JP4895335B2 - 非水電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電池に関し、さらに詳しくは、一次電池、二次電池のいずれも適用可能で、高温貯蔵特性が優れた非水電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン電池に代表される非水電池は、高電圧、高エネルギー密度であることから、ますます需要が増えている。従来、この種の非水電池の負極としては、グラファイトなどの炭素材料や、SiOなどを集電体上に設けたものが用いられ、電解液(液状電解質)にはLiPF6 などを有機溶媒に溶かしたものが用いられていた。
【0003】
しかし、上記電池を充電状態で高温貯蔵すると、特に高容量の電池ほど、容量劣化が大きいという問題があった。そこで、数種の従来電池を分解し、充電状態の負極の示差走査熱分析を行ったところ、100〜150℃の範囲に反応ピークが観察され、高温で容量を劣化させる反応が生じることが示されていた。
【0004】
高温での容量劣化を防ぐために、電解液にリチウムボロンジサリチレート塩を有機溶媒に溶解したものを用いることが報告されている(特開平7−65843号公報)。ところが、本発明者らが検討したところでは、電池の高容量化を図るため、LiとSiやSnのようにLiと合金化可能な元素とを含む化合物や、LiとCoまたはNiとを含む窒化物のような高容量の活物質を用いた高容量負極(例えば、負極の単位重量あたりの放電容量が450mAh/g以上となるような負極)を用いて非水電池を構成した場合には、上記電解液を用いても高温貯蔵時の容量劣化に対して充分に満足できる改善効果は得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の非水電池における問題点を解決し、上記高容量活物質を用いた負極を用いて非水電池を構成した場合においても、高温貯蔵特性が優れた非水電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々研究を重ねた結果、LiとSi、Sn、Al、B、Ga、In、Pb、Bi、Sbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む化合物またはLiとCoもしくはNiとを含む窒化物を活物質とする負極、正極および非水系の電解質を有する非水電池において、電池の規格容量に対して95%充電状態の負極が、示差走査熱分析で少なくとも150〜250℃の範囲にピークを持つことによって、高温貯蔵特性が優れた非水電池を得ることができ、上記課題を解決できることを見出した。さらに、このピークをP1とし、P1のピーク温度をT(℃)としたときに、T−150〜T−20(℃)の温度範囲にP1とは別のピークP2を持ち、P2とP1の強度比(P2の強度/P1の強度)が0.2〜6の範囲にあるときは、高温貯蔵特性だけでなく、負荷特性にも優れた非水電池が得られることを見出した。
【0007】
本発明において、電池の規格容量とは、電池を1C(1時間率)の放電レートで放電したときの放電容量をいい、その規格容量の95%充電状態(規格容量の95%の電気量に相当するぶん充電された状態)で示差走査熱分析を行うのは、示差走査熱分析で現れるピーク位置が充電状態によって異なるという理由によるものである。
【0008】
上記のように、電池の規格容量に対して95%充電状態の負極が、示差走査熱分析で150〜250℃の範囲にピークを持つようにするには、例えば、ビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウムなどで例示されるような、周期表(ただし、短周期型の周期表)のIIIb族〜Vb族の元素をアニオン中心として有するアニオンとアルカリ金属のカチオンとで構成され、そのアニオン中心の元素に酸素原子を介してC=O基、−SO2 基または−SO3 基が結合しさらにフルオロアルキル基を有する有機金属塩を電解質塩として用いて電解質を構成することによって達成することができる。また、それによって、高温貯蔵特性が優れた非水電池を得ることができる。さらに、上記の有機金属塩を含有する電解質に、例えばLiPF6 、LiBF4 などの一般式LiMFn (式中、MはP、As、SbまたはBであり、nはMがP、AsまたはSbのときは6で、MがBのときは4である)で表される無機リチウム塩またはLiN(SO2 2 5 2 などの含フッ素有機リチウムイミド塩を含有させることにより、上記と同じ条件での負極の示差走査熱分析において、上記ピーク(P1)のピーク温度〔T(℃)〕よりも20〜150(℃)低温側の温度範囲においてP1とは別のピーク(P2)を持ち、その強度比(P2の強度/P1の強度)が0.2〜6の範囲となるので、高温貯蔵特性だけでなく、負荷特性にも優れた非水電池を得ることができる。
【0009】
すなわち、LiとSi、Sn、Al、B、Ga、In、Pb、BiおよびSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む化合物またはLiとCoもしくはNiとを含む窒化物のような高容量活物質を用いた高容量負極を用いて非水電池を構成する場合においても、電解質塩として上記有機金属塩を電解質中に含有させることにより、高温貯蔵特性が優れた非水電池を得ることができ、さらに、電解質塩として、この有機金属塩とLiPF6 などの一般式LiMFn で表される無機リチウム塩またはLiN(SO2 2 5 2 などの含フッ素有機リチウムイミド塩とを併用することにより、高温貯蔵特性だけでなく、負荷特性にも優れた非水電池を得ることができるのである。この場合、上記一般式LiMFn で表される無機リチウム塩または含フッ素有機リチウムイミド塩を併用する割合が多すぎると、高温貯蔵特性を低下させる要因になるが、電池の規格容量に対して95%充電状態の負極の示差走査熱分析を行ったときに、前記2つのピークP1およびP2に関し、P2とP1の強度比(P2の強度/P1の強度)が0.2〜6の範囲となるように併用する割合を調整することにより、優れた高温貯蔵特性を保持しつつ、負荷特性をも向上させることができる。
