JP2018111450A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部に設けたサイプの形状を工夫することにより、ウエット性能を向上させることを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】面取りサイプ12と非面取りサイプを有し、面取りサイプ12はリブ10内で一端部12cが終端する一方で他端部12dがリブ10の両側に位置する主溝9のいずれか一方に連通し、リブ10の両側に位置する主溝9のそれぞれに連通した面取りサイプ12がタイヤ周方向に交互に配置され、非面取りサイプ13は面取りサイプ12の少なくともタイヤ周方向の片側に隣接して配置され、トレッドプロファイルを成す円弧の曲率半径TRと面取りサイプ12を有するリブ10の外輪郭線の曲率半径RRとがTR>RRの関係を満たし、面取りサイプ12を有するリブ10のタイヤ径方向最外側となる頂点Pでの非面取りサイプ13の幅NwPと非面取りサイプ13における最小幅NwMとがNwP>NwMの関係を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッド部に設けたサイプの形状を工夫することにより、ウエット性能を向上させることを可能にした空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤのトレッド部にはウエット性能を得るために複数の溝やサイプが形成されている。ウエット路面でのタイヤ性能の指標である制動性能の向上のためには溝やサイプの排水性を向上させる必要がある。
排水性を向上させる手法として、トレッド部に設けたサイプのエッジに面取り部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1)。この場合、面取り部が排水路として機能することで接地面の排水性が向上し、タイヤのウエット性能の向上が期待される。しかしながら、サイプに対して単に面取り部を付加した場合、接地時においてトレッド部の変形により面取り部が潰れてしまい、その面取り部が排水路として有効に機能せず、排水性を十分に確保することができない懸念がある。
特開2016−88469号公報
本発明の目的は、トレッド部に設けたサイプの形状を工夫することにより、ウエット性能を向上させることを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝により区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、前記複数列のリブのうち少なくとも一つのリブにタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを有し、該サイプは少なくとも一方のエッジに面取り部を有する面取りサイプとエッジに面取り部を有しない非面取りサイプからなり、前記面取りサイプは前記リブ内で一端部が終端する一方で他端部が前記リブの両側に位置する主溝のいずれか一方に連通し、該リブの両側に位置する主溝のそれぞれに連通した面取りサイプがタイヤ周方向に交互に配置され、前記非面取りサイプは前記面取りサイプの少なくともタイヤ周方向の片側に隣接して配置され、トレッドプロファイルを成す円弧の曲率半径TRと前記面取りサイプを有するリブの外輪郭線の曲率半径RRとがTR>RRの関係を満たし、前記面取りサイプを有するリブのタイヤ径方向最外側となる頂点での前記非面取りサイプの幅NwPと該非面取りサイプにおける最小幅NwMとがNwP>NwMの関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明では、複数列のリブのうち少なくとも一つのリブにタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを有し、該サイプは少なくとも一方のエッジに面取り部を有する面取りサイプとエッジに面取り部を有しない非面取りサイプから構成されていることにより、面取り部を設けた面取りサイプに起因して、接地時の排水性の向上に繋がり、ウエット路面での制動性能を改善することができる。その一方で、面取り部を設けていない非面取りサイプが面取りサイプのタイヤ周方向に隣接して同じリブ内に併存していることにより、非面取りサイプが接地時におけるトレッド部の変形を負担し、面取りサイプにおける面取り部の潰れの抑制に寄与する。また、面取りサイプにおいて、その一端部がリブ内で終端する一方で他端部がリブの両側に位置する主溝のいずれか一方に連通し、該リブの両側に位置する主溝のそれぞれに連通した面取りサイプがタイヤ周方向に交互に配置されていることにより、面取りサイプ周辺において接地領域を広く確保することができ、面取りサイプの面取り部の潰れを効果的に抑制することが可能となる。更に、トレッドプロファイルを成す円弧の曲率半径TRと面取りサイプを有するリブの外輪郭線の曲率半径RRとがTR>RRの関係を満たすことにより、リブの外輪郭線がタイヤ径方向外側に突出しているため、リブが平らな形状を有する場合に比して接地時の排水性を高めることができ、ウエット性能の更なる向上に寄与する。その一方で、このような関係を満たすときには、トレッドゴムのボリュームが増し、リブの頂点では接地圧が高くなってトレッド部の圧縮が大きくなる。そのため、リブの頂点での非面取りサイプの幅NwPと非面取りサイプにおける最小幅NwMとがNwP>NwMの関係を満たすことにより、非面取りサイプがトレッド部の圧縮による変形を受容し易くなる。その結果、面取り部の潰れの抑制効果を更に得ることが可能となる。
