JP3289118B2 - 連続鋳造における収縮孔低減装置 - Google Patents

連続鋳造における収縮孔低減装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の連続鋳造に
おける収縮孔低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼はタン
ディシュと注湯ノズルを通して内部水冷式の銅鋳型に注
湯され、鋳型部や2次冷却帯での抜熱により冷却・凝固
し、固体の鋳片となる。
【0003】鋳型への注湯が終了した後に主に凝固する
鋳片の最終部位(以下この部位を鋳片トップ部と呼称す
る)には、通常、主に鋼の液体と固体の密度差に基づい
て起こる凝固収縮により、鋳片内部に大きな収縮孔が形
成される。
【0004】この収縮孔が形成された鋳片部位は、収縮
孔への連鋳用フラックスの流入や、凝固後の収縮孔への
空気の侵入による鉄の酸化膜の生成のため製品として使
用できず、切り捨てて鉄屑にするより他に方法がないの
が現状であり、収縮孔の長さが長ければ長いほど鋳片の
歩留まりが悪くなる。
【0005】しかしながら従来は、収縮孔の長さを短く
して、鋳片トップ部の歩留まりをよくする方法はあまり
講じられていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように鋳片トップ
部に収縮孔が形成されると、収縮孔を有する鋳片部位は
製品として使用できず、切り捨てて鉄屑にするより方法
がなく、鋳片歩留りが悪くなり、コストの上昇を招き、
好ましいことではなかった。
【0007】本発明は、鋳造速度を低減することなく、
鋳片トップ部における収縮孔の生成長さを抑制し、鋳片
の歩留まりを向上する装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明の装置のその1は、取鍋内の溶鋼を
タンディシュを経て鋳型内へ注湯して連続鋳造鋳片を製
造するに際し、溶鋼の注湯終了後に鋳型内に注湯した溶
鋼中へ保温管を装入し、鋳片内の最終部位に形成された
収縮孔を低減することからなる、連続鋳造における収縮
孔低減方法に使用する保温管を、断熱性のある金属また
は耐火物からなる管を用い、下端が開放で上端に小孔を
有する蓋を取り付けたことを特徴とする連続鋳造におけ
る収縮孔低減装置である。
【0010】本発明の装置のその2は、取鍋内の溶鋼を
タンディシュを経て鋳型内へ注湯して連続鋳造鋳片を製
造するに際し、溶鋼の注湯終了後に鋳型内に注湯した溶
鋼中へ保温管を装入し、鋳片内の最終部位に形成された
収縮孔を低減することからなる、連続鋳造における収縮
孔低減方法に使用する保温管を、金属管を用いて内面に
断熱性の耐火物を装着し、下端が開放で上端に小孔を有
する蓋を取り付けたことを特徴とする連続鋳造における
収縮孔低減装置である。
【0011】
【作用】図1(a)は、溶鋼の注湯終了後に、連続鋳造
の鋳型1の中の溶鋼中へ、下端が開放で上端に小孔4を
有する保温管3を設置した時の平面の模式図を示す。保
温管3は、溶鋼の注湯終了後、鋳造速度を減速すること
なく湯面2の上方から設置することが出来る。
【0012】図1(b)は、図1(a)のA−A位置の
断面図を示し、溶鋼の注湯終了後、連鋳用フラックス5
が残存した湯面2の上から保温管3を設置すると、湯面
2を通した抜熱により、比較的速やかに保温管3の外側
の湯面には凝固シェル8aが発達し、保温管が固定され
る。
【0013】鋳造速度を減速しない場合、湯面2と保温
管3は、鋳片の引き抜きに伴って下方へ移動するが、移
動中に溶鋼7は鋳型部および鋳型下方の2次冷却帯での
抜熱により凝固し、凝固シェル8が成長する。
【0014】溶鋼が凝固する際、溶鋼7と凝固シェル8
の密度差に基づく凝固収縮を補うため溶鋼が移動する
が、この移動が困難であると収縮孔が形成される。ここ
で保温管3を設置することにより保温管3の内部の溶鋼
の凝固を遅らせると、保温管の内部の溶鋼が容易に移動
して凝固収縮を補償することができ、保温管3の内部の
湯面2aが降下する。
【0015】この時に保温管3の上端に小孔4がない
と、保温管3の内部の空間6の圧力が低下し、湯面2a
が下がることができず、凝固収縮を補償するための溶鋼