【0010】
本発明において、前記P2とP1の強度比(P2の強度/P1の強度)の範囲を0.2〜6にしているのは、上記ピーク強度比を0.2以上にすることによって、負荷特性を充分に向上させ、前記のピーク強度比を6以下にすることによって、高温貯蔵特性の低下を防止するためである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、示差走査熱分析によるピークの測定方法としては、上記非水電池を規格容量の95%充電後、不活性雰囲気中で分解して負極を取り出し、その一定量を示差走査熱分析測定用の高圧パンに密閉して、外気に触れない状態で測定する方法によるものである。測定条件としては室温から400℃まで10℃/minの昇温速度で測定するものとする。また、ピーク強度は示差走査熱分析で測定された発熱強度を、測定に用いた負極の負極合剤部分の重量で除した値とする。なお、本発明は、示差走査熱分析でのP1の温度範囲を規定することによって、高温貯蔵特性が優れた非水電池を得られるようにしたものであって、P1より高温側や低温側にピークが出現してもかまわない。さらに、本発明においては、示差走査熱分析でのP2の温度範囲と、P2とP1との強度比を規定することによって、高温貯蔵特性および負荷特性の両方が優れた非水電池を得られるようにしたものであって、P2より低温側にピークが出現しても構わない。
【0012】
また、P1あるいはP2に相当するピークが複数本生じる場合もあるが、その場合には最も強度が大きいピークをP1あるいはP2とする。
【0013】
本発明において、周期表のIIIb族〜Vb族の元素をアニオン中心として有するアニオンとアルカリ金属のカチオンとで構成され、そのアニオン中心の元素に酸素原子を介してC=O基、−SO2 基または−SO3 基が結合しさらにフルオロアルキル基を有する有機金属塩としては、例えば、前記に例示のような次の構造式
【0014】
【化1】
Figure 0004895335
で表されるビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウムが、溶媒に溶解した時にイオン伝導度を高くでき、負荷特性の低下を抑制できることから、特に好適なものとして挙げられるが、それ以外にも、以下の構造式で表される化合物などを用いることができる。なお、上記有機金属塩におけるフルオロアルキル基の数は2個以上が好ましく、特に4個以上が好ましい。
【0015】
【化2】
Figure 0004895335
【0016】
【化3】
Figure 0004895335
【0017】
本発明において、一般式LiMFn で表される無機リチウム塩としては、LiPF6 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiBF4 が挙げられ、含フッ素有機リチウムイミド塩としては、例えば、LiN(SO2 2 5 2 、LiN(SO2 CF3 2 、LiN(SO2 CF3 )(SO2 4 9 )、LiN(SO2 4 9 2 、LiN(SO2 CF3 )(SO2 8 17)などが挙げられる。
【0018】
本発明において、電解質としては、液状電解質、その液状電解質をゲル化したゲル状電解質のいずれも用い得るが、本発明においては、通常、電解液と呼ばれる液状電解質が多用されるので、この液状電解質に関し、以下、「電解液」という表現で詳細に説明する。
【0019】
電解液は、前記ビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウムなどの、周期表のIIIb族〜Vb族の元素をアニオン中心として有するアニオンとアルカリ金属のカチオンとで構成され、そのアニオン中心の元素に酸素原子を介してC=O基、−SO2 基または−SO3 基が結合し、さらにフルオロアルキル基を有する有機金属塩か、または前記有機金属塩とLiPF6 などの一般式LiMFn で表される無機リチウム塩またはLiN(SO2 2 5 2 などの含フッ素有機リチウムイミド塩を含む電解質塩を有機溶媒などの非水溶媒に溶解させることによって調製されるが、その有機溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランなどのエーテル類、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのエステル類、さらにはスルホランなどがそれぞれ単独でまたは2種以上の混合溶媒として用いることができる。それらの中でも、エステル類は高電圧下においても正極活物質との反応性が低く貯蔵特性を向上させる効果が大きいので好ましい。このエステル類は電解液の全構成溶媒中の30体積%以上であることが好ましく、このエステル類だけで電解液の全構成溶媒を占めてもよい。
【0020】
