JP2003320814A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
善することを可能にした空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 回転方向Rが指定されたトレッドパター
ンを有すると共に、トレッド1に主溝2と横溝3とで区
画されたブロック5を有し、ブロック5の対向する一対
の頂角5a,5cが鋭角であり、ブロック5にサイプ6
を設けたタイヤにおいて、サイプ6の長さをトレッド表
面からサイプ底部に向けて徐々に長くすると共に、ブロ
ック5を蹴出し側の頂角5cが鋭角となる領域Uと踏込
み側の頂角5aが鋭角となる領域Lとに等分したとき、
ブロック5のエッジ長さLU ,LLと、ブロック蹴出し
側の頂角5c,5dからサイプ底部の開口端までの距離
lU,lL とを、0.4≦lL /LL ≦0.8,0.2
≦lU /LU ≦0.6,lL/LL ≧lU /LU の関係
にする。
Description
ックブレーキシステム)を備えた車両に好適な空気入り
タイヤに関し、更に詳しくは、摩耗後の湿潤路における
ABS制動性能を改善するようにした空気入りタイヤに
関する。
区画されたブロックにサイプを設けることで、エッジ効
果(路面上の薄い水膜を切る効果)が増大し、湿潤路に
おけるABS制動性能が向上することが知られている。
このような空気入りタイヤでは、トレッドの摩耗が進行
したとき、サイプのエッジ効果は略不変であるものの、
ゴムの劣化やブロックの高さが低くなることによるブロ
ック剛性の増大などに起因して湿潤路でのABS制動性
能が低下するという問題があった。
での形状をトレッド表面での形状とは異ならせることに
より、摩耗の進行に伴ってサイプの露出長さを増大させ
るようにしたものがある。しかしながら、回転方向が指
定されたトレッドパターンを有する空気入りタイヤで
は、一般にブロック内で対向する一対の頂角が鋭角であ
るため、むやみにサイプ形状を変更すると、ブロック剛
性が局部的に低下して良好なABS制動性能が得られな
くなったり、またブロックのもぎれ等が発生し易くなる
という不都合があった。
後の湿潤路におけるABS制動性能を改善することを可
能にした空気入りタイヤを提供することにある。
の本発明の空気入りタイヤは、回転方向が指定されたト
レッドパターンを有すると共に、トレッドにタイヤ周方
向に延びる主溝とタイヤ幅方向に延びる横溝とで区画さ
れたブロックを有し、該ブロックの対向する一対の頂角
が鋭角であり、該ブロックに少なくとも1本のサイプを
設けた空気入りタイヤにおいて、前記サイプの長さをト
レッド表面からサイプ底部に向けて徐々に長くすると共
に、前記ブロックをタイヤ周方向と平行な直線を境にし
て蹴出し側の頂角が鋭角となる領域Uと踏込み側の頂角
が鋭角となる領域Lとに等分したとき、前記領域U,L
にてそれぞれ主溝に沿って測定されるブロックのエッジ
長さLU ,LL と、前記領域U,Lにてそれぞれ測定さ
れるブロック蹴出し側の頂角からサイプ底部の開口端ま
での距離lU ,lL とを、0.4≦lL /LL ≦0.