の移動が困難となり、収縮孔の形成を促進する。
【0016】図2は円筒状の保温管の例を示し、図2
(a)は、断熱性のある金属または耐火物の円筒形状と
した図面であり、下端が開放で、上端に小孔4を有し、
保温管内の溶鋼の温度低下や凝固を出来るだけ防止でき
ることが重要である。このため断熱性のある金属として
は、熱伝導度の低いステンレス鋼,耐火物としてはアル
ミナが主成分の繊維を成形したものなどが利用できる。
【0017】図2(b)は、保温管3として金属円筒9
の内面に耐火物10を装着した場合の模式図である。保
温管3の外面が金属の場合、図1(b)に示すように、
保温管の外側における湯面直下の凝固シェル8aと保温
管3外表面の結合が容易であり、注湯終了後、保温管3
を溶鋼中へ設置した後、速やかに保温管3が固定される
利点がある。ステンレス鋼の円筒の内面にアルミナ主成
分の繊維の成形板を装着したものなどが利用できる。
【0018】なお図2では円筒状の保温管の例を示した
が、下端が開放で、上端に小孔を有し、保温管の内部の
溶鋼を保温出来るものであれば、多角形の筒状のものな
どでもよい。
【0019】図3は、本発明の保温管3を利用した場合
の完全凝固後の鋳片12縦断面の模式図を示し、図4
は、保温管を利用しなかった場合の鋳片12縦断面の模
式図を示す。
【0020】図4に示す本発明を実施しない場合には、
通常凝固シェル8aが層状に形成され、比較的広い空間
の収縮孔11や孤立したように見える収縮孔11aが形
成される。
【0021】鋳片最上端の凝固シェル8aは、鋳片トッ
プ部の湯面からの抜熱により層状に形成され、凝固収縮
による内部の圧力低下により下方へ多少変形し、破裂す
るという現象が数回生じたものと考えられる。収縮孔1
1aの長さが長いと、鋳片12の歩留まりが悪くなる。
【0022】孤立したように見える収縮孔11aは、上
部の収縮孔11と連結している場合が多く、連結してい
ると上部からの空気の侵入により酸化されているため、
後工程で圧延して圧着しても酸化物が残り、製品の品質
が悪くなるため、鉄屑として廃棄しなければならない。
【0023】一方図3において、本発明のように保温管
3を設置した場合、保温管3の内部の溶鋼が最後まで凝
固収縮を補うことが出来るため、収縮孔11が大きくな
く、鋳片上端から収縮孔11の下端までの鋳片長さが短
く、逆に収縮孔の無い鋳片の健全部の長さが長く、鋳片
トップ部における鋳片歩留まりが極めて良くなる。
【0024】なお以上の説明では、1本の保温管を設置
した場合について説明したが、スラブ鋳片のように鋳片
幅が厚さの約3〜10倍となる場合には、鋳片幅方向に
2本以上の保温管を設置する方が、凝固収縮を補う溶鋼
の供給が容易にでき、その効果をより発揮し易く、容易
に収縮孔の形成を低減できる。
【0025】
【実施例】主成分が0.8mass%Cの高炭素鋼の溶
鋼を使って、厚さ300mm,幅500mmのブルーム
鋳片の連続鋳造の試験をした。通常の振動式銅鋳型の連
続鋳造で、モールドフラックスを用い、溶鋼を取鍋から
タンディシュを経て、浸漬ノズルを使って鋳型内へ注入
した。
【0026】鋳造条件としては、鋳造速度は0.7m/
minで一定とし、タンディシュ内の溶鋼過熱度は約1
0〜30℃の範囲で、鋳型部以降の鋳片の2次冷却には
水スプレーを採用した。
【0027】保温管に関する条件として、 保温管を使わない場合、 図2(a)に示す形状のステンレス鋼管(外径200
mm,肉厚5mm,長さ400mm,小孔の径5m
m)、 図2(a)に示す形状で、主成分がアルミナ繊維質の
成形管(外径190mm,肉厚15mm,長さ400m
m,小孔の径5mm)、 図2(b)に示す形状で、外側のステンレス鋼管(外
径200mm,肉厚5mm,長さ200mm,小孔の径
5mm)の内部に、主成分がアルミナ繊維質の成形管
(外径190mm,肉厚15mm,長さ400mm,小
孔の径5mm)を装着したもの、を採用した。
【0028】保温管は、溶鋼の注湯が終了した後、鋳造
速度を減速することなく、湯面の上から溶鋼中へ約30
0mm程度浸漬するように設置した。
【0029】これらの保温管を使った鋳造実験の後、鋳
片トップ部の縦断面を調査した結果、条件の保温管を
設置しない場合には、図4の模式図に示すように、比較
的大きな収縮孔と孤立したように見える収縮孔ができて