本発明では、リブの頂点での非面取りサイプの深さNdPと非面取りサイプの幅が最小となる位置での非面取りサイプの深さNdMとはNdP>NdMの関係を満たすことが好ましい。これにより、非面取りサイプがトレッド部の圧縮による変形を負担し、面取りサイプの面取り部の潰れを効果的に抑制することができる。
本発明では、非面取りサイプにおいて、リブの頂点での幅NwP及び深さNdPと非面取りサイプの幅が最小となる位置での幅NwM及び深さNdMとは0.7(NwP/NwM)≦NdP/NdM≦1.3(NwP/NwM)の関係を満たすことが好ましい。これにより、非面取りサイプがトレッド部の圧縮による変形を負担し、面取りサイプの面取り部の潰れを効果的に抑制することができる。
本発明では、面取りサイプのリブ内で終端する端部はリブの頂点のタイヤ幅方向位置を越えないように配置されていることが好ましい。これにより、排水性の向上に繋がる。
本発明では、面取りサイプの接地面での開口部の幅Cwはリブの端部から頂点に向かって徐々に大きくなることが好ましい。これにより、排水性を向上させることができる。
本発明では、面取りサイプの接地面での開口部の最大幅CwMAXは2.0mm〜5.2mmであることが好ましい。これにより、接地時での排水性を十分に確保することができる。
本発明では、非面取りサイプのうち面取りサイプに最も近接する非面取りサイプと面取りサイプとのタイヤ周方向の距離L1は2mm〜15mmであることが好ましい。これにより、面取りサイプの面取り部の潰れを効果的に抑制することができる。
なお、本発明において、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部を示す斜視図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部を示す平面図である。 図3のX−X矢視断面図である。 図1の空気入りタイヤにおけるトレッド部の中央部付近を示す断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された非面取りサイプの変形例を示す断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された非面取りサイプの他の変形例を示す断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプ及び非面取りサイプの他の変形例を示す平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプの他の変形例を示し、(a)〜(d)は各変形例の断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプ及び非面取りサイプの他の変形例を示し、(a)〜(e)は各変形例の平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図2〜図5はその空気入りタイヤのトレッド部の一部を示すものである。なお、図1においてCLはタイヤ赤道線であり、図2,3においてTcはタイヤ周方向、Twはタイヤ幅方向である。
図1に示すように、本発明の実施形態からなる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状を成すトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
また、トレッド部1にはタイヤ周方向に延びる複数本の主溝9が形成されており、これら主溝9によりトレッド部1には複数列のリブ10が区画されている。図1の態様では、トレッド部1に3本の主溝9が形成された例を示しているが、排水性と接地面積の確保とを両立するために、トレッド部1には3〜5本の主溝9を設けることが好ましい。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、リブ10は、タイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ11と、複数本のサイプ11により区画されたブロック20とを含んでいる。これらブロック20はタイヤ周方向に並ぶように配置されている。一方、サイプ11は、面取りサイプ12と非面取りサイプ13から構成されている。サイプ11は、リム組みしていない状態で溝幅が0.5mm〜1.6mmかつ深さが2.0mm以上の細溝である。
