JP7043217B2 - 活性金属の鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性金属の細径鋳塊を高品質かつ高歩留で得ることができる活性金属の鋳造方法に関するものである。
水冷銅の坩堝を用いた誘導溶解炉(CCIM:コールドクルーシブル誘導溶解装置)は、溶解雰囲気および坩堝から溶湯内に不純物が混入することがほとんどなく、活性金属の溶解、特に高融点の金属の溶解に適している。
また、誘導溶解炉は、坩堝サイズより小さな原料であれば、形状に制約なく炉内で溶解ができるため、スクラップ等の材料を原材料として有効に活用することができる。
さらに、誘導溶解炉で加熱を起こさせる電磁誘導は、溶湯を攪拌させる電磁斥力も生じさせるため、電磁斥力による攪拌で溶湯内の均質性を保つことも可能となる。
そのため、誘導溶解炉を用いた活性金属の鋳造は、原料費が高いが故に良好な歩留まりが求められる活性金属の鋳塊に対して、高品質な鋳塊を高歩留まりで得るための有効な手法とされている。
ところで、通常、金属は液体状態よりも固体状態において密度が大きいため、凝固の際に鋳造体の容積が小さくなる。つまり、凝固時に収縮が起こることで、比較的冷却速度が遅く凝固の遅れる部分には、引巣と呼ばれる空洞が鋳造時の欠陥として発生してしまう。このような引巣は、特に細径鋳塊を製造する際に鋳塊の軸心部で発生しやすい。
そこで、誘導溶解炉で溶解した金属を細径鋳塊として鋳造する場合は、鋳造時の引巣を抑制するため、一般的に遠心鋳造法や減圧鋳造法などの手法が用いられている。
例えば、特許文献1には、密閉された保持炉と、保持炉に給湯スリーブで連結された鋳型とを備える鋳造装置を用いて、減圧鋳造を行う方法が開示されている。特許文献1の減圧鋳造法は、溶湯充填時に、キャビティ内(保持炉内)を十分に減圧することを可能としており、かつ溶湯を層流充填することも可能なので、エアを巻き込むおそれがなく、鋳物品質を高めることが可能となっている。また、特許文献1の減圧鋳造法では、保持炉内とキャビティ内の差圧を大きくできることにより、鋳込み重量を制限することがなく、大量の鋳込みが可能になるとされている。
また、上述した引巣の発生を抑制する方法としては、特許文献2に示すような指向性凝固方法も知られている。
すなわち、特許文献2には、高さ方向に複数個に分割され、個々に温度調整が可能な加熱炉を用いて、セラミック製鋳型の上部を下部より高温に加熱しておき、加熱されたセラミック製鋳型に溶融金属を注入して凝固を行う精密凝固方法が開示されている。この特許文献2の精密凝固方法では、高さ方向に温度分布のついた加熱炉中で、鋳型の下部を比較的低温に、鋳型の上部を高温に加熱する。しかる後に、鋳型に溶融金属を注入すると、鋳型内で溶湯が下部(溶湯の温度が低い底部側)から上部に向かって徐々に凝固する指向性凝固が起こる。このような指向性凝固が生じれば、引け巣などの欠陥の発生が防止可能となるとされている。
さらに、従来の水冷銅の坩堝を用いた誘導溶解炉による鋳造法は、坩堝を傾動することによる出湯方法が一般的であったが、特許文献3に示すように坩堝底部から出湯する方式も提案されている。
すなわち、特許文献3の鋳造方法は、坩堝の中の被溶解材料を電磁反発力で浮揚させて誘導加熱により溶解させ、溶湯を底部の出湯口から鋳型に出湯させる構成となっている。この出湯口には筒状をした導電性のアダプタが交換可能に嵌め込まれており、特許文献3の鋳造方法ではアダプタを交換することで出湯流量を段階的に調整することが可能となっている。
特開平9-57422号公報 特開平11-57984号公報 特開平11-87044号公報