8,0.2≦lU /LU ≦0.6,lL /LL ≧lU /
LU の関係にしたことを特徴とするものである。
らサイプ底部に向けて徐々に長くするに際し、ブロック
を蹴出し側の頂角が鋭角となる領域Uと踏込み側の頂角
が鋭角となる領域Lとに等分したとき、ブロックのエッ
ジ長さLU ,LL と、ブロック蹴出し側の頂角からサイ
プ底部の開口端までの距離lU ,lL とを、0.4≦l
L /LL ≦0.8,0.2≦lU /LU ≦0.6,lL
/LL ≧lU /LU の関係にすることにより、回転方向
が指定されたトレッドパターンを有する空気入りタイヤ
において、サイプが形成されるブロックが尖った頂角を
持つ場合であっても、ブロック剛性の低下を回避して摩
耗後の湿潤路におけるABS制動性能を改善することが
可能になり、しかもブロックのもぎれ等の発生を防止す
ることが可能になる。
表面に投影されるサイプ底部の輪郭線とサイプ上縁部の
輪郭線との平均距離XU と、上記領域Lにてトレッド表
面に投影されるサイプ底部の輪郭線とサイプ上縁部の輪
郭線との平均距離XL との少なくとも一方を0mm超に
し、より好ましくブロックのエッジ長さ(LU ,LL)
の7%以上にすると良い。
の図面を参照して詳細に説明する。
タイヤのトレッドパターンを示すものである。このトレ
ッドパターンは回転方向Rが指定されたものである。図
1において、トレッド1には、タイヤ周方向に延びる複
数本の主溝2と、タイヤ幅方向に延びる複数本の横溝3
とが設けられている。より具体的には、横溝3はトレッ
ドセンター側からショルダー側に向けて回転方向Rとは
反対方向へ傾斜しながらタイヤ周方向に延長している。
これら主溝2及び横溝3によって、トレッドセンターに
はタイヤ周方向に延びるリブ4が区画され、そのリブ4
の両側には複数のブロック5が区画されている。
溝幅1.5mm以下のサイプ6が形成されている。この
サイプ6は必ずしも全てのブロック5に設ける必要はな
いが、できるだけ多くのブロック5に設けた方が良い。
また、各ブロック5には複数本のサイプ6を設けるよう
にしても良い。
面から見た平面図であり、図3はその斜視図である。図
2に示すように、ブロック5は互いに対向する一対の頂
角5a,5cが鋭角であり、互いに対向する他の頂角5
b,5dが鈍角であり、概ね平行四辺形をなしている。
頂角5a,5cの角度αは10°〜80°である。一
方、サイプ6はトレッド表面からサイプ底部に向けて鋭
角からなる頂角5a,5c側へ捩じれた形状を有し、そ
の長さがトレッド表面からサイプ底部に向けて徐々に長
くなっている。このようにサイプ6の長さをトレッド表
面からサイプ底部に向けて徐々に長くすることにより、
トレッド1の摩耗が進行するに連れてサイプ6の露出長
さが増大するので、摩耗後の湿潤路におけるABS制動
性能を向上することができる。
を境にして蹴出し側(回転方向Rの後側)の頂角5cが
鋭角となる領域Uと踏込み側(回転方向Rの前側)の頂
角5aが鋭角となる領域Lとに等分したとき、領域Uに
てトレッド表面に投影されるサイプ底部の輪郭線6aと
サイプ上縁部の輪郭線6bとの平均距離XU と、領域L
にてトレッド表面に投影されるサイプ底部の輪郭線6a
とサイプ上縁部の輪郭線6bとの平均距離XL との少な
くとも一方、より好ましくは両方を0mm超にし、更に
好ましくはブロック5のエッジ長さ(LU ,LL )の7
%以上にする。これら平均距離XU ,XL をブロック5
のエッジ長さの7%以上にすることにより、湿潤路での
ABS制動性能をより確実に向上することができる。な
お、平均距離XU ,XL は、領域U,Lにおいてトレッ
ド表面に投影されるサイプ底部の輪郭線6aとサイプ上
縁部の輪郭線6bとで挟まれる部分の面積をそれぞれ領
域U,Lの幅で除した値から求めることができる。これ
ら輪郭線6a,6bは、直線であっても良く、曲線であ
っても良い。
沿って測定されるブロック5のエッジ長さLU ,L
L と、上記領域U,Lにおいてそれぞれ測定されるブロ
ック蹴出し側の頂角5c,5dからサイプ底部の開口端
までの距離lU ,lL とは、下記の関係を満足するもの
とする。
けて徐々に長くするに際し、lL /LL 及びlU /LU
が上記関係を満足していないと、ブロック5に必要なエ
ッジ長さを確保することができないために十分な制動性
能を得ることができなくなり、またブロック剛性が鋭角
からなる頂角5a,5c付近で低下するために制動時の
剪断力によりブロック端部の浮き上がり量が増大して十
分な制動性能を得ることができなくなる。その結果、摩
耗後の湿潤路におけるABS制動性能の低下を抑えるこ
とができなくなる。また、lL /LL 及びlU /LU が
