JP2003320632A - 二軸延伸多層積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸多層積層フィルムおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の密着性に優れ、しかも裂けにくい反射
性多層積層フィルムの提供。 【解決手段】 第1の層と第2の層とを11層以上交互
に積層した二軸延伸多層積層フィルム。第1の層は、厚
みが0.05〜0.5μm。第2の層は、第1の層を構
成するポリエステル組成物とは組成を異にするポリエス
テル組成物からなり、厚みが0.05〜0.5μm。そ
して波長350〜2000nmの光に対する反射率曲線
に、最大反射率が反射率のベースラインよりも20%以
上高い反射ピークを有する。さらには、フィルム中のエ
チレンテレフタレート成分の割合が、ポリエステルの全
繰返し単位を基準として、80モル%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屈折率の低い層と屈
折率の高い層とを交互に規則的に配置させた、層間の屈
折率差および各層の厚みによって任意の波長帯の光を選
択的に反射する多層積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】多層積層フィルムは、屈折率の低い層と
高い層とを交互に多数積層したものであり、層間の構造
的な光干渉によって、特定波長の光を選択的に反射また
は透過する光学干渉フィルムとすることができる。この
ような多層積層フィルムは、選択的に反射または透過す
る光の波長を可視光領域とすれば、構造的な発色により
意匠性に優れた、例えば、玉虫色に見える真珠光沢フィ
ルムとできる。しかも、ここで得られる意匠性は、多層
積層フィルムの構造的な発色によることから、染料など
による発色と異なり退色の問題もない。また、このよう
な多層積層フィルムは、膜厚を徐々に変化させたり、異
なる反射ピークを有するフィルムを貼り合せたりするこ
とで金属を使用したフィルムと同等の高い反射率を得る
ことができ、金属光沢フィルムや反射ミラーとして使用
することもできる。
【0003】これらの多層積層フィルムは、特開昭56
−99307号公報などでポリエチレンテレフタレート
とポリメチルメタクリレートなどの異なる素材の熱可塑
性樹脂を用いた多層積層フィルムが提案されている。ま
た、特表平9−506837号公報やWO01/477
11号公報などで、例えば屈折率の高い層として、ポリ
エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートからな
る層を用い多層延伸フィルムも提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭56−99307号公報
【特許文献2】特表平9−506837号公報
【特許文献3】WO01/47711号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな多層積層フィルムは、層間の屈折率差を大きくする
ために、組成の異なる樹脂を組み合わせるため、各層間
の密着が弱く層間剥離現象が発生しがちであった。ま
た、組成の異なる樹脂を組み合わせるため、どうしても
延伸を均一に行うのが難しく、強度の不十分な裂けやす
いフィルムになり易かった。
【0006】すなわち、従来からの多層延伸フィルムの
各層の屈折率差は、各層を構成する樹脂の有する屈折率
差に由来していた。例えば、特開昭56−99307号
公報に記載されているように、屈折率の高い層には、ポ
リエチレンテレフタレートを使用し、屈折率の低い層に
は、ポリメタクリレートのような屈折率の低い樹脂を用
いてきていた。しかし、樹脂の有する屈折率に頼って層
間の屈折率差を設ける従来の考え方では、各層を構成す
る樹脂は、どうしても組成の大きく異なる樹脂を選択す
る必要があり、層間の密着性の劣るものしか得られなか
った。例えば、特表平9−506837号公報やWO0
1/47711号公報では、屈折率の高い層に屈折率の
高いポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト(以下、PENと称することがある。)を使用し、屈
折率の低い層に熱可塑性エラストマーを使用した2軸延
伸フィルムや屈折率の高い層に屈折率の高いPENを使
用し、屈折率の低い層にイソフタル酸を30モル%共重
合したPENを使用した1軸延伸多層延伸フィルムが例
示されている。これらの多層積層フィルムは屈折率の低
い層を実質的に非晶質にしており、このような多層積層
フィルムに延伸処理を施しても、層間密着性が十分に得
られなかったり、2軸延伸処理が面方向に均一に行え
ず、膜質が不均一化したりして、実用上課題が潜在して
いた。
【0007】本発明は、従来の多層積層フィルムが有す
る上述の課題を解消し、層間の密着性が高く、しかも裂
けにくい多層積層フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の二軸延伸多層積
層フィルムは、厚みが0.05〜0.5μmの範囲にあ
る第1の層と、第1の層を構成するポリエステル組成物
とは組成を異にするポリエステル組成物からなる厚みが
0.05〜0.5μmの範囲にある第2の層とを11層
以上交互に積層した、波長350〜2000nmの光に
対する反射率曲線に、最大反射率が反射率のベースライ
ンよりも20%以上高い反射ピークを有する積層フィル
ムであって、フィルム中のエチレンテレフタレート成分
の割合が、ポリエステルの全繰返し単位を基準として、
80モル%以上であることを特徴とする。
【0009】すなわち、屈折率の高い層と屈折率の低い
層を構成する樹脂組成を極限まで近くしても、屈折率の
低い層を構成する樹脂の融点を屈折率の高い層を構成す
る樹脂より低くして、かつ2軸延伸処理後に該融点の低
い樹脂からなる層の分子配向を緩和させることにより、
層間の屈折率差を発現させつつ、2軸延伸加工性もすぐ
れ、層間密着性も優れた多層延伸フィルムが得られる。
こうした本発明は、各層を構成する樹脂の組合せとし
て、従来から層間の屈折率差を発現させ難いとされてい
た極めて組成の近い樹脂の組合せを採用して、多層積層
フィルムに十分な強度と層間の密着性を具備させなが
ら、驚くべきことに層間の屈折率差も十分に具備させた
ものである。
【0010】また、本発明の好ましい態様として、示差
走査熱量測定法により測定される融点が2つ以上存在
し、そのそれぞれが少なくとも5℃以上異なること、ま
た示差走査熱量測定法により測定される結晶化ピークが
100℃〜190℃の範囲に存在すること、フィルム中
の全繰返し単位の1.5〜20モル%がテレフタル酸ま
たはイソフタル酸成分であること、第1の層を構成する
ポリエステルが、結晶性ポリエステルであり、全繰返し
単位の95モル%以上をエチレンテレフタレート成分で
占められていること、第2の層を構成するポリエステル
が、結晶性ポリエステルであり、全繰返し単位の75〜
