JP2003314524A - クリップ - Google Patents

クリップ

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JP2003314524A JP2002115471A JP2002115471A JP2003314524A JP 2003314524 A JP2003314524 A JP 2003314524A JP 2002115471 A JP2002115471 A JP 2002115471A JP 2002115471 A JP2002115471 A JP 2002115471A JP 2003314524 A JP2003314524 A JP 2003314524A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部材同士を固定する際に使用するクリップにお
いて、径が多少異なるボルト径に対して汎用的に使用で
き、且つ構造が簡単で安価に製造できるクリップを得
る。 【解決手段】金属板から一体的に形成するクリップ10
であって、水平面に位置する環状基部11と、該環状基
部の内側部分に中心点を通る複数の切り込み部2を形成
し先端頂部側が上側に位置するように切り込み部で挟ま
れた三角片を傾斜させて成る複数の三角傾斜片13と、
前記環状基部の外側部分に前記三角傾斜片と反対方向に
傾斜させて互いに対向する位置に形成された複数の略方
形状の脚片15とを具備することで、傾斜する複数の三
角傾斜片13の先端頂部でボルト52のネジ山53を支
持して固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材同士を固定す
るためのクリップに関し、特に、部材に設けたボルトに
対して回転させることなく容易に固定できるクリップの
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のクリップ40としては、
図4に示すように、逆円錐形状にプレス加工して形成さ
れた本体41に対して、その中央にボルトが挿入される
ための孔部42を設けるとともに、本体41の直径の延
長上両側に延設された片を円錐凸部側に折曲して羽根状
の脚片43を設けたものが提案されている。各脚片43
は、孔部42を挟むように配置されている。
【0003】上述のクリップ40は、ボルトとナットに
代えて簡易に部材同士を固定する際に使用されるもの
で、例えば、図5に示すように、自動車の車体底面51
に装着される消音器61に対する遮熱板71を固定する
ものである。すなわち、車体底面51に固定されたボル
ト52に遮熱板71を装着し、ネジ山53が形成された
ボルト52にクリップ40を固定することで遮熱板71
の固定を行う。固定を行う場合には、クリップ40の脚
片43が下になるようにボルト52にクリップ40の孔
部42を配置させ、ボルト52に対してクリップ40を
押し込むことで、車体底面51に固定されているボルト
52を脚片43で挟んで遮熱板71を仮固定する。
【0004】この状態では車体底面51と遮熱板71と
は密着していないので(車体底面51に脚片43が当接
しておらず密着力が弱い)、ボルト52に対してクリッ
プ40を更に押し込み、脚片43がボルト52のネジ山
53を数ピッチ乗り越えることで、ボルト52のネジ山
53にクリップ40の孔部42周壁が嵌合し、脚片43
を車体底面51に当接させて弾性力(遮熱板71を車体
底面51に押し付ける力)が発生した状態でクリップ4
0が固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記クリ
ップ40によれば、ボルト52のネジ山53にクリップ
40の孔部42の周壁が嵌合して固定する構造であるた
め、異なるボルトの径に対しては孔部42の大きさを変
化させる必要があり、汎用性に乏しいという問題点があ
った。
【0006】また、本体41の直径方向に延設された脚
片43を有しているので、プレス加工前における脚片形
成方向における展開面積(点線部分43´)が長くなる
という欠点があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、径が多少異なるボルト径に対して汎用的に使用で
き、且つ構造が簡単で安価に製造することができるクリ