面取りサイプ12は、図3に示すように、少なくとも一方のエッジ12a,12bに面取り部14を有するサイプである。この面取り部14は、図2及び図3の態様では面取りサイプ12の全長に渡って片側のエッジ12aに設けられているが、面取り部14を両側のエッジ12a,12bに設けることもでき、或いは面取りサイプ12の延在方向に沿って部分的又は間欠的に設けることもできる。また、面取りサイプ12は、リブ10内で一端部12cが終端する一方で他端部12dがリブ10の両側に位置する主溝9,9のいずれか一方に連通している。これらリブ10の両側に位置する主溝9,9のそれぞれに連通した面取りサイプ12,12がタイヤ周方向に交互に配置され、全体として面取りサイプ12がタイヤ周方向に千鳥状に配置されている。面取りサイプ12に形成された面取り部14は、図4に示すように、面取りサイプ12の延在方向に対して直交する断面視にて三角形を成している。なお、面取りサイプ12は、面取り部14を除く部分の深さが1mm以上の深さを有する。
非面取りサイプ13は、面取りサイプ12を中心としてタイヤ周方向に50mm以内の領域に設けられ、かつ面取り部が設けられていないサイプである。この非面取りサイプ13は、図3に示すように、面取りサイプ12の少なくともタイヤ周方向の片側に隣接して配置されている。非面取りサイプ13は、タイヤ幅方向に対して傾斜していても良く、屈曲又は湾曲していても良い。非面取りサイプ13は、図4に示すように、その延在方向に対して直交する断面では幅Nwが一定となるように形成されている。また、非面取りサイプ13の幅Nwは、リブ10の端部から頂点Pに向かって徐々に大きくなっても良いし、或いは非面取りサイプ13の延在方向の一部に一定となる部分があっても良い。
非面取りサイプ13は、リブ10をタイヤ幅方向に貫通している。これにより、接地時における面取りサイプ12の面取り部14の潰れに対する抑制効果がある。その一方で、非面取りサイプ13は、その両端部がリブ10内で終端するクローズドサイプ、或いは一方の端部のみがリブ10内で終端するセミクローズドサイプとして構成することもできる。
リブ10には、面取りサイプ12及び非面取りサイプ13以外の他の溝を設けることもできる。しかしながら、リブ10内の排水性は面取りサイプ12により十分に確保することができるため、接地面積を大きくして制動性能を向上させる観点では、面取りサイプ12と非面取りサイプ13のみを設けることが好ましい。
接地面積を増やすためにはトレッドゴムの硬度が小さいほうが良く、その一方で面取り部14の潰れを抑制するためにはトレッドゴムの硬度が大きいほうが良い。これらを両立するためにトレッドゴムの硬度はJIS K6253で規定される硬度が58〜75であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、図5に示すように、タイヤ子午断面視で、タイヤ赤道線CL上に位置する主溝9のタイヤ幅方向両端点E1,E2と、タイヤ赤道線CLの両側に位置する一対の主溝9,9のタイヤ幅方向内側の各端点E3,E4とを通る円弧Rを想定したとき、リブ10の踏面を規定する外輪郭線が円弧Rよりもタイヤ径方向外側に突出している。このように構成されているリブ10において、タイヤ径方向に最外側となる点が頂点Pである。このとき、トレッドプロファイルを成す円弧Rの曲率半径TRと、面取りサイプ12を有するリブ10の外輪郭線の曲率半径RRとはTR>RRの関係を満たす。なお、曲率半径TRと曲率半径RRは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で測定される。
また、図3に示すように、リブ10の頂点Pの位置での非面取りサイプ13の幅を幅NwPとする一方で、非面取りサイプ13の最小幅を幅NwMとする。これら非面取りサイプ13の幅NwPと最小幅NwMとはNwP>NwMの関係を満たす。なお、これら幅NwP,NwMは非面取りサイプ13の延在方向に対して直交する向きに沿って測定される。
上述した空気入りタイヤでは、複数列のリブ10のうち少なくとも一つのリブ10にタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ11を有し、サイプ11は少なくとも一方のエッジ12a,12bに面取り部14を有する面取りサイプ12とエッジに面取り部を有しない非面取りサイプ13から構成されていることにより、面取り部14を設けた面取りサイプ12に起因して接地時の排水性を向上させることができ、ウエット性能の改善に繋がる。その一方で、面取り部を設けていない非面取りサイプ13が面取りサイプ12のタイヤ周方向に隣接して同じリブ10内に併存していることにより、非面取りサイプ13が接地時におけるトレッド部1の変形を負担し、面取りサイプ12における面取り部14の潰れの抑制に寄与する。また、面取りサイプ12において、その一端部12cがリブ10内で終端する一方で他端部12dがリブ10の両側に位置する主溝9のいずれか一方に連通し、該リブ10の両側に位置する主溝9のそれぞれに連通した面取りサイプ12がタイヤ周方向に交互に配置されていることにより、面取りサイプ12周辺において接地領域を広く確保することができ、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することが可能となる。これにより、ウエット性能を向上することができる。
