JP2003311376A - 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents

金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法

Info

Publication number
JP2003311376A
JP2003311376A JP2002126333A JP2002126333A JP2003311376A JP 2003311376 A JP2003311376 A JP 2003311376A JP 2002126333 A JP2002126333 A JP 2002126333A JP 2002126333 A JP2002126333 A JP 2002126333A JP 2003311376 A JP2003311376 A JP 2003311376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
mold
product
ingot
holding chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002126333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4113967B2 (ja
Inventor
Kazutaka Nakajima
和隆 中島
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Genichiro Kato
源一郎 加藤
Mitsuru Nita
満 二田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Mining Co Ltd
Priority to JP2002126333A priority Critical patent/JP4113967B2/ja
Publication of JP2003311376A publication Critical patent/JP2003311376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4113967B2 publication Critical patent/JP4113967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 形状が細長く異形状部を備えた形状のインゴ
ットを製造する際、ドロスの巻き込み、引け巣、クラッ
クの発生を抑制できる鋳造装置および鋳造方法を提供す
る。 【解決手段】 以下部材を備えたことを特徴とする金属
インゴット鋳造装置。溶融金属を流し込むための注湯口
と押し湯部とを備えた蓋部と、前記溶融金属を保持する
溶湯保持室と、製品形状に形成された鋳型を有する製品
型部と、前記溶湯保持室と前記製品型部との間に、前記
製品型部に連接されるように設けられ、かつ、前記溶融
金属が前記溶湯保持室から前記製品型部に流れ込むため
に前記製品型部の短辺側の底部との間に湯道を有する隔
離壁、とを備えた鋳型部である。また、前記湯道は、溶
湯保持室から製品型部にむけて隔離壁の底部に楔型状に
開口部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、金属インゴットの
鋳造装置及び鋳造方法に関する。詳細には、細長い形状
であって異形状部を備えた金属インゴットの鋳造装置及
び鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属インゴットは、溶融した金属を所望
形状の鋳型に注ぎ込み、冷却、凝固させた後鋳型から抜
いて得る。ところで、インゴットは、鋳型に注いだ溶融
金属を凝固させる条件の違いによって、表面にクラック
が入ったり、凝固による体積減や吸収したガスによりイ
ンゴット内部に空洞部が生じる、いわゆる引け巣や気泡
(ブローホール)などが発生する。外観上微細なクラッ
クであっても、クラックはインゴットの内部の引け巣に
まで達しているものもある。
【0003】インゴットにクラックがあると、使用中に
クラック部が起点となって破損したりする。インゴット
に引け巣があると、引け巣内に異物、雨水が侵入して使
用時に思わぬ不具合が生じることがある。また、インゴ
ットを鍍金などの電極等に使用すると酸性の液がクラッ
ク部に入り、クラック部が優先的に溶解されインゴット
が破損する可能性もある。従って、インゴットの鋳造時
には、クラックや引け巣が鋳造物に発生しないように、
溶湯温度や、溶融金属の鋳型への時間当たりの投入量、