ップを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係るクリップは、金属板から一体的に形成する
クリップであって、水平面に位置する環状基部と、該環
状基部の内側部分に中心点を通る複数の切り込み部を形
成し先端頂部側が上側に位置するように切り込み部で挟
まれた三角片を傾斜させて成る複数の三角傾斜片と、前
記環状基部の外側部分に前記三角傾斜片と反対方向に傾
斜させて互いに対向する位置に形成された複数の略方形
状の脚片と、を具備することを特徴としている。
【0009】また、請求項1に記載のクリップにおい
て、前記環状基部の外側部分に前記三角傾斜片と同一方
向に垂直に傾斜するよう互いに対向する位置に形成され
た一対の立片を有することが好ましい。
【0010】ボルトに対して本発明のクリップを装着す
る場合、傾斜する複数の三角傾斜片の先端頂部でボルト
のネジ山を支持して固定する。また、この際、三角傾斜
片の傾斜角度により先端頂部同士の間隔が調整でき、ク
リップを固定するに際して異なるボルト径に対しても対
応することができる。
【0011】また、立片を形成することで、立片を摘ん
でクリップを容易に回転させることができ、クリップの
ボルトへの固定状態を解除することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例として
のクリップについて、図1及び図2を参照しながら説明
する。図1(a)(b)(c)はそれぞれクリップの平
面説明図、正面図、側面図、(d)(e)は断面説明
図、図2はプレス加工される前のクリップの展開形状を
示す平面説明図である。
【0013】本発明に係るクリップ10は、図2に示さ
れるような円板1に切り込み部2や切り欠き部3,4を
形成した金属板をプレス加工することで一体的に形成さ
れるものである。図2の円板1をプレス加工した場合、
図1のような立体的な形状を有するクリップ10とな
る。このクリップ10は、図1(a)の平面図において
水平面に位置する環状基部11と、この環状基部11の
内側部分に形成された複数の三角傾斜片13と、環状基
部11の外側部分に形成された複数の脚片15とを有し
て構成されている。
【0014】環状基部11は、プレス加工の前後でその
形状は変化しない。環状基部11の内側部分には、中心
点を通る3本の切り込み部2が形成され、プレス加工を
行うことで先端頂部側が上側に位置するように切り込み
部2で挟まれた6個の三角片が底辺側で折り曲げられる
ことで、環状基部11に対して傾斜させて配置される。
6個の三角傾斜片13の先端頂部で囲まれた部分には、
後述するボルトが挿入される孔部14が形成されてい
る。
【0015】環状基部11の外側部分には、プレス加工
を行うことで三角傾斜片13と反対方向に傾斜させて互
いに対向する位置に形成された二対の略方形状の脚片1
5が形成されている。各脚片15の外側端部は、三角傾
斜片側に折曲形成16させて環状基部11に平行な面を
形成している。各脚片15は、切り込み部2に対峙する
位置に配置され、外側が若干幅広い方形状で形成されて
いる。各脚片15の中央部には、環状基部11にかかる
荷重に対して変形し易い弾性力を持たせるように開口部
17が形成されている。
【0016】また、環状基部11の外側部分には、脚片
15が対峙しない切り込み部2に対応する位置に、前記
三角傾斜片13と同一方向に垂直に傾斜するよう互いに
対向するように一対の方形状の立片18が形成されてい
る。
【0017】続いて、上記構造のクリップ10の使用方
法について、図3を参照しながら説明する。先ず、車体
底面51に固定されたボルト52に遮熱板71を装着す
るに際して、遮熱板71に形成されたボルト52に対応
する孔部72にボルト52が挿入するように遮熱板71
を装着する。次に、クリップ10の脚片15が遮熱版7
1に当接するように、ボルト52にクリップ10の孔部
14を挿入する。
【0018】ボルト52に挿入されたクリップ10を押
し込むと、脚片15の傾斜が緩やかになる方向に変形す
るとともに、各三角傾斜片13の頂部がネジ山53のよ
り深い位置のピッチを噛むように移動し、環状基部11
に弾性力が付与されるとともに、ネジ山53に三角傾斜
片13の頂部が嵌合する。この状態では、クリップ10
の各三角傾斜片13の頂部により環状基部11及び脚片
15が遮熱板71側に押されているので、遮熱板71と