97モル%をエチレンテレフタレート成分で占められて
いること、フィルムの製膜方向および幅方向の破断強度
が、いずれも50MPa以上であることのいずれかを具
備する二軸延伸多層積層フィルムも提供される。
【0011】さらにまた、本発明によれば、エチレンテ
レフタレートを主たる成分とする融点が250〜260
℃の第1の層用ポリエステルと該第1の層用ポリエステ
ルよりも融点が15℃以上低い第2の層用ポリエステル
とを11層以上交互に積層したシート状物とする工程、
得られたシート状物を製膜方向および幅方向にそれぞれ
2〜50倍延伸する工程、および第2の層用ポリエステ
ルの融点よりも10℃低い温度から第1の層用ポリエス
テルの融点よりも15℃低い温度で熱固定する工程から
なる二軸延伸多層積層フィルムの製造方法も提供され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の二軸延伸多層積層フィル
ムは、ポリエステル組成物からなる厚みが0.05〜
0.5μmの第1の層と、同じくポリエステル組成物か
らなる厚みが0.05〜0.5μmの第2の層とを交互
に少なくとも11層積層されたものである。なお、第1
の層と第2の層とを構成するポリエステル組成物は、組
成は非常に近いものであるが組成を異にすることが必要
である。積層数が11層未満だと、多重干渉による選択
反射が小さく、十分な反射率が得られない。積層数の上
限は、生産性などの観点から高々501層であることが
好ましい。また、第1の層および第2の層は、層間の光
干渉によって選択的に光を反射するために、それぞれ1
層の厚みが0.05〜0.5μmである。本発明の多層
積層フィルムが示す選択反射は、紫外光、可視光、近赤
外光の範囲において、適宜、その層厚を調整することで
実現できる。それぞれの1層厚みが0.05μm未満で
あると、その反射光はポリエステル組成分の吸収によっ
て反射性能が得られなくなる。一方、0.5μmを超え
ると、層間の光干渉によって選択的に反射する光が赤外
光の領域に達し、光学的特性としての有用性がえられな
くなる。なお、説明の便宜上、屈折率の高い層を第1の
層、屈折率の低い層を第2の層と、以下、称する。
【0013】また、本発明の二軸延伸多層積層フィルム
は、波長350〜2000nmの光に対する反射率曲線
に、最大反射率が反射率のベースラインよりも20%以
上高い、好ましくは30%以上高い、さらに好ましくは
50%以上高い反射ピークを有する。図1は、本発明の
二軸延伸多層積層フィルムの反射率曲線の一例を示す。
該図1中の、1は最大反射率と反射率のベースラインの
差、2は反射率のベースラインを示す。二軸延伸多層積
層フィルムに、最大反射率が反射率のベースラインより
も20%以上高い反射ピークが存在しないと、特定波長
の光を選択的に反射または透過する光学干渉フィルムと
しては使用できず、例えば真珠光沢フィルムとして使用
できない。
【0014】ところで、本発明の最大の特徴は、上述の
厚み構成で、二軸延伸多層積層フィルムを構成する第1
の層と第2の層に、従来の樹脂の屈折率差に頼らず、十
分な屈折率差を付与したことにある。樹脂の屈折率差に
頼らずに二軸延伸多層積層フィルムを構成する第1の層
と第2の層に十分な屈折率差を付与するには、例えば延
伸後の熱処理によって屈折率差を付与する方法が挙げら
れる。そして、本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、
極めて組成の類似した樹脂を第1の層および第2の層を
構成する樹脂として選択でき、そのような組成の類似し
た樹脂の選択によって層間の密着性が飛躍的に向上され
たものである。したがって、本発明の二軸延伸多層積層
フィルムは、全繰返し単位の80モル%以上がエチレン
テレフタレート成分のポリエステルからなる。エチレン
テレフタレート成分が全繰返し単位の80モル%未満だ
と、層間の密着性が低下する。なお、エチレンテレフタ
レート成分以外の共重合成分としては、融点を低下させ
やすいことから、2,6−ナフタレンジカルボン酸また
はイソフタル酸成分が好ましい。2,6−ナフタレンジ
カルボン酸またはイソフタル酸成分の共重合割合は、繰
返し単位を基準として、1.5〜20モル%の範囲であ
る。2,6−ナフタレンジカルボン酸またはイソフタル
酸成分のモル数が、下限よりも少ないと、第1の層と第
2の層に十分な屈折率差を付与しがたく、他方、2,6
−ナフタレンジカルボン酸またはイソフタル酸成分のモ
ル数が上限よりも多いと、第1の層と第2の層を構成す
るポリエステルの組成が大きく異なり、層間の密着性が
低下しやすい。
【0015】[第1の層]本発明において、第1の層を
構成する樹脂は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタ
レート成分からなるポリエステルである。好ましくは、
後述の第2の層を構成するポリエステルよりも融点を高
度に維持できることから、ホモポリエチレンテレフタレ
ートまたは繰返し単位の90モル%以上がエチレンテレ
フタレート成分からなる共重合ポリエチレンテレフタレ
ートである。エチレンテレフタレート成分のモル数が繰
返し単位の90モル%未満だと、融点が低下し、後述の
第2の層を構成するポリエステルとの融点差が得られが
たく、結果として、多層延伸フィルムに十分な屈折率差
を付与しがたい。これらの中でも、融点を高度に維持で
きることから、ホモポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。エチレンテレフタレート成分以外の共重合成分と
しては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸のような他の芳香
族カルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸
等の酸成分や、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の
如き脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノールの如
き脂環族ジオール等、グリコール成分を好ましく挙げる
ことができる。
【0016】ところで、第1の層を構成する樹脂の融点
は、250〜260℃の範囲であることが、後述の第2
の層を構成する樹脂との融点差を比較的大きくできるこ
とから好ましい。第1の層を構成する樹脂の融点が下限
よりも低いと、第2の層を構成する樹脂との融点差が小
さくなり、結果として、得られる多層延伸フィルムに十
分な屈折率差を付与することが困難になる。なお、共重
合していないポリエチレンテレフタレートの融点は、通
常256℃近傍である。
【0017】[第2の層]本発明において、第2の層を
構成する樹脂は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタ
レート成分からなるポリエステルである。特に2軸延伸
における製膜性の観点から、結晶性ポリエステルである