更に、トレッドプロファイルを成す円弧Rの曲率半径TRと面取りサイプ12を有するリブ10の外輪郭線の曲率半径RRとがTR>RRの関係を満たすことにより、リブ10の外輪郭線がタイヤ径方向外側に突出しているため、リブが平らな形状を有する場合に比して接地時の排水性を高めることができ、ウエット性能の更なる向上に寄与する。その一方で、このような関係を満たすときには、トレッドゴムのボリュームが増し、リブ10の頂点Pでは接地圧が高くなってトレッド部1の圧縮が大きくなる。そのため、リブ10の頂点Pでの非面取りサイプ13の幅NwPと非面取りサイプ13における最小幅NwMとがNwP>NwMの関係を満たすことにより、非面取りサイプ13がトレッド部1の圧縮による変形を受容し易くなる。その結果、面取り部14の潰れの抑制効果を更に得ることが可能となる。
上記空気入りタイヤにおいて、図3に示すように、面取り部14を含む面取りサイプ12の凹部領域と、非面取りサイプ13のうち面取りサイプ12に最も近接する非面取りサイプ13の凹部領域とが最も近接する位置でのタイヤ周方向の距離を距離L1とする。このとき、距離L1は、2mm〜15mmであることが好ましく、4mm〜11mmであることがより好ましい。このように距離L1を適度に設定することで、非面取りサイプ13が面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。ここで、距離L1が2mmより小さいと面取りサイプ12と非面取りサイプ13とに挟まれる領域においてリブ10の剛性が低下し、該領域が倒れ込むことで接地性を確保することが難しくなるため、ウエット性能が低下する傾向がある。
また、面取りサイプ12のリブ10内で終端する端部12cはリブ10の頂点Pのタイヤ幅方向位置を越えないように配置されていると良い。即ち、面取りサイプ12はリブ10の頂点Pを跨がないように形成される。接地時において、リブ10ではタイヤ径方向の最外側にある頂点Pからタイヤ幅方向外側に向かって順に接地し、それに伴って水がタイヤ幅方向外側に向かって押し出されるように面取り部14を通じてリブ10の両側の主溝9に排水される。そのため、このように面取りサイプ12を形成することで、水の流れを妨げることなく排水できるため、排水性の向上に繋がるのである。
更に、非面取りサイプ13は面取りサイプ12のタイヤ周方向の両側に配置されていると良い。このように非面取りサイプ13が配置されていることで、非面取りサイプ13のトレッド部1の変形に対する負担量が増し、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。
面取りサイプ12と非面取りサイプ13において、面取りサイプ12の深さCdと非面取りサイプ13の深さNdとは1<Nd/Cd≦1.5の関係を満たすことが好ましい。このように非面取りサイプ13の深さNdを面取りサイプ12の深さCdに対して適度に設定することで、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。
図6は本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された非面取りサイプの変形例を示すものである。図6に示すように、非面取りサイプ13の延在方向に沿って切り欠いた断面において、リブ10の頂点Pでの非面取りサイプ13の深さNdPと、非面取りサイプ13の幅が最小となる位置での非面取りサイプ13の深さNdMとはNdP>NdMの関係を満たすことが好ましい。このように深さNdPと深さNdMとを設定することで、非面取りサイプ13がトレッド部1の圧縮による変形を負担し、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。なお、非面取りサイプ13の深さNdP,NdMは、リブ10の頂点P又は非面取りサイプ13の最小幅位置でのリブ10の外輪郭線上の点から、トレッドプロファイルを成す円弧Rの垂線とサイプの溝底の輪郭線との交点までの距離とする。
特に、非面取りサイプ13において、リブ10の頂点Pでの幅NwP及び深さNdPと、非面取りサイプ13の幅が最小となる位置での幅NwM及び深さNdMとは0.7(NwP/NwM)≦NdP/NdM≦1.3(NwP/NwM)の関係を満たすことが好ましい。接地時において非面取りサイプ13の潰れ量は深さNdに比例して大きくなるため、このようにリブ10の頂点Pと非面取りサイプ13の最小幅位置での幅と深さの比が近しくなるように設定している。これにより、非面取りサイプ13がトレッド部1の圧縮による変形を負担し、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。