すなわち注湯速度等を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】亜鉛は、沸点が低いた
め蒸発しやすく、また蒸発した亜鉛は大気中で容易に酸
化するという特性をもっている。そのため、溶解時の温
度や、鋳造時の温度を高くすると、蒸発した亜鉛が大気
中の酸素で酸化されて酸化物が生成し、結局亜鉛の損失
を招くことになる。亜鉛の損失を下げるためには、溶融
温度、鋳造温度を高くしない方が好ましい。ところが、
溶融温度、鋳造温度を低めにすると、溶融金属を鋳型に
鋳込んですぐに凝固が始まるので、インゴットにクラッ
クが発生しやすくなる。
【0005】また、鋳型に鋳込んだ後も、大気に触れて
いる溶融亜鉛の表面には亜鉛酸化物が生成して、いわゆ
る塊状のドロスを形成する。このドロスを除去せず、溶
融亜鉛上に浮いたままインゴットを冷却させると、イン
ゴットの表面にドロスが異物として残り、好ましくな
い。さらに、ドロスがインゴット内部に入り込んだ状態
で冷却されると、ドロス自身は脆いためにドロスの残留
箇所でインゴットが破損することも考えられる。
【0006】図4には、形状が細長く、異形状部を有し
たインゴットの例を示した。図4(a)はインゴットの
平面図を示した。図4(b)にはインゴットの正面図を
示した。このようなインゴットは異形状部を有している
ばかりでなく、表面の平滑度や、外形寸法精度が求めら
れる場合がある。
【0007】このような形状のインゴットを製造する
際、単に大気中で鋳型に流し込み冷却する方法を用いる
と、前記理由のため所望の表面平滑度や、外形寸法精度
を有しないばかりか、クラックが発生したり、表面に亜
鉛ドロスが付着したインゴットが得られる。そのため、
単に大気中で鋳型に流し込み冷却する方法では、表面が
平滑であり、外形寸法精度が良く、引け巣、クラックが
発生しないように金属インゴットを鋳造することは困難
であった。
【0008】例えば、形状が細長く、異形状部を有して
おり、さらに表面の平滑度や、外形寸法精度が求められ
るインゴットを製造する際、亜鉛の酸化を防ぐには、例
えば、鋳型に設けた注湯口や押し湯等の開口部から、窒
素やアルゴン等の不活性ガスを鋳型内に吹き込みながら
注湯する方法がある。そのようにすると、亜鉛と酸素の
接触を断つことができるので、酸化物の発生を抑えるこ
とができる。ところが、このような不活性ガスを用いる
と鋳造品の価格増の原因となる。
【0009】従って、本発明では、形状が細長く異形状
部を備えた形状のインゴットを製造する際、ドロスの巻
き込み、引け巣、クラックの発生を抑制できる鋳造方法
であり、かつ簡易で安定した鋳造装置および鋳造方法を
開発することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、以下部材を備えたことを特
徴とする金属インゴット鋳造装置である。溶融金属を流
し込むための注湯口と押し湯部とを備えた蓋部と、前記
溶融金属を保持する溶湯保持室と、製品形状に形成され
た鋳型を有する製品型部と、前記溶湯保持室と前記製品
型部との間に、前記製品型部に連接されるように設けら
れ、かつ、前記溶融金属が前記溶湯保持室から前記製品
型部に流れ込むために前記製品型部の短辺側の底部との
間に湯道を有する隔離壁、とを備えた鋳型部。
【0011】本願発明の第2の態様は、前記湯道は、溶
湯保持室から製品型部にむけて隔離壁の底部に楔型状に
設けられた開口部であることを特徴とする金属インゴッ
ト鋳造装置である。
【0012】本願発明の第3の態様は、前記湯道は、製
品型部側開口部の底部から上端までの高さが5〜20m
mであり、幅が20mmの範囲であることを特徴とする
金属インゴット鋳造装置である。
【0013】本願発明の第4の態様は、下記工程を備え
たことを特徴とする金属インゴット鋳造方法である。 (a)鋳造する金属を450〜560℃の範囲で溶解
し、(b)鋳造装置の鋳型部を100℃以上に予熱し
て、前記溶解温度に保持した溶融金属を蓋部の注湯口に
注湯して、鋳型部の溶湯保持室に注ぎ込み、(d)前記
溶湯保持室から隔離壁の下側に設けられた湯道を通し
て、製品型部に流入速度を1.0〜2.0kg/sec
の範囲で前記溶融金属を流し込み、(e)前記溶融金属
が蓋部に設けられた押し湯部に達したところで、注湯を
止め、冷却後に金属インゴットを型から抜く。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。第1図には、本実施の形態の鋳造装置1の略図を
示した。図1(a)は、鋳造装置1の蓋部3の側面略図
である。図1(b)は鋳造装置1の鋳型部5の側面略図
である。図1(c)は蓋部3と鋳型部5を合わせて組み
立てた鋳造装置1の側面略図である。
【0015】蓋部3について、図1(a)を用いて説明