ことが好ましい。また、前述の第1の層を構成するポリ
エステルよりも融点を低くできることから、繰返し単位
の75〜97モル%がエチレンテレフタレート成分から
なり、3〜25モル%がそれ以外の共重合成分からなる
共重合ポリエチレンテレフタレートである。エチレンテ
レフタレート成分のモル数が繰返し単位の75モル%未
満であるか共重合成分のモル数が25モル%を超える
と、実質的にポリマーが非晶性を示し、2軸延伸での製
膜性が低下し、かつ前述の第1の層を構成するポリエス
テルとの組成が大きく異なり、層間の密着性が低下しや
すい。他方、エチレンテレフタレート成分のモル数が繰
返し単位の97モル%を超えるか共重合成分のモル数が
3モル%未満だと、前述の第1の層を構成するポリエス
テルとの融点差が小さくなり、結果として、多層延伸フ
ィルムに十分な反射率を付与することが困難となる。エ
チレンテレフタレート成分以外の共重合成分としては、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸のような他の芳香族カルボ
ン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン
ジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキ
サンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等の酸成分
や、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の如き脂肪族
ジオール;シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジ
オール等、グリコール成分を好ましく挙げることができ
る。これらの中でも、比較的、延伸性を維持しながら融
点を低下させやすいことから2,6−ナフタレンジカル
ボン酸またはイソフタル酸が好ましい。
【0018】ところで、第2の層を構成する樹脂の融点
は、200〜245℃の範囲であることが、前述の第1
の層を構成する樹脂との融点差を比較的大きくできるこ
とから好ましい。第2の層を構成する樹脂の融点が上限
よりも高いと、第1の層を構成する樹脂との融点差が小
さくなり、結果として、得られる多層延伸フィルムに十
分な屈折率差を付与することが困難になる。一方、第2
の層を構成する樹脂の融点が下限よりも低くするには、
第1の層を構成する樹脂との組成が大きく変更すること
になり、得られる二軸延伸多層積層フィルムに十分な層
間の密着性を付与することが困難になる。なお、第2の
層を構成する樹脂の融点は、フィルムにする前の段階か
ら低い必要はなく、延伸処理後に低くなっていれば良
い。例えば、ホモポリエチレンテレフタレートとそれ以
外の他のポリエステルとを用意し、これらを溶融混練時
にエステル交換させたものであってもよいことは容易に
理解されるであろう。
【0019】[二軸延伸多層積層フィルム]本発明の二
軸延伸多層積層フィルムは、上述の第1の層および第2
の層を、交互に少なくとも11層積層したものである。
なお、本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、前述のと
おり、十分な機械的強度を具備する観点から、2軸方向
に延伸されていることが必要である。
【0020】特に、本発明の二軸延伸多層積層フィルム
は、層間の密着性及び2軸延伸加工の製膜性を確保する
観点から、第1の層、第2の層ともに、結晶性を示し、
かつ第2の層の樹脂は、延伸後には、少なくとも部分的
に溶融されていることが好ましい。このようにして得ら
れた二軸延伸多層積層フィルムは、示差走査熱量測定法
(DSC)装置で測定される融点が2つ以上存在し、か
つそれらの融点か5℃以上異なることが好ましい。ここ
で、測定される融点は、高融点側が高屈折率を示す第1
の層であり、低融点側は、低屈折率を示す第2の層であ
ることは容易に想像がつくであろう。また、さらに好ま
しくは、延伸後に第2の層は少なくとも部分的に溶融さ
れているために、DSC装置で測定される結晶化ピーク
が100℃〜190℃の範囲に存在することが好まし
い。結晶化ピークが100℃未満であると、フィルムの
延伸時に一方の層が急激に結晶化し、製膜時の製膜性が
低下しやすく、かつ、膜質の均質性が低下しやすく、結
果として、色の斑などが発生することがある。一方で結
晶化ピークが190℃を越えると、熱固定処理で第二の
層を融解するときに、結晶化が同時に起こり、十分な屈
折率差を発現させ難くなる。
【0021】このように、本発明の二軸延伸多層積層フ
ィルムは、ともに結晶性を示す第一の層の樹脂と第二の
層の樹脂を延伸することによって、均質な膜質のフィル
ムが得られ、かつ延伸工程の後に第二の層を融解するこ
とで、層間密着性を向上させることと同時に反射性能を
向上させることができる。従って、本発明の二軸延伸多
層積層フィルムでは、DSC装置による結晶ピークが1
00℃〜190℃に存在し、融点差が5℃以上異なる2
つ以上の融解ピークが観測される二軸延伸多層積層フィ
ルムが好ましい。
【0022】また、本発明の二軸延伸多層積層フィルム
は、延伸処理された方向の破断強度は、それぞれ50M
Pa以上であることが好ましい。破断強度が50MPa
未満だと、多層延伸フィルムの加工時における取り扱い
性が低下したり、製品にしたときの耐久性が低下したり
する。また、破断強度が50MPa以上であると、フィ
ルムの腰が強くなり、巻取り性が向上するという利点も
ある。好ましい破断強度は、縦方向が80MPa以上、
特に100MPa以上で、横方向が80MPa以上、特
に100MPa以上である。また、縦方向と横方向の強
度比は、3以下であることが耐引裂き性を十分に具備で
きることから好ましい。特に縦方向と横方向の強度比が
2以下であると、さらに耐引裂き性を向上できることか
ら好ましい。破断強度の上限は、特に限定はされない
が、延伸工程の安定性を維持する観点から、高々500
MPaであることが好ましい。
【0023】また、本発明の二軸延伸多層積層フィルム
は、熱寸法安定性が高いことが特徴であり、延伸処理さ
れた方向(製膜方向および幅方向)の150℃で30分
間処理したときの熱収縮率が、それぞれ3.0%以下が
好ましい。より好ましくは、2.5%以下、更に好まし
くは、2.0%以下である。また、本発明の二軸延伸多
層積層フィルムの200℃で10分間処理したときの製
膜方向および幅方向の熱収縮率は、それぞれ5.0%以
下が好ましい。より好ましい熱収縮率はそれぞれ4.0
%以下、更に好ましい熱収縮率はそれぞれ3.0%以下
である。熱寸法安定性が高いことから、本発明の二軸延
伸多層積層フィルムは、PVCシートとの貼り合せや、
エンボス加工などの工程適性に優れているといえる。
【0024】また、本発明の二軸延伸多層積層フィルム
は、第1の層および第2の層を構成する樹脂が、ともに
結晶性樹脂であることが好ましい。第1の層および第2
の層を構成する樹脂がともに結晶性樹脂であると、延伸