図7は本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された非面取りサイプの他の変形例を示すものである。図7において、非面取りサイプ13の幅Nwは底部から開口部に向かって徐々に広くなっている。このように非面取りサイプ13が形成されていることで、非面取りサイプ13のトレッド部1の変形に対する負担量が増し、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に負担することができる。
図8は本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプ及び非面取りサイプの他の変形例を示すものである。図8に示すように、面取りサイプ12と非面取りサイプ13のタイヤ周方向に対する傾斜角度をそれぞれ傾斜角度θC、傾斜角度θNとする。このとき、面取りサイプ12の傾斜角度θCと非面取りサイプ13の傾斜角度θNとは、θC−30°≦θN≦θC+30°の関係を満たすように構成されている。このように傾斜角度θC,θNを設定することで、面取りサイプ12の面取り部14の潰れを効果的に抑制することができる。なお、非面取りサイプ13の傾斜角度θNは、面取りサイプ12のタイヤ幅方向の長さと同等の範囲で特定される傾斜角度である。
また、図8において、面取りサイプ12の接地面での開口部の幅Cwはリブ10の端部から頂点Pに向かって徐々に大きくなるように形成されている。即ち、面取りサイプ12の接地面での開口部の幅Cwはリブ10の中心部に向かうにつれて漸増している。このように面取りサイプ12の面取り部14が形成されていることで、トレッド部1の圧縮による変形により潰れ易いリブ10の頂点P付近での排水を促進し、排水性を向上させることができる。
更に、図8において、面取りサイプ12の接地面での開口部の幅Cwにおいて、その最大幅CwMAXが2.0mm〜5.2mmとなるように構成すると良い。このように面取りサイプ12の開口部の最大幅CwMAXを適度に設定することで、接地時での排水性を十分に確保することができる。
図9(a)〜(d)は本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプの他の変形例を示すものである。図9(a)に示すように、面取りサイプ12の延在方向に対して直交する断面視において、面取りサイプ12の片側のエッジに面取り部14が形成され、その面取り部14の断面形状は矩形である。このように面取り部14の断面形状を矩形にすることで、接地時でのトレッド部1の変形に対して溝容積を十分に確保することができ、排水性を向上させることができる。その一方で、面取りサイプ12の面取り部14の断面形状としては、図4,図9(a)に示す他に、図9(b)に示すようにタイヤ径方向内側に凸となる曲線の輪郭線を有する場合や、図9(c)に示すようにタイヤ径方向外側に凸となる曲線の輪郭線を有する場合、図9(d)に示すように三角形状を有する場合を例示することができる。
図10(a)〜(e)は本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成された面取りサイプ及び非面取りサイプの他の変形例を示すものである。面取りサイプ12及び非面取りサイプ13の形状としては、図2、図3及び図8に示す他に、図10(a)に示すように非面取りサイプ13の一端部がリブ10内で終端している場合や、図10(b)に示すように非面取りサイプ13の両端部がリブ10内で終端している場合、図10(c)に示すように非面取りサイプ13がリブ10をタイヤ幅方向に貫通している一方で全体の形状として菱形を成している場合を例示することができる。また、図10(d)に示すように面取りサイプ12及び非面取りサイプ13がタイヤ幅方向に対して傾斜している一方で非面取りサイプ13がタイヤ幅方向に沿ってジグザグ状に延在している場合や、図10(e)に示すように面取りサイプ12及び非面取りサイプ13がタイヤ幅方向に対して傾斜している一方で非面取りサイプ13の全体の形状が湾曲している場合を例示することができる。
タイヤサイズ195/65R15で、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝により区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、面取りサイプの有無、非面取りサイプの有無、リブのタイヤ径方向外側への突出の有無、非面取りサイプの幅NwPと非面取りサイプの最小幅NwMとの大小、非面取りサイプの深さNdPと非面取りサイプの最小幅位置での深さNdMとの大小、非面取りサイプの幅に対する深さの比[(NdP/NdM)/(NwP/NwM)]、面取りサイプの端部のリブ頂点を越える延在の有無、面取りサイプの幅Cw(一定又は漸増)、面取りサイプの最大幅CwMAX(mm)、面取りサイプと非面取りサイプとの距離L1(mm)を表1及び表2のように設定した従来例、比較例1〜4及び実施例1〜7のタイヤを製作した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ウエット路面での制動性能に関する評価を実施し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