ところで、特許文献1の減圧鋳造法は、保持炉の内部を減圧するための工程が余計に必要となっており、減圧の工程の分だけ工程を増加させる必要があるため、鋳造時に工程増加による生産性の低下を招く必要がある。
このような工程増加による生産性の低下は、鋳型に遠心力を作用させて引き巣を抑制する遠心鋳造法でも同じである。
また、特許文献2の精密凝固方法は、高さ方向に温度を変えて加熱することが可能な加熱炉を新たに設置する必要がある。また、鋳造を行う際には加熱温度を高さ方向に細かく変える必要もあるため、製造工程も複雑なものとなりやすく、製造コストのコストアップを招きやすい。
さらに、特許文献3の底部出湯式の溶解炉は、底部出湯時に出湯口の径を変更することで、出湯流量を大幅に変化させている。しかし、出湯流量を変更した際の鋳塊歩留や品質に及ぼす影響に関する記載は無く、また細径の被溶解材料の鋳造に関する記載も無い。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、誘導加熱式であって且つ底部出湯式で水冷銅などで構成されたの坩堝を用い、鋳造時に溶湯の注湯速度を制御することによって、溶湯が注湯される鋳型内において鋳塊底部からの指向性凝固を実現し、鋳塊内部の引巣を低減、良品歩留を向上させる活性金属の鋳造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の活性金属の鋳造方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の活性金属の鋳造方法は、水冷銅の坩堝を用いた誘導溶解炉において、当該坩堝の底部に設けられた出湯口から溶湯を有底円筒状の鋳型に出湯して活性金属の鋳塊を鋳造する活性金属の鋳造方法であって、前記鋳塊は直径Dが10mm以上で、且つ、鋳塊高さH(mm)と前記直径(mm)の比(H/D)が1.5以上であり、前記鋳造で出湯される溶湯の重量が200kg以下とされた鋳造条件で鋳造を行うに際しては、前記鋳造時の溶湯の温度を活性金属の融点よりも高温にすると共に、前記出湯口の開口径を調整することで、前記鋳型内で鋳造が進む速度である鋳造速度V(mm/秒)を、前記鋳塊高さHとの関係で、V≦0.1Hに制御しつつ前記鋳造を行うことを特徴とする。
本発明の活性金属の鋳造方法によれば、誘導加熱式であって且つ底部出湯式で水冷銅などで構成された坩堝を用い、鋳造時に溶湯の注湯速度を制御することによって、溶湯が注湯される鋳型内において鋳塊底部からの指向性凝固を実現し、鋳塊内部の引巣を低減、良品歩留を向上させることができる。
本実施形態の活性金属の溶解方法に用いられる鋳造設備を示した図である。 図1Aの鋳造装置で鋳造した鋳塊の内部を示した断面図である。 左側の図は、従来(傾動出湯方式)の溶解方法で鋳造された鋳塊内部の欠陥発生状態を示した断面図であり、右側の図は、本実施形態の溶解方法で鋳造された鋳塊内部の欠陥発生状態を示した断面図である。 左側の図は、鋳造速度158.4mm/秒で鋳造した重量5kg、高さ220mmの鋳塊内部での温度分布を示したものであり、右側の図は、鋳造速度2.2mm/秒で鋳造した重量5kg、高さ220mmの鋳塊内部での温度分布を示したものである。 鋳造速度が鋳塊の歩留に及ぼす影響を示した図である。 従来(傾動出湯方式)本実施形態の活性金属の溶解方法に用いられる鋳造設備を示した図である。 図5Aの鋳造装置で鋳造した鋳塊の内部を示した断面図である。
以下、本発明にかかる活性金属の鋳造方法の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