上記有機金属塩の電解液中の含有量としては、これを単独で用いる場合には、0.25〜1.6mol/lが好ましく、0.4〜0.8mol/lがより好ましい。また、上記有機金属塩と一般式LiMFn で表される無機リチウム塩または含フッ素有機リチウムイミド塩を併用して用いる場合には、有機金属塩の含有量としては、0.25〜1.3mol/lが好ましく、0.4〜0.8mol/lがより好ましく、一般式LiMFn で表される無機リチウム塩または含フッ素有機リチウムイミド塩の含有量としては、0.25〜1.3mol/lが好ましく、0.5〜1.0mol/lがより好ましい。そして、それらの電解質塩は、電解液中の含有量の合計が0.5〜1.6mol/lであることが好ましく、0.6〜1.4mol/lであることがより好ましい。
【0021】
ゲル状電解質は、上記電解液をゲル化剤でゲル化させたものに相当するが、そのゲル化剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただし、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポリマーがゲル化剤として作用する。
【0022】
上記のように多官能モノマーを用いて電解液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤として、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類なども使用することができ、さらに重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノエステル類なども使用することもできる。
【0023】
本発明において、正極活物質としては、特に限定されることはないが、例えば、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物(これらは、通常、LiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 4 で表されるが、LiとNiの比、LiとCoの比、LiとMnの比は化学量論組成から若干ずれている場合が多いが、それでもかまわない)などのリチウム複合金属酸化物が単独でまたは2種以上の混合物として、あるいはそれらの固溶体として用いられる。
【0024】
正極は、例えば、上記正極活物質を含み、必要に応じて鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤を含み、さらにバインダーを含む正極合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる正極集電体の少なくとも一部に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て作製される。
【0025】
上記正極合剤含有ペーストの調製にあたって、バインダーはあらかじめ有機溶剤に溶解させて溶液状にしておき、その溶液を正極活物質などの固体粒子と混合して正極合剤含有ペーストを調製することが好ましい。
【0026】
バインダーとしては、例えば、ポリビニリデンフルオライド系ポリマー(主成分モノマーであるビニリデンフルオライドを80重量%以上含有する含フッ素モノマー群の重合体)やセルロース系ポリマーなどが好ましい。また、ポリビニリデンフルオライド系ポリマーとセルロース系ポリマーを併用してもよい。
【0027】
上記の主成分モノマーであるビニリデンフルオライドを80重量%以上含有する含フッ素系モノマー群としては、ビニリデンフルオライド単独、あるいはビニリデンフルオライドと他のモノマーの少なくとも1種以上との混合物が挙げられる。この他のモノマーとしては、例えば、ビニルフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルビニルエーテルなどを挙げられる。
【0028】
また、セルロース系ポリマーは、ポリビニリデンフルオライド系ポリマーが溶解する溶剤に溶解するものが好ましく、その具体例としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
【0029】
上記正極合剤含有ペーストを調製するにあたって溶剤としては、ビニリデンフルオライド系ポリマーやセルロース系ポリマーなどを溶解させるような溶剤を使用することが好ましい。そのような溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0030】
また、本発明において、負極活物質としては、LiとSi、Sn、Al、B、Ga、In、Pb、BiおよびSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む化合物またはLiとCoもしくはNiとを含む窒化物である。前記化合物としてはLiとSi、Sn、Al、B、Ga、Inなどを含む合金や酸化物が挙げられる。なお、前記化合物は、負極作製時にLiを含む化合物として形成されている必要はなく、活物質として作用する際にLiを含む化合物になればよい。すなわち、SiやSnあるいはSiOなどをそのまま用いて負極を作製しても、電池組立後に充放電を行う際にLiとの化合物が形成されるため、Liを含まない形態のものを使用することができることを意味する。また、前記窒化物としては、例えば、一般式Li3-x M′y N(式中、M′は少なくともCoまたはNiを含む1種以上の元素を表し、−0.2≦x≦2で、0.1≦y≦0.8である)で表される化合物が挙げられ、具体的には、例えばLi2.6 Co0.4 N、Li2.5 Ni0.5 N、Li2.5 Co0.4 Cu0.1 Nなどが挙げられる。この窒化物についても、上記と同様に活物質として作用する際にLiを含むようになるものであればよい。