などの処理が不均一になりがたく、結果としてフィルム
の厚み斑を小さくすることができる。この厚み斑の範囲
は、光学的影響を及ぼすことが可能な面積を考慮した範
囲内におけるフィルム厚みの最大値と最小値の差が、5
μm未満であることが好ましい。これはより好ましくは
3μm未満であり、さらにより好ましくは1.5μm未
満である。フィルム厚みの変動率が5μm以上になる
と、反射する光の色が変化してしまい、色の斑となって
現れる。
【0025】本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、フ
ィルムの巻取り性を向上させるため、第1の層または第
2の層の少なくとも1方に、平均粒径が0.01μm〜
2μmの不活性粒子を、多層延伸フィルムの重量を基準
として、0.001重量%〜0.5重量%含有すること
が好ましい。不活性粒子の平均粒径が下限よりも小さい
か、含有量が下限よりも少ないと、多層延伸フィルムの
巻取り性を向上させる効果が不十分になりやすく、他
方、不活性粒子の含有量が上限を超えるか、平均粒径が
上限を超えると、粒子による多層延伸フィルムの光学特
性の悪化が顕著になる。好ましい不活性粒子の平均粒径
は、0.05〜1μm、特に0.1〜0.3μmの範囲
である。また、好ましい不活性粒子の含有量は、0.0
05〜0.2重量%の範囲である。
【0026】二軸延伸多層積層フィルムに含有させる不
活性粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カル
シウム、燐酸カルシウム、カオリン、タルクのような無
機不活性粒子、シリコーン、架橋ポリスチレン、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体のような有機不活性粒子
を挙げることができる。これらの不活性粒子は、その長
径と短径の比が1.2以下、さらには1.1以下である
球状粒子(以下、真球状粒子ということがある)である
ことが、フィルムの滑り性と光学特性を高度に維持でき
ることから好ましい。また、これらの不活性粒子は、粒
度分布がシャープであることが好ましく、例えば相対標
準偏差が0.3未満、さらには0.2未満のものが好ま
しい。相対標準偏差が大きい粒子を使用すると、粗大粒
子の頻度が多くなり、光学的な欠陥を生ずる場合があ
る。ここで、不活性粒子の平均粒径、粒径比及び相対標
準偏差は、まず粒子表面に導電性付与のための金属を極
く薄くスパッターし、電子顕微鏡にて、1万〜3万倍に
拡大した像から、長径、短径および面積円相当径を求
め、次いでこれらを次式に当てはめることで算出され
る。 平均粒径=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
【0027】[塗布層]ところで、本発明の二軸延伸多
層フィルムに不活性粒子を含有させない場合などには、
二軸延伸フィルムの加工工程において、易滑性塗布層を
少なくとも片面に設けることが好ましい。塗布層を構成
する組成物は、ポリエステル樹脂組成物やアクリル樹脂
組成物に易滑性を付与させるために滑剤(フィラー、ワ
ックス)を添加することが好ましい。滑剤を添加するこ
とで滑性、耐ブロッキング性が更に良化することができ
る。
【0028】塗布層のポリエステル樹脂は、ガラス転移
点(Tg)が50〜100℃、更に好ましくは60〜9
0℃のものである。該ポリエステル樹脂は、水に可溶性
または分散性のポリエステルが好ましいが、多少の有機
溶剤を含有しても良い。
【0029】かかる塗布層のポリエステル樹脂として
は、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導
体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体からなる
ものを好ましく挙げることができる。すなわち、多塩基
酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられ
る。これら酸成分を2種以上用いて共重合ポリエステル
樹脂を合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成
分のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息
香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができ
る。また、ポリオール成分としては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコ
ール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール等が挙げられる。また、これらモノマーが挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0030】また、塗布層のアクリル樹脂としては、ガ
ラス転移点(Tg)が−50〜50℃、更に好ましくは
−50〜25℃のものを好ましく挙げることができる。
該アクリル樹脂は、水に可溶性または分散性のアクリル
樹脂が好ましいが、多少の有機溶剤を含有しても良い。
かかるアクリル樹脂としては以下のようなアクリルモノ
マーから共重合できる。このアクリルモノマーとして
は、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキ
シル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロ
トン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)
等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリ
ルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジ
アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリ
レート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−
アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシア
クリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド
(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリ
ン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フ
ェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマ
ー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモ
ノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネー
ト、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニ
リデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。また、これ
らモノマーを挙げられるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0031】塗膜層に含有させる滑剤としては、従来か
らポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られて
いるものを好適に用いることができる。例えば、炭酸カ
ルシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化アルミニウム
粒子、カオリン粒子、酸化珪素粒子、酸化亜鉛粒子、カ
ーボンブラック粒子、炭化珪素粒子、酸化錫粒子、架橋
アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。
特に、酸化珪素粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリ
スチレン樹脂粒子などが塗布層への分散性などの観点か
ら特に好ましい。
【0032】塗膜を形成するための塗液は、水溶液、水
分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されるの
が好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前
記組成物以外の他の樹脂、例えばオキサゾリン基を有す
る重合体、メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋
剤、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
滑剤(フィラー、ワックス)などを添加することができ
る。塗液が水性塗液である場合の固形分濃度は、通常2
0重量%以下であり、更には1〜10重量%であること
が好ましい。この割合が1重量%未満であると、ポリエ
ステルフィルムへの塗れ性が不足し、一方、20重量%
を越えると塗剤の安定性や塗布外観が悪化することがあ
る。
【0033】水性塗液のフィルムへの塗布は、任意の段
階で実施することができるが、二軸延伸多層積層フィル
ムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結
晶化が完了する前のフィルムに塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のフィルムとは、未延伸
フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れ
か一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方
向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの
(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶
化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むもの
である。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向
せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を
塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定
とを施すのが好ましい。
【0034】水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗
布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面に
コロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理
を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性
な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活
性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促
進するものであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン
型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面
活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%
含まれていることが好ましい。
【0035】塗液の塗布量は、塗膜の厚さが0.02〜
0.3μm、好ましくは0.07〜0.25μmの範囲
となるような量であるのが好ましい。塗膜の厚さが薄過
ぎると、接着力が不足し、逆に厚過ぎると、ブロッキン
グを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりする可能性が
ある。
【0036】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独ま
たは組合せて用いることができる。なお、塗膜は、必要
に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面
に形成してもよい。
【0037】本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、そ
の厚み分布が均一であると、特定の波長帯の光を選択的
に反射できることから好ましい。なお、厚み分布は、第
1の層だけの厚み分布と第2の層だけの厚み分布が均一
であればよく、第1の層と第2の層の厚みは、異なって
いても良い。また、使用する用途が、例えば反射ミラー
や金属光沢フィルムなどの場合、特定の波長帯だけでな
く、可視光線の波長帯全体を反射することが好ましい。
このような場合、反射する光の波長帯が異なる本発明の
二軸延伸多層積層フィルムを複数枚貼合わせたり、第1
の層と第2の層の厚みを徐々に変化させた二軸延伸多層
積層フィルムを用いることが好ましく、これらも本発明
の二軸延伸多層積層フィルムに含まれることは、容易に
理解されるであろう。
【0038】本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、ヘ
ーズが10%以下であることが好ましい。不活性粒子に
よる光の散乱などでヘーズが10%以下になると、フィ
ルム自体が白っぽくなり、光沢が失われる。
【0039】[二軸延伸多層積層フィルムの製造方法]