ウエット路面での制動性能:
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、排気量1500ccの前輪駆動車に装着し、空気圧230kPaとして、水深2mmのウエット路面において初速80km/hから完全停止までの制動距離の測定を実施した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウエット路面での制動性能が優れていることを意味する。
Figure 2018111450
Figure 2018111450
これら表1及び表2から判るように、トレッド部に設けたサイプの形状を工夫することで、実施例1〜7のタイヤは、従来例との対比において、ウエット路面での制動性能が改善されていた。
一方、比較例1においてはリブに全くサイプを設けず、比較例2においては面取り部を設けていないサイプのみをリブに配置したため、比較例1及び比較例2においてウエット路面での制動性能が低下した。比較例3においては、リブに面取りサイプ及び非面取りサイプのみを設けたため、ウエット路面での制動性能の改善効果を十分に得ることができなかった。比較例4においては、タイヤ径方向外側へ突出したリブに面取りサイプ及び非面取りサイプをリブに設けたため、ウエット路面での制動性能の改善効果はある程度得られたものの、十分ではなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
9 主溝
10 リブ
11 サイプ
12 面取りサイプ
12a,12b エッジ
12c,12d 端部
13 非面取りサイプ
14 面取り部

Claims (7)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝により区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記複数列のリブのうち少なくとも一つのリブにタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを有し、該サイプは少なくとも一方のエッジに面取り部を有する面取りサイプとエッジに面取り部を有しない非面取りサイプからなり、前記面取りサイプは前記リブ内で一端部が終端する一方で他端部が前記リブの両側に位置する主溝のいずれか一方に連通し、該リブの両側に位置する主溝のそれぞれに連通した面取りサイプがタイヤ周方向に交互に配置され、前記非面取りサイプは前記面取りサイプの少なくともタイヤ周方向の片側に隣接して配置され、トレッドプロファイルを成す円弧の曲率半径TRと前記面取りサイプを有するリブの外輪郭線の曲率半径RRとがTR>RRの関係を満たし、前記面取りサイプを有するリブのタイヤ径方向最外側となる頂点での前記非面取りサイプの幅NwPと該非面取りサイプにおける最小幅NwMとがNwP>NwMの関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記リブの頂点での前記非面取りサイプの深さNdPと該非面取りサイプの幅が最小となる位置での前記非面取りサイプの深さNdMとがNdP>NdMの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記非面取りサイプにおいて、前記リブの頂点での幅NwP及び深さNdPと前記非面取りサイプの幅が最小となる位置での幅NwM及び深さNdMとが0.7(NwP/NwM)≦NdP/NdM≦1.3(NwP/NwM)の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記面取りサイプの前記リブ内で終端する端部が前記リブの頂点のタイヤ幅方向位置を越えないように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記面取りサイプの接地面での開口部の幅Cwが前記リブの端部から前記頂点に向かって徐々に大きくなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記面取りサイプの接地面での開口部の最大幅CwMAXが2.0mm〜5.2mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記非面取りサイプのうち前記面取りサイプに最も近接する非面取りサイプと前記面取りサイプとのタイヤ周方向の距離L1が2mm〜15mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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