【0031】
本発明においては、上記化合物または窒化物からなる負極活物質を単独で用いる場合だけでなく、他の負極活物質と混合して用いる場合にも前記と同様の優れた効果を得ることができる。上記特定の負極活物質と混合して用いる他の負極活物質としては、例えば、炭素材料や、チタン酸リチウムなどのリチウム含有複合酸化物などが挙げられる。特に、炭素材料は良好な導電性を有するので、上記特定の負極活物質と併用することにより負極の導電性が向上し、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。負極の活物質が、LiとSiとを含む化合物と炭素との混合物である場合、炭素の重量に対するSiの重量の割合が20%以上の混合物であることが好ましい。
【0032】
負極は、例えば、上記負極活物質に、必要に応じて、例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤を添加し、さらに前記正極の場合と同様のバインダーと溶剤を加え、混合して負極合剤含有ペーストを調製し、その負極合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる負極集電体の少なくとも一部に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て作製される。また、この負極合剤含有ペーストの調製にあたっても、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させて溶液状にしておき、その溶液を負極活物質などと混合してもよい。
【0033】
本発明において、上記正極合剤含有ペーストや負極合剤含有ペーストを正極集電体や負極集電体に塗布する際の塗布方法としては、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどを使用する方法をはじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
【0034】
また、正極や負極の集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属製導電材料の箔、網、パンチドメタル、フォームメタルなどが用いられるが、正極集電体としてはアルミニウム箔が好適に用いられ、また、負極集電体としては銅箔が好適に用いられる。
【0035】
セパレータとしては、例えば、厚さ10〜50μmで、開孔率30〜70%の微多孔性ポリエチレンフィルム、微多孔性ポリプロピレンフィルム、微多孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどが好適に用いられる。
【0036】
電池は、例えば、上記のように作製される正極と負極との間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回して作製した渦巻状電極体やそれらを積層して作製した積層電極体を、ニッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製の電池ケース内に挿入し、電解液を注入し、封口する工程を経て作製される。また、上記電池には、通常、電池内部に発生したガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出して、電池の高圧下での破裂を防止するための防爆機構や、内部圧力に応じて作動する電流遮断機構などが取り入れられる。
【0037】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
まず、この実施例1の非水電池の構成にあたって用いる電解液の調製、正極および負極の作製について順次説明し、ついで電池の組立について説明する。
【0039】
電解液の調製:
電解質塩としてはLiPF6 とビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウム(以下、「LiBTO」と略す)を用い、それらの電解質塩を溶解する溶媒としてはエチレンカーボネート(以下、「EC」と略す)とメチルエチルカーボネート(以下、「MEC」と略す)を用いた。そして、上記ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiPF6 を0.8mol/lとLiBTOを0.4mol/l溶解させて電解液を調製した。
【0040】
正極の作製:
まず、水酸化リチウム(LiOH・H2 O)と酸化ニッケル(Ni2 3 )とを熱処理してリチウムニッケル酸化物(通常、LiNiO2 で表されるが、そのLiとNiの比は化学量論組成から若干ずれていてもよい)を合成した。上記の合成は以下に示すように行った。
【0041】
水酸化リチウムと酸化ニッケルとをLi/Ni=1.05/1(モル比)の割合になるように秤量した後、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。これを酸素(O2 )気流中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/h以下で700℃で20時間加熱して焼成した。なお、合成したリチウムニッケル酸化物は水分に対して弱いため、粉砕などの取り扱いはアルゴンガスの雰囲気中で行った。