する。蓋部3には、溶融金属を流し込むための注湯口1
3と、押し湯部15が設けられている。蓋部3は、例え
ば、鋼板等の金属を用いて溶接により、あるいは鋳鉄、
鋳鋼により作製される。蓋部3には、蓋部3を鋳型部5
に載せて互いに固定できるよう、例えば、フランジが
(図示せず)設けられる場合がある。さらに、蓋部3に
は、注湯された溶融金属を冷却するために、例えば、鋼
板等の金属を用いて作製され、蓋部3の上部を冷却水に
よって冷却できるようにジャケット(図示せず)が設け
られる場合がある。
【0016】注湯口13は迅速に溶融金属を流し込むた
めに設けたものである。また、押し湯部15は、製品型
部7に注がれた溶融金属が冷却する際に、体積収縮して
インゴットに引け巣等が発生しないように、体積収縮以
上の溶融金属を保持するために設けられるものである。
【0017】鋳型部5を図1(b)の図面を用いて説明
する。鋳型部5は、製品型部7、隔離壁9、および溶湯
保持部11を備えている。製品型部7の底には、インゴ
ットを押し上げるための押し上げ部17が設けられてい
る。鋳型部5は、例えば、鋼板等の金属を用いて溶接に
より、あるいは鋳鉄、鋳鋼により作製される。鋳型部5
には、蓋部3を鋳型部5に載せて互いに固定できるよ
う、例えば、フランジ(図示せず)を鋳型部5の上端面
に設けても良い。
【0018】さらに、鋳型部5には、注湯された溶融金
属を冷却するために、例えば、鋼板等の金属を用いて作
製され、鋳型部5の外側周囲を冷却水によって冷却でき
るようにジャケット(図示せず)を設けても良い。
【0019】製品型部7には、例えば、図4で示した形
状のインゴットに合わせた型が形成されている。溶湯保
持室11は、溶融金属を隔離壁9を通して製品型部7に
注ぎ込むため、注湯部13から流し込まれた溶融金属を
受け入れ保持するために設けられたものである。
【0020】溶湯保持室11と製品型部7の間には、隔
離壁9が設けられている。図2には隔離壁9について略
図を示した。図2(a)は、隔離壁9及び両側に位置す
る溶湯保持室11と及び製品型部7の斜視略図である。
図2(b)は隔離壁9及び両側に位置する溶湯保持室1
1と及び製品型部7の平面略図である。隔離壁9の下側
には溶融金属が溶湯保持室11から製品型部7に流れ込
むための湯道21が設けられている。
【0021】隔離壁9は、蓋部3又は鋳型部7に溶接等
により固定されて設けられていても良く、あるいは、鋳
造により鋳型部と一体化されて設けられていても良い。
また、隔離壁9は、鋳型部5内に湯道21を確保できる
ように、移動可能に設けられたものでも良い。
【0022】なお、隔離壁9の開口部は、製品部7に接
する部分が直線状でその部分の断面積が最小になるよう
に設置し,インゴットを押し上げたときに、容易に脆性
破断して、破断部等インゴット表面の整形作業が容易に
なるように寸法、形状を決めることが望ましい。
【0023】また、インゴット断面がほぼ長方形をして
いる場合、インゴットの短辺側である幅方向面に注湯口
を設けることが望ましい。すなわち、短辺側を上下とし
て隔離壁を形成する、すなわち、製品型部の長辺に添う
ように配置することが望ましい。
【0024】湯道21は、溶湯保持室11から製品型部
7にむけて、楔型状に高さが低くなるように、隔離壁9
の底部の斜部と製品型部7の底との間に設けられた隙間
である。溶融金属は、隔離壁9の底部の斜部下側の湯道
21を矢印で示した湯流れ方向23のように製品型部7
に流れ込む。
【0025】ここで、湯道21は製品型部7にまんべん
なく、長手方向に溶融金属が流出できるように製品型部
7との境目に設けられる。また、湯道21は、例えば、
図4で示したインゴット41の異形状部43より遠い側
に設置することが望ましい。遠い側の方が、異形部での
流速を製品型部の傾斜や、温度により制御し易いためで
ある。さらに、湯道21を隔離壁9の下側に設けること
により、溶湯保持室11で生成し表面に浮いた酸化物が
製品型部に流入することを防ぐことができる。
【0026】また、湯道21の開口面積や高さや幅、さ
らに隔離壁底部の勾配を調整することにより湯の製品型
部7へ流入する速度を制限できる。このため、溶融金属
が製品型部7の内壁に衝突して乱流となることを防ぎ、
湯の流れをほぼ製品型部7のインゴット形状に沿った層
流とできる。そのため、異形状部等の複雑形状箇所や鋭
角状箇所に流入した溶融金属の湯まわりも十分となり、
引け巣等の発生を防ぐことができる。
【0027】例えば、湯道の大きさは、溶湯の注湯量、
凝固する金属の量によるが、亜鉛では製品型部の底部か
ら開口部の上端のまでの高さが5〜20mm、例えば、
幅が20mm、そして断面積として1〜4cm2とする
ことが望ましい。さらに、望ましくは、高さが10〜1
