JP2003313654A - 成膜装置および成膜方法およびクリーニング方法 - Google Patents

成膜装置および成膜方法およびクリーニング方法

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organic compound
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Masakazu Murakami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度、且つ、高密度のEL層を形成するこ
とができる成膜装置、およびクリーニング方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、基板を加熱する加熱手段で基
板10を加熱し、さらに成膜室に接続された減圧手段
(ターボ分子ポンプやドライポンプやクライオポンプな
どの真空ポンプ)で5×10-3Torr(0.665P
a)以下、好ましくは1×10-3Torr(0.133
Pa)以下として、蒸着源から有機化合物材料を蒸着さ
せることにより成膜を行い、高密度なEL層を形成す
る。また、成膜室内で蒸着マスクをプラズマでクリーニ
ングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸着により成膜可能
な材料(以下、蒸着材料という)の成膜に用いる成膜装
置および成膜方法に関する。加えて、本発明は蒸着によ
り内壁などに付着した蒸着材料を除去するクリーニング
法に関する。特に、本発明は蒸着材料として有機材料を
用いる場合に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】近年、自発光型の素子としてEL素子を
有した発光装置の研究が活発化しており、特に、EL材
料として有機材料を用いた発光装置が注目されている。
この発光装置は有機ELディスプレイ(OELD:Orga
nic EL Display)又は有機発光ダイオード(OLED:
Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。
【0003】なお、EL素子は、電場を加えることで発
生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が得ら
れる有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)と、陽
極と、陰極とを有する。有機化合物におけるルミネッセ
ンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光
(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光
(リン光)とがあるが、本発明の成膜装置および成膜方
法により作製される発光装置は、どちらの発光を用いた
場合にも適用可能である。
【0004】発光装置は、液晶表示装置と異なり自発光
型であるため視野角の問題がないという特徴がある。即
ち、屋外に用いられるディスプレイとしては、液晶ディ
スプレイよりも適しており、様々な形での使用が提案さ
れている。
【0005】EL素子は一対の電極間にEL層が挟まれ
た構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっ
ている。代表的には、コダック・イーストマン・カンパ
ニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸
送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に
発光効率が高く、現在、研究開発が進められている発光
装置は殆どこの構造を採用している。
【0006】また、他にも陽極上に正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する
構造も良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピング
しても良い。また、これらの層は、全て低分子系の材料
を用いて形成しても良いし、全て高分子系の材料を用い
て形成しても良い。
【0007】なお、本明細書において、陰極と陽極との
間に設けられる全ての層を総称してEL層という。した
がって、上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電
子輸送層及び電子注入層は、全てEL層に含まれる。
【0008】また、本明細書中では、陰極、EL層及び
陽極で形成される発光素子をEL素子といい、これに
は、互いに直交するように設けられた2種類のストライ
プ状電極の間にEL層を形成する方式(単純マトリクス
方式)、又はTFTに接続されマトリクス状に配列され
た画素電極と対向電極との間にEL層を形成する方式
(アクティブマトリクス方式)の2種類がある。
【0009】EL素子の実用化における最大の問題は、
素子の寿命が不十分な点である。また、素子の劣化は、
長時間発光させると共に非発光領域(ダークスポット)
が広がるという形で現れるが、その原因としてEL層の
劣化が問題となっている。
【0010】EL層を形成するEL材料は、酸素や水等
の不純物により劣化を受ける。また、その他の不純物が
EL材料に含まれることでEL層の劣化に影響を及ぼす
ことも考えられる。
【0011】また、EL材料は低分子系(モノマー系)
材料と高分子系(ポリマー系)材料に大別されるが、こ
のうち低分子系材料は主に蒸着により成膜される。
【0012】従来の蒸着法により成膜を行う際には、蒸
発材料をそのまま用いているが、蒸着時の蒸発材料に
は、不純物が混入していることが考えられる。すなわ
ち、EL素子の劣化原因の一つである酸素や水及びその
他の不純物が混入している可能性がある。
【0013】また、蒸発材料を予め精製することにより
純度を高めることはできるが、蒸着するまでの間に不純
物が混入してしまうという可能性もある。
【0014】EL材料は極めて劣化しやすく、酸素もし
くは水の存在により容易に酸化して劣化する。そのた
め、成膜後にフォトリソグラフィ工程を行うことができ
ず、パターン化するためには開口部を有したマスク(以
下、蒸着マスクという)で成膜と同時に分離させる必要
がある。従って、昇華した有機EL材料の殆どが成膜室
内の蒸着マスクもしくは防着シールド(蒸着材料が成膜
室の内壁に付着することを防ぐための保護板)に付着し
ていた。
【0015】蒸着マスクや防着シールドに付着した有機
EL材料を除去するためには、成膜室を一旦大気解放し
て蒸着マスクや防着シールドを外に取り出し、洗浄した
上で再び成膜室内に戻すという作業が必要であった。し
かしながら、大気解放した蒸着マスクや防着シールドに
吸着された水もしくは酸素が有機EL材料の成膜時に離
脱して膜中に取り込まれる可能性もあり、有機EL材料
の劣化を促進する要因となりうることが懸念されてい
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
鑑みてなされたものであり、スループットが高く、且
つ、高密度、且つ、高純度なEL層を形成することがで
きる成膜装置を提供することを課題とする。さらに、本
発明の成膜装置を用いた成膜方法を提供することを課題
とする。
【0017】加えて、本発明は成膜装置の内部に設けら
れる治具、及び成膜装置の内壁に付着した蒸着材料を大
気解放しないで除去するためのクリーニング方法および
そのクリーニング方法を行うための機構を備えた成膜装
置を提供することを課題とする。なお、本明細書では、
前記成膜装置の内部に設けられる治具に基板ホルダ、マ
スクホルダ、防着シールドもしくは蒸着マスクを含む。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の成膜装置は、基
板に対向して配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着
させて前記基板上に成膜を行う成膜装置であって、前記
基板が配置される成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を加
熱する手段と、基板、またはマスク(蒸着マスク)を加
熱する加熱手段とを有し、前記成膜室は、前記成膜室内
を真空にする真空排気処理室と連結されていることを特
徴とする成膜装置である。
【0019】本発明は、基板を加熱する加熱手段で基板
を加熱し、さらに成膜室に接続された減圧手段(ターボ
分子ポンプやドライポンプやクライオポンプなどの真空
ポンプ)で5×10-3Torr(0.665Pa)以
下、好ましくは1×10-3Torr(0.133Pa)
以下として、蒸着源から有機化合物材料を蒸着させるこ
とにより成膜を行い、高密度なEL層を形成する方法を
提供する。従って、本発明においては、成膜と同時に真
空中でアニールを行うことができる。また、成膜する前
に基板を真空中でアニールすることもできる。また、成
膜した後に基板を真空中でアニールすることもできる。
なお、上記基板の温度(T1)は、蒸着源の温度(T3
よりも低く設定する。また、基板を加熱する手段として
は、ヒーターや電熱線などが設けられたステージ(基板
を固定する機能を有していてもよい)、またはヒーター
や電熱線などが設けられたメタルマスクを基板に密接ま
たは近接させて加熱することができ、基板の温度
(T1)は、50〜200℃、好ましくは65〜150
℃とすることができる。本発明において、基板を加熱さ
せることによって、加熱された基板に密接または近接し
て設けられる蒸着マスクも加熱される。従って、蒸着マ
スクは熱によって変形しにくく(低熱膨張率であり)、
基板の温度(T1)に耐えうる金属材料(例えば、タン
グステン、タンタル、クロム、ニッケルもしくはモリブ
デンといった高融点金属もしくはこれらの元素を含む合
金、ステンレス、インコネル、ハステロイといった材料
を用いることが望ましい。例えば、ガラス基板(0.4
×10-6〜8.5×10-6)と熱膨張率が近いニッケル
42%、鉄58%の低熱膨張合金(42アロイ)、ニッ
ケル36%の低熱膨張合金(36インバー)などが挙げ
られる。
【0020】また、蒸着時に有機化合物が成膜室の内壁
に付着することを防止するための付着防止手段を設ける
ことが好ましく、本発明の成膜装置は、基板に対向して
配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着させて前記基
板上に成膜を行う成膜装置であって、前記基板が配置さ
れる成膜室には、内壁に成膜されることを防止する付着
防止手段と、該付着防止手段を加熱する加熱手段と、蒸
着源と、該蒸着源を加熱する手段と、基板、またはマス
ク(蒸着マスク)を加熱する加熱手段とを有し、前記成
膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理室と連
結されていることを特徴とする成膜装置である。
【0021】付着防止手段としては、防着シールドが好
ましく、防着シールドの周囲にヒーターを設け、防着シ
ールド全体を加熱し、防着シールドの温度(T2)を基
板の温度(T1)より10℃以上と設定することで基板
上に蒸着されなかった有機化合物を付着させることがで
きる。また、防着シールドをある温度(有機化合物の昇
華温度)以上に加熱することにより、付着した有機化合
物を気化させて成膜室のクリーニングを行うこともでき
る。
【0022】本発明において、成膜の際、基板の温度
(T1)は、防着シールドの温度(T2)よりも低く設定
し、防着シールドの温度(T2)は、蒸着源の温度
(T3)よりも低く設定することを特徴としている。
【0023】また、本発明の成膜装置を用い、インライ
ン方式の成膜装置とすることができ、本発明の成膜装置
は、ロード室と、搬送室と、成膜室とが、直列方向に連
結された成膜装置であって、前記成膜室は、マスクと基
板の位置あわせを行う機能を有し、前記成膜室は、前記
成膜室内を真空にする真空排気処理室と連結され、内壁
に成膜されることを防止する付着防止手段と、該付着防
止手段を加熱する加熱手段と、蒸着源と、該蒸着源を加
熱する手段と、基板、またはマスク(蒸着マスク)を加
熱する加熱手段とを有していることを特徴とする成膜装
置である。
【0024】また、本発明の成膜装置を用い、マルチチ
ャンバー方式の成膜装置とすることができ、本発明の成
膜装置は、ロード室、該ロード室に連結された搬送室、
及び該搬送室に連結された成膜室とを有する成膜装置で
あって、前記搬送室は、マスクと基板の位置あわせを行
う機能を有し、前記成膜室は、前記成膜室内を真空にす
る真空排気処理室と連結され、内壁に成膜されることを
防止する付着防止手段と、該付着防止手段を加熱する加
熱手段と、蒸着源と、該蒸着源を加熱する手段と、基
板、またはマスク(蒸着マスク)を加熱する加熱手段と
を有していることを特徴とする成膜装置である。
【0025】また、上記各成膜装置において、一つの成
膜室に複数の蒸着源を配置して、同一の成膜室におい
て、複数の機能領域を形成し、且つ、混合領域を有する
発光素子を形成することができる。従って、発光素子の
陽極と陰極の間に複数の機能領域からなる有機化合物膜
が形成される場合、従来の明確な界面が存在する積層構
造ではなく、第一の機能領域と第二の機能領域との間
に、第一の機能領域を構成する材料および第二の機能領
域を構成する材料の両方からなる混合領域を有する構造
を形成することができる。本発明により、成膜前、また
は成膜中に真空アニールを行うことによって、混合領域
における分子間をよりフィットさせることができる。混
合領域を形成することにより機能領域間におけるエネル
ギー障壁は、緩和される。したがって、駆動電圧の低
減、および輝度低下の防止が可能となる。
【0026】なお、第一の有機化合物および第二の有機
化合物は、陽極から正孔を受け取る正孔注入性、電子移
動度よりも正孔移動度の方が大きい正孔輸送性、正孔移
動度よりも電子移動度の方が大きい電子輸送性、陰極か
ら電子を受け取る電子注入性、正孔または電子の移動を
阻止しうるブロッキング性、発光を呈する発光性、の一
群から選ばれる性質を有し、かつ、それぞれ異なる前記
性質を有する。
【0027】なお、正孔注入性の高い有機化合物として
は、フタロシアニン系の化合物が好ましく、正孔輸送性
の高い有機化合物としては、芳香族ジアミン化合物が好
ましく、また、電子輸送性の高い有機化合物としては、
キノリン骨格を含む金属錯体、ベンゾキノリン骨格を含
む金属錯体、またはオキサジアゾール誘導体、またはト
リアゾール誘導体、またはフェナントロリン誘導体が好
ましい。さらに、発光を呈する有機化合物としては、安
定に発光するキノリン骨格を含む金属錯体、またはベン
ゾオキサゾール骨格を含む金属錯体、またはベンゾチア
ゾール骨格を含む金属錯体が好ましい。
【0028】さらに好ましくは、発光性領域を、ホスト
材料と、ホスト材料よりも励起エネルギーが低い発光材
料(ドーパント)とで構成し、ドーパントの励起エネル
ギーが、正孔輸送性領域の励起エネルギーおよび電子輸
送層の励起エネルギーよりも低くなるように設計するこ
とである。このことにより、ドーパントの分子励起子の
拡散を防ぎ、効果的にドーパントを発光させることがで
きる。また、ドーパントがキャリアトラップ型の材料で
あれば、キャリアの再結合効率も高めることができる。
【0029】また、三重項励起エネルギーを発光に変換
できる材料をドーパントとして混合領域に添加した場合
も本発明に含めることとする。また、混合領域の形成に
おいては、混合領域に濃度勾配をもたせてもよい。
【0030】なお、本発明における成膜装置は、EL材
料で代表される有機化合物のみならず、蒸着に用いる金
属材料等のその他の材料の成膜にも用いることができ
る。
【0031】また、レーザー光を照射し、レーザー光を
成膜室の内壁に走査させてクリーニングを行うことがで
き、本発明の成膜装置は、基板に対向して配置した蒸着
源から有機化合物材料を蒸着させて前記基板上に成膜を
行う成膜装置であって、前記基板が配置される成膜室に
は、蒸着源と、該蒸着源を加熱する手段と、基板を加熱
する加熱手段とを有し、前記成膜室は、前記成膜室内を
真空にする真空排気処理室と連結され、且つ、前記処理
室の内壁にレーザー光を照射するクリーニング予備室と
連結されていることを特徴とする成膜装置である。
【0032】上記構成において、前記レーザー光は、ガ
ルバノミラーまたはポリゴンミラーなどを用いて走査さ
せ、成膜室内壁、防着シールド、または蒸着マスクなど
に付着した蒸着物を気化させてクリーニングすればよ
い。上記構成により、メンテナンス時に成膜室内を大気
にふれることなくクリーニングすることが可能となる。
【0033】また、上記レーザー光としては、連続発振
またはパルス発振の固体レーザ、或いは、連続発振また
はパルス発振のエキシマレーザ、Arレーザ、Krレー
ザなどをレーザ光源とするレーザー光である。前記固体
レーザは、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレー
ザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、
アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザか
ら選ばれた一種または複数種を挙げることができる。
【0034】また、蒸着源を備えた成膜装置内にプラズ
マ発生手段を有する成膜装置も本発明の一つであり、本
発明の成膜装置に関する他の構成は、基板に対向して配
置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着させて前記基板
上に成膜を行う成膜装置であって、前記基板が配置され
る成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を加熱する手段と、
基板を加熱する加熱手段と、マスク(蒸着マスク)と、
該マスクに対向する電極とを有し、前記成膜室は、前記
成膜室内を真空にする真空排気処理室と連結され、且
つ、前記成膜室内にプラズマを発生させることを特徴と
する成膜装置である。
【0035】上記構成において、前記マスクは導電性材
料からなり、前記マスクまたは前記電極のいずれか一方
に高周波電源(周波数13MHz〜40MHz、高周波
電力20W〜200W)が接続されていることを特徴と
している。また、前記マスクと前記電極の間隔は1cm
〜5cmとすればよい。また、上記構成において、前記
成膜室内にAr、H、F、NF3、またはOから選ばれ
た一種または複数種のガスを導入するガス導入手段と、
気化させた蒸着物を排気する手段とを有している。
【0036】また、上記構成において、プラズマを発生
させる一方の電極となる蒸着マスクは導電性を有する材
料からなり、且つ、熱によって変形しにくく(低熱膨張
率を有し)、プラズマに耐えうる金属材料(例えば、タ
ングステン、タンタル、クロム、ニッケルもしくはモリ
ブデンといった高融点金属もしくはこれらの元素を含む
合金、ステンレス、インコネル、ハステロイといった材
料を用いることが望ましい。また、加熱される蒸着マス
クを冷却するため、蒸着マスクに冷却媒体(冷却水、冷
却ガス)を循環させる機構を備えてもよい。
【0037】上記プラズマ発生手段により、成膜室内に
プラズマを発生させ、成膜室内壁、防着シールド、また
は蒸着マスクに付着した蒸着物を気化させて成膜室外に
排気することによって、クリーニングすればよい。上記
構成により、メンテナンス時に成膜室内を大気にふれる
ことなくクリーニングすることが可能となる。
【0038】また、上記構成の成膜装置を用いたクリー
ニング方法も本発明の一つであり、蒸着源を備えた成膜
室内に付着した有機化合物を除去するクリーニング方法
であって、成膜室内にプラズマを発生させて内壁、また
は該内壁に成膜されることを防止する付着防止手段、ま
たはマスクをクリーニングすることを特徴とするクリー
ニング方法である。
【0039】また、上記クリーニング方法の構成におい
て、前記プラズマは、前記マスクと、該マスクと前記蒸
着源との間に設けられた電極との間に発生させることを
特徴としている。
【0040】また、上記クリーニング方法の構成におい
て、前記プラズマは、Ar、H、F、NF3、またはO
から選ばれた一種または複数種のガスを励起して発生さ
せることを特徴としている。
【0041】また、新規な成膜方法および成膜装置を提
供する。
【0042】本発明の成膜方法は、成膜室で蒸発源から
有機化合物材料を蒸発させて成膜する際、有機化合物材
料の粒子よりも小さい粒子、即ち原子半径の小さい材料
からなるガスを微量に流し、有機化合物膜中に原子半径
の小さい材料を含ませることを特徴としている。
【0043】本発明の成膜方法は、成膜室内に配置され
た基板上に有機化合物を蒸着させる成膜方法であって、
前記成膜室内を1×10-3Torrよりも高真空とし、基