【0042】
上記のようにして合成したリチウムニッケル酸化物90重量部と、電子伝導助剤としての鱗片状黒鉛6重量部と、バインダーとしてのポリビニリデンフルオライドを4重量部N−メチル−2−ピロリドンに溶解させたバインダー溶液とを用い、それらを混合して正極合剤含有ペーストを調製した。上記正極合剤含有ペーストの調製は次に示すように行った。まず、N−メチル−2−ピロリドンにポリビニリデンフルオライドを溶解して上記のバインダー溶液を調製し、このバインダー溶液にリチウムニッケル酸化物と電子伝導助剤としての鱗片状黒鉛を加え、混合することによって正極合剤含有ペーストを調製した。
【0043】
そして、得られた正極合剤含有ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の一方の面にアプリケーターを用いて塗布し、100〜120℃で乾燥して正極合剤層を形成した。また、上記正極集電体の他方の面にも上記と同様の正極合剤含有ペーストを塗布し、乾燥して正極合剤層を形成することによって電極体を作製した。この電極体を100℃で8時間真空乾燥後、ロールプレスして、シート状の正極を作製した。
【0044】
負極の作製:
負極活物質としては人造黒鉛(2800℃で合成)75重量部にシリコン粉末を25重量部になる割合で混合したものを用いた。バインダーとしては正極合剤含有ペーストの調製にあたって用いたものと同様のポリビニリデンフルオライドをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させて溶液状にしておいたものを用いた。上記人造黒鉛とシリコン粉末の混合物94重量部と上記バインダー溶液をポリビニリデンフルオライドとして6重量部になる割合で混合して負極合剤含有ペーストを調製した。
【0045】
得られた負極合剤含有ペーストを厚さ12μmの銅箔からなる負極集電体の一方の面にアプリケーターを用いて塗布し、100〜120℃で乾燥して負極合剤層を形成した。また、上記負極集電体の他方の面にも上記と同様の負極合剤含有ペーストを塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することによって電極体を作製した。この電極体を100℃で8時間真空乾燥後、ロールプレスして、シート状の負極を作製した。
【0046】
筒形電池の組み立て:
上記シート状の正極を幅28mm×長さ220mmの帯状に切断し、シート状の負極を幅30mm×長さ260mmの帯状に切断した。そして、それぞれの電極端部の合剤層の一部を剥がして、金属箔を露出させた部分にアルミニウム製のリード体を抵抗溶接し、厚み25μmで開孔率50%の微多孔性ポリエチレンフィルムからなる帯状のセパレータを上記帯状の正極と帯状の負極の間に介在させ、渦巻状に巻回して渦巻状電極体を作製し、その渦巻状電極体をステンレス鋼製の電池ケースに挿入した。そして、負極側のリード体の先端を絶縁体を貫通させて電池ケースの底部に溶接し、さらに、電池ケースの開口部に絶縁体を挿入し、溝を形成した後、封口板と正極側のリード体を溶接した。そして、そのような工程を経て作製された発電要素を内填した缶体を60℃で10時間真空乾燥した後、乾燥雰囲気中で前記電解液2mlを注入した後、封口して図1に示す構造でR5形(すなわち、外径15mm、高さ40mmの筒形)非水電池を作製した。
【0047】
ここで、図1に示す電池について説明すると、1は前記の正極で、2は負極である。ただし、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔などは図示していない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極体にして、前記の特定電解液からなる電解質4と共に電池ケース5内に収容されている。
【0048】
電池ケース5は前記のようにステンレス鋼製で、その底部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピレンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成している。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとの溶接部分11も、図面上での理解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示している。
【0049】
端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この端子板8にはガス排出口8aが設けられる。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から液状の電解質が漏れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケット12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、電極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続されている。
【0050】
この電池においては、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されているので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分11によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能する。