5mmの範囲であり、断面積としては2〜3cm2であ
る。
【0028】押し上げ部17は、製品型部7で冷却した
インゴットを抜き出すためのものである。例えば、製品
型部7の底部に設けた空気圧、又は油圧で作動するシリ
ンダーで構成される押し上げ部17を用いても良い。
【0029】このような蓋部3と鋳型部5とを一体とし
鋳造装置1が組立てられる。蓋部3と鋳型部5とを合わ
せた場合、隙間等から溶融金属が漏れないようにするこ
と、かつ溶融金属の冷却後に容易に蓋部3と鋳型部5と
が取り外せることが必要である。このような、固定手段
を用いることが望ましい。
【0030】次に、前記鋳造装置1を用いた鋳造方法を
説明する。インゴット用の金属は、亜鉛または亜鉛合金
を用いることが望ましい。例えば、亜鉛合金は、亜鉛に
0.1〜10重量%アルミニウム合金を用いることが望
ましい。溶融金属の溶湯温度は450〜560℃とし、
好ましくは480〜520℃とする。このような温度に
保持して溶融金属を注湯口を通じて注湯する。
【0031】このとき、鋳型の温度は100℃以上、好
ましくは120℃以上に保持しておく。鋳型を保温する
ことにより、鋳型に流れ込んだ溶湯が急激に冷却されな
いため溶融金属の急激な凝固を防ぐことができる。鋳型
の加熱は、鋳型の側壁部、底部をバーナーまたは電熱ヒ
ーターで行えば良い。
【0032】注湯口13から注ぎこまれた溶融金属は、
溶湯保持室11に流れ込む。ついで、溶湯保持室11と
製品型部7との間の隔離壁9下の湯道21より溶湯が湯
流れ方向23のように製品型部7へ流出する。
【0033】溶融金属の製品型部7への流入速度は1.
0〜2.0kg/secにすることが望ましい。より、
望ましくは1.5〜1.9秒とすることが望ましい。な
お、これ以上流入速度が速くなると、例えばインゴット
の異形状部で湯の流れが乱流となりクラック発生の原因
となるからである。
【0034】また、異形状部は、鋳型より凝固した金属
を抜き出す際に、強度不足のため折損、破損したり不具
合の発生が予想される場合には中子を用いることが望ま
しい。なお、押湯部15は、インゴットに引け巣が生じ
ることを防止するため、湯をインゴット中の引け巣部に
供給して最後に凝固する箇所となる。したがって、給湯
終了後も、溶融金属を押湯部15に足し湯をしたり、押
湯部15を加熱したり、または保温することは、引け巣
の発生防止に効果的である。
【0035】次に、溶融金属を所定量注湯した後、押湯
部等により凝固を確認し、蓋部3を外し、インゴットを
押し上げ部17を用いて押上げて取り出す。
【0036】ここで、図3に鋳型部5で鋳造されたイン
ゴットの形状を示した。図3(a)は、インゴットの平
面図であり、図3(b)は正面図である。図3のインゴ
ット31は鋳型部5で冷却し、型から抜き出す前のイン
ゴットを示したものである。インゴット31は溶湯保持
室11に注湯した溶融金属が冷却して形成された溶湯保
持室部35、隔離壁9下側の湯道21で冷却して形成さ
れた湯道部39、及び製品型部7に流入した溶融金属が
冷却して形成された製品部37が一体となっている。
【0037】インゴット31は断面がほぼ長方形をして
おり、図3(a)の平面図略図ように、インゴットの短
辺側である幅方向面に注湯口が設けられる。すなわち、
短辺側を上下として隔離壁部33が形成されている。す
なわち、隔離壁33は製品型部の長辺に添うように配置
されている。
【0038】インゴットの冷却後には、隔離壁33で切
り離される前の湯道部39は製品部37と溶湯保持室3
5の間でブリッジ状に繋がっている。また、インゴット
31は、図3(a)のように、湾曲部の外側、すなわち
長方形の長辺側に突起状に異形状部を有している。
【0039】押し上げ部17を作動させてインゴット3
1を押し上げると、楔状に形成された湯道部39がノッ
チ効果を発して湯道部39で剪断されるため、製品部3
7を容易に抜き出すことができる。また、剪断される箇
所の形状を制御することができるため、鋳造物の品質に
対する影響は少ない。このようにして、図4に示したよ
うなインゴットを作製することができる。
【実施例】(実施例1)図3で示したインゴットの鋳造
するための鋳型を用意した。製品部の鋳型内寸法は、幅
が50mm、長さが1500mm、高さが150mmで
あり、長手方向の中心から250mmの位置に異形状部
を有している。製品部の鋳型は全体的に湾曲しており、
内側の半径は約1300mmである。製品部の異形状部
から遠い方に隔離壁を設けた。隔離壁の寸法は幅30m
m、高さ150mmとした。
【0040】隔離壁の下側には湯道を設けた。湯道の大
きさは、溶湯保持室側では高さ25mm×巾20mmと
し、製品部側は高さ10mm×巾20mmとした。すな