本実施形態の活性金属の鋳造方法は、チタン(Ti)系、ジルコニウム(Zr)系、バナジウム(V)系、クロム(Cr)系合金などの活性高融点な金属(以降、活性金属という)を溶解した溶湯Mを鋳型4に注湯して鋳造を行うことにより、細径鋳塊S(鋳塊)を製造するものとなっている。
以降では、まず本実施形態の活性金属の鋳造方法に用いられる鋳造設備1について説明する。
図1に示すように、本実施形態の鋳造設備1は、水冷銅製の坩堝2を用いた誘導溶解炉3と、坩堝2の底部から出湯した溶湯Mが注入される鋳型4と、を有していて、坩堝2の底部から溶湯Mを鋳型4に出湯して活性金属の細径鋳塊Sを鋳造するものである。
本実施形態の鋳造設備1に用いられる誘導溶解炉3は、溶解対象となる材料の内部に誘導電流を生じさせてその抵抗発熱を利用するものであり、一般にコールドクルーシブル誘導溶解装置(Cold Crucible Induction Melting)と呼ばれるものである。この誘導溶解炉3は、水冷銅の坩堝2を用いて活性金属を溶解させるものであり、一般的な溶解炉であれば坩堝2を構成する材料に多用される耐火物を用いずに、銅で形成されるものとなっている。そのため、耐火物からのコンタミの影響を受け難い。
上述した誘導溶解炉3に用いられる坩堝2は、図1に示すように、上方へ向かって開口した有底筒状に形成されており、内部に溶解された活性金属を収容可能となっている。
この坩堝2の壁は、前述の如く銅で形成されると共に水冷が行われている。このような水冷銅で坩堝2壁を形成すれば、溶解された活性金属を収容していても坩堝2壁の温度が所定の温度(例えば250℃)以上に上昇することがない。具体的には、水冷銅の坩堝2に上述した溶融した活性金属を入れても、坩堝2壁と溶融金属との間にスカルといわれる凝固殻が形成され、坩堝としての役割を果たすことで溶融金属が坩堝2から汚染されることがない。
本実施形態の坩堝2は底部出湯型となっており、坩堝2の底部には収容された活性金属を下方に案内可能な出湯口5が形成されている。この出湯口5は、開口径を調整可能とされており、下方に案内される溶湯Mの量を調整可能とされている。この出湯口5は、電磁式や機械式で開口径を調整可能なものでも良いし、開口径が異なる複数の弁部材を予め用意しておいて、弁部材を取り替えることで開口径を調整するようにしても良い。
鋳型4は上方に向かって開口した有底円筒状に形成されている。
鋳型4の内寸法は、鋳塊Sの直径をD、鋳塊Sの高さをH、溶湯Mの重量をWとした場合に、以下の適用範囲に収まる程度のサイズとされるのが望ましい。
鋳塊径D(mm): 10≦D≦150
鋳塊高さH(mm):15≦H≦1500
溶湯重量W(kg): 0.2≦W≦200
次に、上述した誘導溶解炉3を用いて活性金属を鋳造する場合の手順、言い換えれば活性金属の鋳造方法について説明する。
本実施形態の活性金属の鋳造方法は、水冷銅の坩堝2を用いた誘導溶解炉3において、当該坩堝2の底部から溶湯Mを鋳型4に出湯して活性金属の細径鋳塊Sを鋳造するものである。このとき鋳造される細径鋳塊Sは直径10mm以上で、且つ、鋳塊Sの高さ(H)と鋳塊Sの直径(D)の比H/Dが1.5以上であり、鋳造で出湯される溶湯Mの重量が200kg以下とされた鋳造条件で鋳造が行われる。また、鋳造を行うに際しては、坩堝2の底部に、開口径を調整可能な出湯口5を設けておき、鋳造時の溶湯Mの温度を活性金属の融点よりも高温にすると共に、出湯口5の開口径を調整することで、鋳型4内で鋳造が進む速度である鋳造速度V(mm/秒)を、鋳塊S高さとの関係で、V≦0.1Hに制御しつつ鋳造を行い、鋳塊S内部の引巣Cを低減すると共に鋳造歩留を向上させるものとなっている。なお、鋳造時に出湯された溶湯が詰まって溶湯が流れなくなる「湯詰まり」を起こさないようにするためには、鋳造時の溶湯Mの温度を好ましくは活性金属の融点より20℃以上高温、より好ましくは40℃以上高温にするとよい。