上記関係を満足していないと、ブロックのもぎれが発生
し易くなるため耐偏摩耗性も悪化する。
が上記関係を満足することにより、ABSを備えた自動
車において、摩耗後であっても湿潤路で優れた制動性能
を発揮することが可能になり、しかもブロックのもぎれ
の発生を防止することが可能になるのである。
表面からサイプ底部に向けて徐々に長くするに際し、そ
のサイプ構造は上述した実施形態に限定されるものでは
ない。例えば、図4のようなサイプ構造であっても良
い。また、トレッドパターンは回転方向が指定されたも
のであれば、特に限定されるものではない。
で、回転方向が指定されたトレッドパターンを有し、対
向する一対の頂角が鋭角であるブロックに1本のサイプ
を設けた空気入りタイヤにおいて、トレッド表面に投影
されるサイプ底部の輪郭線とサイプ上縁部の輪郭線との
平均距離XU ,XL 、ブロックのエッジ長さLU ,L L
及びブロック蹴出し側の頂角からサイプ底部の開口端ま
での距離lU ,lL を表1のように種々異ならせた比較
例1〜5及び実施例1〜3をそれぞれ製作した。
より、制動性能及びブロックのもぎれを評価し、その結
果を表1に併せて示した。
摩耗の状態まで摩耗させた試験タイヤをJATMA標準
リムに組付け、空気圧200kPaとして排気量200
0ccの乗用車(ABS搭載車)に装着し、水深2mm
に保たれた湿潤路を走行し、初速100km/hから停
止するまでの停止距離を測定した。この停止距離を各試
験タイヤにつき5回測定し、最大値と最小値を除いた3
回の平均値を求めた。評価結果は、停止距離の平均値の
逆数を用い、比較例1(従来タイヤ)を100とする指
数にて示した。この指数値が大きいほど制動性能が優れ
ている。
定後、ブロック端部のもぎれの有無を目視により確認し
た。
は、いずれも50%摩耗の状態において湿潤路で優れた
ABS制動性能を発揮し、しかもブロックのもぎれを生
じていなかった。一方、比較例1〜5は、いずれもサイ
プに関する寸法条件を満たしていないため、ABS制動
性能の改善とブロックのもぎれの防止とを両立すること
ができなかった。
転方向が指定されたトレッドパターンを有すると共に、
トレッドにタイヤ周方向に延びる主溝とタイヤ幅方向に
延びる横溝とで区画されたブロックを有し、該ブロック
の対向する一対の頂角が鋭角であり、該ブロックに少な
くとも1本のサイプを設けた空気入りタイヤにおいて、
サイプの長さをトレッド表面からサイプ底部に向けて徐
々に長くすると共に、ブロックをタイヤ周方向と平行な
直線を境にして蹴出し側の頂角が鋭角となる領域Uと踏
込み側の頂角が鋭角となる領域Lとに等分したとき、領
域U,Lにてそれぞれ主溝に沿って測定されるブロック
のエッジ長さLU ,LL と、領域U,Lにてそれぞれ測
定されるブロック蹴出し側の頂角からサイプ底部の開口
端までの距離lU ,lL とを、0.4≦lL /LL ≦
0.8,0.2≦lU /LU ≦0.6,lL /LL ≧l
U /LU の関係にしたから、ブロックのもぎれ等の発生
を防止しつつ、摩耗後の湿潤路におけるABS制動性能
を改善することができる。
レッドパターンを示す平面図である。
平面図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 回転方向が指定されたトレッドパターン
を有すると共に、トレッドにタイヤ周方向に延びる主溝
とタイヤ幅方向に延びる横溝とで区画されたブロックを
有し、該ブロックの対向する一対の頂角が鋭角であり、
該ブロックに少なくとも1本のサイプを設けた空気入り
タイヤにおいて、前記サイプの長さをトレッド表面から
サイプ底部に向けて徐々に長くすると共に、前記ブロッ
クをタイヤ周方向と平行な直線を境にして蹴出し側の頂
角が鋭角となる領域Uと踏込み側の頂角が鋭角となる領
域Lとに等分したとき、前記領域U,Lにてそれぞれ主
溝に沿って測定されるブロックのエッジ長さLU ,LL
と、前記領域U,Lにてそれぞれ測定されるブロック蹴
出し側の頂角からサイプ底部の開口端までの距離lU ,
lL とを、0.4≦lL /LL ≦0.8,0.2≦lU
/LU ≦0.6,lL /LL ≧lU /LU の関係にした
空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記領域Uにてトレッド表面に投影され
るサイプ底部の輪郭線とサイプ上縁部の輪郭線との平均
距離XU と、前記領域Lにてトレッド表面に投影される
サイプ底部の輪郭線とサイプ上縁部の輪郭線との平均距
離XL との少なくとも一方を0mm超にした請求項1に
記載の空気入りタイヤ。
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