本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、融点が250〜
260℃のエチレンテレフタレート成分を主たる繰返し
単位とするポリエステル(第1の層用)と、該第1の層
を構成するポリエステルよりも、延伸処理後の融点が少
なくとも10℃以上低い、エチレンテレフタレート成分
を主たる繰返し単位とするポリエステル(第2の層用)
とを、溶融状態で交互に少なくとも11層以上重ね合わ
せた状態で、押出し、多層未延伸フィルム(シート状物
とする工程)とする。なお、第1の層および第2の層を
構成するポリエステルは、前述の第1の層および第2の
層で説明したのと、同様である。第1の層用ポリエステ
ルの融点が250℃未満だと、第2の層用ポリエステル
との融点差が十分につかず、結果として、得られる多層
延伸フィルムの層間に十分な屈折率差が付与できない。
一方、ホモポリエチレンテレフタレートの融点が256
℃近傍であることから、第1の層用ポリエステルの融点
の上限は高々260℃程度である。また、第2の層用ポ
リエステルの融点が、第1の層用ポリエステルよりも1
5℃以上低くないときは、第2の層用ポリエステルとの
融点差が十分につかず、結果として、得られる多層延伸
フィルムの層間に十分な屈折率差が付与できない。第1
の層用ポリエステルの融点と第2の層用ポリエステルの
融点差の上限は、両者の密着性を維持する観点から、高
々50℃であることが好ましい。
【0040】このようにして得られた多層未延伸フィル
ムは、製膜方向とそれに直交する幅方向の2軸方向(フ
ィルム面に沿った方向)に延伸される。延伸温度は、第
1の層のポリエステルのガラス転移点の温度(Tg)〜
Tg+50℃の範囲が好ましい。このときの面積倍率は
5〜50倍であることが好ましい。延伸倍率が大きい
程、第1の層および第2の層の個々の層における面方向
のバラツキが、延伸による薄層化により小さくなる、す
なわち、多層延伸フィルムの光干渉が面方向に均一にな
るので好ましい。2方向に延伸する際の延伸方法は、逐
次2軸延伸でも同時2軸延伸であってもよい。
【0041】本発明の最大の特徴は、このようにして延
伸された多層フィルムを、第2の層用ポリエステルの融
点よりも10℃低い温度から、第1の層用ポリエステル
の融点よりも15℃低い温度の範囲で熱処理して、第2
の層内の分子鎖の配向を緩和させ、第2の層の屈折率を
低下させることにある。熱処理の温度が、第2の層用ポ
リエステルの融点よりも10℃を超えて低いと、第2の
層内の分子鎖の配向を緩和させて屈折率を低下させる効
果が不十分となり、得られる多層延伸フィルムに十分な
屈折率差を付与できない。一方、熱処理の温度が、第1
の層用ポリエステルの融点よりも10℃以上低い温度で
ないと、第1の層内の分子鎖の配向も緩和されて屈折率
が低下し、得られる多層延伸フィルムに十分な屈折率差
を付与できない。好ましい熱処理の温度は、第2の層用
ポリエステルの融点よりも6℃低い温度から、第1の層
用ポリエステルの融点よりも16℃低い温度、さらには
第2の層用ポリエステルの融点よりも2℃低い温度か
ら、第1の層用ポリエステルの融点よりも18℃低い温
度である。なお、熱処理の時間は、1〜60秒が好まし
い。
【0042】また、この熱処理の温度や時間を変化させ
ることにより、樹脂の組成を変化させることなく、第2
の層の屈折率を調整することができる、すなわち樹脂の
組成を変化させることなく、多層延伸フィルムの反射特
性を変化させることができる。
【0043】
【実施例】実施例をもって、本発明をさらに説明する。
なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定ま
たは評価した。
【0044】(1)ポリエステル樹脂の融点およびガラ
ス転移点(Tg) ポリエステル樹脂試料を10mgサンプリングし、DS
C装置(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC2
920)を用い、20℃/min.の昇温速度で、融点
を測定する。
【0045】(2)各層の厚み サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、
エポキシ樹脂にて包埋する。そして、包埋されたサンプ
ルをミクロトーム(ULTRACUT−S、製造元:ラ
イヘルト社)で製膜方向と厚み方向に沿って切断し、厚
さ50nmの薄膜切片にした。得られた薄膜切片を、透
過型電子顕微鏡(製造元:日本電子(株)、商品名:J
EM2010)を用いて、加速電圧100kVにて観察
・撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
【0046】(3)フィルムのDSCによる融点、結晶
化ピークの測定 サンプルフィルムを10mgサンプリングし、DSC装
置(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC292
0)にて、20℃/min.の昇温速度で、結晶化温度
および融点を測定する。
【0047】(4)反射率、反射波長 分光光度計(島津製作所製、MPC−3100)を用
い、各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射
率を波長350nmから2000nmの範囲で測定す
る。その測定された反射率の中で最大のものを、最大反
射率としその波長を反射波長とする。
【0048】(5)全光線透過率及びヘーズ JIS K7105に準じて、ヘーズ測定機(日本電色
工業(株)製、NDH−20)を使用して全光線透過率
t(%)と散乱光透過率Td(%)とを測定し、以下の
式からヘーズ(%)を算出する。 ヘーズ(%)=(Td/Tt)×100
【0049】(6)破断強度 製膜方向の破断強度は、サンプルフィルムを試料幅(幅
方向)10mm、長さ(製膜方向)150mmに切り出
し、チャック間100mm、引っ張り速度100mm/
minで、チャート速度500m/minの条件でイン
ストロンタイプの万能引っ張り試験装置にてサンプルを
引っ張る。そして得られた荷重−伸び曲線から破断強度
を測定した。
【0050】また、幅方向の破断強度は、サンプルフィ
ルムを試料幅(製膜方向)10mm、長さ(幅方向)1
50mmに切り出す以外は、製膜方向の破断強度の測定
と同様に行った。
【0051】(7)熱収縮率 150℃で30分間処理したときの熱収縮率は、150
℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で30分
間フィルムを保持し、加熱処理前後での寸法変化を熱収
縮率として下記式により算出する。 熱収縮率%=((L0−L)/L0)×100 L0:熱処理前の標点間距離。 L :熱処理後の漂点間距離。
【0052】また、200℃で10分間処理したときの
熱収縮率は、200℃に温度設定されたオーブンの中に
無緊張状態で10分間フィルムを保持し、加熱処理前後
での寸法変化を熱収縮率として上記式により算出する。