車体底面51との固定を確保することができる。
【0019】上記構造によれば、脚片15の先端側を折
曲形成16することで、環状基部11にスムースに弾性
力を付与させることができる。すなわち、折曲形成16
されない場合には、弾性力が付与されたとき、脚片15
の外側端部が爪となり、遮熱板71に食い込むおそれが
あり、その結果、脚片15の傾斜角度の変形を防ぐこと
になり、スムースな弾性力の付勢ができなくなる。ま
た、折曲形成16させることにより、弾性力が付勢され
たときに滑り易くなり、遮熱板71への傷発生を防止す
ることができる。
【0020】クリップ10を使用した遮熱板71と車体
底面51との固定時には、各脚片15が遮熱板71に押
し付けられることでバネ力が発生しているので、遮熱板
71の装着時におけるガタ付きを防止することができ
る。
【0021】また、クリップ10の装着時において、立
片18をつまんでボルト52から外れる方向に回転させ
ることにより、ネジ山53に沿って三角傾斜片13の頂
部が移動してボルト52からクリップ10を容易に外す
ことができる。
【0022】各三角傾斜片13の頂部に囲まれた部分に
形成された孔部14の径は、三角傾斜片13の傾斜位置
により調節できるので、異なるボルト径に対しても同じ
クリップ10が使用できる。
【0023】ボルト52に装着する場合において、従来
例で説明したクリップ40の場合は逆円錐状の本体41
でボルト頭部が隠れるのに対して、本発明のクリップ1
0では切り込み部2がスリットとなり三角傾斜片13の
裏面側が見えるので、ボルト52頭部の位置を確認でき
挿入し易いという利点がある。
【0024】また、従来例のクリップ40のように外側
に延設される羽根状の脚片43を有していないので、展
開面積を小さくすることができ、製造コストを安価にす
ることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ボルトに対して装着す
る場合、傾斜する複数の三角傾斜片の先端頂部でボルト
のネジ山を支持して固定するので、三角傾斜片の傾斜角
度により先端頂部同士の間隔(孔部の径)を調整でき、
クリップを固定するに際して異なるボルト径に対しても
装着が可能な汎用性の高い構造を得ることができる。
【0026】また、立片を形成することで、クリップの
装着時において、立片をつまんでボルトから外れる方向
に容易に回転させることができ、ネジ山に沿って三角片
の頂部を移動させてボルトからクリップを容易に外すこ
とができる構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のクリップを示すも
ので、(a)は平面説明図、(b)は正面説明図、
(c)は側面説明図、(d)は(a)におけるA−A線
断面説明図、(e)は(a)におけるB−B線断面説明
図である。
【図2】クリップのプレス加工前の展開形状を示す平面
説明図である。
【図3】クリップの装着例を示す構造説明図である。
【図4】従来のクリップを示すもので、(a)は正面説
明図、(b)は側面説明図、(c)は平面説明図であ
る。
【図5】クリップの装着箇所を説明するための構造説明
図である。
【符号の説明】
1…円板、 2…切り込み部、 3,4…切り欠き部、
10…クリップ、 11…環状基部、 13…三角傾斜
片、 14…孔部、15…脚片、 17…開口部、 1
8…立片、52…ボルト、 53…ネジ山

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板から一体的に形成するクリップであ
    って、 水平面に位置する環状基部と、 該環状基部の内側部分に中心点を通る複数の切り込み部
    を形成し先端頂部側が上側に位置するように切り込み部
    で挟まれた三角片を傾斜させて成る複数の三角傾斜片
    と、 前記環状基部の外側部分に前記三角傾斜片と反対方向に
    傾斜させて互いに対向する位置に形成された複数の略方
    形状の脚片と、を具備することを特徴とするクリップ。
  2. 【請求項2】前記環状基部の外側部分に前記三角傾斜片
    と同一方向に垂直に傾斜するよう互いに対向する位置に
    形成された一対の立片を有する請求項1に記載のクリッ
    プ。
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