本実施形態の鋳造方法で上述した鋳造条件が設定されるのは、以下の理由からである。
例えば、多元系のTi-Al基合金原料(Ti-33.3Al-4.6Nb-2.55Cr)を水冷銅の坩堝2(サイズ:φ250mm)の誘導溶解炉3にて溶解し、完全に溶融状態になるまで保持する。その後、底部に設置したコイルに通電し、底部に設置したチタン製の底栓(サイズ:φ3.2mm)を誘導溶解させ、底栓を溶解除去して開口することで坩堝2の底部から底部出湯式で出湯させて鋳塊Sを鋳造した。なお、比較として、図5A及び図5Bに示すような、傾動式出湯で出湯を行うものも作製した。このようにして鋳造したTi-Al基合金の鋳塊Sサンプルの断面写真を、傾動出湯式(従来技術)については図2の左側に、底部出湯式(本願発明)については図2の右側に示す。
図2の左側に示すように、従来の傾動出湯式で鋳造した鋳塊S内部には引巣Cによる欠陥が、上下方向の広い範囲に亘って顕在している。これに対し、図2の右側に示す底部出湯で鋳造した鋳塊Sの内部には、引巣Cによる欠陥が鋳塊Sの上端部のみに発生していることが確認できた。この理由は、底部出湯式で出湯させると傾動出湯式に比べて鋳造速度が遅くなることにより、底部からの指向性凝固に近い凝固過程を経て、最終凝固部が最上部になったことに起因すると考えられる。
上述した底部出湯式及び傾動出湯式の鋳塊Sの内部に対して、引巣欠陥の発生状態と歩留を評価した結果を表1に示す。
Figure 0007043217000001
表1の実施例からわかるように、従来例に比して鋳造速度を遅くすることにより、引巣Cの発生箇所が鋳塊Sの上端側(鋳塊SのTOP部分)に移行し、「良品歩留」が従来例(傾動出湯式)で30%であったのに対し、実施例(底部出湯式)では80%にまで向上することがわかる。なお、この「良品歩留」とは、鋳塊S内部の引巣Cが存在しない箇所、つまり図2で引巣Cが発生していない箇所が鋳塊Sの全体に占める高さの比(具体的には、図1Bにおけるh/H、図5Bにおけるh'/H)を良品歩留としている。
上述したような引巣Cの発生状態の差が生じるのは、最終凝固部が鋳塊Sの中でどの位置に存在するかに大きな影響を受ける。つまり、引巣Cは基本的に凝固が完了する箇所(最終凝固部)にて大きく発生する。そのため、数値解析ソフトを用いて鋳造速度を変更させた場合に、鋳塊Sの内部での温度分布がわかれば、最終凝固部が鋳塊Sのどの部分に位置するかもわかり、引巣Cの発生状態の評価を行うことができる。
例えば、図3の左側は、傾動出湯式(従来技術)で鋳造を行った場合の鋳塊Sの内部での温度分布を示している。図中の数値は数値解析の結果として得られた鋳塊Sの内部の温度を示している。数値が大きいほど鋳片の温度が高温であることを示しており、鋳造において最終まで凝固せずに残る最終凝固部となる。つまり、この最終凝固部が、引巣Cが主に発生する発生箇所に相当すると推定される。
図3の左側に示すように、傾動出湯式を想定した場合、つまり鋳造速度が158.4mm/sと速い場合には、引巣Cの発生箇所が鋳塊Sの中央部(上下方向の中央側)に存在している。