【0053】(8)厚み変動幅 製膜方向および幅方向にそれぞれ1m×1mとなるよう
に切り出したフィルムサンプルを縦方向及び幅方向に沿
ってそれぞれ2cm幅で25本に切り出し、各サンプル
の厚みを電子マイクロメータ及びレコーダー(K−31
2A,K310B、安立電気(株)製)を使用して連続
的に測定する。さらに測定点を200mmごとに細分化
し、その中での厚みの最大値と最小値を読み取り、その
差を厚み変動幅とする。
【0054】(9)層間の密着性 サンプルフィルム(10mm×50mm)の両面に24
mm幅の粘着テープ(ニチバン社製、商品名:セロテー
プ)を100mm貼り付け、180度の剥離角度で剥が
した後、剥離面を観察する。これを各10サンプルにつ
いて行い、層間剥離の生じた回数を算出した。
【0055】(10)色の斑 A4サイズのサンプルフィルムを10枚用意し、それぞ
れのサンプルフィルムを白色の普通紙に重ね、30ルク
スの照明の下、目視にてサンプルフィルム内の透過色の
色の斑を評価した。また、A4サイズのサンプルフィル
ムを10枚用意し、それぞれのサンプルフィルムの裏面
を黒色のスプレーにて着色した後、30ルクスの照明の
下、目視にてサンプルフィルム内の反射色の色の斑を評
価した。
【0056】そして、透過色および反射色の色の斑を総
合して、以下の評価基準で判断した。 ○:サンプル内に視認できる色の斑がない。 △:サンプル内に一部、色の異なる部分が見られる。 ×:明らかに斑や筋となって見える色斑が確認できる。
【0057】
【実施例1】固有粘度(オルトクロロフェノール、35
℃)0.63のポリエチレンテレフタレート(表1中で
「PET」と表記)を第1の層用ポリエステルとし、第
2の層用ポリエステルとしてイソフタル酸を12モル%
共重合した固有粘度(オルトクロロフェノール、35
℃)0.61の共重合ポリエチレンテレフタレート(表
1中で「IA12PET」と表記)に、不活性粒子とし
て真球状シリカ粒子(平均粒径:1.5μm、長径と短
径の比:1.02、粒径の平均偏差:0.1。表1中で
は種類「ア」と表記)を0.10重量%添加したものを
準備した。そして、第1の層用ポリエステルおよび第2
の層用ポリエステルを、それぞれ170℃で3時間乾燥
後、押出し機に供給し、280℃まで加熱して溶融状態
とし、第1の層用ポリエステルを101層、第2の層用
ポリエステルを100層に分岐させた後、第1の層と第
2の層が交互に積層するような多層フィードブロック装
置を使用して、その積層状態を保持したままダイへと導
き、キャスティングドラム上にキャストして各層の厚み
が等しくなるように第1の層と第2の層が交互に積層さ
れた総数201層の未延伸多層積層フィルムを作成し
た。このとき第1の層と第2の層の押出し量が1:1に
なるように調整し、かつ、両端層が第1の層になるよう
に積層した。この多層未延伸フィルムを90℃の温度で
製膜方向に3.6倍延伸し、更に95℃の温度で幅方向
に3.9倍に延伸し、230℃で3秒間熱固定処理を行
った。
【0058】得られた二軸延伸多層積層フィルムの物性
を表2に示す。
【0059】
【実施例2、3、および5〜7】第2の層用ポリエステ
ルおよび製造条件を表1に示すように変更する以外は、
実施例1と同様な操作を繰り返した。なお表1で各層の
樹脂の種類として記した記号は、「IA8PET」がイ
ソフタル酸を8モル%共重合した固有粘度(オルトクロ
ロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフ
タレートであり、「IA20PET」がイソフタル酸を
20モル%共重合した固有粘度(オルトクロロフェノー
ル、35℃)0.58のポリエチレンテレフタレートで
ある。また不活性粒子の種類として記した記号は、
「イ」が塊状炭酸カルシウム(平均粒径:1.5μm、
長径と短径の比:1.30、粒径の平均偏差:0.3)
であり、「ウ」が真球状シリコーン粒子(平均粒径:
0.1μm、長径と短径の比:1.10、粒径の平均偏
差:0.2)である。
【0060】得られた多層延伸フィルムの物性を表2に
示す。
【0061】
【実施例4】固有粘度(オルトクロロフェノール、35
℃)0.63のポリエチレンテレフタレート(PET)
を第1の層用ポリエステルとし、第2の層用ポリエステ
ルとして2,6−ナフタレンジカルボン酸を10モル%
共重合した固有粘度(オルトクロロフェノール、35
℃)0.70の共重合ポリエチレンテレフタレート(表
1中で「NDC10PET」と表記)を準備した。そし
て、第1の層用ポリエステルおよび第2の層用ポリエス
テルを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、押出し機に
供給し、280℃まで加熱して溶融状態とし、第1の層
用ポリエステルを101層、第2の層用ポリエステルを
100層に分岐させた後、第1の層と第2の層が交互に
積層するような多層フィードブロック装置を使用して、
その積層状態を保持したままダイへと導き、キャスティ
ングドラム上にキャストして各層の厚みが等しくなるよ
うに第1の層と第2の層が交互に積層された総数201
層の未延伸多層積層フィルムを作成した。このとき両端
層が第1の層になるように積層した。この多層未延伸フ
ィルムを90℃の温度で製膜方向に3.6倍延伸し、そ
の片面に下記塗膜用組成物の濃度1.6%の水性塗液を
ロールコーターで、乾燥後の厚みが0.1μmになるよ
うに均一に塗布した。
【0062】[塗膜用組成物] ・酸成分がテレフタル酸85モル%/イソフタル酸13
モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸12モル
%、グリコール成分がブチレングリコール80モル%/
ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物20
モル%である共重合ポリエステル樹脂:45重量% ・メチルメタクリレート80モル%/エチルアクリレー
ト10モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%
/2−ヒドロキシエチルメタクリレート5モル%からな
るアクリル樹脂:35重量% ・メチルメタクリレート・ジビニルベンゼン共重合体か
らなる40nmの平均粒子径を有する滑剤:15重量% ・ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテルから
なる界面活性剤:5重量% こうした組成からなる塗液を塗布後、80℃で乾燥し、
95℃の温度でフィルムを幅方向に3.9倍に延伸し、
230℃で3秒間熱固定処理を行った。
【0063】得られた二軸延伸多層積層フィルムの物性
を表2に示す。
【0064】
【比較例1】固有粘度(オルトクロロフェノール、35
℃)0.65のポリエチレン2,6−ナフタレンジカル
ボキシレート(表1中で「PEN」と表記)に、不活性
粒子として真球状シリカ粒子(平均粒径:0.20μ
m、長径と短径の比:1.02、粒径の平均偏差:0.