わち、湯道は、上方に傾斜部を備えた楔状であり、製品
部側への開口部を有している。
【0041】溶湯保持室は、隔離壁をはさんで製品部鋳
型の反対側であり、異形状部より遠方に配置した。形状
は製品端部形状の延長で長方形である。寸法は、長さ2
30mm、幅150mm、高さ90mmである。
【0042】蓋部の形状は、板状で製品と同じ湾曲形状
である。寸法は、長さ2100mm、幅270mmであ
る。蓋部に設けた湯口の形状は円筒形で低部にかけて広
がっており、寸法は高さが230mm、円筒形上部内径
が50mm、底部内径が70mmである。蓋部に設けた
押し湯部の形状は、円筒形で低部にかけて広がってお
り、寸法は高さが180mm、円筒形上部内径が100
mm、底部内径が120mmである。
【0043】原料として金属亜鉛150kgを500℃
で溶解した。鋳型の温度は、ガスバーナーを用いて、鋳
型外側面の温度を100℃程度に保持した。溶解した亜
鉛を蓋部に設けた注湯口に注湯した。なお、注湯速度
は、1.5kg/secとした。なお、注湯時の酸化物
の巻き込み等なく、鋳型内で湯の流れもほぼ鋳型壁に沿
った層流となり、乱流の発生はなく、クラック等の異常
は見られなかった。表面品質の確認は抜型時に目視で行
ったものである。
【0044】押し湯部に湯が入ったのを確認し、鋳型内
の亜鉛を放置し凝固させた。ついで、凝固した亜鉛を鋳
型の下方に設けた押し上げ部を用いて押し上げた。この
時、湯道部近辺でインゴットが切断され、必要な製品部
が離型された。
【0045】(実施例2)原料としてアルミニウムを
0.5重量%含有する亜鉛合金150kgを500℃で
溶解した。以下、実施例1と同様に行い、同様な結果が
得られた。
【0046】(比較例1)原料、鋳型寸法、鋳型温度、
注湯方法、注湯速度は実施例1と同様に行った。湯道の
大きさは、溶湯保持室側では高さ30mm、巾を20m
mとし、製品部側も高さ30mm、巾を20mmと同じ
とした。すなわち、湯道は、上方に傾斜部を備えず、直
方体状である。その結果、酸化物の巻き込みが多く表面
仕上りが悪化するという品質上の問題が発生した。また
この時、湯道部でインゴットが切断されず、溶湯保持室
部と繋がったままの状態で抜き出しを行わなければなら
なかった。
【0047】(比較例2)原料、鋳型寸法、鋳型温度、
注湯方法、注湯速度は実施例1と同様に行った。湯道の
大きさは、溶湯保持室側では高さを25mm、巾を20
mmとし、鋳型側は高さを3mm、巾を20mmとし
た。すなわち、湯道は、上方にきつい傾斜部を備えた楔
状であり、製品部側への狭い開口部を有している。
【0048】この結果、流出する溶湯量が少ないため、
製品型内壁面で凝固が始まり、表面には層状の細かい凹
凸が発生し、表面仕上りが悪化する品質上の問題が発生
した。また、注湯温度が低い場合には、注湯途中で湯道
部が凝固する場合もあり、鋳造作業に不具合が生じた。
なお、湯道部でインゴットが切断され、溶湯保持室部と
分離できた。
【0049】(比較例3)原料、鋳型寸法、鋳型温度、
注湯方法、湯道の大きさは実施例1と同様に行った。注
湯速度を3.8kg/secとした。その結果、注湯速
度が速いために酸化物の発生が多くなり、かつ酸化物は
隔離壁の湯道を通過して製品部へ巻き込まれるため、表
面仕上りが悪化するという品質上の問題が発生した。
【0050】(比較例4)原料、鋳型寸法、鋳型温度、
注湯方法、湯道の大きさは実施例1と同様に行った。注
湯速度を0.8kg/secとした。その結果、比較例
2と同様な現象が見られた。
【0051】
【発明の効果】異形状部を有するインゴットを鋳造する
際に、鋳型に設けた溶湯保持室から注湯し隔離壁下部の
湯道から溶湯を流し込むことにより、鋳造時のドロスの
巻き込みや引け巣,クラックの発生を抑制することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造装置に係る図である。
【図2】本発明の湯道を備えた鋳造装置の図である。
【図3】本発明の鋳型部に鋳造されたインゴットを示し
た図である。
【図4】異形状部を有するインゴットを示した図であ
る。
【符号の説明】
1 鋳造装置 3 蓋部 5 鋳型部 7 製品型部 9 隔離壁 11 溶湯保持室 13 注湯口 15 押し湯部 17 押し上げ部 21 湯道 23 湯流れ方向 31 インゴット 33 隔離壁部 35 溶湯保持室部 37 製品部 39 湯道部 41 インゴット 43 異形状部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22C 9/08 B22C 9/08 E G B22D 7/00 B22D 7/00 H J (72)発明者 加藤 源一郎 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 秋 田ジンク・ソリューションズ株式会社内 (72)発明者 二田 満 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 秋 田ジンク・ソリューションズ株式会社内 Fターム(参考) 4E093 NA03 NB05 NB07 NB10 PA03 TA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下部材を備えたことを特徴とする金属