おり、鋳片上端から大きな収縮孔の先端までの長さは約
100cm、鋳片上端から孤立したように見える収縮孔
の先端までの長さは約220cmであった。
【0030】これに対して、保温管を利用した条件,
,の場合は、孤立したように見える収縮孔は極めて
少なく、鋳片上端から大きな収縮孔の先端までの距離
は、条件の場合には約60cm,条件の場合には約
45cm,条件の場合には約40cmであり、保温管
を使うと、溶鋼の凝固収縮によって形成される収縮孔の
長さが短くなることが判った。
【0031】保温管を使わない場合に対して、保温管を
使った条件,,の各場合は、収縮孔の無い健全な
鋳片の長さが、各々40,55,60cmだけ長くな
り、鋳片歩留まりが向上することが明らかになった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋳
造速度を低下させることなく、溶鋼中へ保温管を装入す
ることにより鋳片内の収縮孔の形成を低減でき、凝固収
縮によって形成される鋳片トップ部の収縮孔の長さを短
くでき、健全部の多い鋳片の安定かつ高生産速度の連続
鋳造が可能となり、生産性の向上とともに鋳片の歩留ま
りをも向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は連続鋳造の鋳型内へ保温管を設置し
た時の平面の模式図を示し、(b)図は(a)図のA−
A位置の断面図である。
【図2】(a)図は断熱性のある金属または耐火物を円
筒形状とした保温管、(b)図は保温管として金属円筒
の内面に耐火物を装着した場合の模式図である。
【図3】保温管使用時の鋳片の縦断面図である。
【図4】保温管を使用しない場合の鋳片縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 鋳型 2,2a 湯面 3 保温管 4 小孔 5,5a フラックス 6 保温管内部の空間 7 溶鋼 8,8a 凝固シェル 9 金属円筒 10 耐火物 11,11a 収縮孔 12 鋳片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 宏美 千葉県君津市君津1 新日本製鐵株式会 社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平5−245600(JP,A) 特開 昭60−152349(JP,A) 特開 平5−200502(JP,A) 特開 昭53−84822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/10 B22D 11/12 B22D 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋内の溶鋼をタンディシュを経て鋳型
    内へ注湯して連続鋳造鋳片を製造するに際し、溶鋼の注
    湯終了後に鋳型内に注湯した溶鋼中へ保温管を装入し、
    鋳片内の最終部位に形成された収縮孔を低減することか
    らなる、連続鋳造における収縮孔低減方法に使用する保
    温管を、断熱性のある金属または耐火物からなる管を用
    い、下端が開放で上端に小孔を有する蓋を取り付けたこ
    とを特徴とする連続鋳造における収縮孔低減装置。
  2. 【請求項2】 取鍋内の溶鋼をタンディシュを経て鋳型
    内へ注湯して連続鋳造鋳片を製造するに際し、溶鋼の注
    湯終了後に鋳型内に注湯した溶鋼中へ保温管を装入し、
    鋳片内の最終部位に形成された収縮孔を低減することか
    らなる、連続鋳造における収縮孔低減方法に使用する保
    温管を、金属管を用いて内面に断熱性の耐火物を装着
    し、下端が開放で上端に小孔を有する蓋を取り付けたこ
    とを特徴とする連続鋳造における収縮孔低減装置。
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JP2020146711A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 日本製鉄株式会社 鋼の連続鋳造方法

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