1。表1中では種類「エ」と表記)を0.10重量%添
加したものを第1の層用ポリエステルとし、イソフタル
酸を12モル%共重合した固有粘度(オルトクロロフェ
ノール、35℃)0.61の共重合ポリエチレンテレフ
タレート(IA12PET)を第2の層用ポリエステル
として準備した。そして、第1の層用ポリエステルおよ
び第2の層用ポリエステルを、それぞれ170℃で5時
間乾燥後、押出し機に供給し、300℃まで加熱して溶
融状態とし、第1の層用ポリエステルを101層、第2
の層用ポリエステルを100層に分岐させた後、第1の
層と第2の層が交互に積層するような多層フィードブロ
ック装置を使用して、その積層状態を保持したままダイ
へと導き、キャスティングドラム上にキャストして各層
の厚みが等しくなるように第1の層と第2の層が交互に
積層された総数201層の未延伸多層積層フィルムを作
成した。このとき第1の層と第2の層の押出し量が1:
1になるように調整し、かつ、両端層が第2の層になる
ように積層した。この多層未延伸フィルムを110℃の
温度で製膜方向に3.6倍延伸し、更に115℃の温度
で幅方向に3.9倍に延伸し、200℃で3秒間熱固定
処理を行った。
【0065】得られた多層延伸フィルムは、色斑がひど
く、層間の剥離特性の劣るフィルムであった。その物性
を表2に示す。
【0066】
【比較例2〜4】製造条件を表1に示すように変更した
以外は、比較例1と同様な操作を繰り返した。なおなお
表1で各層の樹脂の種類として記した記号において、
「IA3PET」はイソフタル酸を3モル%共重合した
固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.65
のポリエチレンテレフタレートである。比較例2と3で
得られたフィルムは、反射性能に劣るフィルムであっ
た。比較例4で得られたフィルムは比較例1同様、色斑
がひどく、層間の剥離特性の劣るフィルムであった。そ
の物性を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明の2軸延伸多層積層フィルムは、
構造的な発色により玉虫色に見えるなど優れた意匠性を
有するだけでなく、優れた層間の密着性および高度の破
断強度を有することから、その工業的価値は高い。特に
本発明の二軸延伸多層積層ポリエステルフィルムは、外
来光にさらされ、装飾性だけでなく、取り扱い性や内容
物を保護しうる高度の機械特性が求められる包装用フィ
ルムをはじめ、極狭幅にスリットされた装飾性繊維や、
その選択波長反射性能からホログラムシールの代替用偽
造防止フィルムなどに極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの反射率特性例。
【符号の説明】
1 最大反射率と反射率のベースラインの差 2 反射率のベースライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK42A AK42B AK42C AK42D AK42E AL01B AL01D AL01E EG00 EJ38 HB08 JA04 JA11 JK02 JK06 JL11 JN06 JN18 JN22 4F210 AA24A AA24C AG01 AG03 AR06 QC05 QC06 QG01 QG15 QG18 QW07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが0.05〜0.5μmの範囲にあ
    る第1の層と、第1の層を構成するポリエステル組成物
    とは組成を異にするポリエステル組成物からなる厚みが
    0.05〜0.5μmの範囲にある第2の層とを11層
    以上交互に積層した、波長350〜2000nmの光に
    対する反射率曲線に、最大反射率が反射率のベースライ
    ンよりも20%以上高い反射ピークを有する積層フィル
    ムであって、フィルム中のエチレンテレフタレート成分
    の割合が、ポリエステルの全繰返し単位を基準として、
    80モル%以上であることを特徴とする二軸延伸多層積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 示差走査熱量測定法により測定される融
    点が2つ以上存在し、その融点差が5℃以上であること
    を特徴とする請求項1記載の二軸延伸多層積層フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 示差走査熱量測定法により測定される結
    晶化ピークが、100〜190℃の範囲にあることを特
    徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の二軸延伸多層
    積層フィルム。
  4. 【請求項4】 全繰返し単位の1.5〜20モル%が、
    イソフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸成
    分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の二軸延伸多層積層フィルム。
  5. 【請求項5】 第1の層を構成するポリエステルが、結
    晶性ポリエステルであり、全繰返し単位の90モル%以
    上がエチレンテレフタレート成分であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸多層積層フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 第2の層を構成するポリエステルが、結
    晶性ポリエステルであり、全繰返し単位の75〜97モ
    ル%がエチレンテレフタレート成分であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の二軸延伸多層積層
    フィルム。
  7. 【請求項7】 フィルムの製膜方向および幅方向の破断
    強度が、いずれも50MPa以上であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の二軸延伸多層積層フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 エチレンテレフタレートを主たる成分と
    する融点が250〜260℃の第1の層用ポリエステル
    と、第1の層用ポリエステルよりも融点が15℃以上低
    い第2の層用ポリエステルとを、11層以上交互に積層
    したシート状物とする工程、得られたシート状物を製膜
    方向および幅方向にそれぞれ2〜50倍延伸する工程、
    および第2の層用ポリエステルの融点よりも10℃低い
    温度から第1の層用ポリエステルの融点よりも15℃低
    い温度で熱固定する工程からなることを特徴とする二軸
    延伸多層積層フィルムの製造方法。
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