリチウム電池及びリチウム二次電池用固体電解質。
  9. 電解質のAa+が、Liイオンであることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池及びリチウム二次電池用固体電解質。
  10. 少なくとも正極、負極、電解液または固体電解質からなり、該電解液または固体電解質に請求項1に記載の電解質を含むことを特徴とするリチウム電池及びリチウム二次電池
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