板に対向して配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着
させて前記基板上に成膜を行う際、同時に材料ガスを前
記成膜室に導入することを特徴とする成膜方法である。
【0044】上記構成において、前記材料ガスは、モノ
シラン、ジシラン、トリシラン、SiF4、GeH4、G
eF4、SnH4、CH4、C22、C24、またはC6
6から選ばれた一種または複数種であることを特徴とし
ている。
【0045】また、上記成膜方法を実施するための成膜
装置も本発明の1つであり、本発明の成膜装置は、基板
に対向して配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着さ
せて前記基板上に成膜を行う成膜装置であって、前記基
板が配置される成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を加熱
する手段とを有し、前記成膜室は、前記成膜室内を真空
にする真空排気処理室と連結され、且つ、材料ガスを導
入しうる手段とを有していることを特徴とする成膜装置
である。
【0046】また、上記構成において、前記材料ガス
は、モノシラン、ジシラン、トリシラン、SiF4、G
eH4、GeF4、SnH4、CH4、C22、C24、ま
たはC66から選ばれた一種または複数種であることを
特徴としている。
【0047】また、モノシランに加えてフォスフィンガ
スを導入してもよい。また、モノシランに代えて、As
3、B22、BF4、H2Te、Cd(CH32、Zn
(CH32、(CH33In、H2Se、BeH2、トリ
メチルガリウム、またはトリエチルガリウムで示される
各種ガスを用いることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に説明する。
【0049】(実施の形態1)本発明における成膜装置
の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明
の成膜装置における断面図の一例である。
【0050】蒸着法による成膜を行う際、フェイスダウ
ン方式(デポアップ方式ともいう)とすることが好まし
く、基板10は、被成膜面を下向きにしてセットされて
いる。フェイスダウン方式とは、基板の被成膜面が下を
向いた状態で成膜する方式をいい、この方式によればゴ
ミの付着などを抑えることができる。
【0051】図1に示すように、基板10に接して加熱
手段、ここではヒータ11が備えられている。加熱手段
によって、基板の温度(T1)は、50〜200℃、好
ましくは65〜150℃とすることができる。また、基
板10の下方には、ホルダ12bに固定されたメタルマ
スク12aが備えられており、さらにその下方には、そ
れぞれ異なる温度に加熱することも可能な蒸着源ホルダ
16a〜16cが設けられている。なお、基板に対向す
るように蒸着源が設けられている。ここではホルダ12
bで固定した例を示したが、永久磁石を使って基板をメ
タルマスクで挟むことにより固定してもよい。
【0052】図1では、基板10に接してメタルマスク
(蒸着マスクとも呼ぶ)12aを配置するため、基板を
加熱すると、メタルマスクも同時に加熱される。基板の
加熱手段とメタルマスクとによって基板全体を加熱する
ことができる。従って、メタルマスク(蒸着マスク)は
熱によって変形しにくく、基板の温度(T1)に耐えう
る金属材料を用いることが望ましい。また、蒸着マスク
は金属材料に限定されず、基板の温度(T1)に耐えう
る他の材料からなるマスク(遮光膜が表面に設けられた
ガラスまたは石英)を用いてもよい。なお、ここでは、
基板10に接してメタルマスク12aを配置した例を示
したが、特に限定されず、基板とメタルマスクとを離間
してもよい。
【0053】また、メタルマスクに接して加熱手段(ヒ
ータや電熱線)を設ける、或いはメタルマスク自体に加
熱手段(ヒータや電熱線)を設け、メタルマスクを加熱
することによって、メタルマスクに接する基板を加熱し
てもよい。メタルマスクを加熱することによって、成膜
される側の基板表面を加熱することができる。
【0054】ここでは、蒸着源とは、蒸着源ホルダ16
a〜16cと、有機化合物膜を形成する有機化合物17
(17a〜17c)と、有機化合物が備えられている材
料室18(18a〜18c)と、シャッター19(19
a〜19c)とで構成されている。また、有機化合物
は、成膜室に付随する専用の材料交換室(図示しない)
から導入することによって成膜室の大気開放を極力さけ
ることが好ましい。成膜室を大気開放することにより、
内壁には水分をはじめ様々なガスが吸着し、これが真空
排気をすることにより再度放出される。吸着したガスの
放出が収まり真空度が平衡値に安定するまでの時間は、
数十〜数百時間を要する。そのために成膜室の壁をベー
キング処理してその時間を短縮させている。しかし、繰
り返し大気開放することは効率的な手法ではないので、
専用の材料交換室を設けることが望ましい。
【0055】なお、本発明の成膜装置において、膜が均
一に成膜されるように、蒸着源、または、蒸着される基
板が移動(または回転)するようにしておくと良い。図
1では、蒸着される基板が回転することが可能となって
おり、メタルマスク12a、及びホルダ12bも回転す
る例を示している。或いは、基板を固定させたまま、蒸
着ホルダを基板に対してX方向またはY方向に移動させ
て蒸着してもよい。
【0056】また、材料室18(18a〜18c)は、
導電性の金属材料からなる蒸着源ホルダ16a〜16c
の空間であり、蒸着源ホルダに設けられた加熱手段(電
圧が印加された際に生じる抵抗(抵抗加熱))により内
部の有機化合物17(17a〜17c)がそれぞれ昇華
温度(T3、T3’、T3’’)まで加熱されると、気化
して基板10の表面へ蒸着される。加熱手段としては、
抵抗加熱型を基本とするが、クヌーセンセルを用いても
よい。なお、基板10の表面とは本明細書中では、基板
とその上に形成された薄膜も含むこととし、ここでは、
基板上に陽極または陰極が形成されているものとする。
【0057】なお、シャッター19(19a〜19c)
は、気化した有機化合物17(17a〜17c)の蒸着
を制御する。つまり、シャッターが開いているとき、加
熱により気化した有機化合物17(17a〜17c)を
蒸着することができる。さらに基板10とシャッター1
9との間に別のシャッター(例えば、蒸着源からの昇華
が安定するまでの間、蒸着源を覆っておくシャッター)
を一つまたは複数設けてもよい。
【0058】なお、有機化合物17(17a〜17c)
は、蒸着前から加熱して気化させておき、蒸着時にシャ
ッター19(19a〜19c)を開ければすぐに蒸着が
できるようにしておくと、成膜時間を短縮できるので望
ましい。
【0059】また、本発明における成膜装置において
は、一つの成膜室において複数の機能領域を有する有機
化合物膜を形成することが可能となっており、蒸着源も
それに応じて複数設けられている。それぞれの蒸着源に
おいて気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタル
マスク12aに設けられた開口部(図示せず)を通って
基板10に蒸着される。なお、メタルマスクの開口部は
長方形、楕円形、もしくは線状でも良いし、また、これ
らがマトリクス状の配列であってもデルタ配列であって
も良い。
【0060】また、蒸着材料の析出温度の差を利用して
高純度EL材料(中温材料)より高温で析出する不純物
(高温材料)、または、低温で析出する不純物(低温材
料)を分離し、高純度EL材料のみで成膜を行ってもよ
い。また、本明細書中では、高純度EL材料よりも昇華
温度の高い物質(不純物)を高温材料とよび、昇華温度
の低い物質(不純物)を低温材料とよぶことにする。ま
た、高温と低温の中間に位置する温度で昇華する高純度
EL材料を中温材料と呼ぶことにする。なお、温度毎に
析出した材料を予め質量分析(GC−MS)等の分析に
より調べておくことで、純粋なEL材料の昇華温度を調
べることができる。
【0061】また、蒸着材料は、蒸着前に昇華精製を行
ってもよい。蒸着材料の精製としてゾーン精製法を適用
しても良い。
【0062】また、蒸着時に有機化合物が成膜室の内壁
に付着することを防止するための防着シールド15が設
けられている。この防着シールド15を設けることによ
り、基板上に蒸着されなかった有機化合物を付着させる
ことができる。また、防着シールド15の周囲には、電
熱線14が接して設けられており、電熱線14により、
防着シールド15全体を加熱することができる。成膜の
際、防着シールド15の温度(T2)は、基板の温度
(T1)よりも10℃以上高く制御することが好まし
い。
【0063】また、成膜室13には、成膜室内を真空に
する真空排気処理室と連結されている。真空排気処理室
としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポ
ンプ、またはドライポンプが備えられている。これによ
り成膜室の到達真空度を10 -5〜10-6Paにすること
が可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純
物の逆拡散を制御することができる。
【0064】また、成膜室13には、成膜室内を常圧に
するガス導入系と連結されている。装置内部に不純物が
導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素
や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入され
るこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機
により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高
純度化された後に成膜装置に導入されるようにガス精製
機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含ま
れる酸素や水、その他の不純物を予め除去することがで
きるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを
防ぐことができる。
【0065】成膜室の内部に用いる材料としては、その
表面積を小さくすることで酸素や水等の不純物の吸着性
を小さくすることができるので、電解研磨を施して鏡面
化させたアルミニウムやステンレス(SUS)等を内部
壁面に用いる。これにより、成膜室内部の真空度を10
-5〜10-6Paに維持することができる。また、気孔が
きわめて少なくなるように処理されたセラミックス等の
材料を内部部材に用いる。なお、これらは、中心線平均
粗さが3nm以下となる表面平滑性を有するものが好ま
しい。
【0066】なお、図1の成膜装置では、同一の成膜室
内で複数の材料室を用いて成膜が行われることから、成
膜性を向上させるために、成膜に用いられる有機材料が
備えられている材料室が成膜時に基板の下の最適な位置
に移動するか、若しくは基板が材料室上の最適な位置に
移動するような機能を設けても良い。
【0067】図1に示す成膜装置を用いれば、一つの成
膜室において、成膜前に真空でアニールする処理、成膜
中に真空でアニールする処理、または、成膜後に真空で
アニールする処理を行うことが可能となり、スループッ
トが向上する。また、成膜室に真空排気可能なアニール
室を連結させ、基板の搬送を真空中で行うことにより、
成膜室と連結されたアニール室で成膜前に真空でアニー
ルする処理、または、成膜後に真空でアニールする処理
を行ってもよい。
【0068】以下に図1の成膜装置を用い、陽極と、該
陽極に接する有機化合物層と、該有機化合物層に接する
陰極とを有する発光素子の作製手順の一例を図2を用い
て示す。なお、図2は、成膜室に搬入後のフローを示す
図である。
【0069】まず、陽極が形成された基板を搬入室(図
示しない)に搬入する。陽極を形成する材料は、透明導
電性材料が用いられ、インジウム・スズ化合物や酸化亜
鉛などを用いることができる。次いで搬入室(図示しな
い)に連結された成膜前処理室(図示しない)に搬送す
る。この成膜前処理室では、陽極表面のクリーニングや
酸化処理や加熱処理などを行えばよい。陽極表面のクリ
ーニングとしては、真空中での紫外線照射を行い、陽極
表面をクリーニングする。また、酸化処理としては、1
00〜120℃で加熱しつつ、酸素を含む雰囲気中で紫
外線を照射すればよく、陽極がITOのような酸化物で
ある場合に有効である。また、加熱処理としては、真空
中で基板が耐えうる50℃以上の加熱温度、好ましくは
65〜150℃の加熱を行えばよく、基板に付着した酸
素や水分などの不純物や、基板上に形成した膜中の酸素
や水分などの不純物を除去する。特に、EL材料は、酸
素や水などの不純物により劣化を受けやすいため、蒸着
前に真空中で加熱することは有効である。
【0070】次いで、上記前処理が終わった基板を大気
にふれさせることなく、成膜室13に搬入する。成膜室
13には、基板10の被成膜面を下向きにしてセットす
る。なお、基板を搬入する前に成膜室内は真空排気して
おくことが好ましい。
【0071】成膜室に連結して設けられる真空排気手段
は、大気圧から1Pa程度をオイルフリーのドライポンプ
で真空排気し、それ以上の圧力は磁気浮上型のターボ分
子ポンプまたは複合分子ポンプにより真空排気する。成
膜室には水分を除去するためにクライオポンプを併設し
ても良い。こうして排気手段から主に油などの有機物に
よる汚染を防止している。内壁面は、電解研磨により鏡
面処理し、表面積を減らしてガス放出を防いでいる。内
壁からのガス放出を低減するという目的においては成膜
室の外側にはヒーターを設けてベーキング処理を行うこ
とが望ましい。ベーキング処理によりガス放出はかなり
低減できる。さらにガス放出による不純物汚染を防止す
るには、蒸着時に冷媒を用いて冷却すると良い。こうし
て、1×10-6Paまでの真空度を実現する。
【0072】成膜室内を真空排気する際、同時に成膜室
内壁やメタルマスクや防着シールドなどに付着した吸着
水や吸着酸素を除去することも可能である。さらに、基
板を搬入する前に成膜室を加熱しておくことが好まし
い。前処理で加熱した基板を徐冷させて、成膜室に搬入
した後、再び加熱することは長時間かかり、スループッ
トの低下を招くことになる。望ましくは、前処理で行っ
た加熱処理で加熱した基板を冷却することなく、そのま
ま加熱された成膜室に搬入及びセットする。なお、図1
に示す装置は、基板を加熱する加熱手段が設けられてい
るため、前処理である真空中での加熱処理を成膜室で行
うことも可能である。
【0073】ここでは、蒸着を行う前に成膜室で真空中
での加熱処理(アニール)を行う。このアニール(脱
気)によって基板に付着した酸素や水分などの不純物
や、基板上に形成した膜中の酸素や水分などの不純物を
除去する。こうして除去された不純物を成膜室から除去
するため、真空排気を行うことが好ましく、さらに真空
度を高めてもよい。
【0074】次いで、真空度が5×10-3Torr
(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6
aまで真空排気された成膜室13で蒸着を行う。蒸着の
際、予め、抵抗加熱により第一の有機化合物17aは気
化されており、蒸着時にシャッター19aが開くことに
より基板10の方向へ飛散する。気化された有機化合物
は、上方に飛散し、メタルマスク12aに設けられた開
口部(図示せず)を通って基板10に蒸着される。な
お、蒸着の際、基板を加熱する手段により基板の温度
(T1)は、50〜200℃、好ましくは65〜150
℃とする。ただし、蒸着の際、基板の温度(T1)は、
防着シールドの温度(T2)よりも低く設定し、防着シ
ールドの温度(T2)は、蒸着源の温度(T3)よりも低
く設定する。また、防着シールドの温度(T2)を基板
の温度(T1)より10℃以上と設定することで基板上
に蒸着されなかった有機化合物を付着させることができ
る。
【0075】図1に示す装置では、基板を加熱する加熱
手段が設けられ、成膜中において真空中での加熱処理が
行われる。蒸着時の蒸発材料には、酸素や水分などの不
純物が混入している恐れがあるため、蒸着中に真空中で
加熱処理を行って膜中に含まれるガスを放出させること
は有効である。このように、真空中で基板を加熱しなが
ら蒸着を行い、所望の膜厚まで成膜を行うことによっ
て、高密度、且つ、高純度な有機化合物層を形成するこ
とができる。なお、ここでいう有機化合物とは、陽極か
ら正孔を受け取る正孔注入性、電子移動度よりも正孔移
動度の方が大きい正孔輸送性、正孔移動度よりも電子移
動度の方が大きい電子輸送性、陰極から電子を受け取る
電子注入性、正孔または電子の移動を阻止しうるブロッ
キング性、発光を呈する発光性、といった性質を有する
有機化合物である。
【0076】こうして、有機化合物17aの蒸着が終了
し、有機化合物17aからなる膜が、陽極上に形成され
る。
【0077】さらに、得られた有機化合物層中の水分や
酸素の不純物を低減するために、1×10-4Pa以下の圧
力で加熱処理を行い、蒸着時に混入した水分などを放出
させる加熱処理を行っても良い。蒸着時の蒸発材料に
は、酸素や水分などの不純物が混入している恐れがある
ため、蒸着後に真空中で加熱処理を行って膜中に含まれ
るガスを放出させることは有効である。蒸着後のアニー
ルを行う場合、大気にふれることなく、成膜室とは別の
処理室に基板を搬送して、真空中でアニールを行うこと
が好ましい。
【0078】図1に示す装置は、基板を加熱する加熱手
段が設けられているため、成膜後に真空中での加熱処理
を成膜室で行うことも可能である。蒸着の際の真空度よ
りもさらに高真空として、蒸着後、100〜200℃の
アニールを行うことが好ましい。この成膜後のアニール
(脱気)によって基板上に形成した有機化合物層中の酸
素や水分などの不純物をさらに除去し、高密度、且つ、
高純度な有機化合物層を形成する。
【0079】ここまで示した工程は、有機化合物17a
の単層を形成する場合であり、図2(A)に示したフロ
ーに対応している。
【0080】以降、上記単層の形成工程を繰り返すこと
によって、所望の有機化合物層を積層し、最後に陰極を
積層形成する。なお、異なる蒸着材料(有機化合物や陰
極の材料)を積層する場合、別々の成膜室で行ってもよ
いし、全て同一の成膜室で積層してもよい。陰極の材料
は、仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、リチウム
(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む材料を用い
る。好ましくはMgAg(MgとAgをMg:Ag=1
0:1で混合した材料)でなる電極を用いれば良い。他
にも、イッテルビウム(Yb)、MgAgAl電極、L
iAl電極、また、LiFAl電極が挙げられる。こう
して、陽極と、該陽極に接する有機化合物層と、該有機
化合物層に接する陰極とを有する発光素子を作製でき
る。また、成膜前のアニールを成膜室で行うことが可能
であり、その場合、スループットが向上する。また、成
膜後のアニールを成膜室で行うことが可能であり、その
場合、スループットが向上する。
【0081】また、一つの成膜室に3つの蒸着源を備
え、同一の成膜室で3層を積層形成する例を図2(B)
に示すフローおよび図1を用いて説明する。上述した単
層を形成する手順に従って、シャッター19aを閉じ、
有機化合物17aからなる有機化合物層の蒸着(第1蒸
着)を終了させたら、予め蒸着ホルダに設けられた加熱
手段により内部の有機化合物17bを昇華温度
(T3’)まで加熱しておき、シャッター19bを開く
ことによって蒸着(第2蒸着)を開始し、有機化合物1
7aからなる有機化合物層上に有機化合物17bからな
る有機化合物層を形成する。続いて、同様に、シャッタ
ー19bを閉じ、有機化合物17bからなる有機化合物
層の蒸着(第2蒸着)を終了させたら、予め蒸着ホルダ
に設けられた加熱手段により内部の有機化合物17cを
昇華温度(T3’’)まで加熱しておき、シャッター1
9cを開くことによって蒸着(第3蒸着)を開始し、有
機化合物17bからなる有機化合物層上に有機化合物1
7cからなる有機化合物層を形成する。
【0082】ただし、第1蒸着、第2蒸着、または第3
蒸着の際においても、基板の温度(T1)は、防着シー
ルドの温度(T2)よりも低く設定し、防着シールドの
温度(T2)は、蒸着源の温度(T3、T3’、T3’’)
よりも低く設定する。なお、それぞれの蒸着源の温度
は、使用する蒸着材料によって異なるため、蒸着源の温
度に従ってそれぞれ基板の温度(T1)や防着シールド
の温度(T2)を適宜変更することも可能である。ま
た、第1蒸着、第2蒸着、または第3蒸着の際におい
て、それぞれ真空度を適宜変更してもよい。
【0083】また、複数の蒸着源のシャッターを同時に
開け、共蒸着することも可能である。共蒸着とは、異な
る蒸着源を加熱して同時に気化させ、成膜段階で異なる
物質を混合する蒸着法を指している。
【0084】また、第1蒸着、第2蒸着、または第3蒸
着の際においても、真空中で基板を加熱しながら蒸着を
行い、所望の膜厚まで成膜を行うため、高密度、且つ、
高純度な有機化合物層を形成することができる。また、
大気にふれることなく、真空中で基板を加熱しながら複
数回の蒸着を行うことによって、各層間での分子間をよ
りフィットさせることができる。
【0085】こうして、異なる複数の有機化合物の蒸着
が終了し、有機化合物17aからなる層と、有機化合物
17bからなる層と、有機化合物17cからなる層との
積層が、陽極上に形成される。
【0086】次いで、単層の形成と同様に、得られた有
機化合物層中の水分や酸素の不純物を低減するために、
1×10-4Pa以下の圧力で加熱処理(アニール)を行
い、蒸着時に混入した水分などを放出させる加熱処理を
行えばよい。蒸着後のアニールを行う場合、成膜室で行
ってもよいし、或いは大気にふれることなく、成膜室と
は別の処理室に基板を搬送して、真空中でアニールを行
ってもよい。
【0087】ここまで示した工程が、有機化合物の積層
を形成する場合であり、図2(B)に示したフローに対
応している。
【0088】上記工程に従い、所望の有機化合物層を積
層したら、最後に陰極を積層形成する。こうして、陽極
と、該陽極に接する有機化合物層と、該有機化合物層に
接する陰極とを有する発光素子を作製できる。このよう
に同一成膜室で積層形成する場合、基板の搬送を省略す
ることができ、さらに成膜室を真空にする時間、基板を
加熱、徐冷する時間を短縮することができ、大幅にスル
ープットが向上する。
【0089】また、上記に示した有機化合物層の単層ま
たは積層の形成を1回、または複数回行った後には、ク
リーニングを行うことが好ましい。クリーニングは、再
昇華と排気によって行う。再昇華させるためには、成膜
装置の内壁、および成膜装置の内部に設けられる治具を
加熱すればよく、加熱の方法は、ヒーター加熱、赤外光
加熱もしくは紫外光加熱のいずれを用いてもよいし、こ
れらを併用してもよい。また、再昇華させた蒸着材料
は、ただちに真空ポンプを用いて排気することが好まし
い。また、ガス導入系からハロゲン族元素を含むガスを
流しこんで、再昇華させると同時に蒸着材料をフッ化物
として排気してもよい。
【0090】また、基板を配置していない状態で行うク
リーニングにおいて、図1の成膜装置は、基板の加熱手
段を加熱することによって、ホルダ、メタルマスクを加
熱して、これらに付着した有機化合物を気化させること
ができる。また、防着シールドを電熱線14により加熱
することによっても防着シールドに付着した有機化合物
を気化させることができる。クリーニングを行うのであ
れば、基板の加熱手段や防着シールドの加熱手段は、有
機化合物の気化する温度まで温度制御可能とすることが
望ましい。クリーニングの際、気化した有機化合物は、
排気系(真空ポンプ)などによって回収し、再度利用す
ることもできる。
【0091】(実施の形態2)ここでは、実施の形態1
と異なる成膜装置を図3に示す。
【0092】図3に示すように、ヒーター炉31と、ク
リーニング予備室22とが成膜室33に連結して設けら
れた例を示す。
【0093】基板を加熱手段するためのヒーター炉31
は、外側にヒーターが設けられアニール処理が可能とな
っている。このヒーター炉31によって、基板の温度
(T1)は、50〜200℃、好ましくは65〜150
℃とすることができる。また、このヒーター炉31と成
膜室33との間には図3中に点線で示したゲートまたは
シャッターが設けられている。ここでは図示しないが、
ヒーター炉31に別途、真空排気手段を設けてもよい。
本実施の形態では、蒸着前にヒーター炉31により真空
中でアニールを行った後、ゲートを開いて蒸着を行う。
【0094】また、クリーニング予備室22にはレーザ
23と光学系24が設けられており、レーザから出射さ
れたレーザー光21が、走査手段20によって成膜室3
3の内部を照射可能になっている。なお、クリーニング
予備室22と成膜室33とを区切る壁にはレーザー光2
1が通過することが可能な材料からなる窓(石英など)
が設けられている。走査手段20としては、ガルバノミ
ラーまたはポリゴンミラーなどを用いて走査させ、成膜
室内壁または防着シールドに付着した蒸着物を気化させ
てクリーニングすればよい。
【0095】また、基板を配置していない状態で行うク
リーニングにおいて、図3の成膜装置は、レーザー光の
照射によって成膜装置の内壁、および成膜装置の内部に
設けられる治具を加熱し、再昇華させる。レーザー光2
1としては、連続発振またはパルス発振の固体レーザ、
或いは、連続発振またはパルス発振のエキシマレーザ、
Arレーザ、Krレーザなどをレーザ光源とするレーザ
ー光である。前記固体レーザは、YAGレーザ、YVO
4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレー
ザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:
サファイアレーザから選ばれた一種または複数種を挙げ
ることができる。中でも、光学系24によって照射面に
おける照射面積を大きくすることができる、パルス発振
のエキシマレーザ、Arレーザが好ましい。
【0096】また、基板が設けられる箇所(図中におい
て点線でしめした箇所)に接して、ホルダに固定された
メタルマスク32aが備えられており、さらにその下方
には、それぞれ異なる温度に加熱することも可能な蒸着
源ホルダ36が設けられている。なお、基板に対向する
ように蒸着源が設けられている。
【0097】また、材料室38は、導電性の金属材料か
らなる蒸着源ホルダ36の空間であり、蒸着ホルダに設
けられた加熱手段(電圧が印加された際に生じる抵抗
(抵抗加熱))により内部の有機化合物37が昇華温度
(T3)まで加熱されると、気化して基板の表面へ蒸着
される。
【0098】なお、第1シャッター39は、気化した有
機化合物37の蒸着を制御する。さらにヒーター炉31
と第1シャッター39との間に第2シャッター25が設
けられている。第2シャッター25は、蒸着源からの昇
華速度が安定するまでの間、蒸着源を覆っておくための
シャッターである。
【0099】また、蒸着時に有機化合物が成膜室の内壁
に付着することを防止するための防着シールド35が設
けられている。また、防着シールド35の周囲には、電
熱線34が接して設けられており、電熱線34により、
防着シールド35全体を加熱することができる。ただ
し、蒸着の際、基板の温度(T1)は、防着シールドの
温度(T2)よりも低く設定し、防着シールドの温度
(T2)は、蒸着源の温度(T3)よりも低く設定する。
また、防着シールドの温度(T2)を基板の温度(T 1
より10℃以上と設定することで基板上に蒸着されなか
った有機化合物を付着させることができる。
【0100】また、成膜室33には、成膜室内を真空に
する真空排気処理室と連結されている。また、成膜室3
3には、成膜室内を常圧にするガス導入系と連結されて
いる。
【0101】また、図3に示す装置においても、ヒータ
ー炉31により成膜中において真空中での加熱処理が行
われる。蒸着時の蒸発材料には、酸素や水分などの不純
物が混入している恐れがあるため、蒸着中に真空中で加
熱処理を行って膜中に含まれるガスを放出させることは
有効である。このように、真空中で基板を加熱しながら
蒸着を行い、所望の膜厚まで成膜を行うことによって、
高密度、且つ、高純度な有機化合物層を形成することが
できる。
【0102】図3に示す成膜装置を用いれば、成膜前に
真空でアニールする処理、成膜中に真空でアニールする
処理、または、成膜後に真空でアニールする処理を行う
ことが可能となり、スループットが向上する。
【0103】また、上記レーザー光によるクリーニング
は、1回の成膜プロセス毎に行ってもよいし、複数回の
成膜プロセスを行った後に行うことも可能である。
【0104】また、本実施の形態は、実施の形態1と自
由に組み合わせることが可能である。
【0105】(実施の形態3)本発明における成膜装置
の構成について図13を用いて説明する。図13は、本
発明の成膜装置における断面図の一例である。
【0106】図13に示すように、高周波電源1300
aとコンデンサ1300bを介して接続された蒸着マス
ク1302aと、電極1302bとの間でプラズマ13
01を発生させる例を示す。
【0107】図13中、基板が設けられる箇所(図中に
おいて点線でしめした箇所)に接して、ホルダに固定さ
れた蒸着マスク1302aが備えられており、さらにそ
の下方には、それぞれ異なる温度に加熱することも可能
な蒸着源ホルダ1306が設けられている。なお、基板
に対向するようにこれらの蒸着源が設けられている。
【0108】また、材料室1308は、導電性の金属材
料からなる蒸着ホルダ1306の空間であり、蒸着ホル
ダに設けられた加熱手段(代表的には抵抗加熱法)によ
り内部の有機化合物1307が昇華温度(T3)まで加
熱されると、気化して基板の表面へ蒸着される。なお、
蒸着する際には、蒸着を妨げないような位置に電極13
02bは移動させる。
【0109】また、蒸着時に有機化合物が成膜室の内壁
に付着することを防止するための防着シールド1305
が設けられている。また、防着シールド1305の周囲
には、電熱線1304が接して設けられており、電熱線
1304により、防着シールド1305全体を加熱する
ことができる。ただし、蒸着の際、基板の温度(T1
は、防着シールドの温度(T2)よりも低く設定し、防
着シールドの温度(T2)は、蒸着源の温度(T3)より
も低く設定する。また、防着シールドの温度(T2)を
基板の温度(T1)より10℃以上と設定することで基
板上に蒸着されなかった有機化合物を付着させることが
できる。
【0110】また、図14(A)に蒸着マスク1302
aの拡大断面図を示す。蒸着マスクはメタルマスクであ
るのでエッチング技術で加工する際、断面が垂直ではな
くテーパー状となっている。また、図14(B)に蒸着
マスクの断面構造が異なる例を示す。いずれの断面構造
においても開口付近が鋭い形状となる。従って、マスク
の開口付近にプラズマが発生しやすく、最も付着物をク
リーニングしたい部分、即ち、付着物が付着した場合マ
スク精度が低下する開口付近をクリーニングできる。な
お、エッチング技術以外でメタルマスクを作製する方法
としては、エレクトロフォーミング技術があり、この場
合には断面形状がR形状をなすオーバーハング形状とな
る。
【0111】蒸着が終了した後、基板を取出し、成膜装
置の内部に設けられる治具、及び成膜装置の内壁に付着
した蒸着材料を大気解放しないで除去するクリーニング
を行う。このクリーニングの際には、蒸着マスク130
2aと対向する位置に電極1302bを移動させる。さ
らに、成膜室1303にガスを導入する。成膜室130
3に導入するガスとしては、Ar、H、F、NF3、ま
たはOから選ばれた一種または複数種のガスを用いれば
よい。次いで、高周波電源1300aから蒸着マスク1
302aに高周波電界を印加してガス(Ar、H、F、
NF3、またはO)を励起してプラズマ1301を発生
させる。こうして、成膜室1303内にプラズマ130
1を発生させ、成膜室内壁、防着シールド1305、ま
たは蒸着マスク1302aに付着した蒸着物を気化させ
て成膜室外に排気する。図13に示す成膜装置によっ
て、メンテナンス時に成膜室内を大気にふれることなく
クリーニングすることが可能となる。
【0112】なお、ここでは、蒸着マスク1302a
と、該マスクと前記蒸着源ホルダ1306との間に配置
された電極1302bとの間に発生させた例を示した
が、特に限定されず、プラズマ発生手段を有していれば
よい。また、電極1302bに高周波電源を接続しても
よいし、電極1302bをメッシュ状の電極としてもよ
いし、シャワーヘッドのようにガスを導入できる電極と
してもよい。
【0113】また、上記プラズマによるクリーニング
は、1回の成膜プロセス毎に行ってもよいし、複数回の
成膜プロセスを行った後に行うことも可能である。
【0114】また、本実施の形態は、実施の形態1と自
由に組み合わせることが可能である。
【0115】(実施の形態4)物理的な成膜法の代表的
な例として、真空下で蒸発源から蒸発材料を蒸発させて
成膜する真空蒸着法が知られている。また、化学的な成
膜法の代表的な例として、原料ガスを基板上に供給し、
気相中または基板表面での化学反応により成膜するCV
D(化学蒸着)法が知られている。
【0116】本実施の形態では、成膜室で蒸発源から有
機化合物材料を蒸発させて成膜する際、有機化合物材料
の粒子よりも小さい粒子、即ち原子半径の小さい材料か
らなるガスを微量に流し、有機化合物膜中に原子半径の
小さい材料を含ませる新規な成膜方法を提供する。
【0117】原子半径の小さい材料ガスとして、具体的
には、シラン系ガス(モノシラン、ジシラン、トリシラ
ン等)、SiF4、GeH4、GeF4、SnH4、または
炭化水素系ガス(CH4、C22、C24、C66等)
から選ばれた一種または複数種を用いればよい。装置内
部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前
にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従っ
て、ガスが高純度化された後に蒸着装置に導入されるよ
うにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、
ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去
することができるため、装置内部にこれらの不純物が導
入されるのを防ぐことができる。
【0118】例えば、有機材料を蒸発させて蒸着を行っ
ている成膜室にモノシランガスを数sccm導入する
と、蒸着源から蒸発して基板に向かう有機材料と一緒に
成膜室内に浮遊しているSiH4が有機膜中に取り込ま
れる。即ち、比較的に粒子半径の大きい有機材料分子の
隙間に原子半径の小さいSiH4をそのまま、或いはS
iHXで埋めることになり、有機膜中に含ませることが
できる。蒸着中、蒸着源は100℃程度には加熱する
が、モノシランの分解温度(大気圧での分解温度)は約
550℃であるので分解はしない。蒸発させる有機材料
によってはSiH4、或いはSiHXと反応して化合物を
形成する場合もある。また、成膜室中に僅かに残ってい
る酸素(または水分)を捕獲してSiOXを生成するた
め、成膜室中および膜中において有機材料を劣化させる
要因となる酸素(または水分)を減らすことができ、結
果的に発光素子の信頼性を向上させることができる。ま
た、生成されたSiOxはそのまま膜中に含ませてもよ
い。
【0119】膜中において有機材料分子の隙間がある
と、その隙間に酸素が入りやすく劣化が生じると考えら
れる。従って、この隙間を埋めればよいため、Si
4、GeH4、GeF4、SnH4、または炭化水素系ガ
ス(CH4、C22、C24、C66等)を用いても発
光素子の信頼性を向上させることができる。
【0120】なお、上記有機材料としては、α―NPD
(4,4'-ビス-[N-(ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェ
ニル)、BCP(バソキュプロイン)、MTDATA
(4,4',4"-トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-ア
ミノ)トリフェニルアミン)、Alq3(トリス−8−キ
ノリノラトアルミニウム錯体)などを挙げることができ
る。
【0121】本実施の形態は、図4に示す混合領域を共
蒸着で形成する際、または機能領域(電子輸送機能を有
する領域)を蒸着する際に有効であり、結果的に発光素
子の信頼性が向上する。
【0122】成膜室の真空度は、10-8〜10-1、好ま
しくは10-7〜10-2Torrとする。成膜室に連結さ
れる真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子
ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプを備え
る。また、成膜室の内壁に用いる材料としては、その表
面を小さくすることで酸素や水などの不純物の吸着性を
小さくすることができるので、電解研磨を施して鏡面化
させたアルミニウムやステンレス(SUS)などを用い
る。これにより、成膜室内部の真空度を10-8〜10-1
Torrに維持することができる。また、気孔が極めて
少なくなるように処理されたセラミックス等の材料を内
部部材に用いる。なお、これらは中心線平均粗さが3n
m以下となる表面平滑性を有するものが好ましい。
【0123】本発明における成膜装置の構成について図
15を用いて説明する。図15は、本発明の成膜装置に
おける断面図の一例である。
【0124】図15中、基板1501に接して、ホルダ
により固定された蒸着マスク1502aが備えられてお
り、さらにその下方には、それぞれ異なる温度に加熱す
ることも可能な蒸着源ホルダ1506が設けられてい
る。なお、基板1501に対向するようにこれらの蒸着
源が設けられている。
【0125】また、材料室1508は、導電性の金属材
料からなる蒸着ホルダ1506の空間であり、蒸着ホル
ダに設けられた加熱手段(代表的には抵抗加熱法)によ
り内部の有機化合物1507が昇華温度まで加熱される
と、気化して基板の表面へ蒸着される。なお、蒸着する
際には、蒸着を妨げないような位置に電極1502bは
移動させる。また、有機化合物1507は、それぞれ容
器(代表的にはルツボや蒸着ボート等)に収納されてい
る。
【0126】また、蒸着時に材料ガスを数sccm導入
することで膜中に材料ガスを含ませる。膜中には、材料
ガスまたは材料ガスの主成分が0.01atoms%〜5ato
ms%、好ましくは0.1atoms%〜2atoms%程度含まれ
るようにする。成膜室1503に導入するガスとして
は、シラン系ガス(モノシラン、ジシラン、トリシラン
等)、SiF4、GeH4、GeF4、SnH4、または炭
化水素系ガス(CH4、C22、C24、C66等)か
ら選ばれた一種または複数種を用いればよい。
【0127】図15を用いて成膜された有機化合物を含
む膜は、材料ガスまたは材料ガスの主成分を含み、酸素
や水分を取り込みにくい膜となるため、この有機化合物
を含む膜を用いた発光素子は信頼性が向上する。
【0128】また、異なる複数の材料を蒸発させて共蒸
着を行う場合、二種類の有機化合物を同時に蒸着し、且
つ、上記材料ガスを導入することにより、材料ガスまた
は材料ガスの主成分を含み、且つ、二種類の有機化合物
を含む混合領域を形成することもできる。
【0129】また、第一の有機化合物を蒸着した後、そ
の蒸着雰囲気下で第二の有機化合物を蒸着し、且つ、上
記材料ガスを導入することにより、第一の機能領域と第
二の機能領域との間に混合領域を形成することもでき
る。本実施の形態では、第一の有機化合物を予め抵抗加
熱により気化させ、蒸着時に第1シャッター1509を
開くことにより基板の方向へ飛散させる。これにより、
図4(A)に示す第一の機能領域を形成することができ
る。次いで、第2シャッター1519も開けて蒸着を行
い、混合領域を形成する。
【0130】また、混合領域の形成においては、混合領
域に濃度勾配をもたせてもよい。また、三重項励起エネ
ルギーを発光に変換できる材料をドーパントとして混合
領域に添加した場合も本発明に含めることとする。ま
た、共蒸着を行う場合、互いの有機化合物が混ざりあう
ように蒸発する方向を被蒸着物の位置で交差するように
することが望ましい。
【0131】また、蒸着時に有機化合物が成膜室の内壁
に付着することを防止するための防着シールド1505
が設けられている。
【0132】また、ヒータ等の加熱手段を備えた蒸着ホ
ルダ1506は温度が高くなるため、断熱材1504で
覆うことが好ましい。
【0133】また、有機化合物を含む膜にダメージを与
えない条件範囲でプラズマを形成してもよい。高周波電
源1500aとコンデンサ1500bを介して接続され
た蒸着マスク1502aと、電極1502bとの間でプ
ラズマを発生させることも可能である。
【0134】また、モノシランに加えてフォスフィンガ
スを導入してもよい。また、モノシランに代えて、As
3、B22、BF4、H2Te、Cd(CH32、Zn
(CH32、(CH33In、H2Se、BeH2、トリ
メチルガリウム、またはトリエチルガリウムで示される
各種ガスを用いることができる。
【0135】また、本実施の形態は、実施の形態1乃至
3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0136】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0137】(実施例) [実施例1]本実施例では、有機化合物膜中に存在する
エネルギー障壁を緩和してキャリアの移動性を高めると
同時に、なおかつ積層構造の機能分離と同様に各種複数
の材料の機能を有する素子を作製する例を示す。
【0138】積層構造におけるエネルギー障壁の緩和に
関しては、キャリア注入層の挿入という技術に顕著に見
られる。つまり、エネルギー障壁の大きい積層構造の界
面において、そのエネルギー障壁を緩和する材料を挿入
することにより、エネルギー障壁を階段状に設計するこ
とができる。これにより電極からのキャリア注入性を高
め、確かに駆動電圧をある程度までは下げることができ
る。しかしながら問題点は、層の数を増やすことによっ
て、有機界面の数は逆に増加することである。このこと
が、単層構造の方が駆動電圧・パワー効率のトップデー
タを保持している原因であると考えられる。逆に言え
ば、この点を克服することにより、積層構造のメリット
(様々な材料を組み合わせることができ、複雑な分子設
計が必要ない)を活かしつつ、なおかつ単層構造の駆動
電圧・パワー効率に追いつくことができる。
【0139】そこで本実施例において、発光素子の陽極
と陰極の間に複数の機能領域からなる有機化合物膜が形
成される場合、従来の明確な界面が存在する積層構造で
はなく、第一の機能領域と第二の機能領域との間に、第
一の機能領域を構成する材料および第二の機能領域を構
成する材料の両方からなる混合領域を有する構造を形成
する。
【0140】このような構造を適用することで、機能領
域間に存在するエネルギー障壁は従来の構造に比較して
低減され、キャリアの注入性が向上すると考えられる。
すなわち機能領域間におけるエネルギー障壁は、混合領
域を形成することにより緩和される。したがって、駆動
電圧の低減、および輝度低下の防止が可能となる。
【0141】以上のことから、本実施例では第一の有機
化合物が機能を発現できる領域(第一の機能領域)と、
前記第一の機能領域を構成する物質とは異なる第二の有
機化合物が機能を発現できる領域(第二の機能領域)
と、を少なくとも含む発光素子、及びこれを有する発光
装置の作製において、図1に示す成膜装置を用い、前記
第一の機能領域と前記第二の機能領域との間に、前記第
一の機能領域を構成する有機化合物と前記第二の機能領
域を構成する有機化合物、とからなる混合領域を作製す
る。
【0142】図1に示す成膜装置において、一つの成膜
室において複数の機能領域を有する有機化合物膜が形成
されるようになっており、蒸着源もそれに応じて複数設
けられている。なお、陽極が形成されている基板を搬入
しセットする。基板は加熱手段によって加熱し、基板の
温度(T1)は、50〜200℃、好ましくは65〜1
50℃とする。また、成膜の際、基板の温度(T1
は、防着シールドの温度(T2)よりも低く設定し、防
着シールドの温度(T2)は、蒸着源の温度(T3)より
も低く設定する。
【0143】はじめに、第一の材料室18aに備えられ
ている、第一の有機化合物17aが蒸着される。なお、
第一の有機化合物17aは予め抵抗加熱により気化され
ており、蒸着時にシャッター19aが開くことにより基
板の方向へ飛散する。これにより、図4(A)に示す第
一の機能領域210を形成することができる。
【0144】そして、第一の有機化合物17aを蒸着し
たまま、シャッター19bを開け、第二の材料室18b
に備えられている、第二の有機化合物17bを蒸着す
る。なお、第二の有機化合物も予め抵抗加熱により気化
されており、蒸着時にシャッター19bが開くことによ
り基板の方向へ飛散する。ここで、第一の有機化合物1
7aと第二の有機化合物17bとからなる第一の混合領
域211を形成することができる。
【0145】そして、しばらくしてからシャッター19
aのみを閉じ、第二の有機化合物17bを蒸着する。こ
れにより、第二の機能領域212を形成することができ
る。
【0146】なお、本実施例では、二種類の有機化合物
を同時に蒸着することにより、混合領域を形成する方法
を示したが、第一の有機化合物を蒸着した後、その蒸着
雰囲気下で第二の有機化合物を蒸着することにより、第
一の機能領域と第二の機能領域との間に混合領域を形成
することもできる。
【0147】次に、第二の有機化合物17bを蒸着した
まま、シャッター19cを開け、第三の材料室18cに
備えられている、第三の有機化合物17cを蒸着する。
なお、第三の有機化合物17cも予め抵抗加熱により気
化されており、蒸着時にシャッター19cが開くことに
より基板の方向へ飛散する。ここで、第二の有機化合物
17bと第三の有機化合物17cとからなる第二の混合
領域213を形成することができる。
【0148】そして、しばらくしてからシャッター19
bのみを閉じ、第三の有機化合物17cを蒸着する。こ
れにより、第三の機能領域214を形成することができ
る。
【0149】最後に、陰極を形成することにより本発明
の成膜装置により形成される発光素子が完成する。
【0150】さらに、その他の有機化合物膜としては、
図4(B)に示すように、第一の有機化合物17aを用
いて第一の機能領域220を形成した後、第一の有機化
合物17aと第二の有機化合物17bとからなる第一の
混合領域221を形成し、さらに、第二の有機化合物1
7bを用いて第二の機能領域222を形成する。そし
て、第二の機能領域222を形成する途中で、一時的に
シャッター19cを開いて第三の有機化合物17cの蒸
着を同時に行うことにより、第二の混合領域223を形
成する。
【0151】しばらくして、シャッター19cを閉じる
ことにより、再び第二の機能領域222を形成する。そ
して、陰極を形成することにより発光素子が形成され
る。
【0152】以上のような有機化合物膜を形成すること
ができる図1の成膜装置は、同一の成膜室において複数
の機能領域を有する有機化合物膜を形成することができ
るので、機能領域界面が不純物により汚染されることな
く、また、機能領域界面に混合領域を形成することがで
きる。以上により、明瞭な積層構造を示すことなく(す
なわち、明確な有機界面がなく)、かつ、複数の機能を
備えた発光素子を作製することができる。
【0153】また、図1の成膜装置は、成膜前、成膜
中、または成膜後に真空アニールを行うことが可能であ
り、成膜中に真空アニールを行うことによって、混合領
域における分子間をよりフィットさせることができる。
したがって、さらに駆動電圧の低減、および輝度低下の
防止が可能となる。また、成膜後のアニール(脱気)に
よって基板上に形成した有機化合物層中の酸素や水分な
どの不純物をさらに除去し、高密度、且つ、高純度な有
機化合物層を形成することができる。
【0154】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態3、または実施の形態4と自由に組
み合わせることが可能である。
【0155】[実施例2]本実施例における成膜装置の
構成について図5を用いて説明する。図5(A)は、成
膜装置の上面図であり、図5(B)は断面図である。な
お、共通の部分には、共通の符号を用いることとする。
また、本実施例においては、3つの成膜室を有するイン
ライン方式の成膜装置の各成膜室において、三種類の有
機化合物膜(赤、緑、青)を形成する例を示す。なお、
第一の成膜室305、第二の成膜室308、第三の成膜
室310は、図1に示す成膜室13に対応している。
【0156】図5(A)において、300はロード室で
あり、該ロード室内を真空排気して減圧とした後、ロー
ド室に備えられた基板は、第一の搬送室301に搬送さ
れる。なお、第一の搬送室301では、予めホルダ30
2に固定されているメタルマスク303のアライメント
がホルダごと行われており、アライメントが終了したメ
タルマスク303上に蒸着前の基板304が載せられ
る。これにより、基板304とメタルマスク303は一
体となり、第一の成膜室305に搬送される。また、本
実施例においては、第1の搬送室301に真空排気手
段、および基板の加熱手段を設けて、蒸着前に真空アニ
ールを行い、基板に含まれる水分を除去する。また、第
1の搬送室301に基板の反転機構を備えてもよい。
【0157】ホルダ302は、マスクホルダ、軸、基板
ホルダ、制御機構及び補助ピンなどで構成されている。
なお、マスクホルダ上の突起に合わせてメタルマスク3
03が固定され、メタルマスク303上に基板304が
載せられている。なお、メタルマスク303上の基板3
04は、補助ピンにより固定されている。
【0158】メタルマスク303のアライメントが終了
したところで、Z軸方向に軸を移動させてメタルマスク
303を再び移動させ、補助ピンでメタルマスク303
と基板304を固定させることにより、メタルマスク3
03のアライメントおよびメタルマスク303と基板3
04の位置合わせを完了させることができる。なお、こ
こではピンアライメント方式による位置合わせの場合を
示したが、CCDカメラを使用したCCDアライメント方式に
よる位置合わせを行ってもよい。
【0159】また、第1の搬送室301から第一の成膜
室305に基板を搬送する際、大気にふれることなく、
真空度を維持することが好ましい。従って、基板を搬送
する前に予め第一の成膜室305を真空排気手段によっ
て、第1の搬送室301と同程度の真空度とする。
【0160】図5における、第一の成膜室305には、
複数の蒸着源306が設けられている。なお、蒸着源3
06は、有機化合物を備えておく材料室(図示せず)と
材料室において気化した有機化合物が材料室の外に飛散
するのを開閉により制御するシャッター(図示せず)に
より構成されている。また、第一の成膜室305には、
基板の加熱手段が設けられている。また、ここでは図示
しないが、基板の加熱手段とメタルマスク303(基板
も含む)のアライメントを行う機構も有している。
【0161】また、第一の成膜室305に備えられてい
る複数の蒸着源306には、発光素子の有機化合物膜を
構成する複数の異なった機能を有する有機化合物がそれ
ぞれ備えられている。
【0162】第一の成膜室305では、これらの蒸着源
に備えられている有機化合物を実施の形態1または実施
例1で説明した方法により順番に蒸着することで複数の
機能領域を有する第一の有機化合物膜(ここでは、赤)
が形成される。なお、蒸着の際、得られる薄膜の基板面
内における均一性を向上させるため、基板304を回転
させながら成膜を行う。
【0163】次に、基板304は、第二の搬送室307
へ搬送される。また、第一の成膜室305から第ニの搬
送室307に基板を搬送する際、大気にふれることな
く、真空度を維持することが好ましい。同じ開口パター
ンのメタルマスク303を用いる場合、第二の搬送室3
07において、基板304とメタルマスク303を一度
離してから、第二の有機化合物膜を成膜する位置に合う
ように移動させメタルマスク303のアライメントを行
ってもよい。そして、アライメント終了後に再び基板3
04とメタルマスク303を重ねて固定する。また、異
なるパターンのメタルマスクを使用する場合には、予
め、新たなマスクを用意しておいて、第ニの搬送室また
は第二の成膜室で基板とのアライメントを行えばよい。
【0164】そして、基板304を第二の成膜室308
へ搬送する。また、第ニの搬送室307から第二の成膜
室308に基板を搬送する際、大気にふれることなく、
真空度を維持することが好ましい。第二の成膜室にも同
様に複数の蒸着源と、基板の加熱手段とが備えられてお
り、第一の成膜室305と同様に複数の有機化合物を順
番に用いて蒸着することにより、複数の機能を有する領
域からなる第二の有機化合物膜(ここでは、緑)が形成
される。
【0165】さらに、基板304を第三の搬送室309
へ搬送する。また、第二の成膜室308から第三の搬送
室309に基板を搬送する際、大気にふれることなく、
真空度を維持することが好ましい。同じ開口パターンの
メタルマスク303を用いる場合、第三の搬送室309
において、基板304とメタルマスク303を一度離し
てから、第三の有機化合物膜を成膜する位置に合うよう
にメタルマスク303のアライメントを行えばよい。ア
ライメント終了後に再び基板304とメタルマスク30
3を重ねて固定する。また、異なるパターンのメタルマ
スクを使用する場合には、予め、新たなマスクを用意し
ておいて、第三の搬送室または第三の成膜室で基板との
アライメントを行えばよい。
【0166】そして、基板304を第三の成膜室310
へ搬送する。また、第三の搬送室309から第三の成膜
室310に基板を搬送する際、大気にふれることなく、
真空度を維持することが好ましい。第三の成膜室にも同
様に複数の蒸着源、基板の加熱手段とが備えられてお
り、他の成膜室と同様に複数の有機化合物を順番に用い
て蒸着することにより、複数の機能を有する領域からな
る第三の有機化合物膜(ここでは、青)が形成される。
【0167】そして、基板304をアニール室312へ
搬送する。また、第三の成膜室310からアニール室3
12に基板を搬送する際、大気にふれることなく、真空
度を維持することが好ましい。アニール室312に基板
を搬送した後、真空中でアニールを行う。蒸着の際の真
空度よりもさらに高真空として、蒸着後、100〜20
0℃のアニールを行うことが好ましい。このアニール
(脱気)によって基板上に形成した有機化合物層中の酸
素や水分などの不純物をさらに除去し、高密度、且つ、
高純度な有機化合物層を形成する。また、アニール室3
12に基板の反転機構を備えてもよい。
【0168】最後に、基板304は、アンロード室31
1に搬送され、不活性ガスを導入して常圧に戻した後、
成膜装置の外部に取り出される。
【0169】また、アニール室312で不活性ガスを導
入して常圧に戻した後、アニールを行ってもよい。アニ
ール室312で真空でアニールを行った後、アニール室
312に不活性ガスを導入することによって常圧に戻し
てもよい。
【0170】このように、異なる有機化合物膜を形成す
るたびに搬送室(或いは成膜室)においてメタルマスク
303のアライメントを行うことにより、同一装置内
で、真空度を保ったまま、複数の有機化合物膜を形成す
ることができる。このように、一つの有機化合物膜を形
成する機能領域は同一の成膜室において成膜されるた
め、機能領域の間における不純物汚染を避けることがで
きる。さらに本成膜装置において、異なる機能領域の間
に混合領域を形成することが可能であるため、明瞭な積
層構造を示すことなく複数の機能を有する発光素子を作
製することができる。
【0171】なお、本実施例においては、有機化合物膜
の形成までを行う装置について示したが、本発明の成膜
装置はこの構成に限られることはなく、有機化合物膜上
に形成される陰極を形成する成膜室や、発光素子を封止
することが可能である処理室が設けられる構成であって
も良い。また、赤、緑、青色の発光を示す有機化合物膜
が成膜される順番は、どのような順番であっても良い。
【0172】さらに、本実施例において示した、搬送室
および成膜室をクリーニングするための手段を設けても
良い。なお、図3に示すようなクリーニング予備室22
を設けることができる。
【0173】また、各搬送室および各成膜室に使用済み
の蒸着マスクや使用前の蒸着マスクをストックしておく
ためのマスク予備室を設けてもよい。
【0174】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態3、実施の形態4または実施例1と
自由に組み合わせることができる。
【0175】[実施例3]実施例2においては、有機化
合物膜の形成までを行う装置の一例を示したが、本実施
例では、封止までを行う装置をインライン方式とした場
合について図6を用いて説明する。
【0176】図6において501はロード室であり、基
板の搬送はここから行われる。なお、本実施例において
基板とは、基板上に発光素子の陽極もしくは陰極まで
(本実施例では陽極まで)形成されたもののことをい
う。また、ロード室501には排気系500aが備えら
れ、排気系500aは第1バルブ51、ターボ分子ポン
プ52、第2バルブ53、第3バルブ54及びドライポ
ンプ55を含んだ構成からなっている。
【0177】また、本実施例において、ゲートで遮断さ
れたロード室、搬送室、成膜室、封止室及びアンロード
室等の各処理室の内部に用いる材料としては、その表面
積を小さくすることで酸素や水等の不純物の吸着性を小
さくすることができるので、電解研磨を施して鏡面化さ
せたアルミニウムやステンレス(SUS)等の材料を内
部壁面に用い、また、気孔がきわめて少なくなるように
処理されたセラミックス等の材料からなる内部部材を用
いる。なお、これらの材料は中心平均粗さが30Å以下
となるような表面平滑性を有する。
【0178】第1バルブ51は、ゲート弁を有するメイ
ンバルブであるが、コンダクタンスバルブを兼ねてバタ
フライバルブを用いる場合もある。第2バルブ53およ
び第3バルブ54はフォアバルブであり、まず第2バル
ブ53を開けてドライポンプ55によりロード室501
を粗く減圧し、次に第1バルブ51及び第3バルブ54
を空けてターボ分子ポンプ52でロード室501を高真
空まで減圧する。なお、ターボ分子ポンプの代わりにメ
カニカルブースターポンプを用いても良いし、メカニカ
ルブースターポンプで真空度を高めてからターボ分子ポ
ンプを用いても良い。
【0179】次に、502で示されるのは搬送室であ
る。ここでは、次に搬送される成膜室での成膜のために
メタルマスクのアライメントとメタルマスク上への基板
の配置を行ってもよい。また、搬送室502に基板の反
転機構を備えてもよい。なお、ここでのアライメントの
方法については、図5で説明した方法で行えばよい。ま
た、成膜室503でアライメントを行ってもよい。な
お、搬送室(A)502は排気系500bを備えてい
る。また、ロード室501とは図示しないゲートで密閉
遮断されている。
【0180】さらに、搬送室(A)502は、クリーニ
ング予備室513aを設けており、搬送室(A)502
でのクリーニングが可能である。なお、搬送室(A)5
02に予め使用済みのメタルマスクを備えておくことに
より、メタルマスクのクリーニングを行うことができ
る。
【0181】次に、503は蒸着法により第一の有機化
合物膜を成膜するための成膜室であり、成膜室(A)と
呼ぶ。成膜室(A)503は排気系500cを備えてい
る。また、搬送室(A)502とは図示しないゲートで
密閉遮断されている。
【0182】また、成膜室(A)503は、搬送室
(A)502と同様にクリーニング予備室513bを設
けている。
【0183】本実施例では成膜室(A)503として図
1に示した構造の成膜室を設け、赤色の発光を示す第一
の有機化合物膜を成膜する。また、蒸着源としては、正
孔注入性の有機化合物を備えた第一の蒸着源と、正孔輸
送性の有機化合物を備えた第二の蒸着源と、発光性を有
する有機化合物のホストとなる正孔輸送性の有機化合物
を備えた第三の蒸着源と、発光性を有する有機化合物を
備えた第四の蒸着源と、ブロッキング性を有する有機化
合物を備えた第五の蒸着源と、電子輸送性の有機化合物
を備えた第六の蒸着源が備えられている。
【0184】また、本実施例においては、第一の蒸着源
に備える正孔注入性の有機化合物として、銅フタロシア
ニン(以下、Cu−Pcと示す)、第二の蒸着源に備え
る正孔輸送性の有機化合物として、4,4'−ビス[N
−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェ
ニル(以下、α−NPDと示す)、第三の蒸着源に備え
るホストとなる有機化合物(以下、ホスト材料という)
として、4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル(以
下、CBPと示す)、第四の蒸着源に備える発光性の有
機化合物として、2,3,7,8,12,13,17,
18−オクタエチル−21H、23H−ポルフィリン−
白金(以下、PtOEPと示す)、第五の蒸着源に備え
るブロッキング性の有機化合物として、バソキュプロイ
ン(以下、BCPと示す)、第六の蒸着源に備える電子
輸送性の有機化合物として、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)を用いる。
【0185】なお、これらの有機化合物を順に蒸着して
いくことにより、陽極上に正孔注入性、正孔輸送性、発
光性、および電子輸送性の機能を有する領域からなる有
機化合物膜を形成することができる。
【0186】また、本実施例においては、異なる機能領
域の界面には、両方の機能領域を形成する有機化合物を
同時に蒸着することにより混合領域を形成する。つま
り、正孔注入性領域と正孔輸送性領域との界面、正孔輸
送性領域と発光性領域を含む電子輸送性領域の界面にそ
れぞれ混合領域を形成している。
【0187】具体的には、Cu−Pcを15nmの膜厚
に成膜して第一の機能領域を形成した後、Cu−Pcと
α−NPDとを同時に蒸着することにより5〜10nm
の膜厚で第一の混合領域を形成し、α−NPDを40n
mの膜厚で成膜して第二の機能領域を形成し、α−NP
D、CBPを同時に蒸着することにより5〜10nmの
膜厚で第二の混合領域を形成した後、CBPを25〜4
0nmの膜厚で成膜して、第三の機能領域を形成する
が、第三の機能領域形成時にCBPとPtOEPとを同
時に蒸着することにより、第三の機能領域全体、若しく
は一部に第三の混合領域を形成する。なお、ここでは、
第三の混合領域が発光性を有する。さらに、CBPとB
CPを5〜10nmの膜厚で同時に蒸着することにより
第四の混合領域を形成する。また、BCPを8nmの膜
厚で成膜することにより、第四の機能領域を形成する。
さらに、BCPとAlq3を5〜10nmの膜厚で同時
に蒸着することにより第五の混合領域を形成する。最後
にAlq3を25nmの膜厚で形成することにより、第
五の機能領域を形成することができ、以上により、第一
の有機化合物膜を形成する。
【0188】なお、ここでは第一の有機化合物膜とし
て、6種類の機能の異なる有機化合物を6つの蒸着源に
それぞれ備えておき、これらを蒸着して有機化合物膜を
形成する場合について説明したが、本実施例は、これに
限られることはなく複数であればよい。また、一つの蒸
着源に備えられる有機化合物は必ずしも一つである必要
はなく、複数であっても良い。例えば、蒸着源に発光性
の有機化合物として備えられている一種類の材料の他
に、ドーパントとなりうる別の有機化合物を一緒に備え
ておいても良い。なお、これらの複数の機能を有し、赤
色発光を示す有機化合物膜を形成する有機化合物として
は公知の材料を用いれば良い。
【0189】なお、蒸着源は、マイクロコンピュータに
よりその成膜速度を制御できるようにしておくと良い。
また、これにより、同時に複数の有機化合物を成膜する
際の混合比率を制御することができるようにしておくと
よい。
【0190】次に、506で示されるのも搬送室であ
る。ここでは、次に搬送される成膜室での成膜のために
メタルマスクのアライメントとメタルマスク上への基板
の配置を行ってもよい。また、成膜室507でアライメ
ントを行ってもよい。なお、搬送室(B)506は排気
系500dを備えている。また、成膜室(A)503と
は図示しないゲートで密閉遮断されている。さらにアラ
イメント室(A)502と同様に図示しないゲートで密
閉遮断されたクリーニング予備室513cを備えてい
る。
【0191】次に、507は蒸着法により第二の有機化
合物膜を成膜するための成膜室であり、成膜室(B)と
呼ぶ。成膜室(B)507は排気系500eを備えてい
る。また、搬送室(B)506とは図示しないゲートで
密閉遮断されている。さらに成膜室(A)503と同様
に図示しないゲートで密閉遮断されたクリーニング予備
室513dを備えている。
【0192】本実施例では成膜室(B)507として図
1に示した構造の成膜室を設け、緑色の発光を示す第二
の有機化合物膜を成膜する。また、蒸着源としては、正
孔注入性の有機化合物を備えた第一の蒸着源と、正孔輸
送性の有機化合物を備えた第二の蒸着源と第三の蒸着
源、正孔輸送性のホスト材料を備えた第四の蒸着源と、
発光性の有機化合物を備えた第五の蒸着源と、ブロッキ
ング性を有する有機化合物を備えた第六の蒸着源と、電
子輸送性の有機化合物を備えた第七の蒸着源が備えられ
ている。
【0193】また、本実施例においては、第一の蒸着源
に備える正孔注入性の有機化合物として、Cu−Pc、
第二の蒸着源に備える正孔輸送性の有機化合物として、
MTDATA、第三の蒸着源に備える正孔輸送性の有機
化合物として、α−NPD、第四の蒸着源に備える正孔
輸送性のホスト材料としてCBP、第五の蒸着源に備え
る発光性の有機化合物としてトリス(2−フェニルピリ
ジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、第六の蒸着源
に備えるブロッキング性の有機化合物として、BCP、
第七の蒸着源に備える電子輸送性の有機化合物として、
Alq3を用いる。
【0194】なお、これらの有機化合物を順に蒸着して
いくことにより、陽極上に正孔輸送性、発光性、ブロッ
キング性、および電子輸送性の機能を有する領域からな
る第二の有機化合物膜を形成することができる。
【0195】また、本実施例においては、異なる機能領
域の界面には、両方の機能領域を形成する有機化合物を
同時に蒸着することにより混合領域を形成する。つま
り、正孔輸送性領域とブロッキング性領域との界面、ブ
ロッキング性領域と電子輸送性領域の界面にそれぞれ混
合領域を形成している。
【0196】具体的には、Cu−Pcを10nmの膜厚
に成膜して第一の機能領域を形成した後、Cu−Pcと
MTDATAとを同時に蒸着することにより5〜10n
mの膜厚で第一の混合領域を形成し、MTDATAを2
0nmの膜厚に成膜して、第二の機能領域を形成し、M
TDATAとα−NPDとを同時に蒸着することにより
5〜10nmの膜厚で第二の混合領域を形成し、α−N
PDを10nmの膜厚に成膜して、第三の機能領域を形
成し、α−NPDとCBPとを同時に蒸着することによ
り5〜10nmの膜厚で第三の混合領域を形成し、CB
Pを20〜40nmの膜厚に成膜して、第四の機能領域
を形成し、第四の機能領域を形成する際にその一部また
は全体に(Ir(ppy)3)を同時に蒸着することに
より第四の混合領域を形成し、CBPとBCPを同時に
蒸着することにより5〜10nmの膜厚で第五の混合領
域を形成し、BCPを10nmの膜厚に成膜して第五の
機能領域を形成し、BCPとAlq3を同時に蒸着する
ことにより5〜10nmの膜厚で第六の混合領域を形成
し、最後にAlq3を40nmの膜厚で形成することに
より、第六の機能領域を形成し、第二の有機化合物膜を
形成する。
【0197】なお、ここでは第二の有機化合物膜とし
て、機能の異なる有機化合物を7つの蒸着源にそれぞれ
備えておき、これらを蒸着して有機化合物膜を形成する
場合について説明したが、本実施例は、これに限られる
ことはなく複数であればよい。なお、これらの複数の機
能を有し、緑色発光を示す有機化合物膜を形成する有機
化合物としては公知の材料を用いれば良い。
【0198】次に、508で示されるのも搬送室であ
る。ここでは、次に搬送される成膜室での成膜のために
メタルマスクのアライメントとメタルマスク上への基板
の配置を行ってもよい。また、成膜室509でアライメ
ントを行ってもよい。なお、搬送室(C)508は排気
系500fを備えている。また、成膜室(B)507と
は図示しないゲートで密閉遮断されている。さらに搬送
室(A)502と同様に図示しないゲートで密閉遮断さ
れたクリーニング予備室513eを備えている。
【0199】次に、509は蒸着法により第三の有機化
合物膜を成膜するための成膜室であり、成膜室(C)と
呼ぶ。成膜室(C)509は排気系500gを備えてい
る。また、搬送室(C)508とは図示しないゲートで
密閉遮断されている。さらに成膜室(A)503と同様
に図示しないゲートで密閉遮断されたクリーニング予備
室513fを備えている。
【0200】本実施例では成膜室(C)509として図
1に示した構造の成膜室を設け、青色発光を示す第三の
有機化合物膜を成膜する。また、蒸着源としては、正孔
注入性の有機化合物を備えた第一の蒸着源と、発光性を
有する有機化合物を備えた第二の蒸着源と、ブロッキン
グ性を有する有機化合物を備えた第三の蒸着源と、電子
輸送性の有機化合物を備えた第四の蒸着源が備えられて
いる。
【0201】また、本実施例においては、第一の蒸着源
に備える正孔注入性の有機化合物として、Cu−Pc、
第二の蒸着源に備える発光性の有機化合物として、α−
NPD、第三の蒸着源に備えるブロッキング性の有機化
合物として、BCP、第四の蒸着源に備える電子輸送性
の有機化合物として、Alq3を用いる。
【0202】なお、これらの有機化合物を順に蒸着して
いくことにより、陽極上に正孔注入性、発光性、ブロッ
キング性および電子輸送性の機能を有する領域からなる
第三の有機化合物膜を形成することができる。
【0203】また、本実施例においては、異なる機能領
域の界面には、両方の機能領域を形成する有機化合物を
同時に蒸着することにより混合領域を形成する。つま
り、正孔注入性領域と発光性領域の界面、および発光性
領域とブロッキング性領域との界面、ブロッキング性領
域と電子輸送性領域との界面、にそれぞれ混合領域を形
成している。
【0204】具体的には、Cu−Pcを20nmの膜厚
に成膜して第一の機能領域を形成した後、Cu−Pcと
α−NPDとを同時に蒸着することにより5〜10nm
の膜厚で第一の混合領域を形成し、α−NPDを40n
mの膜厚で成膜して第二の機能領域を形成し、α−NP
DとBCPを同時に蒸着することにより5〜10nmの
膜厚で第二の混合領域を形成し、BCPを10nmの膜
厚に成膜して第三の機能領域を形成し、BCPとAlq
3を同時に蒸着することにより5〜10nmの膜厚で第
三の混合領域を形成し、最後にAlq3を40nmの膜
厚で形成することにより、第三の有機化合物膜を形成す
る。
【0205】なお、ここでは第三の有機化合物膜とし
て、4種類の機能の異なる有機化合物を4つの蒸着源に
それぞれ備えておき、これらを順に蒸着して有機化合物
膜を形成する場合について説明したが、これに限られる
ことはなく複数であればよい。また、一つの蒸着源に備
えられる有機化合物は必ずしも一つである必要はなく、
複数であっても良い。例えば、蒸着源に発光性の有機化
合物として備えられている一種類の材料の他に、ドーパ
ントとなりうる別の有機化合物を一緒に備えておいても
良い。なお、これらの複数の機能を有し、青色発光を示
す有機化合物膜を形成する有機化合物としては公知の材
料を用いれば良い。
【0206】また、本実施例においては、第一の成膜室
である成膜室(A)503において、赤色の発光を示す
有機化合物膜を形成し、第二の成膜室である成膜室
(B)507において、緑色の発光を示す有機化合物膜
を形成し、第三の成膜室である成膜室(C)509にお
いて、青色の発光を示す有機化合物膜を形成する場合に
ついて説明したが、形成される順番はこれに限られるこ
とはなく、成膜室(A)503、成膜室(B)507、
成膜室(C)509において、赤色の発光を示す有機化
合物膜、緑色の発光を示す有機化合物膜、青色の発光を
示す有機化合物膜のいずれかが形成されればよい。さら
に、もう一つ成膜室を設けて白色発光を示す有機化合物
膜を形成されるようにしても良い。
【0207】また、ここでアニール炉を設けて、これら
の有機化合物の成膜が終了した後に真空でアニールして
もよい。この成膜後のアニール(脱気)によって基板上
に形成した有機化合物層中の酸素や水分などの不純物を
さらに除去し、高密度、且つ、高純度な有機化合物層を
形成することができる。
【0208】次に、510は蒸着法により発光素子の陽
極もしくは陰極となる導電膜(本実施例では陰極となる
金属膜)を成膜するための成膜室であり、成膜室(D)
と呼ぶ。成膜室(D)510は排気系500hを備えて
いる。また、成膜室(C)509とは図示しないゲート
で密閉遮断されている。さらに成膜室(A)503と同
様に図示しないゲートで密閉遮断されたクリーニング予
備室513gを備えている。
【0209】本実施例では成膜室(D)510として図
1に示した構造の成膜室を設けている。従って成膜室
(D)510の詳細な動作に関しては、図1の説明を参
照すれば良い。
【0210】本実施例では、成膜室(D)510におい
て、発光素子の陰極となる導電膜としてAl−Li合金
膜(アルミニウムとリチウムとの合金膜)を成膜する。
なお、周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミ
ニウムとを共蒸着することも可能である。
【0211】さらに、ここでCVD室を設けて、窒化珪
素膜、酸化珪素膜及びDLC膜等の絶縁膜を発光素子の
保護膜(パッシベーション膜)として形成させてもよ
い。なお、CVD室を設ける場合には、CVD室で用い
る材料ガスを予め高純度化するためのガス精製機を設け
ておくと良い。
【0212】次に、511は封止室であり、排気系50
0iを備えている。また、成膜室(D)510とは図示
しないゲートで密閉遮断されている。封止室511で
は、最終的に発光素子を密閉空間に封入するための処理
が行われる。この処理は形成された発光素子を酸素や水
分から保護するための処理であり、カバー材で機械的に
封入する、又は熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂
で封入するといった手段を用いる。
【0213】カバー材としては、ガラス、セラミック
ス、プラスチックもしくは金属を用いることができる
が、カバー材側に光を放射させる場合は透光性でなけれ
ばならない。また、カバー材と上記発光素子が形成され
た基板とは熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂等のシー
ル材を用いて貼り合わせられ、熱処理又は紫外光照射処
理によって樹脂を硬化させて密閉空間を形成する。この
密閉空間の中に酸化バリウムに代表される吸湿材を設け
ることも有効である。
【0214】また、カバー材と発光素子の形成された基
板との空間を熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂で
充填することも可能である。この場合、熱硬化性樹脂若
しくは紫外光硬化性樹脂の中に酸化バリウムに代表され
る吸湿材を添加しておくことは有効である。
【0215】図6に示した成膜装置では、封止室511
の内部に紫外光を照射するための機構(以下、紫外光照
射機構という)が設けられており、この紫外光照射機構
から発した紫外光によって紫外光硬化性樹脂を硬化させ
る構成となっている。
【0216】最後に、512はアンロード室であり、排
気系500jを備えている。発光素子が形成された基板
はここから取り出される。
【0217】以上のように、図6(または図1)に示し
た成膜装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に
封入するまで外気に晒さずに済むため、信頼性の高い発
光装置を作製することが可能となる。
【0218】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施例1、また
は実施例2と自由に組み合わせることができる。
【0219】[実施例4]本発明の成膜装置について図
7を用いて説明する。図7において、701は搬送室で
あり、搬送室701には搬送機構(A)702が備えら
れ、基板703の搬送が行われる。搬送室701は減圧
雰囲気にされており、各処理室とはゲートによって連結
されている。各処理室への基板の受け渡しは、ゲートを
開けた際に搬送機構(A)702によって行われる。ま
た、搬送室701を減圧するには、ドライポンプ、メカ
ニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプ(磁気浮上
型)もしくはクライオポンプなどの排気ポンプを用いる
ことが可能であるが、より高純度に高真空状態を得るた
めには磁気浮上型のターボ分子ポンプが好ましい。
【0220】以下に、各処理室についての説明を行う。
なお、搬送室701は減圧雰囲気となるので、搬送室7
01に直接的に連結された処理室には全て排気ポンプ
(図示せず)が備えられている。排気ポンプとしては上
述のドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ター
ボ分子ポンプ(磁気浮上型)もしくはクライオポンプが
用いられるが、ここでも磁気浮上型のターボ分子ポンプ
が好ましい。
【0221】まず、704は基板のセッティング(設
置)を行うロード室である。ロード室704はゲート7
00aにより搬送室701と連結され、ここに基板70
3をセットしたキャリア(図示せず)が配置される。な
お、ロード室704は、素子形成まで終了した基板を封
止室への搬送室の役割も兼ねる。なお、ロード室704
は基板搬入用と基板搬送用とで部屋が区別されていても
良い。また、ロード室704は上述の排気ポンプと高純
度の窒素ガスまたは希ガスを導入するためのパージライ
ンを備えている。なお、排気ポンプとしては、ターボ分
子ポンプが望ましい。さらに、このパージラインには、
ガス精製機が備えられており、装置内に導入されるガス
の不純物(酸素や水)が予め除去されるようになってい
る。
【0222】なお、本実施例では基板703として、発
光素子の陽極となる透明導電膜まで形成した基板を用い
る。本実施例では基板703を、被成膜面を下向きにし
てキャリアにセットする。
【0223】次に、705で示されるのはメタルマスク
のアライメント及び発光素子の陽極もしくは陰極(本実
施例では陽極)まで形成された基板とメタルマスクの位
置合わせを行うアライメント室であり、アライメント室
705はゲート700bにより搬送室701と連結され
る。なお、異なる有機化合物膜を形成するたびにアライ
メント室においてメタルマスクのアライメント及び基板
とメタルマスクの位置合わせが行われる。また、アライ
メント室705には、イメージセンサーとして知られて
いるCCD(Charge Coupled Device)を備えておくこと
により、メタルマスクを用いて成膜を行う際に基板とメ
タルマスクの位置合わせを精度良く行うことを可能にす
る。
【0224】さらに、アライメント室705には、クリ
ーニング予備室722aが連結されている。クリーニン
グ予備室722aの構成は、図3及び実施の形態2に示
すとおりである。また、反応性ガスを用いてクリーニン
グを行ってもよい。また、クリーニング予備室を設け
ず、実施の形態3に示したように成膜室内にガス(A
r、H、F、NF3、またはOから選ばれた一種または
複数種のガス)を導入して、成膜室内でプラズマを発生
させてドライクリーニングを行っても良いし、Arガス
等を導入してスパッタ法による物理的なクリーニングを
行っても良い。
【0225】反応性ガスを用いてクリーニングを行う場
合、μ波を発生させるμ波発振器を有し、ここで発生し
たμ波は導波管を通ってプラズマ放電管に送られる。な
お、ここで用いるμ波発振器からは、約2.45GHz
のμ波が放射される。また、プラズマ放電管には、ガス
導入管から反応性ガスが供給される。なお、反応性ガス
として、NF3、CF4、またはClF3などを用いれば
良い。そして、プラズマ放電管において反応性ガスがμ
波により分解されてラジカルが発生する。このラジカル
は、ガス導入管を通り、ゲートを介して連結されたアラ
イメント室705に導入される。そして、アライメント
室705には、有機化合物膜が付着したメタルマスクを
備えておく。そして、クリーニング予備室722aとア
ライメント室705の間に設けられているゲートを開く
ことにより、アライメント室705にラジカルを導入す
ることができる。これにより、メタルマスクのクリーニ
ングを行うことができる。
【0226】次に、706は蒸着法により有機化合物膜
を成膜するための成膜室であり、成膜室(A)と呼ぶ。
成膜室(A)706はゲート700cを介して搬送室7
01に連結される。本実施例では成膜室(A)706と
して図1に示した構造の成膜室を設けている。
【0227】本実施例では、成膜室(A)706内の成
膜部707において、赤色に発光する第一の有機化合物
膜を成膜する。
【0228】なお、有機化合物を順に蒸着していくこと
により、陽極上に正孔注入性、正孔輸送性、発光性、お
よび電子輸送性の機能を有する領域からなる有機化合物
膜を形成することができる。
【0229】また、成膜室(A)706はゲート700
gを介して材料交換室714に連結される。なお、材料
交換室714には、交換した有機化合物を加熱するヒー
ターが設けられている。予め有機化合物を加熱すること
で水等の不純物を除去することができる。この時加える
温度は200℃以下であることが望ましい。また、材料
交換室714には、内部を減圧状態にすることができる
排気ポンプが備えられているので、外部から有機化合物
を追加または交換して加熱処理した後、内部を減圧状態
にする。そして、成膜室内と同じ圧力状態になったとこ
ろでゲート700gを開け、成膜室内部の蒸発源に有機
化合物を備えることができるようになっている。なお、
有機化合物は、搬送機構などにより成膜室内の蒸発源に
備えられる。
【0230】なお、成膜室(A)706内における成膜
プロセスに関しては、実施の形態1に記載した図1の説
明や、実施例1を参照すれば良い。
【0231】なお、成膜室(A)706にもアライメン
ト室705と同様にクリーニング予備室722bがゲー
ト(図示せず)を介して連結されている。なお、具体的
な構成は、クリーニング予備室722aと同様であり、
成膜室(A)706内部に付着した有機化合物等を除去
することができる。
【0232】次に、708は蒸着法により第二の有機化
合物膜を成膜するための成膜室であり、成膜室(B)と
呼ぶ。成膜室(B)708はゲート700dを介して搬
送室701に連結される。本実施例では成膜室(B)7
08として図1に示した構造の成膜室を設けている。本
実施例では、成膜室(B)708内の成膜部709にお
いて、緑色に発光する有機化合物膜を成膜する。
【0233】なお、有機化合物を順に蒸着していくこと
により、陽極上に正孔輸送性、発光性、ブロッキング性
および電子輸送性の機能を有する領域からなる有機化合
物膜を形成することができる。
【0234】また、成膜室(B)708はゲート700
hを介して材料交換室715に連結される。なお、材料
交換室715には、交換した有機化合物を加熱するヒー
ターが設けられている。予め有機化合物を加熱すること
で水等の不純物を除去することができる。この時加える
温度は200℃以下であることが望ましい。また、材料
交換室715には、内部を減圧状態にすることができる
排気ポンプが備えられているので、外部から有機化合物
を導入した後、内部を減圧状態にする。そして、成膜室
内と同じ圧力状態になったところでゲート700hを開
け、成膜室内部の蒸発源に有機化合物を備えることがで
きるようになっている。なお、有機化合物は、搬送機構
などにより成膜室内の蒸発源に備えられる。
【0235】なお、成膜室(B)708内における成膜
プロセスに関しては、実施の形態1に記載の図1の説明
や実施例1を参照すれば良い。なお、成膜室(B)70
8にもアライメント室705と同様にクリーニング予備
室722cがゲート(図示せず)を介して連結されてい
る。
【0236】次に、710は蒸着法により第三の有機化
合物膜を成膜するための成膜室であり、成膜室(C)と
呼ぶ。成膜室(C)710はゲート700eを介して搬
送室701に連結される。本実施例では成膜室(C)7
10として図1に示した構造の成膜室を設けている。本
実施例では、成膜室(C)710内の成膜部711にお
いて、青色に発光する有機化合物膜を成膜する。
【0237】なお、有機化合物を順に蒸着していくこと
により、陽極上に正孔注入性、発光性、ブロッキング性
および電子輸送性の機能を有する領域からなる有機化合
物膜を形成することができる。
【0238】また、成膜室(C)710はゲート700
iを介して材料交換室716に連結される。
【0239】なお、成膜室(C)710内における成膜
プロセスに関しては、実施の形態1に記載の図1の説明
や実施例1を参照すれば良い。
【0240】なお、成膜室(C)710にもアライメン
ト室705と同様にクリーニング予備室722dがゲー
ト(図示せず)を介して連結されている。
【0241】次に、712は蒸着法により発光素子の陽
極もしくは陰極となる導電膜(本実施例では陰極となる
金属膜)を成膜するための成膜室であり、成膜室(D)
と呼ぶ。成膜室(D)712はゲート700fを介して
搬送室701に連結される。本実施例では、成膜室
(D)712内の成膜部713において、発光素子の陰
極となる導電膜としてAl−Li合金膜(アルミニウム
とリチウムとの合金膜)を成膜する。なお、周期表の1
族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着
することも可能である。
【0242】また、成膜室(D)712はゲート700
jを介して材料交換室717に連結される。なお、材料
交換室717には、交換した導電材料を加熱するヒータ
ーが設けられている。なお、成膜室(D)712にもア
ライメント室705と同様にクリーニング予備室722
eがゲート(図示せず)を介して連結されている。
【0243】また、成膜室(A)706、成膜室(B)
708、成膜室(C)710及び成膜室(D)712に
は、各成膜室内を加熱する機構を備えておく。これによ
り、成膜室内の不純物の一部を除去することができる。
【0244】また、成膜室(A)706、成膜室(B)
708、成膜室(C)710及び成膜室(D)712
は、排気ポンプにより減圧される。なお、この時の到達
真空度は10-6Pa以上であることが望ましく、例え
ば、排気速度が10000l/s(H2O)のクライオ
ポンプを用いて、成膜室内部の表面積を10m2とし、
成膜室内部をアルミニウムで形成したときの成膜室内部
のリーク量は、20時間で4.1×10-7Pa・m3
-1以下になるようにしなければならない。
【0245】次に、718は封止室(封入室またはグロ
ーブボックスともいう)であり、ゲート700kを介し
てロード室704に連結されている。封止室718で
は、最終的に発光素子を密閉空間に封入するための処理
が行われる。この処理は形成された発光素子を酸素や水
分から保護するための処理であり、カバー材で機械的に
封入する、又は熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂
で封入するといった手段を用いる。
【0246】カバー材としては、ガラス、セラミック
ス、プラスチックもしくは金属を用いることができる
が、カバー材側に光を放射させる場合は透光性でなけれ
ばならない。また、カバー材と上記発光素子が形成され
た基板とは熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂等のシー
ル剤を用いて貼り合わせられ、熱処理又は紫外光照射処
理によって樹脂を硬化させて密閉空間を形成する。この
密閉空間の中に酸化バリウムに代表される吸湿剤を設け
ることも有効である。
【0247】また、カバー材と発光素子の形成された基
板との空間を熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂で
充填することも可能である。この場合、熱硬化性樹脂若
しくは紫外光硬化性樹脂の中に酸化バリウムに代表され
る吸湿材を添加しておくことは有効である。
【0248】図7に示した成膜装置では、封止室718
の内部に紫外光を照射するための機構(以下、紫外光照
射機構という)719が設けられており、この紫外光照
射機構719から発した紫外光によって紫外光硬化性樹
脂を硬化させる構成となっている。また、封止室718
の内部は排気ポンプを取り付けることで減圧にすること
も可能である。上記封入工程をロボット操作で機械的に
行う場合には、減圧下で行うことで酸素や水分の混入を
防ぐことができる。なお、具体的には、酸素や水の濃度
は0.3ppm以下にすることが望ましい。また、逆に
封止室718の内部を与圧とすることも可能である。こ
の場合、高純度な窒素ガスや希ガスでパージしつつ与圧
とし、外気から酸素等が侵入することを防ぐ。
【0249】次に、封止室718には受渡室(パスボッ
クス)720が連結される。受渡室720には搬送機構
(B)721が設けられ、封止室718で発光素子の封
入が完了した基板を受渡室720へと搬送する。受渡室
720も排気ポンプを取り付けることで減圧とすること
が可能である。この受渡室720は封止室718を直接
外気に晒さないようにするための設備であり、ここから
基板を取り出す。その他、封止室において用いる部材を
供給する部材供給室(図示せず)を設けることも可能で
ある。
【0250】なお、本実施例において図示しなかった
が、発光素子の形成後に窒化珪素や酸化珪素等の珪素を
含む化合物やこれらの化合物の上に炭素を含むDLC
(Diamond Like Carbon)膜を積層させた絶縁膜を発光
素子上に形成させても良い。なお、DLC(Diamond Li
ke Carbon)膜とは、ダイヤモンド結合(sp3結合)とグ
ラファイト結合(SP2結合)が混在した非晶質膜であ
る。またこの場合には、自己バイアスを印加することで
プラズマを発生させ、原料ガスのプラズマ放電分解によ
り薄膜を形成させるCVD(chemical vapor depositio
n)装置を備えた成膜室を設ければよい。
【0251】以上のように、図7に示した成膜装置を用
いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで外
気に晒さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製す
ることが可能となる。
【0252】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態4、実施例1、または実施例2と自
由に組み合わせることができる。
【0253】[実施例5]本実施例では、本発明の成膜
装置を用いて作製した発光装置について説明する。図8
は、アクティブマトリクス型発光装置の断面図である。
なお、能動素子としてここでは薄膜トランジスタ(以
下、「TFT」と記す)を用いているが、MOSトラン
ジスタを用いてもよい。
【0254】また、TFTとしてトップゲート型TFT
(具体的にはプレーナ型TFT)を例示するが、ボトム
ゲート型TFT(典型的には逆スタガ型TFT)を用い
ることもできる。
【0255】本実施例では、基板800としてバリウム
ホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスな
どのガラスからなる基板、石英基板やシリコン基板、金
属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成した
ものを用いればよい。また、本実施例の処理温度に耐え
うる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい
し、可撓性基板を用いても良い。
【0256】まず、厚さ0.7mmの耐熱性ガラス基板
(基板800)上にプラズマCVD法により下地絶縁膜
の下層801として、プラズマCVD法で成膜温度40
0℃、原料ガスSiH4、NH3、N2Oから作製される
酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=27
%、N=24%、H=17%)を50nm(好ましくは1
0〜200nm)形成する。次いで、表面をオゾン水で洗
浄した後、表面の酸化膜を希フッ酸(1/100希釈)
で除去する。次いで、下地絶縁膜の上層802として、
プラズマCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH
4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜(組成比S
i=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を10
0nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに積層形成
し、さらに大気解放せずにプラズマCVD法で成膜温度
300℃、成膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半導
体膜(ここではアモルファスシリコン膜)を54nmの
厚さ(好ましくは25〜200nm)で形成する。
【0257】本実施例では下地絶縁膜を2層構造として
示したが、珪素を主成分とする絶縁膜の単層膜または2
層以上積層させた構造として形成しても良い。また、半
導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまた
はシリコンゲルマニウム(Si XGe1-X(X=0.00
01〜0.02))合金などを用い、公知の手段(スパ
ッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)に
より形成すればよい。また、プラズマCVD装置は、枚
葉式の装置でもよいし、バッチ式の装置でもよい。ま
た、同一の成膜室で大気に触れることなく下地絶縁膜と
半導体膜とを連続成膜してもよい。
【0258】次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表
面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸
化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値を制御する
ために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピ
ングを行う。ここでは、ジボラン(B26)を質量分離
しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用い、ドー
ピング条件を加速電圧15kV、ジボランを水素で1%
に希釈したガスを流量30sccmとし、ドーズ量2×
1012/cm2で非晶質シリコン膜にボロンを添加す
る。
【0259】次いで、重量換算で10ppmのニッケルを
含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布した。塗布に
代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法
を用いてもよい。
【0260】次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶
構造を有する半導体膜を形成する。この加熱処理は、電
気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉
の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃で4〜24
時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理
(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(5
50℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜
を得た。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶
化を行ったが、短時間での結晶化が可能なランプアニー
ル装置で結晶化を行ってもよい。
【0261】次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面
の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、大粒径な結晶を得
るため、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の
第2高調波〜第4高調波を半導体膜に照射する。レーザ
光の照射は大気中、または酸素雰囲気中で行う。なお、
大気中、または酸素雰囲気中で行うため、レーザー光の
照射により表面に酸化膜が形成される。代表的には、N
d:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波
(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すれば
よい。出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出
されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換す
る。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子
を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ま
しくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状の
レーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときの
エネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度
(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要であ
る。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレー
ザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すれば
よい。
【0262】もちろん、連続発振のYVO4レーザーの
第2高調波を照射する前の結晶構造を有するシリコン膜
を用いてTFTを作製することもできるが、レーザ光照
射後の結晶構造を有するシリコン膜のほうが結晶性が向
上しているため、TFTの電気的特性が向上するので望
ましい。例えば、上記レーザ光照射前の結晶構造を有す
るシリコン膜を用いてTFTを作製すると、移動度は3
00cm2/Vs程度であるが、上記レーザ光照射後の
結晶構造を有するシリコン膜を用いてTFTを作製する
と、移動度は500〜600cm2/Vs程度と著しく
向上する。
【0263】なお、ここではシリコンの結晶化を助長す
る金属元素としてニッケルを用いて結晶化させた後、さ
らに連続発振のYVO4レーザーの第2高調波を照射し
たが、特に限定されず、非晶質構造を有するシリコン膜
を成膜し、脱水素化のための熱処理を行った後、上記連
続発振のYVO4レーザーの第2高調波を照射して結晶
構造を有するシリコン膜を得てもよい。
【0264】また、連続発振のレーザに代えてパルス発
振のレーザを用いることもでき、パルス発振のエキシマ
レーザを用いる場合には、周波数300Hzとし、レー
ザーエネルギー密度を100〜1000mJ/cm2(代表的
には200〜800mJ/cm2)とするのが望ましい。この
とき、レーザ光を50〜98%オーバーラップさせても
良い。
【0265】次いで、上記レーザー光の照射により形成
された酸化膜に加え、オゾン水で表面を120秒処理し
て合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成す
る。本実施例ではオゾン水を用いてバリア層を形成した
が、酸素雰囲気下の紫外線の照射で結晶構造を有する半
導体膜の表面を酸化する方法や酸素プラズマ処理により
結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法やプラ
ズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで1〜10nm
程度の酸化膜を堆積してバリア層を形成してもよい。ま
た、バリア層を形成する前にレーザー光の照射により形
成された酸化膜を除去してもよい。
【0266】次いで、上記バリア層上にプラズマCVD
法またはスパッタ法でゲッタリングサイトとなるアルゴ
ン元素を含む非晶質シリコン膜を50nm〜400n
m、ここでは膜厚150nmで形成する。本実施例で
は、スパッタ法でシリコンターゲットを用い、アルゴン
雰囲気下、圧力0.3Paで成膜する。
【0267】その後、650℃に加熱された炉に入れて
3分の熱処理を行いゲッタリングして、結晶構造を有す
る半導体膜中のニッケル濃度を低減する。炉に代えてラ
ンプアニール装置を用いてもよい。
【0268】次いで、バリア層をエッチングストッパー
として、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む
非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希
フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、
ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があ
るため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除
去することが望ましい。
【0269】次いで、得られた結晶構造を有するシリコ
ン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを
形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離さ
れた半導体層を形成する。半導体層を形成した後、レジ
ストからなるマスクを除去する。
【0270】次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化
膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、
ゲート絶縁膜803となる珪素を主成分とする絶縁膜を
形成する。ここでは、プラズマCVD法により115n
mの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、
O=59%、N=7%、H=2%)で形成した。
【0271】次いで、ゲート絶縁膜上に膜厚20〜10
0nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第
2の導電膜とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶
縁膜803上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚3
70nmのタングステン膜を順次積層し、以下に示す手
順でパターニングを行って各ゲート電極及び各配線を形
成する。
【0272】第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する
導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cu
から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電
膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピ
ングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、、
AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限
定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜
厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−
Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した
3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第
1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを
用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコ
ンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタ
ンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導
電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
また、単層構造であってもよい。
【0273】上記第1の導電膜及び第2の導電膜のエッ
チング(第1のエッチング処理および第2のエッチング
処理)にはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導
結合型プラズマ)エッチング法を用いると良い。ICP
エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極
に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力
量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって
所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができ
る。ここでは、レジストからなるマスクを形成した後、
第1のエッチング条件として1Paの圧力でコイル型の電
極に700WのRF(13.56MHz)電力を投入し、エッチ
ング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれの
ガス流量比を25/25/10(sccm)とし、基板
側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電
力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加す
る。なお、基板側の電極面積サイズは、12.5cm×
12.5cmであり、コイル型の電極面積サイズ(ここ
ではコイルの設けられた石英円板)は、直径25cmの
円板である。この第1のエッチング条件によりW膜をエ
ッチングして端部をテーパー形状とする。この後、レジ
ストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング条件
に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、そ
れぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1
Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度の
エッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20
WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己
バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2
のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエ
ッチングされる。なお、ここでは、第1のエッチング条
件及び第2のエッチング条件を第1のエッチング処理と
呼ぶこととする。
【0274】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、第3のエ
ッチング条件としてエッチング用ガスにCF4とCl2
を用い、それぞれのガス流量比を30/30(scc
m)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのR
F(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッ
チングを60秒行った。基板側(試料ステージ)にも2
0WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自
己バイアス電圧を印加する。この後、レジストからなる
マスクを除去せずに第4のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれ
のガス流量比を20/20/20(sccm)とし、1
Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成して約20秒程度の
エッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20
WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己
バイアス電圧を印加する。なお、ここでは、第3のエッ
チング条件及び第4のエッチング条件を第2のエッチン
グ処理と呼ぶこととする。この段階で第1の導電層80
4aを下層とし、第2の導電層804bを上層とするゲ
ート電極804および各電極805〜807が形成され
る。
【0275】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、ゲート電極804〜807をマスクとして全面に
ドーピングする第1のドーピング処理を行う。第1のド
ーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法
で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1.
5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100k
eVとして行う。n型を付与する不純物元素として、典
型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。自己
整合的に第1の不純物領域(n--領域)822〜825
が形成される。
【0276】次いで、新たにレジストからなるマスクを
形成するが、この際、スイッチングTFT903のオフ
電流値を下げるため、マスクは、画素部901のスイッ
チングTFT903を形成する半導体層のチャネル形成
領域及びその一部を覆って形成する。また、マスクは駆
動回路のpチャネル型TFT906を形成する半導体層
のチャネル形成領域及びその周辺の領域を保護するため
にも設けられる。加えて、マスクは、画素部901の電
流制御用TFT904を形成する半導体層のチャネル形
成領域及びその周辺の領域を覆って形成される。
【0277】次いで、上記レジストからなるマスクを用
い、選択的に第2のドーピング処理を行って、ゲート電
極の一部と重なる不純物領域(n-領域)を形成する。
第2のドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオ
ン注入法で行えば良い。ここでは、イオンドープ法を用
い、フォスフィン(PH3)を水素で5%に希釈したガ
スを流量30sccmとし、ドーズ量を1.5×1014
atoms/cm2とし、加速電圧を90keVとして行う。こ
の場合、レジストからなるマスクと第2の導電層とがn
型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、第2の
不純物領域311、312が形成される。第2の不純物
領域には1×1016〜1×1017/cm3の濃度範囲でn型
を付与する不純物元素を添加される。ここでは、第2の
不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn-領域とも呼ぶ。
【0278】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第3のドーピング処理を行う。第3のドーピング処
理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良
い。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン
(P)または砒素(As)を用いる。ここでは、イオン
ドープ法を用い、フォスフィン(PH3)を水素で5%
に希釈したガスを流量40sccmとし、ドーズ量を2
×1015atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとして
行う。この場合、レジストからなるマスクと第1の導電
層及び第2の導電層がn型を付与する不純物元素に対す
るマスクとなり、第3の不純物領域813、814、8
26〜828が形成される。第3の不純物領域には1×
1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与する不
純物元素を添加される。ここでは、第3の不純物領域と
同じ濃度範囲の領域をn+領域とも呼ぶ。
【0279】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、新たにレジストからなるマスクを形成して第4の
ドーピング処理を行う。第4のドーピング処理により、
pチャネル型TFTを形成する半導体層を形成する半導
体層にp型の導電型を付与する不純物元素が添加された
第4の不純物領域818、819、832、833及び
第5の不純物領域816、817、830、831を形
成する。
【0280】また、第4の不純物領域818、819、
832、833には1×1020〜1×1021/cm3の濃度
範囲でp型を付与する不純物元素が添加されるようにす
る。尚、第4の不純物領域818、819、832、8
33には先の工程でリン(P)が添加された領域(n--
領域)であるが、p型を付与する不純物元素の濃度がそ
の1.5〜3倍添加されていて導電型はp型となってい
る。ここでは、第4の不純物領域と同じ濃度範囲の領域
をp+領域とも呼ぶ。
【0281】また、第5の不純物領域816、817、
830、831は第2の導電層のテーパー部と重なる領
域に形成されるものであり、1×1018〜1×1020/c
m3の濃度範囲でp型を付与する不純物元素が添加される
ようにする。ここでは、第5の不純物領域と同じ濃度範
囲の領域をp-領域とも呼ぶ。
【0282】以上までの工程でそれぞれの半導体層にn
型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成され
る。導電層804〜807はTFTのゲート電極とな
る。
【0283】次いで、ほぼ全面を覆う絶縁膜(図示しな
い)を形成する。本実施例では、プラズマCVD法によ
り膜厚50nmの酸化シリコン膜を形成した。勿論、こ
の絶縁膜は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他
のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用
いても良い。
【0284】次いで、それぞれの半導体層に添加された
不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工
程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法
(RTA法)、或いはレーザーを照射する方法、或いは
炉を用いた熱処理、或いはこれらの方法のうち、いずれ
かと組み合わせた方法によって行う。
【0285】また、本実施例では、上記活性化の前に絶
縁膜を形成した例を示したが、上記活性化を行った後、
絶縁膜を形成する工程としてもよい。
【0286】次いで、窒化シリコン膜からなる第1の層
間絶縁膜808を形成して熱処理(300〜550℃で
1〜12時間の熱処理)を行い、半導体層を水素化する
工程を行う。この工程は第1の層間絶縁膜808に含ま
れる水素により半導体層のダングリングボンドを終端す
る工程である。酸化シリコン膜からなる絶縁膜(図示し
ない)の存在に関係なく半導体層を水素化することがで
きる。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラ
ズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0287】次いで、第1の層間絶縁膜808上に有機
絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜809を形成す
る。本実施例では塗布法により膜厚1.6μmのアクリ
ル樹脂膜809aを形成し、スパッタ法により200n
mの窒化シリコン膜809bを積層する。
【0288】次いで、pチャネル型TFTからなる電流
制御用TFT904のドレイン領域に接して後で形成さ
れる接続電極に接して重なるよう画素電極834を形成
する。本実施例では、画素電極はOLEDの陽極として
機能させ、OLEDの発光を画素電極に通過させるた
め、透明導電膜とする。
【0289】次いで、ゲート電極またはゲート配線とな
る導電層に達するコンタクトホールと、各不純物領域に
達するコンタクトホールを形成する。本実施例では複数
のエッチング処理を順次行う。本実施例では第2の層間
絶縁膜をエッチングストッパーとして第3の層間絶縁膜
をエッチングした後、第1の層間絶縁膜をエッチングス
トッパーとして第2の層間絶縁膜をエッチングしてから
第1の層間絶縁膜をエッチングした。
【0290】その後、Al、Ti、Mo、Wなどを用い
て電極835〜841、具体的にはソース配線、電源供
給線、引き出し電極及び接続電極などを形成する。ここ
では、これらの電極及び配線の材料は、Ti膜(膜厚1
00nm)とシリコンを含むAl膜(膜厚350nm)
とTi膜(膜厚50nm)との積層膜を用い、パターニ
ングを行った。こうして、ソース電極及びソース配線、
接続電極、引き出し電極、電源供給線などが適宜、形成
される。なお、層間絶縁膜に覆われたゲート配線とコン
タクトを取るための引き出し電極は、ゲート配線の端部
に設けられ、他の各配線の端部にも、外部回路や外部電
源と接続するための電極が複数設けられた入出力端子部
を形成する。また、先に形成された画素電極834と接
して重なるよう設けられた接続電極841は、電流制御
用TFT904のドレイン領域に接している。
【0291】以上の様にして、nチャネル型TFT90
5、pチャネル型TFT906、およびこれらを相補的
に組み合わせたCMOS回路を有する駆動回路902
と、1つの画素内にnチャネル型TFT903またはp
チャネル型TFT904を複数備えた画素部901を形
成することができる。
【0292】各電極のパターニングが終了したら、レジ
ストを除去して熱処理を行い、次いで、画素電極834
の端部を覆うように両端にバンクとよばれる絶縁物84
2a、842bを形成する。バンク842a、842b
は珪素を含む絶縁膜もしくは樹脂膜で形成すれば良い。
ここでは、有機樹脂膜からなる絶縁膜をパターニングし
てバンク842aを形成した後、スパッタ法で窒化シリ
コン膜を成膜し、パターニングしてバンク842bを形
成する。
【0293】次いで、両端がバンクで覆われている画素
電極834上にEL層843およびOLEDの陰極84
4を形成する。本実施例では、EL層843およびOL
EDの陰極844を実施の形態1に示す成膜装置を用い
て蒸着する。蒸着方法は、実施の形態1または実施例1
に従って、基板を加熱しながら、真空中で蒸着すること
によって高密度、且つ、高純度のEL層を形成すればよ
い。
【0294】EL層843としては、発光層、電荷輸送
層または電荷注入層を自由に組み合わせてEL層(発光
及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を
形成すれば良い。例えば、低分子系有機EL材料や高分
子系有機EL材料を用いればよい。また、EL層として
一重項励起により発光(蛍光)する発光材料(シングレ
ット化合物)からなる薄膜、または三重項励起により発
光(リン光)する発光材料(トリプレット化合物)から
なる薄膜を用いることができる。また、電荷輸送層や電
荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可
能である。これらの有機EL材料や無機材料は公知の材
料を用いることができる。
【0295】また、陰極844に用いる材料としては仕
事関数の小さい金属(代表的には周期表の1族もしくは
2族に属する金属元素)や、これらを含む合金を用いる
ことが好ましいとされている。仕事関数が小さければ小
さいほど発光効率が向上するため、中でも、陰極に用い
る材料としては、アルカリ金属の一つであるLi(リチ
ウム)を含む合金材料が望ましい。なお、陰極は全画素
に共通の配線としても機能し、接続配線を経由して入力
端子部に端子電極を有している。
【0296】ここまでの工程が終了した段階が図8であ
る。なお、図8では、スイッチングTFT903と、O
LEDに電流を供給するTFT(電流制御用TFT90
4)とを示したが、該TFTのゲート電極の先には複数
のTFTなどからなる様々な回路を設けてもよく、特に
限定されないことは言うまでもない。
【0297】次いで、陰極と、有機化合物層と、陽極と
を少なくとも有するOLEDを有機樹脂、保護膜、封止
基板、或いは封止缶で封入することにより、OLEDを
外部から完全に遮断し、外部から水分や酸素等のEL層
の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐこと
が好ましい。ただし、後でFPCと接続する必要のある
入出力端子部には保護膜などは設けなくともよい。
【0298】次いで、異方性導電材で入出力端子部の各
電極にFPC(フレキシブルプリントサーキット)を貼
りつける。異方性導電材は、樹脂と、表面にAuなどが
メッキされた数十〜数百μm径の導電性粒子とから成
り、導電性粒子により入出力端子部の各電極とFPCに
形成された配線とが電気的に接続する。
【0299】また、必要があれば、偏光板と位相差板と
で構成される円偏光板等の光学フィルムを設けてもよい
し、ICチップなどを実装させてもよい。
【0300】以上の工程でFPCが接続されたモジュー
ル型の発光装置が完成する。
【0301】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態4、実施例1〜4のいずれか一と自
由に組み合わせることができる。
【0302】[実施例6]実施例5により得られるモジ
ュール型の発光装置(ELモジュールとも呼ぶ)の上面
図及び断面図を示す。
【0303】図9(A)は、ELモジュールを示す上面
図、図9(B)は図9(A)をA−A’で切断した断面
図である。図9(A)において、基板400(例えば、
耐熱性ガラス等)に、下地絶縁膜401が設けられ、そ
の上に画素部402、ソース側駆動回路404、及びゲ
ート側駆動回路403を形成されている。これらの画素
部や駆動回路は、上記実施例5に従えば得ることができ
る。
【0304】また、418は有機樹脂、419は保護膜
であり、画素部および駆動回路部は有機樹脂418で覆
われ、その有機樹脂は保護膜419で覆われている。さ
らに、接着剤を用いてカバー材で封止してもよい。カバ
ー材は、封止基板、或いは封止缶を用い、EL層とカバ
ー材の空隙には、不活性ガスまたはシリコンオイルを封
入すればよい。
【0305】なお、408はソース側駆動回路404及
びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送する
ための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)409からビデオ信号やク
ロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示
されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。本明細書における
発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC
もしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとす
る。
【0306】次に、断面構造について図9(B)を用い
て説明する。基板400上に接して下地絶縁膜401が
設けられ、絶縁膜401の上方には画素部402、ゲー
ト側駆動回路403が形成されており、画素部402は
電流制御用TFT411とそのドレインに電気的に接続
された画素電極412を含む複数の画素により形成され
る。また、ゲート側駆動回路403はnチャネル型TF
T413とpチャネル型TFT414とを組み合わせた
CMOS回路を用いて形成される。
【0307】これらのTFT(411、413、414
を含む)は、上記実施例5のnチャネル型TFT、上記
実施例5のpチャネル型TFTに従って作製すればよ
い。図9では、OLEDに電流を供給するTFT(電流
制御用TFT411)のみを示したが、該TFTのゲー
ト電極の先には複数のTFTなどからなる様々な回路を
設けてもよく、特に限定されないことは言うまでもな
い。
【0308】なお、実施例5に従って同一基板上に画素
部402、ソース側駆動回路404、及びゲート側駆動
回路403形成する。
【0309】画素電極412は発光素子(OLED)の
陰極として機能する。また、画素電極412の両端には
バンク415が形成され、画素電極412上には有機化
合物層416および発光素子の陽極417が形成され
る。
【0310】有機化合物層416としては、図1に示す
成膜装置、または図3に示す装置を用い、発光層、電荷
輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて有機化合
物層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるた
めの層)を形成すれば良い。
【0311】陽極417は全画素に共通の配線としても
機能し、接続配線408を経由してFPC409に電気
的に接続されている。さらに、画素部402及びゲート
側駆動回路403に含まれる素子は全て陽極417、有
機樹脂418、及び保護膜419で覆われている。
【0312】なお、有機樹脂418としては、できるだ
け可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるの
が好ましい。また、有機樹脂418はできるだけ水分や
酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0313】また、有機樹脂418を用いて発光素子を
完全に覆った後、すくなくとも図7に示すように保護膜
419を有機樹脂418の表面(露呈面)に設けること
が好ましい。また、基板400の裏面を含む全面に保護
膜を設けてもよい。ここで、外部入力端子(FPC)が
設けられる部分に保護膜が成膜されないように注意する
ことが必要である。マスクを用いて保護膜が成膜されな
いようにしてもよいし、CVD装置でマスキングテープ
として用いるテフロン(登録商標)等のテープで外部入
力端子部分を覆うことで保護膜が成膜されないようにし
てもよい。保護膜419として、窒化珪素膜、DLC
膜、またはAlNXY膜を用いればよい。
【0314】以上のような構造で発光素子を保護膜41
9で封入することにより、発光素子を外部から完全に遮
断することができ、外部から水分や酸素等の有機化合物
層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐこ
とができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ること
ができる。また、EL層の成膜から封入までの工程を図
5〜図7に示す装置を用いて行ってもよい。
【0315】また、画素電極を陽極とし、有機化合物層
と陰極を積層して図9とは逆方向に発光する構成として
もよい。図10にその一例を示す。なお、上面図は同一
であるので省略する。
【0316】図10に示した断面構造について以下に説
明する。基板600上に絶縁膜610が設けられ、絶縁
膜610の上方には画素部602、ゲート側駆動回路6
03が形成されており、画素部602は電流制御用TF
T611とそのドレインに電気的に接続された画素電極
612を含む複数の画素により形成される。また、ゲー
ト側駆動回路603はnチャネル型TFT613とpチ
ャネル型TFT614とを組み合わせたCMOS回路を
用いて形成される。
【0317】これらのTFT(611、613、614
を含む)は、上記実施例5のnチャネル型TFT、上記
実施例5のpチャネル型TFTに従って作製すればよ
い。なお、図10では、OLEDに電流を供給するTF
T(電流制御用TFT611)のみを示したが、該TF
Tのゲート電極の先には複数のTFTなどからなる様々
な回路を設けてもよく、特に限定されないことは言うま
でもない。
【0318】画素電極612は発光素子(OLED)の
陰極として機能する。また、画素電極612の両端には
バンク615が形成され、画素電極612上には有機化
合物層616および発光素子の陽極617が形成され
る。
【0319】陽極617は全画素に共通の配線としても
機能し、接続配線608を経由してFPC609に電気
的に接続されている。さらに、画素部602及びゲート
側駆動回路603に含まれる素子は全て陰極617、有
機樹脂618、及び保護膜619で覆われている。さら
に、カバー材620と接着剤で貼り合わせてもよい。ま
た、カバー材620には凹部を設け、乾燥剤621を設
置してもよい。
【0320】また、図10では、画素電極を陽極とし、
有機化合物層と陰極を積層したため、発光方向は図10
に示す矢印の方向となっている。
【0321】また、ここではトップゲート型TFTを例
として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用
することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタ
ガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能
である。
【0322】また、本実施例は、実施の形態1、実施の
形態2、実施の形態4、実施例1〜5のいずれか一と自
由に組み合わせることができる。
【0323】[実施例7]本発明を実施してELモジュ
ール(アクティブマトリクス型ELモジュール、パッシ
ブ型ELモジュール)を完成することができる。即ち、
本発明を実施することによって、それらを組み込んだ全
ての電子機器が完成される。
【0324】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カース
テレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバ
イルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが
挙げられる。それらの一例を図11、図12に示す。
【0325】図11(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。
【0326】図11(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。
【0327】図11(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。
【0328】図11(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。
【0329】図11(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。
【0330】図11(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。
【0331】図12(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ290
6、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907
等を含む。
【0332】図12(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。
【0333】図12(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
【0334】ちなみに図12(C)に示すディスプレイ
は中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画
面サイズのものである。また、このようなサイズの表示
部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用
い、多面取りを行って量産することが好ましい。
【0335】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用すること
が可能である。また、本実施例の電子機器は、実施の形
態1実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施
例1乃至6のどのような組み合わせからなる構成を用い
ても実現することができる。
【0336】
【発明の効果】本発明により、真空中で基板を加熱しな
がら蒸着を行い、所望の膜厚まで成膜を行うことによっ
て、高密度、且つ、高純度な有機化合物層を形成するこ
とができる。
【0337】また、本発明により、大気にふれることな
く、真空中で基板を加熱しながら複数回の蒸着を行うこ
とによって、各層間での分子間をよりフィットさせるこ
とができる。特に、混合領域を形成する場合、混合領域
における分子間をよりフィットさせることができる。し
たがって、さらに駆動電圧の低減、および輝度低下の防
止が可能となる。
【0338】また、本発明により、一つの成膜室におい
て、成膜前に真空でアニールする処理、成膜中に真空で
アニールする処理、または、成膜後に真空でアニールす
る処理を行うことが可能となり、スループットが向上す
る。
【0339】また、本発明により、成膜装置の内部に設
けられる治具、及び成膜装置の内壁に付着した蒸着材料
を大気解放しないで除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成膜装置(実施の形態1)
【図2】 本発明のフローを示す図。(実施の形態
1)
【図3】 本発明の成膜装置(実施の形態2)
【図4】 本発明の成膜装置により作製される素子構
造を説明する図。(実施例1)
【図5】 成膜装置について説明する図。(実施例
2)
【図6】 成膜装置について説明する図。(実施例
3)
【図7】 成膜装置について説明する図。(実施例
4)
【図8】 発光装置について説明する図。
【図9】 発光装置について説明する図。
【図10】 発光装置について説明する図。
【図11】 電気機器の一例を示す図。
【図12】 電気機器の一例を示す図。
【図13】 本発明の成膜装置(実施の形態3)
【図14】 蒸着マスクの拡大断面図を示す図である。
【図15】 成膜装置の一例(実施の形態4)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB18 DB03 FA01 4K029 AA09 AA24 BA62 BB02 BB03 BC07 BD00 BD01 CA01 CA02 DA01 DA08 DA10 DB06 DB14 FA01 FA09 HA03 KA01 KA09

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に対向して配置した蒸着源から有機化
    合物材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装置
    であって、前記基板が配置される成膜室には、蒸着源
    と、該蒸着源を加熱する手段と、マスクを加熱する加熱
    手段とを有し、前記成膜室は、前記成膜室内を真空にす
    る真空排気処理室と連結されていることを特徴とする成
    膜装置。
  2. 【請求項2】基板に対向して配置した蒸着源から有機化
    合物材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装置
    であって、前記基板が配置される成膜室には、内壁に成
    膜されることを防止する付着防止手段と、該付着防止手
    段を加熱する加熱手段と、蒸着源と、該蒸着源を加熱す
    る手段と、マスクを加熱する加熱手段とを有し、前記成
    膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理室と連
    結されていることを特徴とする成膜装置。
  3. 【請求項3】ロード室と、搬送室と、成膜室とが、直列
    方向に連結された成膜装置であって、 前記成膜室は、マスクと基板の位置あわせを行う機能を
    有し、 前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理
    室と連結され、内壁に成膜されることを防止する付着防
    止手段と、該付着防止手段を加熱する加熱手段と、蒸着
    源と、該蒸着源を加熱する手段と、マスクを加熱する加
    熱手段とを有していることを特徴とする成膜装置。
  4. 【請求項4】ロード室、該ロード室に連結された搬送
    室、及び該搬送室に連結された成膜室とを有する成膜装
    置であって、 前記搬送室は、マスクと基板の位置あわせを行う機能を
    有し、 前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理
    室と連結され、内壁に成膜されることを防止する付着防
    止手段と、該付着防止手段を加熱する加熱手段と、蒸着
    源と、該蒸着源を加熱する手段と、マスクを加熱する加
    熱手段とを有していることを特徴とする成膜装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記成膜室内は、1×10-3Torrよりも高真空とするこ
    とを特徴とする成膜装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか一において、前
    記蒸着源は複数であって、それぞれ機能の異なる有機化
    合物を有し、少なくとも二種類の有機化合物を同時に蒸
    着することを特徴とする成膜装置。
  7. 【請求項7】請求項2乃至6のいずれか一において、前
    記基板の温度T1は、前記付着防止手段の温度T2よりも
    10℃以上低く制御し、且つ、前記付着防止手段の温度
    2は、前記蒸着源の温度T3よりも低く制御することを
    特徴とする成膜装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一において、前
    記基板の温度T1は、前記蒸着源の温度T3よりも低く制
    御することを特徴とする成膜装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれか一において、前
    記基板の温度T1は、50℃〜200℃の範囲であるこ
    とを特徴とする成膜装置。
  10. 【請求項10】基板に対向して配置した蒸着源から有機
    化合物材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装
    置であって、前記基板が配置される成膜室には、蒸着源
    と、該蒸着源を加熱する手段と、基板を加熱する加熱手
    段と、マスクと、該マスクに対向する電極とを有し、 前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理
    室と連結され、且つ、前記成膜室内にプラズマを発生さ
    せることを特徴とする成膜装置。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記マスクは導電
    性材料からなり、前記マスクまたは前記電極のいずれか
    一方に高周波電源が接続されていることを特徴とする成
    膜装置。
  12. 【請求項12】基板に対向して配置した蒸着源から有機
    化合物材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装
    置であって、前記基板が配置される成膜室には、蒸着源
    と、該蒸着源を加熱する手段と、基板を加熱する加熱手
    段とを有し、前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする
    真空排気処理室と連結され、且つ、前記処理室の内壁に
    レーザー光を照射するクリーニング予備室と連結されて
    いることを特徴とする成膜装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記レーザー光
    は、ガルバノミラーを用いて走査させることを特徴とす
    る成膜装置。
  14. 【請求項14】成膜室内に配置された基板上に有機化合
    物を蒸着させる成膜方法であって、 前記成膜室内を1×10-3Torrよりも高真空とし、基
    板に対向して配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着
    させて前記基板上に成膜を行う際、同時に前記基板を加
    熱して膜中のガスを低減することを特徴とする成膜方
    法。
  15. 【請求項15】請求項14において、前記基板の温度T
    1は、50℃〜200℃の範囲に制御することを特徴と
    する成膜方法。
  16. 【請求項16】成膜室内に配置された基板上に有機化合
    物を蒸着させる成膜方法であって、前記成膜室内を1×
    10-3Torrよりも高真空とし、基板に対向して配置し
    た蒸着源から有機化合物材料を蒸着させて前記基板上に
    成膜を行った後、前記基板を大気にふれることなく、さ
    らに成膜時よりも高真空とし、且つ、前記基板を加熱し
    て膜中のガスを低減することを特徴とする成膜方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、成膜時よりも高真
    空とし、且つ、前記基板を加熱して膜中のガスを低減す
    る処理は成膜時と同一の成膜室で行うことを特徴とする
    成膜方法。
  18. 【請求項18】請求項16において、成膜時よりも高真
    空とし、且つ、前記基板を加熱して膜中のガスを低減す
    る処理は成膜時と異なる処理室で行うことを特徴とする
    成膜方法。
  19. 【請求項19】請求項16乃至18のいずれか一におい
    て、成膜を行う際、同時に前記基板を加熱して膜中のガ
    スを低減することを特徴とする成膜方法。
  20. 【請求項20】成膜室内に配置された基板上に有機化合
    物を蒸着させる成膜方法であって、 基板上に第1の有機化合物層を形成した後、前記成膜室
    内を1×10-3Torrよりも高真空とし、基板に対向し
    て配置した蒸着源から有機化合物材料を蒸着させて前記
    第1の有機化合物層上に第2の有機化合物層の成膜を行
    う前に前記基板を加熱して第1の有機化合物層中のガス
    を低減することを特徴とする成膜方法。
  21. 【請求項21】蒸着源を備えた成膜室内に付着した有機
    化合物を除去するクリーニング方法であって、 成膜室内にプラズマを発生させて内壁、または該内壁に
    成膜されることを防止する付着防止手段、またはマスク
    をクリーニングすることを特徴とするクリーニング方
    法。
  22. 【請求項22】請求項21において、前記プラズマは、
    前記マスクと、該マスクと前記蒸着源との間に設けられ
    た電極との間に発生させることを特徴とするクリーニン
    グ方法。
  23. 【請求項23】請求項21または請求項22において、
    前記プラズマは、Ar、H、F、NF 3、またはOから
    選ばれた一種または複数種のガスを励起して発生させる
    ことを特徴とするクリーニング方法。
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