    インゴット鋳造装置。溶融金属を流し込むための注湯口
    と押し湯部とを備えた蓋部と、 前記溶融金属を保持する溶湯保持室と、製品形状に形成
    された鋳型を有する製品型部と、前記溶湯保持室と前記
    製品型部との間に、前記製品型部に連接されるように設
    けられ、かつ、前記溶融金属が前記溶湯保持室から前記
    製品型部に流れ込むために前記製品型部の短辺側の底部
    との間に湯道を有する隔離壁、とを備えた鋳型部。
  2. 【請求項2】 前記湯道は、溶湯保持室から製品型部に
    むけて隔離壁の底部に楔型状に設けられた開口部である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属インゴット鋳造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記湯道は、製品型部側開口部の底部か
    ら上端までの高さが5〜20mmであり、幅が20mm
    の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載に
    金属インゴット鋳造装置。
  4. 【請求項4】 下記工程を備えたことを特徴とする金属
    インゴット鋳造方法。 (a)鋳造する金属を450〜560℃の範囲で溶解
    し、(b)鋳造装置の鋳型部を100℃以上に予熱し
    て、前記溶解温度に保持した溶融金属を蓋部の注湯口に
    注湯して、鋳型部の溶湯保持室に注ぎ込み、(d)前記
    溶湯保持室から隔離壁の下側に設けられた湯道を通し
    て、製品型部に流入速度を1.0〜2.0kg/sec
    の範囲で前記溶融金属を流し込み、(e)前記溶融金属
    が蓋部に設けられた押し湯部に達したところで、注湯を
    止め、冷却後に金属インゴットを型から抜く。
JP2002126333A 2002-04-26 2002-04-26 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法 Expired - Fee Related JP4113967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126333A JP4113967B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126333A JP4113967B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003311376A true JP2003311376A (ja) 2003-11-05
JP4113967B2 JP4113967B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=29540779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002126333A Expired - Fee Related JP4113967B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4113967B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161082A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Ishifuku Metal Ind Co Ltd スパッタリングターゲットの製造方法
WO2012111448A1 (ja) * 2011-02-16 2012-08-23 住友化学株式会社 鋳造用鋳型、Cu-Ga合金スラブ、スパッタリングターゲット、およびCu-Ga合金スラブの製造方法
WO2018110370A1 (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社神戸製鋼所 活性金属の鋳造方法