【0051】
そして、電池が高温にさらされたり、過充電によって発熱するなど、電池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接部分11で一体化されている封口板7の薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離した後、この防爆弁9に設けられている薄肉部9bが開裂してガスを端子板8のガス排出口8aから電池外部に排出させて電池の破裂を防止することができるように設計されている。
【0052】
実施例2
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiN(SO2 2 5 2 を0.8mol/lとLiBTOを0.4mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0053】
実施例3
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiPF6 を0.5mol/lとLiBTOを0.7mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0054】
実施例4
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiBTOを1.2mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0055】
実施例5
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.0mol/lとLiBTOを0.2mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0056】
比較例1
負極活物質として、人造黒鉛(2800℃で合成)のみを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0057】
比較例2
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0058】
比較例3
電解液として、ECとMECとの体積比が1:2の混合溶媒にLiN(SO2 2 5 2 を1.2mol/l溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にR5形非水電池を作製した。
【0059】
上記のように作製して実施例1〜5および比較例1〜3の電池について、その負極の示差走査熱分析を行った。その結果を表1に示す。なお、示差走査熱分析の方法は、次に示す通りである。
【0060】
示差走査熱分析の方法:
充放電電流をCで表示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で3時間行って電池の規格容量に対して100%充電し、放電は電池の電極間電圧が2.75Vに達するまで行った。そして、2サイクル目の充電において充電電気量が95%に達したときに充電を終了し、電池を室温で1日放置し、不活性雰囲気中で分解し、負極を取り出した。その負極の一定量を、示差走査熱分析測定用の150気圧耐性の高圧パンに密閉して、外気に触れない状態で室温から400℃まで10℃/minの昇温速度で示差走査熱分析の測定を行った。ピーク強度は示差走査熱分析で測定された発熱強度を、測定に用いた負極の負極合剤部分の重量で除した値とし、150〜250℃の範囲に存在するピーク(P1)とそのピーク温度T(℃)より20〜150℃低温側の温度範囲に存在するピーク(P2)の強度比(P2の強度/P1の強度)を計算した。
【0061】
また、上記のようにして作製した実施例1〜5および比較例1〜3の電池について放電容量を測定し、負極活物質の単位重量あたりの放電容量を求め、かつ、負荷特性および高温貯蔵特性を調べた。その結果を表1に示す。なお、放電容量の測定方法、負極活物質の単位重量あたりの放電容量、負荷特性、高温貯蔵特性の求め方は次に示す通りである。
【0062】
放電容量および負極活物質の単位重量あたりの放電容量:
充放電電流をCで表示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で3時間行い、放電は1Cで電池の電極間電圧が2.75Vに低下するまで行った。そして、このときの放電容量を測定し、その放電容量を、正極と対向している部分の負極の活物質量で割った値を負極活物質の単位重量あたりの放電容量(mAh/g)とした。
【0063】
負荷特性:
充放電電流をCで表示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で3時間行い、放電は1Cで電池の電極間電圧が2.75Vに低下するまで行った。そして、このときの電池の充放電の繰り返しにおいて、2サイクル目に2Cの放電を行い、3サイクル目に再び1Cの放電を行い、それぞれ放電容量を測定した。そして、この2サイクル目の2Cの放電容量を、3サイクル目の1Cの放電容量で割った値に100をかけたものを負荷特性(%)とした。表1には、その結果を負荷特性〔2C/1C(%)〕として示す。
【0064】
高温貯蔵特性:
充放電電流をCで表示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で3時間行い、放電は1Cで電池の電極間電圧が2.75Vに低下するまで行った。そして、この1サイクル目の放電容量を測定し、2サイクル目に4.2Vの充電状態で試験を止め、60℃の恒温槽に2週間貯蔵した。その後、電池を取り出し、室温まで戻した後、2サイクル目の放電を行って放電容量を測定し、それに基づいて、自己放電率を調べた。すなわち、自己放電率は、上記貯蔵前の1サイクル目の放電容量から貯蔵後の2サイクル目の放電容量を差し引いた値を、貯蔵前の1サイクル目の放電容量で割り、その値に100をかけることによって求めた。その結果を表1に示す。
【0065】
また、自己放電率測定後の電池を再充電し、放電(3サイクル目の放電)を行った時の放電容量(3サイクル目の放電容量)を測定し、貯蔵前の1サイクル目の放電容量から貯蔵後の3サイクル目の放電容量を差し引いた値を、貯蔵前の1サイクル目の放電容量で割り、その値に100をかけることによって劣化率を求めた。その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0004895335
【0067】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜5の電池は、負極活物質の単位重量あたりの放電容量が450mAh/g以上の高容量であるにもかかわらず、高温貯蔵特性の低下を示す自己放電率および劣化率が小さく、高温貯蔵特性が優れ、かつ、負荷特性を示す負荷特性〔2C/1C(%)〕の値が大きく、負荷特性が優れていた。
【0068】
これに対して、人造黒鉛のみを負極活物質として用いた比較例1は、負極活物質の単位重量あたりの放電容量が小さく、また、P1を有しない(すなわち、LiBTOを含まない)比較例2〜3の電池は、負極活物質の単位重量当たりの放電容量が450mAh/g以上の高容量で負荷特性が良好であるものの、高温貯蔵特性が悪かった。
【0069】
なお、上記実施例では、二次タイプの非水電池で、高温貯蔵特性が優れていることを示したが、本発明は、二次電池のみに限られることなく、一次電池にも適用でき、その一次タイプの非水電池においても、高温貯蔵特性が優れた非水電池を提供することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高温貯蔵特性が優れた二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電池の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解質
5 電池ケース
6 絶縁体
7 封口板
7a 薄肉部
8 端子板
8a ガス排出口
9 防爆弁
9a 突出部
10 絶縁パッキング
11 溶接部分
12 環状ガスケット
13 リード体
14 絶縁体
15 リード体

Claims (7)

  1. LiとSi、Sn、Al、B、Ga、In、Pb、BiおよびSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む化合物またはLiとCoもしくはNiとを含む窒化物と、炭素とを活物質とする負極、正極および非水系の電解質を有する非水電池であって、
    前記非水系の電解質が、短周期型の周期表のIIIb族〜Vb族の元素をアニオン中心として有するアニオンとアルカリ金属のカチオンとで構成され、そのアニオン中心の元素に酸素原子を介してC=O基、−SO 基または−SO 基が結合しさらにフルオロアルキル基を有する有機金属塩を含み、
    電池の規格容量に対して95%充電状態の負極が、示差走査熱分析で少なくとも150〜250℃の範囲にピークを持つことを特徴とする非水電池。
  2. 非水系の電解質が、一般式LiMF (式中、MはP、As、SbまたはBであり、nはMがP、AsまたはSbのときは6で、MがBのときは4である)で表される無機リチウム塩または含フッ素有機リチウムイミド塩を更に含み、
    前記150〜250℃の範囲に存在するピークをP1、そのピーク温度をT(℃)としたときに、T−150〜T−20(℃)の温度範囲にP1とは別のピークP2を持ち、P2とP1の強度比(P2の強度/P1の強度)が0.2〜6であることを特徴とする請求項1記載の非水電池。
  3. 非水系の電解質の含む前記有機金属塩のフルオロアルキル基の数が2個以上である請求項1または2記載の非水電池。
  4. 非水系の電解質の含む前記有機金属塩を構成するアルカリ金属のカチオンがリチウムイオンである請求項1〜3のいずれかに記載の非水電池。
  5. 非水系の電解質の含む前記有機金属塩がビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウムであり、前記無機リチウム塩がLiPFであることを特徴とする請求項2〜のいずれかに記載の非水電池。
  6. 非水系の電解質の含む前記有機金属塩がビス〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−O,O〕ホウ酸リチウムであり、前記含フッ素有機リチウムイミド塩がLiN(SOであることを特徴とする請求項2〜のいずれかに記載の非水電池。
  7. 負極の活物質が、LiとSiとを含む化合物と炭素との混合物であって、炭素の重量に対するSiの重量の割合が20%以上である混合物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電池。
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