これに対し、図3の右側に示すように、底部出湯式(本発明の技術)を想定した場合、つまり鋳造速度が2.2mm/sと遅い場合には、引巣Cの発生箇所が鋳塊Sの上端側に移行できていることが確認される。これは鋳造速度を遅くすることにより、底部から上方に向かって順番に凝固が進んでいく指向性凝固が実現できたためと考えられる。
このような鋳造速度と最終凝固部(引巣Cの発生箇所)の位置との関係をまとめると、表2および図4に示すようになる。
Figure 0007043217000002
図4は、鋳塊Sの重量に対する鋳造速度(鋳造の長さに対する比率で示される鋳造速度[%/秒])を変化させたときの最終凝固部箇所の位置(言い換えれば、鋳塊Sの歩留)を示したものである。図4に示されるCASTEM解析値の鋳造速度は、いずれも図3と同様に数値解析を用いて算出したものである。またボトム出湯実験値および傾動出湯実験値の鋳造速度は実験より求めた値である。図1Bにおける鋳塊Sの高さをH(mm)とした場合に、鋳造速度V(mm/秒)が「0.1×H」以下となる場合(「鋳造速度(mm/s)/鋳塊高さ(mm)×100」が10%/s以下)においては最終凝固部箇所が鋳塊Sの上端側(TOP部)に移行し、引巣Cも鋳塊Sの上端側に移行している。その結果、鋳造速度Vが「0.1×H」以下となる場合においては、引巣Cが発生している上端側を除く部分が良品の鋳塊Sとして利用でき、良品歩留は60%以上に改善できていると推定される。図4の実施例によると、鋳造速度V(mm/s)/鋳塊高さ(mm)×100が4%/s以下の場合には歩留65%以上、2%/s以下の場合には歩留70%以上、1%/s以下の場合には歩留75%以上、さらに0.006%/s以下の場合には歩留85%以上に改善できる。
なお、従来(傾動出湯式)の場合には、表1の場合では良品歩留は30%、表2の場合でも54%に留まる。
そのため、良品歩留を60%以上とするには、鋳塊Sの高さをH(mm)とした場合に鋳造速度V(mm/秒)を「0.1×H」以下とするのが望ましい。
以上が、本実施形態の鋳造方法で上述した鋳造条件が設定される理由である。
すなわち、本発明のように 直径10mm以上で、且つ、鋳塊Sの高さHと鋳塊Sの径Dの比(H/D)が1.5以上であり、鋳造で出湯される溶湯Mの重量が200kg以下とされた鋳造条件で鋳造を行うに際し、鋳造時の溶湯Mの温度を活性金属の融点よりも40℃以上高温にすると共に、鋳造速度V(mm/秒)をV≦0.1Hに制御しつつ鋳造を行うことで、鋳塊Sの内部の引巣Cを低減すると共に鋳造歩留を向上させることが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 鋳造設備
2 坩堝
3 誘導溶解炉
4 鋳型
5 出湯口
C 引巣
M 溶湯
S 鋳塊

Claims (1)

  1. 水冷銅の坩堝を用いた誘導溶解炉において、当該坩堝の底部に設けられた出湯口から溶湯を有底円筒状の鋳型に出湯して活性金属の鋳塊を鋳造する活性金属の鋳造方法であって、
    前記鋳塊は直径Dが10mm以上で、且つ、鋳塊高さH(mm)と前記直径(mm)の比(H/D)が1.5以上であり、前記鋳造で出湯される溶湯の重量が200kg以下とされた鋳造条件で鋳造を行うに際しては、
    前記鋳造時の溶湯の温度を活性金属の融点よりも高温にすると共に、前記出湯口の開口径を調整することで、前記鋳型内で鋳造が進む速度である鋳造速度V(mm/秒)を、前記鋳塊高さHとの関係で、V≦0.1Hに制御しつつ前記鋳造を行う
    ことを特徴とする活性金属の鋳造方法。
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