JP2018094628A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社神戸製鋼所 活性金属の鋳造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0721360U (ja) * 1993-09-24 1995-04-18 武盛 豊永 多重式シャチハタ(登録商標)印鑑ボックス

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161082A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Ishifuku Metal Ind Co Ltd スパッタリングターゲットの製造方法
WO2012111448A1 (ja) * 2011-02-16 2012-08-23 住友化学株式会社 鋳造用鋳型、Cu-Ga合金スラブ、スパッタリングターゲット、およびCu-Ga合金スラブの製造方法
WO2018110370A1 (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社神戸製鋼所 活性金属の鋳造方法
JP2018094628A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社神戸製鋼所 活性金属の鋳造方法
CN110062671A (zh) * 2016-12-13 2019-07-26 株式会社神户制钢所 活性金属的铸造方法
US10981222B2 (en) 2016-12-13 2021-04-20 Kobe Steel, Ltd. Casting method for active metal
JP7043217B2 (ja) 2016-12-13 2022-03-29 株式会社神戸製鋼所 活性金属の鋳造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4113967B2 (ja) 2008-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7243701B2 (en) Treating molten metals by moving electric arc
AU2002222478A1 (en) Treating molten metals by moving electric arc
JPH03243247A (ja) 帯状金属鋳塊の水平式連続鋳造法及びその装置
JP2003311376A (ja) 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法
JPH0255642A (ja) ストリツプ鋼を連続的に鋳造する方法および装置
CN108655357A (zh) 一种金属熔融连续铸造方法
JP2008036702A (ja) 金属鋳物用鋳造型
JP3289118B2 (ja) 連続鋳造における収縮孔低減装置
JP3546137B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
US20120199308A1 (en) Stirrer
AU2008200261B2 (en) Treating molten metals by moving electric arc
JPH05245600A (ja) 連続鋳造における末端鋳片の鋳造方法
JPS6333160A (ja) 連続鋳造方法
JPH08141703A (ja) 中心部に引け巣がある鋳塊の製造方法
JPS63180351A (ja) 鋼片鋳造法
JPS60196251A (ja) 続鋳造方法
JPS58187241A (ja) 金属の水平連続鋳造方法
JPH10286659A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2000153345A (ja) 連続鋳造機におけるダミーバーの装着方法およびダミーバーヘッド
JPS6376743A (ja) 連続鋳造方法
JPH07116781A (ja) 大断面鋳片の頭部保温方法
JPH09206907A (ja) 断面矩形鋳塊用縦型半連続鋳造における二次冷却方法
JPH04258346A (ja) 金属の連続鋳造方法
JPH1147886A (ja) 連続鋳造用鋳型
JPS63252644A (ja) 電磁鋳型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080226

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080321

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees